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平成20年10月30日判決言渡
平成20年(行ケ)第10308号審決取消請求事件
口頭弁論終結日平成20年10月14日
判決
原告メルク・コマンデイトゲゼルシヤフト
・アウフ・アクチエン
訴訟代理人弁護士加藤義明
同町田健一
同木村育代
訴訟代理人弁理士アインゼル・フェリックス=ラインハルト
同山崎和香子
被告萬有製薬株式会社
主文
1特許庁が取消2007−300598号事件について平成20年4
月7日にした審決を取り消す。
2訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
主文第1項と同旨
第2原告の主張
原告は,本件口頭弁論期日において,次のとおり陳述した。
1特許庁における手続の経緯
被告は,登録第640192号商標(昭和37年8月3日出願,昭和39
年4月4日設定登録。以下「本件商標」という。)の商標権者である。
原告は,平成19年5月11日,本件商標の指定商品中,第5類「薬剤」
についての登録を取り消すことを求めて審判の請求(取消2007−300
598号事件。以下「本件審判」という。)をした。
特許庁は,平成20年4月7日,「本件審判の請求は,成り立たない。」
との審決(以下「本件審決」という。)をし,同月18日,その謄本を原告
に送達した。
2本件審決の理由
本件審決の理由は以下のとおりである。
(1)被告は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商
標を請求に係る指定商品中の「薬剤」について使用していたことを証明し
た。
(2)商標法第50条の規定により,本件商標の指定商品中の「薬剤」につい
ての登録を取り消すことはできない。
3本件審決の取消事由に関する原告の主張
本件商標の商標権者である被告,専用使用権者又は通常使用権者のいずれ
も,本件審判の予告登録がされた平成19年5月29日より前3年以内に,
日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品(第5類「薬剤」)につ
いて,本件商標の使用をしていない。本件審決は,取り消されるべきであ
る。
第3当裁判所の判断
被告は,適式の呼出し(公示送達によるものではない。)を受けたが,本件
口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面の提出もしない。したがっ
て,前記第2記載の原告の主張(ただし,後記のとおり,被告において主張立
証責任を負担する,本件商標の使用に係る事実は除く。)を自白したものとみ
なされる。
なお,本件商標の商標権者である被告,専用使用権者又は通常使用権者のい
ずれかが,本件審判の予告登録がされた平成19年5月29日より前3年以内
に,日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品(第5類「薬剤」)に
ついて,本件商標の使用をしているとの事実は,被告において主張立証責任を
負担する事項であるが(商標法50条2項),被告は,同事項について,何ら
の主張立証をしない。
したがって,本件審決が認定した「被告は,本件審判の請求の登録前3年以
内に日本国内において,本件商標を請求に係る指定商品中の『薬剤』について
使用した」との事実は,これを認定することができない。
よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとし,主文のと
おり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官飯村敏明
裁判官齊木教朗
裁判官嶋末和秀

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