弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人虎谷杢太郎の上告理由について。
 行政裁判所の判決は、行政裁判所が旧憲法下において行政訴訟に関する最高審の
裁判所であつたことから、その宣告と同時に確定力を生じ、行政裁判所が廃止され
た新憲法の下においても、特別の立法がない以上、当事者はもとより裁判所もその
判決りよつて確定された権利関係に反する主張、判断をなし得ないものと解すべき
である。しかして、原判決の確定した事実によれば、上告人は大正一二年三月三一
日京都市書記に任命されたが、在職中收賄罪により懲役五月の判決の言渡を受け、
服役出所後の昭和九年一〇月一七日退職したので、同年一二月三日京都市長に対し
退隠料の請求をしたところ、右請求は上告人が前叙のごとく在職中の犯罪により禁
錮以上の刑に処せられたため、京都市有給吏員退隠料、退職給与金、死亡給与金及
遺族扶助料条例(明治三二年市公告一八二号)一一条三号の規定に基き退隠料を受
ける権利を喪失したとの理由で、昭和一〇年三月一六日却下され、同却下処分は、
異議・訴願を経て昭和一二年四月二八日行政裁判所の判決によつて支持されたとい
うのであるから、上告人が退隠料受給資格を有しないことは、右行政裁判所の判決
によつて確定し、爾後当事者はもとより裁判所もこれに反する主張、判断をなし得
ないものといわなければならない。もつとも、上告人は本訴請求原因の一つとして、
右行政裁判所の判決後に制定・公布された復権令(昭和二七年政令一一九号)二条
の規定に基き、さきに喪失した退隠料受給資格を回復したと主張していることは記
録の明らかであるが、恩赦法一一条は復権の効力はただ将来に向つて生ずるにとど
まり、有罪の言渡に基く既成の効果を変更せしめるものでない旨を明定しており、前
叙のごとく上告人が收賄罪で懲役五月の刑に処せられたため市条例の定めるところ
により退隠料受給資格を喪失したことが、恩赦法一一条のいう既成の効果に該当す
ることは疑を容れないところであるから、右の主張もまた、その理由がないこと明
らかである。
 されば、原審が行政裁判所の判決は新憲法の下では無視されるもののごとく判示
し、かかる見解に立つて上告人の退隠料請求権の有無を判断したことは、法令の解
釈を誤つた違法があるといわなければならないが、結論において本訴請求を排斥し
ているので、原判決は、結局正当たるを失わず、論旨は、叙上に反する独自の見解
を前提として原判決の違法をいうに過ぎず、採用することができない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛