弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人高橋長潤の上告趣意第一点について。
 論旨は、単なる法令違反の主張に帰するのであつて、適法なる上告理由に当らな
い。
 (同点二(イ)について。
 証人Aは、大蔵事務官として大蔵省為替局企画課において法令の立案改正に従事
する外国為替及び外国貿易の管理関係についての専門家であり、原審において、本
件に関し問題となつて居る所論告示等の改廃のあつた事実、その改廃の理由、本法
違反の実情について供述して居る。かゝる場合、同証人は刑訴一七四条の鑑定証人
に当るのであつて、鑑定証人には同条により証人に関する規定が適用せられる。し
たがつて原審が証人としての宣誓をなさしめたのは適式であつて、原審に所論の違
法はないから、同証人の供述の証拠能力も亦否定し得ない。)
 (同に(ロ)ついて。
 論旨は、原判決を以つて、訴因に属しない事実を審判の対象として居るものと主
張する。しかし、論旨は原判決の誤解から出て居る。本件公訴事実は、原判決の支
持する第一審判示第一乃至第四であつて、原判文によれば、原審はこれを審判の対
象として居ること明白であつて、これ以外には出て居らない。
 外国為替及び外国貿易管理法二二条は、本邦居住者に対し、政令の定める所によ
り本件ドル表示小切手の如き対外支払手段等を、日本銀行等に売却する義務即ち集
中義務を課して居るけれども、同法二五条は、同二二条の適用範囲を制限し、外国
人が外国に在る間の取引に因り外国の銀行になした預金については、日本の管理法
令を適用しない旨を規定し、同法又は同法に基く命令の規定を受ける取引に因り取
得したものに限り同二二条の集中義務を課して居るのである。
 したがつて、本件銀行預金が日本の管理法令の適用を受ける取引に因り取得され
たものか否かが本件犯罪の成否を決するものであるから、この預金の由来する所を
究める必要あること、当然である。されば原審は、本件銀行預金は被告人が昭和二
四年夏より同二八年四月頃に至るまでの間に、日本における取引に因つて得た金員
を無許可で外国に在る銀行に送金して開設した預金であることを認定したのであつ
て、原審は、本件銀行預金の性質それ自体を審判の対象として居るのではない。論
旨は当らない。)
 (同(ハ)について。
 論旨は、原判決が自白を唯一の証拠として犯罪事実を認定したと主張する。しか
し原審は、所論自白のみならず、他の証拠をも多数挙示し、これ等と相俟つて犯罪
事実を認定し得るものとして居ること、第一審判決及びこれを支持する原判決に徴
し明白である。論旨は前提をかくに帰する。)
 (同(二)、(ホ)について。
 論旨の採用し得ないことは判例の示す所により明白である。(昭和三三年(あ)
第一四五二号同三四年二月五日第一小法廷決定、集一三巻一号三五頁、昭和三三年
(あ)第一六二〇号同三四年八月二八日第二小法廷判決、集一三巻一〇号二九一四
頁))
 (同(へ)について。
 論旨は、本件が無為替輸入であることを前提として居る。しかし、本件は無為替
輸入でないこと、原判示により明かであるから、前提をかくのであつて、採用し得
ない。)
 同第二点について。
 論旨は、量刑不当の主張であつて、適法なる上告理由に当らない。
 また記録を調べても、刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和三五年六月二八日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔

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