弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人海野普吉の上告趣意について。
 しかし、傷害罪の成立に必要な犯意ありとするには、他人の身体に対し暴行を加
える意思あるを以て足りるばかりでなく、原判決は、所論被告人の原審公判廷にお
ける供述及び被告人に対する検事聴取書中の供述記載の外A並びにBに対する各司
法警察官聴取書中の夫々判示に照応する被害顛末の供述記載、押収に係る匕首一口
の存在その他をも証拠としているのであつて、これらの証拠を綜合すれば傷害の故
意をも認定するに難くないから、原判決には所論の違法は認められない。
 同第二点について。
 本件犯行当時被告人が飲酒酩酊の末心神耗弱の状態にあつたことは、原審で被告
人又は弁護人から主張されなかつたところであるから、原判決がその点について特
に判断を示さなかつたからといつて、違法であるとはいえないし、また、原審公判
調書によれば、原審において被告人の犯行当時における飲酒酩酊等の精神状態につ
いて訊問取調をしていることが明らかに認められるばかりでなく、原判決の判示並
びに挙示の証拠によつて認められる被告人が友人C等より喧嘩の応援を頼まれてこ
れを快諾し直ちに自宅に帰り判示匕首を携帯して現場に赴き判示犯行を敢行した事
跡等より見れば、被告人が判示犯行当時必ずしも心神耗弱の状態にあつたとも認め
られないから、原判決が特に精神鑑定その他の方法によつて被告人の精神状態を調
査しないで心神耗弱を認めなかつたからといつて、所論のごとき審理不尽等の違法
があるとはいえない。それ故、本論旨も採用できない。
 同第三点について。
 しかし、強制処分請求書の被疑事実として引用されている司法警察官の意見書が
記録中に存在しないからといつて、その強制処分請求に基く勾留処分が違法である
といえないこと並びに刑訴応急措置法は日本国憲法施行の日から施行されたもので
あるから、その施行前の訴訟手続に同措置法六条の規定の適用のないことは、いう
までもないし、また、仮りにその勾留処分に所論のような手続違背があるとしても、
裁判官が発した適式な勾留状に基く勾留を目して違法な勾留であるといえないこと
も多言を要しない。しかのみならず、仮りに勾留が違法であるとしても、その一事
だけで直ちにその勾留中に行われた検事の被告人に対する聴取書を目して強制又は
拷問による供述書であるということができないことも論を待たない。そして、被告
人に対する本件勾留は、前記措置法並びに憲法施行前の昭和二二年五月二日判事綿
引末男の発した適式な勾留状によるものであつて、所論聴取書は、その後同年同月
九日検事が被告人から聴取の上作成されたものであることが記録上明かなところで
あるから、該聴取書を憲法三八条二項又は刑訴応急措置法一〇条二項に反するもの
であるとする所論はその前提を欠き採用できない。
 よつて、旧刑訴四四六条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  検察官 安平政吉関与
  昭和二七年四月一七日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛