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       主   文
原告らの請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は、原告らの負担とする。
       事   実
一 申立
(一) 原告ら
(1) 第一次請求
 原告らが被告に対し、被告経営の慶応義塾大学病院の看護婦としての労働契約上
の権利を有することを確認する。
 被告は原告らに対し、それぞれ別紙債権目録の支払日欄記載の各期日限り、同目
録債権額欄記載の各金員および昭和四四年九月以降復職に至るまで毎月一九日限
り、それぞれ金四六、九三三円の金員ならびに右各金員に対する各支払期日の翌日
以降支払ずみに至るまで年五分の割合による金員を支払え。
 訴訟費用は、被告の負担とする。
との判決ならびに第二項につき仮執行の宣言を求める。
(2) 予備的請求
 被告は原告らを被告経営の慶応義塾大学病院に看護婦として採用しなければなら
ない。
 訴訟費用は被告の負担とする。
(二) 被告
主文同旨の判決
二 請求原因
(一) 被告は、私立学校法第三条によつて設立された学校法人であり、慶応義塾
大学医学部の附属として、厚生女子学院(以下単に学院という。)を設置し、学院
は、慶応義塾の教育方針にのつとり、看護婦に必要な学術技能を習得させることを
目的としている。
 原告らは、いずれも昭和四〇年四月学院本科課程に入学し、昭和四三年三月一三
日第五六回生として学院を卒業し、看護婦国家試験に合格した。
(二) 労働契約の成立
(1) 意思表示による労働契約の成立
 原告らと被告との間には、原告らが学院に入学した当初から、仮にそうでないと
しても、遅くとも昭和四二年一二月一〇日までには、原告らが被告に対し、学院卒
業後は慶応義塾大学医学部附属病院(以下単に病院という。)で看護婦として労働
する旨の意思表示をし、被告がこれを拒む正当な理由がない場合には、被告の意思
表示を要せず、当然に原告らと被告との間に原告らを病院の看護婦として雇用する
契約が締結されるという合意が成立していた。
 この合意は、原告らが学院に入学した後、被告理事、学院長、病院長または病院
総婦長が、入学式や戴帽式などの際にしばしば、原告らに卒業後は病院看護婦とし
て勤務することを要請し、一方原告らも、学院卒業後は病院に看護婦として勤務す
ることを希望して入学したのであるから、その要請を承諾して、事あるごとに卒業
後は病院看護婦として労働するという意思表示を示したことによつて成立したもの
である。
(2) 事実たる慣習による労働契約の成立
 原告らと被告との間には、原告らが被告に対し、学院卒業後は病院で看護婦とし
て労働する旨の意思表示をし、被告がこれを拒む正当な理由がない場合には、被告
の意思表示を要せず、当然に原告らと被告との間に原告らを病院の看護婦として雇
用する契約が締結されるという事実たる慣習がある。この慣習の存在は、前記
(1)記載の被告理事らの病院勤務勧誘の事実の外、次の諸事実によつて、明らか
である。
(イ) 学院は、その卒業生を主として病院に採用することを目的として設立され
たものである。すなわち、学院の前身は、大正六年一二月認可された私立慶応義塾
大学医学部附属看護婦養成所(以下単に養成所という。)であり、昭和二五年三月
現学院に改称されたものであるが、養成所の学則第一条には「本所は慶応義塾大学
部医学科附属病院に於ける看護婦を養成するため、看護の方法を教授するを以て目
的とす」と明記している。この目的と由来からみても、学院が卒業生を病院に採用
することを主たる目的としていることは明らかである。
(ロ) 学院には寮があるが、被告はその入寮生から寮費および食費を徴収せず、
それらは無償である。また学院生徒の実習時間の大部分は、病院看護婦の補助労働
者として活用されていた。
(ハ) 学院卒業生で病院勤務を希望した者は、例外なく病院看護婦として採用さ
れている。
(3) 原告らの意思表示
 原告らは、前記契約に基づき、昭和四二年一二月一〇日被告に対し、戸籍謄本、
履歴書、写真などとともに病院に就職を希望する旨の調査書を提出して、病院で看
護婦として労働する旨の意思表示をした。したがつて、これにより前記契約の効果
として、遅くとも、昭和四三年四月一日までには原告らと被告との間に、原告らを
病院看護婦とする労働契約が自動的に締結された。
(三) 被告の労働契約の否定
 被告は、昭和四三年二月一〇日原告らに対し、原告らを病院看護婦に採用しない
旨通知し、原告らと被告との間の労働契約の成立を否定し、原告らの就労を拒否し
ている。よつて原告らは、請求の趣旨第一項記載のとおり被告に対し労働契約上の
権利を有することの確認を求める。
 なお、被告のした不採用の意思表示は、原告らが、学院において自治活動、寮活
動およびクラブ活動を、また学院内外において日本民主青年同盟員として活溌に活
動したことを嫌悪してなされたものであるから、憲法第一九条、民法第九〇条およ
び労働基準法第三条に違反し無効である。
(四) 賃金債権
(1) 本給
 原告らと同期の第五六回生にして病院に勤務した看護婦の本給は、昭和四三年四
月から昭和四四年三月までは一か月金二九、七〇〇円、昭和四四年四月から昭和四
五年三月までは一か月金三五、〇〇〇円である。
(2) 残業手当など
 原告らは、卒業後病院に通常勤務すれば、昭和四三年五月から毎月少くとも一一
回の残業または夜勤などをさせられる。これを一一回とし、平均的勤務形態により
賃金の諸手当にしたがつて一か月分の残業手当などを算出すると次のとおりとな
る。
昭和四三年度
(イ)残業手当 16時間×229円(1時間)=3,664円
(ロ)深夜残業 7時間×321円=2,247円
(ハ)夜勤手当 36時間×92円=3,312円
(ニ)諸手当(夜食代)11回×90円=990円
以上(イ)(ロ)(ハ)(ニ)合計金一〇、二一三円
昭和四四年度
(イ)残業手当 16時間×272円=4,352円
(ロ)深夜残業 7時間×381円=2,667円
(ハ)夜勤手当 36時間×109円=3,924円
(ニ)諸手当(夜食代)11回×90円=990円
以上(イ)(ロ)(ハ)(ニ)合計金一一、九三三円
(3) 合計賃金債権と履行期
 そこで原告らが被告に対して有する賃金債権は、昭和四三年四月分は本給だけで
金二九、七〇〇円、同年五月から昭和四四年三月まではこれに残業手当などを加え
て金三九、九一三円、同年四月からは同じく金四六、九三三円となる。なお本給
は、毎月一日から月末までの分を、残業手当などは前月の一六日から当月一五日ま
での分を、いずれも当月の一九日に支払う定めである。
(4) 一時金(夏期手当および年末手当)と履行期
 原告らは、いずれも慶応義塾労働組合の組合員であるが、同組合と被告間には、
被告が夏期および冬期に各組合員に対してそれぞれ一時金を支払う旨の協定が締結
されている。これにより原告らが学院卒業後病院に通常勤務すれば受けられた一時
金およびその支払期日は、次のとおりである。
(イ) 昭和四三年夏期一時金 金一一、九一〇円 同年七月一〇日
(ロ) 同年冬期一時金 金九〇、七三五円 同年一二月七日
(ハ) 昭和四四年夏期一時金 金七六、二五〇円 同年七月一六日
(5) よつて、原告らは被告に対し、請求の趣旨第二項記載のとおりの賃金(本
給、残業手当、一時金など)ならびにこれに対する各支払期日の翌日から支払ずみ
まで年五分の割合による遅延利息の支払を求める。
(五) 予備的請求原因
(1) 労働契約承諾義務の発生
 原告らと被告との間においては、遅くとも昭和四二年一二月二〇日までには、原
告らが被告に対し、病院において看護婦として労働する旨の意思表示をし、被告が
これを拒む正当な理由がない限り、被告がこれを承諾すべき義務を負う旨の合意が
成立した。そして原告らは、前記(二)の(3)で述べたとおり、昭和四二年一二
月一〇日被告に対し、病院において看護婦として労働する旨の意思表示をした。し
たがつて被告は原告らに対し、右契約に基づき原告らの申込みを承諾する旨の意思
表示をする義務がある。よつて原告らは被告に対し、この承諾に代わる意思表示を
求める。
(2) 被告の損害賠償責任
 前記のとおり、被告は原告らの労働契約締結の申込みを承諾すべき義務があるに
かかわらず、その意思表示をせず、かえつて原告らを不採用として採用拒否の通告
をした。これは被告の故意または過失に基づく違法な行為であり、そのため原告ら
は病院に就職することができずに賃金相当額の損害を被つている。よつて被告は原
告らに対し、主たる請求原因において主張するとおりの賃金相当額を損害賠償とし
て支払う義務がある。
三 請求原因事実に対する認否
(一) 第一項 認める。
(二) 第二項の(1) 否認する。
 入学式や載帽式における学校側の発言は、専ら学院生を歓迎し、激励するための
ものであつて、単なる挨拶にすぎない。これに法律的意味をもたせて、これによつ
て契約が成立したというのは見当違いである。
(三) 第二項の(2)の前段 否認する。
(四) 第二項の(2)の(イ) 学院の前身が大正六年一二月認可された養成所
であり、養成所が昭和二五年三月現学院に改称されたこと、養成所の学則第一条に
原告ら主張のとおりの定めがあつたことを認めるが、その余の事実を否認する。
 養成所の学則第一条は、その後改正され、昭和二五年四月制定の学院学則第一条
には、「本学院は、慶応義塾の教育方針にのつとり独立自尊の気風を涵養し、看護
婦に必要な学術技能を習得させることを目的とする。」と定めてある。このような
目的は、世上往々見られるところの特定の病院に勤務する看護婦の養成を目的とす
るのとは明らかに異なる。また「慶応義塾の教育方針にのつとり」とある部分も、
学院が被告の設置する学校である以上当然のことである。
(五) 第二項の(2)の(ロ) 学院生徒が病院看護婦の補助労働者として活用
されたことを否認する。
 学院は、入試期日を定めて入試を実施し、合格者を発表し、合格者は学則の定め
に従い、入学金、授業料を納入し入学手続をとる。学院の入試手続、入学時の状況
等は、他の一般学校のそれとくらべて異なるところがなく、試験はあくまで学院生
としての適否のみを判断し、慶応病院の看護婦として採用することの適否は判断の
対象外である。学院生が将来看護婦業務にたずさわる以上、現実の看護業務の実習
を受けることは当然必要であるが、その実習は病院および所属看護婦の犠牲と負担
において行われている。病院は、学院生の実習のため数名の看護婦を生徒指導係と
してさいており、これら指導係は、本来の看護婦業務を離れ、学院生の実習指導に
専任するが、これ以外に各科の婦長や主任看護婦らも学院生の実習指導にあたつて
いる。
(六) 第二項の(2)の(ハ) 原告らより以前に卒業した第五一回ないし第五
五回学院卒業生で、慶応病院就職希望者は全員病院に採用されていることを認め
る。
 しかし、学院は、卒業生の希望進路につき何らの束縛もせず、各人が自由に決定
しているのであり、逆に病院も就職希望者を全員採用しなければならないものでも
ない。年度内における看護婦募集人員は、毎年三月被告の予算編成の際、慶応義塾
全体の予算のうちで、病院における外来や病室からあがる収入、人件費等の支出、
退職者の概算または病院業務の繁閑などを考慮し、被告が決定する。その決定に
は、本学院卒業生の数は考慮されない。原告ら第五六回生の場合は、卒業見込みの
本科生は、七四名であり、これらの者は、進学希望者、慶応病院就職希望者、他の
病院など就職希望者にわかれていた。四九名が慶応病院就職希望者であつたが、こ
のなかには進学を第一志望とし、慶応病院就職を第二志望とする者が相当いた。こ
の四九名は、採用試験の結果原告らを含む五名が不合格となり、四四名が合格した
が、合格後に進学する者もあり、結局第五六回卒業生七四名の進路は次のとおり確
定した。
慶応病院就職者 二七名
他病院診療所就職者 二三名
進学者 一八名
病気で就職も進学もしなかつた者 一名
慶応病院採用試験不合格後他の診療所に就職した者 一名
右採用試験不合格後進学もせず、他に就職もしない者 原告ら四名
(七) 第二項の(3) 原告らが昭和四二年一二月一〇日戸籍謄本などとともに
病院に就職を希望する旨の調査書を提出したことを認めるが、その余の事実を否認
する。
 調査書の提出は、学院が希望進路調査のためしたものであつて、看護婦の採用者
である被告(病院)の関知するところでない。学院は、その調査により学院生の希
望進路を確認し、希望の病院、診療所若しくは学校の要求する必要書類を作成して
発送する必要があつたのであり、卒業期を迎える学校としては、他の一般学校の就
職事務と同様当然の措置である。
(八) 第三項 被告が昭和四三年二月一〇日原告らに対し不採用の通知をし、原
告らと被告との間の労働契約の成立を否定し、原告らの就労を拒否していることを
認めるが、その余の事実を否認する。
 昭和四三年度看護婦の採用試験は、面接試験を二回実施し、その結果原告らは不
合格となつた。不合格または不採用の理由は主張しない。
(九) 第四項の(1) 認める。
(十) 第四項の(2) 本給および残業手当などの支払期日が原告ら主張のとお
りであることを認めるが、その余の事実を否認する。
 病院看護婦の夜勤の平均回数は一〇・三回であるから、これを基準として、平均
的勤務形態により賃金の諸手当にしたがつて一か月分の残業手当などを算出すると
次のとおりとなる。
 昭和四三年度
(イ) 残業手当 18時間×229円=4,122円
(ロ) 深夜残業 5時間×321円=1,605円
(ハ) 夜勤手当 34.5時間×92円=3,174円
(ニ) 諸手当(夜食代)10.3回×90円=927円
以上(イ)(ロ)(ハ)(ニ)合計 金九、八二八円
 昭和四四年度
(イ) 残業手当 18時間×272円=4,896円
(ロ) 深夜残業 5時間×381円=1,905円
(ハ) 夜勤手当 34.5時間×109円=3,761円
(ニ) 諸手当(夜食代) 10.3回×90円=927円
以上(イ)(ロ)(ハ)(ニ)合計 金一一、四八九円
(十一) 第四項の(3) 昭和四三年夏期一時金の額を否認し、その余の事実を
認める。
 昭和四三年夏期一時金は金一一、九〇五円である。
(十二) 第五項 否認する。
四 証拠(省略)
       理   由
一 請求原因第一項記載の事実は、当事者間に争いない。
二 意思表示による契約の成立
 原告ら四名各本人尋問の結果によれば、原告らは、知人の紹介または受験雑誌に
より学院の存在を知り、学院を卒業すれば、病院に看護婦として採用されるものと
信じ、これを期待して学院に入学したこと、学院の行事である入学式、載帽式また
は卒業式などの際には、学院長(慶応義塾大学医学部長または病院長が兼務するこ
ともある。)や病院の総婦長などが、学院生に対して、卒業後は病院に看護婦とし
て勤務して働いてもらいたい旨要望し、また原告らが病院で実習した際も、病院の
婦長や看護婦などが、しばしば原告らに対して同様な希望を述べていたことが認め
られる。
 しかし、前記学院長または総婦長などが被告のために債務を伴う原告ら主張のよ
うな契約(第一次および予備的各請求原因において主張する両契約をいい、以下こ
れに準ずる。)を締結する権限のあつたことについては、主張立証がない。しか
も、前記学院長らの要請は、それがなされた機会に徴し、式辞または祝辞としてな
されたものと考えられるが、このような一般学生を対象とする式辞などを法律効果
を伴う意思表示と解するためには、特別の事情がなければならないのみならず、後
記学院卒業生の進路の項に認定した事実と証人Aの証言によれば、前記学院長らの
発言は、病院の慢性的な看護婦不足の状況にもかかわらず、学院卒業生の多数が他
の病院、診療所などに就職し、病院の看護婦が依然として充足されないため、学院
生一般に対して学院卒業後は、できるだけ他の病院などに就職せず、被告病院に就
職してもらいたいという希望を儀礼的に開陳したに過ぎないものと解すべきであつ
て、これをもつて原告ら主張の契約締結の意思表示と解することはできない。また
原告らが病院への就職を希望して入学したことは前認定のとおりであるが、原告ら
が被告に対し、原告ら主張のような契約締結の意思表示をしたことを認めるに足り
る証拠はない。
 原告らが昭和四二年一二月一〇日学院に対し、戸籍謄本、履歴書、写真などとと
もに病院に就職を希望する旨の調査書を提出したことは、当事者間に争いなく、成
立に争いない乙第七ないし第一〇号証の各一ないし三、乙第一六号証の一ないし四
と原告ら四名各本人尋問の結果によれば、被告は、原告ら第五六回生の学院卒業見
込の者で病院に看護婦として就職を希望する者には、学院を通じて前記調査書など
とともに身元保証書の提出を要求したこと、原告らは、被告から交付された身元保
証書の用紙に原告らと連署して保証人各二名の署名捺印を得て、その頃調査書など
とともにこれを被告に提出したこと、この保証書の冒頭には不動文字で、「此の度
貴塾へ就職しましたに就ては私達が保証人となり就業規則並びに其の他の諸規程等
を遵守させ決して貴塾に対して御迷惑をかけることは致させません。本人の行為に
より貴塾に損害を与えた場合は保証人等において本人と連帯して弁済の責を負担致
します。」と記載されていることが認められる。
 身元保証書は通常雇用契約締結に際して保証人から雇主に差入れられることを考
えると、右の事実は、一見原告らと被告との間に、雇用契約またはこれに類似する
契約が締結されたことを推認させる間接事実と認められるようである。しかし成立
に争いない乙第一七号証の一、二、乙第一八号証の一ないし九、乙第一九号証、乙
第二〇号証の一ないし九と証人Bの証言によれば、被告は、以前は病院に看護婦と
して採用を決定した後に、看護婦から身元保証書を提出させたが、看護婦のうちに
は採用後数か月もこれを提出せず、病院の事務処理上支障を生じたこともあつたの
で、原告ら第五六回生に対しては進路希望調査書の提出と同時に、病院への就職希
望者全員に身元保証書の提出を要求したものであること、殊に進学を第一志望と
し、進学が不合格となることを慮つて病院への就職を第二志望とした者に対して
も、同様に身元保証書の提出を要求したことが認められるのである。そうすると身
元保証書の提出は、将来雇用契約締結時の事務処理の便宜上予め提出を求められた
ものといわなければならないから、これにより原告ら主張の契約の締結を推認する
ことはできない。その他原告ら主張の契約の締結を認めるに足りる証拠はない。
 もつとも、前認定の事実によれば、原告らが被告に対してした病院に就職を希望
する旨の調査書の提出は、雇用契約締結の申込みの意思表示と解せられるが、これ
に対して被告が承諾したことについては主張立証がない。かえつて被告が昭和四三
年二月一〇日原告らに対し、原告らを病院看護婦として採用しない旨通知したこと
は当事者間に争いないから、これにより原告らの申込みの意思表示は失効したわけ
である。労働基準法第三条の規定する労働条件には、雇用契約の締結すなわち労働
者の雇入を含まないと解すべきである。けだし、使用者が労働者を公募する義務を
負わないのに、刑罰(同法第一一九条第一項)によつて雇入の均等待遇を強制され
ることは、使用者に酷であつて均衡を失するからである。そうすると私人または私
企業が労働者の信条を理由としてその雇入を拒否しても、それが法律に違反するが
故に無効であるという結論は生じないし、ましてや逆に承諾があつたということに
なる道理はないから、原告ら主張の労働契約締結の事実を確定するために、本件不
採用の理由を論及することは無意味である。
三 慣習による契約の成立
 事実たる慣習は、法律行為の内容となることによつて、はじめて法律行為解釈の
標準となる。この意味において当事者の意思に関係なく、法規としての効力を有す
る慣習法と異なる。何らの意思表示が存在しないのにもかかわらず、事実たる慣習
が存在するということだけで、契約の締結が認められるということは、論理的にあ
り得ない。前記のとおり、被告から原告らに対する契約締結の意思表示は全く認め
られず、かつ原告らから被告に対する原告ら主張のような内容をもつた契約締結の
意思表示と解釈される余地のある意思表示は存在しないのであるから、何らかの事
実たる慣習が存在するとしても、原告らと被告との間に原告ら主張の契約の締結を
認めることはできない。原告らの主張はこの点において既に失当というべきである
が、原告らの主張する事実たる慣習を慣習法の意味に善解して、原告らと被告との
間に原告ら主張の契約成立が法的確信によつて支持され、慣習法として事実上の拘
束力を有するかどうかを判断するため、以下原告ら主張の個々の前提事実について
順次検討する。
(一) 学院の目的と由来
 学院の前身が大正六年一二月認可された養成所であり、昭和二五年三月現学院に
改称されたが、養成所の学則第一条には、「本所は慶応義塾大学部医学科附属病院
に於ける看護婦を養成するため、看護の方法を教授するを以て目的とす」と規定し
ていることは、当事者間に争いない。また成立に争いない甲第一および第八号証、
証人Cの証言によれば、養成所の最初の学則には養成所は看護婦生徒から授業料、
入学金を徴収せず(第一五条)、看護婦生徒には手当金を支給し、制服制帽しん具
を貸与し、院内に寄宿させ(第一六条)、看護婦生徒は卒業の日より満二か年規定
による給料を受けて、医学科附属病院の看護婦として勤務する義務がある(第一八
条)と規定していること、現在も被告は、病院看護婦の主要な供給源を学院卒業生
に頼つているため、病院の労働組合がたえず被告に対し、団体交渉において病院看
護婦の増員を要求し、被告がこれを承諾し、その対策の一環として原告ら第五六回
生からは一学年の定員を従来の四〇名から八〇名に増員したことが認められる。こ
のことと前認定のように学院長らが学院生に対し卒業後は病院で看護婦として勤務
することをしきりに勧誘していたという事実によれば、少なくとも養成所発足当時
の目的は、制度的にも病院に勤務する看護婦を養成することであつたし、現在にお
いても被告は学院卒業生が多数病院に勤務することを期待しているものと認められ
るのである。
 しかし、成立に争いない乙第一号証の一ないし三、同乙第二号証の二、三、同乙
第四号証、証人Dの証言により成立を認める乙第二号証の一、証人Aの証言により
成立を認める乙第二号証の四ならびに同証言によれば、養成所学則第一条はその後
改正され、昭和一七年一月当時においては、「本所ハ看護婦ニ必要ナル学術ヲ教授
シ且ツ実務ヲ練習セシムルヲ以テ目的トス」と定められていること、また看護婦生
徒から入学金授業料を徴収せず、これに手当金を支給し、二年間の義務年限(昭和
一七年一月当時は一年六月と改正されている)をおくなどの規定は、昭和一五年一
一月二〇日施行の労務者募集規則、昭和一七年一月一〇日施行の労務調整令および
同令施行規則に定める労務者募集または雇用契約となり、学校の生徒募集と趣を異
にすることになるので、これを改正して養成所を純然たる学校として生徒を募集し
て入学させるようにするため、昭和一七年六月二〇日に授業料、入学金を徴収しな
いという規定を授業料を徴収するように改め、また手当金看護衣などの支給貸与の
規定および卒業後の義務年限の規定を削除したこと、学院に改称後昭和二五年四月
一日から施行された学校規則によれば、その第一条に「本院は甲種看護婦に必要な
学術技能を習得させると共に女子に必要な高等教育を施すことを目的とする」と定
め、学院生からは入学金および授業料を徴収することを定め、学資貸与に関する規
定があるが、その外には手当金貸与などの規定および卒業後の義務年限の規定を設
けていないこと、現行学院規則第一条は、「本学院は、慶応義塾の教育方針にのつ
とり独立自尊の気風を涵養し看護婦に必要な学術技能を習得させることを目的とす
る。」と定めていること、学院入学志願者に対しては、通常の学校と同様に学科試
験、面接および健康診断につき選抜考査を行い、合否を決定しているが、その合否
の決定については病院の看護婦としての適性の有無を顧慮していないこと、また学
院生の卒業後の進路は自由であつて、病院勤務を強制するような学院の規定や風潮
は全く存在しないことが認められる。
 以上認定のような学院の目的や制度の変遷の経緯に照せば養成所発足の当初の目
的や当時の学則の諸規定にもかかわらず、現在の学院は、一般的に看護婦に必要な
学術技能を習得させることによつて、看護婦の養成を目的とする通常の学校であつ
て、病院に勤務する看護婦の養成を主たる目的とするものではないと解せざるを得
ない。現行学則第一条は、学院の教育方針として慶応義塾の教育方針にのつとるこ
とを定めているが、学院が被告により設置された学校であることから見れば、それ
が被告の教育方針を採用することは当然のことであつて、これをもつて学院が被告
の経営する病院の看護婦の養成を目的とすることの根拠とすることはできない。そ
うすると、原告ら主張のような目的が学院生と被告との間で法的確信をもつて支え
られているということも困難である。したがつて、これらの事実から、学院生と被
告との間に原告ら主張の契約が慣習法として成立していると認めることはできな
い。
(二) 学院生の処遇
(1) 便宜的処遇
 成立に争いない甲第一二号証、証人Cおよび同Aの各証言によれば、被告の昭和
四三年度収支予算表によると、学院の収入(入学金、授業料など)は金二、八六
五、〇〇〇円であるのに対して、その支出は金三八、九七九、〇〇〇円であつて、
差引金三六、一一四、〇〇〇円の支出は被告の他の収入によつて賄つていること、
学院生は入寮することができるが、学院は寮生からは寮費および食費を徴収せず、
食費は予算上学生賄費として支出の部に計上されており、その予算額は、昭和四〇
年度は金九、七五二、〇〇〇円、昭和四一年度は金一一、〇六七、〇〇〇円、昭和
四二年度は金一三、三二五、〇〇〇円、昭和四三年度は金一二、一五二、〇〇〇円
であること、学院生に対しては奨学資金が貸与されることになつており、学院生は
大部分その貸与を受けているが、昭和四二年度からは、学院卒業後三年間病院に勤
務すれば、在学中に貸与を受けた奨学金の半額の返還債務を免除される定めになつ
ていることが認められる。
 これによれば、経済的には、被告は学院生に対して多額の利益を供与して看護婦
の養成をしているのであり、被告と学院生との間は、いわば反対給付を伴わない一
方的な給付類似の関係にある。被告が公共性を有する学校法人であることと前認定
のような学院学則第一条の目的を考慮に入れても、被告としては、学院卒業生が病
院に就職するのを期待して、学院生にこのような利益を供与しているものと解され
なくはない。しかし、このことが当然には、学院生と被告との間で、原告ら主張の
ような契約が法的確信によつて支えられているという推論を導くものではない。原
告ら主張の契約は、原告らの一方的な就労の意思表示によつて、自動的に被告と原
告らとの間に労働契約が成立し、または被告がこれを承諾すべき義務があるという
契約である。それは原告ら学院生の随意的な意思の発動により、被告の意思にかか
わりなく、被告が債務を負担するといういわば契約締結上の片務的な契約である。
このような契約が、ある社会の法的確信によつて支えられる慣習法として存在する
ためには、一般的に言つて、債務を負担する側にそれを受認しなければならないよ
うな相当な事情が存在しなければならないものと解すべきである。しかし前認定の
ような事情は、むしろそれを否定する要素であつて、これを肯認させる積極的な事
実ではない。ただし、社会生活上ある人が相手方にある種の利益を与えれば、その
利益に相当する対価を相手方に期待するのが社会通念に合致する。被告としては、
原告らに利益を供与し、原告らはこれを受けていたのであるから、原告らからこの
利益に相当する対価の提供を期待しても非難さるべきではない。例えば、法律上の
制約を論外とすれば、被告が原告らに対して一方的に意思表示をすれば、原告らが
病院に勤務する債務を負担するなどの契約があるというならば、両者間の均衡を得
て合理的である。これに反して、被告は、便宜供与をしながら、卒業後は原告らの
一方的意思表示により、好むと好まざるとにかかわらず、原告らと労働契約が成立
し、または雇用承諾の意思表示をしなければならないというのは、前記のような論
理に反し、合理性を欠く。前認定のような看護婦不足の状況の下においては、労働
契約の成立は一見被告側の利益のように思われるが、労働契約のように対人的信頼
関係を基礎とする契約の締結においては、使用者側においても、労働者の採否につ
いて全く選択権を行使する余地がなく契約締結を強制されることは、決して有利な
ことではないからである。したがつて、前記のような学院生に対する処遇の事実を
もつてしては、原告ら主張の契約が学院生と被告との間に慣習法として成立してい
ると認めることはできない。
 なお、前認定によれば、病院に三年間勤務した者は奨学金の半額の債務を免除さ
れ、そうでない者は全額返済の義務を免れないわけであるが、半額返済を免除され
るのは全く恩恵的なことであり、奨学金が貸金である限り、これを全額返済する債
務を免れないことは当然である。したがつて、返済を免除されないことによつて就
労が強制されるのが学院生の不利益であるという論理は成り立たないから、これを
もつて原告ら主張の契約の存在を推認する事実とすることはできない。
(2) 学院生に対する授業と実習の状況
 成立に争いない甲第六号証、前記乙第二号証の四、証人E、同F、同Dおよび同
Gの各証言ならびに原告ら四名各本人尋問の結果によれば、学院は、学院生に対し
て、慶応義塾史の講義をし、教材として福翁自伝を使用し、音楽の授業内容として
慶応義塾看護婦の歌など義塾関係の歌唱を教授し、また福沢諭吉誕生記念日と慶応
義塾開校記念日を休業日と定めていること、学院生は精神病科と伝染病科以外は病
院で臨床実習をするが、その実習の内容は産科においては病院が採用している慶応
式と称せられるもので、産婦の指導と乳児の扱い方が独特のものであつたことが認
められる。しかし私立学校は、その設立、歴史、伝統などからそれぞれ特色を有し
ているから、その授業内容などにおいても、他校に見られない独特のものがあつて
も、それが教科内容として著しく不適当なものであることが明白なものでない限り
許容さるべきである。学院が被告によつて設置された学校であることから見れば、
学院が前認定のような内容の授業をし、または休業日の定めをしても、別段学院の
目的から背馳する特異なことということはできない。また学院生に対する臨床実習
が看護婦としての技能習得上当然必要なことは言うまでもないところであり、この
ため同じく被告が設置する病院を利用し、病院が採用している看護方法を教授する
ことも、極めて自然なことであつて異とするに足りない。他に最良絶対の看護方法
があるのに、これを排斥して、特に病院だけに通用する劣悪な看護方法を学院生に
教授しているという証拠はないからである。のみならず、証人Aの証言により成立
を認める乙第五号証、同証人および証人Dの各証言によれば、前記慶応式と呼ばれ
る産科の看護方法も、東大式と呼ばれる方法とは異なるが、他の病院で通用しない
ようなものではないし、臨床実習において学院生は病院看護婦と同一の労働を提供
するものではなく、かえつて病院側は各科ごとに原則として一名の看護婦を学生係
に指名して実習の指導にあたらせていること、臨床実習は、学院規則と臨床実習指
導要綱に基づき、同要綱に定めるところの理論と実際の結びつきを学ばせ適切な看
護ができるように指導するという目的を達成するために行われているものであり、
病院に病床のない精神病科および伝染病科の実習は、他の病院に委嘱して行つてい
ることが認められる。そうすると前記授業および実習の状況をもつてしても、学院
が特に病院のみの看護婦に適応するような看護婦を養成するための教育を行つてい
るものとは認め難いから、これは原告ら主張の契約が慣習法として成立していると
いう事実を推認させる資料とはならない。
(三) 学院卒業生の進路
 第五一回ないし第五五回学院卒業生で病院に採用を希望した者は、全員病院看護
婦として被告に雇用されたことは、当事者間に争いない。これによれば、原告ら学
院生は、卒業後病院に就職を希望すれば、例外なく雇用されるものと信じていたも
のと推認されるし、またそう信ずるのも無理からぬことと考えられる。
 反覆される社会的行為は慣行である。慣行は、自然発生的に慣行律に成長して社
会生活を規律するようになるが、慣行律すなわち慣習法ではない。慣習法というた
めには、慣習律が社会の法的認識によつて支持される程度に達しなければならな
い。被告が過去五回の卒業生にして病院就職を希望する者全員を採用していたとい
うことは、正に被告と学院卒業生との間に存在した慣行である。しかしこれが慣行
律の域をこえて慣習法の成立として認められるためには、契約当事者の一方である
原告らだけが、過去に反覆された学院卒業生の病院看護婦の雇用という慣行を法的
確信をもつて支持しているだけでは足りず、他方の契約当事者である被告もこれを
法的規範として承認している場合でなければならない。
 学院入学志願者の合否の決定については、病院の看護婦としての適格性の有無を
顧慮しないこと、学院生の卒業後の進路は自由であつて、病院勤務を強制するよう
な制度や風潮が全く存在しないことは、前認定のとおりである。そして成立に争い
ない甲第四、第一〇および第一一号証、甲第一七号証の一ないし三、証人F、同
G、同Cおよび同Aの各証言によれば、病院は、毎年度の予算編成において、病院
看護婦の定員を予算上確定し、将来の退職などを見越した不足分の看護婦を学院卒
業生のみならず広く一般からも募集しているが、看護学雑誌に掲載した看護婦募集
広告には募集人員を明示していること、昭和四四年度について見れば、当時の予算
定員上の看護婦数は五八一名であり、同年五月において定員より三〇名不足する状
況にあつたが、同年四月卒業予定の学院卒業生は約八〇名であるから、この全員が
病院就職を希望しても、予算上全員の採用は不可能であること、このように病院看
護婦の定員または採用予定人員は、学院卒業生の数とは関係なく決定されていたこ
と、一方学院生にしても卒業後の進路は自由であつたため、進学したり、病院外に
就職する者も少なくなかつたこと、例えば原告らより一期前の五五回生の場合は、
三四名の卒業生のうち二七名が病院に就職し、その外は他の病院へ就職したり進学
をし、原告ら五六回生の場合は、卒業予定者七四名中病院へ第一次的に就職を希望
した者は三九名であり、被告はこれらの者について再度面接を実施し、原告らを含
む五名を不採用とし、その他の者を採用する旨決定したが、結局最終的に被告病院
に就職した者は二六名であつて、それ以外の卒業生は他の病院などへ就職したり、
進学したりしたことが認められる。この事実によれば、少なくとも被告は、学院卒
業生にして病院へ就職を希望するもの全員を採用しなければならないという法的確
信を抱いていたものと認めることはできないから、前記の病院が反覆して看護婦を
採用したという事実だけでは、これが慣習法として成立していると解することはで
きない。
四 以上のとおり、原告らと被告との間には、原告らが主たる請求原因において主
張するような労働契約の成立が認められないのであるから、この契約の存在を前提
とする主たる請求(労働契約上の権利確認および賃金等支払請求)はいずれも失当
である。また原告らと被告との間には、原告らが予備的請求原因において主張する
ような被告の承諾義務を内容とする契約の成立は認められないのであるから、この
契約の存在を前提とする予備的請求(採用の意思表示を求める請求)は失当であ
る。
 被告は、原告らを採用する義務すなわち原告らの労働契約締結の申込みを承諾す
る義務を負わないのであるから、その申込みを承諾せず、原告らを採用しなかつた
ことは、債務不履行とはならない。したがつて被告は、債務不履行の責を負わな
い。
 憲法第一四条は、信条による差別を禁止し、同法第一九条は、思想および良心の
自由を保障している。右規定は、本来は国家(国家機関)が信条によつて国民を差
別し、または国家が国民の思想および良心の自由を制限したり、禁止したりするこ
とを禁止しているのであつて、私人相互の関係は、直接には右各規定の関与すると
ころではない。ただ憲法は、勤労の権利を認め、勤務条件に関する基準を法律で定
めるべきものとし(第二七条)、社会権として勤労者の団結権および団体交渉権な
どを保障している(第二八条)。これに基づいて、労働基準法第三条は、使用者は
労働者の信条を理由として労働条件について差別的取扱をしてはならない旨規定し
ている。憲法第一四条の信条による差別禁止と同法第一九条の思想および良心の自
由の保障の精神は、労働基準法第三条の均等待遇の規定に具現して、私人相互の法
律関係を規律する規範として実定法的拘束力を有するのであるから、右規定にいう
労働条件にあたる限り、私人たる使用者が労働者の信条(思想および良心を含む)
を理由として差別的取扱をすることは禁止される。かかる行為は、右規定に抵触す
るが故に違法であり、またそれが法律行為であるならば、その効力は否定されざる
を得ない。しかし、労働者の雇入行為が右規定にいう労働条件という要件に該当し
ないことは、既に述べたとおりであるから、仮に被告が原告らの信条を理由として
雇入を拒否したとしても、その雇入拒否行為は違法性を欠く。したがつて被告は、
不法行為の責も負わない。念のため付言すれば、本件採用拒否が妥当かどうかは、
法律効果発生の要件事実ではないから、当裁判所の関知すべきことではない。
五 よつて原告らの請求をいずれも失当として棄却し、訴訟費用の負担につき民事
訴訟法第八九条、第九三条第一項本文を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 岩村弘雄)
(別紙)省略

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