弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人Aを懲役一〇月に処する。
     原審における未決勾留日数中三〇日を右本刑に算入する。
     但し原判決確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
         理    由
 本件非常上告の趣旨は末尾添付の別紙書面記載のとおりである。
 よつて案ずるに、被告人Aに対する窃盗被告事件の訴訟記録に徴すれば、同被告
事件につき昭和二九年七月一日洲本簡易裁判所は、被告人が昭和二八年一〇月九日
頃から同月二一日頃までの間に七回に亘つて犯した窃盗の事実を認定し、これに対
し相当法条を適用して「被告人を懲役一〇月に処する、未決勾留日数中三〇日を右
本刑に算入する、但し本裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する」旨、並び
に刑法二五条ノ二(昭和二九年七月一日施行の同年法律五七号刑法の一部を改正す
る法律による改正規定)を適用して、被告人を「右執行猶予期間中保護観察に付す
る」旨の判決を言い渡し、同判決は即日被告人及び検察官の上訴放棄の申立により
確定するに至つたものであること、なお被告人は昭和五年四月一七日洲本区裁判所
において窃盗並びに常習賭博罪により懲役一〇月に処せられたが右刑の執行を終つ
た日から既に五年以上を経過したものであり、また原判決言渡前に禁錮以上の刑に
処せられその執行を猶予されたものでないことが認められる。そして原判決におい
ては右刑法二五条ノ二の改正規定の適用を示すに止まるけれども、初めての執行猶
予と認められるから、同条一項前段の規定を適用した趣旨であることは明らかであ
る。そして、前掲昭和二九年法律五七号の附則二項は、同法施行前の犯罪について
は、同法施行后の犯罪と併合罪に当らない限り、右刑法二五条ノ二、一項前段の改
正規定の適用がない旨を規定しているから、右法律五七号施行前のみの犯罪にかか
る本件被告事件につき刑の執行猶予を言い渡す場合において、被告人を保護観察に
付することを得ないものであることもまた明らかである。従つて、原判決が本件に
ついて右刑法二五条ノ二、一項前段の規定を適用したことは右附則の規定に違反し
たものであり、本件非常上告は理由があるものといわなければならない。そして、
保護観察に付された者は、法定の事項を遵守しなければならないものであつて、遵
守すべき事項を遵守せず、その情状重きときは、刑の執行猶予の言渡を取消されう
るものであるから、原判決は被告人のため不利益であることは明らかであり、従つ
て、刑訴四五八条一項但書により原判決を破棄して被告事件につき更に判決をする
ものとする。
 原判決の確定した犯罪事実に法令を適用するに、該事実は各刑法二三五条に該当
するところ、各罪は同法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条、一〇条によ
り法定の加重をなした刑期範囲内において被告人を懲役一〇月に処すべきものとし、
未決勾留日数算入につき同法二一条、刑の執行猶予の言渡につき同法二五条をそれ
ぞれ適用して、主文三項四項のとおり定める。
 よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
 本件公判には検察官安平政吉が出席した。
  昭和二九年一一月二五日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎

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