弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     本件控訴を棄却する。
     訴訟の総費用は被上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人石井・の上告理由第一点について。
 所論は、要するに、原判決(附加、訂正のうえ引用する第一審判決を含む。以下
同じ。)が、判示支給準則に基づく退職手当の支給を違法と判断したにもかかわら
ず、上告人の本訴請求を棄却すべきものとしたのは、右支給準則一条二項本文に違
反する旨主張する。
 よつて考えるに、原判決によれば、上告人に対する第一次退職手当金の支給は、
判示支給準則一条二項本文に違反し、支給すべきでないにかかわらずなされた支給
であるというのである。ところで、上告人の第二次退職当時施行されていた判示国
家公務員等退職手当法附則(以下法附則という。)一〇項の規定の立法趣旨は、判
示同法施行令附則(以下令附則という。)一四ないし一六項の規定等をも勘案すれ
ば、中途退職者が、当時の法令上退職手当の支給を受けうる場合であつたため手当
の支給を受けたが、その結果、最終退職の際新旧両庁の在職期間が通算されず、通
算される者との間に著しい不均衡が生ずるため、これを是正するにあると解せられ
る。そうであれば、本件上告人の場合のように支給準則上支給すべきでないにかか
わらず誤つて退職手当が支給されたときは、法附則一〇項の適用はないものと解す
べきであり、このことは支給準則に基づく退職手当の支給について原判示のような
処分があると解すべきかどうかにはかかわりがないものというべきである。故に、
上告人の第二次退職にあたり前記法附則の規定の適用があるとする原判決の判断に
は、右規定の解釈を誤つた違法があるものというべく、この点の論旨は結局理由あ
るに帰し、原判決は、その余の論旨について判断するまでもなく、破棄を免れない。
 そして、前記のように法附則一〇項、令附則一四ないし一六項を適用すべきでな
いとすれば、上告人の第二次退職にあたり支給さるべき退職手当額は、原判示の国
家公務員等退職手当法附則四項、国会職員法八条、官吏としての在職年を国会職員
としての在職年とみなすことに関する規程三条、右退職手当法五、六、七条および
当事者間に争いのない上告人の在職期間、第二次退職時の給与月額等からして、六
五七万六〇〇〇円となり、上告人は第二次退職の際三一八万三八八〇円の退職手当
の支給を受けているから、その差額三三九万二一二〇円の支払を求める権利がある
ことは明らかであり、したがつて、右差額の一部である金一〇万円およびこれに対
する第二次退職の翌日である昭和三七年四月一日から完済にいたるまで民法所定の
年五分の遅延損害金の支払を求める上告人の本訴請求は認容すべきものである。故
に第一審判決の結論は正当であり、結局、被上告人の控訴は棄却さるべきである。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇八条、三九六条、三八四条、九六条、
八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   田       誠
            裁判官    大   隅   健 一 郎
            裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    下   田   武   三
            裁判官    岸       盛   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛