弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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○ 主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
○ 事実
第一 当事者の求めた裁判
控訴代理人は、「一 原判決を取り消す。二 被控訴人が控訴人に対してした次の
各処分をいずれも取り消す。(一)控訴人の昭和五一年分贈与税について同五五年
三月一四日付けでした更正決定(但し、納付税額九七九万四〇〇〇円を超える部
分。)及び過少申告加算税賦課決定(但し、九万三〇〇〇円を超える部分。)
(二)控訴人の昭和五四年分贈与税について同五五年四月三〇日付けでした過少申
告加算賦課決定並びに同年九月三〇日付けでした再更正決定(但し、納付税額八〇
〇〇円を超える部分。)及び過少申告加算税賦課決定(但し、審査裁決により一部
取り消された後のもの)。三 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とす
る。」との判決を求め、被控訴代理人は、主文同旨の判決を求めた。
第二 当事者の主張
当事者双方の主張は、原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する。
第三 証拠(省略)
○ 理由
当裁判所も、控訴人の本訴請求は、これを棄却すべきものと判断するが、その理由
については、左に付加、訂正するほか、原判決がその理由において説示するところ
と同一であるから、これを引用する。控訴人の相続税法二三条に規定する地上権に
は、民法二六九条ノ二の区分地上権も包含する旨の主張は、ひつきよう独自の見解
であつて採るを得ない。
原判決二六枚目表一〇行目の「成立に争いのない」から同二六枚目裏四行目「れ
る」までの部分を「前判示のとおり、本件区分地上権の価額は、相続税法二二条に
基づき時価で評価すべきであるのに、控訴人は同法二三条によりこれを評価して本
件各贈与税申告をしたものであるところ、本件全証拠によるも、この点について
(再更正処分に係る過少申告加算税四万七九〇〇円のうち昭和五六年七月三〇日裁
決により取消された四万四七〇〇円を除く。)、控訴人には国税通則法六五条二項
所定の正当な理由があるものとは認められない(もつとも、控訴人は、本件各贈与
税申告に際し、被控訴人所部係官の指導により、本件区分地上権を相続税法二三条
によつて残存期間五〇年以上と評価して右申告をしたものである旨主張するが、被
控訴人所部係官が控訴人に対し、本件区分地上権の評価について同条によるべきで
ある旨指導した事実は、これを認めるに足りる証拠はない。)」と改める。
よつて、控訴人の本訴請求は、これを失当として棄却すべきであり、これと同旨の
原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、控
訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 中島 恒 塩谷 雄 涌井紀夫)

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