弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 被告人並びに弁護人田中照治の各控訴趣意は、それぞれ末尾添付の書面記載のと
おりである。
 右に対する判断。
 被告人の控訴趣意(事実誤認)について。
 原判決摘示の事実は、その挙示の証拠によつてこれを認定するのに十分であつ
て、原判決に所論のような事実誤認の違法はない。
 弁護人の控訴趣意第一点(没収の違法)について。
 <要旨>無免許製造の酒類、容器を不法に所持する罪にかかる目的物件について、
酒税法第六二条第二項の規定により、これが没収の言渡をするためにはその
物件の存在が記録上明確であることを以て足り、必ずしも、その物件自体を公判廷
に顕出して証拠調をすることを要しない。原判決の没収はかかる酒類、容器等の各
物件について、これを公判廷に顕出し証拠調を経ていないことは、所論のとおりで
あるが、右各物件が被告人の不法所持にかかるものであつて、且つ、大蔵事務官A
によつて領置され、同領置物件が武雄税務署長から武雄区検察庁検事に引継がれた
事実は、被告人において証拠とすることに同意を与えている、原判決挙示の各証拠
書類並びに武雄税務署長大蔵事務官B作成の領置物件引継書によつて明白でありそ
の物件の存在は、記録にあらわれた証拠上まことに明確であるから、これについて
没収の言渡をした原判決に何らの違法はない。論旨は理由がない。
 同第二点(補強証拠の不十分)について。
 被告人は、昭和二五年二月上旬頃から同月一九日頃まで自称神戸市居住朝鮮人C
が政府の免許を受けずして製造した濁酒二斗を、佐賀県杵島郡a町b町の被告人所
有の小屋において不法に所持していたものである、という犯罪事実について、被告
人の自白に対する補強証拠として、原判決は、大蔵事務官A作成の領置書を掲げて
おり、同領置書によれば、被告人の所持にかかる濁酒、並びにその仕込容器四斗樽
一個が現に領置された事実が明白であるこのような事件において、その密造の経
緯、被告人所持の事情等についても、なお的確な補強証拠の存することの極めて望
ましいことであることは、もとより論をまたないところではあるが、本件犯罪にお
いて、その骨子となるべき事実関係は、その所持物件の存在という事柄であり、そ
の所持物件の存在について、右のような証拠が存する以上、同証拠は本件犯罪にお
ける補強証拠として十分であると解するのが相当である。従つて、原判決が、補強
証拠なくして被告人の有罪を認めた違法ありとする論旨は採用の限りでない。
 同第三点(量刑不当)について。
 記録を精査するのに、諸般の犯情に照らし、原判決の刑の量定は相当であると認
められ、これを不相当とすべき格別の事情は認められない。
 その他原判決を破棄すべき事由がないので、刑訴第三九六条により本件控訴を棄
却すべきものとする。
 以上の理由により主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 筒井義彦 裁判官 藤井亮 裁判官 川井立夫)

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