弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴を棄却する。
     当審における訴訟費用は、被告人の負担とする。
         理    由
 本件控訴の趣意は、弁護人安富厳提出の控訴趣意書に記載してあるとおりである
から、ここにこれを引用し、これについて左のとおり判断する。
 第二点について
 所論は、要するに、軽犯罪法は、軽い犯罪を規制しているものではあるが、その
各法案は、実質的に法益侵害に連なり、その意味で実質的違法性に裏づけられてい
なければならないことは、憲法第三一条からみても当然であるにかかわらず、被告
人の本件各公衆電話ボックス内立入行為は、電話機自体の機能を害するものでない
のはもとより、他人の私的な通話を妨げるものでもなく、なんら法益侵害に連なる
ものではないから、原判決がこれに軽犯罪法第一条第三二号を適用して被告人を処
罰したことは、明らかに判決に影響を及ぼす法令適用の誤をおかしたものであると
いうのである。しかしながら、原判示のような行為は、一般公衆が電話ボックスの
電話機を利用して自由に通話し得る利益を侵害する可能性のある状態を生ぜしめる
ものであつて、この面だけからみても、所論の実質的違法性を帯びたものであるこ
とが明らかである。従つて、原判決が被告人の原判示各行為に軽犯罪法第一条第三
二号を適用して被告人を処罰したことは、刑罰法条を拡大解釈して適用したものと
はいえないのであつて、所論のような理由のもとに法令適用の誤として論ずること
はできない。論旨は、理由がない。
 第三点について
 所論は、要するに、原判決は、その理由において、被告人が「通話以外の目的で
入ることを禁じている電話ボックス内に……ビラを置く目的で入つたもの」と認定
しているだけで、通話の目的がなかつたことまでを認定していないのであるが、通
話以外の目的と通話の目的とが併存している場合には、本件のような電話ボックス
が「入ることを禁じた場所」に当たるとはいえず、少なくとも、その立入は、「正
当な理由」があるものといわなければならないのであるから、原判決は、理由を附
せず、または理由にくいちがいがあるものである<要旨>というのである。しかし、
法令の解釈上も、通話以外の目的と通話の目的とが併存する場合に電話ボックス
入ることが全面的に許容されるとは、解することができないから、この点
だけからも、所論は、採用し得ないところであるばかりでなく、原判示事実を通読
するときは、原判決は、本件各行為につき、被告人が当時通話の目的がなく、単に
デイトクラブのビラを置く目的で電話ボックス内に入つたことを判示したものと解
せられるのであつて、原判決援用の証拠上はもとより、原審に現われたあらゆる証
拠を検討しても、被告人に当時通話の目的があつたとは認められないのであるか
ら、いかなる点からみても、原判決の理由の記載に所論のような違法があるとはい
えない。論旨は、理由がない。
 (その余の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 関谷六郎 判事 堀義次 判事 内田武文)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛