弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人等の負擔とする。
         理    由
 上告訴訟代理人弁護士東本紀方、同佐伯静治、同小澤茂の上告理由第一点につい
て。
 裁判上の和解により建物を収去しその敷地たる土地を明渡すべき義務のある者か
ら建物を借受け建物の敷地たる土地を占有する者は民訴二〇一条一項にいわゆる承
繼人と解するを相当とする、論旨は建物賃借人の敷地に封する占有は建物占有の効
果であつて賃貸人からその敷地の占有の引渡を受けこれを承繼したがためではない、
このことは賃貸人が賃借人に建物を引渡した後も依然建物所有者としてその敷地に
對する占有を失わないのをみても極めて明瞭であると主張する、なるほど建物賃借
人の敷地に封する占有が建物占有の結果であること及び賃貸人が建物所有者として
その敷地に封する占有を失わないことは所論のとおりであるが建物賃借人の敷地に
對する占有は賃借人の敷地に對する占有と無関係に原始的に取得せられるものでは
なく、賃借人の敷地に對する占有に基き取得せられるものであるから占有の関係か
らみると一種の承繼があるとみることができるのであり賃借人が建物所有者として
その敷地に對する占有を失わない場合でもこの種の占有の承繼を認めることを妨げ
るものではないのである、然らば原判決が上告人等はDから本件建物を賃借居住す
ることによつてその敷地を占有するものであるから上告人等が各空家であつた本件
建物を賃借占有したとはいえその敷地に對する右Dの占有を承繼したものというべ
く従つて民訴二〇三条、二〇一条の規定により本件和解調書の効力は上告人兩名が
右調書の存在を知つていたか否かに係りなく承繼人としての上告人等に及ぶものと
解したことは正当であつて論旨はその理由がない。
 同第二点について。
 上告人は原審において「仮りに上告人等が債務者の承繼人であるとしても民訴五
一九条に所謂債務者の一般の承繼人に該当しない、よつて同調書正本に上告人等を
債務者の特定承繼人として執行文が付與されたのは違法である」と主張したのであ
る。そして民訴五一九条一項は「執行力ァル正本ハ判決ニ表示シタル債権者ノ承繼
人ノ為ニ之ヲ付與シ又ハ判決ニ表示シタル債務者ノ一般ノ承継人ニ對シ之ヲ付與ス
ルコトヲ得」と規定するから債務者の承繼人については一般の承繼人に對してのみ
執行文を附興することが許され特定承繼人に對しては許されないと解すべきである
ようにみえるのである。しかし民訴二〇三条、二〇一条によつて和解調書の効力は
債務者の特定承繼人に及ぶのであり民訴四九七条の二の規定に基き和解調書の効力
の及ぶ特定承継人に對しても執行文の付與を請求し得るものと解せられるから民訴
五一九条において債務者の承繼人を一般の承繼人に限るということも前示民訴二〇
三条、二〇一条、四九七条の二等の規定に準拠して自ら判決の効力の及ぶ特定繼承
人を含む趣旨に修正して解釈されなければならないのである、然らば原判決が論旨
摘録の如く判示して上告人の前記主張を排斥したことは正当であつて所論のような
違法なく論旨は理由がない。
 よつて民訴四〇一条、八九条、九五条により主文のとおり判決する。
 右は裁判官全員一致の意見である。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

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