弁護士法人ITJ法律事務所

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主         文
 1 本件控訴をいずれも棄却する。
 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 当事者の求めた裁判
 1 控訴人a
  (1) 原判決中控訴人a敗訴部分を取り消す。
  (2) 被控訴人bは,岐阜市に対し,36億2504万円及びこれに対する平成
16年7月23日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
  (3) 被控訴人岐阜市長cが,被控訴人bに対し,9億2800万円を岐阜市に
支払えとの請求を怠ることは違法であることを確認する。
  (4) 被控訴人岐阜市長cが,被控訴人bに対し,16億3000万円を岐阜市
に支払えとの請求を怠ることは違法であることを確認する。
  (5) 被控訴人cは,岐阜市に対し,9億6720万円及びこれに対する平成1
6年7月23日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
  (6) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。
 2 控訴人d
  (1) 原判決中控訴人d敗訴部分を取り消す。
  (2) 被控訴人b及び被控訴人cは,岐阜市に対し,連帯して,24億9557
万円及びこれに対する平成15年12月12日から支払済みに至るまで年5分の割
合による金員を支払え。
  (3) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人b及び被控訴人cの負担とする。
 3 被控訴人ら(共通)
   主文と同旨
第2 事案の概要
 1(1) 本件は,岐阜市民である控訴人らが,都市計画公園事業岐阜公園整備事業
に伴う先行取得用地の土地交換契約及び建物の物件移転補償費の支出について違法
な財務会計行為があったとして,地方自治法242条の2第1項3号,4号に基づ
き,被控訴人岐阜市長cに対し,被控訴人bに対する損害賠償請求をしないことが
違法であることの確認と,岐阜市長の職にあった被控訴人b及び現在の岐阜市長で
ある被控訴人cに対し岐阜市への損害賠償を求めるものである。
  (2) 控訴人aの甲事件請求は,土地交換契約によって10億1504万円,建
物の物件移転補償契約によって26億1000万円の合計36億2504万円の損
害が岐阜市に生じたとして,被控訴人bに対し,その全額を岐阜市に支払うよう求
める(上記第1,1,(2))ものであり,丙事件請求は,被控訴人岐阜市長cに対
し,同被控訴人が被控訴人bに対し土地交換契約により生じた損害のうち9億28
00万円を岐阜市に支払えとの請求を怠っていることが違法であることの確認(上
記第1,1,(3))と,被控訴人岐阜市長cに対し,同被控訴人が被控訴人bに対し
建物の物件移転補償契約により生じた損害のうち16億3000万円を岐阜市に支
払えとの請求を怠っていることが違法であるとの確認(上記第1,1,(4)),及び
被控訴人cに対し,物件移転補償契約による損害9億6720万円を支払うよう求
める(上記第1,1,(5))ものである。
  (3) 控訴人dの乙・丁事件請求は,土地交換契約によって6億7837万円,
物件移転補償契約によって18億1720万円の合計24億9557万円の損害が
岐阜市に生じたとして,被控訴人b及び被控訴人cに対し,連帯して上記金額を支
払うよう求めるものである。
  (4) 原審は,
   ア 控訴人aの甲事件請求のうち,被控訴人bに対し,土地の交換差金10
億1504万円の岐阜市への支払を求める部分は,適法な住民監査請求を欠き,地
方自治法242条の2第1項に反して不適法であるとして却下し,その余の請求に
ついては,土地交換契約及び物件移転補償費に基づく公金支出について違法がある
とは認められないとして棄却し,
   イ 控訴人aの丙事件請求のうち,被控訴人岐阜市長cが被控訴人bに対し
9億2800万円を岐阜市に支払えとの請求を怠ることが違法であることの確認を
求める部分は,適法な住民監査請求を欠き,地方自治法242条の2第1項に反し
て不適法であるとして却下し,被控訴人cに対し9億6720万円を岐阜市に支払
うよう求める部分は,被告適格がないから不適法であるとして却下し,被控訴人岐
阜市長cがbに対し16億3000万円を岐阜市へ支払えとの請求を怠ることが違
法であることの確認を求める部分は,土地交換契約及び物件移転補償費に基づく公
金支出について違法があるとは認められないとして棄却し,
   ウ 控訴人dの乙・丁事件請求のうち,被控訴人b及び被控訴人cに対し,
土地の交換差金6億7837万円の連帯支払を求める部分は,岐阜市とは人格を異
にする岐阜市土地開発公社の行為を問題とするものであって,財務会計行為の違法
を主張するものではないから不適法であり,また,被控訴人cに対し24億955
7万円の支払を求める部分は,被告適格がないから不適法であるとして,被控訴人
bに6億7837万円を岐阜市に支払うよう求める部分及び被控訴人cに24億9
557万円を岐阜市に支払うよう求める部分をいずれも却下し,被控訴人bに対す
るその余の請求は,土地交換契約及び物件移転補償費に基づく公金支出について違
法があるとは認められないとして棄却した(なお,原判決主文第1項の「26号事
件」(丁事件)の被
控訴人bに対する請求は,22号事件(乙事件)の被控訴人bに対する請求を拡張
したものである。)。
  (5) 原審の上記判決に対し,控訴人らが不服があるとして控訴した。
 2 前提事実,争点及び争点に対する当事者の主張は,以下のとおり当審主張を
付加するほか,原判決の「第2 事案の概要」欄の1,2に記載のとおりであるか
ら,これを引用する。
 ただし,原判決9頁20行目の「在する」を「存する」と改める。
 3 控訴人らの当審における主張
  (控訴人a)
  (1) 公共用地の取得については,「公共用地の取得に伴う損失補償基準第9条
2,地価公示法(昭和44年法律第49号)第2条1項の都市計画区域内の土地を
取得する場合において前項の規定による当該土地の正常な取得価格を決定するとき
は,同第6条の規定により公示された標準地の価格を標準とする。」とされてい
る。
 平成12年における旧天理教所有地に関する公示図は,甲イ10号証であ
るところ,これによれば旧天理教所有地は〔135E〕〔115E〕〔110E〕
〔92E〕の路線価に囲まれており,低額の〔92E〕を除いた3路線価を合計し
た上,3で割ると12万円となる。旧天理教所有地の面積は,4833平方メート
ルであるから,これに12万円を乗じると,5億7996万円となる。
 したがって,旧天理教所有地の購入価格12億8265万9475円を適
法な価格と判断した原判決には誤りがある。
  (2) 建物の移転補償費を損失補償基準細則15条1項1号の構外再築工法によ
り算定するとしても,旧天理教所有地に存在していた建物は教会であるから,これ
と同種同等の建物に見合うのは,大部分が集会場であるという教会の状況を考慮す
ると,学校・公民館を混ぜ合わせた程度とするのが相当であり,これに本殿の屋根
を増額し,神殿は3階の奥に備え付けた動産であるから移転とし,他に木造建築部
分や車庫・渡り廊下を含めた上記建物の価格は1平方メートル当たり17万円(1
坪当たり55万円)とするのが相当である。
 したがって,旧天理教所有地の存在していた建物の補償額(1平方メート
ル当たり55万8000円,1坪当たり185万円)を適法であるとした原判決に
は誤りがある。
  (控訴人d)
  (1) 原判決は,被控訴人らの訴訟代理人弁護士と気脈を通じた裁判長らが,①
証人調書の内容を故意に変造し,②原審の証人調書訂正の申立書を故意に隠匿し,
③丙6号証を故意に廃棄し,証拠を隠滅し,④控訴人の準備書面(第9回)を故意
に隠匿し,⑤甲ロ50号証を故意に廃棄し,証拠を隠滅し,⑥甲ロ50号証を朱色
で未提出分と記載した変造書面を作成し,これを訴訟記録に綴る,という行為を行
った上,作成されたものである。
 原審裁判長らの上記行為は,憲法76条,民訴法2条に違反する違法なも
のである。
  (2) 原判決は,岐阜市土地開発公社は,岐阜市とは別個の法人格であるとし
て,住民監査請求の対象とならないとした。
 しかし,仮に岐阜市土地開発公社が岐阜市とは別個の法人格であるとして
も,公社と岐阜市との土地売買契約が財務会計行為に該当することが否定されるわ
けではないし,岐阜市土地開発公社の設立,出資,財務,監督などにおける岐阜市
の地位に鑑みると,岐阜市土地開発公社と岐阜市とは実質的には一体の関係にある
と認めるのが相当である。
  (3) 原判決は,控訴人dが,被控訴人bに対する岐阜市への12億1697万
円(及び遅延損害金)の支払請求の訴えを,被控訴人b及び被控訴人cに対する岐
阜市への24億9557万円の支払請求の訴えに変更したことにつき,被控訴人c
に対する訴えの追加的変更は,改正後の地方自治法242条の2第1項4号請求に
よるべきものであり,個人としての被控訴人cには被告適格がないとした。
 しかし,控訴人dは,公金支出の差止を求める監査請求をしているのであ
るから,その公金が現実に支出されたことを対象として追加された4号請求は,監
査請求を経ているとみなされるべきである。
 そして,1号の差止請求と4号の損害賠償代位請求は,争点を共通にし,
両請求は訴訟として密接不可分の関係にあり,公金支出後は,これに対する損害賠
償請求が当然に予測されること,両請求の被告が行政機関ないし個人という被告と
しての立場は異なるが,実質的には同一であることなどを理由に,差止請求の訴え
の提起時に4号請求の訴えがあったものとみなす特段の事情がある場合には,変更
後の4号請求については,出訴期間の制限には違反しないというべきである。
 そして,特別規定(行訴法15条,19条,21条)のある場合,及び追
加的に提起された新訴と旧訴との間に特段の関係がある場合には,旧訴の提起の時
に新訴の提起があったものとみなされている(最判昭58年9月8日判決)。
 したがって,控訴人dの訴えの変更は,適正・正当なものである。
  (4) 被控訴人bは,天理教信者の組織票の獲得を企み,その見返りとして天理
教に対し,代替地については国の払下げ価格が安くなるように努力するとの書面を
提出し,天理教の土地を高額で買収するという利益供与を約束した(甲ロ3,3
0,55)。
 そして,被控訴人bは,天理教が老朽した建物を新たに拡大して建設する
事業計画に関与をし,旧天理教所有地の適正価格は5億3163万円であるのに,
12億0950万8405円であるとごまかすとともに,国の承認を受けた旧天理
教所有地に存在していた建物の移転補償費は7億8000万円であるにもかかわら
ず,これを25億9720万円であると過大に水増した。
 被控訴人bのかかる行為は,憲法20条3項,89条に違反するものであ
る。
  (5) 被控訴人bは,天理教に対し利益供与の約束をしたため,行政目的もない
のに,旧天理教所有地において,バス16台分の駐車場を設置するとの虚偽の事業
計画を決定し,バス1台当たりの駐車場に要する用地が,2億6600万円という
前代未聞の驚くべき高額な,虚偽の予算額を計上し,岐阜市に24億5521万2
750円の損害を与えた。
  (6) 被控訴人bは,旧天理教所有地の適正価格及び同土地に存在していた建物
の移転補償費を過大に水増しし,岐阜市に合計15億2837万円の損害を与えた
のであるから,被控訴人岐阜市長cは,地方自治法の規定に基づき,被控訴人bに
対し,上記損害金15億2837万円の返還請求としなければならないのに,被控
訴人岐阜市長cは,これを怠っている。
 さらに,被控訴人cは,本件係争中に,上記15億2837万円が水増し
されていることを認識しながら,天理教に対し,合計24億9557万円を支払
い,岐阜市に対し,同額の損害を与えた。
第3 当裁判所の判断
 1 当裁判所も,控訴人aの甲事件請求のうち,被控訴人bに対し,土地の交換
差金10億1504万円の岐阜市への支払を求める部分は不適法であるから却下
し,その余の請求については理由がないから棄却し,控訴人aの丙事件請求のう
ち,被控訴人岐阜市長cが被控訴人bに対し9億2800万円を岐阜市に支払えと
の請求を怠ることが違法であることの確認を求める部分,及び被控訴人cに対し9
億6720万円を岐阜市に支払うよう求める部分は,いずれも不適法であるから却
下し,その余の請求については理由がないから棄却し,控訴人dの乙・丁事件請求
のうち,被控訴人bに6億7837万円を岐阜市に支払うよう求める部分,及び被
控訴人cに24億9557万円を岐阜市に支払うよう求める部分は,いずれも不適
法であるから却下し,その余の請求は理由がないから棄却すべきものと判断する
が,その理由は,以下のとおり当審主張に対する判断を付加するほか,原判決の
「第3 争点に対する判断」に記載のとおりであるから,これを引用する。
 控訴人らが,当審において提出した証拠(甲イ17,18,甲ロ52~6
0)を考慮しても,上記結論は左右されない。
 2 控訴人らの当審主張に対する判断
  (1) 控訴人aの当審主張について
   ア 当審主張(1)について
     控訴人aは,旧天理教所有地の購入価格12億8265万9475円を
適法な価格と判断した原判決には誤りがある旨主張する。
 しかし,控訴人がその理由とする甲イ10号証は,その記載内容からし
て国税局発行の路線価図であって,公示された標準地の価格ではないと認められる
から,控訴人a主張の価格をもって,旧天理教所有地の取得価格が合理性を欠く不
合理な価格であるということはできない。
 そして,他に上記購入価格が不合理なものであったと認めるに足りる証
拠はない。
 したがって,控訴人aの主張は理由がない。
   イ 当審主張(2)について
     控訴人aは,旧天理教所有地に存在していた建物の補償額(1平方メー
トル当たり55万8000円,1坪当たり185万円)を適法であるとした原判決
には誤りがある旨主張する。
 しかし,上記建物の補償額は1平方メートル当たり17万円(1坪当た
り55万円)が相当であるとする控訴人aの根拠も大雑把なもので,客観的な裏付
けに乏しく,合理性を認めることはできないから,控訴人aの上記主張は採用でき
ない。
 そして,他に上記補償額が不合理なものであったと認めるに足りる証拠
はない。
 したがって,控訴人aの主張は理由がない。
   ウ その他
     控訴人aは,その他にも原審における裁判長の訴訟指揮の違法や原判決
の認定の誤りをるる主張するが,本件記録によっても原審における裁判長の訴訟指
揮の違法を認めることはできないし,上記のとおり原判決の認定に誤りがあるとも
いえない。
 したがって,控訴人aの主張は理由がない。
  (2) 控訴人dの当審主張について
   ア 当審主張(1)について
     控訴人dは,原審の裁判長及び裁判官には,憲法76条,民訴法2条に
違反する行為がある旨主張する。
 しかし,本件記録によっても,原審の裁判長らが裁判の公正を妨げるよ
うな行為を行ったと認めることはできないし,控訴人dが主張する原審の裁判長ら
の隠匿ないし変造行為も認めることができない。
 したがって,控訴人dの主張は理由がない。
   イ 当審主張(2)について
     控訴人dは,仮に岐阜市土地開発公社が岐阜市とは別個の法人格である
としても,岐阜市土地開発公社と岐阜市との土地売買契約が財務会計行為に該当す
ることが否定されるわけではないし,岐阜市土地開発公社の設立,出資,財務,監
督などにおける岐阜市の地位に鑑みると,岐阜市土地開発公社と岐阜市とは実質的
には一体の関係にあると認めるのが相当である旨主張する。
 しかし,控訴人dが主張するように,岐阜市土地開発公社は岐阜市が設
立,出資した公社である等の関係にあるとしても,それのみでは岐阜市土地開発公
社と岐阜市が実質的に同一であるということはできず,他に控訴人d主張の事実を
認めるに足りる証拠はない。
 そして,岐阜市土地開発公社と岐阜市との間の土地売買契約が財務会計
行為に該当するとしても,それにより岐阜市土地開発公社と天理教との間の土地交
換契約が岐阜市の財務会計行為に該当するものではない(土地交換契約が岐阜市と
の債務補償契約に基づくものであることや,岐阜市長が土地交換契約に関与してい
ることは,上記結論を左右しない。)。
 したがって,控訴人dの主張は理由がない。
   ウ 当審主張(3)について
     控訴人dは,被控訴人cに対する訴えの追加的変更には改正前の地方自
治法242条の2第1項4号の適用がある旨主張する。
 しかし,上記(引用にかかる原判決)のとおり,控訴人dの上記訴えの
追加的変更及び併合は,平成14年法律第4号により改正された地方自治法の施行
後になされたものであるから,改正後の同法242条の2第1項4号請求によるべ
きものである。
 控訴人dは,旧訴の提起の時に新訴の提起があったものとみなされるべ
き場合があることを論拠としてるる主張するが,本件においては,追加的変更が認
められた訴えが地方自治法の改正後に提起されたと認めるべきか否かが問題となる
のであるから,変更が認められた訴えに関する監査請求の手続ないし訴えの提起時
の扱いにかかる控訴人dの上記主張は,改正後の4号請求によるべきであるとする
上記結論を左右するものではない。
   エ 当審主張(4)について
     控訴人dは,被控訴人bは,天理教信者の組織票の獲得を企み,その見
返りとして天理教に対し,天理教の土地を高額で買収する等の利益供与を約束した
旨主張する。
 しかし,上記主張を裏付ける証拠として控訴人dが指摘する証拠(甲ロ
3,30,55)によっても,上記利益供与の約束があったと認めることはできな
いし,他に控訴人dの主張する事実を認めるに足りる証拠はない。
 そして,旧天理教所有地の購入価格や同土地上の建物の補償額が不合理
であったとは認められないことは上記(引用にかかる原判決)のとおりである。
 したがって,控訴人dの主張は理由がない。
   オ 当審主張(5)について
     控訴人dは,被控訴人bは,天理教に対し利益供与の約束をしたため,
行政目的もないのに,旧天理教所有地において,バス16台分の駐車場を設置する
との虚偽の事業計画を決定し,かつ虚偽の予算額を計上し,岐阜市に24億552
1万2750円の損害を与えた旨主張する。
 しかし,控訴人d主張の利益供与の約束の存在が認められないことは上
記のとおりであるし,岐阜市が岐阜公園整備事業のために旧天理教所有地を購入す
ることが市長の裁量権を逸脱する著しく不合理なものであると認めるに足りる証拠
もない。そして,上記土地の購入価格や同土地上の建物の補償額が不合理であった
と認められないことは上記(引用にかかる原判決)のとおりである。
 したがって,控訴人dの主張は理由がない。
   カ 当審主張(6)について
     控訴人dは,被控訴人岐阜市長cは,被控訴人bに対する15億283
7万円の返還請求を怠っていることは違法であり,また,被控訴人cは,本件係争
中に,上記15億2837万円が水増しされていることを認識しながら,天理教に
対し,合計24億9557万円を支払った旨主張する。
 しかし,上記(引用にかかる原判決)のとおり,旧天理教所有地の購入
価格や同土地上の建物の補償額が不合理であったとは認められない。
 したがって,控訴人dの主張は理由がない。
   キ その他
     控訴人dは,原判決の判断に誤りがあるとして,最高裁判所の判例(昭
和37年3月7日判決・民集16巻3号445頁,昭和61年2月24日判決・民
集40巻1号69頁,平成4年12月15日判決・民集46巻9号2753頁)違
反を主張するが,本件と上記最高裁判所判決とでは事案を異にするから,控訴人d
の主張は理由がない。
 また,控訴人dは,その他にも原判決の判断に誤りがあるとしてるる主
張するが,上記(引用にかかる原判決)認定事実に照らし採用できないか,同認定
事実を左右するに足りないから,控訴人dの主張は理由がない。
第4 結論
   よって,原判決は相当であって,控訴人らの本件控訴は理由がないからこれ
を棄却することとし,主文のとおり判決する。
 
    名古屋高等裁判所民事第3部
        裁判長裁判官   青   山   邦   夫
           裁判官   田   邊   浩   典
           裁判官   手   嶋   あ さ み

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