弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人B、弁護人川添清吉上告趣意について。
 しかし、強盗の共謀をした者は、たとい、暴行、脅迫、強取等の実行行為をしな
いでも共謀者のした強盗傷人の犯罪行為については、共同正犯としての罪責を免れ
えないものであるから、共謀者の犯行については一々その分担行為を判示する必要
がないことは当裁判所大法廷の判例(昭和二二年(れ)二四七号同二三年一一月一
〇日判決)とするところである。しかのみならず所論の判示をその対応する証拠に
照すときは被告人は被害者C方の便所の横で見張をしていたものであることを窺知
することができる。されば原判決の所論判示は被告人が他の五名の者と共謀の上判
示強盗傷人の犯行を為した事実の判示として何等欠くる所はないといわねばならぬ。
論旨はそれ故理由がない。
 被告人D、弁護人宇佐美幹雄、同山口周吉上告趣意について。
 被告人及び原審相被告人Aが逮捕され更に勾留状によつて身体の自由を拘束され
てから、所論検事の聴取書が作成されるに至る迄に八〇余日を経過していることは
所論の通りである。しかし記録によれば被告人等両人は逮捕されて十余日後におけ
る司法警察官の取調に対して犯罪事実を自供しているのであつて、所論検事の聴取
書の両名の白は右司法警察官に対する自供を単に繰り返したのにとどまり、本件事
案は大阪府と香川県とに亘つて行われた犯罪にかかるもので、その犯行数も強盗傷
人一件、強盗二件、同予備一件、窃盗三四件、銃砲不法所持一件の多種、多数に上
り、しかも犯人は被告人の他に共犯者五名を数え、各犯行は二名乃至六名が各共謀
し、昭和二二年九月一六日頃から翌年三月一日頃迄の間に敢行されたものであるか
ら、本案件の捜査に所論の期間程度の日子が必要であつたことはたやすく肯定され
るところである。されば、所論の被告人等の検事に対する自白をもつて、所論のよ
うに不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白であるということはできないから、
(昭和二二年(れ)第三〇号同二三年二月六日大法廷判決、判例集二巻二号一七頁
参照)原審が所論被告人等の自白を証拠としたからといつて原判決には所論の違法
は存しない。又証拠の取捨は法令の範囲内において、事実審たる原裁判所の裁量に
属することがらであるから、原審が被告人に有利な所論Eに対する司法警察官の訊
問調書を証拠に採用しなかつたからといつて原判決には違法のかどは存しない。な
お原判決は本件強盗傷人罪の構成要件の一部たる所論共同謀議の点のみを所論被告
人等の検事に対する自白で認定したのであつて、かゝる犯罪事実の一部を被告人の
自白のみで認定しても違法でないことは当裁判所の判例の趣旨とするところである
(昭和二三年(れ)九四七号同年一〇月二一日第一小法廷判決、判例集二巻一三六
六頁参照)されば、原判決には所論のような法律上証拠となしえない証拠によつて
事実を認定した違法は存しない。論旨はそれ故理由がない。
 被告人B、弁護人宇佐美幹雄、同山口周吉上告趣意について。
 原審が被告人の弁護人からした、証人としてEの喚問申請を却下したことは所論
のとおりであるが、法令の範囲内で証拠調をする限度は事実審たる原裁判所の裁量
に属することがらであるから、原審のした所論証人申請の却下に対する非難は上告
適法の理由とならぬ。そしてその余の論旨は結局弁護人等の被告人Dの為にする上
告趣意と同旨に帰するから、これに対しては重ねて説明しない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 竹原精太郎関与
  昭和二五年二月二日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    岩   松   三   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛