弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 検察官の上告趣意について。
 所論のうち、憲法二八条、三一条、一八条、二一条違反をいう点は、法律の規定
は、可能なかぎり、憲法の精神にそくして、これと調和しうるよう、合理的に解釈
されるべきものであつて、地方公務員法六一条四号の規定も、憲法の趣旨と調和し
うるよう解釈するときは、争議行為自体が違法性の強いものであることを前提とし、
そのような違法な争議行為等のあおり行為等であつてはじめて、刑事罰をもつての
ぞむ違法性を認めようとする趣旨と解すべきであることは、当裁判所の判例(昭和
四一年(あ)第四〇一号、同四四年四月二日大法廷判決・刑集二三巻五号三〇五頁)
とするところであるから、これと同旨に出た原判断は正当であつて、論旨は理由が
ない。
 次に、判例違反をいう点は、所論引用の昭和二四年(れ)第六八五号、同二八年
四月八日大法廷判決(刑集七巻四号七七五頁)は、昭和三九年(あ)第二九六号、
同四一年一〇月二六日大法廷判決(刑集二〇巻八号九〇一頁)ならびに原判決言渡
後の昭和四一年(あ)第四〇一号、同四四年四月二日大法廷判決(刑集二三巻五号
三〇五頁)により、実質的に変更されており、また、所論引用の昭和四〇年一一月
一六日東京高等裁判所判決(高刑集一八巻七号七四二頁)は、原判決言渡後、前示
昭和四四年四月二日大法廷判決により破棄されたもので、原判決の所論判示部分は、
前示のとおり、右大法廷判決と同旨のものであるから、刑訴法四一〇条二項の趣旨
に従い、原判決を維持するのが相当であつて、論旨はいずれも理由がない。ただ、
所論のうち、原判決の判断が所論昭和二六年(あ)第三八七五号、同三〇年一一月
三〇日大法廷判決(刑集九巻一二号二五四五頁)と相反するとの点は、原判決は、
憲法二一条の観点から、地方公務員法六一条四号の規定は前示のように限定的に解
釈すべきものである旨判示しているところ、右大法廷判決は、同号の規定につき何
ら限定的解釈をすることなく、これが憲法二一条に違反するものではないとの見解
をとつているのであるから、原判決は、右大法廷判決と相反する判断をしたことに
なるものといわなければならないけれども、前示昭和四四年四月二日大法廷判決お
よび昭和四一年(あ)第一一二九号、同四四年四月二日大法廷判決(刑集二三巻五
号六八五頁)の趣旨に徴すれば、事実審の確定した事実関係の下においては、原判
決が、本件争議行為は、その目的、手段方法、期間、国民生活に及ぼした影響等に
照らし、違法性が強いものとはいえないから、被告人らの本件行為はすべて地方公
務員法六一条四号に該当せず、無罪とすべきものであるとしたのは、その結論にお
いて正当であつて、原判決には所論の判例違反があるが、この判例違反の事由は、
刑訴法四一〇条一項但書にいう判決に影響を及ぼさないことが明らかな場合に当た
り、原判決を破棄する事由とはならない。
 よつて、同法四〇八条により、本件各上告を棄却することとし、主文のとおり判
決する。
 この判決は、裁判官下村三郎、同松本正雄の反対意見があるほか、裁判官全員一
致の意見によるものである。
 裁判官下村三郎、同松本正雄の反対意見は、次のとおりである。
 原判決は、地方公務員法六一条四号の解釈を誤り、罪となるべきものを罪となら
ないとする違法を犯したもので、破棄されるべきものと考えるが、その理由の詳細
は、昭和四一年(あ)第四〇一号、同四四年四月二日大法廷判決(別集二三巻五号
三〇五頁)の裁判官奥野健一、同草鹿浅之介、同石田和外、同下村三郎、同松本正
雄の反対意見と同趣旨であるから、ここにこれを引用する。
  昭和四六年三月二三日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    飯   村   義   美
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄
            裁判官    関   根   小   郷

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