弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を懲役壱年に処する。
     原審並当審の訴訟費用は全部被告人の負担とする。
         理    由
 堤弁護人並被告人の控訴趣意は末尾添附書面記載の通りである。
 第一点 原審は証人Aの取調請求を却下し検第十二号を証拠に引用した不法あり
との点について刑事訴訟法第三百八条並刑事訴訟規則第二百四条の規定により第一
審裁判所は公判廷において検察官及被告人又は弁護<要旨第一>人に対し証拠の証明
力を争うことができる旨告げねばならぬことは所論の通りであるが、本件記録によ
ると原審公判に於て証拠の取調終了後裁判所が右告知をしない前に弁護
人は自ら進み被告人の妻Aを証人として取調請求をしているので被告人並弁護人は
証拠の証明力を争うために必要とする適当な機会を与えられており既に自ら進み右
の様に取調請求をしているのであるから、裁判所は刑事訴訟規則第二百四条の規定
により証拠の証明力を争うことができる旨告げなくとも同規定に違反するものとは
謂えない。況んや原審裁判所は弁護人の右取調請求を却下する旨決定を宣して後訴
訟関係人に他に主張立証の有無及反証の取調請求により証拠の証明力を争うことが
できる旨を告げているので右規定に違背している点は毫もない。
 <要旨第二>又裁判所は取調請求のあつた証人を取調ぶるか怎うかは裁判所の自由
な裁量により決定せらるべきもので被告人側にとり唯一の証拠調の請求
を排斥したからと謂うて訴訟手続上何等違反はなく、検第十二号Aの供述調書は原
審に於て被告人並弁護人は共に証拠とすることに同意しており、且本件記録上右供
述に任意性を疑う余地もないので原審が刑事訴訟法第三百二十六条第一項に従いそ
の証明力は自由なる心証によつて判断し、之を公訴事実認定の証拠に供するは自由
である。弁護人は被告人に反対訊問の機会を与えない書面であるから証拠とするこ
とはできないと謂うのである。なるほど検第十二号は右却下により被告人に反対訊
問の機会を与えない結果に陥つてはいるが、此の場合刑事訴訟法第三百二十条の除
外例に当り日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急措置に関する法律第十二条の
如き規定のない新刑事訴訟法による手続に於ては採用さるべき限りでなく弁護人の
論旨は理由がない。
 第二点 事実誤認について、
 本件記録によると被告人は当初から本件犯行を否認しているのであるが、然し検
察官に対するBの供述調書によると本件被害者の一人であるBは盗難を被つた夜午
前二時迄起きており、被害品は同人住家階段下や土間に置いてあつたと謂うのであ
るから、同人方に於ける犯行は昭和二十五年四月二十六日午前二時後と認むべきで
あり、原審証人C並Dの各証言によると昭和二十五年四月二十六日午前二時頃朝見
川土手に於て被告人を逮捕したとあり、逮捕状によると逮捕の年月日時、同日午前
五時、逮捕の場所、別府市朝見川堤防上とあるのでその時刻に於て相違はあるが、
犯行の場所は共に別府市a区b班で犯行の時刻と逮捕の時刻(逮捕状記載による)
との間に多少の時間の経過はあるが僅二、三時間であり被害者方と逮捕の場所との
距離は本件記録上明確ではないが共に別府市内で而も大都市でない同一市内で逮捕
された際被告人等が本件被害品を所持していた点や賍品の数量重量よりしてE外一
名が容易に運搬し得ると思料されるのに、Eが態々就寝中の被告人を午前二時頃呼
起し賍物の運搬を依頼するとも思われない点や、検算十二号Aの供述調書によると
被告人は同月二十五日夕刻薄明い頃自宅を立出てたまま同日夜は帰宅せず裁判所の
通知により初めて所在が判明したと謂う点等を考えるとき原審判決挙示の証拠によ
り原審判決認定の犯罪事実を肯認するも理由くいちがいがあると謂うことはできな
いので被告人並弁護人のこの論旨も採用し難い
 第三点 量刑不当について、
 仮釈放中の犯行でその悪質を大に窺われるのではあるが、本件は犯行直後発覚し
たため幸に被害品は全部被害者に返されたことや、被害額その他被告人の家庭の情
況等を参酌するとき、原審量刑は聊過重に失するのでこの点において原判決は破棄
を免れない。
 仍て当裁判所は刑事訴訟法第三百八十一条第三百九十七条第四百条但書により更
に裁判をする。
 原審判決が確定した被告人の(一)(二)の各所為は刑法第二百三十五条第六十
条に夫々該当し併合罪であるから、同法第四十五条第四十七条第十条により犯情の
重い(一)の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内で被告人を懲役一年に処し訴訟
費用は刑事訴訟法第百八十一条により第一、二審共被告人に負担させることとする
 仍て主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 石橋鞆次郎 判事 筒井義彦 判事柳原幸雄)

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