弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告の費用は上告人の負担とする。
         理    由
 本件上告理由は末尾に添えた別紙記載のとおりである。
 第一点について。
 昭和二二年度から適用する青森市民税賦課方法条例中一部改正条例が、本件賦課
処分に先つて青森市公告式に従つて適式に告示されなかつたことは原判決の認定す
るところである。論旨は原判決は右の事実を認めながら、右改正条例が有効か無効
かの判断を明かにしていないというのであるが、原判決が理由中に「改正条例が効
力を発生しないときでも(以下略)」 として本件賦課処分の効力について説明を
加えているのは、原審が本件賦課当時右改正条例は未だ効力を発生していなかつた
と判断していることを示すものであつて、論旨に理由はない。
 第二点について。
 論旨は原判決が本件改正条例が告示されなかつた事実の法的影響を等閑に附した
のは違法であると言うのである。前述のように本件市民税賦課当時は改正条例が未
だ効力を生じていなかつたことは原判決の判示するとおりであるが、改正条例が効
力を生じていない以上、改正前の条例はなお効力を持続しており、従つて被上告人
は改正前の条例によつて市民税を賦課することはできたのである。被上告人のした
本件課税処分は改正後の即ち当時未だ効力のなかつた条例によつたものであること
は、争いのない事実であるけれども、改正条例は単に市民税の税率を改めたに過ぎ
ないものであるから、改正前の条例によると、改正後の条例によるとは、税率、賦
課金額の相違を来すのみである。行政処分が法令に違背して行われたからと言つて、
直ちに当然にその行政処分が無効であるとは言えないのであつて、本件のような違
法は本件賦課処分を法律上当然に無効ならしめるものではないとするを相当とする。
原判決は右の法理を説明したまでであつて、原判決に所論のような違法はない。も
つとも本件のような違法な賦課に対し行政事件訴訟特例法第二条による訴が提起さ
れたときは、裁判所はこれを取消すべきであるかも知れないが、本訴が賦課処分の
取消を求める訴でないことは訴状並口頭弁論調書の記載により明かである(此の点
は上告人自身上告理由で主張して居る)原判決はこの点に関し上告人の本訴は取消
を求める趣旨をも含んでいるものと見られないこともないとして取消すべきかどう
かについて判断をしているけれども原審は所論の様に本訴請求を「すりかえ」たも
のではない訴状の記載に従い判決理由前段において無効確認の訴として審理判断を
した上、更に後段において取消請求の訴を含むものと見ても理由がない旨判示した
のである。しかして本訴は無効確認の訴であつて取消請求の訴でないこと前記の通
りであるから右前段の判断が存する以上後段の判断は結局無用蛇足のものであつて
これに対する非難は上告の理由としては採用に値しない。
 第三点
 論旨は原判決が行政事件訴訟特例法第一一条によつて上告人の請求を棄却したの
は違法であるというのであるが、同条が行政処分の取消又は変更を求める訴につい
て適用される条文であることは、同条の明文に照して明かであり、前述のように本
訴は賦課処分の取消又は変更を求める訴ではないのであるから、本条の適用される
余地は全くなく、原判決がその点について判示したのは無用の判示であつて、当裁
判所がその当否を判断する必要は認められない。論旨は理由がない。
 よつて訴訟費用は上告人に負担せしめることとし主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
 裁判官穂積重違は差支えのため署名捺印することができない。
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛