弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人樋口俊二の上告趣意第一点について。
 所論は、刑訴三二一条一項二号後段の規定は、憲法三七条二項に違反し無効であ
り、原判決も憲法に違反すると主張する。しかし、所論は、原審で主張、判断され
ていない事項に関する主張であるのみならず、憲法三七条二項が、刑事被告人は、
すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられると規定しているのは、裁判
所の職権により又は当事者の請求により喚問した証人につき、反対尋問の機会を充
分に与えなければならないという趣旨であつて、被告人に反対尋問の機会を与えな
い証人その他の者の供述を録取した書類を絶対に証拠とすることを許さない意味を
ふくむものではなく、従つて、法律においてこれらの書類はその供述者を公判期日
において尋問する機会を被告人に与えれば、これを証拠とすることができる旨を規
定したからといつて、憲法三七条二項に反するものでないことは、当裁判所大法廷
の判例が示すところであるから(昭和二三年(れ)八三三号同二四年五月一八日宣
告、集三巻六号七八九頁)、刑訴三二一条一項二号後段の規定が違憲でないことは
おのずから明らかである。そして、本件において、第一審裁判所は、所論A、Bを
公判廷において証人として尋問し(記録一六丁以下)、被告人及び弁護人に反対尋
問の機会を与えた上その各証言と共に右両名の検察官に対する各供述調書を被告人
の証拠とすることの同意を得て(同一四丁)、証拠に採用しているのであるから、
これを是認した原判決には所論のような違憲はなく、論旨は理由がない。
 同第二点について。
 所論も、原審において主張、判断のない事項に関する主張であるばかりでなく、
A、Bの検察官に対する各供述調書は、第一審公判において、被告人がこれを証拠
とすることに同意していることは前記のとおりであり、被告人が書面を証拠とする
ことに同意した場合には、刑訴三二五条に従つてその書面に記載された供述の任意
性の調査を必要としないことは、当裁判所の判例とするところである(昭和二五年
(あ)一三三三号同二六年六月七日第一小法廷決定、集五巻七号一二四三頁)。そ
して、第一審裁判所は、その裁量により右各供述調書に相当性があると認めてこれ
を証拠に採用したものであるから、これを是認した原判決には所論のような違法も
認められない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す
る。
  昭和三〇年一一月二九日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛