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○ 主文
本件控訴をいずれも棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
○ 事実
控訴人ら訴訟代理人は「原判決を取り消す。被控訴人農林大臣の昭和四三年八月二
一日付農林省告示第一二九一号による告示(以下本件告示という)中暫定加算金に
関する部分を取り消す。被控訴人国は控訴人らに対しそれぞれ原判決添付別紙第一
表中「不足金額欄」記載の金員及びこれに対する昭和四四年三月五日から完済に至
るまで年六分の金員を支払え。訴訟費用は第一、二審を通じ被控訴人らの負担とす
る」との判決を求め、被控訴人ら代理人は主文と同旨の判決を求めた。
当事者双方の事実上及び法律上の陳述、証拠の提出、援用認否は左記のほかは、原
判決の事実摘示と同一であるからこれをこゝに引用する。
控訴代理人の当審での陳述の要旨は次のとおりである。
一、(食糧管理法(以下食管法と略称)三条二項違反について)暫定加算は時期別
格差廃止の影響を緩和するため、地域農業経済事情を参酌して府県毎に課せられた
ものである。従来時期別格差は個々の米穀生産者に付されていた。したがつてそれ
が廃止された場合の影響は個々の生産者にあると考えられる。しかるに、本件暫定
加算は右のような個々の生産者に対する考慮はなされていない。本件暫定予算は、
時期別格差支払いの実績を府県単位に把握し、その額のうち或程度を当該府県居住
の生産者に支給しようとするもので、売渡米穀の対価は個々の米穀生産者毎に適正
でなければならないとする法文の趣旨に著しく背馳するものである。食管法三条二
項にいう「其ノ他ノ経済事情」とは米穀の正当な対価を決定するために必要な経済
事情に限定さるべきものであり、形式的解釈からすれば「その他の経済事情」とみ
なされ得る経済的事情であつても、米穀の正当な対価(公正な対価)を決定するた
めのものとしては適当ではないと解される経済事情は除外される趣旨と解すべきで
ある。されば、個々の生産者にとつては時期別格差廃止の影響の緩和という目的の
暫定加算であるに拘らず或る県の住民であることによつて、従来時期別格差の支払
を受けていながら、全然その支払いが受けられなくなつたという結果を招来する地
域農業経済事情への配慮ということは決して右条項にいう「其ノ他の経済事情」に
は入らないものと解すべきである。これを要するに本件暫定加算は被控訴人農林大
臣が前記法条にいう「その他の経済事情」の解釈を誤つたか又は参酌すべからざる
事情を参酌したかの違法があるものというべきである。
二、(憲法二九条三項違反について)昭和四三年度産米価格算定にあたつて、政府
は「生産費及び所得・補償方式」を採用し、右算定方式から算出された額以外に、
加算等は支払つていないところ、右算出された基準価格(政府買入場所における各
等級を含む米穀の加重平均的な裸の価格)から等級間格差六七円、歩留加算四七円
と本件暫定加算一一五円を加減算してうるち三等米裸価格であるいわゆる米価を決
定した。等級間格差と歩留格差はいずれも米穀の品質に関するものであるから、こ
れらを基準価格から加減算することは合理的理由がある。しかしながら、暫定加算
は前年まで存在した時期別格差とはその趣旨において全く異るものであつて、合理
的に算出された基準価格の内容となり得るものではないにも拘らずそれから一一五
円の額を減じたことはそれ自体理由のない措置である。右一一五円の額は全国の加
重平均であつて具体的には三三道府県を最低二五円から二五円刻みで最高三五〇円
までに分類し、右額が当該県の米穀生産者に一律に支給された。暫定加算は時期別
格差廃止の影響を緩和することがその趣旨目的とされているのに、右措置によつ
て、従来時期別格差を支払われなかつた生産者も加算を支払われることになる反
面、控訴人らのように、従来時期別格差を支払われていた者がその支給を受けられ
なくなつた本件措置に全く不公正、不合理と断ぜざるを得ない。
三、(憲法一四条違反について、)我国における米穀生産者は、食管法三条一項に
よつて、その生産する米穀を政府に売渡さなければならない義務があるとともに、
売渡米価については適正な対価が定められ、正当な補償を受ける権利を有している
と云える。従つて生産者が受ける補償は同一品質の米穀については、平等であり、
同一でなければならない。そして国は生産者に対する米穀買入代金の決定について
は理由のない差別価格を付することは許されない。米穀生産者が居住し、米穀生産
を営んでいる地の属する村県によつて、米穀買受代金の額に相違があるとすれば、
その生産者が特定の府県に所属しているということによつて、米価に差別を付する
ことになり、憲法第一四条にいう社会的身分によつて、経済的関係において差別す
るということになる。本件暫定加算は正に右の差別価格に該当するものである。売
渡しを強制し、政府だけが買受けることのできる米穀の対価について、米穀の品質
とは無関係に、府県単位に異つた価格を定めたのが本件暫定加算であり、その適用
を全く受けない府県も一三に達する。その趣旨は、時期別格差廃止のため、それが
地域農業経済に及ぼす影響を緩和するため、府県単位の実績を基礎として定めたも
のだとするが、食管法三条二項は、一面において国と米穀生産者間の米価決定の原
則を定めたものであつて、対価の決定に関しては個々の米穀生産者にとつて、かり
そめにも、不合理不公正な結果を招来するような定め方は同法の立法趣旨に反し、
また米穀生産者の公正な価格決定を要求し得る権利を無視するようなことは法律の
予想しないことと考えられるのであるから右のような措置は食管法の下において理
由のない差別価格を付した違法な措置というべきである。
四、(裁量権の踰越・濫用の主張について)、農林大臣の行う米価の決定行為は法
規裁量処分である。かりに、近時における食管法の機能が生産者保護の要求が強い
という点を重視して米価決定行為は自由裁量処分であるとの見解に立つてみても、
本件においては裁量権の踰越・濫用の問題を生ずる。右裁量権の踰越濫用の有無
は、本件暫定加算を設けた理由が法律の趣旨にそう一定の客観的標準に合致するか
否かの観点から判断さるべきものである。この客観的標準としては、本件における
米価決定に至るまでの算出手続及び決定された米価の内容がいずれも客観的合理的
なものでなければならないことと、行政上の平等の原則が特に配慮されなければな
らないということである。本件に、昭和四三年産米価決定にあたつては、米価算定
手続として生産費および所得補償方式を採用し、適正な基準価格を算出しながらそ
の価格から本件暫定加算の額だけ減ずるということは、算定手続としての合理的理
由が認められず、その結果米穀生産者の受ける米価についても合理的米価として生
産者を納得させることができない。さらに府県によつて異る価格が定められること
にもなり、このような不平等の職権は憲法及び食糧管理法の趣旨からみて政府の説
明につき十分に合理的理由があるものと結論することができない。従つて、仮りに
米価決定行為が農林大臣の自由裁量行為であるとしても、本件暫定加算に関する右
大臣の裁量はその権限の踰越濫用であるといわなければならない。
五、本訴における控訴人らの請求趣旨中「本件告示中暫定加算に関する部分」とあ
るは本件告示中の七及び冒頭部分において告示された米価のうち暫定加算平均額の
控除部分の取消を求める趣旨である。
被控訴人ら指定代理人は次のとおり陳述した。
一、(本案前の主張について、)本件生産者米価のうち基準米価からの暫定加算平
均額控除部分のみを取り消すときは、本件基準米価から暫定加算平均額を控除しな
い価格をもつて、一律に生産者米価とする行政処分(告示)を裁判所が行つた結果
となる。このことは右暫定加算の加算額の定めの部分を含めて取り消すときも全く
同様である。このように行政庁に代つてあたかも裁判所が行政処分をしたのと同じ
結果をもたらすべき取消訴訟はそもそも許されないのであつて本件訴のうち暫定加
算金に関する部分を取り消す旨の部分は不適法として却下されなければならない。
二、(本案について、)本件生産者米価はいわゆる生産費及び所得補償方式によつ
て算定されているのである、右方式では米穀の生産に要する諸費用を補償するとと
もに、家族労働について、農家にも都市労働者と同等の所得を補償するという配慮
から都市均衡労賃への評価替を行つている。この家族労働費の都市均衡労賃への評
価替によつて原生産費を大幅に増額加工しているのであつて、本件基準価格二〇、
三一五円も右評価替がなければ、一四、五〇六円に過ぎない。そして食糧管理制度
の運用と機能が米穀生産者の保護に重点を移してきた現状を反映して、本件生産者
米価においては、右家族労働費の評価替のほかに、間接労働費の配慮、資本利子、
附帯労働費、生産性向上利益還元費、平均収量の標準偏差値控除の面において農業
政策上、米穀生産者の利益保護のための政策的判断が濃厚に表われている。さら
に、本件における基準米価からの暫定加算平均額の控除は生産者米価の一つの算定
方式の課程として行われたに過ぎず算定方式自体固定的なものではない(従来価格
バリテイ方式が行われていた)から算式上の暫定加算平均額の控除が直ちに具体化
された正当な生産者米価からの一定額の減額として評価すべきでは決してない。本
件生産者米価算定の経緯等は以上のとおりであるところ、およそ生産者米価を算定
するに当たつてはいかなる算式を採用するかは政府の裁量に委ねられているものと
いうべきである。従つて、生産者米価は一義的明白に定まり得るものではなく、政
府の裁量的判断による算定が尊重されなければならない。
証拠(省略)
○ 理由
第一、被控訴人らの主張する本件告示の取消を求める控訴人らの訴は不適法である
との抗弁は当審における新な主張を含め、当裁判所はこれを採用し難いものと判断
するものであつて、その理由は原判決の理由において判示するところと同一である
から右判示部分(原判決一四枚目表七行から二三枚目裏八行までをここに引用す
る。
第二、本件告示中、暫定加算に関する部分の取消請求について、
一、左記の事実は各当事者間に争いがない。
(1) 被控訴人農林大臣が昭和四三年産米穀の政府買入価格について、同年八月
二一日農林省告示第一二九一号をもつて告示したこと。
(2) 右告示によれば、昭和四三年産米穀の政府買入価格は「生産費および所得
補償方式」に暫定加算金制度を採り入れた算式に従い原判決添付第二表記載のよう
に、まず稲作農家が米穀の生産に要した肥料代、農具費、雇用労働者等の費用で物
価修正した金額を補償するとともに、自家労働費については、投下労働一時間当り
製造業労働者の賃率(都市均衡労賃)で評価した労働所得を補償する裸の価格であ
る米穀一五〇キログラム当り二万〇二二一円を求め、これに運賃九四円を加算して
政府の買入場所における裸買入価格たるいわゆる基準価格二万〇三一五円を求め、
これに等級間格差金七六円を加算した上、さらに歩留加算金四七円と暫定加算金一
一五円を控除した二万〇二二〇円をもつて、うるち軟質米裸買入価格とするとされ
ていること。
(3) 控訴人らはいずれも鳥取県下に居住する米穀の生産者であつて、昭和四三
年産米穀を原判決添付別紙一表中「数量」欄記載のとおりそれぞれ政府に売渡し、
同表中「価額」欄記載の対価を政府から受領したが、控訴人らの受領した対価は、
本件告示に従い、前記基準価格から暫定加算金を控除した金額であること。
二、よつて、本件告示中暫定加算に関する部分の適否について判断する。
(一) 昭和四三年産米穀の政府買入価格(生産者米価)の決定の過程及びその内
容についての当裁判所の認定は原判決二四枚目表六行から三六枚目表八行(原判決
添付別紙第二表を加える)までの判示と全く同一であるから、これをこゝに引用す
る。
(二) 食管法三条二項は米穀の政府買入価格について、「政府ノ買入ノ価格ハ政
令ノ定メル所ニ依リ、生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保
スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」べきものとしている。右規定は、その文言、内容か
らみて、政府の買入価格の決定について参酌すべき基本的な理念を宣明したもので
あつて、具体的な米価の決定、その算定方法については右の基本的理念を逸脱しな
い範囲において政府(農林大臣)の技術的、政治的裁量に委ねられているものと解
すべきである。もつとも、食管法は米穀の生産者に対し政府の一方的に定める買入
価格による米穀の売渡義務を課しており、その面では生産者の財産権を公共のため
に制限するものといえるから、米穀の政府買入価格については憲法第二九条三項に
いう正当な補償でなければならずこの面からの制約を免れることはできないものと
いうべきである。
本件告示において暫定加算を設けた趣旨は、政府は昭和四三年産米価の決定にあた
り米の需給事情の変化のため従来の時期別格差の持つ本来の目的意義が稀薄となつ
たので、同年産米からこれを廃止する方針を決めたが、いわゆる早場米地帯は米の
単作地帯で農家経済は米作に依存する度がきわめて強く、そのため収入の多い早場
米の生産に力を注いでおり昭和四二年産米の時期別格差金の支払状況をみると、新
潟県約二四億円、千葉県約一一億円、富山県、秋田県約一〇億円、茨城県、北海道
各約九億円、山形県約八億円、石川県、福井県各約六億円、滋賀県約五億円に及び
総額で約一四〇億円に達していたこと、時期別格差は出荷の時期により個別の生産
者に支給されるもので、各人に支給される金額は僅少であつたが右のように、県単
位でみると、相当の金額に達しておりそれらの地域の定着した収入源になつていた
ので、時期別格差の全廃は地域農業にかなりの影響を与えることが予想されるた
め、政府はその廃止に伴う影響の緩和を図る必要があると考え従来の時期別格差金
の支払額が一定の基準に該当する府県の産米について、売渡しの時期いかんにかゝ
わらず暫定的措置として、暫定加算金を付することとしたものであることは前示認
定のとおりである。
控訴人らは、右のような地域農業経済事情は食管法三条二項にいうその他の経済事
情に該らないから、米価決定にあたり右事情を参酌したことは違法であると主張す
る。
食管法三条二項は、政府買入価格は米穀の再生産を確保することを旨として定むべ
きものとし、その為に参酌すべき事項として生産費及び物価その他の経済事情を挙
げている。そして右にいう経済事情の範囲にはおよそ米穀の生産に直接、間接に関
連する経済上の諸事情を含むものと解されている。ところで、食糧管理制度は戦時
下の主要食糧事情に対処するため、少い食糧を国家管理の下におき、その有効な利
用と配分をなすことを目的として発足したものであるが、その後漸次その背後にあ
る食糧事情が根本的に変化してきたことは周知の事実であり、食管法の定める米穀
の売渡及び買上の方法が漸次改正されてきたのもこの事情変更に対応するものとい
うことができる。それとともに、食管法制定当時における同法の趣旨である国民一
般の主要食糧を確保し、公正公平にこれを配分するという公共目的のために、その
生産者に売渡義務を課するという建前の実質も変化し、むしろ農業政策上米穀の生
産を維持し、その再生産を可能ならしめ、ひいてそれが生産者を保護することにな
るために売渡義務という法的形式を用いているものということができるのであつて
このように理解することが現在の実情に合致するものというべきである。そうする
と右のように米穀の生産の維持、生産者の利益保護という農業経済上の目的によつ
て米穀の売渡、買上が行われる場合にはいかなる程度において生産を維持し、生産
者をどのように保護するかという政策上の判断は広く農業政策ひいては経済政策一
般の中で判断されることになるから、そのような政策判断が買上げの対価決定に大
きく作用しうることとなり、その幅はかなり広汎に許容される(もとよりその裁量
は法的に無制限でないとしても)ことになるものと解しなければならない。このよ
うにみてくると、被控訴人らの主張する「各時点における具体的な経済政策の配慮
たとえば稲作農家の状況やそれがわが国農業に占める地位、国際価格を含め他の農
産物の価格の動向、米穀の政府買入価格の水準がわが国の経済一般とくに農業経済
に与える影響さらに財政負担(とくに食管会計の状況)等の諸事情」も食管法三条
二項にいう生産者米価の決定にあたつて参酌さるべき「その他ノ経済事情」に含ま
れるものと解して差支えがない。本件暫定加算を設けた趣旨が前示のとおりであ
り、わが国の農業及び一般の経済事情が地域ごとに異ることや米穀の生産流通の事
情は従来都道府県単位に把握され、それに対応して行政機関による米穀の生産、流
通に関する施策の立案実施が地域的観点から都道府県単位に行われていることの多
いことも顕著な事実であるから、右のような米穀の生産流通における地域的特性
と、それに対する行政上の施策の実情ならびに従来個別的農家の受領する時期別格
差金が比較的小額であつたこと等に鑑み時期別格差金廃止による急激な影響を個々
の米穀生産者の問題としてではなく当該地域農業経済に及ぼす影響の問題として捉
え、これを都道府県単位に生産者米価の決定において考慮したことは米穀に関する
農業政策の一環として合理性を持つものというべく右政府の措置をもつて違法とす
ることはできない。
もつとも、時期別格差は従来は出荷の時期により生産者個別に支払われたのである
から、暫定加算も個人単位で算定加算することも絶対不可能ではないと思われる
が、原審証大堀川春彦の証言及び弁論の全趣旨によると、全国の農家個別に過去三
年間の時期別格差の支給状況及びその割合等を調査するためには各末たんの食糧務
事所ないしその出張所に備付の各個人別買入数量等を記載した買入台帳を基礎とし
て各年度における農家各個の各期ごとの時期別格差の抽出仕訳を行い、最終的には
食糧庁ないし農林本省において全国的な集約配分の作業を行わねばならず、そのた
めには二万余名の食糧庁関係の職員を総動員しても相当長期の期間を必要とし、当
該年度の米価決定までにその完成は殆んど不可能であることが認められるのである
から、行政効率の点からみても、前示政府の措置をもつて不当、不合理とは云えな
い。
控訴人らは等級間格差や歩留加算はいずれも米穀の品質に基づくものとして、基準
価格のいわゆる内枠として取り扱いうるが、暫定加算のごときは外枠として取扱う
のはかくべつ内枠とはならない旨主張するが、暫定加算の前身ともいうべき時期別
格差が内枠として扱われてきたため暫定加算も基準価格の内枠として処理されたも
のであることは前示引用部分において判示したとおりであつて、その為に算定され
た価格が憲法二九条三項に違反するものでないことも後に判断するとおりであるか
ら政府の右処置は当、不当の評価は別としてこれを違法とすることができない。成
立に争いのない甲二二号証中のこの点に関する記載は当裁判所はこれを採らない。
(三) 控訴人らは、本件告示中暫定加算に関する部分は憲法一四条、二九条三項
に違反し若くは農林大臣の裁量権の濫用であると主張するけれども、当裁判所は右
主張はいずれも理由がないものと判断する。その理由は原判決四〇枚目裏八行から
四五枚目表三行までと全く同じであるからこれをこゝに引用する。
(四) 以上のとおりであるから本件告示中加算に関する部分には控訴人ら主張の
ような違法はなく、その取消を求める控訴人らの請求は理由がない。
第三、被控訴人国に対する金員請求について。
控訴人らは本件告示において基準米価よりの暫定加算平均額(一一五円)の控除に
よつて、それだけ生産者米価が「正当な補償」額を下回ると主張し、憲法二九条三
項に基づき国に対しその差額分に売渡数量を乗じた金員の支払を求めているが本件
告示による暫定加算平均額控除後の米価が憲法二九条三項にいう「正当な補償」を
下廻るものでないことは前記判示のとおりであるから、右請求もその余の点につい
て判断するまでもなく失当といわなければならない。
第四、よつて、以上と同旨で控訴人らの各請求を棄却した原判決は正当であつて、
本件控訴はいずれも理由がないから民事訴訟法第三八四条第一項、第九五条、第八
九条、第九三条を各適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 杉山 孝 古川純一 岩佐善巳)

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