弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人児玉正五郎上告趣意第一点について。
 所論は結局、事実誤認の主張に帰するものである。したがつて旧刑訴法並びに同
応急措置法の適用ある本件においては(刑訴施行法二条)上告適法の理由とならな
いから(刑訴応急措置法一三条二項)論旨は何れも採用することがてきない。
 これを細説すると、所論(一)の点については、原審が判示事実の認定に供した
証拠は、第一審公判調書における被告人の供述記載のみではなく、その他の判示証
拠とを綜合して判示事実を認定しているのであつて、且つこれ等証拠を綜合すると
原判示事実はこれを認めることができるのである。所論は原審の専権に属する証拠
の価値判断を攻撃し、延いて事実誤認を主張するに帰するものである。次に所論(
二)は、所論はA鑑定人の鑑定の結果(所論小麦粉中には亜砒酸及び砒酸鉛の存在
を証明できないという)を重視し、これによれば本件被告人の犯行は否定せらるべ
きものである旨強調し、原審がこれを証拠に採らなかつたのはこの点につき採証法
則違背の廉あるが如く主張するのである。しかし、原審採証の第一審公判調書にお
ける被告人の供述記載中によれば、「裁判長問、小麦粉ト亜砒酸トヲ掻キ混ぜタカ。
被告人答、右手デ指ノ又ガ小麦粉ノ中ニ隠レル位ニシテ掻キ混ぜマシタノデスカラ
小麦粉ノ下ノ方ニ迄ハ亜砒酸ハ混入サレテ居リマセヌ」とあり(記録第二冊の五七
〇丁裏)、また所論A鑑定人の鑑定の目的物たる小麦粉が、はじめて捜査官憲(秦
野警察署)に押収されたのは、本件犯行後約一ケ月半を経たる、昭和二一年九月四
日(記録第二冊の四六一丁)であること(尚、右同一物件を鑑定したる、昭和二一
年九月一二日附専売局秦野煙草試験場化学科の鑑定の結果によると「……砒素ノ検
出ヲ行ヒタルニ微量存在セルコトヲ認メタリ」、記録第一冊の二七六丁とあり)等
に鑑みるときは、原審がA鑑定人の鑑定の結果を証拠に採らず、したがつて、この
鑑定の結果を外にして、他の証拠により本件犯行を認定したからとて、これをもつ
て原判決に採証法則違背の廉ありと認めることはできないのである。所論は原審の
した証拠の取捨判断を攻撃し、延いて結局事実誤認を主張するに帰するものである。
次に所論(三)及び(四)において掲げる資料は、原審が何れも証拠に採用しなか
つたものであるから、所論はこれまた原審の証拠の取捨判断を非難し、延いて事実
誤認を主張するに帰するものである。
 同第二点について。
 所論中「主張」とある事由は、旧刑訴三六〇条二項に該当する主張でないことは、
この点原審公判調書(記録第三冊の三〇丁裏)の記載に照して極めて明白である(
旧刑訴同条項の意義に関し、昭和二二年(れ)第一七一号、何二三年五月五日大法
廷判決、判例集二巻五号四四七頁。昭和二二年(れ)第一五五号、同二三年四月一
〇日第二小法廷判決、判例集二巻四号三二〇頁。昭和二三年(れ)第三七〇号、同
年七月二九日第一小法廷判決、判例集二巻九号一〇六七頁。各参照)から、かかる
事由に対して原審が特別なる判断を与えていないからとて、これをもつて原判決に
判断遺脱の違法ありということはできない。また原審が所論A鑑定人の鑑定の結果
を証拠に採らなかつたことに関し、その理由の説示並びにその鑑定の結果に対して
特別なる判断を与える必要のないことも、旧刑訴三六〇条一項の規定に照して明ら
かであるから、論旨は何れも理由がない。
 よつて、刑訴施行法二条旧刑訴四四六条にしたがい、裁判官全員一致の意見によ
つて、主文のとおり判決する。
 検察官 平出禾関与
  昭和二六年六月八日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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