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平成18年(行ケ)第10102号審決取消請求事件
平成18年12月20日判決言渡,平成18年11月1日口頭弁論終結
判決
原告株式会社湯山製作所
訴訟代理人弁理士伊藤晃,前田厚司
被告特許庁長官中嶋誠
指定代理人一ノ瀬覚,粟津憲一,立川功,田中敬規
主文
特許庁が不服2005−10030号事件について平成18年1月25日にした
審決を取り消す。
訴訟費用は,被告の負担とする。
事実及び理由
第1原告の求めた裁判
主文同旨。
第2事案の概要
本判決においては,書証等を引用する場合を含め,公用文の用字用語例に従って表記を変えた部
分がある。
本件は,原告が,本願発明の特許出願をしたところ,拒絶査定を受け,これを不
服として審判請求をしたが,審判請求は成り立たないとの審決がされたため,同審
決の取消しを求めた事案である。
1特許庁における手続の経緯
(1)本願発明(甲6)
出願人:株式会社湯山製作所(原告)
発明の名称:シート張力調整方法,シート張力調整装置およびシートロール用「
巻芯」
出願番号:特願平8−330836号
出願日:平成8年12月11日
(2)本件手続
手続補正日:平成15年5月20日(甲7)
拒絶査定日:平成17年4月20日
審判請求日:平成17年5月26日(不服2005−10030号)
手続補正日:平成17年6月27日(以下「本件補正」という。甲8)
審決日:平成18年1月25日
審決の結論:本件審判の請求は,成り立たない」「。
審決謄本送達日:平成18年2月7日(原告に対し)
2本願発明の要旨
(1)本件補正後のもの(請求項1のみ。下線部分が補正箇所である。以下「本
願補正発明」という。なお,請求項の数は6である)。
【請求項1】シートロール用巻芯にシートを巻いたシートロールを支持手段に着脱
自在かつ回動自在に支持し,上記シートロールから引き出されるシートの張力を調
整するシート張力調整方法において,
上記巻芯に設けたデータ記憶手段にシートの巻取量をデータとして記憶し,
上記巻芯のデータ記憶手段から巻取量データを読み取り,
上記シートロールのシートの引出量を測定し,
上記巻取量データと上記引出量データとに基づいてシートの引き出しに伴なう
シートロールの回転に対して負荷をかけることを特徴とするシート張力調整方法。
(2)本件補正前のもの(以下「本願発明という)。
【請求項1】シートロール用巻芯にシートを巻いたシートロールを支持手段に着脱
自在かつ回動自在に支持し,上記シートロールから引き出されるシートの張力を調
整するシート張力調整方法において,
上記巻芯に設けたデータ記憶手段にシートの巻取量をデータとして記憶し,
上記巻芯のデータ記憶手段から巻取量データを受け,
上記シートロールのシートの引出量を測定し,
上記巻取量データと上記引出量データとに基づいて,シートの引き出しに伴なう
シートロールの回転に対して負荷をかけることを特徴とするシート張力調整方法。
3審決の要点
審決は,以下のとおり,本願補正は限定的減縮を目的とするものに該当するとし
た上で,本願補正発明は,いわゆる独立特許要件としての進歩性を有しないとして
本願補正を却下し,その上で,本願発明の進歩性を否定した。
(1)本願補正発明について
ア実公平1−36832号公報(以下「刊行物1」という)に記載された発。
明(以下「引用発明1」という)。
「シートロール用コアにシートを巻いたシートロールを支持軸に着脱自在かつ回転可能に支
持し,上記シートロールから引き出されるシートの張力を制御するシート張力調整方法におい
て,
複数の巻径検出器により検出されたシートロール径に基づいてシートの引き出しに伴う
シートロールの回転に対して段階的に負荷をかけるシート張力調整方法」。
イ登録実用新案第3031148号公報(以下「刊行物2」という)に記載。
された発明(以下「引用発明2」という)。
「長尺材ロール用芯管に長尺材を巻いた長尺材ロールを回転軸に着脱自在に支持する芯管,
長尺材処理方法において,
上記芯管に設けたトランスポンダに長尺材の残量をデータとして記憶し,
上記長尺材ロールの長尺材の使用量を算出し,
巻取量データと上記使用量データとに基づいて長尺材の残量を検出する,芯管,長尺材処理
方法」。
ウ対比
(ア)本願補正発明と引用発明1との一致点
「シートロール用巻芯にシートを巻いたシートロールを支持手段に着脱自在かつ回動自在に
支持し,上記シートロールから引き出されるシートの張力を調整するシート張力調整方法にお
いて,シートの引き出しに伴なうシートロールの回転に対して負荷をかけるシート張力調整方
法」。
(イ)相違点
「本願補正発明が「上記巻芯に設けたデータ記憶手段にシートの巻取量をデータとして記,
憶し,上記巻芯のデータ記憶手段から巻取量データを読み取り,上記シートロールのシートの
,」,引出量を測定し上記巻取量データと上記引出量データとに基づいて負荷をかけるのに対し
引用発明1は,複数の巻径検出器により検出されたシートロール径に基づいて段階的に負荷を
かける点」。
エ相違点の判断
「上記相違点について検討する。
シート張力調整方法において,段階的なシートロール径ではなく,シートの巻取量をデータ
として設定し,シートの引出量を測定し,巻取量データと引出量データとに基づいてシートの
引き出しに伴なうシートロールの回転に対して負荷をかけるシート張力調整方法は周知技術
(一例として,実願平3−50354号(実開平4−135546号)のマイクロフィルム;
特に段落0003参照。甲3)であり,データを設定する際の一手段としてデータ記憶手段は
広く用いられている慣用技術である。
してみると,巻取量をデータとして記憶し,データ記憶手段から巻取量データを読み取り,
上記シートロールのシートの引出量を測定し,上記巻取量データと上記引出量データとに基づ
いて」負荷をかけることは,引用発明1に周知技術を適用して,当業者が容易になし得たもの
と言うべきである。
さらに,同記憶手段に関して,設計者はその配置を決定すべきことが設計にあたり必須とな
るところ,公知の配置として,本願補正発明の「シート「巻芯「支持手段「データ記憶」,」,」,
手段「引出量」に相当する「長尺材「芯管「回転軸「トランスポンダ「使用量」に」,」,」,」,」,
係る記憶手段の配置について,
シートロール用巻芯にシートを巻いたシートロールを支持手段に着脱自在に支持する巻芯,
シート処理方法において,
上記巻芯に設けたデータ記憶手段にシートの残量をデータとして記憶し,
上記シートロールのシートの使用量を算出し,
巻取量データと上記使用量データとに基づいてシートの残量を検出する,巻芯,シート処理
方法。
となる引用発明2が記載されている。
したがって,当業者であればその設計に当たり,公知の配置を参酌することは当然に行うべ
き事項であるから,相違点に係る事項は,引用発明1に周知の技術及び引用発明2を適用する
ことにより当業者が適宜なし得た程度のことにすぎない。
そして,本願補正発明の効果も,当業者の予測を越えるような格別のものはない。
したがって,本願補正発明は,引用発明1,2及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明
をすることができたものであるので,特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特
許を受けることができないものである」。
オむすび
「以上のとおり,本件補正は,特許法17条の2第5項で準用する同法126条5項の規定
に違反するものであり,特許法159条1項で準用する特許法53条1項の規定により却下す
べきものである」。
(2)本願発明について
「,.,「」本願発明は前記2で検討した本願補正発明から実質的に巻取量データを読み取り
ということを「巻取量データを受け」とした上位概念のものである。
そうすると,本願発明の構成要件を全て含み,さらに一部の構成要件を限定したものに相当
する本願補正発明が・・・刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易,
に発明をすることができたものであるから,本願発明も,同様の理由により,刊行物に記載さ
れた発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである」。
(3)むすび
「以上のとおり,本願発明は,刊行物1,2に記載された発明及び周知技術に基づいて,当
業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を
受けることができない」。
第3原告の主張の要点
1取消事由1(引用発明2の認定の誤り)
審決は,引用発明2を「長尺材ロール用芯管に長尺材を巻いた長尺材ロールを回
転軸に着脱自在に支持する芯管,長尺材処理方法において,上記芯管に設けたトラ
ンスポンダに長尺材の残量をデータとして記憶し,上記長尺材ロールの長尺材の使
用量を算出し,巻取量データと上記使用量データとに基づいて長尺材の残量を検出
する,芯管,長尺材処理方法」と認定した。。
審決は,引用発明2について,第1の長尺材残量データ記憶ステップ,第2の長
尺材使用量算出ステップ,第3の長尺材残量検出ステップを時系列的に認定してい
るところ,引用発明2においては,上記第3のステップの後に,長尺材残量データ
を記憶する第4のステップを有することは推認できるが,この第4のステップを
第1のステップと認定するのは誤りである。
したがって,審決には引用発明2の認定を誤っている。
2取消事由2(本願補正発明と引用発明1との相違点の判断の誤り)
(1)審決が認定した引用発明2の第1ステップは「残量」をデータとして記憶,
することであるが,相違点における第1ステップは「巻取量」をデータとして記,
憶することであり,両者は記憶の対象が相違している。審決の認定する引用発明2
の第1ステップに基づき,相違点の第1ステップに係る構成が容易想到であるとい
うことはできない。
(2)引用発明2では,残量は巻芯に設けたデータ記憶手段に記憶されるが,巻
取量データ,すなわち,初期巻取量又は使用開始時の巻取量の記憶場所については
言及されていないので,巻取量データは巻芯に設けたデータ記憶手段に記憶されて
いるとはいえない。他方,本願補正発明では,シートの巻取量,すなわち初期巻取
量又は使用開始時巻取量は巻芯に設けたデータ記憶手段に記憶されるのであって,
刊行物2の図9に示されたメモリ43のような巻芯外の記憶手段に記憶されるもの
ではない。この点において,本願補正発明と引用発明2とは明確に相違しているの
で,引用発明1に引用発明2を適用したとしても,本願補正発明の「巻芯に設けた
データ記憶手段にシートの巻取量をデータとして記憶し」との構成要件は実現され
ない。
また,審決が周知技術の認定の根拠として挙げた甲3においては,巻取量に相当
する初期巻出しロール径は設定器24に設定されるようになっているが,この設定
器24が,本願補正発明の巻芯に設けたデータ記憶手段であることの開示はない。
したがって引用発明1に甲3記載の発明を適用したとしても本願補正発明の巻,,「
芯に設けたデータ記憶手段にシートの巻取量をデータとして記憶し」の構成は実現
されない。
(3)引用発明2は,使用された芯管を回収して芯管1に設けたトランスポン
ダ14,すなわちデータ記憶手段に記憶されたシート(=長尺材)残量等のデータか
らシートの生産計画等を行うことを目的とするものであって,シートの初期巻取量
又は使用開始時巻取量をデータ記憶手段トランスポンダに記憶させる必要性自体()
がそもそも存在しない。
刊行物2の記載(段落【0033【0041【0045)より明らかなよう】】】
に,刊行物2においては,トランスポンダには機械番号,芯管発送日時,エラー検
出データ及びシート残量等をシートロール管理のために記憶するが,シートの巻取
量,すなわち初期の巻取量や使用開始時の巻取量はトランスポンダには記憶されな
い。したがって,引用発明2を引用発明1に適用する動機付けはない。
(4)刊行物2には「前記張力調整部37では,センサで検出された長尺材21
の弛み具合に基づいて下記する制御部44により回転軸45又は搬送ローラ46の
回転を制御し,長尺材21には常に一定の張力が作用するように調整している」。
(段落【0028)と記載されており,これによれば,引用発明2の負荷制御,】
すなわち回転軸45の回転制御は,弛み具合検出センサにより長尺材のたるみ量を
計測し,この弛み量計測値に基づいて行われていることは明らかである。したがっ
て仮に刊行物2の段落0073において使用開始時のシートの巻取量デー,,【】,
タとシート使用量に基づいて巻取残量が求められるとしても,その巻取残量は負荷
制御には使用されない。このように,引用発明2の負荷制御方法は,シート残量に
基づいて負荷制御する方式を採用する引用発明1の負荷制御方法とは基本的に異な
るのであるから,引用発明2の構成を引用発明1に適用することについては,これ
を阻害する要因がある。
(5)本願補正発明は,①甲3では,初期巻取量データ又は使用開始時の巻取量
データをデータ設定器にその都度設定する手間がかかるが,本願補正発明は,この
ような手間のかかるステップは不要である,②巻取量残量も含むが巻芯に設けら()
れたデータ記憶手段に記憶されているので,シートロールを使用途中でその支持手
段からいったん取り外した後,使用を再開するために使用途中のシートロールを支
持手段に再装着しても,データ記憶手段トランスポンダに記憶されているシート()
残量巻径に応じて適切な張力でシートを引き出すことができる(本願明細書段落()
【0044)という予期し得ない顕著な効果を奏する。】
(6)以上によれば,本願補正発明は,刊行物1,2に記載された発明及び周知
技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとの審決の判断
は誤りである。
3取消事由3(手続違背)
審決は,引用発明1,2及び審決で初めて引用した甲3に基づいて本願補正発明
の進歩性を否定しているが,審決では,引用発明2の公知技術としての位置づけが
,。,拒絶理由通知書(甲4)と相違しており甲3を公知例として適用している原告は
甲3発明について意見を述べる機会もなく,補正の機会も与えられなかったのであ
るから,特許法159条2項で準用する同法50条の規定に違反するものであり,
審決の結論に影響を及ぼすものであることは明らかである。したがって,審決は取
消しを免れない。
第4被告の主張の要点
原告の主張する取消事由は,いずれも理由がなく,審決に違法な点はない。
1取消事由1(引用発明2の認定の誤り)に対して
審決において認定した引用発明2は,各機能を時系列的に把握し,時系列的な構
成関係を引用するものではない。審決は,刊行物2の記載事項から「上記芯管に,
設けたトランスポンダに長尺材の残量をデータとして記憶し」という機能「上記,
長尺材ロールの長尺材の使用量を算出し」という機能「巻取量データと上記使用,
量データとに基づいて長尺材の残量を検出する」という機能を併せもつことを認定
したにすぎない。
なお,審決は,刊行物2に「上記芯管に設けたトランスポンダに長尺材の残量を
データとして記憶」することが記載されていると認定しているのであって,原告が
主張するように「トランスポンダに使用開始時のシート巻取量を記憶」することが
記載されていると認定したわけではない。
2取消事由2(本願補正発明と引用発明1との相違点の判断の誤り)に対して
(1)上記のとおり,原告が主張する時系列による理解は,刊行物2の記載を正
確に把握するものではなく,審決は,引用発明2の各機能の時系列的な順序に基づ
いて進歩性の判断を行っているものでもない。
(2)「シート張力調整方法において,段階的なシートロール径ではなく,シー
トの巻取量をデータとして設定し,シートの引出量を測定し,巻取量データと引出
量データとに基づいてシートの引き出しに伴なうシートロールの回転に対して負荷
をかけるシート張力調整方法」及び「データを設定する際の一手段としてデータ記
憶手段」が周知技術,慣用技術であるとの審決の認定に誤りはない。
引用発明1の「複数の巻径検出器により検出されたシートロール径に基づいて段
階的に負荷をかける」なる技術的事項について,それを改設計するに当たり,公知
ないし周知の技術を参酌することは設計者が当然に試みる行為であり,本願発明と
引用発明1の相違点に係る「上記巻芯に設けたデータ記憶手段にシートの巻取量を
データとして記憶し,上記巻芯のデータ記憶手段から巻取量データを読み取り,上
記シートロールのシートの引出量を測定し,上記巻取量データと上記引出量データ
とに基づいて」負荷をかけるということは,刊行物2に記載される「上記芯管に設
けたトランスポンダに長尺材の残量をデータとして記憶し,上記長尺材ロールの長
尺材の使用量を算出し,巻取量データと上記使用量データとに基づいて長尺材の残
量を検出する」という技術,及び,周知技術としての「シートの巻取量をデータと
して設定し,シートの引出量を測定し,巻取量データと引出量データとに基づいて
シートの引き出しに伴なうシートロールの回転に対して負荷をかける」という技術
を採用して容易になし得たことである。
引用発明2の巻芯に設けたデータ記憶手段(トランスポンダ)は,そもそもシー
トの使用状況等のデータを記録するため,残量を含め各種データを記憶するもので
あり,かつ,データを設定する際の一手段としてデータ記憶手段を用いることは,
審決において指摘したように慣用手段である。そして,既存の部材で同一の機能を
果たす部材が既に配置される場合,阻害要因のない限り,それを利用して兼用しよ
うと試みるのは,設計上通常行われることである。よって,シートの巻取量データ
の具体的な記憶場所を「巻芯に設けたデータ記憶手段」とすることは,当業者であ
れば当然に想到し得たことである。
刊行物2には,残量検出手段として「長尺材21の搬送距離に基づいて使用開始
からの使用量を算出し,算出した使用量から長尺材21の残量が求められる(段」
落【0073】参照)ことが記載されており,この場合,まず最初に「使用開始時
の巻取量データ」が設定されなければならないことは自明である。
そして,シートの巻取量をデータとして設定し,シートの引出量を測定し,巻取
量データと引出量データとに基づいてシートの引き出しに伴なうシートロールの回
転に対して負荷をかけることは周知な技術であり,また,刊行物2における残量検
出手段で検出した残量データは,芯管に送信されて記憶部に記憶され,記憶された
残量データは読み出されるようになっている(段落【0010】∼【0020】参
照)のであるから,シートの巻取量を,刊行物2に記載された「芯管に設けられ,
残量を記憶するトランスポンダ」に設定し,このトランスポンダから巻取量データ
を読み出すようにして本願補正発明に係る構成とすることは,当業者が容易に考え
得ることといえるのである。
(3)原告は,本願補正発明は,構成上格別の効果が存在する旨主張するが,本
願補正発明と引用発明1との相違点に係る事項は,引用発明1に引用発明2及び周
知技術を適用することにより当業者が適宜なし得た程度のことにすぎないものであ
り,原告の主張する効果は,引用発明及び周知技術から当然に予測される効果にす
ぎない。
3取消事由3(手続違背)に対して
進歩性の判断に当たっては,前提として周知技術,慣用技術等を考慮して刊行物
に記載される発明と対比判断されることが当然である。刊行物1,2は,審査にお
ける拒絶の理由に引用されるものであり,審決は,本願補正発明と引用発明1とを
比較して,相違点が存在することを認めた上で,この相違点は,引用発明2及び周
知技術を適用すれば容易に発明をすることができたものであると判断したもので
あって,拒絶査定の理由と異なる理由で審決したものではない。審決において提示
した実願平3−50354号(実開平4−135546号)のマイクロフィルム
(甲3)は,新たな刊行物として引用したものではなく,周知技術を説明するため
に例示した一例示文献にすぎない。
周知技術とはその技術分野において一般的に知られている技術,当業者であれば
当然知っているべき技術をいい,周知か公知かは,文献の数によって決まるもので
はない。審決が甲3を例示して認定した周知技術は,例えば,実願
()()昭60−102210号実開昭62−10613号のマイクロフィルム乙1
にも記載されている。
第5当裁判所の判断
1取消事由1(引用発明2の認定の誤り)について
原告は,引用発明2についての審決の認定が誤っていると主張するので,まずこ
の点から判断する。
審決は,引用発明2を「長尺材ロール用芯管に長尺材を巻いた長尺材ロールを回
転軸に着脱自在に支持する芯管,長尺材処理方法において,上記芯管に設けたトラ
ンスポンダに長尺材の残量をデータとして記憶し,上記長尺材ロールの長尺材の使
用量を算出し,巻取量データと上記使用量データとに基づいて長尺材の残量を検出
する,芯管,長尺材処理方法」と認定した。。
,,,(1)原告は審決の上記認定について第1の長尺材残量データ記憶ステップ
第2の長尺材使用量算出ステップ,第3の長尺材残量検出ステップを時系列的に認
定しているが,長尺材残量データを記憶するステップを第1のステップと認定する
のは誤りであると主張する。
しかしながら「上記芯管に設けたトランスポンダに長尺材の残量をデータとし,
て記憶し,上記長尺材ロールの長尺材の使用量を算出し,巻取量データと上記使用
量データとに基づいて長尺材の残量を検出する」との審決の記載は,その文言に照
らしても,引用発明2が備えている構成を順次認定しているにすぎないというべき
であり,引用発明2の構成を時系列的な観点から限定して認定したものと理解する
ことはできない。
(2)引用発明2が「上記芯管に設けたトランスポンダに長尺材の残量をデータ
として記憶し」との構成を備えていると推認されることは,原告も認めるとおり,
である。刊行物2には「前記残量検出部38,エラー検出部40等での検出デー,
タを読み込み(ステップS13,検出日時と共にトランスポンダ14に記憶させ)
る(ステップS14(段落【0045「前記実施の形態では,残量検出セ)。」】),
ンサ22により長尺材21の残量を検出するようにしたが,長尺材21の搬送ライ
ン上にエンコーダ付きの回転ローラを設けて検出するようにしてもよい。この回転
ローラは,長尺材21に直接接触して回転するようになっている。したがって,前
記エンコーダにより,その回転数から長尺材21の搬送距離を算出することができ
るようになっている。そして,前記長尺材21の搬送距離に基づいて使用開始から
の使用量を算出し,算出した使用量から長尺材21の残量が求められる(段落。」
0073との記載がありこの記載によれば引用刊行物2に記載された芯【】),,「
管,長尺材処理方法」において,長尺材21の搬送距離に基づいて使用開始からの
使用量を算出し,算出した使用量から長尺材21の残量が求められ,求められた残
量がトランスポンダ14に記憶されることが認められる。
このように,引用発明2は「上記芯管に設けたトランスポンダに長尺材の残量を
データとして記憶し」との構成を備えているものと認められるのであるから,審,
決が,同構成を「上記長尺材ロールの長尺材の使用量を算出し「巻取量データと,」
上記使用量データとに基づいて長尺材の残量を検出する」との構成に先立って記載
したことは,記載の順序としては必ずしも適切ではない点があるとしても,それを
もって審決の認定に誤りがあるということはできない。
したがって,原告の主張する取消事由1は,理由がない。
2取消事由3(手続違背)について
次に,取消事由3(手続違背)の主張について,判断する。
(1)審決は,本願発明1と引用発明1の相違点を「本願補正発明が「上記巻芯,
に設けたデータ記憶手段にシートの巻取量をデータとして記憶し,上記巻芯のデー
タ記憶手段から巻取量データを読み取り,上記シートロールのシートの引出量を測
,」,定し上記巻取量データと上記引出量データとに基づいて負荷をかけるのに対し
引用発明1は,複数の巻径検出器により検出されたシートロール径に基づいて段階
的に負荷をかける点」と認定した上で,相違点に係る構成は,引用発明1,2及。
び周知技術に基づき,当業者が容易に想到し得たものであると判断した。
その理由として,審決は,まず,拒絶理由通知書(甲4)及び拒絶査定(甲5)
において引用されなかった甲3を例示して「段階的なシートロール径ではなく,,
シートの巻取量をデータとして設定し,シートの引出量を測定し,巻取量データと
引出量データとに基づいてシートの引き出しに伴なうシートロールの回転に対して
負荷をかけるシート張力調整方法」を周知技術であると認定し「データを設定す,
る際の一手段としてデータ記憶手段」は広く用いられている慣用技術であると認定
した。そして「巻取量をデータとして記憶し,データ記憶手段から巻取量データ,
を読み取り,上記シートロールのシートの引出量を測定し,上記巻取量データと上
記引出量データとに基づいて」負荷をかけることは,引用発明1に周知技術を適用
して,当業者が容易になし得たものと言うべきである」と判断した。。
,,,,次に審決は巻取量を記憶する記憶手段の配置に関して引用発明2を参照し
「当業者であればその設計に当たり,公知の配置を参酌することは当然に行うべき
事項であるから,相違点に係る事項は,引用発明1に周知の技術及び引用発明2を
適用することにより当業者が適宜なし得た程度のことにすぎない」と判断した。。
以上をまとめれば,審決は,相違点に係る本願補正発明の構成である「上記巻芯
に設けたデータ記憶手段にシートの巻取量をデータとして記憶し,上記巻芯のデー
タ記憶手段から巻取量データを読み取り,上記シートロールのシートの引出量を測
定し,上記巻取量データと上記引出量データとに基づいて負荷をかけること(下」
),「,線部は本判決が付加のうち上記下線部を除いた巻取量をデータとして記憶し
データ記憶手段から巻取量データを読み取り,上記シートロールのシートの引出量
を測定し,上記巻取量データと上記引出量データとに基づいて負荷をかけること」
は,引用発明1及び周知技術に基づいて容易に想到し得ると判断し,周知技術を適
用することにより包含できなかった構成である巻取量を記憶する記憶手段の配置
(データ記憶手段を巻芯に設けているという点)について,刊行物2を参照するこ
,。とにより本願補正発明は容易想到であると判断したものと理解することができる
,,,(2)原告は審決では刊行物2に代えて甲3が公知例として適用されており
原告は,甲3発明について意見を述べる機会もなく,補正の機会も与えられなかっ
たのであるから,本件審判手続は,特許法159条2項で準用する同法50条の規
定に違反すると主張する。
,()(),。アそこで拒絶理由通知書甲4及び拒絶査定甲5について検討する
(ア)まず,拒絶理由通知には,刊行物1,2を引用文献として掲げ「備考」と,
して「刊行物2に記載された,巻芯に設けたトランスポンダに巻取量,残量,日時
等のデータを記憶し,当該データに基づきロールの回転に対する負荷を制御する発
,,,明を刊行物1に記載されたシート張力調整方法及び装置の発明について適用し
本願の請求項1∼6に係る発明とすることは,当業者が容易に想到し得たことであ
ると記載されているここではトランスポンダに巻取量残量日時等のデー。」。,「,,
タを記憶し,当該データに基づきロールの回転に対する負荷を制御する発明」が刊
,。行物2に記載されていると認定しており周知技術についての言及はされていない
(イ)上記拒絶理由に対して原告は刊行物2には巻取量データと引出量デー,,,
タに基づき回転に対する負荷を制御することは記載も示唆もされていない旨主張す
る意見書(甲9)を提出したが,審査官は,意見書の内容を検討しても,拒絶理由
を覆すに足りる根拠が見いだせない,として拒絶の査定をした。
(),「」,【】【】拒絶査定甲5には備考として刊行物2の段落00420045
【0046】などを摘示した上で「刊行物2には,計測時における残量に基づき,
回転に対する負荷を制御する発明が記載されておりさらにある時点の巻取量デー,,
タと,その時点からの引出量データとにより残量を検出することは,例を挙げるま
でもなく通常行われていたことにすぎないから,巻取量データと引出量データに基
づき回転に対する負荷を制御することは,刊行物2に記載されているに等しい事項
というべきであり,出願人の上記主張は受け入れることが出来ない」として,本。
願の各請求項に係る発明は,刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて当
。,,業者が容易に発明することができたものであると結論付けたここでも審査官は
「刊行物2には,計測時における残量に基づき回転に対する負荷を制御する発明が
記載されており・・・巻取量データと引出量データに基づき回転に対する負荷を,
,」。制御することは刊行物2に記載されているに等しい事項であると認定している
イ上記拒絶理由通知書及び拒絶査定の記載から明らかなように,審査官は,本
願補正発明と引用発明1の相違点に係る構成に関し,刊行物2には,シート巻取量
と使用量から求めた残量に基づきロールの回転に対する負荷を制御する発明が記載
されているとの認定に基づき,相違点2に係る構成は,引用発明1に引用発明2の
構成を適用することにより,当業者が容易に想到し得ると判断している。
しかしながら,刊行物2には,以下の記載がある。
(ア)「図1は本考案に係る長尺材流通管理システムの全体図を示す。この長尺材流通管理
システムは,大略,下記するようにトランスポンダ14が装着された芯管1と,芯管1のトラ
ンスポンダ14と情報の交換を行う芯管回収処理装置32と,芯管1が供給される薬剤包装装
,。」(【】)置34薬袋印刷装置35等の長尺材処理装置33とから構成されている段落0017
「前記芯管1は複数の外径部材2を円筒状に連結したもので,その外周には薬剤包装紙又は
薬袋となる長尺材21が巻回されている。…(段落【0018)」】
「前記各外径部材2は,図3に示すように,対向して所定間隔で並設される複数枚の側面部
,。」(【】)材3と各側面部材3同士を連結する接続梁4とから構成されている…段落0019
(イ)前記側面部材3にはトランスポンダ14が装着されているこのトランスポンダ14「。
は,図6に示すように,ガラス管15内に,フェライトコア16に巻き付けたコイル状のアン
テナを有する通信部17送受信回路制御部に相当する18及びICメモリ等の記憶部19,(。)
を収容した構成である。前記トランスポンダ14では,前記通信部17がデータを載せたマイ
,,,クロ波を受信すると送受信回路18を介して受信したデータが記憶部19に記憶され又は
。」(【】)記憶したデータが送受信回路18を介して送信されるようになっている段落0020
「また,前記側面部材3には,芯管1に巻き付けた長尺材21の残量を検出するための複数
の残量検出センサ22が径方向に並設され,下記する残量検出部38を構成している(図10
参照。各残量検出センサ22は発光素子と受光素子とからなり,長尺材21が所定量巻き戻)
される毎に,長尺材21の残量が検出できるようになっている(段落【0021)。」】
(ウ)「張力調整部37は,図10に示すように,芯管1が装着される回転軸45と,長尺
材21を搬送する搬送ローラ46と,長尺材21の弛み具合を検出するセンサ(図示せず)と
からなる。使用可能なセンサとしては,例えば,上下方向に所定間隔で設けられ,長尺材21
がこの範囲に位置しているか否かを常時検出するものが挙げられる。そして,前記張力調整
部37では,センサで検出された長尺材21の弛み具合に基づいて下記する制御部44により
回転軸45又は搬送ローラ46の回転を制御し,長尺材21には常に一定の張力が作用するよ
うに調整している(段落【0028)。」】
(エ)「残量検出部38は,前述のように,芯管1に巻回した長尺材21の残量を検出する
ためのもので,前述のように,芯管1に巻回した長尺材21の径方向に所定間隔で設けた複数
の残量検出センサ22からなり,長尺材21が巻き戻されるに従って外径側の残量検出セン
サ22から順に検出できるようになっている(段落【0030)。」】
「…本実施の形態では,前記計測設定時間は,例えば,1時間に設定されており,1時間経過
する毎に,前記残量検出部38,エラー検出部40等での検出データを読み込み(ステップ
S13,検出日時と共にトランスポンダ14に記憶させる(ステップS14(段落))。」
【0045)】
(オ)「なお,前記実施の形態では,残量検出センサ22により長尺材21の残量を検出す
るようにしたが,長尺材21の搬送ライン上にエンコーダ付きの回転ローラを設けて検出する
。,。ようにしてもよいこの回転ローラは長尺材21に直接接触して回転するようになっている
したがって,前記エンコーダにより,その回転数から長尺材21の搬送距離を算出することが
できるようになっている。そして,前記長尺材21の搬送距離に基づいて使用開始からの使用
量を算出し,算出した使用量から長尺材21の残量が求められる(段落【0073)。」】
以上の記載によれば,刊行物2には,長尺材21の搬送距離に基づいて使用開始
からの使用量を算出し,算出した使用量から長尺材21の残量が求められ,求めら
れた残量がトランスポンダ14に記憶されることは記載されているということはで
きるが,シートの張力調整は,長尺材21の弛み具合を検出するセンサを用いて行
われ,同センサで検出された長尺材21の弛み具合に基づいて回転軸45又は搬送
ローラ46の回転が制御されることにより,長尺材21に常に一定の張力が作用す
るように調整されるものであると認められる。したがって,引用発明2は,巻取量
データと上記引出量データから求められるシート残量とに基づいて張力の調整を行
うものではない。
ウそうすると,拒絶理由通知書及び拒絶査定の「備考」欄における,刊行物2
には,シート巻取量と使用量から求めた残量に基づきロールの回転に対する負荷を
制御する発明が記載されているとの認定は誤りである。
(3)前記のとおり,審決は,シートロールの巻取量データと引出量データとに
基づいて負荷をかけるという相違点に係る構成が「周知技術」であると認定し,拒
絶理由通知書及び拒絶査定のように,公知例である刊行物2に記載されているとは
認定していない。
シートロールの巻取量データと引出量データとに基づいて負荷をかけるという構
成が,本願補正発明の構成要件のうちでも重要な部分であることは,本願補正明細
書に「従来のシート張力調整装置では,シートの使用による巻取量の変化を径方向
に配置した巻径検出センサで段階的に検出する方式を採用しているため,検出セン
サのランクが切替わる径になると,芯管軸の偏心,シートの重量,巻き歪みなどの
原因により電磁ブレーキのブレーキ力ランクが1回転毎に上下に変動するバイブ
レーション現象が生じる(段落【0005「この発明に係るシート張力調整。」】),
装置においては,測定したシートの引出量と巻芯へのシートの巻取量とに基づいて
シートロールの回転に対して負荷をかけるようにしたので,シートロールの巻径を
。」(【】)。検出するセンサが不要となる段落0011との記載からも明らかである
そして,審査手続及び審判手続を通じ,原告が,巻取量データと引出量データに
基づき回転に対する負荷を制御することが刊行物2に記載されているとの認定を
争ってきたことは,前記判示のとおりである。
,,,被告も指摘しているとおり周知技術はその技術分野において一般的に知られ
当業者であれば当然知っているべき技術をいうにすぎないのであるから,審判手続
において拒絶理由通知に示されていない周知事項を加えて進歩性がないとする審決
をした場合であっても,原則的には,新たな拒絶理由には当たらないと解すべきで
ある(例えば,東京高判平成4年5月26日・平成2年(行ケ)228号参照。)
しかしながら,本件では,本願補正発明と引用発明1との相違点に係る構成が本
願補正発明の重要な部分であり,審査官が,当該相違点に係る構成が刊行物2に記
載されていると誤って認定して,特許出願を拒絶する旨の通知及び査定を行い,し
かも原告が審査手続及び審判手続において刊行物2に基づく認定を争っていたにも
かかわらず,審決は,相違点に係る構成を刊行物2に代えて,審査手続では実質的
にも示されていない周知技術に基づいて認定し,さらに,その周知技術が普遍的な
原理や当業者にとって極めて常識的・基礎的な事項のように周知性の高いものであ
るとも認められない。このような場合には,拒絶査定不服審判において拒絶査定の
理由と異なる理由を発見した場合に当たるということができ,拒絶理由通知制度が
要請する手続的適正の保障の観点からも,新たな拒絶理由通知を発し,出願人たる
原告に意見を述べる機会を与えることが必要であったというべきである。そして,
審決は,相違点の判断の基礎として上記周知技術を用いているのであるから,この
手続の瑕疵が審決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。
3結論
以上のとおり,原告の取消事由3の主張は理由があるから,その余の取消事由に
ついて判断するまでもなく,本件審決は取消しを免れない。
知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官
塚原朋一
裁判官
石原直樹
裁判官
佐藤達文

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