弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原決定を取り消す。
     平成四年八月二〇日名古屋高等裁判所金沢支部がした中等少年院送致決
定に対する抗告棄却決定(名古屋高等裁判所金沢支部平成四年(く)第一一号)に
対する再抗告を棄却する。
         理    由
 一 本件再抗告の趣意は、処分の不当を主張するものであって、少年法三五条一
項の抗告理由に当たらない。
 二 しかし、職権をもって調査すると、原決定は取消しを免れない。
 1 本件再抗告の経緯は次のとおりである。
 少年は、「第一 平成四年六月一日午後三時五五分ころ、石川県七尾市内の路上
において、A(当時一七歳)に対し、こぶしでその顔面を殴打するなどの暴行を加
えて、加療約二週間を要する顔面打撲の傷害を負わせた。第二 同月五日午前九時
二〇分ころ、同市内の路上において、興奮、幻覚又は麻酔の作用を有する劇物トル
エンを含有する液体を缶に入れ、蒸発する気体をみだりに吸入した。」旨の傷害、
毒物及び劇物取締法違反の非行事実によって、金沢家庭裁判所七尾支部の審判に付
され、同年七月九日、同裁判所により中等少年院送致の決定を受け、これに対して、
同月二〇日、処分の不当を理由に抗告したが、同年八月二〇日、原審裁判所は理由
がないとして右抗告を棄却する決定をし(名古屋高等裁判所金沢支部平成四年(く)
第一一号)、右決定は同月二二日少年に送達された。そこで、少年は、同年九月三
日、原審裁判所に対し、事実誤認及び処分の不当を理由とする「再抗告申立書」と
題する書面を提出したが、原審裁判所は、右申立てを再度の抗告であると解し、同
月二五日、抗告権消滅後の不適法な申立てであるとの理由により右抗告を棄却する
決定をし(名古屋高等裁判所金沢支部平成四年(く)第一五号)、右決定は同月二
六日少年に送達され、同年一〇月七日右決定に対して少年から本件再抗告が申し立
てられた。
 2 ところで、前記「再抗告申立書」と題する書面は、その記載内容等に照らす
と、少年法三五条一項による再抗告であることが明らかであるというべきであり、
原審裁判所としては、少年審判規則五四条、四五条に従い、速やかに最高裁判所に
右申立書等を送付しなければならないにもかかわらず、右再抗告を不適法な再度の
抗告として棄却した原決定は、右少年法、少年審判規則の規定の解釈適用を誤った
ものというべきであって、右法令の違反は決定に影響を及ぼし、これを取り消さな
ければ著しく正義に反すると認められるから(最高裁昭和五八年(し)第三〇号同
年九月五日第三小法廷決定・刑集三七巻七号九〇一頁参照)、少年法三五条、三六
条、少年審判規則五四条、四八条、少年法三二条、少年審判規則五三条二項、五〇
条により原決定を取り消すこととする。
 三 原決定が取り消された結果、前記「再抗告申立書」による再抗告に対する裁
判がいまだされていないことになるので、あわせて右再抗告について判断する。
 右再抗告の趣意は、事実誤認、処分不当の主張であって、少年法三五条一項の抗
告理由に当たらないから、少年審判規則五三条一項、五四条、五〇条により、これ
を棄却することとする。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
  平成四年一二月一五日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    橋   元   四 郎 平
            裁判官    大   堀   誠   一
            裁判官    味   村       治
            裁判官    小   野   幹   雄
            裁判官    三   好       達

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