弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
特許庁が、昭和六一年四月一〇日、同庁昭和五五年審判第二一六二二号事件につい
てした審決を取り消す。
訴訟費用は、被告の負担とする。
       事   実
第一 当事者の求めた裁判
 原告訴訟代理人は、主文同旨の判決を求め、被告指定代理人は、「原告の請求を
棄却する。訴訟費用は、原告の負担とする。」との判決を求めた。
第二 請求の原因
原告訴訟代理人は、本訴請求の原因として、次のとおり述べた。
一 特許庁における手続の経緯
 原告は、昭和五二年一一月二六日、名称を「ゴルフクラブのアイアンクラブセツ
ト」とする考案について実用新案登録出願(昭和五二年実用新案登録願第一五八九
四五号)をしたところ、昭和五五年九月一二日拒絶査定を受けたので、同年一二月
四日これを不服として審判の請求(昭和五五年審判第二一六二二号事件)をし、昭
和五九年八月一〇日付手続補正書により明細書の補正をしたところ、同年一一月一
二日出願公告(実公昭五九ー第四〇〇五八号)されたが、登録異議の申立てがあ
り、昭和六一年四月一〇日、「本件審判の請求は、成り立たない。」旨の審決(以
下「本件審決」という。)がされ、その謄本は、同年五月一〇日原告に送達され
た。
二 本願考案の要旨
 打撃距離の長短に応じて異なるクラブ長さ、ロフト角度、ヘツド重量をもつゴル
フクラブのアイアンクラブセツトにおいて、アイアンヘツドの重量をロングアイア
ンからシヨートアイアンになるに従い大きくし、しかもソール部のソール巾を、ロ
ングアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐々に狭くして形成したことを特
徴とするゴルフクラブのアイアンクラブセツト。(別紙図面参照)
三 本件審決理由の要点
 本願考案の要旨は、前項記載のとおり(明細書の実用新案登録請求の範囲の記載
に同じ。)と認められるところ、異議申立人の提出に係る昭和四四年五月二〇日株
式会社虹有社発行の柴田敏郎著「ウツドの打ち方」第一一頁ないし第一八頁(以下
「引用例」という。)には、ウツドクラブのヘツドのソールは平らで大きく、芝や
土の抵抗を避けるようにできている点、1番ないし7番の一連のウツドクラブにお
いて、1番ウツドはテイーアツプしたボールを打つものであり、最長距離用である
から、ロフト角度は最も垂直に近く、シヤフトは最長で、ヘツドは最も大きく最も
軽く、ソールも最も大きく形成されてあり、クラブ番号が増すにつれて、より近距
離用となり、ロフト角度はより大きく、シヤフトはより短く、ヘツドはより小さ
く、より重く、ソールもより小さく形成され、飛距離がよりのびなくなるが、目標
に向かつてより正確なシヨツトができるように構成され、3番ウツドあたりからフ
エアウエイ用としての特徴がはつきりでてきて、芝や土の抵抗が考慮されてあり、
4番ウツドはウツドクラブとアイアンクラブの混血児のようなものであり、5番な
いし7番ウツドになると、1番ないし4番アイアンに代わつて用いられるクラブで
あることが記載されている。また、打撃距離の長短に応じて異なるクラブ長さ、ロ
フト角度、ヘツド重量をもつゴルフクラブのアイアンクラブセツトにおいて、アイ
アンヘツドの重量をロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い大きくし、
しかもソール部のソール幅をロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐
々に広くして形成したアイアンクラブセツトは、本願考案の実用新案登録出願前周
知である。
 そこで、本願考案と右周知技術とを比較すると、両者は、打撃距離の長短に応じ
て異なるクラブ長さ、ロフト角度、ヘツド重量をもつゴルフクラブのアイアンクラ
ブセツトにおいて、アイアンヘツドの重量をロングアイアンからシヨートアイアン
になるに従い大きくしたゴルフクラブのアイアンクラブセツトの点で共通である
が、本願考案がソール部のソール幅をロングアイアンからシヨートアイアンになる
に従い徐々に狭くして形成したことを特徴とするのに対して、右周知のアイアンク
ラブセツトではシヨートアイアンになるに従いソール幅が徐々に広くなっている点
で相違する。
 次に、右相違点について検討するに、本願考案の右相違する構成のうち、ソール
部のソール幅をロングクラブからシヨートクラブになるに従い徐々に狭くして形成
したことを特徴とするゴルフクラブのウツドクラブセツトの点は、引用例に記載さ
れているが、本願考案がアイアンクラブであるのに対して、引用例記載のものがウ
ツドクラブである点で相違する。ところで、一般にゴルフクラブにおいて、ウツド
クラブは、より遠くへボールを飛ばすためのものであつて、ヘツドの体積は大き
く、ソールが平らで大きく、芝や土の抵抗を避けるような構成であるのに比べて、
アイアンクラブは、飛距離をのばすより正確にボールを目標に近づけることを目的
とし、草や土の抵抗を受けないように薄く形成されているという違いがあるが、こ
のような違いにもかかわらず、1番ないし7番のウツドクラブセツトと1番ないし
9番のアイアンクラブセツトの両者において、番号が増すにつれて、シヤフトの長
さはより短く、ロフト角度はより大きく、ヘツド重量はより重くなるという構成上
の一連の関係が共通する点及び右共通な構成により、番号が増すにつれて飛ぶ距離
は短くなるが、バツクスピンがよりかかりやすく、そのため打球時の芝や土の抵抗
もより大きくなり、更により番号の大きいクラブを用いるときは、よりバツクスピ
ンをかけて打ち上げて、より短距離により正確に停止させる必要性が高まるから、
よりダウンブローで打つ傾向があるという、作用上の一連の共通な関係がある点、
更に、プレイヤーによつては、大きなヘツドで厚いソールをもつウツドクラブの5
番ないし7番を、それよりはるかに薄いソールをもつアイアンクラブの1番ないし
4番の代わりに使用すると、よい結果となる点は引用例にも記載されているように
本願考案の実用新案登録出願前周知である。
 このように、1番ないし7番のウツドクラブセツトと1番ないし9番のアイアン
クラブセツトにおいて、構成及び作用に一定の方向性が共通して存在し、かつ、ソ
ールが最も狭い1番ないし4番のアイアンクラブに代えて、ソールがはるかに広い
5番ないし7番のウツドクラブが使用されているという右周知事項を考慮すれば、
引用例に記載されたソール部のソール幅がロングクラブからシヨートクラブになる
に従い徐々に狭くなつているという一定の方向性を、右周知の打撃距離の長短に応
じて異なるクラブ長さ、ロフト角度、ヘツド重量をもち、ヘツド重量をロングアイ
アンからシヨートアイアンになるに従い大きくしたアイアンクラブセツトに適用す
ることにより、ソール部のソール幅をロングアイアンからシヨートアイアンになる
に従い徐々に狭く形成して本願考案の構成にしたことは、当業者が極めて容易にな
し得ることである。そして、アイアンヘツドにおいては、一般にフエースの裏側の
厚みによつて重心に対応するスイートスポツトの位置と広さが変わるため、ソール
が厚くなるほど重心が下がることは、本願考案の実用新案登録出願前周知であつて
(例えば、昭和五二年九月二五日祥伝社発行の【A】著「奇跡を呼ぶクラブ」第一
〇六頁ないし第一一三頁)、ウツドヘツドに比較して全体が薄めの形状で、かつ、
ロングアイアンからシヨートアイアンになるにつれてヘツドの重量が重くなつてい
るアイアンクラブヘツドにおいて、ロングアイアンのソール幅を従来のものより大
きくすれば、ヘツドの下側がより厚くなるから重心はソール側に下がり、シヨート
アイアンのソール幅を従来のものより小さくすれば、重心が下がることは予測でき
ることである。また、従来のソール幅の小さいロングアイアンにおいて、ソール幅
をより大きくすれば、従来のものより地面とヘツドとの抵抗が大きくなり、ヘツド
は地面により食い込みにくくなり、従来のソール幅の大きいシヨートアイアンにお
いてソール幅をより小さくすれば、従来のものより地面とヘツドとの抵抗が小さく
なり、ヘツドは地面に食い込みやすくなることも予測できることである。
 そうしてみると、右周知のアイアンクラブセツトに引用例記載のものを適用した
ことにより、ロングアイアンにあつてソール幅Tを大きくしたため、重心はソール
側へ下がり、また、地面とヘツドとの抵抗が大きくなり、ヘツドは地面に食い込み
にくく、ロングアイアンとして望まれる、払うような打撃が容易に行えるため、ボ
ールにバツクスピンがかかりにくく、ボールが落下しても転がりやすくなり、ま
た、シヨートアイアンにあつてソール幅Tを小さくしたため、重心はソールと反対
側に上がり、また、地面とヘツドとの抵抗が小さくなり、ヘツドは地面に食い込み
やすく、シヨートアイアンとして望まれる打ち込むような打撃が容易に行えるた
め、ボールにバツクスピンがかかりやすく、ボールを落下してからすぐに止めるよ
うにできるという作用効果を奏することは、当業者であれば予測可能な範囲内のも
のである。
 したがつて、本願考案は、右周知技術及び引用例に記載された考案に基づいて当
業者が極めて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第三条第
二項の規定により実用新案登録を受けることができない。
四 本件審決を取り消すべき事由
 打撃距離の長短に応じて異なるクラブ長さ、ロフト角度、ヘツド重量をもつゴル
フクラブのアイアンクラブセツトにおいて、アイアンヘツドの重量をロングアイア
ンからシヨートアイアンになるに従い大きくし、しかもソール部のソール幅をロン
グアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐々に広くして形成したアイアンク
ラブセツトが本願考案の実用新案登録出願前周知であること、本願考案と右周知の
アイアンクラブセツトとの間に本件審決認定のとおりの共通点及び相違点が存する
こと、引用例に本件審決認定のとおりの事項が記載されていること、右相違する本
願考案の構成と引用例記載のものとの間に本件審決認定のとおりの相違点が存する
こと、並びにウツドクラブと周知のアイアンクラブとの間には、ウツドクラブはよ
り遠くへボールを飛ばすためのものであつて、ヘツドの体積は大きく、ソールが平
らで大きく、芝や土の抵抗を避けるような構成であるのに比べて、アイアンクラブ
は飛距離を伸ばすより正確にボールを目標に近づけることを目的とし、草や土の抵
抗を受けないように薄く形成されているという違いがあるものの、本件審決認定の
とおりの構成上及び作用上の一連の共通な関係があること、並びに本件審決認定の
とおり、プレイヤーによつては、大きなヘツドで厚いソールをもつウツドクラブの
5番ないし7番を、それよりはるかに薄いソールをもつアイアンクラブの1番ない
し4番の代わりに使用するとよい結果となることが引用例に記載されているように
本願考案の実用新案登録出願前周知であることは認めるが、本件審決は、本願考案
と引用例記載のものとの前記相違点について判断するに際し、アイアンクラブとウ
ツドクラブとの機能の違い及び本願考案がアイアンクラブセツトに取り入れたソー
ル幅に関する技術的思想と引用例記載のウツドクラブセツトにおけるソール幅に関
する技術的思想との違いを無視して、引用例記載のウツドクラブセツトと周知のア
イアンクラブセツトとの間に構成上及び作用上の一連の関係が共通すること、並び
にロングアイアン(1番ないし4番)に代わつてウツドクラブ(5番ないし7番)
が使用されていることから直ちに、ウツドクラブにおけるソール幅の方向性を周知
のアイアンクラブセツトに適用することは極めて容易になし得ることであると誤認
し、ひいて、本願考案は周知技術及び引用例に記載された考案に基づいて当業者が
極めて容易に考案をすることができたものであるとの誤つた結論を導いたものであ
つて、違法として取り消されるべきである。すなわち、
 アイアンクラブは、飛距離を伸ばすより正確にボールを目標に近づけること(方
向性)を重要視したクラブであつて、ウツドクラブに比べて特有の形態を有し、草
や土の抵抗を受けないようにソールが薄く形成されているが、そのうち、クラブ長
さが長く、ロフト角が小さい等の特徴をもつ、いわゆるロングアイアンでは、ボー
ルをより遠くへ飛ばし、落下してからボールがよく転がって距離をかせぐことが望
まれており、所望の目的を達するためには、ボールの打撃に際して、ボールを地面
に対して払うように打球するのがよいとされ、クラブ長さが短く、ロフト角が大き
い等の特徴をもつ、いわゆるシヨートアイアンでは、ボールにバツクスピンをか
け、目標地点(ホール)に正確にボールを飛ばし、落下してからすぐ止まるように
望まれており、所望の目的を達するためには、ボールの面を、地面にヘツドを打ち
込むようにして打球するのがよいとされているところ、従来のアイアンクラブセツ
トにおいては、ロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い、ヘツドを地面
に打ち込むように打つのを容易にするため、ヘツドの重量を次第に重くし、それに
従つてヘツドが次第に大きくなり、その結果としてソール幅も広くなつていた。そ
うしたことから、ロングアイアンにおいては、ヘツドのソール幅が狭いため、地面
とヘツドの抵抗が小さく、ヘツドは地面に食い込みやすく、かつ、セツトの内では
重心が比較的高い位置にあることから、その分ボールは必要以上のバツクスピンが
かかつてしまい、逆に、シヨートアイアンでは、ヘツドのソール幅が広いため、地
面とヘツドの抵抗が大きく、ヘツドは地面に食い込みにくく、結果としてボールを
地面に対し払うようにして打球することになり、そのうえ、セツト内では重心が比
較的低い位置にあることから、ボールにバツクスピンをかけづらくなつていた。そ
のため、一般プレーヤーがロングアイアンを使用してもバツクスピンがかかつてし
まい、ボールが落下点よりあまり転がらず、距離をかせぐことができず、また、シ
ヨートアイアンを使用しても、こんどはバツクスピンがかけづらく、ボールが落下
してからもよく転がつてしまう結果となりやすかつた。こうしたことから、本願考
案は、ロングアイアンでは、ボールをより遠くへ飛ばし、落下してからもよく転が
つて距離をかせぎ、シヨートアイアンでは、ボールを目標地点に正確に飛ばしてか
らすぐ止まるようにすることを目的として、アイアンヘツドの重量をロングアイア
ンからシヨートアイアンになるに従い大きくするとともに、ソール部のソール幅
を、ロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐々に狭くするという構成
を採用したのであつて、このような構成としたことにより、ロングアイアンにあつ
ては、ソール幅を大きくしたため、重心はソール側へ下がり、また、地面とヘツド
との抵抗が大きくなり、ヘツドは地面に食い込みにくくなり、ロングアイアンとし
て望まれる、払うような打球が容易に行えるため、ボールにバツクスピンがかかり
にくくなり、ボールが落下してからもよく転がるようになり、また、シヨートアイ
アンにあつては、ソール幅を小さくしたため、重心はソールと反対側に上がり、ま
た、地面との抵抗が小さくなり、ヘツドは地面に食い込みやすくなり、シヨートア
イアンとして望まれる、打ち込むような打球が容易に行えるため、ボールにバツク
スピンがかかりやすくなり、ボールが落下してから転がりにくくなり、すぐに止め
るようにできるという効果を奏し得たものである。一方、ウツドクラブは、ボール
の飛距離を伸ばすことを重要視したクラブであつて、本来的に地面を払うように打
球するのに適した特有の形態、すなわち、ヘツドの体積は大きく、ソールを平らに
して芝や土の抵抗を避けるような形態を有し、ウツドクラブのセツトにおいても、
アイアンクラブのセツトにおけると同様、ボールの打撃距離の長短に応じて、クラ
ブ長さ、ロフト角度、ヘツド重量が異なるように設計されており、ロングウツドか
らシヨートウツドになるに従つて、ヘツドの重量は次第に重く、ヘツドの大きさは
次第に小さくなつており、その結果として、ソール幅が徐々に狭くなつているが、
これは、単にウツドクラブセツトの目的に従つてヘツドの大きさを徐々に小さくし
た結果にすぎず、決して本願考案におけるような目的を達成するためのものではな
い。これを敷えんするに、引用例の記載から分かるように、従前の当業者は、どの
アイアンクラブも「草や土の抵抗を受けない」、すなわち、「地面にくいこみやす
く且つ抜けにくい」という機能が必要であると認識しており、したがつて、従前の
アイアンクラブ(ロングアイアンもシヨートアイアンも)は、右機能を果たすため
にウツドクラブに比べると非常に薄いヘツドを有するように構成され、アイアンク
ラブセツトにおいては、ロングアイアンからシヨートアイアンになるに従がつて、
ヘツドのソール幅が徐々に広くなるように形成されていた。その結果、従来のアイ
アンクラブセツトにおいては、ロングアイアンではソール幅が狭いため地面とヘツ
ドとの抵抗が小さく、ヘツドは地面に食い込みやすくなつてボールに必要以上のバ
ツクスピンがかかってしまい、かえつて飛距離が得にくくなるという問題が生じ、
また、シヨートアイアンでは、ヘツドのソール幅が広いため、地面とヘツドとの抵
抗が大きく、ヘツドは地面に食い込みにくく、結果としてボールを地面に対し払う
ようにして打球することになり、ボールにバツクスピンをかけづらくなり、飛距離
のコントロールが難しくなるという問題が生じていた。しかし、従前の当業者は、
ロングアイアンからシヨートアイアンになるに従つてクラブの長さが短くなるの
で、それに従つてアツプライトな打ち方となり、よりダウンブローの打ち方となる
ことを認識していたので、シヨートアイアンのソール幅が広くても十分に地面に食
い込むようなスイングが可能であると認識していたのではないかと推測されること
もあつて、右問題点に気付かなかつたのであり、本願考案の実用新案登録出願にお
いて初めて右問題点を明らかにしたのである。また、引用例の記載から分かるよう
に、従前の当業者は、どのウツドクラブも「草や土の抵抗を避ける」、すなわち、
「芝土の上をうまく滑る」という機能が必要であると認識しており、従前のウツド
クラブ(ロングウツドもシヨートウツドも)は、右機能を果たすためにアイアンク
ラブに比べると非常に大きくソール幅の広いヘツドを有するように構成され、しか
も、ウツドクラブセツトにおいては、ロングウツドからシヨートウツドになるに従
つてヘツドのソール幅が徐々に狭くなるように形成されていた。すなわち、引用例
にも記載されているように、ウツドクラブのうちフエアウエイで用いるウツドクラ
ブ(比較的短いウツドクラブ)の場合、ボールは芝や土の上又は芝の中にあるの
で、芝や土との抵抗を考慮することが必要となり、また、ウツドクラブの長さが短
くなるに従つてアツプライトな打ち方となり、かつ、ダウンブロウの打ち方となる
ので、芝や土との抵抗を考慮する必要性が高まり、このため、特にフエアウエイで
用いるウツドクラブ(比較的短いウツドクラブ)は、芝や土の抵抗を考慮し、か
つ、芝や土の上をうまく滑るというウツドクラブとしての機能を保つためにアイア
ンクラブに比べて非常に大きいヘツド(非常に広いソール)を有するように構成さ
れているのである。従前のウツドクラブセツトにおいては、ロングウツドからシヨ
ートウツドになるに従つてヘツドを徐々に小さくした結果として、ヘツドのソール
幅が現実に徐々に狭くなつているが、引用例には、芝や土との抵抗を考慮した結果
としてロングウツドからシヨートウツドになるに従つてヘツドを小さく、ソール幅
を狭く形成したものとは記載されていない。そして、ウツドクラブでダウンブロウ
な打ち方を行うといつても、ヘツドがボールに当たつた直後に芝や土の上をたたい
て滑つて抜けてゆく程度のダウンブロウであつて、アイアンクラブで行うような極
端なダウンブロウ、すなわち、ヘツドがボールに当たつた後に地中に食い込んで地
中から抜け出る(したがつて、ボールの前方のターフ(土壌のついた芝生の層)が
削り取られる。)ようなダウンブロウとは全く性質が異なるものであつて、右に述
べたウツドクラブの本質的な機能にかんがみれば、少なくとも、シヨートウツドに
地面に食い込みやすく、かつ、抜けやすいという機能を持たせることによつて、ロ
ングウツドからシヨートウツドになるに従つて芝や土の上をうまく滑るという機能
から、地面に食い込みやすく、かつ、抜けやすいという機能へと徐々に変化させる
目的でシヨートウツドのヘツドを小さくしているのではないことは明らかである。
 以上のように、従来のウツドクラブは、「芝や土を避ける」、すなわち「芝土の
上をうまく滑る」という特有の機能を有するように構成されているものであり、従
来のアイアンクラブは、「草や土の抵抗を受けない」、すなわち「地面に食い込み
やすく、かつ、抜けやすい」という、ウツドクラブとは全く異なる特有の機能を有
するように構成されていたのであり、また、引用例の記載から、従来のウツドクラ
ブ及びアイアンクラブの特有の機能と密接な関係を有する構成要素として認識され
ていたことが推察されるのであつて、ウツドクラブとアイアンクラブとの間に、本
件審決が指摘するような構成上及び作用上の一連の共通する関係が存在するもの
の、ウツドクラブとアイアンクラブとの機能上の相違点に密接に関連するものと認
識されている構成上の相違点について、格別の理由なく、一方から他方に適用する
ことは、むしろ当業者の技術常識に反することといわざるを得ない。したがつて、
ウツドクラブとアイアンクラブとの機能上の相違点に密接に関連するソール幅の点
に関して、構成上及び作用上の一連の関係の部分的な共通点の存在を根拠として、
ウツドクラブセツトのもつ一定の方向性を従来周知のアイアンクラブセツトに適用
することにより本願考案の構成にしたことが当業者にとつて極めて容易であると認
定した本件審決の認定判断は誤りである。なお、本件審決は、「プレーヤーによつ
ては、大きなヘツドで厚いソールをもつウツドクラブの5番ないし7番を、それよ
りはるかに薄いソールをもつアイアンクラブの1番ないし4番の代わりに使用する
と、よい結果となる点は、引用例にも記載されているように本願考案の実用新案登
録出願前周知である」ことを、ウツドクラブセツトにおけるソール幅の方向性を従
来周知のアイアンクラブセツトに適用することが容易であるとする根拠の一つとし
ているが、引用例の記載内容から明らかなように、そこでは、クラブ自体の問題と
してウツドクラブ(5番ないし7番)がロングアイアン(1番ないし4番)に代わ
るものであるといつているのではなく、本来的にはロングアイアンで打つべきとこ
ろであつても、体力的あるいは技術的にロングアイアンを使いこなせないプレイヤ
ーとしては、無理をしてロングアイアンを使用して大きなミスを犯すよりは、最善
ではないが、よりミスの出にくいウツドクラブ(5番ないし7番)を使用した方が
よいであろうということをいつているにすぎないのであつて、「よい結果」となる
ことがソール幅の違いに基づいているとの記載あるいは示唆は全くないのであつ
て、前記本件審決の認定は誤りである。
第三 被告の答弁
被告指定代理人は、請求の原因に対する答弁として、次のとおり述べた。
一 請求の原因一ないし三の事実は、認める。
二 同四の主張は、争う。本件審決の認定判断は正当であつて、原告が主張するよ
うな違法の点はない。
 本件審決が、本願考案は、周知技術及び引用例に記載された考案に基づいて当業
者が極めて容易に考案をすることができたものである旨認定判断した根拠は、本願
考案の作用効果は予測可能な範囲内のものであるということにあり、特に本願考案
と引用例記載のものとの構成上の予測性についての検討は、本件審決において記載
されているとおりである。そして、これらの中の各項目が組み合わされて一つの予
測性という論理を形成しているものであつて、原告主張のように、その一部のみを
別個に取り出して推考容易性を論ずることは、本件審決とは異なる推考容易性を主
張するものであり、本件審決と関係のないことである。また、原告は、ウツドクラ
ブやアイアンクラブの従来技術について論じているが、右主張は、自論を展開して
いるにすぎず、本件審決におけるどの部分がどのように誤つているかについて何ら
具体的に指摘していない。したがつて、原告の右主張は、本件審決の内容とは何ら
関係がない。更に、原告は、引用例の記載、特にソール幅についての記載がないこ
とを根拠にして、本件審決の判断には全く根拠がない旨主張するが、本件審決にお
いて「引用例にも記載されているように」とあるのは、本願考案の実用新案登録出
願前周知であることの一例を記載したもので、本件審決の「プレイヤーによつて
は、大きなヘツドで厚いソールをもつウツドクラブの5番ないし7番を、それより
はるかに薄いソールをもつアイアンクラブの1番ないし4番の代わりに使用する
と、よい結果となる点は引用例にも記載されているように本願考案の実用新案登録
出願前周知である」との記載は、実際に使うとよい結果となる、という事実を述べ
ているのである。このことは、本件審決において「ソールが最も狭い1番ないし4
番のアイアンクラブに代えて、ソールがはるかに広い5番ないし7番のウツドクラ
ブが使用されているという右周知事項を考慮すれば、」と記載していることからも
明らかである。
第四 証拠関係(省略)
       理   由
(争いのない事実)
一 本件に関する特許庁における手続の経緯、本願考案の要旨及び本件審決理由の
要点が原告主張のとおりであることは、当事者間に争いのないところである。
(本件審決を取り消すべき事由の有無について)
二 本件審決は、以下に説示するとおり、アイアンクラブとウツドクラブとの機能
の違い及び本願考案がアイアンクラブセツトに取り入れたソール幅に関する技術的
思想と引用例記載のウツドクラブセツトに取り入れられているソール幅に関する技
術的思想との違いを無視して、引用例記載のウツドクラブセツトと周知のアイアン
クラブセツトとの間に構成上及び作用上の一連の関係が共通すること、並びにロン
グアイアン(1番ないし4番)に代わつてウツドクラブ(5番ないし7番)が使用
されていることから、ウツドクラブにおけるソール幅の方向性をアイアンクラブに
適用することは極めて容易になし得ることであると誤認し、ひいて、本願考案は周
知技術及び引用例に記載された考案に基づいて当業者が極めて容易に考案をするこ
とができたものであるとの誤つた結論を導いたものであつて、違法として取り消さ
れるべきである。
 前示本願考案の要旨に成立に争いのない甲第二号証(本願考案の実用新案公報。
以下「本件公報」という。)によれば、本願考案は、ゴルフクラブのアイアンクラ
ブセツトの改良に関する考案であつて、従来のアイアンクラブセツトにおいて、ヘ
ツドのソール幅は、ロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐々に広く
なるように形成されていたものであるところ、一般的にクラブ長さが長く、ロフト
角が小さい等の特徴をもち、ボールをより遠くへ飛ばし、落下してからもボールが
よく転がつて距離をかせぐことを目的とするロングアイアンにおいて所期の目的を
達成するためには、ボールを地面に対し払うようにして打球するのがよいが、ロン
グアイアンのヘツドのソール幅が狭いため、地面とヘツドの抵抗が小さく、ヘツド
は地面に食い込みやすく、その分ボールには必要以上のバツクスピンがかかりやす
く、更にソール幅が狭いためセツト内では重心が比較的高い位置にあり、これもバ
ツクスピンがかかりやすい原因の一つであり、また、クラブ長さが短く、ロフト角
が大きい等の特徴をもち、ボールにバツクスピンをかけ目標地点(ホール)に正確
にボールを飛ばし、落下してからすぐに止まるようにすることを目的とするシヨー
トアイアンにおいて所期の目的を達成するためには、ボールの下面を地面にヘツド
を打ち込むようにして打球するのがよいが、シヨートアイアンのヘツドのソール幅
が広いため、地面とヘツドの抵抗が大きく、ヘツドは地面に食い込みにくく、結果
としてボールを払うように打球することになり、ボールにバツクスピンをかけられ
ず、また、ソール幅が広いため、セツト内では重心が比較的低い位置にあり、これ
もバツクスピンをかけ難くする一つの原因であつたことから、本願考案は、アイア
ンクラブセツトにおいて、ロングアイアンでは、ボールをより遠くへ飛ばし、落下
してからもよく転がつて距離をかせぎ、シヨートアイアンでは、ボールを目標地点
に正確に飛ばしてからすぐ止まるようにすることを目的とし、本願考案の要旨(実
用新案登録請求の範囲の記載と同じ。)のとおりの構成を採用したもので、右構成
を採用したことにより所期の効果を奏し得たものであること、及び本願考案におい
て、ソール部のソール幅をロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐々
に狭く形成したことの技術的意義は、そのようにすることによつて、アイアンヘツ
ドの重量をロングアイアンからシヨートアイアンになるに従つて重くしたことと相
まつて、ロングアイアンにあつては、ヘツドと地面との抵抗が大きくなつてヘツド
は地面に食い込みにくくなり、ロングアイアンとして望まれる、払うような打球が
容易に行えるため、ボールにバツクスピンがかかりにくくなり、ボールが落下して
からもよく転がるようになり、シヨートアイアンにあつては、ヘツドと地面との抵
抗が小さくなつてヘツドは地面に食い込みやすくなり、シヨートアイアンとして望
まれる、打ち込むような打球が容易に行えるため、ボールにバツクスピンがかかり
やすくなり、ボールが落下してから転がりにくく、すぐに止まるようにできるとい
う、各番手のアイアンクラブに望まれる打球を容易に得ることができるという点に
あるものと認められる。そして、アイアンクラブセツトにおいて、アイアンヘツド
の重量をロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い大きくし、しかもソー
ル部のソール幅をロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐々に広くし
て形成したものが本願考案の実用新案登録出願前周知であり、本願考案に係るアイ
アンクラブセツトと右周知のアイアンクラブセツトとは、打撃距離の長短に応じて
異なるクラブ長さ、ロフト角度、ヘツド重量をもつゴルフクラブのアイアンクラブ
セツトであつて、アイアンヘツドの重量をロングアイアンからシヨートアイアンに
なるに従い大きくした点で共通し、本願考案に係るアイアンクラブセツトが、ソー
ル部のソール幅をロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐々に狭くし
て形成したことを特徴とするのに対して、右周知のアイアンクラブセツトでは、シ
ヨートアイアンになるに従いソール幅が徐々に広くなつている点で相違すること、
引用例に本件審決認定のとおりの事項が記載されていること、右相違する本願考案
の構成と引用例記載のものとの間に本件審決認定のとおりの相違点が存すること、
並びにウツドクラブと周知のアイアンクラブとの間に、ウツドクラブはより遠くへ
ボールを飛ばすためのものであつて、ヘツドの体積は大きく、ソールが平らで大き
く、芝や土の抵抗を避けるような構成であるのに比べて、アイアンクラブは飛距離
を延ばすより正確にボールを目標に近づけることを目的とし、草や土の抵抗を受け
ないように薄く形成されているという違いがあるものの、1番ないし7番のウツド
クラブセツトと1番ないし9番のアイアンクラブセツトの両者において、番号が増
すにつれて、シヤフトの長さはより短く、ロフト角度はより大きく、ヘツド重量は
より重くなるという構成上の一連の関係が共通する点及び右共通な構成により、番
号が増すにつれて飛ぶ距離は短くなるが、バツクスピンがよりかかりやすく、その
ため打球時の芝や土の抵抗もより大きくなり、更により番号の大きいクラブを用い
るときは、よりバツクスピンをかけて打ち上げて、より短距離により正確に停止さ
せる必要性が高まるから、よりダウンブローで打つ傾向があるという、作用上の一
連の共通な関係がある点、更に、プレイヤーによつては、大きなヘツドで厚いソー
ルをもつウツドクラブの5番ないし7番を、それよりはるかに薄いソールをもつア
イアンクラブの1番ないし4番の代わりに使用するとよい結果となることが本願考
案の実用新案登録出願前周知であることは原告の認めるところである。
 ところで、本件審決は、本願考案の構成と引用例記載のものとの右相違点につい
て、引用例記載のウツドクラブセツトと周知のアイアンクラブセツトとの間に存す
る前記構成上及び作用上の一連の関係が共通すること、並びにロングアイアン(1
番ないし4番)に代わつてウツドクラブ(5番ないし7番)が使用されているとい
うことを根拠に、ウツドクラブにおけるソール幅の方向性を周知のアイアンクラブ
セツトに適用することは極めて容易になし得ることである旨認定判断しているとこ
ろ、原告は右の点を争うので検討するに、前示引用例の記載内容及び成立に争いの
ない甲第三号証(引用例)によれば、引用例には、1番ないし7番の一連のウツド
クラブにおいて、1番ウツドはテイーアツプしたボールを打つものであり、最長距
離用であるから、ロフト角度は最も垂直に近く、シヤフトは最長で、ヘツドは最も
大きく最も軽く、ソールも最も大きく形成されてあり、クラブ番号が増すにつれて
より近距離用となり、ロフト角度はより大きく、シヤフトはより短く、ヘツドはよ
り小さく、重さはより重く、ソールもより小さく形成されたウツドクラブセツトが
記載されているほか、右事実に加え、「ウツドヘツドは大体げんこつタイプで、丸
く大きくできていますが、アイアンはしやもじタイプで、薄く作られています。」
(同号証第一一頁の1「ゴルフ・クラブについて」の欄第八行ないし第九行)、
「ウツドは振り上げるときにはアツパー・ブロウ(下から上へ)で打つていくのに
対して、アイアンはダウン・ブロウ(上から下に)に打ち下ろしていくという違い
があります。したがつて、ウツドの底辺(ソール)は厚く、広く、金属のソール板
がつけてあるのが普通です。これに対してアイアンは、草や土の抵抗を受けないよ
うに、薄くできています。」(同頁第一〇行ないし第一四行)、「ウツドは距離を
出しピン(旗)に近づけるためのクラブ、アイアンはホールをねらうクラブ、と役
目が違います。」(同頁第一五行ないし第一六行)、及び「ウツドはボールを遠く
に、正しく飛ばすために、いろいろな性能をもつています。第一に、打球面を木で
作り、体積を大きく、反発力も大きくなつていて、シヤフトもアイアンに比べて強
い弾力性があります。第二に円心力を利用するために、シヤフトが長く、大きなス
イングで打つように作られています。また、ヘツドのソールが平らで大きく、芝土
の抵抗を避けるようにできています。打ち下ろした最低点から上がりぎわにボール
に当たるためです。」(同頁第一七行ないし第二三行)との記載があることが認め
られ、右事実によれば、ウツドクラブとアイアンクラブとには、本件審決認定のと
おりの構成上及び作用上の共通する一連の関係が存するといえるものの、クラブ本
来の目的、機能、構造等を異にするものであつて、ウツドクラブは、アイアンクラ
ブ、特にミドルアイアン及びシヨートアイアンにおけるように、ボールを打つた後
ヘツドを地面に食い込ませるような打ち方で使用することを意図したものではな
く、仮に、ウツドクラブを用いてアイアンクラブで行うようなスイングを行つて
も、ヘツドが芝や土にたたきつけられるだけで、地中に食い込んでいくというよう
な動作は生じないような構造となつているものであることからすると、ウツドクラ
ブにおける、ソール幅がロングクラブからシヨートクラブになるに従い徐々に狭く
なつているという一定の方向性は、クラブヘツドを徐々に地面に食い込みやすく、
かつ、抜けやすくするという機能を持たせることを目的として設けられたものでな
いことは明らかであり、引用例記載のウツドクラブセツトには、前認定説示した本
願考案の技術的課題ないし目的、更には、クラブのソール部のソール幅をシヨート
アイアンからロングアイアンになるに従つて徐々に狭くしたことの技術的意義を示
唆するものがあるとは到底認めることができない。そうであるとすれば、本願考案
の実用新案登録出願前周知のアイアンクラブセツトとは逆に、クラブのソール幅を
ロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐々に狭くしたアイアンクラブ
セツトを想到することが、引用例記載のものから当業者が極めて容易になし得るも
のとは到底認められない。なお、本件審決は、右認定判断の根拠の一つとして、ソ
ール幅が最も狭い1番ないし4番のアイアンクラブに代えて、ソール幅がはるかに
広い5番ないし7番のウツドクラブが使用されているということは周知の事項であ
ることを挙げているが、前掲甲第三号証(引用例)によれば、ウツドクラブの代替
使用は、非力な者でも体力とリストのいる1番ないし4番のアイアンクラブに代え
て、5番ないし7番のウツドクラブを用いれば、そのシヤフトのバネとヘツドの反
発力を利用してかなりの飛距離を出せることをその理由としているもので、アイア
ンクラブとウツドクラブのソール部のソール幅の機能の共通性をその理由としてい
るものとは認められないから、ウツドクラブを代替使用することがあるということ
をもつて、ウツドクラブにおけるソール幅の方向性を周知のアイアンクラブセツト
に適用することが極めて容易になし得ることであるとする根拠とすることはできな
い。
 叙上説示によれば、引用例に記載されたウツドクラブセツトにおいて、ヘツドの
ソール幅がロングウツドからシヨートウツドになるに従い徐々に狭くなつていると
いう一定の方向性を、右周知のアイアンクラブセツトに適用することにより、ソー
ル部のソール幅をロングアイアンからシヨートアイアンになるに従い徐々に狭く形
成して本願考案の構成にしたことは、当業者が極めて容易になし得るものとする本
件審決の認定判断は誤りであつて、右誤りが本件審決の結論に影響を及ぼすことは
明らかであるから、本件審決は違法として取消しを免れない。
(結語)
三 以上のとおりであるから、本件審決を違法として、その取消しを求める本訴請
求は、理由があるものということができる。よつて、これを認容することとし、訴
訟費用の負担について、行政事件訴訟法第七条及び民事訴訟法第八九条の規定を適
用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 武居二郎 川島貴志郎 小野洋一)
別紙図面
〈12733-001〉

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