弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

主文
1原告らの請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は,原告らの負担とする。
事実及び理由
第1請求
被告は,別表1相手方欄記載の相手方らに対し,それぞれ別表1金額欄記載の
各金員及びこれらに対する平成19年2月22日から支払済みまで年5分の割
合による金員を支払うよう請求せよ。
第2事案の概要
1事案の骨子
本件は,大阪府の住民である原告らが,別紙2会派・議員目録記載の大阪府
議会の各会派(以下,各会派については同目録平成16年度会派名の各末尾に
記載のとおり略称する。)及び各大阪府議会議員は平成16年度及び平成17
年度に大阪府から交付を受けた政務調査費の一部を目的外経費に充てており,
その金額を大阪府に不当利得として返還するか,又は不法行為に基づく損害賠
償として賠償すべきであるとして,大阪府の執行機関である被告に対し,地方
自治法242条の2第1項4号に基づき,上記会派及び議員らを相手方として,
不当利得の返還又は不法行為に基づく損害賠償及び監査請求日である平成1
9年2月22日を起算日とする遅延損害金の請求をすることを求めた住民訴
訟である。
2法令等の定め
(1)地方自治法(平成20年法律第69号による改正前のもの。以下同じ。)
100条13項は,「普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,そ
の議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会にお
ける会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる。この場合にお
いて,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなけれ
ばならない。」と規定し,同条14項は,「前項の政務調査費の交付を受けた
会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び
支出の報告書を議長に提出するものとする。」と規定していた。
(2)大阪府においては,地方自治法100条13項及び14項の規定に基づき,
大阪府議会議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として政務調査費
を交付することに関し必要な事項を定めることを目的として,大阪府政務調査
費の交付に関する条例(平成13年大阪府条例第61号。平成19年条例第7
1号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)が制定されていた。本
件条例の主な規定は,次のとおりである(乙1)。
ア第2条(政務調査費の交付)
大阪府議会の会派(所属議員が1人の場合を含む。以下「会派」とい
う。)及び議員の職にある者には,政務調査費を交付する。
イ第3条(会派に対する政務調査費)
1項会派に対する政務調査費の額は,月額10万円に当該会派の所属
議員の数を乗じて得た額とする。
(以下略)
ウ第4条(議員に対する政務調査費)
1項議員に対する政務調査費の額は,月額49万円とする。
(以下略)
エ第7条(政務調査費の交付決定)
知事は,前条の規定による通知に係る会派及び議員について,政務調査
費の交付の決定を行い,その旨を会派の代表者及び議員に通知しなければ
ならない。
オ第8条(政務調査費の交付方法)
知事は,毎月,会派及び議員に対して政務調査費を交付しなければなら
ない。
カ第9条(政務調査費の使途)
会派及び議員は,政務調査費を議長が規程で定める使途基準に従い使用
しなければならない。
キ第10条(収支報告書)
1項会派の代表者及び議員は,次に掲げる事項を記載した政務調査費
に係る収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)を,政務調
査費の交付を受けた年度の翌年度の4月30日までに議長に提出しなけ
ればならない。
1号会派にあっては会派名及び代表者氏名,議員にあっては氏名
2号交付を受けた政務調査費の総額
3号政務調査費に係る支出の総額並びに次に掲げる支出項目別の金額
及び当該項目ごとの主たる支出の内訳
イ調査研究費
ロ研修費
ハ会議費
ニ資料作成費
ホ資料購入費
ヘ広報費
ト事務所費
チ事務費
リ人件費
4号交付を受けた政務調査費の総額から政務調査費に係る支出の総額
を控除して残余がある場合は,当該残余の額
(以下略)
ク第11条(議長の調査)
議長は,政務調査費の適正な運用を期すため,前条の規定による収支報
告書が提出されたときは,必要に応じ調査を行うものとする。
ケ第12条(政務調査費の返還)
知事は,会派又は議員がその年度において交付を受けた政務調査費の総
額から,当該会派又は議員がその年度において行った政務調査費による支
出(第9条の規定による使途基準に従って行った支出をいう。)の総額を
控除して残余がある場合,当該残余の額に相当する額の政務調査費の返還
を命ずることができる。
コ第13条(収支報告書の保存及び閲覧)
1項議長は,第10条の規定により提出された収支報告書を,当該収
支報告書を提出すべき期間の末日の翌日から起算して5年を経過する日
まで保存しなければならない。
2項何人も,議長に対し前項の収支報告書の閲覧を請求することがで
きる。
サ第15条(委任)
この条例の施行に関し必要な事項は,議長が規程で定める。
(3)大阪府においては,本件条例の施行に関し必要な事項を定めることを目的
として,大阪府政務調査費の交付に関する規程(平成13年大阪府議会規程
第1号。平成19年議会規程第3号による改正前のもの。以下「本件規程」
という。)が制定されていた。本件規程の主な規定は,次のとおりである(乙
2)。なお,本件規程第5条の別表第1及び第2の内容は,別紙3記載のと
おりである。
ア第5条(政務調査費の使途基準)
本件条例第9条の使途基準は,会派に係る政務調査費にあっては別表第
1,議員に係る政務調査費にあっては別表第2のとおりとする。
イ第7条(証拠書類等の整理保管)
会派の政務調査費経理責任者及び議員は,政務調査費の支出について,
会計帳簿を調製し,その内訳を明確にするとともに,証拠書類等を整理保
管し,これらの書類を当該政務調査費の収支報告書の提出期間の末日の翌
日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。
3前提事実(争いのない事実又は証拠上容易に認定できる事実。なお,争いのな
い事実には認定根拠を付さない。また,書証番号は特記のない限り枝番号を含む。
以下同じ。)
(1)当事者等
ア原告らは,いずれも大阪府の住民である。
イ被告は,大阪府の知事であり,同府の執行機関である。
ウ別紙2会派・議員目録記載の者は,平成16年度及び平成17年度におい
て,大阪府議会の会派又は議員であった者である。
(2)政務調査費の交付及び充当等
被告は,本件条例及び本件規則に基づき,別紙2会派・議員目録記載の者
に対し,平成16年度及び平成17年度の政務調査費として,別表2の「交
付額」欄記載の金額をそれぞれ交付した。別紙2会派・議員目録記載の者は,
大阪府議会議長に対し,各翌年度の4月末までに,収支報告書を提出し,別
表2の「支出額」欄記載の金額を政務調査費として支出した(甲10から4
1まで)。
(3)監査請求
原告らは,平成19年2月22日,大阪府監査委員に対し,本件請求の対
象行為について監査請求を行ったところ,同監査委員は,同年4月9日付け
で,個別外部監査契約に基づく監査によることが相当であるとの決定をした。
(4)個別外部監査
平成19年4月24日から同年6月8日までの間,個別外部監査人である
K弁護士(以下「外部監査人」という。)による個別外部監査が実施された。
外部監査人は,別表3「政務調査費に係る個別外部監査人の判断基準」記
載の基準(以下「外部監査基準」という。)に基づき,別表2の「外部監査
による違法認定額」欄記載の金額について目的外支出であると認定し,各会
派及び議員に対し,認定金額の限度で損害賠償請求又は不当利得返還請求等
を行うなど必要な措置を速やかに講ずることを勧告すべきであるとした(甲
5)。
大阪府監査委員は,外部監査人の判断は是認できるとして,平成19年6
月15日付けで,その一部について,被告に対し返還請求等の必要な措置を
講じることを勧告し,その余の監査請求には理由がない旨,原告らに通知し
た(甲4)。
(5)別件訴訟
大阪府は,共産に所属する大阪府議会議員であるJ議員ほかに対し,平成
16年度及び平成17年度の政務調査費の一部(1議員1か月当たり22万
円)を各議員から所属会派へ支払った調査委託費に充てたことについて,そ
の2分の1に相当する部分は違法であると主張して,不法行為に基づく損害
賠償の支払を求める訴えを提起した(当庁平成20年(ワ)第14353号,
同第14356号から14358号まで,同第14360号から14362
号まで,同第14365号損害賠償請求事件。以下「別件訴訟」という。丙
P1)。
別件訴訟は,平成22年8月25日,大阪地方裁判所において,上記調査
委託費の支出は目的外支出には当たらず適法であるとして,請求棄却の判決
がされた(丙P1)。
上記判決に対し,大阪府は控訴したが,平成23年2月4日,大阪高等裁
判所において,控訴棄却の判決がされ,同判決は確定した(丙O6,7)。
(6)本件訴訟提起(顕著な事実)
原告らは,平成19年7月17日,外部監査人が違法であると認定しなか
った部分について返還請求するよう求め,本件訴訟を提起した。
第3主たる争点及びこれに対する当事者の主張
本件の主たる争点は,平成16年度及び平成17年度の政務調査費に関する大
阪府の各相手方に対する不当利得に基づく返還請求権又は不法行為に基づく損
害賠償請求権の有無であり,具体的には,①使途基準適合性についての立証責任
の所在(争点1),②外部監査基準の合理性(争点2),③個別の会派及び議員
の支出の使途基準適合性(争点3)が争点となる。
1争点1(使途基準適合性についての立証責任の所在)について
(原告らの主張)
政務調査費は,政務調査に要した費用の実費弁償の性質を有するものである
から,使用した政務調査費が使途基準に適合したものであることについて,交
付を受けた会派又は議員に立証責任があるというべきである。
これと同様に,政務調査費の返還を求める住民訴訟においては,被告である
執行機関の長が立証責任を負うものというべきである。大阪府は,議員から毎
年度政務調査費の使途について領収書を添付した報告を受けているのである
から,証拠の所在との関係からも,被告に立証責任を負わせるのが公平である。
(被告の主張)
原告らは,不当利得返還請求又は不法行為に基づく損害賠償請求を行うよう
求めているところ,法律上の原因がないこと及び違法性については,請求をす
る者,すなわち原告らが立証すべきものであることは明らかである。
2争点2(外部監査基準の合理性)について
(1)総論
(原告らの主張)
ア法が議員報酬と対価関係にあると予定している活動に対して政務調査費
を使用することは,報酬の二重払いとなり,許されない。
イ議員が果たすべき最も基本的・本来的役割は,民意の集約である。このた
め,地方議員の活動実態の一つとして挙げられる住民意思の把握のための活
動は,議員の基本的・本来的職務であって,かかる活動に対する対価は議員
報酬に含まれているというべきである。また,費用弁償に含まれる交通費等
に対して政務調査費を用いることも,二重弁償となるため許されない。
ウまた,政党活動,選挙活動や私的活動に政務調査費を充てることが許され
ないのは当然である。住民への議会報告は,議員や会派の活動成果を報告す
るものにすぎず,政党活動又は選挙活動であるというべきであるから,これ
に政務調査費を充てることは違法である。
エ被告は,日頃からの基礎的な情報収集も意義があるものであるから,一つ
一つの活動ごとに調査研究活動とそれ以外の行為とを明確に区別し得るも
のではないなどと主張するが,基礎的な情報収集は議員の本質的な活動であ
り,これに要する費用は歳費にて賄うべきである。政務調査活動は,一定の
テーマを対象とするものであり,その個別の目的と具体的関連性を有する支
出について,政務調査費を充てることが認められるのである。
オ外部監査基準が採用している按分の考え方は,議員ごとに異なる政務調査
活動,政党活動,後援会活動等を,同じ按分率で振り分けること自体,議員
の活動実態についての調査を放棄しているものであり,誤りである。
(被告の主張)
ア議員報酬は,議員が一定の役務を提供した対価として支給を受けるもので
あるのに対し,政務調査費は,政務調査活動を行った際に,その活動に要す
る経費に対して実費弁償として交付を受けるものであって,活動との対価性
はなく,報酬との間に二重払いといった問題は生じない。また,大阪府議会
議員に対する費用弁償については,議員の公務旅行,会議出席その他公務に
よる管内旅行を対象としており,政務調査費の対象とは明確に区分されてい
ることから,二重弁償といった問題も生じないものである。
イ自治体議会議員に求められる活動としては,政策形成に必要な情報収集,
意向調査,住民との意見交換などの活動を議員が行う重要性が増してきてい
る。このような活動をより効果的なものにするためには,会派や議員の議会
活動に対する住民の理解,関心を高めていく必要があり,会派や議員の活動
によって,住民の意見が施策にどのように活かされたのかなどを住民に伝え
ていかなければならない。また,住民への活動報告は,施策に対する住民の
新たな考え方や意見を生み出すことになり,その意見を活かしてあたらしい
施策を創造することができるようになるなど,多様な民意を反映することに
よって,住民自治の環境が整えられることにつながるといえる。住民への議
会報告は,このような住民と会派・議員との好循環を生み出すための原動力
となっており,そのことから政務調査活動として位置付けられているもので
ある。
ウ議員の活動には,議員の職務の他に,政党活動,後援会活動が含まれるこ
ととなるが,選挙によって選出された住民の代表という立場から,住民との
接触の機会が非常に多くなる議員にとって,活動基盤となる地域の拠点での
活動経費などは,政務調査活動,政党活動及び後援会活動が輻輳するような
状況が生じることが考えられる。
また,多種多様な政策や行政上の課題に取り組む議員にとって,活動の対
象は広範多岐にわたることとなり,日常活動の中では,政務調査活動と政党
活動,後援会活動について,活動に要する時間及び活動に要する費用面にお
いて,単純な線引きで区分することが困難な状況が生じることも考えられる。
そのようなことから,外部監査基準も,各項目において,議員の各活動と
支出項目ごとに費用の按分率を示しているのであり,妥当な内容である。
(2)会派関係について
ア会議費について
(原告らの主張)
議会の議場近くにある会派の控え室には会議を行う程度のスペースが
ある。また,飲食代であれば,人は会議がなくとも飲食は行うのであって,
議員報酬等で賄うべきである。被告の主張は,食事代を公金で賄わなけれ
ばならない理由とはなっていない。よって,会議費という項目を政務調査
費において認めていること自体,地方自治法100条13項に反して違法
であり,外部監査基準も誤りである。
(被告の主張)
機密性の高い会派の重要課題を扱うための会議については,秘密保持が
求められるものであるから,ホテル等の会議室を用いて会議を行う必要性
が認められる。会議の参加者が多数である場合も同様である。また,会議
時間が食事時間を挟んで開催された場合や,会議が長時間にわたり食事が
必要となった場合において,食事休憩を設けると,会議が中断し,長時間
化することから,食事の提供が会議の効率的な運営につながると判断され
たものについて,政務調査費の充当が認められているものである。
イ資料購入費について
(原告らの主張)
議会活動の前提となる調査研究に必要なものに限定されるというべき
であるから,購入される資料の内容が他の活動と明らかに区別できるもの
でなければならず,新聞や職員録等は,類型としても調査研究資料といえ
るものではなく,多目的に使用し得るものであることからすると,これを
購入する費用を政務調査費として認める外部監査基準は誤りである。
(被告の主張)
政策形成に係る情報の把握には,日々の政治状況,社会経済状況等の把
握が不可欠であり,新聞情報の収集はそのために必要なものである。また,
政策形成に当たっては,執行機関からの情報収集や意見交換等を行うこと
が重要であるところ,的確な情報収集を行うためには執行機関の組織構成
等を把握する必要があり,職員録はそのための資料である。
ウ広報費について
(原告らの主張)
広報費が対象とする議会活動及び府政に関する政策等の広報活動は,そ
もそも調査研究活動ではない。これらの広報活動は,会派やそれに所属す
る議員の活動状況を住民に宣伝することによって選挙における投票獲得
行動の基礎的部分をなすもの又はそれと重なり合う効果を持つものであ
り,会派の構成員たる議員がその歳費で行うべきものである。また,新規
に立候補する者と既に議員たる者との間の実質的公平という観点からし
ても,会派活動や議員活動の宣伝のための経費に対して公費を支出するこ
とは,この公平性を著しく害するものであり,政務調査費の制度趣旨を逸
脱するものである。
よって,広報費という項目を政務調査費において認めていること自体,
地方自治法100条13項に反して違法であり,外部監査基準も誤りであ
る。
(被告の主張)
上記のとおり,広報活動では,活動を通じて生み出された住民の意見が
把握分析され,それをもとに会派や議員が必要な施策を作り出すとともに,
再び広報が行われると行った循環活動が繰り広げられている。広報活動は,
単なる結果の周知行為といった一方通行の行為に終わるものではなく,次
の新たな政策立案のための民意掘り起こしの原動力ともいえ,会派や議員
の調査活動の基盤となっている。よって,広報費は政務調査活動として位
置付けられる。
エ事務費について
(原告らの主張)
事務費に関する外部監査基準は,次の点において誤っている。すなわち,
会派控室の制服代を認めていること,機器の複数購入は必要性を吟味する
として,政務調査のためであるか否かが基準となっていないこと,日常生
活用品がある場合に,政務調査費からの支出を例外的に認める余地を残し
ていること,来客用の飲料水は,政務調査活動に必要となるものではない
にもかかわらず,政務調査費からの支出を認めていること,弁当代等を事
務費に含める必要は全くないにもかかわらず,一定の金額の支出を認めて
おり,これらは地方自治法に反するものである。
(被告の主張)
会派控室の制服代については,当時,大阪府議会事務局が,全国都道府
県議会議長会事務局に問い合わせた結果,政務調査費を充当することは可
能との返答を得て,政務調査費からの支出がされてきたという経緯がある
ことを考慮し,当時の判断を一方的に不適切とすることには問題があると
判断したものであり,不当ではない。また,複数機器の購入については,
その必要性を吟味して適否を判断しているのであり,妥当である。日常生
活用品であっても,政務調査活動での利用が特定されるものであれば,政
務調査費を充当することが認められるものであるから,例外の余地を認め
たこと自体が不当であるとはいえない。来客用の飲料水についても,調査
研究活動にかかわる来客用としての使用が想定されるのであるから,政務
調査費からの支出を認めることに問題はない。弁当代については,会議費
についての主張と同様,必要な場合に政務調査費からの支出を認めること
は妥当である。
オ人件費について
(原告らの主張)
政務調査活動に係る人件費とその他の人件費とは明確な基準によって
区別できなければならず,その区別基準としては,作業時間によるべきで
ある。
議員又は会派の指示によって議員以外の第三者が一定の時間,調査研究
活動に従事した場合に,その時間に対応して議員又は会派が当該第三者に
支払った費用のみが,政務調査費からの支出が許される人件費に該当する
ものというべきである。そして,調査研究活動の内容は,一定のテーマを
有した調査・研究に直接関係のあるものでなければならず,活動内容が不
明である場合や政務調査活動に該当するか疑わしい場合には,住民に有利
に認定すべきである。
(被告の主張)
外部監査基準は,「政務調査費の使途の基本的な考え方」も参考として
おり,そこには事務所職員を政務調査活動に従事させている場合,調査研
究に従事する平均時間,日数等で按分すると記載されており,外部監査基
準は抽象的なものではない。原告は,調査研究活動は他の行為と明確に区
別できる必要があるとするが,広範な領域,課題に及ぶ住民の行政ニーズ
の把握のためには,様々な場面が想定され,日頃からの基礎的な情報収集
も意義があるものであるから,一つ一つの活動ごとに調査研究活動とそれ
以外の行為とを明確に区別し得るものではない。
(3)議員関係について
ア調査研究費について
(原告らの主張)
金額の大小等にかかわらず,日常の交通費(タクシー代,高速代,駐車
場代を含む。)やガソリン代であっても,当該支出と個別の政務調査目的
との関連が具体的に認定されない使用は違法である。
調査委託費について,共産に対しては,会派の実態と全額否認すること
による影響を配慮し,外部監査基準では2分の1の限度で認めるとしてい
るところ,共産のみを特別扱いをするものであり,許されないというべき
である。
(被告の主張)
外部監査基準は,政務調査費の使途の透明性の確保を前提とするもの
であり,また,会派ないし議員の説明責任を踏まえたものとして定めら
れたものである。なお,外部監査基準は,一定の条件のもとで,定額又
は按分を認める考え方を示しているものであり,これは,上記の議員活
動の特性を踏まえて設けられた基準であり,妥当である。
調査委託費に関し,原告らは,共産のみを特別扱いするものであると
主張するけれども,一定の実態が確認されたものの,それのみでは議員
に対する支出が,迂回的に会派の支出を補填するものではないとの説明
としては不十分であるとして,2分の1の限度で支出を認めたものであ
り,特別扱いをしたものではない。
イ事務所費について
(原告らの主張)
そもそも,事務所費として政務調査費から支出するための要件として,
議員が行う一定のテーマを有した調査研究活動と当該事務所設置,賃借の
必要性との間に直接的な関連性がなければならないというべきである。と
ころが,外部監査基準は,調査研究活動と事務所設置の必要性について何
ら問うことなく,議員本来の活動,後援会活動,政党活動,調査研究活動
を厳格に区別することなく,これらの活動のために兼用される事務所を認
めるものであり基本的に誤っている。そもそも,都道府県議会制度研究会
の最終報告書においても,住民との接触活動は,正規の議員活動として認
知されていないのであって,そのための事務所費に政務調査費を充てるこ
とは許されない。住民との接触活動に要する費用は,議員報酬又は政治資
金によって賄うべきである。
仮に,通常の議員活動と調査研究活動が兼用される事務所の存在を認め
るとしても,上記基準は,次の点で誤っている。まず,按分比率につき,
当該事務所を使用する議員の活動のうち,調査研究活動がどの程度を占め
るかを検討することなく,使用される名目により単純に按分しており,誤
りであると言わなければならない。府議会議員が,議員の事務所を設置す
る場合,それは専ら地元選挙区における議員活動の本拠地としてなされる
ものであり,その場所においては,議員本来の活動が行われており,調査
研究活動が行われることは例外的であるという実態を何ら考慮すること
なく,後援会事務所,政党事務所以外の使用は全て調査研究活動のためで
あるとの前提に立った按分は大きな誤りである。また,親族物件について
は,賃料が議員本人に還流する事態が容易に予測されるから,政務調査費
からの支出を認めるべきではない。
また,各議員は,議会の会期中,議会や議員控室など大阪府庁で活動し
ており,その間地元事務所は機能していないのであるから,この期間に支
出した事務所費を政務調査費から充当することは一切認められない。議会
の会期は,平成16年度は66日間,平成17年度は67日間であった。
(被告の主張)
議員の職務は,政務調査活動を前提とするものであり,住民自治の充
実を図るには,多様な民意の集約などが必要であり,そのために必要な
情報収集,意向調査,住民との意見交換等を,日常活動の中で展開する
には,地域に根ざした拠点の確保が不可欠である。
したがって,議員としての職務の遂行にあたっては,地域の拠点とな
る事務所の設置については,原告らが主張するような,一定の調査研究
活動と事務所の設置の直接的な関連性を求める必要はない。また,賃料
についても,上記の議員活動の特性から,按分することは妥当である。
外部監査基準は,議員自身と異なる人格を相手方とした契約関係の存在
が認められるものについて,政務調査費からの支出を認めたものであり,
妥当である。
ウ事務費について
(原告らの主張)
事務費についても調査研究活動との間の直接関連性を問うことなく,按
分や精算不要の定額での支出を認めている点において,誤りである。また,
自動車のリース料は,実質的に自動車の割賦購入と同様であるから,これ
に政務調査費を支出することは議員の資産形成のための支出に当たり,違
法である。
(被告の主張)
事務費の項目で購入する物品等は,他の活動の事務と共用が前提とな
るものや,活動ごとに区分する分割購入がなじまないもの,他の活動で
用いるものと一括して購入することによって経費の節減になるものとい
った性質のものが多いことから,他の活動との経費の配分を行うことが
妥当な項目である。
また,自動車のリース費用については,車をファイナンスリースによ
り使用した場合,車の所有権は,リース会社もしくは車販売会社にあり,
リース期間が終了しても所有権は移転せず,車は返却もしくは再リース
契約の締結ということになり,リース料は使用者の資産形成のために支
出されたことには当たらない。したがって,リースと割賦購入を同様と
する原告らの主張は誤りである。
エ人件費について
(原告らの主張)
政務調査補助としての常時固定雇用は,単なる可能性としては肯定され
得るとしても,府議会議員の議員活動の実態から甚だ遊離したものであっ
て,現実にはあり得ないものである。
すなわち,府議会議員においては,専属の政務調査補助職員を雇用して
いるという実態は全く存在しないか,あるいは,極めて例外的な場合に限
られる。加えて,外部監査基準においては,いかなる被雇用者が政務調査
の補助業務に従事したといえるかどうかについての基準が全くない。会派
についての主張と同様の基準に従い政務調査活動に従事した作業時間に
対応する支払のみが,政務調査費から支出することを許されるのである。
(被告の主張)
政務調査活動に関わる職員の雇用を想定する場合には,政務調査活動
専任者である場合と,政務調査活動兼任者であるが,政務調査活動を主
とする者である場合と,他の活動を主とする者である場合とに区分され
る。かかる区分に基づいて,外部監査基準に当てはめると,政務調査活
動専任者は,「イ.常時固定雇用」に該当し,政務調査活動兼任者は,
「ロ.原則2分の1で按分。ただし,議員が業務実態に照らし,適宜按
分」に該当する。実態に照らして適宜按分した場合,政務活動を主とす
る場合には2分の1を超えることもあり得るが,他の活動を主とする場
合には,2分の1未満の割合での按分が想定されることとなり,実態に
見合った基準が設定されている。
3争点3(個別の会派及び議員の支出の使途基準適合性)について
別表4各会派議員別主張一覧表記載のとおり
第4当裁判所の判断
1争点1(使途基準適合性についての立証責任の所在)について
(1)地方自治法100条13項は,普通地方公共団体は,条例の定めるところ
により,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,
その議会の会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができると規定
し,この規定に基づき制定されている本件条例は,会派及び議員は,政務調
査費を議長が規程で定める使途基準に従い使用しなければならず(9条),
知事は,会派又は議員がその年度において交付を受けた政務調査費の総額か
ら,当該会派又は議員がその年度において行った政務調査費による支出(第
9条の規定による使途基準に従って行った支出をいう。)の総額を控除して
残余がある場合,当該残余の額に相当する額の政務調査費の返還を命ずるこ
とができる(12条)と規定している。
(2)以上のとおり,政務調査費が使途を限定して交付される公金であり,残余
があればこれを返還しなければならないことに鑑みれば,本件条例に基づき
政務調査費の交付を受けた会派又は議員が,故意又は過失により,当該年度
において交付を受けた政務調査費を府政の調査研究に資するため必要な経
費以外のもの(目的外経費)に充てた場合には,当該会派又は議員は,目的
外経費に充てた部分に相当する額について,大阪府に対し不法行為に基づく
損害賠償義務を負い,同時に不当利得返還債務を負うものと解される。
(3)ただし,本件条例によれば,知事は,毎月,会派及び議員に対して一定額
の政務調査費(議員に対しては月額49万円)を交付しなければならず(3
条,8条),会派の代表者及び議員は,政務調査費に係る支出の総額並びに
支出項目別の金額及び当該項目ごとの主たる支出の内訳等を記載した収支
報告書を,政務調査費の交付を受けた年度の翌年度の4月30日までに議長
に提出しなければならず(10条),知事は,会派又は議員がその年度にお
いて交付を受けた政務調査費の総額から,当該会派又は議員がその年度にお
いて行った政務調査費による支出(第9条の規定による使途基準に従って行
った支出をいう。)の総額を控除して残余がある場合,当該残余の額に相当
する額の政務調査費の返還を命ずることができる(12条)と規定されてい
る。このように,本件条例上,あらかじめ定められた一定額の政務調査費が
会派又は議員に交付され,当該会派又は議員はその交付を受けた年度の翌年
度の4月30日までにその支出の実績を報告し,残余があればこれを返還す
る制度となっていることからすれば,個々の支出行為の時点では,当該支出
に政務調査費が充てられるかどうかはまだ未確定というべきであって,収支
報告書により政務調査費に係る支出として計上されてはじめて,当該支出に
政務調査費が充てられたことが確定することになる。したがって,上記のよ
うな政務調査費の制度を前提とするならば,厳密には,当該年度毎に目的外
支出(あるいは,実際には支出していない架空支出)を収支報告書に記載す
ることにより,本来負担すべき残余額返還義務を免れる行為が,それぞれ大
阪府に対する不法行為に該当するというべきであり,同時点において,不当
利得が発生するというべきである。
(4)そして,不当利得返還債務又は不法行為に基づく損害賠償請求権を基礎付
ける具体的事実,すなわち,会派又は議員が目的外支出を収支報告書に記載
することによって違法に政務調査費の返還義務を免れた事実についての主
張立証責任は,本来,原告らが負うべきものである。しかし,本件規程7条
が,会派の政務調査費経理責任者及び議員は,政務調査費の支出について,
会計帳簿を調製し,その内訳を明確にするとともに,証拠書類等を整理保管
し,これらの書類を5年間保存しなければならないと規定していること,他
方,本件条例及び本件規程の下では,個々の支出に係る領収証等を大阪府に
提出すべきものとはされておらず,大阪府の住民がその有無及び内容を逐一
把握することは困難であることなどを考慮すると,原告らにおいて,収支報
告書に計上された支出が目的外支出であると疑うに足りる外形的事実を立
証した場合には,被告及び被告補助参加人らの側において,当該支出が目的
外支出ではないことを相当の根拠,資料に基づき主張,立証する必要があり,
被告及び被告補助参加人らがそのような主張,立証を尽くさない場合には,
当該支出が目的外支出であることが事実上推認されるというべきである。
2争点2(外部監査基準の合理性)について
(1)外部監査基準(会派関係)の合理性について
ア会議費
(ア)会派が会議を行う場合において,会議への参加人数や参加者の属性等
を理由として,費用を要する外部の会場を確保する必要が生じる場合も
あり得るところであり,社会通念上相当と認められる範囲の会場費を会
議費として支出することは使途基準上許容されるものというべきであ
る。
外部監査基準は,個別の支出の判断において会場使用の必要性を判断
していると認められるのであって,不合理とはいえない。
(イ)また,会派が会議を行う場合において,その日時について昼食時や夕
食時以外の日程をとることが困難であるため,会議において飲食が必要
となる場合もあり得るところであり,このような場合における飲食は,
会議に伴うものとして,議員が私的に行う飲食とは異なる公的性質を帯
びるものということができる。そうすると,会議に伴い社会通念上必要
かつ相当と認められる範囲の飲食費を会議費として支出することは使
途基準上許容されるものというべきである。
外部監査基準は,会議における昼食は1500円まで,夜食は300
0円まで,飲食を伴う会合で調査研究を伴うものについては1人500
0円までとするが,飲食を主とするものには認められないとし,飲料水
は必要であるが,あまりに多額である場合は2分の1までとしている。
外部監査基準は,上記と同様の見地から,社会通念上相当と認められ
る金額としての基準を定めたものと理解することができ,その基準は合
理的であると認められる。
(ウ)また,会議に参加するための費用については原則実費とし,定額支給
の場合は1000円までとしている。この点,定額支給とする場合には,
費用弁償という政務調査費の性質から,当該経費の内容,性質等に照ら
し,実額を上回らない範囲にとどまるものであることを要するものとい
うべきであるところ,上記金額は,かかる範囲にとどまるものとして合
理性があると認められる。
(エ)これらに対し,原告らは,会議費という費目を政務調査費で認めてい
ること自体が違法であると主張するけれども,上記のとおり,外部会場
を使用する必要性が認められる場合にこれを支出することが地方自治
法100条13項に反するものとは到底解されず,飲食費についても,
会議に伴う飲食には公的性質を帯びるものがあり,政務調査活動に必要
又は有益な費用に含まれるというべきであるから,その主張は採用でき
ない。
(オ)したがって,会派の会議費に関する外部監査基準は,合理的であると
認められる。
イ資料購入費
外部監査基準は,新聞は原則1部とし,特別に必要が認められる場合に
は複数部も認め,職員録も1部のみ認めるというものである。
これに対し,原告らは,資料の購入は調査研究に必要なものに限定され,
資料内容が他の活動と明らかに区別できるものでなければならないと主
張する。しかし,調査研究に資する経費について,政務調査費の支出が認
められているところ,新聞や職員録についても,調査研究に有益であると
一応認められるのであるから,そのための支出も必要かつ合理的な範囲で
資料購入費として認められるというべきである。大阪府議会事務局作成の
「政務調査費のしおり」(乙4)において,資料購入費の例として「新聞
雑誌購読料等」が掲げられているのもその趣旨であるといえる。
よって,この点に関する外部監査基準は,有益であるといえる範囲を示
したものとして合理的であると認められる。
ウ広報費
外部監査基準は,所属議員を通じる会派の広報活動は,実費弁償とし,
定額支給で精算不要とする扱いは認められない,議会手帳,府政ノートの
配布は認められないとしている。
これに対し,原告は,広報活動は調査研究活動ではなく,選挙における
投票獲得行動の基礎的部分又はそれと重なり合う効果を持つものである
から,政務調査費からの支出を認めるべきではなく,費目自体が違法であ
ると主張する。
しかし,議会において,住民の意思を適正に反映させることは必要不可
欠であり,住民の意思を収集,把握することは議員の調査研究の一つとし
て重要であるところ,議会活動及び府政に関する政策等を住民に周知させ
ることは,府政に対する住民の意思を的確に収集,把握するための前提と
して意義を有する活動であるということができる。
そうすると,本件条例10条にいう広報費は,調査研究に直接用いられ
る費用ではないとしても,上記の意味において,調査研究の前提としてそ
のために有益な活動を行う場合の必要経費ということができるから,「議
員の調査研究に資するため必要な経費」に該当するというべきである。
よって,広報費という費目を認めること自体が違法であるとの原告らの
主張は,採用できない。
そして,この点に関する外部監査基準は,実費の範囲で認めるというも
のであり,必要な費用の範囲を示したものとして合理的であると認められ
る。
エ事務費
この点に関する外部監査基準は,①会派控室の制服代は目的外としない,
②機器の複数購入は必要性を吟味する,③事務用品の注文の中に日常生活
用品がある場合は原則として認めない,④来客用と認められる飲料水以外
に大量の飲料水が含まれている場合には必要性を吟味する,⑤弁当代が含
まれている場合は会議室の基準に従って判断する,というものである。
これに対し,原告らは,会派控室の制服代を認めている点,機器の複数
購入は必要性を吟味するとして,政務調査のためであるか否かが基準とな
っていない点,日常生活用品がある場合に,政務調査費からの支出を例外
的に認める余地を残している点,来客用の飲料水や弁当代は,政務調査活
動に必要となるものではないにもかかわらず,政務調査費からの支出を認
めている点において,外部監査基準が違法であると主張する。
しかしながら,会派控室の制服代とは,控室に勤務する大阪府議会事務
局職員の制服に要する費用であり,従前は府において制服を支給していた
ところ,これを取りやめることとしたため,制服の支給をする場合には各
会派が費用を負担することとし,大阪府議会事務局が全国都道府県議会議
長会事務局に対し,制服代について政務調査費から充当することの可否を
問い合わせ,これが可能であるとの回答を得て支出したものと認められる
(甲5,丙E5,丙I9,弁論の全趣旨)。そうすると,上記のような経
緯を考慮すれば,本件当時,当該職員の制服代が職員確保のため必要な費
用であり,当該職員が政務調査活動を担当する場合には調査研究に資する
費用に含まれるといえるから,これを適法とした外部監査人の判断が不合
理であるとは認められない。
事務機器の購入費用については,事務機器が調査研究活動に必要である
ことを前提としつつ,機器が複数必要であるか否かは会派の状況によると
考えられることから,その必要性を吟味することとしたと認められるので
あって,調査研究に資するといえるか否かの判断を行っているものといえ
る。
日常生活用品については,調査研究に資する場合は乏しいと一般的には
考えられる一方,調査研究に資すると認められる場合に政務調査費からの
支出を違法とする理由はないから,原則として認めないとの基準としたも
のと認められ,基準は合理的である。
来客用の飲料水については,調査研究活動の過程で来客があることも当
然にあり得ると認められるところ,面談等を円滑に行うために飲料水を提
供することも,調査研究に資する費用であると認めるのが相当である。も
っとも,想定される来客の人数には限度があると考えられることから,大
量である場合には必要性を吟味するとしているのであり,基準は合理的で
ある。弁当代については,相当と認められる金額の範囲について,先に合
理性があると認めた会議費の基準と同様としているところ,弁当代の必要
性が認められることが前提となっているものと理解できるから,その基準
が不合理であるとはいえない。
オ人件費
この点に関する外部監査基準は,政務調査に従事する割合に応じて勘案
するというものであり,政務調査活動とそうでない活動の両方に従事した
職員の人件費については,割合に応じて按分するとしている。
会派が職員を雇用し,当該職員が調査研究に資する活動に従事するとと
もに,それ以外の活動にも従事しており,両方の活動に対して給料が支払
われている場合には,作業時間等によって区別できる場合はその割合で,
区別が困難な場合は条理に従い合理的な割合を認定し,これによって按分
した額のみが人件費として認められるべきである。
外部監査基準は,上記と同旨であるといえ,その基準は合理的であると
認められる。
これに対し,原告らは,一定のテーマを有した調査研究に直接関係のあ
る活動に従事した者に対し,その作業時間に対応して支払った費用のみが
人件費として認められる旨主張する。しかしながら,政務調査費は,調査
研究に資する費用について支出することが認められるのであり,調査研究
に資する活動の範囲は広範にわたるものというべきであるから,一定のテ
ーマを有していたことやそれと直接関係のある活動に従事していたこと
が認められなければならないと解するのは相当でなく,原告らの主張は採
用できない。
(2)外部監査基準(議員関係)の合理性について
ア調査研究費
(ア)調査旅費
この点に関する外部監査基準は,①金額が大きく,個別に調査研究目
的が記載されているものは目的との関連で具体的に必要性を判断する,
②日常の交通費(タクシー代,高速代,駐車場代を含む)を計上し,当
該支出と個別の政務調査目的との関連が具体的に認定されず,日常の議
員活動と区別がつかないものは,1か月1万円を限度として認める,③
ガソリン代はキロ数を取り,実費精算するのが「考え方」であるが,明
らかでない場合には,原則として私用,後援会,政務調査費の割合を2
分の1,4分の1,4分の1で按分する。ただし,後援会活動をしてい
ないと主張し,合理性がある場合には,私用部分と2分の1で按分する
というものである。
これに対し,原告らは,当該支出と個別の政務調査目的との関連が具
体的に認定されない支出は違法であり,外部監査基準は違法であると主
張する。
しかしながら,広範な範囲にわたるという政務調査活動の性質に照ら
すと,交通費を要する活動は日常的に行われていると考えられることか
ら,個別の政務調査目的との関連が具体的に認められないとしても,直
ちに全額について目的外の支出であると断定することはできない。そう
であれば,実額を超えない限度内で一定額の支出を認めるとすることに
は合理性があると認められるのであって,外部監査基準が定めた1か月
1万円の限度額は,実額を超えるものとはいえないから,合理性を欠く
とは認められない。また,ガソリン代については,他の目的に使用され
ている部分が含まれている場合において,その割合が不明であるときは,
条理に従い合理的な割合で按分した額のみについて政務調査費の支出
を認めるのが相当であるところ,外部監査基準の按分割合は条理に従っ
た合理的なものと認められる。
(イ)調査委託費
この点に関する外部監査基準は,委託契約書と毎月の業務報告書の存
在と毎月の実績による精算が必要であり,その業務内容が委託料と見合
うか判断し,契約書もなく,毎月の実績報告による精算がなされない調
査委託は認められない,ただし,共産については,会派の実態と全額否
認することによる影響を配慮し,本件個別外部監査では2分の1の限度
で認めるというものである。
このうち,共産所属議員の所属会派への調査委託費は,前記のとおり,
大阪府とJほか共産所属議員との間の訴訟において,全額について政務
調査費として適法であるとの判決が出されて確定していると認められ
るから,その余の点について検討するまでもなく,共産所属議員の調査
委託費は適法である。
これに対し,原告らは,共産のみを特別扱いするものであると主張す
るけれども,前提を欠くものといわざるを得ない。
イ事務所費
(ア)この点に関する外部監査基準は,概ね以下のとおりである。①賃料に
ついては,第三者所有物件で賃料が毎月支払われていることを原則とし,
後援会がある場合には2分の1で按分し,政党事務所を兼ねている場合
には3分の1で按分する。自己所有物件の使用料及び親族,その関連会
社との間の実質的にこれを回避する趣旨の賃貸借契約は認めない。その
場合,維持運営のための光熱水費について,私用部分,後援会部分と按
分して4分の1の限度で認める。親族又はこれと実質的に同視できる者
との賃貸借ないし使用料も原則として認めない。ただし,契約書があり,
銀行振り込みにより毎月の支払が客観的に認められ,後日当事者間にお
いて支払賃料が作出されるおそれがない場合には認める。現金での支払
ないし口座への現金入金の主張は認めない。以上の使用形態であっても,
事務所の実態がある場合には維持運営のために高熱水費が必要である
から,別途高熱水費が計上されていない場合には,1か月2万円として
24万円の限度で認める。②駐車場については,来客専用ないし来客兼
用の場合に限り認め,自己使用のための駐車場料金は認めない。兼用の
場合,按分して2分の1の限度で認める。③光熱水費は,自宅の場合,
自宅,後援会と按分し,4分の1の限度で認める。賃借の場合,後援会
との兼用は2分の1,さらに政党事務所を兼ねている場合は3分の1に
按分した限度で認める。
(イ)これに対し,原告らは,まず,事務所費として政務調査費から支出す
るためには,一定のテーマを有した調査研究活動と事務所設置の必要性
との間に直接的な関連性がなければならず,他の活動のために兼用され
る事務所を認めている点において外部監査基準は誤りであると主張す
る。
しかし,前記のとおり,調査研究に資する活動の範囲は広範にわたる
ものというべきであるから,一定のテーマを有していたことやそれと直
接関係のある活動に従事していたことが認められなければならないと
解するのは相当でなく,事務所の設置が調査研究に資すると認められる
限り,政務調査費として支出することができるものというべきである。
(ウ)また,原告らは,調査研究活動と他の活動との兼用事務所を認めると
しても,そのうち調査研究活動がどの程度を占めるかを検討せずに按分
割合を定めている点,後援会と政党活動以外は政務調査活動としている
点,親族物件について一部認めている点,議会の会期中の支出を認めて
いる点において外部監査基準は誤っているとも主張する。
しかし,政務調査活動が事務所の使用に占める程度に応じて政務調査
費の支出を認めるべきであるとしても,その割合が確定できない場合に
は,条理に従い合理的な割合をもって按分した金額の支出を認めるのが
相当である。外部監査基準は,同様の見地から合理的な割合を定めたも
のと認められる。また,政務調査活動の範囲が広汎であることや事務所
における議員の活動として想定される内容等に照らすと,後援会活動や
政党活動については政務調査活動の範囲外であることは明らかである
一方,それ以外の事務所を使用する活動については,政務調査活動の範
囲に一応含まれるか,又は条理上按分割合を定めるに当たり考慮する必
要はないと判断したとしても,そのことが不合理であるとはいえない。
親族所有物件については,実態に応じて支出が認められる場合もあり得
るというべきであり,外部監査基準もその旨定めたものとして合理的で
ある。議会の会期中についても,当該期間中に事務所を使用した政務調
査活動が当然に行われなくなるとまでは認められないから,外部監査基
準において,会期中の事務所費の支出を認めていることが誤りであると
はいえない。
ウ事務費
(ア)この点に関する外部監査基準は,概ね以下のとおりである。①通信費
について,固定電話,FAXは,自宅,後援会との兼用により4分の1
又は2分の1の限度で認める。携帯電話は,機器購入や買い替え費用は
認められないが,使用料については認める。ただし,通話明細による立
証が具体的になされない限り,私用,後援会と按分して4分の1,後援
会がない場合は私用と2分の1に按分した限度で認める。②事務機器の
リース料及び③備品は,原則として,後援会と2分の1に按分した限度
で認める。④スーパー,コンビニ等での購入で1点ずつ細かく,政務調
査との関連を個々に証明できない事務費は1か月1万円,年12万円の
限度で認める。⑤名刺代,洗車代,薬品,慶弔費等は目的外支出である。
⑥車の購入費用及びこれを前提とする車検,保険,修理費用,税金等の
維持運営費は認めない。⑦車のリース料は,2分の1の限度で認める。
⑧ガソリン代は,走行距離で計算されている場合は別として政務調査の
関係による使用か否か通常不明であるので,後援会の有無により4分の
1ないし2分の1で按分した限度で認めるのを原則とする。⑨地下鉄代,
カード,タクシー,高速料金等も詳細不明の場合は,全項目を通じて,
年間12万円の限度で認める。
(イ)これに対し,原告らは,調査研究活動との間の直接関連性を問うこと
なく,按分や精算不要の定額での支出を認めている点,自動車のリース
料は,実質的に自動車の割賦購入と同様であるから,これに政務調査費
を支出することを一部認めている点において,外部監査基準は誤りであ
ると主張する。
しかし,前記のとおり,広範な範囲にわたるという政務調査活動の性
質に照らすと,通信費や事務機器購入費用等,事務費に掲げられた費用
を要する活動は日常的に行われていると考えられ,個別の政務調査目的
との関連が具体的に認められないとしても,直ちに全額について目的外
の支出であると断定すべきではない。そうであれば,実額を超えない限
度内で一定額の支出を認めるとすることには合理性があると認められ
るのであって,外部監査基準が定めた1か月1万円の限度額は,実額を
超えるものとはいえないから,合理性を欠くとは認められない。
(ウ)また,これらの費用については,他の目的に使用されている部分が含
まれている場合において,その割合が不明であるときは,条理に従い合
理的な割合で按分した額のみを認めるのが相当であるところ,外部監査
基準の按分割合は合理的なものと認められる。
自動車のリース料は,リースによって自動車の所有権を取得するもの
ではないのであるから,議員の資産形成のために支出されたこととはな
らず,リース料の支出それ自体が当然に違法となるものと認めることは
できない。
エ人件費
(ア)この点に関する外部監査基準は,概ね以下のとおりである。補助者に
後援会活動も担当させている場合,原則2分の1に按分した限度で認め
る。ただし,議員が,補助者の業務実態に照らして適宜按分している場
合には原則としてこれを尊重する。政務調査費からの支出を認めるには,
勤務実態と毎月の客観的な支払が必要であり,事務員の毎月の領収証や
源泉徴収票が必要である。妻子や親戚の場合には,客観的に毎月の支払
が認められる場合に限り認める。ただし,一定額を計上しており,勤務
の実態があると認められる場合には通常の議員活動分,後援会活動分を
勘案し,2分の1又は4分の1に按分した限度で認める。
(イ)これに対し,原告らは,議員の活動実態に照らし,常時固定雇用の補
助者がいるなどということは全く考えられない上,政務調査の補助業務
に従事したといえるか否かについての基準もない点において,外部監査
基準は違法であると主張する。
しかし,前記のとおり,議員の政務調査活動の内容に照らすと,政
務調査活動の補助者として常時雇用をする必要がある場合も十分考え
られるところであるから,その必要性がある場合に人件費を支出する
ことも認められるというべきである。そして,補助者の活動が多岐に
わたっているような場合には,そのうち政務調査活動の補助業務に従
事したことに対する給与の範囲で政務調査費の支出が認められるべき
こととなるが,その判定が困難な場合に,条理に従い合理的な按分割
合を定め,あるいは,議員の示した按分割合が勤務実態等に照らして
不合理でない限りこれを尊重するとした外部監査基準が不合理である
とはいえない。
(3)まとめ
以上によれば,外部監査基準は,議員の調査委託費(前記(2)ア(イ))につ
いて,共産所属議員による会派への調査委託費の2分の1を違法とした点を
除き,合理性を有すると認められる。
3争点3(個別の会派及び議員の支出の使途基準適合性)について
(1)総論
上記のとおり,外部監査基準にはおおむね合理性が認められることから,
以下においては,外部監査基準に反する支出があると認められるか否かを,
証拠に照らして判断していくのが相当である。
そして,その判断に当たっては,外部監査人において,会派及び議員に対
し,会計帳簿等の記録を提出させ,関係人から事実関係の説明を受けた上で,
目的外支出の有無を判断していると認められる(甲5)ことから,会派又は
議員が,本件訴訟において,支出の具体的内容について明らかにすることが
可能であるにもかかわらずそれをしていないとしても,そのことのみをもっ
て,収支報告書に計上された支出が目的外支出であると疑うに足りる外形的
事実を立証した場合に該当すると認めるのは相当ではなく,原告らにおいて,
上記外部監査の結果を踏まえた上で,上記外形的事実を具体的に主張,立証
する必要があるというべきである。
以上の考え方を前提に,個別の会派及び議員の支出について判断する。な
お,以下の判断では,原告らの主張のうち,合理性が認められる外部監査基
準に照らして失当であるものについては,重ねて判断を示すことはしない。
(2)会派関係
ア自民関係(甲5の43頁)
(ア)会議費について
原告らは,団総等の団体の意思決定に関する会議は政務調査活動では
なく,これへの支出は違法であると主張する。
しかし,会派の意思決定に関する会議において,それまでの政務調査
活動の結果を報告して議論をすることもあり得るというべきであるか
ら,かかる会議が政務調査費を支出することができる会議に該当しない
ということはできない。
自民において,会議費を支出した会派内部の会議は,議員団総会,幹
事会,政調会,専門部会であるというのであり(甲5,丙E2,証人L),
その会議内容が政務調査活動を全く含まないものと認めるに足りる証
拠はない。
そして,外部監査人は,外部監査基準に照らし相当と認められる範囲
の支出のみを適法な支出と判断したことは明らかであり,かかる判断に
誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
したがって,この点に関する自民の支出が違法であるとは認められな
い。
(イ)資料作成費について
原告らは,知事要求の作成部数や交付先が明らかになっていないから,
使用方法が政務調査のためであると判断できない,中国行政調査報告書
は現在の大阪府政との関連がないから目的外支出であると主張する。
しかし,知事要求は,会派として取りまとめた府政に関する要求事項
を記載したものであり(甲5,証人L),議会審議に必要な資料である
と認められる。中国行政調査報告書についても,中国の政府機関等を訪
問した結果を報告した書面であるところ(証人L),かかる報告書も議
会審議に不必要な資料とは認められない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(ウ)資料購入費について
原告らは,人事通信及び職員録は,政務調査との関連性が不明である,
その他の資料は,その内容すら明らかになっていないなどと主張する。
しかし,前記のとおり,職員録については,調査研究に有益であると
一応認められ,人事通信についても同様である。その他の資料の内容は
明らかでないものの,外部監査人は,購入した資料の内容を把握した上
で支出の適法性を判断していることは,報告書の記載自体から明らかで
あるところ,外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠は
ない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)広報費について
原告らは,会派記事掲載広報委託費について,各議員が政務調査費か
ら充当している広報誌の発行費用との二重計上を回避する措置がとら
れていない以上,全額が違法であると主張する。
確かに,会派が議員に対して記事の掲載費用を助成し,さらに議員が
当該記事部分を含む広報誌発行費用に政務調査費を充てた場合には,議
員において,同一の費用について二重に政務調査費を受け取るものと評
価されることとなる。しかし,会派においては,会派の記事の掲載を議
員個人に委託する関係がある以上,会派の支出としては,相当額につい
て適法であるというべきである。原告ら指摘の点は,議員において,会
派から費用を受け取った部分について議員の政務調査費(広報費)を二
重に充てた場合に,当該議員の広報費の支出が違法となるものと解する
のが相当である。
なお,原告らは,本件において請求の相手方としている自民に所属す
る議員の広報費に関し,個別の支出についての違法事由を何ら主張して
いないが,念のため検討すると,原告らが請求の相手方とした議員が会
派記事掲載広報委託費を受領したことを認めるに足りる証拠はなく,ま
た,仮にこれを受領していたとしても,外部監査人が広報費の二重計上
を見落としたことをうかがわせる証拠は全くないから,当該議員が二重
に広報費を充てたとは認められず,各議員の広報費の支出が違法である
と認めることもできない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(オ)事務費について
原告らは,応接セット購入費及び通信費,複写機リース料,同使用料,
パソコンリース料,同保守点検料,インターネット利用料,ウイルスソ
フト購入費について,違法であると主張する。
この点,応接セットについては,会派の政務調査活動において来客が
あることが容易に想定されるところ,その応接のために有益であるとい
えることから,会派が行う調査研究に係る事務遂行に必要な費用である
と認められる。また,原告らの指摘するその余の費用は,その費目から
して調査研究に係る事務遂行に必要であると認められる。原告らは,政
務調査活動以外にも用いられていると主張するけれども,これをうかが
わせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)人件費について
原告は,人件費について,補助者の業務について,会計に関するもの
と広報活動に関するものと会議に関するものの比率が1対6対3であ
るところ,会計業務は政務調査活動ではなく,会議も意思決定に関する
会議が大半であって政務調査活動ではないことから,少なくとも4割が
違法であると主張する。
しかしながら,前記のとおり,意思決定に関する会議であっても,政
務調査活動に該当し得るところ,補助者が参加した会議が政務調査活動
に関係のない会議であったことをうかがわせる証拠はない。また,会計
業務であっても,政務調査費に関する会計業務であれば,政務調査活動
を行うことに付随して当然に必要となる業務であるから,それも政務調
査活動を補助する行為には含まれると解するのが相当である。そして,
自民が補助者に対し,政務調査費に関する会計業務以外の会計業務の対
価として給与を支払ったとは認められない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(キ)まとめ
以上のとおり,自民の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法な
支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
イ民主関係(甲5の54頁)
(ア)会議費について
原告らは,団総会等の団体の意思決定に関する会議は政務調査活動で
はなく,これへの支出は違法であると主張する。
しかし,民主において,会議費を支出した会派内部会議は,議員団総
会,幹事団会,拡大政調会,政調会であるというのであり(甲5,丙A
5,証人M),その会議内容が政務調査活動を全く含まないものと認め
るに足りる証拠はなく,前記自民についての判断と同様,かかる会議が
政務調査費を支出することができる会議に該当しないと認めることは
できない。
そして,外部監査人は,外部監査基準に照らし相当と認められる範囲
の支出のみを適法な支出と判断したことは明らかであり,かかる判断に
誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)資料作成費について
原告らは,府政報告及び議会報告にかかる資料作成費は,広報費と同
様の理由から目的外支出であると主張するけれども,個別の支出につい
ての違法事由を何ら主張しない。そして,外部監査人において,資料作
成費の基準には該当しないが,広報活動として支出自体は適正であると
判断したことが誤りであることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(ウ)資料購入費について
原告らは,各種新聞及び幹部職員録は,政務調査との関連性が不明で
ある,その他の資料はその内容すら明らかになっていないなどと主張す
る。
しかし,前記のとおり,幹部職員録については,調査研究に有益であ
ると一応認められ,各種新聞についても同様である。その他の資料の内
容は明らかでないものの,外部監査人は,購入した資料の内容を把握し
た上で支出の適法性を判断していることは,報告書の記載自体から明ら
かであるところ,外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証
拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,広報費の支出を違法と認めることはできない。
(オ)事務費について
原告らは,植木リース料,FAX通信料,コピー代,コピー機リース
料について,違法であると主張する。
植木リース料については,会派の政務調査活動において来客があるこ
とが容易に想定されるところ,その応接のために一応有益であるといえ
ることから,会派が行う調査研究に係る事務遂行に必要な費用であると
認められる。また,原告らの指摘するその余の費用は,その費目からし
て調査研究に係る事務遂行に必要であると認められる。原告らは,政務
調査活動以外にも用いられていると主張するけれども,これをうかがわ
せる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,民主の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法な
支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
ウ公明関係(甲5の63頁)
(ア)会議費について
原告らは,公明の会議費について,前記のとおり合理性が認められる
飲食代の点以外に,個別の支出についての違法事由を何ら主張しないか
ら,会議費の支出を違法と認めることはできない。
(イ)資料作成費について
原告らは,各種団体への参加奨励費は,飲食を主目的とする懇談会等
には政務調査費を支出してはならないとする考え方に照らし,全額が目
的外支出であると主張する。しかし,外部監査人は,参加した各種団体
の会合等への参加状況を調査した上で,そのうち調査研究に資する程度
が4分の1程度であると判断し,その限度で政務調査費の支出を認めて
いるところ,かかる外部監査人の判断が誤りであることをうかがわせる
証拠はない。
また,原告らは,部会参加協力費について,交通費の実費額,部会の
内容や開催場所も不明であるから,目的外支出であると主張する。しか
し,外部監査人は,部会の開催数を調査した上で,これに照らし,支出
金額が不適切とまではいえないと判断しており,その判断に誤りがある
ことをうかがわせる証拠はない。
原告らは,府政意見交換会補助金について,費用を要する理由が不明
であり,目的外支出であると主張する。しかし,外部監査人は,概ね年
4回以上の意見交換会を実施していると認定した上で,年間2万円の支
給を適正としていることから,1回当たり5000円程度の費用を要す
るものと認め,その限りで支出が適正であるとしたものと認められる。
意見交換会を実施するには,場所の確保等のために費用を要する(丙I
9)と考えられるのであり,外部監査人の上記判断に誤りがあるとは認
められない。
原告らは,資料作成費(耐震,防災,危機管理)及びヨーロッパ行政
視察補助について,作成された資料の存否及び内容が不明であり,目的
外支出であると主張する。しかし,外部監査人は,これらの支出につき,
調査研究費として適正と認めているのであるから,作成された資料の存
否及び内容は,直ちに支出の違法性に結びつく事情とはいえず。外部監
査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
原告らは,印刷代のうち,府庁内,府議会事務局,他会派,市町村以
外に配布するものについては宣伝活動にすぎず目的外であると主張す
る。しかし,外部監査人は,印刷物を検討して議会審議に必要な資料と
認定しているところ,かかる判断に誤りがあることをうかがわせる証拠
はない。外部監査人が,議会報告誌について,資料作成費に当たるかは
疑問であるが,支出そのものは不適切とはいえないとした点は,広報費
として適正であると判断したものと解されるところ,かかる点について
も同様である。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(ウ)資料購入費について
原告らは,各種新聞,職員録等は,政務調査との関連性が不明である
と主張する。
しかし,前記のとおり,職員録については,調査研究に有益であると
一応認められ,各種新聞についても同様である。その他の資料について
も,外部監査人は,購入した資料の内容を把握した上で支出の適法性を
判断していることは,報告書の記載自体から明らかであるところ,外部
監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
また,原告らは,部会運営補助は,飲食を伴うものであることなどか
ら,目的外支出であると主張する。しかし,外部監査人は,部会運営補
助が,各部会において政策等をまとめる際に府の担当部局等と飲食しつ
つ意見交換等を行っており,その部会員負担部分を補助するものである
とした上で,金額に照らして適正であるとしており,かかる外部監査人
の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)広報費について
原告らは,街頭等広報活動実費弁償について,議員個人の広報費と重
複しており,各議員が政務調査費から充当している広報費との二重計上
を回避する措置がとられていない以上,全額が違法であると主張する。
確かに,会派が議員に対して広報活動に要した費用を助成し,さらに
議員が当該助成を受けた部分について政務調査費を充てた場合には,議
員において,同一の費用について二重に政務調査費を受け取るものと評
価されることとなる。
しかし,会派が所属議員に対して広報活動を行うよう指示している場
合には,所属議員の広報活動は,当該議員の広報活動であるとともに,
会派としての広報活動の性質をも帯びるといえる。
そうすると,広報活動が会派の広報活動という面を有していることか
ら,活動に要した費用について会派が助成することは,会派の支出とし
て適法であるというべきである。外部監査人が,2分の1の範囲で適正
な支出であると判断したのは,公明所属議員中に街頭での広報活動に政
務調査費を充てた議員が存在したため,これとの重複を避ける観点や,
活動に要した実費が不明であること等が理由であるところ,少なくとも
議員1人当たり1年間の活動に要した実費を下回る範囲について適法
であると判断したものと解されるのであり,かかる外部監査人の判断に
誤りがあるとは認められない。
なお,議員において,会派から費用を受け取った部分について議員の
政務調査費(広報費)を二重に充てた場合,当該議員の広報費の支出は
違法となるものと解するのが相当であるけれども,原告らは,本件にお
いて請求の相手方としている公明に所属する議員の広報費に関し,個別
の支出についての違法事由を何ら主張していない。念のため検討すると,
原告らが請求の相手方とした議員において,街頭等における広報活動に
要する費用について政務調査費を充てたことを認めるに足りる証拠は
ないから,各議員の広報費の支出が違法であるとは認められない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(オ)事務費について
原告らは,機器リース料,機器備品購入費用,来客用茶菓,茶菓子費
用,弁当代,NHK受信料,ホームページ作成費用について,それぞれ
目的外支出であると主張する。
これらのうち,NHK受信料については,報道番組等のテレビ番組を
視聴することが政務調査活動に有益であるといえるから,事務費に該当
すると認められる。来客用の茶菓子等については,相当と認められる範
囲が事務費に該当するところ,相当な範囲を超える金額の支出があった
とは認められない。また,原告らの指摘するその余の費用は,その費目
からして調査研究に係る事務遂行に必要であると認められる。
また,原告らは,会派控室で使っている物について,会派控室が政務
調査のためだけに使うものではないとして,全額政務調査費を支出する
ことは許されないと主張するけれども,事務費を充てて購入した物品等
について,政務調査以外の活動に用いられたと認めるに足りる証拠はな
い。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)人件費について
原告らは,府庁当番実費弁償の全額及び,サーバー運用費の一部につ
いて,目的外支出であると主張する。
しかし,外部監査人は,府庁当番実費弁償が,直接使途基準の項目に
当てはまらないとしつつ,政務調査費の交付目的に反するともいえない
として,交通費の実費相当部分に限り適正な支出と認めているところ,
当該活動は,府民から直接府政に関する意見,要望,相談等を聴取する
ものであるというのであるから,当該活動は会派の調査研究の基盤強化
に有益な活動といえ,その交通費の支出は調査研究費として支出するこ
とができるものと認めるのが相当である。
よって,結論として政務調査費からの支出を認めた外部監査人の判断
に誤りがあるとはいえない。
また,サーバー運用費は,事務費に該当するものと認められ,費目に
誤りはあるけれども,適正な支出であるとした外部監査人の判断に誤り
があることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(キ)まとめ
以上のとおり,公明の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法な
支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
エ主権おおさか関係(甲5の79頁)
(ア)会議費について
原告らは,交通費の費用弁償に往復運賃に200円を加算している部
分について,目的外支出であると主張するけれども,当該部分について,
実費精算の範囲に含まれると判断した外部監査人の判断に誤りがある
とは認められない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)資料作成費について
原告らは,作成された資料の内容,部数,交付先が不明であり,目的
外支出であると主張するけれども,支出は適正であるとする外部監査人
の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(ウ)資料購入費について
原告らは,新聞購読料は,必要性が不明であると主張するけれども,
前記のとおり,新聞については,調査研究に有益であると一応認められ
る。その他の資料についても,外部監査人は,購入した資料の内容を把
握した上で支出の適法性を判断していることは,報告書の記載自体から
明らかであるところ,外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせ
る証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,広報費の支出を違法と認めることはできない。
(オ)事務費について
原告らは,機器リース料,機器備品購入費用について,目的外支出で
あると主張するけれども,これらの費用は,その費目からして調査研究
に係る事務遂行に必要であると認められる。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,主権おおさかの政務調査費の支出のうち,外部監査人
が適法な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められ
ない。
オ共産関係(甲5の87頁)
(ア)会議費について
原告らは,N会館の会場費の必要性が不明であると主張するが,府民
団体との懇談会の会場費として適正であるとする外部監査人の判断に
誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)資料作成費について
原告らは,コピーを行った日,部数,単価等が不明であり,目的外支
出であると主張するけれども,支出は適正であるとする外部監査人の判
断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。また,製本費について,
外部監査人が事務費としては適正な支出であると判断した点について
も同様である。
(ウ)資料購入費について
原告らは,新聞購読料は,必要性が不明であると主張するけれども,
前記のとおり,新聞については,調査研究に有益であると一応認められ
る。その他の資料についても,外部監査人は,購入した資料の内容を把
握した上で支出の適法性を判断していることは,報告書の記載自体から
明らかであるところ,外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせ
る証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,広報費の支出を違法と認めることはできない。
(オ)事務費について
原告らは,機器リース料,機器備品購入費用,保守契約費,茶葉代,
NHK受信料について,それぞれ目的外支出であると主張する。
しかし,NHK受信料は,前記のとおり,事務費に該当すると認めら
れ,茶葉については,前記のとおり,来客用として相当と認められる範
囲が事務費に該当するところ,相当な範囲を超える金額の支出があった
とは認められない。また,原告らの指摘するその余の費用は,その費目
からして調査研究に係る事務遂行に必要であると認められる。これらの
費用について,適正であるとした外部監査人の判断に誤りがあることを
うかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)人件費について
原告らは,これらの職員は単に会派控室等で内勤をしているにすぎず,
積極的に政務調査活動を補助していないと主張する。
しかしながら,会派が雇用していた事務局の職員は,議会審議の準備
や関係団体との懇談,関連する資料の収集等を行っていた(丙O5,証
人J)と認められ,これらの活動を行う職員は,調査研究活動を補助す
る職員にほかならないというべきである。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(キ)まとめ
以上のとおり,共産の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法な
支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
カ社民関係(甲5の95頁)
(ア)資料購入費について
原告らは,新聞購読料は,必要性が不明であると主張するけれども,
前記のとおり,新聞については,調査研究に有益であると一応認められ
る。その他の資料についても,不適正な支出とまでは認められないとし
た外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,広報費の支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務費について
原告らは,機器リース料,機器備品購入費用,保守契約費について,
それぞれ目的外支出であると主張するけれども,これらの費用は,その
費目からして調査研究に係る事務遂行に必要であると認められる。
これらの費用について,適正であるとした外部監査人の判断に誤りが
あることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)まとめ
以上のとおり,社民の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法な
支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
キ富田林関係(甲5の100頁)
(ア)資料購入費について
原告らは,新聞購読料は,必要性が不明であると主張するけれども,
前記のとおり,新聞については,調査研究に有益であると一応認められ
る。その他の資料についても,不適正な支出とまでは認められないとし
た外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務費について
原告らは,事務費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(エ)まとめ
以上のとおり,富田林の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
ク府ク関係(甲5の104頁)
(ア)会議費について
原告らは,実費内容が不明であり,目的外支出であると主張するけれ
ども,費用弁償として実費の範囲で適正であるとした外部監査人の判断
に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)事務費について
原告らは,機器備品購入費用,保守契約費,NHK受信料について,
それぞれ目的外支出であると主張する。
しかし,NHK受信料は,前記のとおり,事務費に該当すると認めら
れ,原告らの指摘するその余の費用は,その費目からして調査研究に係
る事務遂行に必要であると認められる。これらの費用について,適正で
あるとした外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠は
ない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(ウ)まとめ
以上のとおり,府クの政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法な
支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
(3)議員関係
アO関係(甲5の785頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,北朝鮮視察が目的外支出であると主張するけれども,O議
員は,地方から国交正常化を考える府民訪朝団の団長として北朝鮮を訪
問したというのである(甲5)ところ,かかる活動は,政務調査活動に
該当するものと認められる。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,広報費の支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務所費について
原告らは,事務所賃料及び駐車場料金につき,按分の根拠が不明確で
あるなどと主張するけれども,外部監査基準及び補助者の人件費につい
て後援会活動もしているとして按分していることに照らすと,外部監査
人は,O議員の事務所について,後援会があるものとして2分の1の按
分が相当であるところ,概ね2分の1での按分がされていることから,
これを適法としたものと推認されるのであって,その判断に誤りがある
ことをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)事務費について
原告らは,スタンプ印の購入は目的外であり,その他についても関連
性が立証されていないと主張するけれども,スタンプ印が調査研究に係
る事務遂行に不要であるとは認められないし,外部監査人は,外部監査
基準に適合する範囲で支出を認めたことが明らかであり,かかる判断に
誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(オ)人件費について
原告らは,按分の根拠が示されていないと主張するけれども,外部監
査人が適法な支出と認めた部分は,外部監査基準に適合していると認め
られ,かかる判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,O議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
イE関係(甲5の765頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,管外調査費が目的外支出と主張するけれども,大阪府外へ
調査のために訪問することが,当然に政務調査の範囲外となるものでは
ないところ,外部監査人は,調査内容を確認した上で,その適法性を判
断したものと認められ,その判断に誤りがあることをうかがわせる証拠
はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務費について
原告らは,事務費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(エ)人件費について
原告らは,事務員が政務調査に専従していたとは考え難いと外部監査
人が判断しているにもかかわらず,2分の1の按分とするのは意味不明
であるなどと主張するけれども,外部監査人は,事務員の雇用実態はあ
ると認めており,政務調査活動には一切従事していなかったとの証拠も
ないことからすると,これを外部監査基準に従い2分の1の限度で認め
るとした外部監査人の判断に誤りがあるとは認められない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(オ)まとめ
以上のとおり,E議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
ウD関係(甲5の603頁)
(ア)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(イ)事務所費について
原告らは,事務所費について,個別の支出についての違法事由を何ら
主張しないから,その支出を違法と認めることはできない。なお,本件
において,原告らがD議員に関し返還を求めているのは,平成16年度
の政務調査費であるところ,原告らが主張する電気使用料やドア二重ロ
ック錠の費用は,平成17年度に支出されたものと認められるから,主
張自体失当である。
(ウ)事務費について
原告らは,機器リース料は目的外であると主張するけれども,機器リ
ース料は,その費目からして調査研究に係る事務遂行に必要であると認
められ,かかる費用について,適正であるとした外部監査人の判断に誤
りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)人件費について
原告らは,事務員が政務調査活動に従事しているとされる根拠が示さ
れていないと主張するけれども,前記のとおり,業務実態に照らして議
員が適宜按分している場合には原則としてこれを尊重するとの外部監
査基準も不合理ではないのであるから,かかる基準に従った外部監査人
の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(オ)まとめ
以上のとおり,D議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
エC関係(甲5の194頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,調査目的及び場所,タクシー利用の必要性が不明であると
主張するけれども,一定の範囲でタクシー利用を認める外部監査基準に
合理性が認められることは前記のとおりであり,それ以上に個別の支出
についての違法事由を何ら主張しないから,その支出を違法と認めるこ
とはできない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務費について
原告らは,事務費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(エ)人件費について
原告らは,事務員が政務調査活動に従事しているとされる根拠が示さ
れていないと主張するけれども,前記のとおり,業務実態に照らして議
員が適宜按分している場合には原則としてこれを尊重するとの外部監
査基準も不合理ではないのであるから,かかる基準に従った外部監査人
の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(オ)まとめ
以上のとおり,C議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
オA関係(甲5の597頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,管外調査費が目的外支出と主張するけれども,東京へ調査
のために訪問することが,当然に政務調査の範囲外となるものではない
ところ,外部監査人は,調査内容を確認した上で,その適法性を判断し
たものと認められ,その判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はな
い。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務所費について
原告らは,賃料の10分の8につき政務調査費を充てている点及び光
熱費について2分の1を認めている点が違法であると主張する。
外部監査基準は,事務所の賃料につき,後援会がある場合には2分の
1の範囲で認めるとしており,これと異なるものではあるが,前記のと
おり,事務所費の支出は,本来事務所の使用に占める程度に応じて政務
調査費の支出を認めるべきものであることから,各議員の説明する使用
実態に応じて,異なる按分割合を認めたとしても,そのことをもって直
ちに違法であるとすることはできない。
そして,外部監査人は,10分の8の按分につき,不適切とまではい
えないと判断しているところであり,かかる外部監査人の判断が誤りで
あることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)事務費について
原告らは,事務費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(オ)人件費について
原告らは,人件費について,平成17年度の支出が平成16年度より
35万円増額されている職員がおり,不自然であるなどと主張するけれ
ども,支出自体は領収書によって確認されているところであって,按分
割合に関する外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠
もない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,A議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
カF関係(甲5の392頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,管外調査旅費は,電話の聴取り等では足りない理由が不明
であることをもって,目的外支出であると主張するけれども,現地調査
の旅費に政務調査費を支出することが違法であるというためには,当該
調査するために,現地へ赴く必要がなかったと認められることを要する
ものというべきところ,そのような事実を認めるに足りる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務所費について
原告らは,事務所賃料の全額について政務調査費を支出していること
は違法であると主張するけれども,F議員の事務所において,後援会活
動等の政務調査活動ではない活動が行われていたことを認めるに足り
る証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)事務費について
原告らは,備品購入費及びフレッシュ代が目的外支出であると主張す
る。
しかし,外部監査人が適正な支出と認めた備品購入費について,事務
遂行に必要でない備品を購入したと認めるに足りる証拠はない。また,
フレッシュ代は,来客があった際に提供するコーヒーフレッシュの購入
代金と解されるところ,来客との面談等を円滑に行うためにこれを提供
することも,事務遂行に必要な費用に含まれるものといえる。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(オ)人件費について
原告らは,事務員が政務調査活動に従事しているとされる根拠が示さ
れていないと主張するけれども,当該事務員が政務調査活動に専従して
いるとの外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はな
い。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,F議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
キG関係(甲5の677頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,PC周辺機器購入,京都への管外調査旅費,新聞購読につ
いて違法であると主張する。
しかし,これらの費用について,外部監査人は,その内容を確認した
上で,適法であると判断したものと認められ,その判断に誤りがあるこ
とをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)事務所費について
原告らは,外部監査人が適正とした事務所賃料及び光熱水費の2分の
1についても違法であると主張するが,前記のとおり,合理性のある外
部監査基準に従った判断であり,これと異なる按分割合を認定すべきこ
とをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(ウ)事務費について
原告らは,来客接待菓子代及びS会についての費用の支出は違法であ
ると主張する。
しかし,来客との面談等を円滑に行うために菓子を提供することも,
相当な範囲の金額であれば事務遂行に必要な費用に含まれるものとい
える。S会については,財界人との会合に要する費用であると認められ,
調査研究事務の遂行に必要な費用であると認められる。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)人件費について
原告らは,事務員が政務調査活動に従事しているとされる根拠が示さ
れていないと主張するけれども,当該事務員が政務調査活動に専従して
いるとの外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はな
い。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(オ)まとめ
以上のとおり,G議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
クH関係(甲5の584頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,府政情報交換会は,内容が不明であり,全額が目的外支出
であると主張するけれども,外部監査人は,その内容を確認した上で,
適法であると判断したものと認められ,その判断に誤りがあることをう
かがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務所費について
原告らは,事務所の借上げ費について全額を目的外支出としながら,
来客用駐車場について2分の1の範囲で適正と認めている点及び事務
所内で使用するPCのリース代を適正としている点について,それぞれ
違法であると主張する。
しかし,事務所の使用料について政務調査費を支出することが認めら
れない場合であっても,その理由が,当該事務所が実質的に自己所有物
件である場合には,当然に事務所内で行われる活動が全て政務調査活動
でなくなるとか,使用する物品に要する費用が全て目的外支出となると
いうものではない。外部監査人は,これらの点について,合理性がある
と認められる外部監査基準に従って判断しており,かかる判断に誤りが
あることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)事務費について
原告らは,機器リース料,備品購入費,来客用茶菓,飲料費,花代,
府政相談等活動費について,それぞれ目的外支出であると主張する。
しかし,来客用の茶菓子等については,相当と認められる範囲が事務
費に該当するところ,相当な範囲を超える金額の支出があったとは認め
られない。花代については,前記の植木リース料と同様の観点から,事
務費に該当するものと認められる。府政相談等活動費については,詳細
は不明であるものの,住民からの相談等の際に要した飲食費等であると
認められ(証人H),議員の調査研究に不必要な費用であるということ
はできない。また,原告らの指摘するその余の費用は,その費目からし
て調査研究に係る事務遂行に必要であると認められる。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(オ)人件費について
原告らは,事務員が政務調査活動に従事しているとされる根拠が示さ
れていないと主張するけれども,当該事務員が政務調査活動に専従して
いるとの外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はな
い。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,H議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
ケQ関係(甲5の314頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,委託の明細や委託内容が不明であると主張するけれども,
適正な支出であるとした外部監査人の判断に誤りがあることをうかが
わせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務所費について
原告らは,Q議員が,事務所費から70万8000円を減額訂正して
おり,その余は光熱費であるところ,支出の必要性が示されていないと
主張する。しかし,前記のとおり,合理性のある外部監査基準に従った
判断であり,これと異なる認定をすべきことをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)事務費について
原告らは,事務費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(オ)人件費について
原告らは,事務員が政務調査活動に従事しているとされる根拠が示さ
れていない上,按分をされていないと主張するけれども,Q議員の人件
費は,2分の1を下回る割合に按分されていると認められる。そして,
その按分割合が適正であるとする外部監査人の判断に誤りがあること
をうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,Q議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
コJ関係(甲5の706頁)
(ア)調査研究費について
この点に関し,原告らは,会派を構成する議員が会派に対して政務調
査費を委託し,その費用を支出すること自体違法であると主張する。
しかし,前記のとおり,この点は,大阪府とJほか共産所属議員との
間の訴訟において,全額について適法であるとの判断が確定している。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務所費について
原告らは,事務所において,法律相談が行われていたにもかかわらず,
事務所費を按分していないことは違法であると主張する。
しかしながら,事務所における法律相談は1か月3回行われ,1回当
たり30分から3時間程度であり(証人J),その事務所における活動
に占める割合が小さいことに加え,法律相談を契機として府民が事務所
を訪れることによって,調査研究の端緒となる情報を得ることができる
ということが一応可能であることなどからすると,法律相談活動が事務
所内において行われていた時間があるからといって,事務所賃料等を按
分しなければならないとはいえず,賃料等の全額を政務調査費から支出
することが違法であるとはいえない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)事務費について
原告らは,事務費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(オ)人件費について
原告らは,事務員が政務調査活動専従職員でないと主張し,その根拠
として,同人が電話対応や議員団等からの連絡事項の取次ぎ,郵便物の
受取や来客対応,政務調査費の経理事務をしていたと主張する。
しかしながら,政務調査活動を行う事務所において勤務している以上,
電話や来客に対応したり,郵便物を受け取ったりすることは,調査研究
事務を補助する上で必要又は有益な事務であるといえる。そして,対応
した電話や来客の中に政務調査と無関係なものが含まれたり,事務所へ
の郵便物の中に政務調査活動と無関係なものが含まれたりしたとして
も,調査研究に有益なものであるか否かは対応した結果判明することも
少なくないと考えられることからすると,そのことをもって当然に調査
研究と無関係の活動となるものとはいえない。
したがって,事務員が上記の事務を行っていたとしても,当該事務員
の給与は政務調査費を支出することができる人件費に該当すると認め
られ,他に人件費の支出が認められないような事務員の活動があったこ
とをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,J議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
サB関係(甲5の398頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,調査研究費について,個別の支出についての違法事由を何
ら主張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務所費について
原告らは,事務所費について,社会保険労務士の事務所と後援会事務
所を兼ねていることを考慮すれば,事務所費全てが不適切であると主張
する。しかし,外部監査人は,3つの用途を兼ねていることから,賃料
について3分の1に按分した額のみを適法と認め,光熱水費については,
議員の主張する按分割合が不適切とまではいえないと判断していると
ころ,かかる外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠は
ない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)事務費について
原告らは,事務費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(オ)人件費について
原告らは,社会保険労務士業を兼任しながら政務調査活動に従事して
いるとの説明が不自然であり,人件費の支出は違法であると主張するけ
れども,社会保険労務士業を行っているからといって,当然に政務調査
活動の補助業務に従事できなくなるものとは認められず,政務調査活動
との兼任であるとして2分の1に按分した額のみ適法とした外部監査
人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,B議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
シI関係(甲5の759頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,調査研究費について,個別の支出についての違法事由を何
ら主張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務所費について
原告らは,事務所費について,調査研究活動を行っていることが証拠
によって証明される必要があると主張するが,事務所において政務調査
活動がされていないことをうかがわせる証拠はなく,2分の1に按分し
た額のみを政務調査費から支出していることから適正であるとする外
部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠もない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)事務費について
原告らは,事務費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(オ)人件費について
原告らは,人件費について,政務調査費に従事していることの根拠も
按分の根拠も示されていないと主張するけれども,前記のとおり,業務
実態に照らして議員が適宜按分している場合には原則としてこれを尊
重するとの外部監査基準も不合理ではなく,かかる基準に従った外部監
査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,I議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法
な支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
スR関係(甲5の354頁)
(ア)調査研究費について
原告らは,東京への視察費用が目的外支出と主張するけれども,東京
へ調査のために訪問することが,当然に政務調査の範囲外となるもので
はないところ,外部監査人は,調査内容を確認した上で,その適法性を
判断したものと認められ,その判断に誤りがあることをうかがわせる証
拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(イ)広報費について
原告らは,広報費について,個別の支出についての違法事由を何ら主
張しないから,その支出を違法と認めることはできない。
(ウ)事務所費について
原告らは,事務所費について,調査研究活動を行っていることが証拠
によって証明される必要があると主張するが,事務所において政務調査
活動がされていないことをうかがわせる証拠はなく,2分の1に按分し
た額のみを政務調査費から支出していることから適正であるなどとす
る外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠もない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(エ)事務費について
原告らは,機器リース料及びお茶代について,目的外支出であると主
張する。
しかし,お茶代は,相当と認められる範囲が事務費に該当するところ,
相当な範囲を超える金額の支出があったとは認められない。また,機器
リース費用は,その費目からして調査研究に係る事務遂行に必要である
と認められる。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法で
あるとは認められない。
(オ)人件費について
原告らは,人件費について,政務調査費に従事していることの根拠も按分
の根拠も示されていないと主張するけれども,適正な支出と推認されると
した外部監査人の判断に誤りがあることをうかがわせる証拠はない。
よって,この点に関する原告らの主張は採用できず,支出が違法であ
るとは認められない。
(カ)まとめ
以上のとおり,R議員の政務調査費の支出のうち,外部監査人が適法な
支出と判断した部分について,目的外支出があるとは認められない。
4結論
以上によれば,各会派及び各議員において,外部監査人が適法な支出と判断
した部分について,目的外支出があるとは認められず,原告らの請求は,いず
れも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
大阪地方裁判所第2民事部
裁判長裁判官山田明
裁判官野内謙志
裁判官栢分宏和

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛