弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し、本件を東京高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人木村健一の上告理由について。
 原審の確定するところによれば、本件手形は、振出日を昭和四〇年一一月一〇日
として振り出されたものであつて、その振出人としてはD財団事務総局事務総長A
の記名があり、Aの押印があるというのであり、また、右D財団は、キリスト教宣
教師らが中心となつて、従来社会福祉等を目的として結成されていたEと称する団
体を発展させ、財団法人を設立すべく企画し、その設立準備中であつて、昭和三八
年八月事務所を設立し、昭和三九年八月から翌四〇年六月までの間に、趣旨に賛同
する一一の会社から拠出された合計一、四五〇万円の寄附金の収受を了し、昭和三
九年一月役員として理事長、理事、評議員を選出し、理事長直轄の常勤執行機関と
して事務総局事務総長を設け、同年八月理事会において上告人を事務総長に任命し、
かつ、前記寄附金中七〇〇万円を基本財産とすることを決定してこれを銀行の定期
預金としたうえ、同人を中心として民法三九条、三七条所定の各項を含む寄附行為
を作為し、その成案をえて財団法人設立許可申請手続を推進していたというのであ
る。そして、その後本件手形の振り出された昭和四〇年一一月一〇日当時までの間
に、右事実関係に変更を生ぜしめるような特段の事情は認められていないのである。
 ところで、右認定事実によれば、右D財団は、未だ財団法人の設立許可を受けて
いなかつたとはいえ、個人財産から分離独立した基本財産を有し、かつ、その運営
のための組織を有していたものといえるのであるから、いわゆる権利能力なき財団
として、社会生活において独立した実体を有していたものというべきであり、本件
手形も、上告人が右権利能力なき財団であるD財団の代表者として振り出したもの
と解するのが相当である。そうであれば、その代表者にすぎない上告人において、
個人として、当然右振出人としての責任を負ういわれはなく、これと異なる見解に
たつて、上告人に対し、右責任の存在を肯定した原判決は、法令の解釈適用を誤り、
ひいて審理不尽、理由不備の違法を犯したものというべきであり、この誤りは原判
決の結論に影響することが明らかであるから、論旨はこの点において理由があり、
原判決は破棄を免れない。
 のみならず、職権によつて案ずるに、原審は、本件手形金中被上告人の代位した
債権額の範囲内である一、七四七、三三七円およびこれに対する本訴状送達の日の
翌日から完済まで年五分の法定利率による遅延損害金の支払を求める被上告人の本
訴請求を正当として認容したうえ、上告人に対し、右金員の支払を命じているので
ある。しかしながら、原判決の事実摘示によれば、本件手形とは金額各一〇〇万円
の約束手形五通であり、その満期も、うち一通は昭和四一年二月二八日、うち二通
は同年三月一五日、他の二通は同月三一日であるというのであるから、前記原判示
のみによつては、原判決の認容した右請求額が、果たしてこのいずれの手形のいか
なる割合による金額に相当するものかを明らかにすることができない。したがつて、
原判決には、その認容した請求の特定を欠く点において違法があるものというべき
であり、原判決は、この点においても破棄を免れない。そして、本件はさらに右の
各点について審理を尽くす必要があるから、本件を原審に差し戻すのが相当である。
 よつて、民訴法四〇七条を適用して、裁判官全員一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    関   根   小   郷
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄
            裁判官    飯   村   義   美

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