弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中、被告人Aを罰金一五、〇〇〇円に処する、同被告人において
右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した期間同被告
人を労役場に留置する、との部分を破棄する。
     原判決が引用した起訴状記載の公訴事実中道路交通法違反の事実につい
て、同被告人を免訴する。
         理    由
 記録を調べると、被告人A(以下単に被告人という。)は、公安委員会の運転免
許を受けないで、昭和四二年二月二八日午後一一時四五分頃、大阪市a区b町c番
地附近道路において、普通貨物自動車を運転したとの道路交通法違反の事実につい
て、他の窃盗の事実とともに、昭和四二年三月三日大阪簡易裁判所に公訴を提起さ
れ、同裁判所は、同年六月九日右両事実につき、被告人を懲役一〇月および罰金一
五、〇〇〇円に処する、被告人において右罰金を完納することができないときは、
金五〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する、この裁判確定の日か
ら三年間右懲役刑の執行を猶予する、旨の判決をなし、この裁判は、同年六月二四
日確定した。ところが、被告人は、公安委員会の運転免許を受けないで昭和四二年
二月二八日午後一〇時四五分頃前記場所において前記自動車を運転したとの事実に
ついて、他の道路交通法違反の事実とともに、前記公訴提起後である同年四月一八
日、大阪簡易裁判所に略式命令を請求され、同裁判所は、同日、右両事実につき、
被告人を罰金二〇、〇〇〇円に処する、旨の裁判をなし、この裁判は同年五月三日
確定した事実を認めることができる。
 しかしながら、右各裁判における各無免許運転の事実は、時間がやや異なるが、
場所、内容において全く同一であるから、同一の公訴事実であると認めるのが相当
である。
 してみれば、被告人は、同一事件につき重ねて有罪の裁判を受けたこととなるが、
昭和四二年六月九日の原裁判当時においては、本件道路交通法違反(無免許運転)
の事実については、既に略式命令による有罪の裁判が確定していたのであるから、
公判請求を受けた原裁判所としては、該事実については同一事件について既に確定
判決を経たものとして刑訴法三三七条一号により、判決で免訴の言渡をなすべきで
あつたのである。しかるにこれを看過して重ねて同一事実につき有罪の裁判をした
ことは違法であり、かつ、被告人に不利益なものであることは明らかであるから、
本件非常上告は理由がある。
 ところで、原判決は、窃盗の事実および本件道路交通法違反(無免許運転)の事
実について懲役一〇月および罰金一五、〇〇〇円に処しているが、窃盗罪について
は罰金刑の定めがなく、他方、無免許運転の事実(道路交通法違反の事実)につい
ては、原裁判所である簡易裁判所においては罰金刑を選択するほかないのであるし、
刑法四八条一項本文により懲役刑および罰金刑を併科していることからすれば、結
局原判決は、窃盗罪につき懲役一〇月、本件道路交通法違反の事実については、罰
金一五、〇〇〇円に処したものであることが明らかである。
 よつて、刑訴法四五八条一号により、原判決中、被告人を罰金一五、〇〇〇円に
処する、被告人において右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一
日に換算した期間被告人を労役場に留置する、との部分を破棄し、同法三三七条一
号により原判決が引用した起訴状記載の公訴事実中道路交通法違反の事実について、
免訴の言渡をなすべきものとして、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す
る。
 検察官 澤田隆義公判出席
  昭和四三年一〇月一五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    松   本   正   雄
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    飯   村   義   美

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