弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告会社代表者Dの上告理由第一点について。
 記録によれば、原審における上告人(控訴人)の訴訟代理人弁護士Eは、昭和三
八年一月三一日に、同年四月一五日の原審第一回口頭弁論期日の指定及び呼出状の
送達を受けながら、同年四月一一日、原審に同月八日附辞任届を提出して、右第一
回口頭弁論期日に出頭せず、原審は上告人(控訴人)側の弁論を聴くことなくして
右弁論を終結し、判決言渡期日を同年五月九日と指定し、同日控訴棄却の判決を言
渡したこと、明白である。而して、論旨によれば、上告人本人は、同弁護士より、
全く、右辞任の通知を受けておらない。
 上告人の論旨第一点は、かかる場合、原審が直ちに弁論を終結し、判決言渡期日
を指定し、一方、上告人が、同月七日原審に対し理由を具して弁論再開を申請した
にも拘らず、原審はこれを採用することなくして、控訴棄却の判決を言渡したのは、
民訴法の立法趣旨を没却し、引いて憲法に違反するものであると主張するにある。
 しかしながら、訴訟代理人に対し口頭弁論期日の指定及び呼出状の送達があつた
以上は、右指定及び呼出の効力は、独り訴訟代理人のみに生ずるものではなくして、
本人にも及ぶことを当然とするから、指定の口頭弁論期日に訴訟代理人及び本人が
出頭しなかつたために生ずる不利益は、本人も亦これを甘受しなければならない。
それのみならず、本件において、訴訟代理人より上告人本人が辞任の通知を受けて
おらないこと論旨の通りとすれば、裁判所に対する辞任届のみによつては、未だ、
上告人本人に対する関係においては訴訟委任が終了しないものとなすべきであるか
ら、同弁護士が所論の期日に出頭しなかつたことは、上告人本人と同弁護士との間
において、内部的に背任的行為の成立することあるべきは格別、原審の所論措置が
違法であるとすることは許されない。また、弁論再開の申請を許容するか否かは、
裁判所の裁量に委ねられておることであつて、これを許容しなかつたといつて違法
といえないことは、累次の判例の示すところである。したがつて原審が所論の再開
申請を許容しなかつたことに所論の違法はない。されば原審の訴訟法違反を前提と
する違憲の主張も亦失当である。
 論旨は、すべて、採るを得ない。
 同第二点について。
 論旨は、上告人において、被上告人が本件土地の所有権を取得する以前に、訴外
Fより善意、無過失にて本件建物を賃借したのであるから、本件建物の占有権を被
上告人に対抗し得ると主張し、これによつて原審が上告人主張に係る賃貸人たる地
位を被上告人において承継したとの事実に対する判断を遺脱した違法を犯したもの
であるとし、これを前提として原判決の違憲を云為するにある。
 しかしながら、所論の事情により上告人が訴外Fより本件建物を賃借したとして
も、このことによつて直ちに、上告人に被上告人所有の本件土地を占有するにつき
正当権原あるものと断定し得ないこと勿論であり、しかも、原審は、本件土地の所
有者である被上告人に対し、右F及び上告人に本件土地につき占有権を以つて対抗
し得る正当権原の存することを、証拠上、否定しており、この事実判断は相当であ
る。されば、原審の判断に所論の違法なく、その違法を前提とする違憲の主張も亦
失当である。
 論旨は、採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛