弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
       事   実
一 当事者の求めた裁判
1 控訴人
(一) 原判決を取り消す。
(二) 被控訴人の請求を棄却する。
(三) 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
2 被控訴人
 主文同旨。
二 当事者の主張
 次のとおり付加、訂正するほか、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引
用する。
1 原判決二枚目表末行目の「公務外の災害」を「aの死亡は公務外の災害であ
る」と、同枚目裏四行目の「対してなされた」を「対する」と、同五行目の「右裁
決」を「右裁決書」と、同一〇行目の「正規職員(事務吏員)として」を「事務吏
員として正式に」と改め、同三枚目裏四、五行目の「業務」の次に「(以下、「平
常業務」または「日常業務」ともいう。)」を加え、同七行目の「昭和六三年三月
ころ以降は」を「現在は」と、同四枚目表一〇行目の「熟練職員」を「熟練した技
術職員」と、同五枚目表九行目の「高血圧」を「高血圧症」と、同末行目の「に至
るまで」を「までの」と、同枚目裏末行目から同六枚目表一行目にかけての「夜勤
明けに」を「前夜三直勤務に服したうえ、勤務明けに前日同様の」と、同三行目の
「午前九時から」を「午前八時五〇分から午前一二時まで」と改め、同六行目の
「交えるもので」の次に「あって、研修を受けるためには予習復習などの準備を要
するもので」を、同八行目の「場合には、」の次に「日常業務につき」を加える。
2 同六枚目裏一〇、一一行目の「死亡したこと認め」を「脳幹出血のため死亡し
たことは認め」と、同七枚目表九行目の「清掃工場」を「当時の清掃工場」と、同
枚目裏四行目の「一月七日」を「昭和六一年一月七日」と、同五行目の「命じられ
た」を「命じられ、これに参加した」と、同六行目の「時間」を「時刻」と改め
る。
3 同八枚目表八行目の「災害補償制度は使用者の」を「地方公務員災害補償制度
は職員の公務上の危険性が現実化した場合の損失につき」と、同九行目の「賄わ
れ」を「その負担金により一切賄われ」と改め、同一〇枚目裏八行目の後に、行を
変えて次のとおり加える。
 また、aの本件発症前における職務内容は、その半分以上は中央制御室で過ごし
ており、勤務交替時に職場を見回るほか、休養室などに滞在していたというもの
で、騒音、悪臭、気温差にしばしば曝されていたわけでないから、清掃工場の職場
環境をもって本件発症につき有力な寄与をしたという根拠も見出し得ない。
4 同二五枚目(別表1)の四行目の「出勤時間」を「出勤時刻」と、「退庁時
間」を「退庁時刻」と、同二六枚目(別表2)の「研修」の時間帯をいずれも八時
五〇分から一二時までと、一〇日の「外出」を「就寝」と、一一日の「研修予習」
を「研修予習・復習」と、同二九枚目(別表5)の「研修日程」の内容中「法令の
交付手続」を「法令の公布手続」と改める。
三 証拠関係(省略)
       理   由
一 当裁判所も、原判決の結論を相当と判断する。その理由は、次のとおり付加、
訂正、削除するほか、原判決理由記載のとおりであるから、これを引用する。
1(一)原判決一一枚目表五行目の「死亡した」を「脳幹出血のため死亡した」
と、同九、一〇行目の「清掃工場は昭和六三年三月ころ以降」を「当時の清掃工場
は現在」と、同枚目裏三行目の「時間については」を「時刻を」と、同五行目の
「第三ないし第六、第八」を「第四、第五」と、同七行目の「第四五、」を「第四
五ないし」と、同行目の「第六二」から同九行目の「第五一号証」までを「第六二
号証、平成四年一二月一九日に当時の清掃工場を撮影した写真であることにつき争
いのない甲第五九号証」と改め、同一〇行目の「甲」の次に「第九、第一〇、」
を、同末行目の「結果」の次に「及び弁論の全趣旨」を加える。
(二)同一二枚目表一行目の「a」の次に「(昭和一二年五月二七日生)」を加
え、同行目の「昭和三六年」を「昭和三二年」と、同行目の「同年」を「昭和三六
年」と、同八行目の「午前一二時三〇分」を「午後〇時三〇分(以下「日勤制」と
いう。)」と、同枚目裏六行目の「するとともに部下」を「して、部下職員」と、
同七行目の「立場であった」を「とともに、自らもその業務に従事した」と、同一
三枚目表七行目の「約二〇分」を「常時」と、同一四枚目表一行目の「つまり」を
「未燃浮遊物の」と、同二行目の「EP下」を「EPF室」と、同枚目裏七行目の
「つまり」を「未燃物の浮遊」と、同一五枚目表一行目の「石灰」を「、石灰」
と、同枚目裏一行目の「昭和四五年」を「昭和四六年」と改め、同行目の「一般的
な」の前に「昭和六一年一月当時、ほぼ」を加え、同二行目の「を経過して」を
「に達して」と、同三行目の「一五日」を「五日」と、同末行目の「一〇日」を
「一一日」と、同一六枚目表二行目の「最大値四五度C」を「最高値四五度C、最
低値五度C」と、同枚目裏五行目の「要軽作業」を「要軽業」と、同一七枚目表七
行目の「血属」を「血族」と、同枚目裏六行目の「基本的」を「基礎的」と、同八
行目の「通常の勤務時間帯」を「日勤制勤務」と改め、同九行目の「第一」の前に
「研修生は午前八時五〇分までに高松市役所(番町一丁目所在)七階、職員研修室
に集合することになっていた。」を加え、同一八枚目裏五行目の「ストーブをつけ
ない部屋で」を「研修の」と、同一〇行目の「治療」を「内科的治療」と、同一九
枚目表三行目の「宿直から日勤に変えたうえ、日勤」を「日勤制の勤務に切替えた
うえ、研修参加時間中」と改める。
2 (一)同一九枚目表末行目の「疾病」を「その職員の有する発病因子ないし既
往症等(以下「基礎疾病」という。)」と、同枚目裏三行目の「正当」を「相当」
と改め、同六行目の「前掲甲第六号証、」を削除し、同行目の「第四号証」を「第
四、第二五号証、原本の存在及び成立に争いのない乙第二〇、第二一、第二三号
証」と、同一〇行目の「高血圧症」を「高血圧」と改め、同末行目の「高血圧」の
前に「しかし、」を、「動脈瘤」の次に「、動脈硬化等」を加え、同二〇枚目表一
行目の「高血圧をもつ」を「このような」と、「であること」を「であり、したが
って」と、同二行目の「血管壊死」を「血管壊死等」と改める。
(二) 同二〇枚目表二行目の後に、次のとおり加える。
 しかしながら、他方、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第
六四号証、原本の存在及び成立に争いのない甲第五〇号証によれば、脳内出血疾患
の発症原因は単一でなく、多要因であり、かつ、その発症経過も必ずしも一様では
なく、本件の如く、当該発症に近接する業務等による過重な負荷が、血管疾患(高
血圧症の持続による血管壊死等はこれに含まれる。)等の基礎疾病をその自然的経
過を超えて急激に著しく増悪させて、脳内出血疾患(脳幹出血はこれに含まれ
る。)等を発症させるに至ることが認められ、前掲乙第二五号証は右認定を左右し
ない。
(三) 同二〇枚目表三行目の「aが」の前に「そこで、以上認定の脳幹出血に関
する発症機序を踏まえて検討するに、」を加え、同行目の「高血圧」を「高血圧
症」と改め、同三、四行目の「、aの本件発症時の年令(四八歳)」を削除し、同
枚目裏六行目の「昭和」の前に「④」を加え、同二一枚目表三行目の「普通の勤務
形態」を「日勤制の勤務」と、同五行目の「特殊な勤務」を「特殊な、かつ従前の
職務と異なり電気等の専門的知識、技術を要するいわゆる現業勤務」と改め、同七
行目の「清掃工場」の前に「右のような厳しい職場環境及び特殊かつ現業の勤務形
態のもとにある」を、同八行目の「研修参加」の次に「時間」を、同九行目の「業
務」の次に「につき職務専念義務」を、同枚目裏七行目の「支障がないこと、」の
次に「しかも、右研修は演習を含んでいるものであるから、予習・復習が必須であ
って、aは、研修参加前から自宅で予習を行っており、研修参加後も、帰宅後予
習・復習を行っていて、自宅での休養が十分とれていなかったと推認できるこ
と、」を加え、同行目の「準夜」を「二直」と、同八行目の「高温」から同九行目
の「部屋におき」までを「終えて帰宅後、」と改め、同一〇行目の「a」から同二
二枚目表四行目の「免除しなかったこと、」までを削除し、同五行目の「高血圧」
を「高血圧症」と改め、同六行目の「以上」の前に「、しかもaの死亡した年令は
四八歳であり、脳内出血死の多発年令に達していないこと(前記甲第六四号
証)、」を加え、同七行目の「基礎疾患としての」を「aの有した基礎疾病・」
と、同八行目の「長期間」を「相当の長期間」と改め、同八、九行目の「加わった
ため」の次に「、その基礎疾病・高血圧症をその自然的経過を超えて急激に著しく
増悪させて、脳幹出血を発症させるに至ったもの」を加える。
3 同二八枚目(別紙4)の「別紙4」を「別表4」と、「指定等」を「指定休
等」と、一一月の三直勤務日数を「八日」と、同月の年休日数を「一日」と改め
る。
二 よって、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから、これを棄却し、
控訴費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条、八九条を適用し
て、主文のとおり判決する。
(裁判官 砂山一郎 馬渕勉 一志泰滋)

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