弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人木原鉄之助の上告理由第一点、第二点、第五点について。
 原判決は、その挙示の証拠に基づき、(一)D1が昭和二二年ころ本件従前地(松
山市a町b丁目c番地のd宅地一四二坪八三)の所有者である母D2の代理人とし
て被上告人Bに対しその一部を建物所有の目的で期限の定めなく賃貸したこと、(
二)昭和二三年一月従前地のため、その一部を含む土地につき仮換地の指定(これ
は、当初、特別都市計画法に基づく換地予定地の指定であつたが、その後、土地区
画整理法施行法の規定により、土地区画整理法に基づく仮換地の指定があつたもの
とされた。)があつたが、被上告人Bは土地区画整理事業施行者(以下、事業施行
者という。)である松山市長に対し未登記借地権の届出をすることなく経過し、昭
和三九年四月三〇日換地処分がなされて同年六月一〇日その公告があつたこと、(
三)この間、D1は、従前地がD2の所有であつた当時は同女の代理人として、従
前地がD1、その妻D4および両名の子である上告人ほか二名の共有となつた後は、
自己の持分に関しては本人として他の者の持分に関してはそれらの者の代理人とし
て、仮換地指定によるその使用収益権に基づき被上告人Bに対し、仮換地の特定部
分(従前地の賃借地の大部分とこれに接続する若干の土地を含む。その後、従前地
の分筆が行なわれた結果、同町b丁目c番地のd宅地五〇坪〇二に相当する土地と
された。)につき、従前地の賃貸借と同様の使用収益をすることを承諾し、かつ、
D1と被上告人Bとの間において、仮換地の右特定部分がそのまま本換地になるこ
とを条件として、その特定部分を、換地処分終了後もそのまま賃貸する旨の合意が
成立したこと、(四)仮換地の右特定部分は、そのままの位置関係で本換地となり、
前記の分筆の結果に対応して、同町b丁目e番地f宅地三六坪七合四勺なる新地番
の一筆の本件土地となつたことを認定し、被上告人Bは本件土地につき正当な占有
権原を有する旨判示しているのであり、所論の点に関する原審の事実認定は、原判
決挙示の証拠関係に照らし正当として是認することができ、その認定、判断の過程
に所論の違法はない。
 ところで、従前地の一部を賃借している未登記の賃借人は、事業施行者から仮換
地につき使用収益部分の指定を受けることによつてはじめて当該部分について現実
に使用収益をすることができるのであり、その指定を受けない段階においては仮換
地につき当然には現実の使用収益をすることができるものでないことは、所論のと
おりであるが、従前地の所有者と賃借人の間において、仮換地上の特定部分の使用
収益について合意が成立するかぎり、当事者間においては、その特定部分を適法に
使用収益することができ、また、仮換地上の特定部分がそのまま本換地となつた場
合にはこれを賃貸借する旨の合意が成立し、かつ、右のとおり本換地となつた場合
においては、従前地の賃借人は事業施行者から仮換地につき使用収益部分の指定を
受けなくとも、換地処分終了後の右特定部分につき、賃借権に基づく適法な占有権
原を有するものと解するのが相当である。
 本件において、原審は、前記のとおり、従前地の所有者とその賃借人である被上
告人Bとの間において、本件土地につき、右と同旨の合意が成立したことを認定、
判断したうえ、被上告人Bの本件土地の占有は正当な権原に基づくものとして、上
告人の請求を棄却するのが相当としたのであり、原審の右の判断は正当ということ
ができる。所論は、原判決を正解せず、かつ右と異なる見地に立つて原判決を非難
するものであつて、論旨は採用することができない。
 同第三点、第四点について。
 所論は、D1が被上告人Bと前記の合意をするについて、他の共有者らより代理
権を与えられていた旨の原審の判断は違法であり、また、共有者の一人であるD3
はD1とD4との間の未成年の子であるところ、原審は、D1がD3の代理人とし
て前記の合意をするに際し、D4と共同して親権を行使したか、または、D4がD
1の行為について同意を与えたかについて、なんら判示していないのは、違法であ
るというのである。
 しかし、原審は、本件従前地はもとD2の所有であつたが、その管埋は長男のD
1に一任されていたこと、従前地はその後D1、D4および両名の子らに持分平等
で贈与されたが、その管理の一切は依然D1に委されていたこと等、従前地の所有
権および管理権の帰趨ならびにD一家の家族関係を判示し、結局、D1は従前地が
D2の所有であつた当時には同女より、また五名の者の共有となつた後は他の共有
者らより、従前地の管理一切について包括的な代理権を与えられていた旨および右
の管理に関し未成年の子の親権者として行為するについては、共同親権者である妻
D4より明示または黙示の同意があつた旨を判示した趣旨と解することができるの
であつて、原判決が右代理権ないし同意を与えられた経緯の細部にわたつて判示す
るところがないとしても、原判決に所論の違法があるということはできず、論旨は
採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    岡   原   昌   男
            裁判官    小   川   信   雄
            裁判官    大   塚   喜 一 郎
            裁判官    吉   田       豊

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