弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を東京高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人磯崎良誉、同鎌田俊正の上告理由について。
 論旨は、上告代理人が昭和三九年六月一五日本件記録を精査したところによれば、
原審第八回口頭弁論調書(記録二一二丁)上に、同期日において口頭弁論が終結さ
れ、次回言渡期日が昭和三九年三月一二日午後一時と指定・告知されたことが記載
されているところ、右指定された日時に期日が開かれた事跡は記録上見当らず、第
九回口頭弁論期日が昭和三九年三月三一日午後一時に開かれ、同期日において原判
決の言渡がなされたことが、同口頭弁論調書(記録二二八丁)に記載されていて、
しかも、右昭和三九年三月三一日午後一時を期日として指定し、その告知をした事
跡は記録上見当らなかつたから、右昭和三九年三月三一日午後一時の期日は指定・
告知を経ないで開かれたものといわざるをえないものであり、同期日において言い
渡された原判決は言渡手続の違法により破棄を免れないと主張する。
 しかし、当裁判所が記録を調べたところ、昭和三九年三月一二日午後一時に開か
れた原審第九回口頭弁論期日の調書が記録二四六丁に編綴されていて、同調書には、
当期日を延期し次回判決言渡期日を昭和三九年三月三一日午後一時と指定・告知す
る旨の記載があり、かつ、前記原判決言渡調書(記録二二八丁)に「第九回口頭弁
論調書」とあるのは「第一〇回口頭弁論調書」の誤記につき更正する旨の更正調書
(記録二四七丁)が作成・編綴されている。
 ところで、右昭和三九年三月一二日午後一時の口頭弁論調書には、「昭和三九年
三月一二日午後一時の第九回口頭弁論調書(判決言渡延期)の作成に脱漏があつた
ので、本日これを件成した。昭和三九年七月二一日」と附記して裁判所書記官と裁
判官の各署名捺印がなされていること、および前記更正調書の作成年月日が右同日
となつていることに徴すれば、右判決言渡延期の口頭弁論調書は昭和三九年七月二
一日になつてはじめて件成されたことが明白である。しかも、右調書の作成は、上
告代理人の本件上告理由書提出によつて前示のとおり原判決の言渡手続の違法が指
摘された後であることが、記録上窺える。
 口頭弁論調書は、当該期日ごとに、かつ、その期日中に法廷において作成される
のが原則であるところ、事務の都合上その作成が期日後にわたる場合であつても、
権限ある書記官によつて法定の形式を具備して作成されるかぎり、必ずしも調書と
しての効力を否定すべきではないと解されるが、口頭弁論の方式に関する規定の遵
守は調書によつてのみ証明することができるものとする民訴法一四七条の法意に鑑
みれば、本件のように、原審における口頭弁論の方式に関する手続欠缺の違法が既
に上告理由として指摘された後においては、当該手続に上告理由が指摘するような
欠缺がない旨を記載する調書を作成することは許されず、したがつて、そのような
形で作成された当該調書には同法条の効力を認めえないと解するのが相当である。
そうすれば、原審において所論判決言渡期日の指定・告知があつた事実は、右昭和
三九年七月二一日作成の口頭弁論調書をもつては証明できないものといわなければ
ならず、他に右期日の指定・告知があつた事実は記録上認められないから、原判決
は、言渡期日の指定・告知なくしてなされたものであつて、判決の手続が法律に違
背し、民訴訟三九六条、三八七条により破棄を免れないものといわなければならな
い(最高裁判所昭和二七年(オ)第二一一号同年一一月一八日第三小法廷判決、民
集六巻一〇号九九一頁参照)。
 よつて、同法四〇七条一項を適用し、裁判官全員一致をもつて、主文のとおり判
決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎

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