弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
  上告代理人大森鋼三郎の上告理由(上告人作成の申述書記載のものを含む。)
について
 一 原審は、(1) 昭和一六年五月二〇日、旧陸軍において陸軍少尉で補充兵教
育係教官をしていた被上告人は、陸軍上等兵で同係教官助手をしていた上告人の担
当する初年兵が被上告人に対して無礼な言動をしたのは上告人の責任であるとして、
上告人の顔面を平手及び手拳で二〇回以上殴打し、その場に倒れた上告人の頭部、
肩、横腹等を軍靴で何回も蹴りつけるなどの暴行を加えた、(2) そのため、上告
人は、口、鼻等から出血し、意識がもうろうとなって一か月近く陸軍病院に入院し、
退院後も幾分難聴を覚える後遺症が残った、との事実を確定した上、民法七二四条
後段所定の二〇年の期間は消滅時効の期間であるとの解釈の下に、被上告人は昭和
五六年四月三日被上告人方において右不法行為による損害賠償債務を承認して時効
の利益を放棄したとの上告人の主張は採用することができないから、右損害賠償請
求権は時効により消滅したとして、上告人の本件請求を棄却した。
 二 案ずるに、民法七二四条後段の規定は、不法行為によって発生した損害賠償
請求権の除斥期間を定めたものと解するのが相当であるから(最高裁昭和五九年(
オ)第一四七七号平成元年一二月二一日第一小法廷判決・民集四三巻一二号登載予
定)、右規定をもって消滅時効の期間を定めたものと解した点において、原判決に
は同規定の解釈適用を誤った違法があるといわなければならない。
 しかしながら、上告人が本訴を提起したのは右不法行為の日である昭和一六年五
月二〇日から約四一年を経過した昭和五七年四月二八日であることが記録上明らか
であり、上告人の本件損害賠償請求権は、本訴提起前の二〇年の除斥期間が経過し
た時点で法律上当然に消滅したことになるのであって、このような場合、裁判所は、
除斥期間の性質に鑑み、本件請求権は除斥期間の経過により消滅したとの主張がな
くても、右期間の経過により本件請求権は消滅したものと判断すべきものであるか
ら(右判例参照)、上告人の本件請求権は既に消滅したとして上告人の本件請求を
棄却した原審の判断は、結論において相当である。
 したがって、原判決の前記法令の解釈適用の誤りは判決の結論に影響を及ぼさな
いことが明らかであるから、結局、論旨は採用することができない。
 よって、民訴法四〇一条、三九六条、三八四条二項、九五条、八九条に従い、裁
判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    貞   家   克   己
            裁判官    安   岡   滿   彦
            裁判官    坂   上   壽   夫
            裁判官    園   部   逸   夫

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