弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人川添清吉の上告理由第一、二点について。
 原審の確定したところによれば、被上告人は昭和二三年二月三日訴外Dから本件
山林(但し栗立木を除く)を代金二四万円で買いうけ、原判示の経緯により上告人
A1から借りうけた二四万円の貸金債務の担保として右山林所有権を同上告人に譲
渡したというのであり、原審の右事実認定は挙示の証拠により是認できる。所論は、
ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰し、採用
できない。
 同第三点について。
 原審の確定したところによれば、上告人A1は、前記貸金債権の担保として被上
告人から本件山林所有権の譲渡をうけた際、便宜上、上告人A2の名義で所有権移
転登記をなしたにすぎず、上告人A2に右山林所有権を贈与したものではないとい
うのであり、原審の右認定は挙示の証拠により是認できなくはない。
 所論は、ひつきよう、原審の右認定を非難するに帰し、採用できない。
 同第四点について。
 他人の所有名義を用い不動産の登記簿上の所有名義を仮装した場合において、真
正なる所有者がその所有名義を回復するには、必ずしも抹消登記手続をなすことを
要せず、さらに所有権移転の登記手続の方法によつてもこれをなしうると解するの
が相当である。原判決に所論の違法はなく、所論は採用できない。
 上告代理人高橋寿一の上告理由第一点について。
 記録によれば、原審は、本件山林所有権が被上告人に帰属し上告人A2に帰属し
ない旨認定判断した上、本訴および反訴につき第一審判決を支持して控訴棄却の判
決を言渡している事実が明らかである。それ故、原判決に所論の違法はなく、所論
は採用できない。
 同第二点一について。
 本件山林(但し栗立木を除く)が訴外Dから被上告人に売渡され、さらに被上告
人から上告人A1に対する貸金債務の担保として同上告人に譲渡されたことに関す
る原審認定を是認しうることは、前記のとおりである。所論は、ひつきよう、原審
の専権に属する証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰し、採用できない。
 同第二点二について。
 被上告人の上告人A1に対する貸金債務が約旨に従い弁済されたことに関する原
審の認定は、挙示の証拠により是認できる。所論は、ひつきよう、原審の右認定を
非難するに帰し、採履できない。
 なお、原審は、被上告人の主張に基づき、運搬賃と本件貸金債務とを差引計算す
る旨の契約がなされた事実を認定しているのであつて、原判決に所論の違法は存し
ないから、この点に関する所論も採用できない。
 同第三点について。
 原審の確定したところによれば、被上告人は上告人A1に対する原判示の貸金債
務の担保として本件山林を同上告人に譲渡し、右債務の返済方法等については原判
示の約定がなされたところ、被上告人において原判示のとおり約旨に従う弁済をし
たので、前記山林所有権は約旨により被上告人に復帰したというのであり、原審の
右認定判断は挙示の証拠により是認できる。所論は、原審の右認定にそわない事実
を前提とする主張に帰し、採用できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、九三条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛