弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を大阪高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人山田二郎、同松尾重彦の上告理由一について。
 論旨は、行政処分の無効確認の訴である本件については、処分行政庁である県知
事は被告適格を有するものではないのにかかわらず、原判決が上告人を当事者とし
て本案判決をしたのは、違法であるというのである。しかし、本件のように、県知
事のした農地買収処分の効力について、処分をした行政庁との間に争がある場合に
は、行政事件訴訟特例法の施行の当時においても、その処分をした行政庁たる県知
事を被告として右処分の無効確認の訴を提起することを得るものと解すべきことに
ついては、すでに当裁判所の判例の存するところであり(昭和二六年(オ)第一六
二号同二九年一月二二日第二小法廷判決、民集八巻一号一七二頁参照)、いまこれ
を変更する必要を認めないから、論旨は、理由のないものといわなければならない。
 同上二について。
 論旨は、原判決は本件農地買収処分が買収令書の交付によって効力を生じたかど
うかの点に関し、当事者の主張についての判断を遺脱した違法があるというのであ
る。本件において、被上告人が無効確認を求めるところは、自作農創設特別措置法
九条一項本文により被上告人に対する買収令書の交付によった買収処分の効力と同
項但書所定の公告によった同処分の効力との両者であるか、あるいは後者のみであ
るか、必らずしも明白であるとはいえないのであり、これに対応して、右買収処分
を有効とする上告人の主張にも、矛盾するところがなしとしないのであるが、それ
にしても、上告人に、本件買収令書が有効に被上告人に交付された旨の主張のあっ
たことは、認めることができる。したがって、右買収令書の交付による買収処分の
効力が争われるかぎり、原審は、右争点について判断を示さなければならなかった
はずである。しかるに、原判決は、買収令書に代る公告のなされるに至った事情と
して、上告人において本件買収令書を発行し、a村農地委員会を経て被上告人に交
付しようとしたが、被上告人は買収を不服として、その都度受領を拒否したことを
判示しているが、右判示に徴すると、その具体的事情いかんによっては、右買収令
書の受領の拒否にかかわらず、令書は了知しうべき状態に置かれたものとして、買
収処分の効力の発生を認めうる余地がないではないから、右争点に関する判断の遺
脱は、判決に明らかに影響ある違法ということができる。要するに、原判決は、当
事者の主張について十分釈明をつくさず、その主張について判断を遺脱したものが
存するので、論旨は理由があり、破棄せらるべきものと認める。
 よって、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    田   中   二   郎

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