弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人に対し刑を免除する
         理    由
 被告人の控訴趣旨について。
 原判決挙示の証拠によれば、原判決認定の事実を認めるに十分であり、記録を精
査してもこの認定を覆す資料がないから、被告人に本件スクーターの運搬を頼んだ
のはA一人であり、また当時被告人はその物件がA、Bの両名が他から窃取して来
たものであることを知らなかつた旨の事実誤認の論旨は理由がない。つぎに所論
は、Aは被告人の実兄の長男で甥に当り本件当時被告人方に同居していたものであ
るから、臟物運搬罪としては被告人の刑は免除さるべきものであると主張する。
 ところが、原審は、窃盗犯人Aと被告人との右同居の親族の関係を認めながら、
他の窃盗共犯Bと被告人との間にはそのような身分関係がないとの理由で刑法第二
五七条第二項に当ると解して被告人に対して科刑をしたのである。しかしながら、
刑法第二五七条第二項は臟物罪の犯人が二人以上の共犯である場合<要旨第一>の規
定であって、臟物罪の相手方である盗犯人が二人以上の共犯である場合の規定では
ない。そこで同法第二五七条第一項の趣旨を考えてみるに、そこに規定
するような身分関係のある者の間で行われる臟物に関する行為とても本来その犯罪
の成立を阻却するいわれはないが、しかし、これらの者の間に同条所定の行為が行
われることは、人情上あながち無理からぬ一面もあるので、その情義を無視してこ
れを処罰するのは、いささか酷<要旨第二>であるとして、その刑を免除するのを適
当としたものと解せられるのである。この趣旨によると、たとえ竊盗
犯の中に右のよらな身分関係のない共犯者が加わっていて、この者も右のような身
分関係のある者と共に臟物罪に関与したとしても、いやしくも、臟物犯人と窃盗共
犯者の一人とが右のような身分関係にある以上は、刑法二百五十七条第一項に当る
ものと解するのを相当とするのである。そして原判決が証拠によつて認定したとこ
ろは、竊盗犯人である右AとBの両名が共に被告人に対して贓物の運搬方を依頼
し、被告人がこれに応じたというのであるから、まさに、同法第二五七条第一項に
当り被告人に対してはその刑を免除すべきものであつて、この点の論旨は理由があ
る。
 よつて刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十条に従い原判決を破棄するところ、
当審で直ちに判決することができるから同法第四百条但書によつて主文のとおり判
決をする。
 (裁判長判事 荻野益三郎 判事 佐藤重臣 判事 梶田幸治)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛