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平成17年11月14日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成17年(ハ)第3036号 飲食代金請求事件
口頭弁論終結日 平成17年10月31日
判決
主文
1 被告らは,原告に対し,連帯して,金19万9500円及びこれに対する平成16年1
0月8日から支払済みまで年6パーセントの割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告らの負担とする。
3 この判決は仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請   求 主文1項と同旨
第2 事案の概要
本件は原告が経営する飲食店「A」(以下「本件クラブ」という。)で「掛け」で飲食
を共にした被告らに対し,原告が飲食代金19万9500円を請求したところ,被告
Bが本件飲食は被告Cに接待されたものであるので支払義務はないとして争った
事案である。
1 請求の原因
原告は,被告らに対し,連帯して,本件クラブでの平成16年9月29日,同月
30日の飲食代金合計19万9500円及びこれに対する支払期限の翌日である
平成16年10月8日から支払済みまで年6分の割合による遅延損害金の支払を
求める。
2 前提となる事実(争いのない事実及び掲記証拠により容易に認められる事実)
(1) 原告は肩書地で本件クラブを経営する有限会社である(登記簿謄本)。
(2)被告らは,本件クラブにおいて以下のとおり2回の飲食をし(以下「本件飲
食」という。),その結果,合計金19万9500円の飲食代金が発生した。
ア 平成16年9月29日売掛金
被告らは,本件クラブに来店し,同日午後8時30分ころから午後12時こ
ろまで飲食し,その結果,その飲食代金は金9万9750円となったところ,
支払いの段階になって,会計を担当した本件クラブのボーイである証人D
に掛け払いを執拗に要求したため,本件クラブのママである原告代表者E
との間で,売掛けにすることにし,本件飲食代金を同年10月7日までに支
払うとの約束をした上,請求書に被告Bが署名した(甲1,証人D)。
イ 平成16年9月30日売掛金
被告ら及び訴外1名の3名は,本件クラブで来店し,同日午後8時30分
ころから午後10時40分ころまで飲食し,その結果,その飲食代金は金9万
9750円となったところ,支払いの段階になって,会計を担当した本件クラ
ブのボーイである証人Dに掛け払いを執拗に要求したため,原告代表者E
との間で,売掛けにすることにし,前日と同じ同年10月7日までに支払うと
の約束をした上で請求書に被告Cが署名した(甲2,証人D)。
(3) 被告らは,平成16年10月7日までに前記飲食代金の支払いをせず,その
後もその支払をしない(弁論の全趣旨)。
3争点
共同して飲食した者は飲食代金債務を連帯して負担するか否か。
(被告B) 
本件飲食は,いずれも被告Cに接待され飲食したものであるから,本件飲食代
金を負担することはない。
第3 争点等に対する判断
1 被告Cは,公示送達による呼出しを受けたが,この事件の口頭弁論期日に出席し
ない。証拠によれば,請求原因事実は,すべて認めることができる。
2 争点について
(1) 被告Bは,接待されたものであるから,本件飲食代金を負担しない旨主張する
が,一般的に,複数の者が共に飲食店等で飲食遊興した場合,各人の飲食等
の内容,割合が当初より各人の格別の注文等により判然としており,飲食者に
おいてもそのことを十分に念頭において飲食等をなし,かつそのことが飲食店の
営業主も了知していて,飲食の割合に応じて個別に請求することになるような特
段の事情がある場合を除いて,営業主としては,その複数の客全員の資力を総
合的に考慮して,飲食等のサービスを提供し,一方客の方でも営業主に対する
関係では,全員で飲食等の代金を支払い,各人の負担割合については,内部の
問題として処理しようと考えて飲食をするのが通常であるので,その場合には,
飲食等の代金について,営業主と飲食者の間で,飲食者らが連帯して飲食代金
債務を負担するとの黙示の意思表示があったものと推認される。
(2) 前提となる事実によれば,本件飲食について,被告らの間で接待者・被接待者
の関係にあったとしても,そのことを原告が了知していた事実は認められず,ま
た原告及び被告ら間で本件飲食代金を被告Cのみが負担するとの合意があっ
たとは認められないので,本件飲食を共同した被告ら間で本件飲食代金債務を
連帯して支払う旨の黙示の合意があったものと推認され,被告Bは,本件飲食
代金債務を連帯して負担するものと解される。
3 以上によれば,原告の被告らに対する請求はいずれも理由があり,被告Bの主張
は失当であるので,主文のとおりの判決をする。
     東京簡易裁判所民事第1室
          裁 判 官芹   澤     薫

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