弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人長尾猛夫同百溪計助の上告趣意は、末尾に添えた書面記載のとおりである。
 弁護人長尾猛夫の上告趣意について。
 本件は、新刑訴法施行前に公訴の提起があつたいわゆる旧法事件であるから、本
件には旧刑訴法及び刑訴応急措置法が適用されるのである。そして、刑訴応急措置
法一三条二項によれば、旧刑訴四一二条の適用は除外されているのであるから同条
による量刑不当の事由は上告の理由とならない。ところで、所論はすべて被告人に
対する原審の刑の量定を不当であると主張するに外ならないので、前記のとおり上
告の適法な理由ではないから採用できない。
 弁護人百溪計助の上告趣意について。
 記録によると、被告人は昭和二五年二月一三日の原審第一回公判期日において、
弁護人を頼みたいので同日の公判を延期されたいと述べ、裁判長は右申出を容れ公
判を続行して第二回公判期日を同年三月六日午前一〇時と指定したこと並びに被告
人は弁護士長尾猛夫を弁護人に選任し同年二月一四日弁護人選任届を原裁判所へ提
出したことが明らかである。そして、所論の公判期日請書の「昭和二十三年」の文
字は活字で印刷されたものであることも記録上明らかなので、これらの事情から見
れば、「昭和二十三年」の文字は昭和二十五年と訂正されるべきものがそのまゝ忘
れられたに過ぎず、前記公判期日請書は昭和二五年二月一四日に原審に提出された
ものであること明瞭である。そして、弁護人が公判期日請書を差出したときは弁護
人に対し公判期日の召喚状を送達したと同一の効力を有することは旧刑訴三二〇条
八四条により明らかである。されば、弁護人を公判期日に召喚しない違法があると
の論旨は理由がない。しかも原審弁護人長尾猛夫は前記第二回公判期日に出頭して
審理に立会し証拠申請までしていることも記録上明らかなので、弁護権の行使を制
限した違法があるとの論旨は全く理由がない。なお、論旨末段においては、被告人
の刑が他の共同被告人の刑に比し妥当でなく従つて憲法に保証された公平な裁判を
受ける権利を害されたものであると主張しているが、憲法三七条一項にいわゆる「
公平な裁判所の裁判」とは偏頗や不公平のおそれのない組織と構成をもつた裁判所
による裁判を意味するものであつて、個々の事件につきその内容実質が具体的に公
正妥当な裁判を指すのでないことは当裁判所大法廷判決(昭和二二年(れ)四八号
昭和二三年五月二六日判決)の示すとおりである。
 よつて、本件上告を理由ないものと認め、旧刑訴四四六条に従い裁判官全員の一
致した意見により主文のとおり判決する。
 検察官 田中巳代治関与
  昭和二六年九月一八日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保

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