弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告理由第一乃至第三点について。
 原審は、被上告人が上告人の主張するような選挙費用を支出した事実は認められ
ないとし、かかる支出のあつたことを前提とする上告人の本訴請求を棄却したもの
である。すなわち、上告人が被上告人の支出したものとして主張する選挙費用中別
表第一の(1)の用紙三連代については、被上告人においてこれを支出した事実を
認め難いとなし、同上(2)のポスター印刷費、(3)の無料ばがき印刷費、(4)、
(5)の拡声機使用料、(18)の労務費及び同上第二の(ニ)(ホ)の拡声機使
用料等については、被上告人が判示のとおり選挙運動費用収支精算書に掲記し正当
に届出をなした分の外は上告人主張のような支出をなした事実は認め難いとなし、
また、同上第一の(6)乃至(14)及び同上第二の(イ)(ロ)(ハ)の新聞広
告費、同上第一の(15)の宣伝ビラ代、同上(16)(17)の名刺代について
はいずれも被上告人の出費にかかるものではなく、判示のとおり新潟県自治確立懇
談会、新潟県農業会その他の訴外者の支出したものであり、殊に右の新聞広告及び
宣伝ビラの撒布は右訴外者の名において判示の如き目的の下に、それぞれの会務の
執行としてなされたものであつて、本件選挙とは全然関係のないものであるとの事
実を認定しているのである。そして原審のなしたこの事実認定は原判決の挙示する
証拠に照らしこれを肯認するに難くないのである。原審が所論甲第一四号証の成立
に関する被上告人の自白の撤回を許容したのは、判示のとおりその錯誤に出てたも
のであることを認定した上でなされたものであり、この錯誤の認定も亦その認定資
料とされた証拠によればこれを肯定し得るのであるから原判決には所論のような違
法はない。上告人は、所論の新聞広告等は、それが被上告人の立候補届出の前にな
されたか、その後になされたかを問わず、また、第三者がその名においてこれをな
したか、第三者を代表する資格において被上告人の名でなされたかを論ぜず、いや
しくもそれに被上告人の氏名が掲記されてある限り本件選挙の実施に際し被上告人
のためその得票に影響することあるべきは勿論であるから、その直接の目的名義の
如何に拘わらず被上告人において第三者と連絡してこれを本件選挙に利用する意思
あることを推断し得るのであつて、これを本件選挙に関し被上告人のためにする選
挙運動と見ることができる。従つてその費用も亦被上告人の選挙費用として計上さ
るべきであると主張する。
 しかし、既に原審の認定した事実関係が前説示の如くである以上、仮りに所論の
新聞広告等が広告掲載者の所期の目的範囲を越えて偶々本件選挙の施行に際し間接
的に被上告人の得票に多少影響するところがあるとしても、この一事により、直ち
にこれを被上告人の又は被上告人のためにする選挙運動と見なければならないわけ
もなく、またこれをもつて所論のごとく被上告人との意思連絡を推断することは早
計である。従つて原判決において被上告人の全然関知しないところであると認定さ
れた名刺撒布に関する費用は勿論、その他第三者の支出と認定された新聞広告料等
を被上告人の選挙費用として計上すべきものとする所論には賛同することはできな
い。されば原審が被上告人が立候補届出前何時に立候補の決意をなしたか、また所
論の新聞広告等が本件選挙に関し被上告人の得票に如何なる影響があつたかという
ような点に関し審判することなく上告人の主張を排斥したからとて、原判決に所論
のような違法があるとはいい得ないのであつて、所論は畢竟事実審たる原審がその
裁量権の範囲内で適法になした事実の認定を非難するに帰着し上告適法の理由とな
らない。
 よつて民訴四〇一条九五条、八九条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見である。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    澤   田   竹 治 郎
            裁判官    眞   野       毅
            裁判官    齋   藤   悠   輔

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛