弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人丁野暁春の上告理由第一点について。
 所論は、上告理由書第一点(二)ないし(四)に掲げる事由に基いて、原判決が
DにおいてE親権者Fの委任により、その代理人として本件土地をGに売渡す売買
契約を締結した事実を認定したことは、採証法則に違反したものであり、審理不尽、
理由不備の違法があると主張する。しかし、原判決の挙示する証拠を総合すれば、
原判示の事情の下に、DはE親権者Fの委任により、同人の代理人として原判示の
売買契約を成立させたこと、その後売買による所有権移転登記がなされ、買主Gは
代金に相当する金額をEの名をもつて銀行へ弁済したことを認定し得られないわけ
ではないから、原判決には所論の違法はない。所論は結局、原審が口頭弁論の全趣
旨及び証拠調の結果を斟酌して自由な心証により被上告人の主張にかかる事実を真
実と判断したことを非難攻撃するに帰し、採用することができない。
 同第二点について。
 所論は、上告人が原審において仮定抗弁として、本件売買は親族会の同意がなか
つたので、旧民法八八七条によりこれを取消す旨の意思表示をしたと主張したのに
対し、かかる取消の意思表示のあつたことは証拠上認められないとした原判決の判
断を非難して、採証法則違反、審理不尽、理由不備の違法があると主張する。しか
し、この点に関する原審証人Hの証言、Fの供述は、原審が信用しないところであ
るから、原判示のように認定したからといつて、所論の違法は認められない。所論
も原審が適法にした証拠の取捨判断並びに事実認定を非難するに帰するので、採用
することができない。
 同第三点について。
 所論は、原判決は「借受金を返済するから土地をかえしてもらいたい」という申
入がなされた事実を認定したにかかわらず、右申入に暗黙の取消権行使があつたも
のと認めなかつたことは、取消権行使の法理を誤解し、引用の判例にも違反すると
主張する。しかし、原判決の認定した申入は、所論のように相手方の所有権取得を
否認し暗黙に取消権を行使した趣旨と解しなければならないものではないので、原
判決が前記申入は、もつぱら借用金を返すから土地を返してくれという趣旨であつ
たと判断したことには、所論の違法はなく、また論旨引用の判例も所論の場合に適
切でない。
 よつて、民訴三九六条、三八四条一項、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一
致した意見で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛