弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人小泉英一、同溝淵春次、同船内正一上告趣意第一点について。
 原審第四回公判調書中記録六八九丁裏と同六九〇丁表との間に裁判所書記の契印
がないことは所論のとおりである。しかし、右六八九丁裏には同六九〇丁表にある
裁判所書記名下の捺印と同一の印影の訂正印存し且つ右二下め文字の墨色、筆跡は
同一であり、書類の形式、内容等に脉絡があることが認められる。されば右二丁は
同一公判調書としての連続を認めることができるから、所論は、その前提において
採用し難い。
 同第二点について。
 しかし、判決において説明すべき証拠上の理由は、如何なる証拠によつて罪とな
るべき事実を認めたかの確実な証拠上の根拠を示すを以て足るものであるから、第
一審公判調書中の供述記載を証拠として挙示した以上、その供述の内容をなす公判
請求書又は聴取書等の記載を挙示しなくとも違法といえないものである(昭和二三
年(れ)一四五九号同二四年二月八日第三小法廷判決参照)。そして、本件第一審
第二回公判調書中のAの供述記載を見るに、同人は所論追公判請求書の記載と相侯
つて供与の趣旨その他原判示第一の(一)同趣旨の供述をしたものと解される。ま
た、所論被告人に対する検事の聴取書中の供述記載並びに第一審第二回公判調書中
のBの供述記載もすべて原判決引用の趣旨と同一であると解し得られる。そして、
これらの供述記載を綜合すれば、原判示の事実認定を肯認することができる。され
ば、所論は、結局原審の裁量に属する証拠の判断を非難するに帰し採用し難い。
 同第三点について。
 しかし、第一審公判調書中のAの供述記載を見るに所論追公判請求書の記載と相
俟つて原判示第一の(二)と同趣旨の供述をしたものと解される。また、第一審第
四回公判調書中の証人Cの供述記載並びにDに対する検事の聴取書中の供述記載は、
いずれも原判決引用の趣旨と同一であると解し得られる。そして、右各供述記載の
外原判決挙示のその他の証拠を綜合すれば原判決の認定を肯認することができるか
ら、本論旨も採用し難い。
 同第四点について。
 しかし、原判決は、判示第二事実を認定するのに、被告人の自白のみを唯一の証
拠としたものではなく、第一審第二回の公判調書中の相被告人Aの判示同趣旨の供
述記載をも綜合して認定したものである。そして、かゝる相被告人の供述記載が被
告人の自白を補強する証拠たりうることは当裁判所大法廷の判例とするところであ
る。(昭和二三年(れ)七七号同二四年五月一八日大法廷判決参照)それ故、所論
は当らない。
 同筆五点について。
 しかし、憲法三七条二項後段の規定は、刑事被告人が自己のために強制的手続に
より証人を求める権利を行使するのに費用上の理由によりこれを阻止しないよう保
障したに止り、被告人が有罪の判決を受けた場合に証人の喚問に要した費用の負担
を命ずることを禁ずる趣旨ではない。従つて、旧刑訴二三七条は右憲法の条項に違
反するものでないことは当裁判所大法廷全員一致の判例とするところであるから(
昭和二三年(れ)三一六号同年一二月二七日大法廷判決参照)所論は採るを得ない。
 同第六点について。
 しかし、原判決の判示は、選挙違反の行為並びに業務上横領の行為は、それぞれ
犯意継続に係る趣旨と解せられる。それ故所論は当らない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 竹原精太郎関与
  昭和二五年六月八日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 部
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    斎   藤   悠   輔

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛