弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決中被告人Aに対する部分を破棄し、同被告人に対する本件を東京
高等裁判所に差し戻す。
     被告人B、同Cの本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人小中公毅の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当
の主張であり、同伊藤清の上告趣意は、単なる訴訟法違反、事実誤認、量刑不当の
主張であり、被告人三名の弁護人吉江知養の各上告趣意は、事実誤認、量刑不当の
主張を出でないものであり、被告人Cの弁護人島田武夫、同島田徳郎の上告趣意は、
事実誤認、単なる法令違反の主張に帰し、すべて、刑訴四〇五条の上告理由に当ら
ない。そして、被告人B、同Cにつき記録を調べても同四一一条一号ないし三号を
適用すべきものとは認められない。
 しかし、職権をもつて、被告人Aに対する事実の認定、刑の量定につき調査する
と、原判決は、第一審判決第三の犯罪事実に関し、被告人AがD、Eと共謀して、
昭和二九年八月二四日頃偽造に係るF銀行本店発行の一万六千五百弗の小切手を真
正なものとして、Gに呈出行使したとの事実については、犯罪の証明がないけれど
も、右は当裁判所が認定した第三の(二)の(ロ)の詐欺罪と手段結果の関係にあ
り一罪をなすものとして起訴されたものであるから、特に主文において、無罪の言
渡をしないと判示し、別に、第一審第三に代わる事実の第三の(二)、(イ)(ロ)
として被告人Aは、D及びH、Iと共謀の上(イ)判示の外国人登録証明書一通を
偽造し、かつ、D及びE等と共謀の上(ロ)判示のごとくEにおいて右証明書と偽
造にかかる判示小切手を所持して判示のごとく証明書を呈示行使して右小切手と交
換取引名下に現金六百四十三万五千円の交付を受けてこれを騙取した旨認定した上、
被告人Aを第一審判決と全く同様に懲役三年に処したものであること判文上明白で
ある。しかし、右小切手が第一審判決認定のごとく被告人Aが偽造であることを知
つていたのと原判決認定のごとく知らなかつたのとは、同被告人の本件犯行につい
ての刑の量定につき重大な影響を及ぼすべき事柄であることはいうまでもない。し
かのみならず、本件第一審裁判所の第九回公判調書(昭和三〇年四月一九日附)中
のDの供述その他一件記録に徴すると被告人Aが前記証明書が偽造であつたことを
知つていたか疑わしく、従つて、原判決の判示(ロ)の同被告人の共謀の事実が重
大な事実誤認の疑があるものといわなければならない。されば、原判決には、既に
この点で刑訴四一一条二号、三号の事由があつて、原判決を破棄しなければ著しく
正義に反するものと認める。
 よつて、同条号により同被告人に対する原判決を破棄し、同法四一三条に従い、
裁判官の全員一致の意見で、主文第一項のとおり判決し、被告人B、同Cについて
は同法四一四条、三九六条に従い、同意見で、主文第二項のとおり判決する。
 検察官 羽中田金一公判出席。
  昭和三七年五月一七日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛