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平成16年()第8508号損害賠償等請求事件ワ
口頭弁論終結日平成18年1月30日
判決
原告有限会社三輪サイエンス研究所
同訴訟代理人弁護士平尾正樹
同訴訟代理人弁理士佐藤辰彦
同鷺健志
被告三洋電機株式会社
同訴訟代理人弁護士村林隆一
同松本司
同岩坪哲
同井上裕史
主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
被告は,原告に対し,1億円及びこれに対する平成16年4月27日から支
払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要
本件は,還流式電気掃除機に関する特許権を有する原告が,別紙物件目録記
載1ないし6の各製品(以下,同目録中の番号に従って「被告製品1」ないし
「被告製品6」という)が当該特許権の特許請求の範囲請求項1及び2の発。
明の技術的範囲に属するとして,被告に対し,平成11年9月1日から当該特
許権の設定の登録の日である平成14年8月23日までの間の被告製品1ない
し3の製造及び販売について,特許法65条1項に基づき,一部請求として,
補償金の支払を求めるとともに,当該特許権の設定の登録の日の翌日である同
月24日から平成16年2月29日までの間の被告製品3ないし6の製造及び
販売について,民法709条に基づき,一部請求として,当該特許権の侵害に
よる損害(遅延損害金を含む)の賠償を求めた事案である。。
1前提となる事実(括弧内に証拠を掲示したもの以外は,当事者間に争いがな
い)。
(1)当事者
原告は,特許権・著作権の取得・保有・運用及びこれらに付帯する事業を
目的とする資本金1000万円の有限会社である。
被告は,資本金約1700億円の我が国の大手家電総合メーカーである。
(2)原告の特許権
原告は,次の特許権(以下「本件特許権」といい,特許請求の範囲請求項
1の特許発明を本件発明1と特許請求の範囲請求項2の特許発明を本「」,「
件発明2」といい,本件発明1と本件発明2を併せて「本件発明」といい,
本件特許権に係る特許を「本件特許」という。また,その明細書(甲2。別
紙特許公報参照)を「本件明細書」という)を有している(甲1,2。。。)
発明の名称還流式電気掃除機
特許番号第3343244号
出願年月日平成7年11月1日(平成7年7月31日の日本国における
特許出願に基づく優先権主張。以下,優先権主張の基礎とな
る日本国における特許出願の出願日を「本件優先権主張日」
という)。
出願番号特願2000-396677
登録年月日平成14年8月23日
特許請求の範囲請求項1
「ゴミを吸引する吸引口を備える掃除ヘッドと,ゴミのフィルタと,
フィルタの後方に配置されるファンモータと,掃除ヘッドからフィルタ
に至る吸引流路とを備え,前記ファンの出力流量の少なくとも一部を掃
除ヘッドに備えたジェット部に還流する還流式電機掃除機において,
前記ファンの出力流量を二分して,ファンよりモータ部入口への中間
に設けた出力孔から前記ジェット部に還流する還流流路と,前記モータ
内部を通過して外部に開口するモータ冷却用流路とに分流することを特
徴とする還流式電気掃除機」。
特許請求の範囲請求項2
「前記モータ冷却用流路は前記ファンモータを収納するハウジング内
部に形成され,該ハウジングの出口孔(508)から外気に連通し,前
記還流流路は前記ハウジングのファンとモータの間に開口する出口孔
(507)に連通することを特徴とする請求項1記載の還流式電気掃除
機」。
(3)構成要件の分説
ア本件発明1は,次の構成要件に分説することができる(以下,分説した
各構成要件をその符号に従い「構成要件A」のように表記する。。)
Aゴミを吸引する吸引口を備える掃除ヘッドと,ゴミのフィルタと,フ
ィルタの後方に配置されるファンモータと,掃除ヘッドからフィルタに
至る吸引流路とを備え,前記ファンの出力流量の少なくとも一部を掃除
ヘッドに備えたジェット部に還流する還流式電機掃除機において,
B前記ファンの出力流量を二分して,ファンよりモータ部入口への中間
に設けた出力孔から前記ジェット部に還流する還流流路と,
C前記モータ内部を通過して外部に開口するモータ冷却用流路とに分流
することを特徴とする
D還流式電気掃除機。
イ本件発明2は,次の構成要件に分説することができる(以下,分説した
各構成要件をその符号に従い「構成要件E」のように表記する。。)
E前記モータ冷却用流路は前記ファンモータを収納するハウジング内部
に形成され,該ハウジングの出口孔(508)から外気に連通し,
F前記還流流路は前記ハウジングのファンとモータの間に開口する出口
孔(507)に連通することを特徴とする
G請求項1記載の還流式電気掃除機。
(4)出願経過
本件特許の出願経過は,次のとおりである。
ア当初の出願(特願平7-195168)
平成7年7月31日特許出願(甲3。以下「本件基礎出願」とい
う)。
イ本件基礎出願に基づく出願(特願平7-285309)
平成7年11月1日本件基礎出願に基づく国内優先権(特許法4
1条)を主張する特許出願(以下「本件原出
願」という)。
平成9年4月15日出願公開(甲4)
ウ本件特許
平成12年12月27日本件原出願から分割出願(以下「本件分割出
願」という)。
平成13年7月31日出願公開(甲6)
平成14年8月23日設定登録(甲1,2)
(5)被告の行為
被告は,被告製品1を製造し,平成11年9月1日,被告製品1の販売を
開始した。
被告は,被告製品2を製造し,平成12年9月1日,被告製品2の販売を
開始した。
被告は,被告製品3を製造し,平成13年9月1日,被告製品3の販売を
開始した。
被告は,被告製品4を製造し,平成14年9月1日,被告製品4の販売を
開始した。
被告は,被告製品5及び6を製造し,平成15年9月1日,被告製品5及
び6の販売を開始した。
(6)無効審判事件等
ア被告は平成16年9月2日本件特許につき無効審判を請求した無,,,(
効2004-80136(乙5,11。))
上記無効審判事件について,平成17年4月6日,本件特許を無効とす
る旨の審決がされた(乙11。)
イ原告は,平成17年5月18日,知的財産高等裁判所に対し,上記審決
について,審決取消しの訴えを提起した。
ウ原告は,平成17年6月13日,本件特許について,訂正審判を請求し
た。
エ知的財産高等裁判所は,平成17年7月12日,上記審決取消請求事件
について,特許法181条2項の規定により,審決を取り消す旨の決定を
した(甲54。)
オ特許庁審判長は,平成17年7月27日,特許法134条の3第2項の
規定により,訂正を請求するための期間を指定し,原告は,同期間内に,
,,同年8月8日付訂正請求書により同法134条の2第1項の規定により
特許請求の範囲請求項1を次のとおり訂正することを含む本件明細書の訂
正を請求した(甲55,56。訂正部分には下線を付してある。以下,訂
正後の特許請求の範囲請求項1記載の発明を「訂正後の本件発明1」と,
「」,訂正後の特許請求の範囲請求項2の発明を訂正後の本件発明2といい
訂正後の本件発明1と訂正後の本件発明2を併せて「訂正後の本件発明」
という。。)
「ゴミを吸引する吸引口を備える掃除ヘッドと,ゴミのフィルタと,
フィルタの後方に配置されるファンモータと,掃除ヘッドからフィルタ
に至る吸引流路とを備え,前記ファンの出力流量の少なくとも一部を掃
除ヘッドに備えたジェット部に還流する還流式電機掃除機において,前
記ファンの出力流量をモータ内部を通過しない直接出力流とモータ内部
を通過する冷却出力流との二つに分流して,前記直接出力流の全てをフ
ァンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還
流する還流流路に出力すると共に,前記冷却出力流を前記モータ内部を
通過して外部に開口するモータ冷却用流路に出力することを特徴とする
還流式電気掃除機」。
,,,カ上記無効審判事件について平成17年11月16日上記訂正を認め
本件特許を無効とする旨の審決がされた(乙20。)
2争点
(1)被告製品1ないし3に係る補償金請求の成否
(2)被告製品3は,本件発明の技術的範囲に属するか。
(3)被告製品4は,本件発明の技術的範囲に属するか。
(4)被告製品5は,本件発明の技術的範囲に属するか。
(5)被告製品6は,本件発明の技術的範囲に属するか。
(6)本件特許(請求項1及び2に係る部分に限る)は,特許無効審判に。
より無効にされるべきものか。
ア本件特許(請求項1及び2に係る部分に限る)は,特許法36条に違。
反するか。
イ本件発明は,進歩性を欠くか。
ウ本件分割出願は,本件原出願の出願当初の明細書又は願書に添付した図
面に記載した事項の範囲内でない事項を含むものとして,出願日が分割出
願の日である平成12年12月27日となるか。
(7)補償金請求権の額
(8)損害の発生の有無及びその額
3争点に関する当事者の主張
(1)争点(1(補償金請求の成否)について)
(原告の主張)
ア補償金請求の要件
特許法65条1項後段の補償金請求権の発生要件は,①実施発明が,出
願公開がされた特許出願に係る発明と同一であること,②出願公開がされ
た特許出願に係る発明の実施であること,③実施者が,出願公開がされた
特許出願に係る発明であることを知っていたこと,④出願公開された特許
出願に係る発明について特許権の設定の登録があったことである。
本件では,上記「出願公開」とは,本件原出願の出願公開を指すものと
解すべきである。すなわち,本件では,本件基礎出願の請求項20におい
て本件発明を記載し,本件基礎出願の国内優先権を主張して,同出願の請
求項20と全く同一の請求項を含む本件原出願を行い,本件原出願が出願
公開され,その後本件原出願から本件特許発明を分割して本件分割出願を
し,本件分割出願が出願公開された後,本件分割出願に係る本件発明につ
いて特許権の設定の登録がされたのであるから,本件発明は,本件原出願
の出願公開によって公開されたと解されるのである。
なお,被告は,上記「出願公開」について,本件分割出願の出願公開を
指すと主張するが,以下の理由から,同主張は失当である。
①特許法65条1項後段は「出願公開がされた特許出願に係る発明」,
と規定しているのみであるから,文理上は,実施する発明が出願公開が
された発明であれば十分である。
②補償金請求権は,昭和45年に出願の早期公開制度が導入された代償
として,発明の模倣の危険から出願人を保護するために設けられた制度
であるところ,本件発明が模倣の危険にさらされたのは,本件原出願の
出願公開時である。
③出願公開制度は,早期権利化,特許管理上の有用性等の観点から,特
許法で認められた制度である。そして,出願分割制度を利用した者が,
出願公開制度の代償である補償金請求権において不利に扱われるとする
法律上の根拠はなく,その実質的根拠もない。
(「」イ本件原出願の特許請求の範囲請求項20の発明以下本件原出願発明
という)。
()特許請求の範囲の記載ア
本件原出願の特許請求の範囲請求項20には,次のとおりの記載があ
る。
「ファンモータとして吸込口から吸込まれた仕事流が直列的にモータ
内部を通過してモータを冷却するダイレクト型ファンモータを使用し,
そのファン出力流量を2分する如く,ファン出力よりモータ部入口への
中間にファン出力孔を設けて得られるファン直接出力流とモータ経由の
モータ冷却に利用した冷却出力流とを設け,還流放出気流は該冷却出力
流から採られ,還流利用流は主としてファン直接出力流及び必要に応じ
冷却出力流の一部を加えて利用される如くされた還流式掃除機及びその
ファンモータ」。
()構成要件の分説イ
本件原出願発明は,次の構成要件に分説することができる(以下,分
「」。)。説した各構成要件をその符号に従い構成要件Pのように表記する
Pファンモータとして吸込口から吸込まれた仕事流が直列的にモータ
内部を通過してモータを冷却するダイレクト型ファンモータを使用
し,
Qそのファン出力流量を2分する如く,ファン出力よりモータ部入口
への中間にファン出力孔を設けて得られるファン直接出力流とモータ
経由のモータ冷却に利用した冷却出力流とを設け,
R還流放出気流は該冷却出力流から採られ,
S還流利用流は主としてファン直接流及び必要に応じ冷却出力流の一
部を加えて利用される如くされた
T還流式掃除機及びそのファンモータ。
ウ本件原出願発明と本件発明1との比較
本件発明1の構成要件Aの「ファンモータ」は,本件明細書の【001
6】欄に「分流ダイレクトファンモータは,在来のダイレクトファンモー
タに図2Bに示すようにファンモータのハウジングに複数ケの孔507を
設けるだけであるから,構造の簡易性・安価性は全く従来の掃除機と変ら
ない」と記載されているように,在来のダイレクトファンモータを使用。
することを前提とすることは明らかであるから,本件発明1は,本件原出
願発明の構成要件Pを実質上充足している。
また,本件発明1の構成要件AないしCは,本件原出願発明の構成要件
QないしTを実質上充足している。
したがって,本件発明1は,本件原出願発明の内容と同一であるか,又
は少なくとも減縮したものである。
エ出願公開された本件分割出願の特許請求の範囲請求項1の発明以下本(「
件分割出願発明」という)。
本件分割出願発明は,次の構成要件に分説することができる(以下,分
説した各構成要件をその符号に従い「構成要件X」のように表記する。。)
Xゴミを吸引する吸引口を備える掃除ヘッドと,ゴミのフィルターと,
フィルタの後方に配置されるファンモータと,掃除ヘッドからフィルタ
ーに至る吸引流路とを備え,前記ファンの気流の少なくとも一部を掃除
ヘッドに備えたジェット部に還流する還流式電気掃除機において,
Yファンの気流を前記ジェット部に還流する還流流路とモータ内部を通
過して外部に開口するモータ冷却用流路とに分流することを特徴とする
Z還流式電気掃除機。
オ被告製品1
()被告製品1と本件原出願発明ア
a被告製品1の構成
⒜被告製品1の具体的構成は,別紙原告主張被告製品1説明書のと
おりである。
⒝被告製品1の構成は,本件原出願発明の各構成要件に対応させる
と,次のとおりとなる。
pファンモータ(5)として,吸込孔(11a)からハウジング
(11)内へ吸込まれた空気流がファン(12)からモータ部入
口孔(11d)を経てモータ外殻(11b)内部を通過してモー
タを冷却するダイレクト型ファンモータを使用し,
qそのファン(12)の出力流量を2分するように,ファン(1
2)よりモータ部入口孔(11d)への中間にファンカバーの周
側面の出口孔(11c)及び後端面の出口孔(11f)を設けて
得られるファン直接出力流と,モータ経由のモータ冷却に利用し
た冷却出力流とを設け,
r還流させずに車輪部(7)の排気口(7e)から外部へ放出す
る気流は該冷却出力流から採られ,
s還流させる空気流はファン直接流を利用した
t還流式掃除機及びそのファンモータ(5。)
b本件原出願発明と被告製品1との対比
上記a⒝の被告製品1の構成pないしtは,本件原出願発明の構成
要件PないしTをそれぞれ充足する。
,,。したがって被告製品1は本件原出願発明の技術的範囲に属する
()被告製品1と本件分割出願発明イ
a被告製品1の構成
被告製品1の構成は,本件分割出願発明の各構成要件に対応させる
と,次のとおりとなる。
x1ゴミを吸引する吸引口(30)を備える掃除ヘッド(2)と,
ゴミのフィルター(4)と,フィルタの後方に配置されるファンモ
ータ5と掃除ヘッド2からパイプ3b及びホース3(),()()(
a)の各吸引路を経てフィルター(4)に至る吸引流路とを備え,
前記ファンモータ(5)のファン(12)の気流の少なくとも一部
を掃除ヘッド(2)に備えた噴出部(ジェット部(27)に還流)
する還流式電気掃除機において,
y1前記ファン(12)の気流を,ファン(12)からモータ部入
口孔(11d)までの中間のファンカバー(11a)の周側面に設
けられたファンカバー出口孔(11c)及び後端面に設けられたフ
ァンカバー出口孔(11f)からハウジング外部へ流出して前記ジ
(),()ェット部27に還流する還流流路とモータ部入口孔11d
からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部を通過冷却して
モータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出するモータ冷
却用流路とに分流する
z1還流式電気掃除機。
b本件分割出願発明と被告製品1との対比
上記aの被告製品1の構成x1ないしz1は,本件分割出願発明の
構成要件XないしZをそれぞれ充足する。
したがって,被告製品1は,本件分割出願発明の技術的範囲に属す
る。
()被告製品1と本件発明ウ
a被告製品1の具体的構成
⒜被告製品1の構成は,本件発明1の各構成要件に対応させると,
次のとおりとなる。
aゴミを吸引する吸引口(30)を備える掃除ヘッド(2)と,
通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フィルタ(4)の後
方に配置されるファンモータ(5)と,掃除ヘッド(2)からパ
イプ(3b)及びホース(3a)内部の各吸引管を経てフィルタ
(4)に至る吸引経路とを備え,
(),ファン12により排出される出力流量の少なくとも一部を
ファンカバー(11a)の周側面の出口孔(11c)及び後端面
の出口孔(11f)から,ファンモータケース(10)内部の還
流流路(10c,還流流路部材(8a,ホース(3a)及び))
パイプ(3b)内部の各還流管,掃除ヘッド(1)内の通路(2
4c,25c,2c)を経て,掃除ヘッド(2)に備えた空気流
を噴出するジェット部(27)に還流する還流式電気掃除機にお
いて,
b前記ファン(12)の出力流量はハウジング(11)内部にお
いて,ファン(12)よりモータ部入口孔(11d)への中間に
設けたファンカバー出口孔(11c,11f)からハウジング外
部に流出して前記ジェット部(27)に還流する還流流路と,
c前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過してモー
タ外殻出口孔(11e)からハウジング外部へ流出して車輪部
(7)の排気口(7e)において掃除機外部に開口するモータ冷
却用流路とに分流する
d還流式電気掃除機。
⒝被告製品1の構成は,本件発明2の各構成要件に対応させると,
次のとおりとなる。
e前記モータ冷却用流路は,前記ファンモータ(5)を収納する
ハウジング(11)内部に形成され,該ハウジング(11)のモ
ータ外殻(11b)の出口孔(11e)から外気に連通し,
f前記還流流路は前記ハウジング(11)のファン(12)とモ
ータ部入口(11d)との間において開口するファンカバーの周
側面の出口孔(11c)及び後端面の出口孔(11f)に連通す
る,
g前記構成aないしdを備える還流式電気掃除機。
b被告製品1の作用効果
⒜被告製品1は,上記aの構成により,ファンの出力する気流の一
部が前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過冷却して
掃除機外部に放出され,ファンカバー出口孔(11c,11f)か
ら出力される気流がモータ内部を通過せずに還流されるので,ファ
ンモータの過熱が防止される。
,(,⒝また従来のファンモータのファンカバーに前記出口孔11c
11f)を設けるとのわずかな改良で,ファンモータの過熱が防止
できる。
c本件発明1と被告製品1との対比
⒜上記a⒜の被告製品1の構成aないしdは,本件発明1の構成要
件AないしDをそれぞれ充足する。
また,上記b⒜の被告製品1の作用効果は,本件発明1の作用効
果と同一である。
したがって,被告製品1は,本件発明1の技術的範囲に属する。
⒝「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する(構成」
要件A)
被告は,構成要件Aの「ファンの出力流量の少なくとも一部を・
・・還流する」とは,本件発明1の構成要件を採用せず,ファンモ
ータの冷却に用いられた気流のみを還流に用いた場合,ファンモー
タが過熱してしまう程度の還流率を採用しているものに限定して解
釈されるべきであると主張する。
しかし,本件発明1の発明者は,本件優先権主張日当時,還流式
電気掃除機においては,主としてヘッド外周部下端と床面との間隙
によって定まる還流率が単なる設計値にすぎず,実際に掃除機を使
用する場合の床面の状態などの掃除条件によって還流率が異なるこ
とを,既に認識していた。本件発明1は,掃除条件による還流率の
高低にかかわらず,ファンモータの過熱を防止できる還流式電気掃
除機を提供することを目的としたものである。
そして,この目的を達成するため,本件発明1は,構成要件Aの
還流式電気掃除機において,構成要件B及びCの構成を採用し,こ
の構成により,ファンの出力流量がファンからモータ部入口までの
中間で二分され,一方の気流がモータ内部を通過して外部に開口す
るモータ冷却用流路に分流されて,ファンモータの冷却を行って外
部に放出されるとともに,他方の気流がモータ内部を通過せずにジ
ェット部に還流する還流流路に分流されて,モータの熱が加わらず
に還流されるので,ファンモータの過熱を防止できるという作用効
果を奏するものである。
したがって,本件発明1の構成要件Aの「ファンの出力流量の少
なくとも一部を・・・還流する」を,ファンモータの冷却に用いら
れた気流のみを還流に用いるとファンモータが過熱してしまう程度
の「高い還流率」を採用しているものに限定解釈することには,理
由がない。
⒞「ジェット部(構成要件A)」
被告は,構成要件Aの「ジェット部」の意味について,本件明細
書の図1によれば,流路断面を絞って還流を掃除床面に直接勢いよ
く吹き出す構成であると主張する。
しかし,本件明細書の図1に開示されたものは,本件発明1の1
つの実施例にすぎず「ジェット部」を図1に開示された実施例の,
,。,構成に限定すべきとする記載は本件明細書には存在しないまた
本件明細書には,図1に開示されたジェット部について,流路断面
を絞って還流を掃除床面に直接勢いよく吹き出す構成である旨を述
べた記載はなく,図面から見ても,その構成は読み取れない。
他方「ジェット」とは,一般に「孔口から流体が連続的に噴,,
出する形態。また,その噴出物。噴流」の意味である。そして,。
本件明細書には,図1に開示されたジェット部について「ジェッ,
ト部7の下端のジェット噴出口4(4欄45ないし46行「ジ」),
ェットの噴出口4からの噴出気流(4欄50行)と記載されてい」
る。
したがって,本件発明1の「ジェット部」とは,掃除ヘッドに還
流された空気流を噴出する孔口を備える構成であれば足りると解す
べきである。
そして,被告製品1では,左右のスリット上の噴出部(案内部)
(27)が,掃除ヘッド(2)に還流された空気流を噴出する孔口
を備えており,この噴出部(案内部(27)から,掃除ヘッドに)
還流された排気が噴出されることは明らかである。したがって,被
告製品1の噴出部(案内部(27)は,構成要件Aの「ジェット)
部」に該当する。
⒟「ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔(構成要件」
B)
被告は,被告製品1のケースに設けた穴は,加工時の位置決めの
,,ためやファンの仕事率の向上のために設けられたものであるから
構成要件Bの「出力孔」には該当しないと主張する。
しかし,被告製品1のファンカバーの後端面に設けられたファン
カバー出口孔(小孔)は,いずれも,ファン(12)からモータ部
入口孔(11d)までの中間に設けられており,かつ,実際に,フ
ァンカバー(11a)の内部に流入した空気流がモータ内部を通過
せずに外部へ流出する出口となっている。
したがって,被告製品1のファンカバーの後端面に設けたファン
カバー出口孔(小孔)は,いずれも,構成要件Bの「出力孔」に該
当する。
d本件発明2と被告製品1との対比
上記a⒝の被告製品1の構成eないしgは,本件発明2の構成要件
EないしGをそれぞれ充足する。
また,上記b⒝の被告製品1の作用効果は,本件発明2の作用効果
と同一である。
したがって,被告製品1は,本件発明2の技術的範囲に属する。
()被告製品1と訂正後の本件発明エ
a訂正後の本件発明
原告は,上記1(6)オのとおり,無効審判事件において,本件発
明に係る特許請求の範囲を訂正する旨の訂正の請求をした。
訂正後の本件発明1は,次の構成要件に分説することができる(以
下,分説した各構成要件をその符号に従い「構成要件A」のように’
表記する。。)
A’ゴミを吸引する吸引口を備える掃除ヘッドと,ゴミのフィルタ
と,フィルタの後方に配置されるファンモータと,掃除ヘッドから
フィルタに至る吸引流路とを備え,前記ファンの出力流量の少なく
とも一部を掃除ヘッドに備えたジェット部に還流する還流式電機掃
除機において,
B’前記ファンの出力流量をモータ内部を通過しない直接出力流と
モータ内部を通過する冷却出力流との二つに分流して,
C’前記直接出力流の全てをファンよりモータ部入口への中間に設
けた出力孔から前記ジェット部に還流する還流流路に出力すると共
に,
D’前記冷却出力流を前記モータ内部を通過して外部に開口するモ
ータ冷却用流路に出力することを特徴とする
E’還流式電気掃除機。
訂正後の本件発明2は,次の構成要件に分説することができる(以
下,分説した各構成要件をその符号に従い「構成要件F」のように’
表記する。。)
F’前記モータ冷却用流路は前記ファンモータを収納するハウジン
グ内部に形成され,該ハウジングの出口孔(508)から外気に連
通し,
G’前記還流流路は前記ハウジングのファンとモータの間に開口す
る出口孔(507)に連通することを特徴とする
H’請求項1記載の還流式電気掃除機。
b被告製品1の構成
⒜被告製品1の構成は,訂正後の本件発明1の各構成要件に対応さ
せると,次のとおりとなる。
’()(),aゴミを吸引する吸引口30を備える掃除ヘッド2と
通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フィルタ(4)の後
方に配置されるファンモータ(5)と,掃除ヘッド(2)からパ
イプ(3b)及びホース(3a)内部の各吸引路を経てフィルタ
(4)に至る吸引流路とを備え,
(),ファン12により排出される出力流量の少なくとも一部を
ファンカバー(11a)の周側面の出口孔(11c)及び後端面
の出口孔(11f)から,ファンモータケース(10)内部の還
流流路(10c,還流流路部材(8a,ホース(3a)及び))
パイプ3b内部の各還流路掃除ヘッド1内の還流路2(),()(
4c,25c,2c)を経て,掃除ヘッド(2)に備えた空気流
を噴出するジェット部(27)に還流する還流式電気掃除機にお
いて,
b’前記ファン(12)の出力流量はハウジング(11)内部に
おいて,モータ内部を通過しない直接出力流と,モータ内部を通
過する冷却出力流との二つに分流され,
c直接出力流の全てはファン12よりモータ部入口孔1’,()(
1d)への中間に設けたファンカバー出口孔(11c,11f)
からハウジング外部に流出して,ファンカバー(11a)と収納
ケース(10)内面及び該内面に立設された隔壁(20)との間
に形成される前部空間(10c)を通って,収納ケース(10)
(),()の底部に形成された出力口21から前記ジェット部27
に還流する還流流路に出力され,
d’冷却出力流は,前記モータ部入口孔(11d)からモータ内
部を通過してモータ外殻出力孔(11e)からハウジング外部へ
流出して車輪部(7)の排気口(7e)において掃除機外部に開
口するモータ冷却用流路に出力される,
e’還流式電気掃除機。
⒝被告製品1の構成は,訂正後の本件発明2の各構成要件に対応さ
せると,次のとおりとなる。
f’前記モータ冷却用流路は,前記ファンモータ(5)を収納す
るハウジング(11)内部に形成され,該ハウジング(11)の
モータ外殻(11b)の出口孔(11e)から外気に連通し,
g’前記還流流路は前記ハウジング(11)のファン(12)と
モータ部入口(11d)との間において開口するファンカバーの
周側面の出口孔(11c)及び後端面の出口孔(11f)に連通
する,
h’前記構成a’ないしe’を備える還流式電気掃除機。
c訂正後の本件発明1と被告製品1との対比
上記b⒜の被告製品1の構成a’ないしe’は,訂正後の本件発明
1の構成要件A’ないしE’をそれぞれ充足する。
また,上記()b⒜の被告製品1の作用効果は,訂正後の本件発明ウ
1の作用効果と同一である。
したがって,被告製品1は,訂正後の本件発明1の技術的範囲に属
する。
d訂正後の本件発明2と被告製品1との対比
上記b⒝の被告製品1の構成f’ないしh’は,訂正後の本件発明
2の構成要件F’ないしH’をそれぞれ充足する。
また,上記()b⒝の被告製品1の作用効果は,訂正後の本件発明ウ
2の作用効果と同一である。
したがって,被告製品1は,訂正後の本件発明2の技術的範囲に属
する。
カ被告製品2
()被告製品2と本件原出願発明ア
a被告製品2の構成
⒜被告製品2の具体的構成は,別紙原告主張被告製品2説明書のと
おりである。
⒝被告製品2の構成は,本件原出願発明の各構成要件に対応させる
と,次のとおりとなる。
pファンモータ(5)として,吸込孔(11a)からハウジング
(11)内へ吸込まれた空気流がファン(12)からモータ部入
口孔(11d)を経てモータ外殻(11b)内部を通過してモー
タを冷却するダイレクト型ファンモータを使用し,
qそのファン(12)の出力流量を2分するように,ファン(1
2)よりモータ部入口孔(11d)への中間にファンカバー出口
孔(11c)を設けて得られるファン直接出力流と,モータ経由
のモータ冷却に利用した冷却出力流とを設け,
r還流させずに車輪部(7)の排気口(7e)から外部へ放出す
る気流は該冷却出力流から採られ,
s還流させる空気流はファン直接流を利用した
t還流式掃除機及びそのファンモータ(5。)
b本件原出願発明と被告製品2との対比
上記a⒝の被告製品2の構成pないしtは,本件原出願発明の構成
要件PないしTをそれぞれ充足する。
,,。したがって被告製品2は本件原出願発明の技術的範囲に属する
()被告製品2と本件分割出願発明イ
a被告製品2の構成
被告製品2の構成は,本件分割出願発明の各構成要件に対応させる
と,次のとおりとなる。
x2ゴミを吸引する吸引口(30)を備える掃除ヘッド(2)と,
ゴミのフィルター(4)と,フィルタの後方に配置されるファンモ
ータ5と掃除ヘッド2からパイプ3b及びホース3(),()()(
a)の各吸引路を経てフィルター(4)に至る吸引流路とを備え,
前記ファンモータ(5)のファン(12)の気流の少なくとも一部
を掃除ヘッド(2)に備えた噴出部(ジェット部(27)に還流)
する還流式電気掃除機において,
y2前記ファン(12)の気流を,ファン(12)からモータ部入
口孔(11d)までの中間のファンカバー(11a)の後端面に設
けられたファンカバー出口孔(11c)からハウジング外部へ流出
して前記ジェット部(27)に還流する還流流路と,モータ部入口
孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部を
通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出
するモータ冷却用流路とに分流する
z2還流式電気掃除機。
b本件分割出願発明と被告製品2との対比
上記aの被告製品2の構成x2ないしz2は,本件分割出願発明の
構成要件XないしZをそれぞれ充足する。
したがって,被告製品2は,本件分割出願発明の技術的範囲に属す
る。
()被告製品2と本件発明ウ
a被告製品2の具体的構成
⒜被告製品2の構成は,本件発明1の各構成要件に対応させると,
次のとおりとなる。
aゴミを吸引する吸引口(30)を備える掃除ヘッド(2)と,
通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フィルタ(4)の後
方に配置されるファンモータ(5)と,掃除ヘッド(2)からパ
イプ(3b)及びホース(3a)内部の各吸引管を経てフィルタ
(4)に至る吸引流路とを備え,
(),ファン12により排出される出力流量の少なくとも一部を
ファンカバー(11a)後端面の出口孔(11c)から,ファン
モータケース(10)内部の還流流路(10c,還流流路部材)
(8,ホース(3a)及びパイプ(3b)内部の各還流管,掃)
除ヘッド(1)内の通路(24c,25c,2c)を経て,掃除
ヘッド(2)に備えた空気流を噴出するジェット部(27)に還
流する還流式電気掃除機において,
b前記ファン(12)の出力流量はハウジング(11)内部にお
いて,ファン(12)よりモータ部入口孔(11d)への中間に
設けたファンカバー出口孔(11c)からハウジング外部に流出
して前記ジェット部(27)に還流する還流流路と,
c前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過してモー
タ外殻出口孔(11e)からハウジング外部へ流出して車輪部
(7)の排気口(7e)において掃除機外部に開口するモータ冷
却用流路とに分流する
d還流式電気掃除機。
⒝被告製品2の構成は,本件発明2の各構成要件に対応させると,
次のとおりとなる。
e前記モータ冷却用流路は前記ファンモータ(5)を収納するハ
ウジング(11)内部に形成され,該ハウジング(11)のモー
タ外殻(11b)の出口孔(11e)から外気に連通し,
f前記還流流路は前記ハウジング(11)のファン(12)とモ
ータ部入口(11d)との間において開口するファンカバー出口
孔(11c)に連通する,
g前記構成aないしdを備える還流式電気掃除機。
b被告製品2の作用効果
⒜被告製品2は,上記aの構成により,ファンの出力する気流の一
部が前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過冷却して
掃除機外部に放出され,ファンカバー出口孔(11c)から出力さ
れる気流がモータ内部を通過せずに還流されるので,ファンモータ
の過熱が防止される。
,()⒝また従来のファンモータのファンカバーに前記出口孔11c
を設けるとのわずかな改良で,ファンモータの過熱が防止できる。
c本件発明1と被告製品2との対比
⒜上記a⒜の被告製品2の構成aないしdは,本件発明1の構成要
件AないしDをそれぞれ充足する。
また,上記b⒜の被告製品2の作用効果は,本件発明1の作用効
果と同一である。
したがって,被告製品2は,本件発明1の技術的範囲に属する。
⒝「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する(構成」
要件A)
上記オ()c⒝と同旨ウ
⒞「ジェット部(構成要件A)」
上記オ()c⒞と同旨ウ
⒟「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,」。
ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット
部に還流する還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口す
るモータ冷却用流路とに分流する)」
被告は,ファンの出力流を二分した後に合流するものは本件発明
1の構成要件AないしCを充足しないことを原告が明言していると
し,被告製品2は,ファンの出力流を二分した後に合流するもので
あるから,構成要件AないしCを充足しないと主張する。
しかし,被告が指摘する原告の特許庁審査官に対する平成14年
(,「」。)2月14日提出の意見書乙3の2以下本件意見書という
は,実願昭59-133865号(実開昭61-47964号)の
マイクロフィルムに開示された考案について,ファンの気流を分流
してモータ内外から冷却した後合流したものであるが,当該考案に
係る電気掃除機は還流式電気掃除機ではないから,還流式電気掃除
機であることを前提とする構成要件AないしCについては開示も示
唆もないとの趣旨を述べたものであり,還流式電気掃除機において
ファンの出力流を二分した後に合流するものが本件発明1の構成要
件AないしCを充足しないと明言したものではない。
被告製品2においては,ファンの出力流が,ファンよりモータ部
入口への中間に設けたファンカバー出口孔(小孔)から流出する直
接出力流と,モータ内部を通過してモータ部出口孔から流出する冷
却出力流とに分流される。そして,分流した両出力流が収納ケース
内で合流混合し,混合流の一部が掃除ヘッドの噴出部(案内部)に
還流するとともに,残部が排気口から掃除機外部へ排気される構成
になっている。
被告製品2のファンカバー出口孔(小孔)から流出した直接出力
流は,収納ケース内でモータ部出口孔からの冷却出力流に混合し,
この直接出力流を含む混合流の一部は,還流流路部材,還流路など
を経て掃除ヘッドの噴出部(案内部)へ還流される。上記混合流に
は,直接出力流が含まれており,混合流が還流される噴出部(案内
部)は「ジェット部」に該当するから,ファンカバー出口孔(小,
孔)から流出した直接出力流は掃除ヘッドのジェット部に還流して
いる。
よって,被告製品2は,構成要件Bの「ファンよりモータ部入口
への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還流する還流流路」
を充足する。
そして,本件発明1の構成要件B及びCにおいて「還流流路」,
への出力流直接出力流が還流されることは明らかであるがモ(),「
ータ冷却用流路」への出力流(冷却出力流)については,モータ内
部を通過した後に還流されることを何ら規定していないから,本件
発明1の「分流」とは,分流された「モータ冷却用流路」への出力
流(冷却出力流)がモータ内部を通過した後に還流される場合も還
流されない場合も,いずれも含むものである。
さらに,本件発明1の実施例として,本件明細書の【0015】
欄及び図2Bには,冷却出力流の一部が還流流路で直接出力流に合
流混合して還流され,冷却出力流の残りが外部へ放出されるものが
記載されているのであるから,本件発明1には,ファンの出力流量
が還流流路への出力流直接出力流と冷却用流路への出力流冷,()(
却出力流)とに分流された後,モータ内部を通過した冷却出力流が
直接出力流に合流して混合し,両者の混合流が還流されるものも含
まれることは明らかである。
したがって,被告製品2の構成,すなわち,分流した直接出力流
と冷却出力流とが合流混合し,混合流の一部が還流される構成は,
本件発明1の構成要件B及びCの「分流」の構成を備えている。
⒠「ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔(構成要件」
B)
上記オ()c⒟と同旨ウ
d本件発明2と被告製品2との対比
上記a⒝の被告製品2の構成eないしgは,本件発明2の構成要件
EないしGをそれぞれ充足する。
また,上記b⒝の被告製品2の作用効果は,本件発明2の作用効果
と同一である。
したがって,被告製品2は,本件発明2の技術的範囲に属する。
キ被告製品3
()被告製品3と本件原出願発明ア
a被告製品3の構成
⒜被告製品3の具体的構成は,別紙原告主張被告製品3説明書のと
おりである。
⒝被告製品3の構成は,本件原出願発明の各構成要件に対応させる
と,次のとおりとなる。
pファンモータ(5)として,吸込孔(11a)からハウジング
(11)内へ吸込まれた空気流がファン(12)からモータ部入
口孔(11d)を経てモータ外殻(11b)内部を通過してモー
タを冷却するダイレクト型ファンモータを使用し,
qそのファン(12)の出力流量を2分するように,ファン(1
2)よりモータ部入口孔(11d)への中間にファンカバー出口
孔(11c)を設けて得られるファン直接出力流と,モータ経由
のモータ冷却に利用した冷却出力流とを設け,
r還流させずに車輪部(7)の排気口(7e)から外部へ放出す
る気流は該冷却出力流から採られ,
s還流させる空気流はファン直接流と共に,前記冷却出力流の一
部をモータ外殻(11b)と隔壁(20)との間の隙間を通って
ファンモータケース(10)の排出口(21)へ流入させて加え
て利用するようにした
t還流式掃除機及びそのファンモータ(5。)
b本件原出願発明と被告製品3との対比
上記a⒝の被告製品3の構成pないしtは,本件原出願発明の構成
要件PないしTをそれぞれ充足する。
,,。したがって被告製品3は本件原出願発明の技術的範囲に属する
()被告製品3と本件分割出願発明イ
a被告製品3の構成
被告製品3の構成は,本件分割出願発明の各構成要件に対応させる
と,次のとおりとなる。
x3ゴミを吸引する吸引口(30)を備える掃除ヘッド(2)と,
ゴミのフィルター(4)と,フィルタの後方に配置されるファンモ
ータ5と掃除ヘッド2からパイプ3b及びホース3(),()()(
a)の各吸引路を経てフィルター(4)に至る吸引流路とを備え,
前記ファンモータ(5)のファン(12)の気流の少なくとも一部
を掃除ヘッド(2)に備えた噴出部(ジェット部(27)に還流)
する還流式電気掃除機において,
y3前記ファン(12)の気流を,ファン(12)からモータ部入
口孔(11d)までの中間のファンカバー(11a)の後端面に設
けられたファンカバー出口孔11c及びファンカバー出口孔1()(
1f)からハウジング外部へ流出して前記ジェット部(27)に還
流する還流流路と,モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(1
1b)内へ流入してモータ内部を通過冷却してモータ部出口孔(1
1e)からハウジング外部へ流出するモータ冷却用流路とに分流す

z3還流式電気掃除機。
b本件分割出願発明と被告製品3との対比
上記aの被告製品3の構成x3ないしz3は,本件分割出願発明の
構成要件XないしZをそれぞれ充足する。
したがって,被告製品3は,本件分割出願発明の技術的範囲に属す
る。
()被告製品3と本件発明ウ
a被告製品3の具体的構成
⒜被告製品3の構成は,本件発明1の各構成要件に対応させると,
次のとおりとなる。
aゴミを吸引する吸引口(30)を備える掃除ヘッド(2)と,
通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フィルタ(4)の後
方に配置されるファンモータ(5)と,掃除ヘッド(2)からパ
イプ(3b)及びホース(3a)内部の各吸引管を経てフィルタ
(4)に至る吸引流路とを備え,
(),ファン12により排出される出力流量の少なくとも一部を
ファンカバー(11a)後端面の出口孔(11c)から,ファン
モータケース(10)内部の還流流路(10c,還流流路部材)
(8,ホース(3a)及びパイプ(3b)内部の各還流管,掃)
除ヘッド(1)内の通路(24c,25c,2c)を経て,掃除
ヘッド(2)に備えた空気流を噴出するジェット部(27)に還
流する還流式電気掃除機において,
b前記ファン(12)の出力流量はハウジング(11)内部にお
いて,ファン(12)よりモータ部入口孔(11d)への中間に
設けたファンカバー出口孔(11c)からハウジング外部に流出
して前記ジェット部(27)に還流する還流流路と,
c前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過してモー
タ外殻出口孔(11e)からハウジング外部へ流出して車輪部
(7)の排気口(7e)において掃除機外部に開口するモータ冷
却用流路とに分流する
d還流式電気掃除機。
⒝被告製品3の構成は,本件発明2の各構成要件に対応させると,
次のとおりとなる。
e前記モータ冷却用流路は前記ファンモータ(5)を収納するハ
ウジング(11)内部に形成され,該ハウジング(11)のモー
タ外殻(11b)の出口孔(11e)から外気に連通し,
f前記還流流路は前記ハウジング(11)のファン(12)とモ
ータ部入口(11d)との間において開口するファンカバー出口
孔(11c)に連通する,
g前記構成aないしdを備える還流式電気掃除機。
b被告製品3の作用効果
⒜被告製品3は,上記aの構成により,ファンの出力する気流の一
部が前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過冷却して
掃除機外部に放出され,ファンカバー出口孔(11c)から出力さ
れる気流がモータ内部を通過せずに還流されるので,ファンモータ
の過熱が防止される。
,()⒝また従来のファンモータのファンカバーに前記出口孔11c
を設けるとのわずかな改良で,ファンモータの過熱が防止できる。
c本件発明1と被告製品3との対比
⒜上記a⒜の被告製品3の構成aないしdは,本件発明1の構成要
件AないしDをそれぞれ充足する。
また,上記b⒜の被告製品3の作用効果は,本件発明1の作用効
果と同一である。
したがって,被告製品3は,本件発明1の技術的範囲に属する。
⒝「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する(構成」
要件A)
上記オ()c⒝と同旨ウ
⒞「ジェット部(構成要件A)」
上記オ()c⒞と同旨ウ
⒟「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,」。
ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット
部に還流する還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口す
るモータ冷却用流路とに分流する)」
上記カ()c⒟と同旨ウ
⒠「ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔(構成要件」
B)
上記オ()c⒟と同旨ウ
d本件発明2と被告製品3との対比
上記a⒝の被告製品3の構成eないしgは,本件発明2の構成要件
EないしGをそれぞれ充足する。
また,上記b⒝の被告製品3の作用効果は,本件発明2の作用効果
と同一である。
したがって,被告製品3は,本件発明2の技術的範囲に属する。
ク出願公開がされた特許出願に係る発明であることを被告が知っていたこ
とについて
原告代表者は,平成7年8月24日及び同月25日,本件基礎出願の願
書に添付した明細書及び図面を被告に交付し,本件基礎出願に係る発明を
被告に説明して開示した。さらに,同年9月12日及び同月13日,本件
基礎出願の願書に添付した【図5】Aと同一の図を白板に描いて,被告に
その発明内容を説明した。そして,原告代表者が被告に開示した本件基礎
,。出願の特許請求の範囲請求項20の発明は本件原出願発明と同一である
したがって,被告は,遅くとも平成7年9月13日までには,本件原出
,。願発明が出願公開がされた特許出願に係る発明であることを知っていた
ケ特許権の設定の登録
被告製品1ないし3は,本件発明1の技術的範囲に属し,また,本件原
出願発明及び本件分割出願発明の技術的範囲にも属し,そして,上記ウの
とおり,本件発明1は,本件原出願発明と同一であるか,又は少なくとも
これを減縮したものであるから,本件特許権の設定の登録があったことに
より,本件原出願発明が特許権の設定の登録を受けたものといえる。
コこのように,被告は,本件原出願の出願公開後に,出願公開がされた特
許出願に係る発明であることを知って,本件発明を業として実施したもの
であるから,原告は,特許法65条1項後段に基づく補償金請求権を有す
る。
(被告の主張)
ア補償金請求の要件
特許出願の分割は「新たな特許出願」であって(特許法44条1項,,)
,。その有効性の判断及び権利行使は親出願と独立してなされるものである
よって,本件特許権に基づく補償金請求は,親出願の公開時から認められ
るものではない。
また,原告が本件特許権に基づく補償金請求権を行使できるのは,早く
とも,本件分割出願の出願公開がされた平成13年7月31日以降に,特
許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をした後である。
しかし,原告は,この点について何らの主張立証もしないから,補償金
請求権の行使の前提を欠く。
なお,原告は,親出願の公開が補償金請求権の前提となる「出願公開」
に当たると主張するが,特許法65条2項は,特許権の設定の登録を要件
としているから,出願公開された発明が,設定の登録がされた出願公開に
係る発明でなければならないことは,自明のことである。
さらに,原告は,補償金請求権は,発明の模倣の危険から出願人を保護
するための制度であるから,原出願の公開が特許法65条1項後段の「出
願公開」であると主張するが,模倣の危険を理由として安易に補償金請求
権を認めることは,発明の公開の対価としてその独占が許されている特許
権を無限定に拡大するものであり,不当である。
特許法65条が,補償金請求権の行使の時期,手段,成立要件,額の算
定,行使の効果など,すべてを規定していることにかんがみれば,補償金
請求権は,同条により創設された特別の権利であるというべきであり,同
条の要件を安易に拡大すべきではない。
イ警告がないこと
仮に,本件原出願の出願公開が特許法65条1項の「出願公開」である
としても,本件発明は,本件分割出願時にその内容が大幅に変更されてい
るから,本件原出願の出願書類を受領したにすぎない被告は,本件発明に
ついての警告を受けていない。
すなわち,本件原出願発明では,ファンモータは「吸入口から吸込ま,
れた仕事流が直列的にモータ内部を通過してモータを冷却するダイレクト
型ファンモータ」に限定していたのに対し,本件分割出願発明では,その
ような限定がなく,その技術的範囲を拡張している。また,本件原出願発
明では,ファン直接出力流は「ファン出力よりモータ部入口への中間に,
ファン出力孔を設けて得られる」ものに限定していたのに対し,本件分割
出願発明では,そのような限定がなく,その技術的範囲を拡張している。
さらに,本件原出願発明では,還流利用流は「主としてファン直接出力,
流及び必要に応じ冷却出力流の一部を加えて利用される」ものに限定して
いたのに対し,本件分割出願発明では,そのような限定がなく,その技術
的範囲を拡張している。
このように,特許請求の範囲を拡張し,又は変更した場合において,補
償金請求権を行使するためには,拡張し,又は変更された後の分割出願に
係る特許請求の範囲を,改めて被告に知らせる必要があり,これを怠った
原告は,補償金請求を行うための「警告」の要件を欠く。
ウ被告製品1
()被告製品1の具体的構成ア
被告製品1の具体的構成は,別紙被告主張被告製品1説明書のとおり
である。
()「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する(構成要イ」
件A)
本件発明1の作用効果は,還流式電気掃除機のファンモータの過熱を
防止することにある。すなわち,ファンモータの冷却に用いられた気流
のみを還流に用いた場合,高い還流率を採用しているためファンモータ
が過熱してしまう還流式電気掃除機において,気流をモータ部入口で二
分して,還流にはファンモータの冷却に使用されていない気流を利用す
ることにより,ファンモータの過熱を防止するものである。
よって,構成要件Aの「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・
還流する」とは,本件発明1の構成要件を採用せず,ファンモータの冷
却に用いられた気流のみを還流に用いた場合,ファンモータが過熱して
しまう程度の還流率を採用しているものに限定して解釈されるべきであ
る。
これに対し,被告製品1は,高い還流率で稼働していないから,還流
によるモータの過熱という問題をそもそも有していない。被告製品1の
ファンカバーの小孔(以下「漏れ孔」という)をふさぎ,モータ冷却。
,,流のみを還流としてもモータ巻線温度・循環流温度・機器外皮温度は
ほとんど変化しない。
なお,被告製品1の漏れ孔は,後記()のとおり,加工時の位置決めエ
のためや,ファンの仕事率の向上のために設けられたものである。
よって,被告製品1は,本件発明1の「ファンの出力流量の少なくと
も一部を・・・還流する」を充足しない。
()「ジェット部(構成要件A)ウ」
「ジェット部」については,本件明細書に何ら定義はなく,本件明細
書の図1に開示されているのみである。同図によれば「ジェット部」,
とは,流路断面を絞って還流を掃除床面に直接勢いよく吹き出す構成で
ある。
また「ジェット」とは「ジェット気流」や「ジェットエンジン」,,
などと同様に,英語の「Jet」を意味するものであることは一義的に
明確であり「Jet」とは,小孔からの急速な気流の流れを意味する,
から,本件発明1の「ジェット部」とは,急速な気流の流れを生じ得る
構成の孔口を意味するもの,換言すれば,流路の断面積を減少させて当
該流路を通過する気流の速度を増す構成を意味することは明白である。
これに対し,被告製品1は,流路の絞り込みがなく,勢いよく吹き出
す構造になっていない上,還流は,回転ブラシに吹き付け,掃除床面に
吹き出す構成となっていない。
したがって,被告製品1には「ジェット部」が存在しない。,
「」()()ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔構成要件Bエ
被告製品1の漏れ孔は,加工時の位置決めのためや,ファンの仕事率
の向上のために設けられたものであり「出力孔」には該当しない。本,
件発明1の「出力孔」に該当するためには,本件発明1の作用効果を奏
する程度の外径が必要であり,被告製品1の漏れ孔は,これに該当しな
い。
()したがって,被告製品1は,本件発明の技術的範囲に属しない。オ
()また,上記()ないし()のとおりであるから,被告製品1は,訂カイエ
正後の本件発明の技術的範囲にも属しない。
エ被告製品2
()被告製品2の具体的構成ア
被告製品2の具体的構成は,別紙被告主張被告製品2説明書のとおり
である。
()「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する(構成要イ」
件A)
上記ウ()と同旨(被告製品2のファンカバーの小孔が「漏れ孔」にイ
該当する)。
()「ジェット部(構成要件A)ウ」
上記ウ()と同旨ウ
()「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,フエ」。
ァンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還
流する還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口するモータ冷
却用流路とに分流する)」
a原告は,本件意見書(乙3の2)において,次のとおり,ファンの
出力流を二分した後に合流するものは,本件発明1の構成要件Aない
しCを充足しないことを明言している。
「引例6は,電気掃除機のファンモータのファン吸気をファンケー
スとモーターハウジングに夫々形成された排気口に分流する構造を開
示している。これらの分流はモータを内外から冷却した後合流するも
ので,本願構成要件A,B,Cについては開示も示唆もない(3。」
頁23ないし26行)
,,,これに対し被告製品2はファンの出力流を二分した後に合流し
その一部を還流とするとともに,残部を排気する構成となっているか
ら,本件発明1の構成要件AないしCを充足しない。
b原告は,本件発明1には,ファンの出力流量が,還流流路への出力
流(直接出力流)と冷却用流路への出力流(冷却出力流)とに分流さ
れた後,モータ内部を通過した冷却出力流が直接出力流に合流して混
合し,両者の混合流が還流されるものも含まれると主張する。
しかし,本件発明1は,ファンの出力流を,ファンモータで加熱さ
れず温度上昇のない直接出力流と,ファンモータで加熱され温度上昇
する冷却出力流とに二分し,温度の高い冷却出力流の全部又は大部分
を直接外部に放出することで,還流の温度上昇を防止するという作用
効果を奏するものである。
そして,直接出力流と冷却出力流を,還流と排気流に分ける前に,
混合流として一体にした場合,当該混合流は,直接出力流がない場合
の冷却出力流の温度と同一になるから,ファンの出力流の一部を分流
し,ファンモータの冷却に使用せずに温度上昇を防いだ意味がなくな
ってしまい,本件発明1の作用効果を奏する余地はない。
したがって,本件発明1には,モータ内部を通過した冷却出力流が
直接出力流に合流して混合し,両者の混合流が還流される構成が含ま
れないことは明らかである。
したがって,被告製品2は,本件発明の技術的範囲に属しない。
「」()()ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔構成要件Bオ
上記ウ()と同旨エ
()したがって,被告製品2は,本件発明の技術的範囲に属しない。カ
オ被告製品3
()被告製品3の具体的構成ア
被告製品3の具体的構成は,別紙被告主張被告製品3説明書のとおり
である。
()「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する(構成要イ」
件A)
上記ウ()と同旨(被告製品3のファンカバーの小孔が「漏れ孔」にイ
該当する)。
()「ジェット部(構成要件A)ウ」
上記ウ()と同旨ウ
()「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,フエ」。
ァンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還
流する還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口するモータ冷
却用流路とに分流する)」
上記エ()と同旨エ
「」()()ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔構成要件Bオ
上記ウ()と同旨エ
()したがって,被告製品3は,本件発明の技術的範囲に属しない。カ
(2)争点(2(被告製品3は,本件発明の技術的範囲に属するか)に)。
ついて
(原告の主張)
上記(1)の「原告の主張」キ()と同旨()ウ
(被告の主張)
上記(1)の「被告の主張」オと同旨()
(3)争点(3(被告製品4は,本件発明の技術的範囲に属するか)に)。
ついて
(原告の主張)
ア被告製品4の具体的構成
()被告製品4の具体的構成は,別紙原告主張被告製品4説明書のとおア
りである。
()被告製品4の構成は,本件発明1の各構成要件に対応させると,次イ
のとおりとなる。
aゴミを吸引する吸引口(30)を備える掃除ヘッド(2)と,通気
性紙パックからなるフィルタ(4)と,フィルタ(4)の後方に配置
されるファンモータ(5)と,掃除ヘッド(2)からパイプ(3b)
及びホース(3a)内部の各吸引管を経てフィルタ(4)に至る吸引
流路とを備え,
ファン(12)により排出される出力流量の少なくとも一部を,フ
ァンカバー(11a)後端面の出口孔(11c)から,ファンモータ
ケース(10)内部の還流流路(10c,還流流路部材(8,ホ))
ース(3a)及びパイプ(3b)内部の各還流管,掃除ヘッド(1)
内の通路(24c,25c,2c)を経て,掃除ヘッド(2)に備え
た空気流を噴出するジェット部(27a,27b)に還流する還流式
電気掃除機において,
()(),b前記ファン12の出力流量はハウジング11内部において
ファン(12)よりモータ部入口孔(11d)への中間に設けたファ
ンカバー出口孔(11c)からハウジング外部に流出して前記ジェッ
ト部(27)に還流する還流流路と,
c前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過してモータ外
殻出口孔(11e)からハウジング外部へ流出して車輪部(7)の排
気口(7e)において掃除機外部に開口するモータ冷却用流路とに分
流する
d還流式電気掃除機。
()被告製品4の構成は,本件発明2の各構成要件に対応させると,次ウ
のとおりとなる。
e前記モータ冷却用流路は前記ファンモータ(5)を収納するハウジ
ング11内部に形成され該ハウジング11のモータ外殻1(),()(
1b)の出口孔(11e)から外気に連通し,
f前記還流流路は前記ハウジング(11)のファン(12)とモータ
部入口(11d)との間において開口するファンカバー出口孔(11
c)に連通する,
g前記構成aないしdを備える還流式電気掃除機。
イ被告製品4の作用効果
()被告製品4は,上記アの構成により,ファンの出力する気流の一部ア
が前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過冷却して掃除機
外部に放出され,ファンカバー出口孔(11c)から出力される気流が
モータ内部を通過せずに還流されるので,ファンモータの過熱が防止さ
れる。
()また,従来のファンモータのファンカバーに前記出口孔(11c)イ
を設けるとのわずかな改良で,ファンモータの過熱が防止できる。
ウ本件発明1と被告製品4との対比
()上記ア()の被告製品4の構成aないしdは,本件発明1の構成要アイ
件AないしDをそれぞれ充足する。
また,上記イ()の被告製品4の作用効果は,本件発明1の作用効果ア
と同一である。
したがって,被告製品4は,本件発明1の技術的範囲に属する。
()「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する(構成要イ」
件A)
上記(1)の「原告の主張」オ()c⒝と同旨()ウ
()「ジェット部(構成要件A)ウ」
上記(1)の「原告の主張」オ()c⒞と同旨()ウ
()「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,フエ」。
ァンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還
流する還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口するモータ冷
却用流路とに分流する)」
上記(1)の「原告の主張」カ()c⒟と同旨()ウ
「」()()ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔構成要件Bオ
上記(1)の「原告の主張」オ()c⒟と同旨()ウ
エ本件発明2と被告製品4との対比
上記ア()の被告製品4の構成eないしgは,本件発明2の構成要件Eウ
ないしGをそれぞれ充足する。
また,上記イ()の被告製品4の作用効果は,本件発明2の作用効果とイ
同一である。
したがって,被告製品4は,本件発明2の技術的範囲に属する。
(被告の主張)
ア被告製品4の具体的構成
被告製品4の具体的構成は,別紙被告主張被告製品4説明書のとおりで
ある。
「」()イファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する構成要件A
上記(1)の「被告の主張」ウ()と同旨(被告製品4のファンカバ()イ
ーの小孔が「漏れ孔」に該当する)。
ウ「ジェット部(構成要件A)」
上記(1)の「被告の主張」ウ()と同旨()ウ
エ「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,ファ」。
ンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還流す
る還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口するモータ冷却用流
路とに分流する)」
上記(1)の「被告の主張」エ()と同旨()エ
オ「ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔(構成要件B)」
上記(1)の「被告の主張」ウ()と同旨()エ
カしたがって,被告製品4は,本件発明の技術的範囲に属しない。
(4)争点(4(被告製品5は,本件発明の技術的範囲に属するか)に)。
ついて
(原告の主張)
ア被告製品5の具体的構成
()被告製品5の具体的構成は,別紙原告主張被告製品5説明書のとおア
りである。
()被告製品5の構成は,本件発明1の各構成要件に対応させると,次イ
のとおりとなる。
aゴミを吸引する吸引口(30)を備える掃除ヘッド(2)と,通気
性紙パックからなるフィルタ(4)と,フィルタ(4)の後方に配置
されるファンモータ(5)と,掃除ヘッド(2)からパイプ(3b)
及びホース(3a)内部の各吸引管を経てフィルタ(4)に至る吸引
流路とを備え,
ファン(12)により排出される出力流量の少なくとも一部を,フ
ァンカバー(11a)後端面の出口孔(11c)から,ファンモータ
ケース(10)内部の還流流路(10c,還流流路部材(8,ホ))
ース(3a)及びパイプ(3b)内部の各還流管,掃除ヘッド(1)
内の通路(24c,25c,2c)を経て,掃除ヘッド(2)に備え
た空気流を噴出するジェット部(27a,27b)に還流する還流式
電気掃除機において,
()(),b前記ファン12の出力流量はハウジング11内部において
ファン(12)よりモータ部入口孔(11d)への中間に設けたファ
ンカバー出口孔(11c)からハウジング外部に流出して前記ジェッ
ト部(27)に還流する還流流路と,
c前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過してモータ外
殻出口孔(11e)からハウジング外部へ流出して車輪部(7)の排
気口(7e)において掃除機外部に開口するモータ冷却用流路とに分
流する
d還流式電気掃除機。
()被告製品5の構成は,本件発明2の各構成要件に対応させると,次ウ
のとおりとなる。
e前記モータ冷却用流路は前記ファンモータ(5)を収納するハウジ
ング11内部に形成され該ハウジング11のモータ外殻1(),()(
1b)の出口孔(11e)から外気に連通し,
f前記還流流路は前記ハウジング(11)のファン(12)とモータ
部入口(11d)との間において開口するファンカバー出口孔(11
c)に連通する,
g前記構成aないしdを備える還流式電気掃除機。
イ被告製品5の作用効果
()被告製品5は,上記アの構成により,ファンの出力する気流の一部ア
が前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過冷却して掃除機
外部に放出され,ファンカバー出口孔(11c)から出力される気流が
モータ内部を通過せずに還流されるので,ファンモータの過熱が防止さ
れる。
()また,従来のファンモータのファンカバーに前記出口孔(11c)イ
を設けるとのわずかな改良で,ファンモータの過熱が防止できる。
ウ本件発明1と被告製品5との対比
()上記ア()の被告製品5の構成aないしdは,本件発明1の構成要アイ
件AないしDをそれぞれ充足する。
また,上記イ()の被告製品5の作用効果は,本件発明1の作用効果ア
と同一である。
したがって,被告製品5は,本件発明1の技術的範囲に属する。
()「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する(構成要イ」
件A)
上記(1)の「原告の主張」オ()c⒝と同旨()ウ
()「ジェット部(構成要件A)ウ」
上記(1)の「原告の主張」オ()c⒞と同旨()ウ
()「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,フエ」。
ァンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還
流する還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口するモータ冷
却用流路とに分流する)」
上記(1)の「原告の主張」カ()c⒟と同旨()ウ
「」()()ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔構成要件Bオ
上記(1)の「原告の主張」オ()c⒟と同旨()ウ
エ本件発明2と被告製品5との対比
上記ア()の被告製品5の構成eないしgは,本件発明2の構成要件Eウ
ないしGをそれぞれ充足する。
また,上記イ()の被告製品5の作用効果は,本件発明2の作用効果とイ
同一である。
したがって,被告製品5は,本件発明2の技術的範囲に属する。
(被告の主張)
ア被告製品5の具体的構成
被告製品5の具体的構成は,別紙被告主張被告製品5説明書のとおりで
ある。
「」()イファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する構成要件A
上記(1)の「被告の主張」ウ()と同旨(被告製品5のファンカバ()イ
ーの小孔が「漏れ孔」に該当する)。
ウ「ジェット部(構成要件A)」
上記(1)の「被告の主張」ウ()と同旨()ウ
エ「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,ファ」。
ンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還流す
る還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口するモータ冷却用流
路とに分流する)」
上記(1)の「被告の主張」エ()と同旨()エ
オ「ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔(構成要件B)」
上記(1)の「被告の主張」ウ()と同旨()エ
カしたがって,被告製品5は,本件発明の技術的範囲に属しない。
(5)争点(5(被告製品6は,本件発明の技術的範囲に属するか)に)。
ついて
(原告の主張)
ア被告製品6の具体的構成
()被告製品6の具体的構成は,別紙原告主張被告製品6説明書のとおア
りである。
()被告製品6の構成は,本件発明1の各構成要件に対応させると,次イ
のとおりとなる。
aゴミを吸引する吸引口(30)を備える掃除ヘッド(2)と,通気
性紙パックからなるフィルタ(4)と,フィルタ(4)の後方に配置
されるファンモータ(5)と,掃除ヘッド(2)からパイプ(3b)
及びホース(3a)内部の各吸引管を経てフィルタ(4)に至る吸引
流路とを備え,
ファン(12)により排出される出力流量の少なくとも一部を,フ
ァンカバー(11a)後端面の出口孔(11c)から,ファンモータ
ケース(10)内部の還流流路(10c,還流流路部材(8,ホ))
ース(3a)及びパイプ(3b)内部の各還流管,掃除ヘッド(1)
内の通路(24c,25c)を経て,掃除ヘッド(2)に備えた空気
流を噴出するジェット部(27)に還流する還流式電気掃除機におい
て,
()(),b前記ファン12の出力流量はハウジング11内部において
ファン(12)よりモータ部入口孔(11d)への中間に設けたファ
ンカバー出口孔(11c)からハウジング外部に流出して前記ジェッ
ト部(27)に還流する還流流路と,
c前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過してモータ外
殻出口孔(11e)からハウジング外部へ流出して車輪部(7)の排
気口(7e)において掃除機外部に開口するモータ冷却用流路とに分
流する
d還流式電気掃除機。
()被告製品6の構成は,本件発明2の各構成要件に対応させると,次ウ
のとおりとなる。
e前記モータ冷却用流路は前記ファンモータ(5)を収納するハウジ
ング11内部に形成され該ハウジング11のモータ外殻1(),()(
1b)の出口孔(11e)から外気に連通し,
f前記還流流路は前記ハウジング(11)のファン(12)とモータ
部入口(11d)との間において開口するファンカバー出口孔(11
c)に連通する,
g前記構成aないしdを備える還流式電気掃除機。
イ被告製品6の作用効果
()被告製品6は,上記アの構成により,ファンの出力する気流の一部ア
が前記モータ部入口孔(11d)からモータ内部を通過冷却して掃除機
外部に放出され,ファンカバー出口孔(11c)から出力される気流が
モータ内部を通過せずに還流されるので,ファンモータの過熱が防止さ
れる。
()また,従来のファンモータのファンカバーに前記出口孔(11c)イ
を設けるとのわずかな改良で,ファンモータの過熱が防止できる。
ウ本件発明1と被告製品6との対比
()上記ア()の被告製品6の構成aないしdは,本件発明1の構成要アイ
件AないしDをそれぞれ充足する。
また,上記イ()の被告製品6の作用効果は,本件発明1の作用効果ア
と同一である。
したがって,被告製品6は,本件発明1の技術的範囲に属する。
()「ファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する(構成要イ」
件A)
上記(1)の「原告の主張」オ()c⒝と同旨()ウ
()「ジェット部(構成要件A)ウ」
上記(1)の「原告の主張」オ()c⒞と同旨()ウ
()「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,フエ」。
ァンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還
流する還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口するモータ冷
却用流路とに分流する)」
上記(1)の「原告の主張」カ()c⒟と同旨()ウ
「」()()ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔構成要件Bオ
上記(1)の「原告の主張」オ()c⒟と同旨()ウ
エ本件発明2と被告製品6との対比
上記ア()の被告製品6の構成eないしgは,本件発明2の構成要件Eウ
ないしGをそれぞれ充足する。
また,上記イ()の被告製品6の作用効果は,本件発明2の作用効果とイ
同一である。
したがって,被告製品6は,本件発明2の技術的範囲に属する。
(被告の主張)
ア被告製品6の具体的構成
被告製品6の具体的構成は,別紙被告主張被告製品6説明書のとおりで
ある。
「」()イファンの出力流量の少なくとも一部を・・・還流する構成要件A
上記(1)の「被告の主張」ウ()と同旨(被告製品6のファンカバ()イ
ーの小孔が「漏れ孔」に該当する)。
ウ「ジェット部(構成要件A)」
上記(1)の「被告の主張」ウ()と同旨()ウ
エ「分流(構成要件AないしC「ファンの出力流量を二分して,ファ」。
ンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還流す
る還流流路と,前記モータ内部を通過して外部に開口するモータ冷却用流
路とに分流する)」
上記(1)の「被告の主張」エ()と同旨()エ
オ「ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔(構成要件B)」
上記(1)の「被告の主張」ウ()と同旨()エ
カしたがって,被告製品6は,本件発明の技術的範囲に属しない。
(6)争点(6)ア(本件特許(請求項1及び2に係る部分に限る)は,。
特許法36条に違反するか)について。
(被告の主張)
ア特許法36条4項1号違反
()従来の還流式電気掃除機においては,還流率を上昇させることによア
り,ファンモータの冷却が不足するという問題点があり,当該問題を解
決することが本件発明の目的であり,作用効果である。
したがって,本件発明が対象とする還流式電気掃除機は,単に還流式
のものであればすべてを含むものではなく,その還流率が高く,本件発
明の構成を採用しなければ,ファンモータが過熱してしまうような還流
式電気掃除機に限定される。
すなわち,ファンモータの冷却に用いられた気流のみを還流に用いる
場合,高い還流率では,ファンモータが過熱してしまうような還流式電
気掃除機において,気流をモータ部入口で二分し,還流にはファンモー
タの冷却に使用されていない気流を利用するという構成を採用すること
が本件発明の構成要件であり,当該構成によりファンモータの過熱を防
止するというのが本件発明の作用効果である。
()ところが,本件発明に係る特許請求の範囲には「ファンの出力流イ,
量の少なくとも一部を掃除ヘッドに備えたジェット部に還流する」との
記載があるのみで,どの程度の出力流量を還流した場合に,本件発明の
作用効果を奏するかが明記されていない。
換言すれば,ファンの出力流量のごくわずかを還流させる場合には,
仮にファンの出力流量から還流する気流がファンモータの冷却に用いら
れた気流のみであっても,ファンモータの過熱は生じないから,本件発
明の作用効果を奏する余地がない。
()そうすると,本件発明に係る特許請求の範囲には,本件発明の作用ウ
効果を奏する場合の構成と,作用効果を奏しない場合の構成が含まれて
おり,当業者にとっても,特許請求の範囲の「少なくとも一部」との記
載のみでは,ファンの出力流量のどの程度を還流した場合に本件発明の
作用効果を奏するかは明確ではない。
したがって,本件明細書の記載は,当業者にとって,その実施をする
ことができる程度に明確かつ十分に記載されておらず,本件特許は,特
許法36条4項1号の規定に違反して特許されたものであるから,同法
123条1項4号の規定に基づき,特許無効審判により無効にされるべ
きものである。
イ特許法36条6項違反
仮に,原告が主張するように,本件発明が,いったん直接出力流と冷却
出力流に分流した後,これらの出力流を混合し,当該混合流を還流と排気
流とに分流するものも含むものとした場合には,上記(1)の「被告の(
)」,,主張エ()bのとおり本件発明の作用効果を奏することはないからエ
本件特許は,特許法36条6項に違反する。
したがって,本件特許は,特許法36条6項の規定に違反して特許され
たものであるから,同法123条1項4号の規定に基づき,特許無効審判
により無効にされるべきものである。
(原告の主張)
ア特許法36条4項1号違反の主張について
本件発明の発明者は,還流式電気掃除機の還流率が掃除条件によって大
きく変化することを本件優先権主張日当時に認識していた。本件発明は,
還流率の高低にかかわらず,ファンモータの過熱を防止できることを目的
とし,作用効果としたものである。
還流式電気掃除機においては,機種によって固定された還流率は存在せ
ず,使用状況により還流率が変動する。構成要件Aの「ファンの出力流量
の少なくとも一部」とは,還流するという構造を示したものであって,還
流率の値を定めたものではない。
したがって,本件明細書の記載は,当業者が実施できる程度に明確かつ
十分なものであり,特許法36条4項1号に違反しない。
イ特許法36条6項違反の主張について
本件発明は,モータ内部を通過した冷却出力流が直接出力流に合流して
混合し,両者の混合流が還流される構成が含まれることは明白であり,こ
れにより本件発明の作用効果を奏することも,本件明細書に明確に記載さ
れているから,被告の主張は,理由がない。
(7)争点(6)イ(進歩性の有無)について
(被告の主張)
本件発明は,次のとおり,本件優先権主張日前に頒布された刊行物である
実願昭59-75238号(実開昭60-188553号)のマイクロフィ
ルム(乙1。以下「引用例1」という)及び実願昭59-133865号。
()(。「」実開昭61-47964号のマイクロフィルム乙2以下引用例2
という)に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることが。
できたものであり,本件特許(請求項1及び2に係る部分に限る)は,特。
許法29条2項の規定に違反して特許されたものであるから,同法123条
,。1項2号の規定に基づき特許無効審判により無効にされるべきものである
ア引用例1について
引用例1の第1図には,ゴミを吸引する掃除ヘッド(9)と,ゴミのフ
ィルタ(2)と,フィルタの後方に配置されるファンモータ(4)と,掃
除ヘッドからフィルタに至る吸引流路(1)とを備え,前記ファンの出力
流量の少なくとも一部を掃除ヘッドに備えたジェット部(7)に還流する
還流式電気掃除機において,前記ファンの出力流量を二分して,ファンよ
り前記ジェット部に還流する還流流路と,外部に開口する排気流路とに分
流することを特徴とする還流式電気掃除機が開示されている。
(「」。)イ本件発明1と引用例1に記載された発明以下引用発明1という
との相違点
本件発明1と引用発明1との相違点は,次の2点である。
()本件発明1では,ジェット部への還流は,モータ部入口への中間にア
設けられた出力孔からなされているのに対し,引用発明1では,そのよ
うな構成は開示されていないこと(以下「相違点①」という。。)
()本件発明1では,外部に開口する排気流が,モータ内部を通過してイ
排気されるのに対し引用発明1では直接排気されていること以下相,(「
違点②」という。。)
ウ本件発明2と引用発明1との相違点
本件発明2と引用発明1との相違点は,相違点①及び②に加え,本件発
明2では,モータ冷却用流路はファンモータを収納するハウジング内部に
形成されているのに対し,引用発明1では,そのような構成は開示されて
いないこと(以下「相違点③」という)である。。
エ引用例2について
引用例2の第2図には,次の発明が開示されている。
,(「」。)()ファンからの出力流が二分されその一部以下漏れ流というア
()。がモータ部入口への中間に設けた出力孔8から出力されていること
,(「」。)()ファンからの出力流が二分されその一部以下冷却流というイ
がモータ内部を通過して排気口(5)から排気されること。
()モータ冷却用流路は,ファンモータを収納するハウジング内部に形ウ
成されていること。
オ引用例2に記載された発明(以下「引用発明2」という)と相違点①。
ないし③との対比
引用発明2の上記エ()の構成は,相違点①に係る本件発明1の構成とア
同一であり,引用発明2の上記エ()の構成は,相違点②に係る本件発明イ
1の構成と同一であり,引用発明2の上記エ()の構成は,相違点③に係ウ
る本件発明2の構成と同一である。
カ容易想到性
引用発明1及び引用発明2は,いずれも電気掃除機についての発明であ
り,その技術分野は全く同一であるから,引用発明2を引用発明1に適用
することは,当業者にとって容易であり,その適用を阻害する事情は存在
しない。
したがって,本件発明は,引用発明1及び引用発明2から,当業者が容
易に想到できたものである。
キ訂正の請求について
()訂正事項ア
原告は,上記1(6)オのとおり,無効審判事件において,本件発明
に係る特許請求の範囲を訂正する旨の訂正の請求をした。この訂正は,
「前記ファンの出力流量を二分して,ファンよりモータ部入口への中間
に設けた出力孔から前記ジェット部に還流する還流流路と,前記モータ
内部を通過して外部に開口するモータ冷却用流路とに分流するを前」,「
記ファンの出力流量をモータ内部を通過しない直接出力流とモータ内部
を通過する冷却出力流との二つに分流して」との構成(以下「訂正事,
項1」という)及び「前記直接出力流の全てをファンよりモータ部入。
口への中間に設けた出力孔から前記ジェット部に還流する還流流路に出
力すると共に,前記冷却出力流を前記モータ内部を通過して外部に開口
するモータ冷却用流路に出力する」との構成(以下「訂正事項2」とい
う)に訂正したものである。。
()訂正後の本件発明の進歩性の有無イ
a訂正事項1
引用発明2のファンモータは,ファンの出力流量をモータ内部を通
過しない直接出力流とモータ内部を通過する冷却直接流との二つに分
流する構成である。
よって,訂正事項1は,引用発明1に引用発明2を適用すれば容易
に想到する構成にすぎない。
b訂正事項2
直接出力流をすべて還流流路に出力する構成の本件発明1は,引用
発明1及び引用発明2から当業者が容易に想到することができるので
あり,訂正事項2は,引用発明1及び引用発明2から当業者が容易に
想到することができることが明らかである。
cしたがって,訂正後の本件発明は,特許法29条2項の規定に違反
するものであり,訂正が認められたとしても,本件特許は,無効にさ
れるべきものである。
(原告の主張)
ア引用例1について
引用例1の明細書2頁12行ないし3頁11行及び第1図には,次の発
明が記載されている。
「吸込具1と,集塵袋2と,集塵袋2の後方に配置される羽根車3と,
羽根車3の後方の隔壁で密閉された空間内に配置された羽根車3駆動用の
モーター4と,吸込具1から集塵袋2に至る吸込流Aの流路とを備え,
羽根車3で遠心加圧され排気室5にたまった空気を,
一部を排出流Bとして,排気口10から大気に放出すると共に,
一部を循環流Cとして,弁8及び吹出管6を経て,吹出管6の吹出口7
から吸込具1内に吹出し,集塵袋2,羽根車3を経て,排気室5に戻るよ
うに循環させる,
真空掃除機」。
そして,引用発明1のモーター4は,羽根車3の送風から隔絶されて,
隔壁で密閉された空間内に配置されており,羽根車3の送風がモーター4
の内部を通過してモーターを冷却する構造になっていない。すなわち,モ
ーター4を冷却するための構成が全く記載も示唆もされていない。
イ本件発明1と引用発明1との相違点
本件発明1と引用発明1とを対比すると,本件発明1では「ファンの,
出力流量を二分して,ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔か
らジェット部に還流する還流流路と,モータ内部を通過して外部に開口す
るモータ冷却用流路とに分流する」のに対し,引用発明1では,羽根車3
で遠心加圧され排気室5にたまった空気が,一方で循環流として吹出口7
へ還流され,他方でモータ内部を通過せずに大気へ直接排気される点で相
違する。
ウ引用例2について
引用例2に記載された電気掃除機は,還流式ではない。モータ内部を通
過して排気口8から排出される排気を掃除ヘッドに還流させる点について
は,何ら記載も示唆もされていない。
エ本件発明1の容易想到性について
()技術分野の相違ア
引用発明1は還流式電気掃除機であるが,引用発明2は還流式電気掃
除機ではないから,技術分野は同一ではない。
()本件発明1の課題の不存在イ
本件発明1は,ファンの出力流がモータ内部を通過してモータを冷却
するファンモータを用いた還流式電気掃除機に関するものであり,この
モータ内部を通過した冷却流を掃除ヘッドに還流させて循環させた場合
にモータの過熱が生じるのを防止することを解決課題とするものであ
る。
これに対し,引用発明1は,モーター4が羽根車3の送風から隔壁に
より隔絶されており,羽根車3の送風がモーター4の内部を通過してモ
ータを冷却することができないので,本件発明1のようなファンモータ
を用いた還流式電気掃除機ではない。そもそも,引用発明1は,モータ
を送風により冷却すること自体を全く行っておらず,引用発明1の還流
式電気掃除機においては,モータの内部を通過した冷却流を還流させて
循環させた場合にモータが過熱するのを防止するという本件発明1の課
題が全く存在しない。
他方,引用発明2は,還流式電気掃除機ではないから,当然のことな
がら,還流式電気掃除機において,モータ内部を通過した冷却流を還流
させて循環させた場合にモータが過熱するのを防止するという本件発明
1の課題は存在しない。
そうすると,引用発明1及び引用発明2のいずれにも,還流式電気掃
除機において,モータ内部を通過した冷却流を還流させて循環させた場
合にモータが過熱するのを防止するという課題が存在せず,しかも,引
用発明1は,送風によりモータを冷却すること自体を全く行っていない
のであるから,引用発明1と引用発明2とを組み合わせて,上記課題を
解決するために採用された本件発明1の構成を得ることは,当業者が容
易に想到できるものではない。
()引用発明1に引用発明2を適用した構成と本件発明1の構成との相ウ

a引用発明1では,モータが送風から隔絶され,隔壁で密閉された空
間内にあるから,このモータを,引用発明2のようなモータ内部を冷
却流が通過して外部へ排出されるファンモータに置き換えると,モー
タ出口孔から排出された冷却流が掃除機の外部へ放出できず,ファン
モータが過熱してしまう。
b本件発明1は,ファン出力流がモータ内部を通過する還流式電気掃
除機において,ファンモータの過熱を防止することを目的とする。そ
のため,ファンの出力流量を二分して,その一方の「ファンよりモー
タ部入口への中間に設けた出力孔から」出力される直接出力流につい
ては,掃除ヘッドに還流する還流流路へ分流させている。このモータ
内部を通過しない直接出力流を還流流路に出力することにより,還流
温度を低下させる。
これに対し,引用発明1は,ファン出力流がモータ内部を通過しな
い還流式電気掃除機において,ファンの出力流(直接出力流)の一部
を掃除機外部に排出するものである。
また,引用発明2は,還流式電気掃除機とは全く方式の異なる吸込
式掃除機であり,ファンの出力流を二分して,その一方であるファン
カバー出口孔からの直接出力流を,ファンモータハウジング外周を迂
回させてから掃除機外部へ排出するのみであり,掃除ヘッドに還流さ
せていない。
このように,引用発明1では,モータ内部を通過しないファン出力
流(直接出力流)の一部を,引用発明2では,その全部を,いずれも
掃除ヘッドに還流する還流流路に分流せずに掃除機外部へ排出する構
成となっている点で,本件発明1と相違している。
したがって引用発明1に引用発明2を適用しても直接出力流の,,(
一部)が還流流路に分流されずに掃除機外部へ排出される構成になる
のみであり,本件発明1と同一の構成とはならない。
()引用発明1はモータの冷却を想定していないことについてエ
本件発明1は,ファンの出力流がモータ内部を通過してモータを冷却
するファンモータを用いた還流式電気掃除機に関するものであり,ファ
ンモータの過熱防止を目的とし,作用効果としている。これに対し,引
用発明1は,モータの負荷を軽減することを目的としており,太く短い
吹出管6を採用して循環流Cの空気抵抗を小さくし,循環流Cを速やか
に吸込具1に供給することにより,吸込具1内に大きな負圧を生じるこ
とがなく,モータに無理な負荷がかからないという作用効果を奏する。
このように,引用発明1では,モータに無理な負荷がかからないことを
前提としているため,モーター4を冷却することを想定していない。
また,引用発明1は,その実施例として「電池を使ったハンドクリ,
ーナ」を挙げており,引用発明1のモータは,冷却の必要性が少ない小
電力のものを想定していることが示唆されている。
したがって,引用発明1には,ファンの気流がモータ内部を通過して
モータを冷却する引用発明2の構成を適用するのを阻害する事情があ
る。
()したがって,本件発明1は,引用発明1及び引用発明2に基づき当オ
業者が容易に想到できた発明には該当しない。
オ本件発明2について
本件発明2は,本件発明1の従属項であるから,本件発明1について進
歩性があるのであれば,本件発明2についても進歩性を有することは当然
である。
したがって,本件発明2も,引用発明1及び引用発明2に基づき当業者
が容易に想到できた発明には該当しない。
カしたがって,本件発明1及び2は,いずれも特許法29条2項に違反す
るものではない。
キ訂正の請求について
()訂正後の本件発明1と引用発明1との一致点ア
訂正後の本件発明1と引用発明1とを対比すると,両者は「ゴミを,
吸引する吸引口を備える掃除ヘッドと,ゴミのフィルタと,フィルタの
後方に配置されるファンモータと,掃除ヘッドからフィルタに至る吸引
流路とを備え,前記ファンの出力流量の少なくとも一部を掃除ヘッドに
備えたジェット部に還流する還流式電気掃除機」である点で一致する。
()訂正後の本件発明1と引用発明1との相違点イ
訂正後の本件発明1と引用発明1とは,次の点で相違する。
①訂正後の本件発明1は「ファンの出力流量をモータ内部を通過し,
ない直接出力流とモータ内部を通過する冷却出力流との二つに分流」
しているのに対し,引用発明1は,このような構成を備えていない点
②訂正後の本件発明1は,モータ内部を通過しない「直接出力流の全
て」を「ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から」前記
ジェット部に還流する還流流路に出力するのに対し,引用発明1は,
このような構成を備えていない点
③訂正後の本件発明1は「前記冷却出力流を前記モータ内部を通過,
して外部に開口するモータ冷却用流路に出力する」のに対し,引用発
明1は,このような構成を備えていない点
()訂正後の本件発明1の容易想到性ウ
a引用発明2は,モータを冷却する空気の流量が減少するという問題
点を解決するため,ファンケースの排気口から出力した気流を,モー
タ外部を迂回させてモータを外部冷却してから掃除機外に排気するこ
とにより,モータ内部を通過冷却する流量の減少によるモータの冷却
不足を補おうとしている。
しかし,モータ内部冷却では,気流がモータ内部の発熱体である鉄
心やコイルの広い表面積を直接的に通過冷却するのに比べ,モータ外
部冷却では,モータ外部の平滑な外部表面を気流が通過するのみであ
るから,外部冷却は,内部冷却に比して,極めて冷却効率が低く,実
際には,有意な効果は得られない。
したがって,引用発明2は,引用例2に示された吸込式掃除機にお
いては,ファンケースの排気口から出力する気流を直接掃除機外へ排
気しても,その気流をモータ外部を迂回させてから排気しても,実際
には,無益にモータ内部冷却流量を減少させるにすぎず,モータ冷却
を劣化させるにすぎない。
b本件優先権主張日当時のファンモータの入力電力から空気動力への
変換効率は,最適動作条件でも30%,40%台であり,掃除ヘッド
や吸引流路やフィルタなどが詰まって吸引抵抗が大きくなる等の動作
条件が悪化すると,更に変換効率は低くなる。他方,残り60ないし
70%もの損失は,電気的損失・機械的損失として,モータの発熱と
なる。
したがって,ファンモータの空気動力より発熱の方が多いのが通常
であった本件優先権主張日当時においては,せっかくファンにより吸
気した流量を無駄に捨て,モータ冷却量を減少させるだけの引用発明
2のファンモータは,当業者にとっては,採用を忌避すべき技術であ
った。
c仮に,引用例2に接した当業者がその記載内容を形式的に理解した
場合であっても,引用例2にも記載されているとおり,引用発明2の
モーターファンは,ファンの吸気量を二分するため,ファンの吸気量
すべてがモータ内部を通過して冷却する空気の流量が減少するので,
モータ温度が上昇し,モータの過熱による損傷という問題点がある。
そうすると,モータの冷却流量が不足してモーターファンの過熱に
よる損傷の問題点があることが理解される引用発明2のファン出力構
成を,あえて,直接流を分岐して一部を排気し,モータ内部冷却流を
更に減少させることになる引用発明1のファン出力構成に適用するよ
うなことは,モータの冷却流が更に不足して,モータ過熱の問題がよ
り生じやすくなると理解されるのであるから,本件優先権主張日当時
の当業者が容易に想到できるものではない。
dしたがって,引用発明2のモーターファンを引用発明1に適用する
に当たっては,阻害理由があるというべきである。
e仮に,引用発明2を引用発明1に適用して,引用発明2のファンモ
ータにより分流された出力流のうちの「ファンよりモータ部入口への
中間に設けた出力孔から」出力される流れのすべてを還流させた場合
を考えると,ファンモータハウジング外部を迂回して排気する流れが
なくなるから,当業者は,引用例2のファンモータがモータ過熱によ
る損傷の問題を解決できていないと認識するのみである。
これに対し,訂正後の本件発明1は,引用例2に記載されたような
モータ過熱による損傷の問題があるという当業者の常識を破ってモ,「
ータ内部を通過して外部に開口するモータ冷却用流路」を備えた還流
式電気掃除機において訂正後の本件発明1の構成を採用したものであ
る。これによって,ファンの出力流量を分流すると冷却出力流が減少
し,モータ内部を通過した冷却出力流の温度が高くなるものの,この
温度が高い冷却出力流を外部へ放出することにより,外部へ放出する
熱エネルギーが多くなり,さらに,分流した直接出力流はほとんど温
度上昇がなく,還流の温度がより低くなるから,還流で繰り返し循環
されるときの入力流の温度が低くなり,モータからの熱除去がより多
くなるから,結果として,長時間平衡後のモータ捲線温度・循環流温
度・機器外皮温度をより低くできる等の作用効果を得られるのであ
る。
このように,訂正後の本件発明1の作用効果は,引用発明1及び引
用発明2の技術から当業者が予測し得ない格別のものといえる。
()訂正後の本件発明2と引用発明1との対比エ
訂正後の本件発明2は,訂正後の本件発明1を引用する発明であるか
ら,訂正後の本件発明2と引用発明1とを対比すると,上記()の点でア
一致し,他方,上記()の①ないし③の点で相違することに加え,訂正イ
後の本件発明2は「前記モータ冷却用流路は前記ファンモータを収納,
するハウジング内部に形成され,該ハウジングの出口孔(508)から
外気に連通し,前記還流流路は前記ハウジングのファンとモータの間に
開口する出口孔(507)に連通する」のに対し,引用発明1はこのよ
うな構成を備えていない点で相違する。
()訂正後の本件発明2の容易想到性オ
訂正後の本件発明2は,訂正後の本件発明1を引用する発明であると
ころ,訂正後の本件発明1は,上記()のとおり,引用発明1及び引用ウ
発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない
から,訂正後の本件発明2も,同様に当業者が容易に発明をすることが
できたものではない。
()上記()ないし()によれば,訂正後の本件発明1及び2は,いずカアオ
れも特許法29条2項の規定に違反しない。
(8)争点(6)ウ(本件分割出願は,本件原出願の出願当初の明細書又は
願書に添付した図面に記載した事項の範囲内でない事項を含むものとして,
出願日が分割出願の日である平成12年12月27日となるか)について。
(被告の主張)
ア本件原出願発明
本件原出願発明は,次のとおりである。
「ファンモータとして吸入口から吸込まれた仕事流が直列的にモータ内
部を通過してモータを冷却するダイレクト型ファンモータを使用し,その
ファン出力流量を2分する如く,ファン出力よりモータ部入口への中間に
ファン出力孔を設けて得られるファン直接出力流とモータ経由のモータ冷
却に利用した冷却出力流とを設け,還流放出気流は該冷却出力流から採ら
れ,還流利用流は主としてファン直接出力流及び必要に応じ冷却出力流の
。」一部を加えて利用される如くされた還流式掃除機及びそのファンモータ
イ本件分割出願発明
本件分割出願発明は,次のとおりである。
「ゴミを吸引する吸引口を備える掃除ヘッドと,ゴミのフィルターと,
フィルタの後方に配置されるファンモータと,掃除ヘッドからフィルター
に至る吸引流路とを備え,前記ファンの気流の少なくとも一部を掃除ヘッ
ドに備えたジェット部に還流する還流式電気掃除機において,ファンの気
流を前記ジェット部に還流する還流流路とモータ内部を通過して外部に開
口するモータ冷却用流路とに分流することを特徴とする還流式電気掃除
機」。
ウ本件原出願発明と本件分割出願発明との対比
()本件原出願発明では,ファンモータは「吸入口から吸込まれた仕ア,
事流が直列的にモータ内部を通過してモータを冷却するダイレクト型フ
ァンモータ」に限定していたのに対し,本件分割出願発明では,そのよ
うな限定がなく,その技術的範囲を拡張している。
()本件原出願発明では,ファン直接出力流は「ファン出力よりモーイ,
タ部入口への中間にファン出力孔を設けて得られる」ものに限定してい
たのに対し,本件分割出願発明では,そのような限定がなく,その技術
的範囲を拡張している。
()本件原出願発明では,還流利用流は「主としてファン直接出力流ウ,
及び必要に応じ冷却出力流の一部を加えて利用される」ものに限定して
いたのに対し,本件分割出願発明では,そのような限定がなく,その技
術的範囲を拡張している。
エよって,本件分割出願発明は,本件原出願発明に包含された発明ではな
く,2以上の発明を包含する特許出願の一部を新たな特許出願としたもの
ではないから,本件分割出願の出願日は,本件原出願の出願日(平成7年
7月31日)に遡及しない。
オ本件原出願は,本件分割出願の出願日前である平成9年4月15日に出
願公開されており,当業者は,当該出願公開の公開公報に記載された発明
に基づき,本件発明を容易に想到し得た。
したがって,本件特許(請求項1及び2に係る部分に限る)は,特許。
法29条2項の規定に違反して特許されたものであるから,同法123条
1項2号の規定に基づき,特許無効審判により無効にされるべきものであ
る。
(原告の主張)
被告は,本件原出願発明と本件分割出願発明とを比較し,後者の発明は前
者の発明の技術的範囲を拡張しているから,本件分割出願は特許法44条1
項に違反すると主張する。
しかし,分割出願は,分割出願の特許請求の範囲の発明が,原出願の特許
請求の範囲に限らず,明細書又は図面に記載されていれば足りる。本件分割
出願発明がこの要件を満たしていることは,本件原出願の明細書又は図面の
記載から明らかである。
(9)争点(7(補償金請求権の額)について)
(原告の主張)
ア被告製品1
,。,被告製品1は標準価格5万円で発売された被告製品1の販売期間は
平成11年9月1日から平成12年8月31日までである。被告製品1の
総販売台数は24万台,販売総額は120億円(=5万円×24万台)と
推計される。
イ被告製品2
被告製品2は,メーカー希望小売価格5万3000円で発売された。被
告製品2の販売期間は,平成12年9月1日から平成13年8月31日ま
でである被告製品2の総販売台数は29万台販売総額は150億円≒。,(
5万3000円×29万台)と推計される。
ウ被告製品3
被告製品3は,メーカー希望小売価格5万3000円で発売された。被
告製品3の販売期間は,平成13年9月1日から平成14年8月31日ま
でであり,被告製品3の総販売台数は37万7000台,販売総額は20
0億円(≒5万3000円×37万7000台)と推計される。
被告製品3の販売期間のうち,補償金請求の対象となる期間は,平成1
3年9月1日から本件特許権の設定の登録があった日である平成14年8
月23日まで(357日間)である。
エ実施料率
()本件発明の実施料率の算定には,次の各事情を考慮すべきである。ア
a被告が本件発明の効果である,排気が出ない(少ない)ことを最大
のセールスポイントとして被告製品1ないし3を販売していること。
b本件発明の効果である,排気が出ない(少ない)ことが,被告製品
1ないし3の特徴として大々的に取り上げられていること。
c排気が出ない(少ない)という本件発明の効果のために,被告製品
1ないし3が高付加価値製品となり,被告の収益を大きく上げている
こと。
()被告製品1ないし3は世界初の還流式電気掃除機であり上記()イア,,
,,のとおり還流式電気掃除機の利点を最大限アピールして宣伝・販売し
その結果,その利点が市場で画期的と評価され,消費者の購買動機を決
定する最大の要因となり,被告に莫大な収益をもたらした。
このような事情を考慮すれば,本件発明の実施料率は,販売価格の5
%を下らない。
オ補償金請求権の額
,,()上記ア及びエによれば被告製品1についての補償金請求権の額はア
6億円(=120億円×0.05)である。
,,()上記イ及びエによれば被告製品2についての補償金請求権の額はイ
7億5000万円(=150億円×0.05)である。
,,()上記ウ及びエによれば被告製品3についての補償金請求権の額はウ
9億7810万円(≒200億円×0.05×357日÷365日)で
ある。
()上記()ないし()のとおり,補償金請求権の合計額は,23億2エアウ
()。810万円=6億円+7億5000万円+9億7810万円である
本件訴訟では,このうち,3000万円(被告製品1ないし3につき各
1000万円)を請求する。
(被告の主張)
争う。
(10)争点(8(損害の発生の有無及びその額)について)
(原告の主張)
ア被告製品3
被告製品3のメーカー希望小売価格,販売期間,総販売台数,販売総額
は,上記(9)の「原告の主張」のウのとおりである。()
被告製品3の販売期間のうち,損害賠償請求の対象となる期間は,本件
特許権の設定の登録があった日の翌日である平成14年8月24日から同
月31日までである。
イ被告製品4
被告製品4は,メーカー希望小売価格5万3000円で発売された。被
告製品4の販売期間は,平成14年9月1日から平成15年8月31日ま
でである被告製品4の総販売台数は36万台販売総額は190億円≒。,(
5万3000円×36万台)と推計される。
ウ被告製品5及び被告製品6
被告製品5はメーカー希望小売価格4万8000円で,被告製品6はメ
ーカー希望小売価格5万9000円で,それぞれ発売された。被告製品5
及び6の販売期間は,平成15年9月1日から平成16年2月29日まで
である。被告製品5及び6の総販売台数は各9万台,被告製品5の販売総
額は43億円(≒4万8000円×9万台,被告製品6の販売総額は5)
3億円(≒5万9000円×9万台)と推計される。
エ実施料率
本件発明の実施料率は,上記(9)の「原告の主張」のエのとおり,()
販売価格の5%を下らない。
オ損害の額
()上記ア及びエによれば,被告製品3についての損害の額は,219ア
0万円(≒200億円×0.05×8日÷365日)である。
()上記イ及びエによれば,被告製品4についての損害の額は,9億5イ
000万円(≒190億円×0.05)である。
()上記ウ及びエによれば,被告製品5についての損害の額は,2億1ウ
500万円(≒43億円×0.05)であり,被告製品6についての損
害の額は,2億6500万円(≒53億円×0.05)である。
()上記()ないし()のとおり,損害の合計額は,14億5190万エアウ
円(=2190万円+9億5000万円+4億8000万円)である。
本件訴訟では,このうち,7000万円(被告製品3につき1000万
円,被告製品4ないし6につき各2000万円)を請求する。
(被告の主張)
争う。
第3争点に対する当裁判所の判断
1争点(6)イ(進歩性の有無)について
本件については,事案の内容にかんがみ,まず争点(6)イから判断する。
(1)引用例1について
ア引用例1(乙1)には,次の記載がある。
()「本考案は排気を吸込具に戻して掃除機内に循環流を生じさせたもア
ので,モーターの負荷を軽減し,吸込具が床に吸着するのを防ぎ,かつ
塵埃を床面から浮かせ効率の良い真空掃除機を得る事を目的とする。
従来,排気を利用し塵埃を浮上させて吸込む掃除機はあつたが,排気
を細管等を通し強く吹出すのでモーターに負荷がかゝつた。又排気を大
気中に開放する普通の掃除機は,床の状面により吸込具が吸着したり,
吸込具と床とのスキマが大きいと塵埃を吸込む力が不足したりする。そ
の都度モーターに負荷の変動を与える(明細書1頁19行ないし2。」
頁9行)
()「本考案は上記の欠点をなくすためになされたもので,以下本考案イ
の実施例を第1図で説明する。1は吸込具で,吸込具1の下端の吸込口
,。,9の周辺にブラシ11を植毛され床面イに接している2は集塵袋で
塵埃は袋の底に落ち空気は通過する。3は羽根車で,モーター4により
駆動する。5は排気室で,羽根車3で遠心加圧された空気がたまり,一
部は排気口10より放出する。6は吹出管で,排気室5の風圧を吹出管
6の先端の吹出口7より吸込具1内に吹出させ,吹出口7の方向は床面
イに対し鋭角に設けている。8は弁で,吹出管6の風量を制御する。A
は吸込流,Bは排出流,Cは循環流を示し,各流れは互に混合,分岐す
る。吸入路Aは,吸込具1のブラシ11のスキマを通り,塵埃と共に吸
込具1の中を経て集塵袋2に入り塵埃を分離して,羽根車3に吸込まれ
る。排出流Bは,羽根車3で遠心加圧され排気室5にたまり,排気口1
0から大気に放出する。循環流Cは,排気室5で加圧された空気を弁8
及び吹出管6を経て,吹出管6の吹出口7から,吸込具1内に吹出し,
集塵袋2,羽根車3を経て,排気室5に戻る。吹出管6が太く短いので
循環流Cの空気抵抗は小さく,吸込流Aが少なくなり吸込具1内が負圧
になった時循環流Cの風量が増す(明細書2頁10行ないし3頁1。」
3行)
()「本考案は,循環流により大きな負圧を生じる事がなく,モーターウ
に無理な負荷がかゝらず省エネである。又吸込具が床に吸着しないので
操作が軽くでき,ブラシもいたまない。塵埃を吹上げるので,塵埃の吸
込みがよく吸込具を何度も操作しなくてよい。循環流を制御できるよう
に弁を設けると,使用に応じ操作でき便利になる(明細書4頁14。」
ないし20行)
イ上記アの記載及び引用例1の図面からすると,引用例1には「吸込具,
1と,集塵袋2と,羽根車3と,吸込具1から集塵袋2に至る吸引流路と
を備え,排気室の空気の一部を吸込具に戻して掃除機内に循環流を生じさ
せる真空掃除機であって,吸込流Aは,吸込具1のブラシ11のスキマを
通り,塵埃とともに吸込具1の中を経て集塵袋2に入り塵埃を分離して,
モーター4により駆動される羽根車3に吸い込まれるものとし,排出流B
は,羽根車3で遠心加圧され排気室5にたまり,排気口10から大気に放
出するものとし,循環流Cは,排気室5で加圧された空気を,吹出管6の
風量を制御する弁8及び吹出管6を経て,吹出管6の吹出口7から,吸込
具1内に吹き出し,集塵袋2,羽根車3を経て,排気室5に戻るものとし
て構成された真空掃除機」が記載されている。
ウ本件発明1と引用発明1とを対比すると,その作用及び構造からみて,
引用発明1における「真空掃除機」は本件発明1の「還流式電気掃除機」
に,引用発明1における「吸込具1」は本件発明1の「掃除ヘッド」に,
「」「」引用発明1における吹出管6の吹出口7は本件発明1のジェット部
に,引用発明1における「塵埃を分離」する「集塵袋2」は本件発明1の
「ゴミのフィルタ」に,引用発明1における「羽根車3」は本件発明1の
「」,「」「」ファンに引用発明1における羽根車3を駆動するモーター4
は本件発明1の「ファンモータ」に,引用発明1における「吹出管6」は
本件発明1の「還流流路」に,それぞれ相当する。
また,引用発明1における「排出流Bは,羽根車3で遠心加圧され排気
室5にたまり,排気口10から大気に放出するものとし,循環流Cは,排
気室5で加圧された空気を,吹出管6の風量を制御する弁8及び吹出管6
を経て,吹出管6の吹出口7から,吸込具1内に吹き出し,集塵袋2,羽
根車3を経て,排気室5に戻るものとして構成された」点は,本件発明1
の「ファンの出力流量の少なくとも一部を掃除ヘッドに備えたジェット部
に還流する」点に実質的に相当する。
そうすると,本件発明1と引用発明1とは「ゴミを吸引する吸引口を,
備える掃除ヘッドと,ゴミのフィルタと,フィルタの後方に配置されるフ
ァンモータと,掃除ヘッドからフィルタに至る吸引流路とを備え,前記フ
ァンの出力流量の少なくとも一部を掃除ヘッドに備えたジェット部に還流
する還流式電気掃除機」である点で一致し,次の2点で相違する。
①本件発明1は,ファンの出力流量が二分されてジェット部に還流する
還流流路が「ファンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から」,
分流されるのに対して,引用発明1は,このような「ファンよりモータ
部入口への中間に設けた出力孔から」分流される構成を備えていない点
(以下「相違点1」という)。
②本件発明1は,ファンの出力流量が二分された一方が「モータ内部,
」,を通過して外部に開口するモータ冷却用流路に分流されるのに対して
引用発明1は,このような「モータ内部を通過して外部に開口するモー
タ冷却用流路」に分流される構成を備えていない点(以下「相違点2」
という)。
エ本件発明2と引用発明1とを対比すると,本件発明1と引用発明1とが
一致する点で一致するとともに,相違点1及び相違点2で相違することに
加えて,本件発明2は「前記モータ冷却用流路は前記ファンモータを収,
納するハウジング内部に形成され,該ハウジングの出口孔(508)から
外気に連通し,前記還流流路は前記ハウジングのファンとモータの間に開
口する出口孔(507)に連通する」のに対して,引用発明1がこのよう
な構成を備えていない点(以下「相違点3」という)で相違する。。
(2)引用例2について
ア引用例2(乙2)には,次の記載がある。
()「本考案は,家庭用又は産業用等に利用される電気掃除機に関するア
ものである(明細書1頁15ないし16行)。」
()「従来の電気掃除機に内蔵されているモーターファンについて,第イ
1図及び第2図により説明する。
第1図において,電気掃除機のモーターファンは,モーターハウジン
グ1の一端にモーターの回転軸(図示していない)に装着されたファン
2を覆うファンケース3が固着されていて,モーターが回転するとファ
ン2がファンケース3の吸気口4から空気を吸い込み,ファンケース3
からファンモーターの中を通過して,モーターハウジング1の外周に設
けられた排気口5から排出される間に,モーターが冷却される構造であ
る(明細書1頁18行ないし2頁9行)。」
()「第2図は性能向上を図った高効率モーターファンで,ファンケーウ
ス7の外周にも排気口8を設け,ファン2(図示していない)の吸気量
,,を2分してファンケース3の中に急激に方向転換する空気量を減少し
空気抵抗の低減を図ったものである。ファンケース7の排気口8からの
排気は,図には示してないが直接掃除機本体の機外に吐き出される」。
(明細書2頁14行ないし3頁1行)
()「しかしながら,高効率モーターファンでは,モーターを冷却するエ
空気の流量が減少するために,第1図に示した普通のモーターファンで
.,は最低03㎥/minの流量で温度上昇による損傷が生じなかったが
..第2図に示した高効率モーターファンでは最低04㎥/minから0
5㎥/minの流量が必要となるという問題点があった(明細書3。」
頁2ないし8行)
イ上記アの記載及び引用例2の図面からすると,引用例2には「モータ,
ーハウジング1の一端にモーターの回転軸に装着されたファン2を覆うフ
ァンケース7が固定されていて,ファンケース7の吸気口4から空気を吸
い込み,ファンケース7からファンモーターの中を通過してモーターハウ
ジング1の外周に設けられた排気口5から排出される間に,モーターが冷
却される構造の電気掃除機に内蔵されるモーターファンであって,ファン
2とファンモーター部入口の間のファンケース7の外周に排気口8を設け
ることによりファン2の吸気量を二分するとともに,ファンケース7の排
気口8からの排気を直接掃除機本体の機外に吐き出すようにしたモーター
ファン」が記載されている。。
ウ上記ア及びイからすると,引用例2は,ファンモータの吸気量を,ファ
ン2とファンモーター部入口の間のファンケース7に設けた排気口8を用
いて,モータを冷却して排気する流れとそれ以外の流れとに二分すること
を開示している。
(3)本件発明1の容易想到性について
ア相違点1について
相違点1に係る本件発明1の構成は,本件発明1と引用発明1との双方
が,ファンの出力流量の一部を分流してジェット部に還流する還流流路を
有することを前提とした上で,その分流の方式として「ファンよりモー,
タ部入口への中間に設けた出力孔から」分流されるという,より具体的な
構成を採用したものにすぎない。他方,引用例2は,上記(2)ウのとお
り,ファンモータの吸気量を,ファン2とファンモーター部入口の間のフ
ァンケース7に設けた排気口8を用いて分流することを開示しているか
ら,引用発明1のファンの出力流量を分流して還流する還流流路の構成の
一部として,引用発明2を採用して「ファンよりモータ部入口への中間,
に設けた出力孔から」分流する構成とすることは,当業者が容易に想到し
得たものということができる。
イ相違点2について
電気掃除機に内蔵されるファンモータの冷却という本件発明1の技術的
課題の一部は,引用例2の上記(2)ア()の記載や,本件明細書の【従エ
来の技術】欄の「本発明者が先に出願した特願平4-73772や特公平
7-449117にも記載したように,還流式電気掃除機においては還流
率を上昇させるとファンモータの冷却が不足するという問題がある(3。」
欄4ないし8行)との記載から,当業者に周知の技術的課題であったと認
められる。
そして,引用例2は,上記(2)ウのとおり,電気掃除機に内蔵される
ファンモータの吸気量を,モータを冷却して排気する流れとそれ以外の流
れとに二分して,前者の流れによりファンモータを冷却することを開示し
ているところ,上記の周知の技術的課題である「ファンモータの冷却」を
解決するという観点から,引用発明2の上記構成を同じく電気掃除機に内
蔵される引用発明1のファンモータに適用し,引用発明1の大気に開口す
る排気口に出力する流れを,モータ内部を通過して外部に開口するモータ
冷却用流路に出力する冷却出力流とすることは,当業者が容易に想到し得
た設計上の変更であるということができる。
ウ作用効果について
引用発明1の大気に開口する排気口に出力する流れには,ファンモータ
等に起因する温度の上昇はないから,この流れを,モータ内部を通過して
外部に開口するモータ冷却用流路に出力する冷却出力流とすれば,ファン
モータの過熱を防止できることは,当業者にとって自明のことである。
したがって,引用発明2に開示された技術を引用発明1のファンモータ
に適用することにより得られた構成が,ファンモータの過熱を防止できる
という本件発明1と同様の作用効果を奏することは,引用発明1及び引用
発明2から当業者が予測し得る範囲のものであり,格別のものということ
はできない。
エ阻害要因の有無について
()原告は,引用発明1は還流式電気掃除機であるが,引用発明2は還ア
流式電気掃除機ではないから,引用発明1と引用発明2の技術分野は同
一ではないと主張する。
確かに,引用発明1と引用発明2とは,還流式の構成の有無という点
で相違するものの,電気掃除機の技術分野に属する発明である点におい
て共通するものであるし,上記イのとおり,電気掃除機に内蔵されるフ
ァンモータの冷却という周知の技術的課題が存在する点でも,還流式電
気掃除機と,引用発明2の電気掃除機とは共通するから,引用発明2が
還流式電気掃除機に関する発明ではないことをもって,引用発明2が開
示した技術を引用発明1のファンモータに適用することについての阻害
要因があるとはいえない。
したがって,原告の上記主張は,採用することができない。
()原告は,引用発明1及び引用発明2のいずれにも,モータ内部を通イ
過した冷却流を掃除ヘッドに還流させて循環させた場合にモータの過熱
が生じるのを防止するという本件発明1の技術的課題が存在しないか
ら,引用発明1と引用発明2とを組み合わせて本件発明1の構成を得る
ことは,当業者が容易に想到できるものではないと主張する。
しかし,上記イのとおり,還流式電気掃除機においても,電気掃除機
に内蔵されるファンモータの冷却という技術的課題は,当業者に周知の
課題であったのであるから,引用発明1に接した当業者は,上記課題を
念頭に置いているものということができる。
そうすると,引用発明1自体に,上記本件発明1の技術課題に関する
記載がないことをもって,引用発明2が開示した技術を引用発明1のフ
ァンモータに適用して本件発明1の構成を想到することの阻害要因があ
るとはいえない。
また,上記のとおり,引用発明1に接した当業者は,上記周知の技術
課題を念頭に置いているということができる以上,引用発明2に上記本
件発明1の技術課題に関する記載がないとしても,そのことをもって,
引用発明2が開示した技術を引用発明1のファンモータに適用すること
についての阻害要因があるとはいえず,むしろ,電気掃除機に内蔵され
るファンモータの冷却という周知の技術的課題の観点から,当業者が両
発明を容易に組み合わせ得ることは,上記イのとおりである。
したがって,原告の上記主張は,採用することができない。
()原告は,引用発明1が,モータの負荷を軽減することを目的とするウ
ものであり,モータを冷却することを想定していないから,引用発明1
にファンの気流がモータ内部を通過してモータを冷却する引用発明2の
構成を適用するのを阻害する事情があると主張する。
しかし,上記イのとおり,還流式電気掃除機においても,電気掃除機
に内蔵されるファンモータの冷却という技術的課題は,当業者に周知の
課題であったのであり,引用発明1がモータの負荷を軽減することを目
的とするものであるとしても,引用例1にモータの冷却についての記載
がないことから,モータの負荷の軽減によりモータの冷却という技術課
題が全く不要になったと理解することは困難であり,引用発明1がモー
タの冷却を想定していないということはできない。
したがって,原告の上記主張は,採用することができない。
()また,引用例2には,引用発明2にはモータ過熱による損傷の問題エ
がある旨の記載があるが,当業者は,ファンの出力流を分流した流れを
ファンモータの冷却に用いれば,出力流全量を用いたものに比べて冷却
流が少なくなるものの,冷却流の温度によっては十分な冷却効果が得ら
れることを理解できるといえるから,引用例2の上記記載が,引用発明
2が開示した技術を引用発明1のファンモータに適用することについて
の阻害要因となるということはできない。
オしたがって,本件発明1は,引用発明1に基づき,引用発明2を組み合
わせることにより,当業者が容易に発明をすることができたものというべ
きである。
(4)本件発明2の容易想到性について
引用発明2における「モーターハウジング1「モーターハウジング1」,
の外周に設けられた排気口5」及び「ファンケース7の排気口8」は,その
作用及び構造からみて,本件発明2の「ファンモータを収納するハウジン
グ「ハウジングの出口孔(508」及び「ハウジングのファンとモータ」,)
の間に開口する出口孔(507」にそれぞれ相当するものということがで)
きる。
そうすると,引用発明2は,相違点3に係る本件発明2の構成である「前
記モータ冷却用流路は前記ファンモータを収納するハウジング内部に形成さ
れ,該ハウジングの出口孔(508)から外気に連通し,前記還流流路は前
()」記ハウジングのファンとモータの間に開口する出口孔507に連通する
構成を開示しているということができ,引用発明1に対して,引用発明2の
上記構成を組み合わせるのが容易であることは,前記(3)イのとおりであ
るから,本件発明2は,当業者が引用発明1及び2を組み合わせることによ
り,容易に発明をすることができたものというべきである。
(5)訂正の請求について
なお,原告は,上記第2の1(6)オのとおり,無効審判事件において,
本件発明に係る特許請求の範囲を訂正する旨の訂正の請求をしたが,同訂正
,,,を認める旨の審決が確定したとしても同訂正後の本件発明は次のとおり
引用例1に基づき,引用例2を組み合わせることにより,当業者が容易に発
明をすることができたものである。
ア上記訂正後の本件発明1と引用発明1とを対比すると,その作用及び構
造からみて,引用発明1における「真空掃除機」は訂正後の本件発明1の
「還流式電気掃除機」に,引用発明1における「吸込具1」は訂正後の本
「」,「」件発明1の掃除ヘッドに引用発明1における吹出管6の吹出口7
は訂正後の本件発明1の「ジェット部」に,引用発明1における「塵埃を
分離」する「集塵袋2」は訂正後の本件発明1の「ゴミのフィルタ」に,
引用発明1における「羽根車3」は訂正後の本件発明1の「ファン」に,
引用発明1における「羽根車3」を駆動する「モーター4」は訂正後の本
件発明1の「ファンモータ」に,引用発明1における「吹出管6」は訂正
後の本件発明1の「還流流路」に,それぞれ相当する。また,引用発明1
における「循環流C」は,すべてモータ内部を通過せずにジェット部に戻
,「」されるから訂正後の本件発明1のモータ内部を通過しない直接出力流
に相当する。
また,引用発明1における「排出流Bは,羽根車3で遠心加圧され排気
室5にたまり,排気口10から大気に放出するものとし,循環流Cは,排
気室5で加圧された空気を,吹出管6の風量を制御する弁8及び吹出管6
を経て,吹出管6の吹出口7から,吸込具1内に吹き出し,集塵袋2,羽
根車3を経て,排気室5に戻るものとして構成された」点は,訂正後の本
件発明1の「ファンの出力流量の少なくとも一部を掃除ヘッドに備えたジ
ェット部に還流する」点に実質的に相当し,ファンの出力流量をモータ内
部を通過しない直接出力流とそれ以外の出力流とに分流する点で両者は共
通する。
そうすると,訂正後の本件発明1と引用発明1とは「ゴミを吸引する,
吸引口を備える掃除ヘッドと,ゴミのフィルタと,フィルタの後方に配置
,,されるファンモータと掃除ヘッドからフィルタに至る吸引流路とを備え
前記ファンの出力流量の少なくとも一部を掃除ヘッドに備えたジェット部
に還流する還流式電機掃除機において,前記ファンの出力流量をモータ内
部を通過しない直接出力流と他方の出力流との二つに分流して,前記直接
出力流のすべてを,ジェット部に還流する還流流路に出力する還流式電気
掃除機」である点で一致し,次の2点で相違する。
①訂正後の本件発明1は,ファンの出力流量からの直接出力流が「フ,
ァンよりモータ部入口への中間に設けた出力孔から」分流されるのに対
して,引用発明1は,このような「ファンよりモータ部入口への中間に
」(「」設けた出力孔から分流される構成を備えていない点以下相違点A
という)。
②訂正後の本件発明1は,ファンの出力流量から分流された他方の出力
流が「モータ内部を通過する冷却出力流であって,モータ内部を通過,
して外部に開口するモータ冷却用流路に出力する」のに対して,引用発
,(「」。)明1は大気に開口する排気口に出力する点以下相違点Bという
また,訂正後の本件発明2と引用発明1とを対比すると,訂正後の本件
発明1と引用発明1とが一致する点で一致するとともに,相違点A及び相
違点Bで相違することに加えて,前記(1)エの相違点3で相違する。
,(),,イ相違点Aについては上記3アと同様であり相違点Bについては
上記(3)イと同様であり,引用発明1及び引用発明2を組み合わせた構
成が奏する作用効果が,当業者が予測し得る範囲のものであり,格別のも
のといえないことは,上記(3)ウと同様であり,引用発明1に基づき,
引用発明2を組み合わせることに阻害要因がないことは,上記(3)エと
同様であるから,訂正後の本件発明1は,引用発明1に基づき,引用発明
2を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をすることができたも
のというべきである。
また,引用発明2は,上記(4)のとおり,相違点3に係る訂正後の本
件発明2の構成を開示しているものということができ,訂正後の本件発明
2は,引用発明1に基づき,引用発明2を組み合わせることにより,当業
者が容易に発明をすることができたものというべきである。
(6)上記(1)ないし(4)のとおり,本件発明1及び2は,引用発明1
に基づき,引用発明2を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をす
,(。)ることができたものであり本件特許請求項1及び2に係る部分に限る
,,()は特許法29条2項の規定に違反して特許されたものであって上記5
のとおり,訂正後の本件発明1及び2も,引用発明1に基づき,引用発明2
を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をすることができたもので
あるから,本件特許(請求項1及び2に係る部分に限る)は,同法123。
条1項2号の規定に基づき,特許無効審判により無効にされるべきものであ
る。
2上記1のとおり,本件特許(請求項1及び2に係る部分に限る)は,特許。
法123条1項2号の規定に基づき,特許無効審判により無効にされるべきも
のであるから,原告は,同法104条の3第1項の規定により,被告に対し,
本件特許権及び本件特許権に係る補償金請求権を行使することができない。
第4結論
以上によれば,原告の請求は,その余の点を判断するまでもなく,理由がな
いからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第29部
清水節裁判長裁判官
山田真紀裁判官
裁判官東崎賢治は,転補のため,署名押印することができない。
清水節裁判長裁判官
物件目録
1還流式電気掃除機(機種名「SC-JT80)」
2還流式電気掃除機(機種名「SC-JT8A)」
3還流式電気掃除機(機種名「SC-JT8B)」
4還流式電気掃除機(機種名「SC-JT8D)」
5還流式電気掃除機(機種名「SC-JT8E)」
6還流式電気掃除機(機種名「SC-JT10E)」
特許公報(甲2)
原告主張被告製品1説明書
被告製品1は,以下の構成を有している(下線部分は,被告主張被告製品1説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品1の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4図は,掃除機本体の底面の還流流路を示す分解底面図である。
第5-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第5-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第5-1図の収納ケース部分の拡大断面図である。
第6図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第5-1図におけるB-B断面図である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるC-C断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部を示す第7図におけるD-D断面
図である。
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a・・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室6i・・・開口
7・・・・車輪部7e・・・排気口
8・・・・底裏面8a・・・還流流路部材
8c・・・流出口9・・・・コードリール
10・・・収納ケース11・・・ファンモータハウジング
11a・・ファンカバー11b・・モータ外殻
11c・・ファンカバー出口孔11d・・モータ部入口孔
11e・・モータ部出口孔11f・・ファンカバー出口孔
11i・・ファンカバー吸引孔12・・・渦巻翼ファン
13・・・デフューザ14i・・開口
17・・・弾性フィルタ部材18・・・シール部材
19・・・シール部材20・・・隔壁
21・・・出力口22・・・フィルタ
23・・・排出口24・・・結合部
24c・・還流路25・・・継手部
25c・・通路27・・・噴出部
29・・・回転ブラシ30・・・吸引口
31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品1は,ゴミを吸引する吸引口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており(第8図を参照,被告製品1は,掃除ヘッ)
ド(2)からパイプ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃
除機本体(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内の
ファンモータ(5)の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及び
パイプ(3b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還
流流路とを備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第5-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第5-1図及び第5-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられている。
(5)第3図及び第4図を参照して,掃除機本体(1)の底裏面(8)には還
()()。()流流路部材8aが配設されている第4図を参照還流流路部材8a
()(),の内部流路はファンモータ室6の底部に設けられた開口6iに連通し
また流出口(8c)を通じて図示しないホース(3a)の還流路(24c)に
連通する。
(6)第3図,第5-1図,第5-2図及び第6図を参照して,ファンモータ
()(),()()5のハウジング11は渦巻翼ファン12及びデフューザ13
を覆うファンカバー(11a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子
及び図示しない固定子を覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。フ
ァンカバー(11a)の前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設け
られ,周側面には多数の略台形孔状のファンカバー出口孔(11c)が設けら
れ,後端面には4個の丸孔状のファンカバー出口孔(11f)が設けられてい
る。ファンカバー(11a)とモータ外殻(11b)とは隔壁に設けられたモ
ータ部入口孔(11d)で連通されており,モータ外殻(11b)の側面には
モータ部出口孔(11e)が設けられている。
(7)第3図,第5-1図,第5-2図及び第6図を参照して,ファンカバー
吸引孔(11i)からハウジング内部へファン(12)により吸引された空気
流は周縁へ向かう出力流となりデフューザ13外周にある複数の開口1,()(
4i)からデフューザ(13)内へ流入する。デフューザ(13)内へ流入し
たファン出力流は,モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ
流入して,モータ内部を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジン
,()()グ外部へ流出する冷却出力流とファン12からモータ部入口孔11d
までの中間のファンカバー(11a)の周側面に設けられたファンカバー出口
孔(11c)及び後端面に設けられたファンカバー出口孔(11f)からハウ
ジング外部へ流出する直接出力流とに分流される。
(8)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー出口孔(11c)及びフ
ァンカバー出口孔(11f)からハウジング外部へ流出した直接出力流は,フ
ァンカバー(11a)と収納ケース(10)内面及び該内面に立設された隔壁
()(),()20との間に形成される前部空間10cを通って収納ケース10
の底部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入した空
気流は,ファンモータ室(6)底部の開口(6i)から還流流路部材(8a)
内へ流入し,還流流路部材(8a)の内部流路を通って流出口(8c)から,
掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続されたホース(3a)の還
流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイプ(3b)の還流路(24
c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される。
(9)一方,モータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出した冷却出
力流は,通気性を有する弾性フィルタ部材(17)を通過してモータ外殻(1
1b)と収納ケース(10)との間の後部空間(10e)に排出され,その冷
却出力流は下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)か
らファンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられ
た車輪部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される。
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,図示しないホース(3a)及びパイプ(3
bの内部に形成された還流路24cを経て結合部24の還流路2)(),()(
4c)を通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された排気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は通路(2c))
を経て,ファンモータ(5)の吸引力により左右の外気導入孔(2a)から取
り入れられる外気に合流して,左右のスリット状の噴出部(27)から後方へ
噴出する。回転ブラシ(29)はこの噴出した空気流を受けて回転する(第9
図を参照。)
以上
写真1・写真2(訴状別紙2JT80説明書添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT)
80説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT)
80説明書添付)
第3図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT)
80説明書添付)
第4図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第5-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-J)
T80説明書添付)
第5-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-J)
T80説明書添付)
第6図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
原告主張被告製品2説明書
被告製品2は,以下の構成を有している(下線部分は,被告主張被告製品2説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品2の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部を示す第7図におけるE-E断面
図である。
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a・・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室7・・・・車輪部
7e・・・排気口8・・・・還流流路部材
8a・・・カバー8c・・・流出口
8i・・・流入口10・・・収納ケース
10a・・上ケース10b・・下ケース
10c・・前部空間10e・・後部空間
11・・・ファンモータハウジング11a・・ファンカバー
11b・・モータ外殻11c・・ファンカバー出口孔
11d・・モータ部入口孔11e・・モータ部出口孔
11i・・ファンカバー吸引孔12・・・渦巻翼ファン
13・・・デフューザ14i・・開口
17・・・弾性フィルタ部材18・・・シール部材
19・・・シール部材20・・・隔壁
21・・・出力口22・・・フィルタ
23・・・排出口24・・・結合部
24c・・還流路25・・・継手部
25c・・通路27・・・噴出部
27a・・噴出口29・・・回転ブラシ
30・・・吸引口31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品2は,ゴミを吸引する吸引口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており(第8図を参照,被告製品2は,掃除ヘッ)
ド(2)からパイプ〈3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃
除機本体(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内の
ファンモータ(5)の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及び
パイプ(3b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還
流流路とを備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,掃除機本体(1)の一方の側面には還
流流路部材(8)が配設されている。還流流路部材(8)の流入口(8i)は
収納ケース(10)の側部に形成された出力口(21)に連通し,また流出口
()()()。()8cは図示しないホース3aの還流路24cに連通する8a
は還流流路部材(8)を覆うカバーである。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には4個の
丸孔状のファンカバー出口孔(11c)が設けられている。ファンカバー(1
)()()1aとモータ外殻11bとは隔壁に設けられたモータ部入口孔11d
,()()で連通されておりモータ外殻11bの側面にはモータ部出口孔11e
が設けられている。
(7)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
出力流とデフューザ(13)の開口(14i)からモータ部入口孔(11d)
までの中間に設けられたファンカバー出口孔(11c)からハウジング外部へ
流出する直接出力流となる。このファンカバー出口孔(11c)からの直接出
力流は,収納ケース(10)内で,モータ部出口孔(11e)からの冷却出力
流に混合する(第4-2図を参照。)
(),()8第3図ないし第6図を参照してこの混合流の一部は収納ケース10
の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入した空
気流は,還流流路部材(8)内へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通
って流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続
されたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイ
プ(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-
1図を参照。)
(9)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される。
⑾第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路について説
明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部に形成
された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を通って
掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された排気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は,通路(25)
c)から通路(2c)を経て,ファンモータ(5)の吸引力により左右の外気
導入孔(2a)から取り入れられる外気に合流して,掃除ヘッド内面上方に形
成された左右1対のスリット状の噴出部(27)から下方へ噴出する。回転ブ
ラシ(29)はこの噴出した空気流を受けて回転する(第9図を参照。)
(注)4(10)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙3JT8A説明書添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT)
8A説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8)
A説明書添付)
第3図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8)
A説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-J)
T8A説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-J)
T8A説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT)
8A説明書添付)
第6図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT)
8A説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT)
8A説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8)
A説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8)
A説明書添付)
原告主張被告製品3説明書
被告製品3は,以下の構成を有している(下線部分は,被告主張被告製品3説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品3の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部を示す第7図におけるE-E断面
図である。
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a・・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室6i・・・開口
7・・・・車輪部7e・・・排気口
8・・・・還流流路部材8c・・・流出口
8i・・・流入口10・・・収納ケース
10a・・上ケース10b・・下ケース
10c・・前部空間10e・・後部空間
11・・・ファンモータハウジング11a・・ファンカバー
11b・・モータ外殻11c・・ファンカバー出口孔
11d・・モータ部入口孔11e・・モータ部出口孔
11f・・ファンカバー出口孔11i・・ファンカバー吸引孔
12・・・渦巻翼ファン13・・・デフューザ
14i・・開口17・・・弾性フィルタ部材
18,19・・シール部材20・・・隔壁
21・・・出力口22・・・フィルタ
23・・・排出口24・・・結合部
24c・・還流路25・・・継手部
25c・・通路27・・・噴出部
27a・・噴出口29・・・回転ブラシ
30・・・吸引口31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品3は,ゴミを吸引する吸引口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており,被告製品3は,掃除ヘッド(2)からパイ
プ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃除機本体(1)内
(),()()のフィルタ4へ至る吸引流路と掃除機本体1内のファンモータ5
の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及びパイプ(3b)の各
還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還流流路とを備えた還
流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられ,ファンモ
ータ室(6)の底部には還流流路部材(8)が配設されている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には,6個
の丸孔状のファンカバー出口孔(11c)と,2個の略長方形孔状のファンカ
バー出口孔(11f)とが設けられている。ファンカバー(11a)とモータ
外殻(11b)とは隔壁に設けられたモータ部入口孔(11d)で連通されて
おり,モータ外殻(11b)の側面にはモータ部出口孔(11e)が設けられ
ている。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
,()()()出力流とデフューザ13の開口14iからモータ部入口孔11d
までの中間に設けられたファンカバー出口孔(11f)及びファンカバー出口
孔(11c)からハウジング外部へ流出する直接出力流とに分流される。この
ファンカバー出口孔(11f)及びファンカバー出口孔(11c)からの直接
出力流は,収納ケース(10)内で,モータ部出口孔(11e)からの冷却出
力流に混合する(第4-2図を参照。)
(7)第3図ないし第6図を参照して,この混合流の一部は,収納ケース(1
0)の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入し
た空気流は,ファンモータ室(6)底部の開口(6i)に嵌装される還流流路
部材(8)の流入口(8i)へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通っ
て流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続さ
れたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイプ
(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-1
図を参照。)
(8)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される(第6図を
参照。)
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部
に形成された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を
通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された排気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は,通路(25)
c)から通路(2c)を経て,ファンモータの吸引力により左右の外気導入孔
(2a)から取り入れられる外気に合流して,掃除ヘッド内面上方に形成され
た左右1対のスリット状の噴出部27から下方へ噴出する回転ブラシ2()。(
9)はこの噴出した空気流を受けて回転する(第9図を参照。)
(注)4(9)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙4JT8B説明書添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
第3図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-J)
T8B説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-J)
T8B説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
第6図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
原告主張被告製品4説明書
被告製品4は,以下の構成を有している(下線部分は,被告主張被告製品4説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品4の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部を示す第7図におけるE-E断面
図である。
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a・・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室7・・・・車輪部
7e・・・排気口8・・・・還流流路部材
8c・・・流出口8i・・・流入口
10・・・収納ケース10a・・上ケース
10b・・下ケース10c・・前部空間
10e・・後部空間11・・・ファンモータハウジング
11a・・ファンカバー11b・・モータ外殻
11c・・ファンカバー出口孔11d・・モータ部入口孔
11e・・モータ部出口孔11f・・ファンカバー出口孔
11i・・ファンカバー吸引孔12・・・渦巻翼ファン
13・・・デフューザ14i・・開口
17・・・弾性フィルタ部材18,19・・シール部材
20・・・隔壁21・・・出力口
22・・・フィルタ23・・・排出口
24・・・結合部24c・・還流路
25・・・継手部25c・・通路
26・・・シート状弁体27a,27b・・噴出部
29・・・回転ブラシ30・・・吸引口
31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品4は,ゴミを吸引する吸引口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており(第8図を参照,被告製品4は,掃除ヘッ)
ド(2)からパイプ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃
除機本体(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内の
ファンモータ(5)の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及び
パイプ(3b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還
流流路とを備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)を形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられ,ファンモ
ータ室(6)の底部には還流流路部材(8)が配設されている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には,6個
の丸孔状のファンカバー出口孔(11c)と,2個の略長方形孔状のファンカ
バー出口孔(11f)とが設けられている。ファンカバー(11a)とモータ
外殻(11b)とは隔壁に設けられたモータ部入口孔(11d)で連通されて
おり,モータ外殻(11b)の側面にはモータ部出口孔(11e)が設けられ
ている。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
,()()()出力流とデフューザ13の開口14iからモータ部入口孔11d
までの中間に設けられたファンカバー出口孔(11f)及びファンカバー出口
孔(11c)からハウジング外部へ流出する直接出力流とに分流される。この
ファンカバー出口孔(11f)及びファンカバー出口孔(11c)からの直接
出力流は,収納ケース(10)内で,モータ部出口孔(11e)からの冷却出
力流に混合する(第4-2図を参照。)
(7)第3図ないし第6図を参照して,この混合流の一部は,収納ケース(1
0)の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入し
た空気流は,ファンモータ室(6)底部の開口(6i)に嵌装される還流流路
部材(8)の流入口(8i)へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通っ
て流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続さ
れたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイプ
(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-1
図を参照。)
(8)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される(第6図を
参照。)
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部
に形成された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を
通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された空気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は,通路(25)
c)から掃除ヘッド(2)内部の左右上方に形成された通路(2c)を経て,
ファンモータの吸引力により左右の外気導入口(2a(2b)から取り入れ)
られる外気に合流して,掃除ヘッド内面上方に形成された左右2対のスリット
状の噴出部(27a(27b)から下方へ噴出する。回転ブラシ(29)は)
この噴出した空気流を受けて回転する(第9図を参照。)
()(),(),シート状弁体26は回動レバー28と連動し弁ポート26a
(26b)を備え,図に示す位置では,弁ポート(26a)が開口して噴出部
27aが開口しているが掃除ヘッド前端が壁等に接して回動レバー2(),,(
8)が破線で示す位置に回動すると,噴出部(27a)を閉じ,弁ポート(2
6b)が開口して噴出部(27b)を開口する。
(注)4(9)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙5JT8D説明書添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT)
8D説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8)
D説明書添付)
第3図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙5SC-JT8)
D説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-J)
T8D説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-J)
T8D説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8)
D説明書添付)
第6図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙5SC-JT8)
D説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8)
D説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8)
D説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8D)
説明書添付)
原告主張被告製品5説明書
被告製品5は,以下の構成を有している(下線部分は,被告主張被告製品5説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品5の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部を示す第7図におけるE-E断面
図である。
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a,2b・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室7・・・・車輪部
7e・・・排気口8・・・・還流流路部材
8c・・・流出口8i・・・流入口
10・・・収納ケース10a・・上ケース
10b・・下ケース10c・・前部空間
10e・・後部空間11・・・ファンモータハウジング
11a・・ファンカバー11b・・モータ外殻
11c・・ファンカバー出口孔11d・・モータ部入口孔
11e・・モータ部出口孔11f・・ファンカバー出口孔
11i・・ファンカバー吸引孔12・・・渦巻翼ファン
13・・・デフューザ14i・・開口
17・・・弾性フィルタ部材18,19・・シール部材
20・・・隔壁21・・・出力口
22・・・フィルタ23・・・排出口
24・・・結合部24c・・還流路
25・・・継手部25c・・通路
26・・・シート状弁体27a,27b・・噴出部
29・・・回転ブラシ30・・・吸引口
31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品5は,ゴミを吸引する吸引口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第1図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続するホ
ース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流路(2
)(),,()4cとが形成されており第8図を参照被告製品5は掃除ヘッド2
からパイプ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃除機本体
(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内のファンモ
ータ5の出力する空気流の少なくとも一部をホース3a及びパイプ3()()(
b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還流流路とを
備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられ,ファンモ
ータ室(6)の底部には還流流路部材(8)が配設されている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には,6個
の丸穴状のファンカバー出口孔(11c)と,2個の略長方形孔状のファンカ
バー出口孔(11f)とが設けられている。ファンカバー(11a)とモータ
外殻(11b)とは隔壁に設けられたモータ部入口孔(11d)で連通されて
おり,モータ外殻(11b)の側面にはモータ部出口孔(11e)が設けられ
ている。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
,()()()出力流とデフューザ13の開口14iからモータ部入口孔11d
までの中間に設けられたファンカバー出口孔(11c)及びファンカバー出口
孔(11f)からハウジング外部へ流出する直接出力流とに分流される。ファ
ンカバー出口孔(11c)及びファンカバー出口孔(11f)からの直接出力
流は,収納ケース(10)内で,モータ部出口孔(11e)からの冷却出力流
に混合する(第4-2図を参照。)
(7)第3図ないし第6図を参照して,この混合流の一部は,収納ケース(1
0)の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入し
た空気流は,ファンモータ室(6)底部の開口(6i)に嵌装される還流流路
部材(8)の流入口(8i)へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通っ
て流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続さ
れたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイプ
(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-1
図を参照。)
(8)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される(第6図を
参照。)
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部
に形成された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を
通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された排気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は,通路(25)
c)から掃除ヘッド(2)内部の左右上方に形成された通路(2c)を経て,
ファンモータ(5)の吸引力により左右の外気導入孔(2a(2b)から取)
り入れられる外気に合流して,掃除ヘッド内面上方に形成された左右2対のス
リット状の噴出部(27a(27b)から下方へ噴出する。回転ブラシ(2),
9)はこの噴出した空気流を受けて回転する(第9図を参照。)
()(),(),シート状弁体26は回動レバー28と連動し弁ポート26a
(26b)を備え,図に示す位置では,弁ポート(26a)が開口して噴出部
27aが開口しているが掃除ヘッド前端が壁等に接して回動レバー2(),,(
8)が破線で示す位置に回動すると,噴出部(27a)を閉じ,弁ポート(2
6b)が開口して噴出部(27b)を開口する。
(注)4(9)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙6JT8E説明書添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8)
E説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8)
E説明書添付)
第3図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT)
8E説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT)
8E説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第6図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
原告主張被告製品6説明書
被告製品6は,以下の構成を有している(下線部分は,被告主張被告製品6説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品6の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部を示す第7図におけるE-E断面
図である。
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a,2b・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室7・・・・車輪部
7e・・・排気口8・・・・還流流路部材
8c・・・流出口8i・・・流入口
10・・・収納ケース10a・・上ケース
10b・・下ケース10c・・前部空間
10e・・後部空間11・・・ファンモータハウジング
11a・・ファンカバー11b・・モータ外殻
11c・・ファンカバー出口孔11d・・モータ部入口孔
11e・・モータ部出口孔11f・・ファンカバー出口孔
11i・・ファンカバー吸引孔12・・・渦巻翼ファン
13・・・デフューザ14i・・開口
17・・・弾性フィルタ部材18,19・・シール部材
20・・・隔壁21・・・出力口
22・・・フィルタ23・・・排出口
24・・・結合部24c・・還流路
25・・・継手部25c・・通路
27・・・噴出部27a・・噴出口
29・・・回転ブラシ30・・・吸引口
31・・・吸引路32・・・モータ
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品6は,ゴミを吸引する吸引口
(30。第3図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており(第8図を参照,被告製品6は,掃除ヘッ)
ド(2)からパイプ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃
除機本体(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内の
ファンモータ(5)の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及び
パイプ(3b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還
流流路とを備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除〉
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられ,ファンモ
ータ室(6)の底部には還流流路部材(8)が配設されている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には,6個
の丸孔状のファンカバー出口孔(11c)と,2個の略長方形孔状のファンカ
バー出口孔(11f)とが設けられている。ファンカバー(11a)とモータ
外殻(11b)とは隔壁に設けられたモータ部入口孔(11d)で連通されて
おり,モータ外殻(11b)の側面にはモータ部出口孔(11e)が設けられ
ている。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
,()()()出力流とデフューザ13の開口14iからモータ部入口孔11d
までの中間に設けられたファンカバー出口孔(11c)及びファンカバー出口
孔(11f)からハウジング外部へ流出する直接出力流とに分流される。ファ
ンカバー出口孔(11c)及びファンカバー出口孔(11f)からの直接出力
流は,収納ケース(10)内で,モータ部出口孔(11e)からの冷却出力流
に合流する(第4-2図を参照。)
(7)第3図ないし第6図を参照して,この混合流の一部は,収納ケース(1
0)の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入し
た空気流は,ファンモータ室(6)底部の開口(6i)に嵌装される還流流路
部材(8)の流入口(8i)へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通っ
て流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続さ
れたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイプ
(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-1
図を参照。)
(8)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される(第6図を
参照。)
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部
に形成された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を
通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された空気は,ヘッド(2)内部の上方に形成された通路(2c)を通
,()()。()ってスリット状の噴出部27の噴出口27aより噴出する32
は回転ブラシ(29)を回転駆動させるモータである。
(注)4(9)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙7JT10E説明書添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT1)
0E説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT1)
0E説明書添付)
第3図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙7SC-JT1)
0E説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-J)
T10E説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-J)
T10E説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT1)
0E説明書添付)
第6図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙7SC-JT1)
0E説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT1)
0E説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT1)
0E説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT10)
E説明書添付)
被告主張被告製品1説明書
被告製品1は,以下の構成を有している(下線部分は,原告主張被告製品1説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品1の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
写真3-1は,被告製品1の掃除ヘッドを示す写真である。
写真3-2は,上部カバーを外した掃除ヘッドの写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4図は,掃除機本体の底面の還流流路を示す分解底面図である。
第5-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第5-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第5-1図の収納ケース部分の拡大断面図である。
第6図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第5-1図におけるB-B断面図である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるC-C断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部(案内部)を示す第7図における
D-D断面図である。
第10-1図は,掃除ヘッドの平面図である(写真3-1に対応。)
第10-2図は,上部カバーを外した掃除ヘッドの平面図である(写真3-2
に対応。青色部分は,還流路である。)
第10-3図は,掃除ヘッド内の還流路の断面図である。左図は,第9図と同
じ方向の断面図である。右図は,左図のB-B,C-C,D-D位置の各断面図
である。
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a・・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室6i・・・開口
7・・・・車輪部7e・・・排気口
8・・・・底裏面8a・・・還流流路部材
8c・・・流出口9・・・・コードリール
10・・・収納ケース11・・・ファンモータハウジング
11a・・ファンカバー11b・・モータ外殻
11c・・ファンカバー出口孔11d・・モータ部入口孔
11e・・モータ部出口孔11f・・小孔
11i・・ファンカバー吸引孔12・・・渦巻翼ファン
13・・・デフューザ14i・・開口
17・・・弾性フィルタ部材18・・・シール部材
19・・・シール部材20・・・隔壁
21・・・出力口22・・・フィルタ
23・・・排出口24・・・結合部
24c・・還流路25・・・継手部
25c・・通路27・・・噴出部(案内部)
29・・・回転ブラシ30・・・吸込口
31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品1は,ゴミを吸引する吸込口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており(第8図を参照,被告製品1は,掃除ヘッ)
ド(2)からパイプ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃
除機本体(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内の
ファンモータ(5)の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及び
パイプ(3b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還
流流路とを備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第5-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第5-1図及び第5-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられている。
(5)第3図及び第4図を参照して,掃除機本体(1)の底裏面(8)には還
()()。()流流路部材8aが配設されている第4図を参照還流流路部材8a
()(),の内部流路はファンモータ室6の底部に設けられた開口6iに連通し
また流出口(8c)を通じて図示しないホース(3a)の還流路(24c)に
連通する。
(6)第3図,第5-1図,第5-2図及び第6図を参照して,ファンモータ
()(),()()5のハウジング11は渦巻翼ファン12及びデフューザ13
を覆うファンカバー(11a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子
及び図示しない固定子を覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。フ
ァンカバー(11a)の前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設け
られ,周側面には多数の略台形孔状のファンカバー出口孔(11c)が設けら
れ,後端面には4個の丸孔状の小孔(11f)が設けられている。ファンカバ
ー11aとモータ外殻11bとは隔壁に設けられたモータ部入口孔1()()(
1dで連通されておりモータ外殻11bの側面にはモータ部出口孔1),()(
1e)が設けられている。
(7)第3図,第5-1図,第5-2図及び第6図を参照して,ファンカバー
吸引孔(11i)からハウジング内部へファン(12)により吸引された空気
流は周縁へ向かう出力流となりデフューザ13外周にある複数の開口1,()(
4i)からデフューザ(13)内へ流入する。デフューザ(13)内へ流入し
たファン出力流は,モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ
流入して,モータ内部を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジン
,()()グ外部へ流出する冷却出力流とファン12からモータ部入口孔11d
までの中間のファンカバー(11a)の周側面に設けられたファンカバー出口
孔(11c)及び後端面に設けられた小孔(11f)からハウジング外部へ流
出する直接出力流とに分流される。
(8)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー出口孔(11c)及び小
孔(11f)からハウジング外部へ流出した直接出力流は,ファンカバー(1
1a)と収納ケース(10)内面及び該内面に立設された隔壁(20)との間
に形成される前部空間(10c)を通って,収納ケース(10)の底部に形成
された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入した空気流は,ファ
ンモータ室(6)底部の開口(6i)から還流流路部材(8a)内へ流入し,
()(),()還流流路部材8aの内部流路を通って流出口8cから掃除機本体1
の図示しないホース結合部に接続されたホース(3a)の還流路(24c)へ
流入し,ホース(3a)及びパイプ(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘ
ッド(2)へ還流される。
(9)一方,モータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出した冷却出
力流は,通気性を有する弾性フィルタ部材(17)を通過してモータ外殻(1
1b)と収納ケース(10)との間の後部空間(10e)に排出され,その冷
却出力流は下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)か
らファンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられ
た車輪部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される。
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,図示しないホース(3a)及びパイプ(3
bの内部に形成された還流路24cを経て結合部24の還流路2)(),()(
4c)を通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された排気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は通路(2c))
を経て,ファンモータ(5)の吸引力により左右の外気導入孔(2a)から取
り入れられる外気に合流して,左右のスリット状の噴出部(案内部(27))
から後方へ回転ブラシ(29)に直接向かうように導かれる。回転ブラシ(2
9)はこの導かれた空気流を受けて回転する(第9図を参照。)
以上
写真1・写真2(訴状別紙2JT80説明書添付)
写真3-1(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙2-1S)
C-JT80説明書(追加)添付)
写真3-2(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙2-1S)
C-JT80説明書(追加)添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第3図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第4図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第5-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-J)
T80説明書添付)
第5-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-J)
T80説明書添付)
第6図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙2SC-JT8)
0説明書添付)
第10-1図(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙2-1)
SC-JT80説明書(追加)添付)
第10-2図(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙2-1)
SC-JT80説明書(追加)添付)
第10-3図(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙2-1S)
C-JT80説明書(追加)添付)
被告主張被告製品2説明書
被告製品2は,以下の構成を有している(下線部分は,原告主張被告製品2説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品2の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
写真3-1は,被告製品2の掃除ヘッドを示す写真である。
写真3-2は,掃除ヘッドの上部前カバーを示す写真である。
写真3-3は,掃除ヘッドの上部前カバーを下方から撮影した写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部(案内部)を示す第7図における
E-E断面図である。
第10-1図は,掃除ヘッドの上部前カバーの上方からの透視図である(写真
3-2に対応。濃青色部分は,還流の吹出口を示す。)
第10-2図は,掃除ヘッドの上部前カバーの下方からの透視図である(写真
3-3に対応。濃青色部分は,還流の吹出口を示す。)
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a・・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室7・・・・車輪部
7e・・・排気口8・・・・還流流路部材
8a・・・カバー8c・・・流出口
8i・・・流入口10・・・収納ケース
10a・・上ケース10b・・下ケース
10c・・前部空間10e・・後部空間
11・・・ファンモータハウジング11a・・ファンカバー
11b・・モータ外殻11c・・小孔
11d・・モータ部入口孔11e・・モータ部出口孔
11i・・ファンカバー吸引孔12・・・渦巻翼ファン
13・・・デフューザ14i・・開口
17・・・弾性フィルタ部材18・・・シール部材
19・・・シール部材20・・・隔壁
21・・・出力口22・・・フィルタ
23・・・排出口24・・・結合部
24c・・還流路25・・・継手部
25c・・通路27・・・噴出部(案内部)
27a・・噴出口(案内口)29・・・回転ブラシ
30・・・吸込口31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品2は,ゴミを吸引する吸込口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており(第8図を参照,被告製品2は,掃除ヘッ)
ド(2)からパイプ〈3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃
除機本体(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内の
ファンモータ(5)の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及び
パイプ(3b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還
流流路とを備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,掃除機本体(1)の一方の側面には還
流流路部材(8)が配設されている。還流流路部材(8)の流入口(8i)は
収納ケース(10)の側部に形成された出力口(21)に連通し,また流出口
()()()。()8cは図示しないホース3aの還流路24cに連通する8a
は還流流路部材(8)を覆うカバーである。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には4個の
丸孔状の小孔(11c)が設けられている。ファンカバー(11a)とモータ
外殻(11b)とは隔壁に設けられたモータ部入口孔(11d)で連通されて
おり,モータ外殻(11b)の側面にはモータ部出口孔(11e)が設けられ
ている。
(7)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
出力流とデフューザ(13)の開口(14i)からモータ部入口孔(11d)
までの中間に設けられた小孔(11c)からハウジング外部へ流出する直接出
力流となる。この小孔(11c)からの直接出力流は,収納ケース(10)内
でモータ部出口孔11eからの冷却出力流に混合されて混合流となる第,()(
4-2図を参照。)
(),()8第3図ないし第6図を参照してこの混合流の一部は収納ケース10
の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入した空
気流は,還流流路部材(8)内へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通
って流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続
されたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイ
プ(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-
1図を参照。)
(9)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される。
⑾第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路について説
明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部に形成
された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を通って
掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された排気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は,通路(25)
c)から通路(2c)を経て,ファンモータ(5)の吸引力により左右の外気
導入孔(2a)から取り入れられる外気に合流して,掃除ヘッド内面上方に形
()()()成された左右1対のスリット状の噴出部案内部27の噴出口案内口
(27a)から下方へ回転ブラシ(29)に直接向かうように導かれる。回転
ブラシ(29)はこの導かれた空気流を受けて回転する(第9図を参照。)
(注)4(10)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙3JT8A説明書添付)
写真3-1(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙3-1S)
C-JT8A説明書(追加)添付)
写真3-2、3-3(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙)
3-1SC-JT8A説明書(追加)添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8)
A説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8)
A説明書添付)
第3図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8)
A説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-J)
T8A説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT)
8A説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8A)
説明書添付)
第6図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8A)
説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8A)
説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8A)
説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙3SC-JT8A)
説明書添付)
第10-1図(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙3-1S)
C-JT8A説明書(追加)添付)
第10-2図(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙3-1S)
C-JT8A説明書(追加)添付)
被告主張被告製品3説明書
被告製品3は,以下の構成を有している(下線部分は,原告主張被告製品3説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品3の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
写真3-1は,被告製品3の掃除ヘッドを示す写真である。
写真3-2は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドの写真
である。
写真3-3は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドを下方
から撮影した写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部(案内部)を示す第7図における
E-E断面図である。
第10-1図は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドの上
()。。方からの透視図である写真3-2に対応濃青色部分は還流の吹出口を示す
第10-2図は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドの下
()。。方からの透視図である写真3-3に対応濃青色部分は還流の吹出口を示す
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a・・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室6i・・・開口
7・・・・車輪部7e・・・排気口
8・・・・還流流路部材8c・・・流出口
8i・・・流入口10・・・収納ケース
10a・・上ケース10b・・下ケース
10c・・前部空間10e・・後部空間
11・・・ファンモータハウジング11a・・ファンカバー
11b・・モータ外殻11c・・小孔
11d・・モータ部入口孔11e・・モータ部出口孔
11f・・小孔11g・・小孔
11i・・ファンカバー吸引孔12・・・渦巻翼ファン
13・・・デフューザ14i・・開口
17・・・弾性フィルタ部材18・・・シール部材
19・・・シール部材20・・・隔壁
21・・・出力口22・・・フィルタ
23・・・排出口24・・・結合部
24c・・還流路25・・・継手部
25c・・通路27・・・噴出部(案内部)
27a・・噴出口(案内口)29・・・回転ブラシ
30・・・吸込口31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品3は,ゴミを吸引する吸込口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており,被告製品3は,掃除ヘッド(2)からパイ
プ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃除機本体(1)内
(),()()のフィルタ4へ至る吸引流路と掃除機本体1内のファンモータ5
の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及びパイプ(3b)の各
還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還流流路とを備えた還
流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられ,ファンモ
ータ室(6)の底部には還流流路部材(8)が配設されている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には,4個
の丸孔状の小孔(11c)と,小孔(11c)よりも小さい2個の丸孔状の小
孔(11g)と,外部に漏らす2個の略長方形孔状の小孔(11f)とが設け
られている。ファンカバー(11a)とモータ外殻(11b)とは隔壁に設け
られたモータ部入口孔(11d)で連通されており,モータ外殻(11b)の
側面にはモータ部出口孔(11e)が設けられている。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
,()()()出力流とデフューザ13の開口14iからモータ部入口孔11d
までの中間に設けられた小孔(11f,小孔(11c)及び小孔(11g))
からハウジング外部へ流出する直接出力流とに分流される。この小孔(11
f小孔11c及び小孔11gからの直接出力流は収納ケース1),()(),(
0)内で,モータ部出口孔(11e)からの冷却出力流に混合されて混合流と
なる(第4-2図を参照。)
(7)第3図ないし第6図を参照して,この混合流の一部は,収納ケース(1
0)の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入し
た空気流は,ファンモータ室(6)底部の開口(6i)に嵌装される還流流路
部材(8)の流入口(8i)へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通っ
て流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続さ
れたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイプ
(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-1
図を参照。)
(8)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される(第6図を
参照。)
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部
に形成された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を
通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された排気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は,通路(25)
c)から通路(2c)を経て,ファンモータの吸引力により左右の外気導入孔
(2a)から取り入れられる外気に合流して,掃除ヘッド内面上方に形成され
た左右1対のスリット状の噴出部(案内部(27)の噴出口(案内口(2))
7a)から下方へ回転ブラシ(29)に直接向かうように導かれる。回転ブラ
シ(29)はこの導かれた空気流を受けて回転する(第9図を参照。)
(注)4(9)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙4JT8B説明書添付)
写真3-1(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙4-1SC)
-JT8B説明書(追加)添付)
写真3-2、3-3(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙)
4-1SC-JT8B説明書(追加)添付)
写真3-2、3-3(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙)
4-1SC-JT8B説明書(追加)添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8)
B説明書添付)
第3図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙4SC-JT8B)
説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT)
8B説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT)
8B説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8B)
説明書添付)
第6図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙4SC-JT8B)
説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8B)
説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8B)
説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙4SC-JT8B)
説明書添付)
第10-1図(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙4-1S)
C-JT8B説明書(追加)添付)
第10-2図(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙4-1S)
C-JT8B説明書(追加)添付)
被告主張被告製品4説明書
被告製品4は,以下の構成を有している(下線部分は,原告主張被告製品4説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品4の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
写真3-1は,被告製品4の掃除ヘッドを示す写真である。
写真3-2は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドの写真
である。
写真3-3は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドを下方
から撮影した写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出口(案内口)を示す第7図における
E-E断面図である。
第10-1図は,いずれも上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘ
ッドの上方からの透視図である(写真3-2に対応。第10-1図①の濃青色)
部分は,還流の吹出口(通常位置)を示す。第10-1図②の濃緑色部分は,還
流の吹出口(壁際での位置)を示す。
第10-2図は,いずれも上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘ
ッドの下方からの透視図である(写真3-3に対応。第10-2図①の濃青色)
部分は,還流の吹出口(通常位置)を示す。第10-2図②の濃緑色部分は,還
流の吹出口(壁際での位置)を示す。
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a・・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室7・・・・車輪部
7e・・・排気口8・・・・還流流路部材
8c・・・流出口8i・・・流入口
10・・・収納ケース10a・・上ケース
10b・・下ケース10c・・前部空間
10e・・後部空間11・・・ファンモータハウジング
11a・・ファンカバー11b・・モータ外殻
11c・・小孔11d・・モータ部入口孔
11e・・モータ部出口孔11f・・小孔
11g・・小孔11i・・ファンカバー吸引孔
12・・・渦巻翼ファン13・・・デフューザ
14i・・開口17・・・弾性フィルタ部材
18・・・シール部材19・・・シール部材
20・・・隔壁21・・・出力口
22・・・フィルタ23・・・排出口
24・・・結合部24c・・還流路
25・・・継手部25c・・通路
26・・・シート状弁体27a・・噴出口(案内口)
27b・・噴出口(案内口)29・・・回転ブラシ
30・・・吸込口31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品4は,ゴミを吸引する吸込口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており(第8図を参照,被告製品4は,掃除ヘッ)
ド(2)からパイプ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃
除機本体(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内の
ファンモータ(5)の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及び
パイプ(3b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還
流流路とを備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)を形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられ,ファンモ
ータ室(6)の底部には還流流路部材(8)が配設されている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には,4個
の丸孔状の小孔(11c)と,小孔(11c)よりも小さい2個の丸孔状の小
孔(11g)と,外部に漏らす2個の略長方形孔状の小孔(11f)とが設け
られている。ファンカバー(11a)とモータ外殻(11b)とは隔壁に設け
られたモータ部入口孔(11d)で連通されており,モータ外殻(11b)の
側面にはモータ部出口孔(11e)が設けられている。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
,()()()出力流とデフューザ13の開口14iからモータ部入口孔11d
までの中間に設けられた小孔(11f,小孔(11c)及び小孔(11g))
からハウジング外部へ流出する直接出力流とに分流される。この小孔(11
f小孔11c及び小孔11gからの直接出力流は収納ケース1),()(),(
0)内で,モータ部出口孔(11e)からの冷却出力流に混合されて混合流と
なる(第4-2図を参照。)
(7)第3図ないし第6図を参照して,この混合流の一部は,収納ケース(1
0)の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入し
た空気流は,ファンモータ室(6)底部の開口(6i)に嵌装される還流流路
部材(8)の流入口(8i)へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通っ
て流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続さ
れたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイプ
(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-1
図を参照。)
(8)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される(第6図を
参照。)
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部
に形成された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を
通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された空気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は,通路(25)
c)から掃除ヘッド(2)内部の左右上方に形成された通路(2c)を経て,
ファンモータの吸引力により左右の外気導入口(2a(2b)から取り入れ)
られる外気に合流して,掃除ヘッド内面上方に形成された左右2対のスリット
状の噴出口(案内口(27a(27b)から下方へ回転ブラシ(29)に))
直接向かうように導かれる。回転ブラシ(29)はこの導かれた空気流を受け
て回転する(第9図を参照。)
()(),(),シート状弁体26は回動レバー28と連動し弁ポート26a
(26b)を備え,図に示す位置では,弁ポート(26a)が開口して噴出口
(案内口(27a)が開口しているが,掃除ヘッド前端が壁等に接して,回)
(),()()動レバー28が破線で示す位置に回動すると噴出口案内口27a
を閉じ,弁ポート(26b)が開口して噴出口(案内口(27b)を開口す)
る。
(注)4(9)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙5JT8D説明書添付)
写真3-1(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙5-1SC)
-JT8D説明書(追加)添付)
写真3-2、3-3(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙5)
-1SC-JT8D説明書(追加)添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8D)
説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8D)
説明書添付)
第3図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙5SC-JT8D)
説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT)
8D説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT)
8D説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8)
D説明書添付)
第6図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙5SC-JT8D)
説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8D)
説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8D)
説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙5SC-JT8D)
説明書添付)
第10-1図①(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙5-1)
SC-JT8D説明書(追加)添付)
第10-1図②(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙5-1)
SC-JT8D説明書(追加)添付)
第10-2図①(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙5-1)
SC-JT8D説明書(追加)添付)
第10-2図②(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙5-1)
SC-JT8D説明書(追加)添付)
被告主張被告製品5説明書
被告製品5は,以下の構成を有している(下線部分は,原告主張被告製品5説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品5の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
写真3-1は,被告製品5の掃除ヘッドを示す写真である。
写真3-2は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドの写真
である。
写真3-3は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドを下方
から撮影した写真である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出口(案内口)を示す第7図における
E-E断面図である。
第10-1図は,いずれも上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘ
ッドの上方からの透視図である(写真3-2に対応。第10-1図①の濃青色)
部分は,還流の吹出口(通常位置)を示す。第10-1図②の濃青色部分は,還
流の吹出口(壁際での位置)を示す。
第10-2図は,いずれも上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘ
ッドの下方からの透視図である(写真3-3に対応。第10-2図①の濃青色)
部分は,還流の吹出口(通常位置)を示す。第10-2図②の濃青色部分は,還
流の吹出口(壁際での位置)を示す。
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a,2b・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室7・・・・車輪部
7e・・・排気口8・・・・還流流路部材
8c・・・流出口8i・・・流入口
10・・・収納ケース10a・・上ケース
10b・・下ケース10c・・前部空間
10e・・後部空間11・・・ファンモータハウジング
11a・・ファンカバー11b・・モータ外殻
11c・・小孔11d・・モータ部入口孔
11e・・モータ部出口孔11f・・小孔
11g・・小孔11i・・ファンカバー吸引孔
12・・・渦巻翼ファン13・・・デフューザ
14i・・開口17・・・弾性フィルタ部材
18・・・シール部材19・・・シール部材
20・・・隔壁21・・・出力口
22・・・フィルタ23・・・排出口
24・・・結合部24c・・還流路
25・・・継手部25c・・通路
26・・・シート状弁体27a・・噴出口(案内口)
27b・・噴出口(案内口)29・・・回転ブラシ
30・・・吸込口31・・・吸引路
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品5は,ゴミを吸引する吸込口
(30。第8図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第1図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続するホ
ース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流路(2
)(),,()4cとが形成されており第8図を参照被告製品5は掃除ヘッド2
からパイプ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃除機本体
(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内のファンモ
ータ5の出力する空気流の少なくとも一部をホース3a及びパイプ3()()(
b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還流流路とを
備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除)
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられ,ファンモ
ータ室(6)の底部には還流流路部材(8)が配設されている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には,4個
の丸穴状の小孔(11c)と,小孔(11c)よりも小さい2個の丸孔状の小
孔(11g)と,外部に漏らす2個の略長方形孔状の小孔(11f)とが設け
られている。ファンカバー(11a)とモータ外殻(11b)とは隔壁に設け
られたモータ部入口孔(11d)で連通されており,モータ外殻(11b)の
側面にはモータ部出口孔(11e)が設けられている。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
,()()()出力流とデフューザ13の開口14iからモータ部入口孔11d
までの中間に設けられた小孔(11f,小孔(11c)及び小孔(11g))
からハウジング外部へ流出する直接出力流とに分流される。小孔(11f,)
小孔(11c)及び小孔(11g)からの直接出力流は,収納ケース(10)
内で,モータ部出口孔(11e)からの冷却出力流に混合されて混合流となる
(第4-2図を参照。)
(7)第3図ないし第6図を参照して,この混合流の一部は,収納ケース(1
0)の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入し
た空気流は,ファンモータ室(6)底部の開口(6i)に嵌装される還流流路
部材(8)の流入口(8i)へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通っ
て流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続さ
れたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイプ
(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-1
図を参照。)
(8)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される(第6図を
参照。)
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部
に形成された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を
通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された排気は,継手部(25)において左右側方に延出する通路(25
c)に二分される(第7図を参照。その後,それぞれの還流は,通路(25)
c)から掃除ヘッド(2)内部の左右上方に形成された通路(2c)を経て,
ファンモータ(5)の吸引力により左右の外気導入孔(2a(2b)から取)
り入れられる外気に合流して,掃除ヘッド内面上方に形成された左右2対のス
リット状の噴出口(案内口(27a(27b)から下方へ回転ブラシ(2))
9)に直接向かうように導かれる。回転ブラシ(29)はこの導かれた空気流
を受けて回転する(第9図を参照。)
()(),(),シート状弁体26は回動レバー28と連動し弁ポート26a
(26b)を備え,図に示す位置では,弁ポート(26a)が開口して噴出口
(案内口(27a)が開口しているが,掃除ヘッド前端が壁等に接して,回)
(),()()動レバー28が破線で示す位置に回動すると噴出口案内口27a
を閉じ,弁ポート(26b)が開口して噴出口(案内口(27b)を開口す)
る。
(注)4(9)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙6JT8E説明書添付)
写真3-1(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙6-1S)
C-JT8E説明書(追加)添付)
写真3-2、3-3(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙)
6-1SC-JT8E説明書(追加)添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第3図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT)
8E説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT)
8E説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第6図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙6SC-JT8E)
説明書添付)
第10-1図①(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙6-1)
SC-JT8E説明書(追加)添付)
第10-1図②(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙6-1)
SC-JT8E説明書(追加)添付)
第10-2図①(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙6-1)
SC-JT8E説明書(追加)添付)
第10-2図②(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙6-1)
SC-JT8E説明書(追加)添付)
被告主張被告製品6説明書
被告製品6は,以下の構成を有している(下線部分は,原告主張被告製品6説明
書との相違点である。。)
1写真の説明
写真1は,被告製品6の全体を示す写真である。
写真2は,上部カバーを外した掃除機本体の内部を示す写真である。
写真3-1は,被告製品6の掃除ヘッドを示す写真である。
写真3-2は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドの写真
である。
写真3-3は,写真3-2の拡大写真(掃除ヘッドの端部)である。
写真3-4は,上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘッドを下方
から撮影した写真である。
写真3-5は,写真3-4の拡大写真(掃除ヘッドの端部)である。
2図面の説明
第1図は,掃除機本体の平面図である。
第2図は,掃除機本体の側面図である。
第3図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す分解斜視図である。
第4-1図は,掃除機本体の内部構造と空気流路を示す第2図におけるA-A
断面図である。
第4-2図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路
を示す,第4-1図における収納ケース部分の拡大断面図である。
第5図は,ファンモータを収納保持した収納ケースの内部構造と空気流路を示
す,第4-1図におけるB-B断面図である。
第6図は,弾性フィルタ部材17を取り外した状態の,ファンモータを収納保
持した収納ケースの内部構造と空気流路を示す第4-1図におけるC-C断面図
である。
第7図は,掃除ヘッドの還流流路を示す,上ケースを外した状態の平面図であ
る。
第8図は,掃除ヘッドの吸引口を示す第7図におけるD-D断面図である。
第9図は,掃除ヘッドの還流流路及び噴出部(案内部)を示す第7図における
E-E断面図である。
第10-1図は,いずれも上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘ
ッドの上方からの透視図である(第10-1図①は写真3-2に,第10-1図
②は写真3-3にそれぞれ対応。濃青色部分は,還流の吹出口を示す。)
第10-2図は,いずれも上部カバー及び下部のブラシ部分等を外した掃除ヘ
ッドの下方からの透視図である(第10-2図①は写真3-4に,第10-2図
②は写真3-5にそれぞれ対応。)
3符号の説明
1・・・・掃除機本体2・・・・掃除ヘッド
2a,2b・・外気導入孔2c・・・通路
3a・・・ホース3b・・・パイプ
4・・・・フィルタ4a・・・フィルタ室
4b・・・吸引口4c・・・連通口
4d・・・隔壁5・・・・ファンモータ
6・・・・ファンモータ室7・・・・車輪部
7e・・・排気口8・・・・還流流路部材
8c・・・流出口8i・・・流入口
10・・・収納ケース10a・・上ケース
10b・・下ケース10c・・前部空間
10e・・後部空間11・・・ファンモータハウジング
11a・・ファンカバー11b・・モータ外殻
11c・・小孔11d・・モータ部入口孔
11e・・モータ部出口孔11f・・小孔
11g・・小孔11i・・ファンカバー吸引孔
12・・・渦巻翼ファン13・・・デフューザ
14i・・開口17・・・弾性フィルタ部材
18・・・シール部材19・・・シール部材
20・・・隔壁21・・・出力口
22・・・フィルタ23・・・排出口
24・・・結合部24c・・還流路
25・・・継手部27・・・噴出部(案内部)
27a・・噴出口(案内口)29・・・回転ブラシ
30・・・吸込口31・・・吸引路
32・・・モータ
4構造の説明
(1)写真1及び写真2に示すように,被告製品6は,ゴミを吸引する吸込口
(30。第3図を参照)を備える掃除ヘッド(2)と,掃除機本体(1)内部
に装着された,ゴミを集塵する通気性紙パックからなるフィルタ(4)と,フ
ィルタ(4)の後方に配置される収納ケース(10)内に収納保持されたファ
ンモータ(5。第3図を参照)とを備えている。
(2)掃除ヘッド(2,及び掃除ヘッド(2)と掃除機本体(1)とを接続)
するホース(3a)及びパイプ(3b)の各内部には,吸引路(31)と還流
路(24c)とが形成されており(第8図を参照,被告製品6は,掃除ヘッ)
ド(2)からパイプ(3b)及びホース(3a)の各吸引路(31)を経て掃
除機本体(1)内のフィルタ(4)へ至る吸引流路と,掃除機本体(1)内の
ファンモータ(5)の出力する空気流の少なくとも一部をホース(3a)及び
パイプ(3b)の各還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流させる還
流流路とを備えた還流式電気掃除機である。
(3)第3図及び第4-1図を参照して,掃除機本体(1)の内部には,フィ
()(),()ルタ4を収納保持するフィルタ室4aが設けられフィルタ室4a
は,図示しないホース(3a)の吸引路(31)から吸引空気とゴミをフィル
タ(4)内へ流入させる吸引口(4b)と,フィルタ(4)を通過した空気を
ファンモータ(5)へ流出させる連通口(4c)が形成された隔壁(4d)と
を有する。
(4)第3図,第4-1図及び第4-2図を参照して,隔壁(4d)の後方に
は収納ケース(10)が設置されるファンモータ室(6)が設けられ,収納ケ
ース(10)は上ケース(10a)及び下ケース(10b)からなり,ファン
モータ(5)を収納保持する(17)は通気性を有する弾性フィルタ部材,。
(18(19)はシール部材である。ファンモータ室(6)の左右には掃除〉
機外部へ連通する排気口(7e)を有する車輪部(7)が設けられ,ファンモ
ータ室(6)の底部には還流流路部材(8)が配設されている。
(5)第3図ないし第6図を参照して,ファンモータ(5)のハウジング(1
1は渦巻翼ファン12及びデフューザ13を覆うファンカバー1),()()(
1a)と,ファン(12)を駆動するモータの回転子及び図示しない固定子を
覆うモータ外殻(11b)とから構成されている。ファンカバー(11a)の
前端部中央にはファンカバー吸引孔(11i)が設けられ,後端面には,4個
の丸孔状の小孔(11c)と,小孔(11c)よりも小さい2個の丸孔状の小
孔(11g)と,外部に漏らす2個の略長方形孔状の小孔(11f)とが設け
られている。ファンカバー(11a)とモータ外殻(11b)とは隔壁に設け
られたモータ部入口孔(11d)で連通されており,モータ外殻(11b)の
側面にはモータ部出口孔(11e)が設けられている。
(6)第3図ないし第6図を参照して,ファンカバー吸引孔(11i)からハ
ウジング内部へファン(12)により吸引された空気流は周縁へ向かう出力流
となり,デフューザ(13)外周にある複数の開口(14i)を通ってデフュ
()。(),ーザ13内へ流入するデフューザ13内へ流入したファン出力流は
モータ部入口孔(11d)からモータ外殻(11b)内へ流入してモータ内部
を通過冷却してモータ部出口孔(11e)からハウジング外部へ流出する冷却
,()()()出力流とデフューザ13の開口14iからモータ部入口孔11d
までの中間に設けられた小孔(11f,小孔(11c)及び小孔(11g))
からハウジング外部へ流出する直接出力流とに分流される。小孔(11f,)
小孔(11c)及び小孔(11g)からの直接出力流は,収納ケース(10)
内で,モータ部出口孔(11e)からの冷却出力流に混合されて混合流となる
(第4-2図を参照。)
(7)第3図ないし第6図を参照して,この混合流の一部は,収納ケース(1
0)の側部に形成された出力口(21)へ流入する。出力口(21)へ流入し
た空気流は,ファンモータ室(6)底部の開口(6i)に嵌装される還流流路
部材(8)の流入口(8i)へ流入し,還流流路部材(8)の内部流路を通っ
て流出口(8c)から,掃除機本体(1)の図示しないホース結合部に接続さ
れたホース(3a)の還流路(24c)へ流入し,ホース(3a)及びパイプ
(3b)の還流路(24c)を経て掃除ヘッド(2)へ還流される(第4-1
図を参照。)
(8)一方,第3図ないし第6図を参照して,上記混合流の残りは,収納ケー
スの下ケース(10b)下部のフィルタ(22)付き排出口(23)からファ
ンモータ室(6)へ排出され,ファンモータ室(6)の左右に設けられた車輪
部(7)に形成された排気口(7e)より掃除機外部へ排出される(第6図を
参照。)
(10)第7図,第8図及び第9図を参照して,掃除ヘッド内の還流流路につ
いて説明する。還流された排気は,ホース(3a)及びパイプ(3b)の内部
に形成された還流路(24c)を経て,結合部(24)の還流路(24c)を
通って掃除ヘッド(2)に至る(第8図を参照。)
還流された空気は,ヘッド(2)内部の上方に形成された通路(2c)を通
って,スリット状の噴出部(案内部(27)の噴出口(案内口(27a)))
より直接回転ブラシ(29)に向かって導かれる(32)は回転ブラシ(2。
9)を回転駆動させるモータである。
(注)4(9)は,欠番である。
以上
写真1・写真2(訴状別紙7JT10E説明書添付)
写真3-1(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙7-1S)
C-JT10E説明書(追加)添付)
写真3-2、3-3(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙7)
-1SC-JT10E説明書(追加)添付)
写真3-4、3-5(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙7)
-1SC-JT10E説明書(追加)添付)
第1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT10)
E説明書添付)
第2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT10)
E説明書添付)
第3図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙7SC-JT10)
E説明書添付)
第4-1図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT)
10E説明書添付)
第4-2図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-J)
T10E説明書添付)
第5図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT10)
E説明書添付)
第6図(被告準備書面(2(平成16年8月31日付)別紙7SC-JT10)
E説明書添付)
第7図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT10)
E説明書添付)
第8図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT10)
E説明書添付)
第9図(被告準備書面(1(平成16年6月28日付)別紙7SC-JT10)
E説明書添付)
第10-1図①(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙7-1)
SC-JT10E説明書(追加)添付)
第10-1図②(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙7-1)
SC-JT10E説明書(追加)添付)
第10-2図①(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙7-1)
SC-JT10E説明書(追加)添付)
第10-2図②(被告準備書面(4(平成16年10月14日付)別紙7-1)
SC-JT10E説明書(追加)添付)

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激動の時代に
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◎業務に関する質問等可能
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