弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人山田友記の上告理由第一点について。
 原審は、訴外D(E)Fが被上告人に対して金七〇万円の本件主債務を有し、そ
の履行を確保するために、Fが訴外G相互銀行H支店との間に被上告人名義で金一
〇万円七口及び金一〇万円四口の相互掛金契約を結んでいたことを認定し、また、
Fが被上告人に対して別に四口金二九万五〇〇〇円の債務をも負担していたことを
認定している。さらに、原審は、被上告人及びFが協議の上右相互掛金契約を解約
し、その返戻金をもつてFの被上告人に対する右別口の債務の弁済に充当したこと
を認定している。このように、債権者と債務者の間において数口の債務のある場合
に、債務者のなす給付をどの債務の弁済に充当するかは、原則として債権者と債務
者の間の契約で定めうるところであり、これによつて弁済充当のなされなかつた債
務の連帯保証人が免責をえない結果となつても、やむをえないところである。もつ
とも、連帯保証人が右掛金契約の解約返戻金を本件主債務の弁済に充当すべきこと
を被上告人及びFと約定した場合、または右解約返戻金の弁済充当に関する被上告
人とFの合意が連帯保証人に対する関係で信義則に反するような事情があれば、こ
のかぎりでない。しかし、右解約返戻金を本件主債務の弁済に充当すべきことを右
連帯保証人(上告人)が被上告人及びFと約定していたことは、原審の認定しない
ところであり、右掛金契約が上告人のすすめによつてなされ、上告人が右契約の成
立に関与していたことも、原審は認定していない。また、右解約返戻金の弁済充当
に関する被上告人とFの合意には、上告人に関する関係で信義則に反するような事
情も認められない。そうしてみれば、本件における弁済充当を違法とすることはで
きない。所論は、原審の認定にそわない事実を前提として原判決を非難するもので、
採用することができない。
 同第二点について。
 原審は、Fが被上告人に対してなした給付について、両者の合意に基づいて判示
のとおりの弁済充当がなされたものと認定しているから、右弁済について法定充当
に関する規定を適用する余地はなく、所論は理由がない。
 同第三点について。
 原審は、Fが被上告人に対してなした給付について、両者が予め協議した上で判
示のとおりの弁済充当をなしたと認定している。所論は、給付をした後に遡つて弁
済充当の指定をしたとし、それ故にこの推定を違法であると主張するものであつて、
前提を欠くに帰し、採用できない。その他の論旨は、原審が適法にした事実認定及
び証拠の取捨判断を非難するにすぎないもので、採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    横   田   喜 三 郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七
            裁判官    斎   藤   朔   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛