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平成26年11月14日判決言渡
平成25年(行ウ)第250号遺族厚生年金不支給処分取消請求事件
主文
1原告の請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
厚生労働大臣が平成24年1月5日付けで原告に対してした遺族基礎年金及
び遺族厚生年金を支給しない旨の各処分(以下これらの処分を併せて「本件処
分」という。)を取り消す。
第2事案の概要
本件は,国民年金及び厚生年金保険の被保険者であったA(平成20年▲月
▲日死亡。)及びAの当時の妻の養子となる旨の養子縁組(以下「本件養子縁
組」という。)の届出をし,Aといわゆる内縁の関係(以下「本件内縁関係」
という。)にあった原告が,平成23月10月8日付けで,厚生労働大臣に対
し,Aの妻(配偶者)として,国民年金法(以下「国年法」という。)の規定
に基づく遺族基礎年金及び厚生年金保険法(以下「厚年法」といい,国年法と
併せて「国年法等」という。)の規定に基づく遺族厚生年金(以下遺族基礎年
金と併せて「遺族年金」という。)の各裁定の請求(以下これらの裁定を併せ
て「本件裁定請求」という。)をしたところ,本件内縁関係は民法の定める養
親子の間の婚姻の禁止の規定に反するものであるため原告は遺族年金を受け
ることができる遺族である被保険者の妻(配偶者)には該当しないとして,遺
族年金を支給しない旨の本件処分を受けたことに関し,Aと原告との間の本件
養子縁組は無効又は無効と同視すべき事情があるものであり,本件内縁関係に
ついては,近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも遺族の生活の
安定と福祉の向上に寄与するという国年法等の目的を優先させるべき特段の
事情があるなどと主張して,本件処分の取消しを求める事案である。
1関係法令の定め
関係法令の定めは別紙2「関係法令の定め」に記載のとおりである(同別紙
で定める略称等は,以下においても用いることとする。)。
2前提事実(証拠等を掲げたもの以外は,当事者間に争いがないか,当事者に
おいて争うことを明らかにしない事実である。以下「前提事実」という。)
(1)本件内縁関係及び本件養子縁組の経緯等
アAは,昭和20年▲月▲日生まれの男性であり,昭和41年▲月
▲日,Bと婚姻をし,昭和42年▲月▲日,同人との間に長男であるC
が出生した。
イ原告は,昭和42年▲月▲日生まれの女性である。原告は,昭和62
年▲月▲日,A及びBの養子となる旨の本件養子縁組の届出をした。
ウAは,昭和61年6月7日付けで栃木県α市(平成17年3月28
日の名称変更前の名称は栃木県β郡。以下名称変更の前後を問わず「α
市」という。)(以下住所省略)に住所を定めたとして届出をした。
エAとBは,平成2年▲月▲日,協議上の離婚をした。
オ原告は,平成3年1月30日付けで前記ウのAの住所である栃木県α
市(以下住所省略)に住所を定めたとして届出をした。
カ原告とAとの間には,平成3年▲月▲日に第1子であるDが,平成5
年▲月▲日に第2子であるE(以下Dと併せて「子どもら」という。)
が出生し,子どもらについては,いずれも出生の際に住所を前記ウ及びオの
A及び原告の住所である栃木県α市(以下住所省略)とする旨の届出がされ,
Aは,Dについては平成4年▲月▲日に,Eについては平成19年▲月
▲日に,それぞれ認知をした(各認知の日につき甲4)。
キAは,国民年金及び厚生年金保険の被保険者であったが,平成20年▲
月▲日,栃木県γ市所在のF病院において,食道静脈瘤破裂の疑いによ
る消化管出血により死亡した。Aの死亡時における原告,D及びEの住所
地は,Aの住所地と同一である栃木県α市(以下住所省略)であり,原告が
Aの死亡の届出をした。
(2)本件裁定請求及び本件処分
原告は,平成23年10月8日付けで,厚生労働大臣に対し,Aとの続柄
を「妻」として本件裁定請求をしたところ,厚生労働大臣は,平成24年1
月5日付けで,原告に対し,原告とAとは民法736条(養親子関係者間の
婚姻禁止)の規定に違反する内縁関係にあるため厚年法59条に該当しない
ことを理由として,遺族年金を不支給とする旨の本件処分をした(本件処分
の理由につき甲1)。
(3)本件処分についての不服申立て
ア原告は,平成24年1月20日,本件処分を不服として,日本年金機構
δ 東年金事務所を経由し,関東信越厚生局社会保険審査官(以下「審
査官」という。)に対し,審査請求(以下「本件審査請求」という。)を
したが,審査官は,平成24年6月5日付けで,本件審査請求を棄却する
旨の決定(以下「本件決定」という。)をした。
イ原告は,平成24年6月18日,本件決定を不服として,社会保険審査
会(以下「審査会」という。)に対し,再審査請求(以下「本件再審査請
求」という。)をしたが,審査会は,同年11月30日付けで,本件再審
査請求を棄却する旨の裁決をした。
(4)本件訴えの提起
原告は,平成25年5月2日,本件訴えを提起した(当裁判所に顕著な事
実)。
3争点及びこれに関する当事者の主張
本件の争点は,原告が,国年法5条8項及び厚年法3条2項(以下「国年法
5条8項等」という。)の「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同
様の事情にある者」に該当し,国年法37条の2第1項及び厚年法59条1項
の被保険者の妻(配偶者)として遺族年金を受けることができる遺族に該当す
るか否かである。
(原告の主張の要点)
本件内縁関係には,近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも遺
族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという国年法等の目的を優先させる
べき特段の事情があるから,原告は,国年法等により保護されるべき被保険者
の妻(配偶者)として,遺族年金の受給権者に該当する。
(1)本件内縁関係及び本件養子縁組の経緯
原告は,昭和60年頃,東京においてAと知り合い,昭和61年暮れ頃,
Aがδ市に借りたアパートで,Aとの同居を開始した。当時,原告は働
いておらず,Aから生活費を渡されており,この頃,本件内縁関係が成立し
たといえる。
同居開始から8か月ほど経った頃,Aが□□□法違反の被疑事実で
逮捕,勾留された。Aは,収容中,原告が刑務所に面会に来ることを希望し,
服役中のAとの面会は家族しか許されていなかったことから,当時の妻であ
るBの承諾を得ているとした上で,原告に対し,A及びBの養子となること
を依頼し,原告はこれを承諾した。そして,Aから言われたとおり,弁護士
(以下「G弁護士」という。)の事務所を訪れ,同弁護士から指示されるま
まに昭和62年▲月▲日付けの念書(甲5の1。以下「本件念書」とい
う。)等の書類を作成した。
本件念書には,「1.右養子縁組は,Aの今回服役終了次第,解消する。
よって,出所の時は,一方的に离縁の届出をしても異議がない,尚,服役中
途で私が無断で行方を変更或は,不明としたときも同様とします。2.右養
子縁組に関して財産的要求,その他法律的要求は,一切しないことを確約し
ます。」等の記載がある。
原告は,Aから,出所したら結婚しようと言われていたもので,原告もA
も,本件養子縁組をした当時,養親子の間においては婚姻が禁止されている
ことについては知らなかった。
Aは,平成2年▲月に釈放され,再び原告と同居し,また,同月▲日,
Bと協議離婚した。以後,原告は,Aが亡くなるまで夫婦として同居し,A
との間に子どもらをもうけた。
(2)本件内縁関係には,近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請より
も遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという国年法等の目的を優先
させるべき特段の事情があること
ア本件養子縁組は無効又は無効と同視すべきものであること
(ア)原告がAと内縁関係にありながら本件養子縁組をした事情は,前記
のとおりであるところ,最高裁平成19年3月8日平成17年(行ヒ)
第354号同19年3月8日第一小法廷判決・民集61巻2号518頁
(以下「平成19年判決」という。)は,「法(厚生年金保険法をいう。
以下(ア)において同じ。)は,遺族厚生年金の支給を受けることができ
る遺族の範囲について,被保険者又は被保険者であった者(以下(ア)に
おいて「被保険者等」いう。)の配偶者であって,被保険者等の死亡の
当時その者によって生計を維持していたものとし(59条1項本文),
上記配偶者について,「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と
同様の事情にある者」を含むものと規定している(3条2項)。」が,
「他方,厚生年金保険制度が政府の管掌する公的年金制度であり(法1
条,2条),被保険者及び事業主の意思にかかわりなく強制的に徴収さ
れる保険料に国車負担を加えた財源によって賄われていること(法80
条,82条)を考慮すると,民法の定める婚姻法秩序に反するような内
縁関係にある者まで,一般的に遺族厚生年金の支給を受けることができ
る配偶者に当たると解することはできない。(中略)民法734条1項
によって婚姻が禁止される近親者間の内縁関係は,時の経過ないし事情
の変化によって婚姻障害事由が消滅ないし減退することがあり得ない性
質のものである。しかも,上記近親者間で婚姻が禁止されるのは,社会
倫理的配慮及び優生学的配慮という公益的要請を理由とするものである
から,上記近親者間における内縁関係は,一般的に反倫理性,反公益性
の大きい関係というべきである。殊に,直系血族間,2親等の傍糸血族
間の内縁関係は,我が国の現在の婚姻法秩序又は社会通念を前提とする
限り,反倫理性,反公益性が極めて大きいと考えられるのであって,い
かにその当事者が社会通念上夫婦としての共同生活を営んでいたとして
も,法3条2項によって保護される配偶者には当たらないものと解され
る。」と判示している。
(イ)しかし,養子縁組は,当事者間に届出意思があるとしても,真に養
親子関係の設定を欲する効果的意思,習俗的標準に照らして親子として
認められるような関係を創設しようとする意思,民法上の親子関係の定
型に向けられた効果意思というような,実際に養親子関係を形成する意
思(実態的意思・実質的意思)がなければ無効である。
そして,本件養子縁組は,まさに,刑務所に収容中のAと面会するた
めの便宜的手段としてされたものであり,その届出をするに当たり,原
告の念頭にあったのはAと面会することだけであって,養子に係る法的
な意義,意味などは全く念頭になく,養子としての身分による法的効果
を欲したことも全くなかったことは,前記(1)において述べた本件念書の
内容や本件養子縁組の経緯等からも明らかである。
以上のとおり,本件養子縁組は,原告もAも,真に養親子関係の設定
を欲する効果意思を有していなかったのであるから,無効又は無効と同
視すべきものである。
なお,原告がAの収容中に面会をしていたことは,何ら本件養子縁組
を無効とすることの妨げにはならないし,原告とAの養親子関係は戸籍
上有効に存続しているとしても,養子縁組の無効は,訴訟における前提
問題として主張することができる。
イその他の事情
養子及びその縁組後の直系卑属と養親及びその血族との間の血族関係終
了後も血族間の婚姻を禁止する理由は,かつて直系血族関係特に親子関係
にあった者の間の婚姻を認めると,親子秩序の権威を損なうからであると
されている。しかし,離縁による直系血族関係終了後の婚姻禁止について
は,離縁によって直系血族関係が終了した後まで親子関係を形式的に強調
することは慎むべきである。立法論としては,法定直系血族関係終了後の
婚姻禁止は廃止するのが望ましいと指摘されている。
加えて,原告とAは,一親等の法定血族関係にあった者が内縁の関係に
なったわけではない。原告とAとは,上記のとおり,昭和60年頃からA
の死亡に至るまで,ずっと内縁の関係にあった。そして,Aの出所後の本
件内縁関係については,①本件養子縁組をした当時,原告もAも養親子の
間において婚姻が禁止されていることは知らなかったこと,②Aの健康保
険証にも妻として原告の名前が記されていること,③原告の職場でもAと
夫婦として通っていること,④葬儀の際,新聞のお侮やみ欄に原告を喪主・
妻として載せたこと,⑤20年以上夫婦として生活し,子どもらの学校書
類も夫婦として届出をしていること,⑥子どもらの小学校,中学校と部活
動の保護者会会長,地域の育成会会長も務め,地域では夫婦として遇され
て約20年が経過し,その間,婚姻関係と同視できる安定した関係が継続
していたものであることは,本件再審査請求の裁決書(甲3)においても
認められている。
(3)まとめ
以上の事実に照らせば,本件内縁関係には,近親者間における婚姻を禁止
すべき公益的要請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという国
年法等の目的を優先させるべき特段の事情があるものというべきであって,
原告は,Aの内縁の妻として,国年法等のいう「婚姻の届出をしていないが,
事実上婚姻関係と同様の事情にある者」に該当し,遺族年金の受給権を有す
る。したがって,本件処分は違法であり,取り消されるべきである。
(被告の主張の要点)
本件内縁関係には,近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも
遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという国年法等の目的を優先させ
るべき特段の事情はなく,原告は,国年法等により保護されるべき被保険者
の妻(配偶者)には該当せず,遺族年金の受給権者に該当しない。
(1)国年法等における「配偶者」又は「妻」の意義
ア国年法等の規定
(ア)国年法等における「配偶者」,「夫」及び「妻」の概念は,民法第
4編第2章にいう「婚姻」を念頭に置いたものである。ここでいう「婚
姻」は,実質的要件(一定の男女間の性的結合が特に婚姻として国家法
的保護を受けるための結合関係それ自体に関する法定の基準)と形式的
要件(法定された実質的要件を具備した両性結合であるかどうかを確認
し,併せて婚姻関係の時機を明確にして,それを第三者に公示する手続)
を満たしたものである。民法は,731条から738条までにおいて,
実質的要件に関する規定を置いている(なお,742条及び747条も
実質的要件に関する規定と解し得る。)ほか,739条から741条ま
でにおいて,形式的要件として,届出に関する規定を置いている。我が
国の民法は,婚姻は届出によって成立するとの法律婚主義(届出婚主義)
を採っていることから(民法739条),社会通念上は夫婦としての実
態を有する共同生活を営んでいても,届出を欠くことによって法律上の
夫婦とはいえない関係(内縁)にある当事者は,婚姻関係にあることに
よって得られる様々な効果(夫婦同姓,子の嫡出推定,相続権等)を享
受することができないのが原則である。
(イ)しかし,内縁の当事者が婚姻の届出をしないことには様々な理由が
考えられ,それをあながち非難することができないこともあり得るし,
何より夫婦としての共同生活の実態がありながら,一切の法的保護を与
えないことが,かえって正義に反する事態もあり得る。
また,遺族年金は,被保険者又は被保険者であった者が死亡した場合
にその家族の生活を保障する目的で給付されるものであって,これによ
り遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする社会保障
的性格を有する公的給付であることから,婚姻の実態を有しながら届出
がない者をも保護する必要がある。
そこで,年金保険法を含む社会保障法の領域では,一般に,個人の現
実の生活実態を尊重し,それを保護する観点から,内縁の配偶者に対し
ても法律上の配偶者と同一の保護を与えることとし,この観点から,国
年法5条8項等は,「配偶者」,「夫」及び「妻」の意義につき,「婚
姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者」を含
むものとしている。
もっとも,法が予定している内縁関係とは,社会的には夫婦としての
生活関係にありながら,婚姻の届出を欠いており,届出さえあれば戸籍
上の配偶関係が成立し得る場合,つまり,実質的要件は満たされるもの
の,形式的要件を欠く場合といい得る。そうすると,国年法5条8項等
にいう「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻と同様の事情にある者」
と認められるためには,社会的には夫婦としての生活関係があること,
すなわち,①婚姻意思を持った(主観的要件),②社会的事実としての
夫婦共同生活関係(客観的要件)が必要となるのであり,平成23年3
月23日付け年発0323第1号通達「生計維持関係等の認定基準及び
認定の取扱いについて」(以下「平成23年通達」という。)別添「生
計維持・生計同一関係等に係る認定基準及びその取扱いについて」(以
下「認定基準」という。)5(1)(乙1・6及び7丁目)も,同項等にい
う「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻と同様の事情にある者」と
は,「いわゆる内縁関係にある者をいう」として,内縁関係にあるか否
かの認定について,上記と同旨の要件を掲げている。
イ民法が婚姻を禁止している反倫理的な関係は原則として含まれないこと
前記アに述べたことからすれば,民法が実質的要件として婚姻を禁止し
ている反倫理的な関係,すなわち,民法734条(近親婚の制限),73
5条(直系姻族間の婚姻禁止)又は736条(養親子関係者間の婚姻禁止)
の規定のいずれかに抵触することとなるような内縁関係にある者(以下「近
親婚者」という。)は,ここにいう「事実上婚姻と同様の事情にある者」
には含まれないというべきである(平成19年判決参照)。
すなわち,遺族年金は,公的給付であり,被保険者及び事業主の意思に
関わりなく強制的に徴収される保険料に国庫負担を加えた財源によって保
険給付が賄われていることを考慮すると,法が反倫理的な関係として婚姻
を禁止している関係にある者にその給付をすることは,法が反倫理的な関
係として禁止している婚姻を公的に追認することになり,相当とはいえな
いし,法体系の統一性の観点からしても妥当ではない。
我が国の民法が734条ないし736条において近親婚を禁止している
趣旨については,①両親が共通の劣性遺伝子を有している場合に,その劣
性遺伝子が子に伝わって発現することを避けるという優生学的配慮,②近
親者間の婚姻が普遍的な倫理に反するという社会倫理的考慮の2点を理由
とするものであり,その禁止の目的及び範囲については,現在の我が国に
おける社会通念等を前提とする限り,なお十分な合理性を肯定することが
できる。よって,公的負担を全部又は一部の財源とする公的年金を近親内
縁の配偶者に一般的に付与する場合には,民法の定める婚姻法秩序との抵
触が生じざるを得ず,このような内縁関係にある当事者が一般的に遺族年
金の支給を受けることができる妻(配偶者)に当たると解することはでき
ない(平成19年判決参照)。
また,反倫理的な関係といえる重婚的内縁関係については,国年法5条
8項等にいう「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻と同様の事情にあ
る者」であると認められる場合もあるが(最高裁昭和54年(行ツ)第1
09号同58年4月14日第一小法廷判決・民集37巻3号270頁参
照),これについても,平成19年判決によれば,内縁関係の反倫理性,
反公益性が,婚姻法秩序維持等の観点から問題とする必要がない程度に著
しく低い場合,すなわち,一方の法律婚の関係の方が破綻している場合に,
例外的に内縁の妻に公的年金の受給権を認めているにすぎないといえる。
認定基準5(2)(乙1・7丁目)も,上記で述べたことを踏まえて,当該
内縁関係が反倫理的な内縁関係である場合については,事実婚関係にある
者とは認定されないことを原則とした上で,「厚生年金保険法,国民年金
法,船員保険法による死亡を支給事由とする給付(未支給の保険給付及び
未支給年金を含む。)及び加給年金額並びに振替加算の生計維持認定対象
者及び生計同一認定対象者に係る生計維持関係等の認定において,次に掲
げるすべての要件に該当する近親婚者については,過去の判例を踏まえ,
日本年金機構本部及び厚生労働省年金局に対し,その取扱いについて協議
を行うものとすること。」と規定し,①三親等の傍系血族間の内縁関係に
あること,②内縁関係が形成されるに至った経緯が,内縁関係が開始され
た当時の社会的,時代的背景に照らして不当ではないこと,③地域社会や
周囲に抵抗感なく受け入れられてきた内縁関係であること,④内縁関係が
長期間(おおむね40年程度以上)にわたって安定的に継続されてきたも
のであること,という要件を規定している(なお,この点は,平成19年
判決の趣旨を踏まえて改正がされたものである。)。
ウ養親子関係者の間における婚姻の禁止に実質的に抵触する関係も「事実
上婚姻関係と同様の事情にある者」とはいえないこと
養子といわゆる養親は,民法734条の「直系血族」に当たる(民法7
27条)から,婚姻することはできず,また,離縁した後であっても婚姻
することはできない(民法736条)ところ,こうした養親子関係者の間
の婚姻の禁止を定めた民法の規定も合理性を有する。
すなわち,民法734条は,優生学的な配慮と社会倫理的な考量すなわ
ち性愛の秩序と親子の秩序の混同防止という趣旨であるところ,養親子関
係であっても,性愛の秩序と親子の秩序の混同防止という趣旨は同様に妥
当するから,養子と養親にある者につき婚姻を禁止することには合理性が
ある。
また,民法736条の規定は,養子縁組によって直系血族又は直系姻族
の関係となった一定の者の間では,離縁によってその関係が終了した後で
も,親子秩序の維持という社会倫理的考量から,婚姻を禁止するものであ
り,合理性を有している。
そして,平成23年通達による認定基準5(2)は,上記に述べた民法の趣
旨をも踏まえ,養親子関係者間の婚姻禁止の規定に抵触する関係にある者
についても,社会通念上,夫婦としての共同生活と認められる事実関係が
存在したとしても,遺族年金の受給権が認められないとしたものであって,
合理性がある。
以上に述べたことからすれば,養親子関係者の間の婚姻禁止(民法73
4条,736条)に抵触する関係にある者も,国年法5条8項等にいう「婚
姻の届出をしていないが,事実上婚姻と同様の事情にある者」には含まれ
ない。
(2)本件養子縁組は無効ではないこと
ア養子縁組が無効である場合について
そもそも本件養子縁組の無効は公的に確認されたものではないが,その
点をおくとしても,養子縁組は,「1人違いその他の事由によって当事
者間に縁組をする意思がないとき。」,「2当事者が縁組の届出をしな
いとき。(以下略)」の場合に限り,無効とするとされている(民法80
2条)。そして,「縁組をする意思」(以下「縁組意思」という。)とは,
養親になるべき者と養子になるべき者との間において,社会習俗観念から
みて,真に親子と認められるような身分関係の設定を欲する効果意思であ
ると解されている。具体的場合における縁組意思の認定には,親子関係か
ら生じる法律的又は社会的な効果の全部又は一部を目的としているか否か
を標識とすべく,それとは別個の目的を達するための手段としてのみ縁組
の形式を利用するにすぎないときは,縁組意思を欠くとされている。なお,
裁判例においては,男性が情交関係にある女性を養子とする縁組も,必ず
しも無効とはされていない(最高裁昭和45年(オ)第975号同46年
10月22日第二小法廷判決・民集第25巻7号985頁等参照)。
イ本件養子縁組が無効であるとは認められないこと
(ア)本件養子縁組の届出当時,本件内縁関係が成立していたとは認めら
れないこと
a本件内縁関係については,原告が(原告の主張の要点)(1)で主張す
る事実のほか,原告の本人尋問における供述等の証拠によれば,①A
は,昭和61年6月7日,栃木県α市(以下住所省略)の実家(以下「A
の実家」という。)に住民票を移し,昭和61年当時,Aの実家には,
B,Aの両親並びにBの両親及びBの弟が居住し(甲4・Aの住民票
除票,原告本人),②Bは,Aの収容中,Aの両親の面倒を見ており
(甲4・「生計維持関係の申立書」2項),③Aは,Bと離婚した平
成2年▲月▲日頃,組内(町内会)及び親戚等の周囲の人たちに
対し,原告のことを「妻」であると紹介して挨拶回りをした(甲6・
3頁,原告本人・5頁から8頁まで)というのであって,これらの事
実関係からは,Aは,昭和61年及び昭和62年当時,住民票をAの
実家に置き,B及びその両親をAの実家に住まわせていたのであり,
そのようなAがこの頃にBとの婚姻関係の継続を全く望んでいなかっ
たとまではいえない。また,Bも,本件養子縁組をした同年▲月▲
日時点で,Aとの婚姻関係の継続を望んでいなかったのであれば,
本件養子縁組などせず,Aと離婚していたと考える方が自然である。
しかし,実際には,Bは,両親とともにAの実家に居住し,Aの両親
の面倒まで見て,Aとの婚姻関係を維持した上で,既にAと交際して
いたと思われる原告を養子に迎え入れることを受け入れたのであるか
ら,BがAとの婚姻関係の継続を全く望んでいなかったとまではいえ
ない。
以上によれば,同日時点において,AとBの婚姻関係が破綻してい
たとはいえない。
b他方で,原告は,昭和61年頃からAと交際していたことがうかが
われるものの,Aが逮捕,勾留されたため,昭和62年▲月▲日
までにAと同居していた期間は数か月から8か月間にすぎない。また,
原告は,本件念書(甲5の1)において,「尚,服役中途で私が無断
で行方を変更或は,不明としたときも同様とします。」と記載してお
り,少なくとも,同記載の文章を考えたG弁護士からすれば,原告が
Aの収容中に音信不通となる可能性があると考えられる状況,あるい
は,原告とAの関係は希薄であると考えられる状況があったものと考
えられる。しかも,原告は,平成2年▲月頃になってから,Aから,
Aの組内や親戚等に「妻」として紹介されたのであり,このことは,
本件養子縁組がされた昭和62年▲月▲日時点では,Aの周囲の
人たちに対してそのような紹介がされていなかったことをうかがわせ
る。
さらに,原告自身も,Aから「出所したら結婚しよう」と言われた
時と,本件念書(甲5の1)を作成した時とでは,どちらが先であっ
たのかとの質問に対し,記憶が曖昧であるとしながらも,「(引用者
注:Aから出所したら結婚しようと言われたのは)念書を書いた後か
もしれません。」(原告本人・19頁)と述べている。
その他,原告が本件養子縁組をした当時,原告がAと単なる交際関
係を有していたという以上に,社会的・習俗的に夫婦と認められる事
実状態が形成されていた,本件内縁関係が成立していたと認めるに足
りる証拠はない。
以上のように,本件養子縁組をした時点では,AはBと婚姻関係に
あり,その婚姻は破綻しておらず,他方,原告とAとの関係はいまだ
希薄なものであった状況等に鑑みれば,本件内縁関係が成立していた
とはいえないのであって,同日当時の原告とAとの関係は,両者にお
ける縁組意思の不存在を推認させるようなものではなかったといえ
る。
(イ)本件養子縁組の届出の経緯等に照らしても,原告,A及びBには縁
組意思があったといえること
本件養子縁組については,原告は,(原告の主張の要点)(1)で主 
張する事実のほか,本人尋問において,①原告は,本件養子縁組の届
出について,1人で δ 市役所に行ったような気がする(原告本人・
10頁),②養子縁組届の「養親になる人」の記載欄を記載してもら
うために,Bとやり取りをしたかもしれない(原告本人・10頁及び
11頁),③原告は,Aが収容中,面会可能な回数分だけAの面会に
行き,下着,本及び現金等を差し入れ(原告本人・4,15及び16
頁),③Aと面会する際,○刑務所職員から,Aとの関係を質問さ
れ,「養女です。」と返答し,Aも,面会する者として,「養女,H」
などと記載していたと思う(原告本人・5頁及び15頁)などと述べ
ているのであって,これらの本件養子縁組の経緯等をみるに,いわゆ
る養親となる者と養子となる者が話し合って縁組の手続が進められて
おり,原告,A及びBの3人の当事者のうちの1人でも知らないとこ
ろで勝手に養子縁組がなされたものではない。
また,原告は,○刑務所において,養子としてAと面会し,下着,
本及び現金等を差し入れていたことは,養子である原告が養親であるA
を扶養していた(民法877条1項参照)ともみることもできる。
更にいえば,上記の扶養に加えて,A及びBと原告の間の相続につい
ても,養子縁組の目的から除外されていない。すなわち,本件念書(甲
5の1)の第2項にある財産的要求等をしない旨の記載は,Bが知らな
い面会中に,原告がAに対して財産的要求等をしないことを約する趣旨
のものであり,それ以上に,Aと原告の間の相続を除外する趣旨であっ
たとはいえない。
さらに,①本件養子縁組には弁護士が関与しており,少なくとも,同
弁護士においては,昭和62年▲月▲日当時,縁組意思のない偽装
養子縁組とは考えていなかったものと考えられ,②本件養子縁組につい
ては,同日から現在に至るまで,25年以上にわたって戸籍上有効に存
続しており,本件訴えの提起に至るまで,原告,A及びBのうちの誰1
人として,その無効を主張したことはない。
以上の事情を併せ考えれば,本件養子縁組は,親子関係から本来生じ
る法律的又は社会的な効果を排除して,それとは別個の目的を達するた
めの手段としてのみ縁組の形式を利用したとまでは認められず,有効な
縁組意思がなかったとはいえない。
また,原告がAの収容中に同人に面会していたとするならば,その面
会は,養親子関係に基づくものであったといえるのであって,原告とA
の養親子関係が戸籍上有効に存続していたことも併せ考慮すれば,原告
とAは,社会において一般に養親子関係にあると認知されていたものと
いえる。そうだとすると,原告とAの内心の意思にかかわらず,原告と
Aの関係は,婚姻法秩序に抵触することに変わりはない。
ウ以上のとおり,本件養子縁組は有効に成立しており,原告は,昭和62
年▲月▲日,本件養子縁組をして以後,原告は,Aの養女という身分
のまま夫婦としての生活をしていたものであって,その関係は,民法73
4条(及び736条)が規定する養親子の間の婚姻の禁止に実質的に抵触
するから,原告は,国年法5条8項等にいう「婚姻の届出をしていないが,
事実上婚姻と同様の事情にある者」には当たらない。
(3)原告が主張するような特段の事情があるとはいえないこと
ア原告が主張するような特段の事情を検討すべき事案ではないこと
既に述べたとおり,本件内縁関係は,養親子の間の婚姻の禁止(民法7
36条)に抵触し,婚姻秩序との抵触が大きい直系血族間の内縁関係とな
っていたのであり,このような内縁関係は,反倫理性,反公益性が極めて
高く,平成19年判決において判示された前記の特段の事情の有無を検討
するまでもなく,国年法5条8項等の「婚姻の届出をしていないが,事実
上婚姻と同様の事情にある者」には当たらない。
イ原告の主張するような特段の事情があるとはいえないこと
前記アの点をおくとしても,本件内縁関係は,養親子間の婚姻禁止(民
法736条)に抵触し,婚姻秩序との抵触が大きい直系血族間の内縁関係
となっていただけではなく,原告がBの養子となる旨の養子縁組の届出も
していたことからすれば,Bとの関係においては,直系姻族間の婚姻禁止
(民法735条)にも抵触する反倫理性,反公益性の極めて大きいもので
あった。
加えて,Aが,平成2年▲月当時,組内(町内会)及び親戚等の周囲
の人たちに対し原告のことを「妻」であると紹介して挨拶回りをした際に
は,Aは,原告のことを「養子」でもあるとは告げていなかったとうかが
え,親戚間で承認され,地域社会等においても受け入れられた原告とAの
関係は,原告がAの養子であることを前提としたものであったとは認めら
れない。この点をおくとしても,原告とAが養親子間で内縁関係となった
のは,地方的慣習に基づいたものではないし,原告が○刑務所に収容中
のAと面会を重ねて親密さを増していた時期は,AとBが婚姻関係にあっ
た時期であり,原告とAの関係は重婚的関係であった。
以上のとおり,本件内縁関係が婚姻秩序との抵触が大きい直系血族間の
内縁関係であったことや,本件内縁関係が形成されるに至った経緯等に鑑
みると,本件内縁関係の反倫理性,反公益性が婚姻法秩序維持等の観点か
ら問題とする必要がない程度に著しく低いものであったとは認められず,
原告が主張するような特段の事情があるとはいえない。
(4)まとめ
以上のとおり,本件養子縁組が無効であるとは認められず,本件は,原告
が主張する「特段の事情」の有無を考慮すべき事案ではない上,「特段の事
情」の有無を検討したとしても,そのような事情があるとはいえない(なお,
遺族年金の給付は,一定の事由が生じた場合に請求権を有する者の請求に基
づいて行われるいわゆる授益処分であり,その給付を受けようとする者が自
己に受給資格があることを証明する責任があるというべきであるから,支給
要件に係る事実の主張立証責任については,これを争う原告にある。)。
以上によれば,原告は,Aとの関係において,国年法5条8項等の「事実
上婚姻と同様の事情にある者」に該当せず,遺族年金の受給資格を有しない。
よって,本件処分は適法である。
第3当裁判所の判断
1認定事実
前提事実,証拠(甲4,5の1,5の2,6,原告本人)及び弁論の全趣旨によ
れば,以下の事実(以下「認定事実」という。)が認められる。
(1)Aは,昭和41年▲月▲日,Bと婚姻をしたが,昭和60年冬頃,東京
において原告と知り合い,昭和61年暮れ頃,Aがδ市に借りたアパートで
原告と同居を開始した。当時,原告は,働いておらず,Aから生活費を渡されて
いた。
一方で,Aは,同年6月7日付けで栃木県α市(以下住所省略)のAの実家に住
所を定めたとして届出をした。当時,同所には,B,Aの両親並びにBの両親及
び弟が同居していた。(前提事実(1)ア及びウ,甲4,6,原告本人)
(2)原告とAが同居を開始してから8か月ほど経った頃,Aは,□□□法
違反の罪に係る被疑者として逮捕され,○刑務所に勾留された。原告は,同刑
務所に面会に行った際,Aから,刑務所に収容されたら面会に来てほしいが,刑
務所では家族以外の人とは面会できないのでA及びBと養子の縁組をしてほし
い,原告と縁組するということはBから承諾をもらっているなどと申し向けられ,
本件養子縁組をすることを承諾した。(甲4,6,原告本人)
(3)原告は,昭和62年▲月▲日,Aの指示に従い, δ 市所在のG弁護
士の事務所を訪れ,同弁護士が口頭で述べた内容を原告が筆記して本件念書(甲
5の1)を作成し,同日,本件養子縁組に係る届出をした。
本件念書は,A及びBに宛てたものであり,「一,今般Aと,同Bと養子縁組
をしましたがこれについて左記事項を,約束します。1.右養子縁組は,Aの今
回服役終了次第,解消する。よって,出所の時は,一方的に离縁の届出をしても
異議がない,尚,服役中途で私が無断で行方を変更或は,不明としたときも同様
とします。2.右養子縁組に関して,財産的要求,その他法律的要求は,一切し
ないことを確約します。」との記載がある。
本件念書の写しは,後日,G弁護士から原告に郵送され,原告はこれを受領し
た。
原告とAは,本件養子縁組をした当時,養親子の間の婚姻の禁止の規定につい
て知らなかった。(前提事実(1)イ,甲4,5の1,5の2,6,原告本人)
(4)Aは,前記(2)の刑事事件について有罪を言い渡す判決の宣告を受け,同判決
の確定により,平成2年▲月頃までの約3年間,○刑務所に収容された。
原告は,Aが同刑務所に収容されている間, δ 市内に居住し続け,アルバ
イトをして生計を立てる傍ら,定期的に○刑務所を訪れ(当初は毎月行けるか
どうかという程度であったが,収容期間の最後の頃は,1か月に1回,最終的に
は2週間に1回程度),Aと面会した。Aは,同刑務所に原告を養女であるとし
て面会に係る申出をし,また,原告は,同刑務所の職員からAとの関係を尋ねら
れた際は,養女と答えていた。原告は,Aとの面会の際,下着,本,現金等を差
し入れたこともあったが,その費用は原告や原告の両親等が負担していた。
一方,Bは,Aが同刑務所に収容されている間もAの実家に居住し,Aの両親
の面倒を見るなどしていた。(甲4,原告本人)
(5)Aは,平成2年▲月,○刑務所から釈放され,同月▲日,Bと協議上
の離婚をし,その後,Aの実家で原告及びAの母と同居を開始した(もっとも,
原告がAの実家に住所を定めたとする届出をしたのは,平成3年1月30日であ
る。)。原告は,Aとの同居を開始した頃,Aから,一度縁組をして養親子とな
った者の間では,離縁をした後も婚姻をすることができないことを聞かされ,養
親子間の婚姻が禁止されていることを知った。
Aは,原告とAの実家で同居を開始した後,Aの親族(Aの母の兄の妻)に,
原告の紹介を依頼し,上記の親族は,他の親族や組内(町内会に相当するもの)
に原告をAの妻として紹介し,また,A及びその母も,周りの者に原告を紹介す
るときは,Aの妻として紹介した。(前提事実(1)オ,甲6,原告本人)
(6)原告は,Aが平成20年▲月▲日に死亡するまで,Aの実家で同人と同居し,
その間,①原告とAとの間には,平成3年▲月▲日にDが,平成5年▲月▲
日にEが出生し,いずれについても出生の際にAの実家を住所とする旨の届出が
され,Aは,Dについては平成4年▲月▲日に,Eについては平成19年▲
月▲日に,それぞれ認知をし,原告は,②葬式や地域の行事の際には,Aの妻と
して手伝い等に参加し,③子どもらの学校の書類等においても,Aと夫婦である
として届け出,行事や部活動についてもAと共に夫婦として参加していた。
また,④Aは,その勤務先にも同人の妻として原告を届け出るなどし,⑤Aが
死亡した際には,原告が死亡の届出をし,妻である喪主として葬儀を主催した。
原告は,Aの死亡後,親族等に,Aと養親子関係にあり,婚姻をしていないこ
とを明らかにしたが,現在に至るまで,Aの実家に居住し,親族やAの友人等と
はAの妻としての付き合いをしている。(前提事実(1)カ,甲3,4,6,原告
本人)
2遺族年金を受けることができる遺族である「被保険者又は被保険者であった者の
妻(配偶者)」(国年法37条の2第1項,厚年法59条1項)について
(1)国年法等は,遺族年金を受けることができる遺族の範囲について,被保険者
等の妻(配偶者)等であって,被保険者等の死亡の当時その者によって生計を維
持していたもの等の要件を満たすものとし,上記の妻(配偶者)について,「婚
姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者」を含むと規定
している(国年法5条8項等)。国年法等が,このように,遺族年金を受けるこ
とができる地位を内縁の配偶者にも認めることとしたのは,被保険者等の死亡に
ついて保険給付を行い,その遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという国
年法等の目的に鑑み,遺族年金を受けることのできる妻(配偶者)について,必
ずしも民法上の配偶者の概念と同一のものとしなければならないものではなく,
被保険者等との関係において,互いに協力して社会通念上夫婦としての共同生活
を現実に営んでいた者にこれを支給することが,遺族年金の社会保障的な性格や
国年法等の上記目的にも適合すると考えられたことによるものと解される。他方,
国民年金制度及び厚生年金保険制度が政府の管掌する公的年金制度であり(国年
法1条及び3条1項,厚年法1条及び2条),被保険者(及び厚年法においては
事業主)の意思に関わりなく強制的に徴収される保険料に国庫負担を加えた財源
によって賄われていること(国年法85条,厚年法80条及び82条)を考慮す
ると,民法の定める婚姻秩序に反するような内縁関係にある者まで,一般的に遺
族年金の支給を受けることができる妻(配偶者)に当たると解することはできな
い(平成19年判決参照)。
(2)ところで,民法734条が養親子の関係にある者を含む近親者等の間の婚姻
を禁止しているのは,社会倫理的配慮及び優生学的配慮という公益的要請を理由
とするものであるところ,養親子の間の婚姻については,当然には優生学的な弊
害は生じないものの,民法は,養子縁組について,①養子と養親及びその血族と
の間においては,養子縁組の日から,血族間におけるのと同一の親族関係を生じ
(同法727条),②養子は,縁組の日から,養親の嫡出子の身分を取得し(同
法809条),③養子は,養親の氏を称する(同法810条本文)等の効果が生
じるものとしていることからすれば,養親子の間についても,実親子と同様の身
分法上の秩序が維持されるべきであるとの社会倫理的配慮から,実親子の間の婚
姻についてと同様にその婚姻を禁止することとしたものと解され,このような理
由により養親子の間の婚姻を禁止することについては,少なくとも我が国の現在
の婚姻法秩序及び社会通念を前提とする限り,合理性を有するというべきである。
以上のとおり,養親子の間で婚姻が禁止されるのは,社会倫理的配慮という公
益的要請を理由とするものであって,養親子の間の婚姻は,時の経過ないし事情
の変化によって婚姻障害事由が消滅ないし減退をすることがあり得ない性質の
ものであり,殊に,養親子の間における内縁関係は,一般的に反倫理性,反公益
性が極めて大きい関係というべきであるから,いかにその当事者が社会通念上夫
婦としての共同生活を営んでいたとしても,国年法等により保護される妻又は夫
(配偶者)には当たらないものと解される(平成19年判決参照)。
3原告が遺族年金を受けることができる「被保険者又は被保険者であった者の妻
(配偶者)」に該当するかについて
本件において,原告は,本件養子縁組の効力を争うとともに,養親子の間の内
縁関係については,平成19年判決が養親以外の一定の近親者等の間の内縁関係
について判示するところに沿って,それが形成されるに至った経緯,周囲や社会
の受け止め方,共同生活期間の長短,子の有無,夫婦生活の安定性等に照らし,
反倫理性,反公益性が婚姻法秩序維持等の観点から問題とする必要がない程度に
著しく低いと認められる場合には,上記養親子の間の婚姻を禁止すべき公益的要
請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという国年法等の目的を優先
させるべき特段の事情があるというべきことがあるとの前提に立って,原告につ
いての各般の事情を主張するものと解されるので,以下に検討する。
(1)本件養子縁組の有効性について
原告は,昭和62年▲月▲日,A及びBを養親とし,原告を養子とする本
件養子縁組の届出をしたものであるところ(認定事実(3)),原告は,本件養子
縁組は,無効又は無効と同視すべきものであると主張するので,以下に検討する。
ア民法802条は,縁組は,①人違いその他の事由によって当事者間に縁組を
する意思がないとき(同条1号)及び②当事者が縁組の届出をしないとき(同
条2号本文)に限り,無効とする旨を定めているところ,上記①の意思とは,
真に社会通念上親子であると認められる関係の設定を欲する意思をいい,たと
え縁組の届出をすること自体について当事者間に意思の合致があった場合で
も,縁組が単に他の目的を達成する便法として仮託され,既に述べたような関
係の設定に係る意思がなかったときには,当該養子縁組は効力を生じないとい
うべきである(最高裁昭和23年(オ)第85号同年12月23日第一小法廷判
決・民集2巻14号493頁参照)。
そして,そのような意思の存否の判断に際しては,縁組の届出をするに当た
って,親子関係から本来生ずる法律的又は社会的な効果の全部又は一部を目的
としているか否かを考慮するのが相当である。
イ(ア)これを本件について見ると,原告が本件養子縁組の届出をした経緯及び
Aが○刑務所に収容された後に原告が実際に同人の養女として面会して
いたことからすれば(認定事実(2)から(4)まで),本件養子縁組は,Aが刑
務所に収容されることとなった場合に,原告が同人の養女として面会するこ
とを主要な目的としてされたものであり,本件養子縁組の当事者である原告,
A及びBのいずれにおいてもそのような認識に欠けることはなかったこと
が認められる。
そして,本件養子縁組がされた昭和62年当時,受刑者については,法律
上,親族以外の者とは,特に必要があると認められる場合でなければ,接見
をさせてはならないものとされており(監獄法45条2項),受刑者と面会
することができることは,親族であるという身分関係それ自体を基礎とする
ものであったものというべきである。
そうすると,本件養子縁組は,その届出をするに当たって,少なくとも,
親子関係から本来生じる法律的又は社会的効果の一部を目的としていたも
のといえ,社会通念上親子であると認められる関係の設定を欲する意思をお
よそ欠くものであったとまでは認められない。
(イ)もっとも,本件養子縁組については,①原告とAは,本件養子縁組の届
出の以前から交際し同居していたものであり(なお,本件内縁関係の成立の
時期については,後記(2)に述べるとおり,Aの釈放後である平成2年▲
月頃と認めるのが相当である。),Aは,そのような交際関係の延長として,
原告が刑務所に面会に来ることを望んでいたものと推認することができ(認
定事実(1)及び(2)),また,②本件念書(甲5の1)の内容に照らすと,原
告は,Aの釈放後,離縁をすることを了承していたことが認められ(認定事
実(3)),その意味で,本件養子縁組は,Aの刑務所への収容という事態に
際し,Aと原告との交際関係を維持するための便宜的又は一時的な側面をも
有していたことは否めない。
しかし,そもそも,養子縁組がされるに至る態様は多様であり得るのであ
って,前記(ア)に説示したとおり,本件養子縁組が,親子関係から本来生ず
る法律的又は社会的な効果の一部を目的としているものであると認められ
る以上,上記のような側面があるからといって,直ちに前記(ア)の認定判断
が左右されるものではないというべきである。
これに反する原告の主張はいずれも採用することができない。
(2)養親子の間の婚姻を禁止すべき公益的要請によりも遺族の生活の安定と福祉
の向上に寄与するという国年法等の目的を優先させるべき特段の事情の有無に
ついて
ア原告とAとの間には,Aが○刑務所から釈放されBと離婚をした後の平成
2年▲月頃から本件内縁関係が成立したものと認められるところ(認定事実
(5)。なお,原告は,本件内縁関係は昭和60年頃には成立していた旨の主張
をするが,Aが平成2年▲月に釈放される以前は,①Aは,Bとの婚姻を継
続しており,B及びAの両親等が居住するAの実家をその住所として届出をし
ていたこと(前提事実(1)ウ,認定事実(1)),②Bは,Aが○刑務所に収容
された後も,Aの実家に居住して,Aの両親の面倒を見るなどし,Aの妻の地
位にある者として,原告との間の本件養子縁組の届出をすることを承諾したこ
と(認定事実(3)及び(4))などからすれば,同月以前に本件内縁関係が成立し
ていたとまでは認められない。),前記(1)に述べたとおり,本件養子縁組は
有効であるというべきであるから,本件内縁関係は,養親子の間の婚姻を禁止
する民法734条に抵触するものであり,同法の婚姻法秩序に違反したもので
あったといわざるを得ない。
イそこで,本件内縁関係については,養親子の間の婚姻を禁止すべき公益的要
請によりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという国年法等の目的
を優先させるべき特段の事情があるかについて検討する。
前提事実及び認定事実によれば,本件内縁関係については,原告は,昭和6
1年暮れ頃から,Aが○刑務所に収容されていた約3年間を除き,同人が死
亡する平成20年▲月▲日まで同居し,その間に子どもらも出生し,Aが○
刑務所から出所した平成2年▲月頃以降は,親族や地域社会,Aの職場など
でも,Aの妻として紹介され,原告自身もそのように振る舞い,Aの妻として
認知されていたことが認められる。
しかし,①本件内縁関係は,養親子の間の婚姻の禁止(民法734条)に抵
触し,婚姻秩序との抵触が大きい直系血族間の内縁関係であったこと,②原告
とAの交際が開始された当時,AはBと婚姻中であり,平成2年▲月▲日
にAとBが離婚をするまで,原告とAとの関係はいわゆる不貞関係にあったこ
と(認定事実(1)から(5)まで),③原告とAは,Aの出所後も離縁をすること
がなかったこと,④本件全証拠を見ても,Aの死亡前において,原告がAの養
子であることがAの親族,地域の住民,Aの職場の関係者などに認知されてい
たことをうかがうに足りる証拠はなく,原告について,Aの養子でありながら,
同時にAの内縁の妻であることが社会的に受け入れられていたとは認められ
ないことからすれば,本件内縁関係については,原告の主張するような特段の
事情があるとはいえない。
(3)以上によれば,原告は,国年法等の「婚姻の届出をしていないが,事実上婚
姻関係と同様の事情にある者」に該当するとはいえず,被保険者の妻(配偶者)
として遺族年金を受けることができる遺族に該当するとはいえない。したがって,
本件処分は適法であるというべきである。
4結論
よって,本件請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして,
主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第3部
裁判官川嶋知正
裁判官髙畑桂花
裁判長裁判官八木一洋は,差し支えのため,署名押印をすることがで
きない。
裁判官川嶋知正
(別紙2)
関係法令の定め
第1国年法の定め
1国年法1条(国民年金制度の目的)は,国民年金制度は,日本国憲法25条
2項に規定する理念に基づき,老齢,障害又は死亡によって国民生活の安定が
損なわれることを国民の共同連帯によって防止し,もって健全な国民生活の維
持及び向上に寄与することを目的とする旨を定めている。
2国年法5条(用語の定義)8項(平成24年法律第63号による改正前のも
の。以下同項について同じ。)は,同法において,「配偶者」,「夫」及び「妻」
には,婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含
むものとする旨を定めている。
3国年法15条(給付の種類)は,同法による給付は,①老齢基礎年金(同条
1号),②障害基礎年金(同条2号),③遺族基礎年金(同条3号)並びに④
付加年金,寡婦年金及び死亡一時金(同条4号)とする旨を定めている。
4国年法16条(裁定)は,給付を受ける権利は,その権利を有する者の請求
に基づいて,厚生労働大臣が裁定する旨を定めている。
5国年法37条(支給要件)本文(平成24年法律第62号による改正前のも
の)は,遺族基礎年金は,被保険者又は被保険者であった者が死亡したとき(同
条1号)等,同条各号のいずれかに該当する場合に,その者の妻又は子に支給
する旨を定めている。
6国年法37条の2(遺族の範囲)第1項(平成24年法律第62号による改
正前のもの。以下同項について同じ。)は,遺族基礎年金を受けることができ
る妻又は子は,被保険者又は被保険者であった者の妻又は子であって,被保険
者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し,かつ,
①妻については,被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によっ
て生計を維持し,かつ,同項2号に掲げる要件に該当する子と生計を同じくす
ること(同項1号),②子については,18歳に達する日以後の最初の3月3
1日までの間にあるか又は20歳未満であって障害等級に該当する障害の状
態にあり,かつ,現に婚姻をしていないこと(同項2号)に該当したものとす
る旨を定めている。
7国年法37条の2第3項は,同条1項の規定の適用上,被保険者又は被保険
者であった者によって生計を維持していたことの認定に関し必要な事項は,政
令で定める旨を定めている。
第2厚年法の定め
1厚年法1条(同法の目的)(平成25年法律第63号による改正前のもの。
以下同条において同じ。)は,同法は,労働者の老齢,障害又は死亡について
保険給付を行い,労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するこ
とを目的とし,併せて厚生年金基金がその加入員に対して行う給付に関して必
要な事項を定めるものとする旨を定めている。
2厚年法3条(用語の定義)2項は,同法において,「配偶者」,「夫」及び
「妻」には,婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある
者を含むものとする旨を定めている。
3厚年法32条(保険給付の種類)(平成24年法律第63号による改正前の
もの)は,同法による保険給付は①老齢厚生年金(同条1号),②障害厚生年
金及び障害手当金(同条2号)並びに③遺族厚生年金(同条3号)とする旨を
定めている。
4厚年法33条(裁定)(平成24年8月法律第63号による改正前のもの)
は,保険給付を受ける権利は,その権利を有する者(受給権者)の請求に基づ
いて,厚生労働大臣が裁定する旨を定めている。
5厚年法58条(受給権者)1項本文(平成24年法律第62号による改正前
のもの。以下同項において同じ。)は,遺族厚生年金は,被保険者(失踪の宣
告を受けた被保険者であった者であって,行方不明となった当時被保険者であ
ったものを含む。)が死亡したとき(同項1号)等,同項各号のいずれかに該
当する場合に,その者の遺族に支給する旨を定めている。
6厚年法59条(遺族)1項は,遺族厚生年金を受けることができる遺族は,
被保険者又は被保険者であった者の配偶者,子,父母,孫又は祖父母であって,
被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時(失踪の宣告を受けた被保険者
であった者にあっては,行方不明となった当時。以下同条において同じ。)そ
の者によって生計を維持したものとする旨を定めている。
7厚年法59条4項は,同条1項の規定の適用上,被保険者又は被保険者であ
った者によって生計を維持していたことの認定に関し必要な事項は,政令で定
める旨を定めている。
第3刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(平成17年法律第50号に
よる改正前の名称は監獄法。以下改正の前後を問わず,「監獄法」という。)の定

監獄法45条1項は,在監者に接見することを請う者があるときはこれを許す旨
を,同条2項は,受刑者及び監置に処せられた者はその親族でない者と接見をさせ
ることができないが(本文),特に必要があると認める場合にはこの限りではない
(ただし書)旨を定めている。

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