弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人の上告趣意は、事実誤認の主張であり、弁護人児玉義史の上告趣意第一点
は、単なる法令違反、同第二点は、事実誤認、同第三点は、量刑不当の主張であつ
て、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(第一審判決の認定事実によ
れば、被害者の受けた傷害は、姦淫の手段である暴行によつて生じたものと認めら
れるから、被告人の所為が刑法一八一条の強姦致傷罪に該当するとした第一審判決
を是認した原判決は、もとより正当である。大審院明治四四年(れ)第一二三三号
同年六月二九日判決、刑録一七輯一三三〇頁、同院大正四年(れ)第一七八八号同
年九月一一日判決、刑録二一輯一二九二頁参照)。その他、記録を調べても、刑訴
法四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて、同法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により、裁判官全
員一致の意見で、主文のとおり決定する。
  昭和四三年九月一七日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    飯   村   義   美
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄

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