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平成13年(行ケ)第175号、第176号 商標登録取消決定取消請求事件
     判    決
 原 告 株式会社ノバオーシマ
 訴訟代理人弁護士 鳥海哲郎、大貫裕仁、弁理士 小林ゆか
 被 告 特許庁長官 及川耕造
 指定代理人 佐藤久美枝、茂木静代、林栄二
     主    文
 原告の請求を棄却する。
 訴訟費用は原告の負担とする。
     事実及び理由
第1 原告の求めた裁判
 「特許庁が異議2000-90508号及び同90509号事件についてそれぞ
れ平成13年3月13日にした決定を取り消す。」との判決。
第2 事案の概要
 1 特許庁における手続の経緯
 原告は、次の二つの登録商標の商標権者である。
 ① 登録第4358283号商標
 平成11年(1999年)6月16日に登録出願、「ZANOTTA」の欧文字と
「ザノッタ」の片仮名文字とを二段に左横書きしてなり、第20類に属する家具、
つい立て、ベンチ等、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成
12年(2000年)2月4日に設定登録。
 ② 登録第4358284号商標
 平成11年(1999年)6月16日に登録出願、「SACCO」の欧文字と「サッ
コ」の片仮名文字とを二段に左横書きしてなり、第20類に属する家具、つい立
て、ベンチ等、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12
年(2000年)2月4日に設定登録。
 上記各商標について登録異議の申立て(登録異議申立人・ザノッタ ソシエタ 
ペル アチオニ)があり、①の商標については異議2000-90508号事件と
して、②の商標については異議2000-90509号事件として審理されたが、
平成13年(2001年)3月13日、各商標の商標登録を取り消すとの決定がそれぞ
れあり、その謄本は同年4月2日原告に送達された。
 2 登録第4358283号商標(本件①商標)に関する決定(異議2000-
90508号)の理由の要点
 (1) 登録異議申立人の異議理由
 (1)-1 商標法第4条第1項第15号について
 本件①商標は、欧文字の「ZANOTTA」とこれに相応する仮名文字「ザノッ
タ」から構成されたものであり、必然的に「ザノッタ」の称呼が生ずる。また、以
下で述べる引用「ZANOTTA」商標の著名性により、本件①商標からは著名商
標「ZANOTTA」(引用「ZANOTTA」商標)及びその製品の観念が生ず
る。したがって、本件①商標は引用「ZANOTTA」商標と「ザノッタ」の称呼
及び観念を共通する類似の商標である。
 登録異議申立人であるザノッタ ソシエタ ペル アチオニは、1954年に革
(布)製家具及びそれらの装飾品の製造・販売を主として設立された会社で、アチ
ル カスチジリオーニ、アレッサンドロ メンデイーニ、パオロ デガネロ等の家
具分野における著名デザイナーを擁し、今日まで事業を継続している(異議甲第3
号証の1、異議甲第6号証の5)。
 登録異議申立人の商号かつ商品商標でもある引用「ZANOTTA」商標の、イ
タリア国における著名性は、1969年から1999年までの年次販売実績かつ宣
伝広告の事実からその疑いの余地はないといえる(異議甲第4号証及び異議甲第5
号証の1ないし11)。また、日本においても、登録異議申立人の商標が付された
商品がNTTアーバンネットビル、住友海上火災ビル、TEP1Aビル、東京のビ
アホール(BEER HALL BY CIRANO)、新潟日航ホテルあるいは
草月会館(1984年 東京)に納品されている(異議甲第3号証の1ないし
2)。
 さらに、登録異議申立人が頒布した1992年、93年、94年、98年、99
年、2000年版商品カタログの掲載内容を見ても、引用「ZANOTTA」商標
のイタリア国における周知性は揺るぎないものといえる(異議甲第6号証の1ない
し7)。よって「ZANOTTA/ザノッタ」の文字からなる本件①商標が、その
指定商品に使用された場合には、本件指定商品の分野の需要者が、登録異議申立人
の業務に係る商品と出所を混同するおそれがあることは明らかである。しかるがゆ
えに、本件①商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
 (1)-2 商標法第4条第1項第19号について
 本件①商標は、登録異議申立人の商品を表示するものとして日本国内及び外国に
おいて需要者の間に広く認識されている引用「ZANOTTA」商標と類似の商標
である。特筆すべき事実として、本件①商標の商標権者(原告)が20年近く登録
異議申立人の輸入販売代理店であったことであり、本件①商標の出願(1999年
6月16日)は登録異議申立人との間で結ばれていた契約が解除された1999年
春直後にされたもので、登録異議申立人の許諾得ずして行われた出願・登録は、本
件①商標の商標権者(原告)の契約解除に対する報復措置とも取れる。このような
ことから、本件①商標の商標権者(原告)の行為は、著名商標である引用「ZAN
OTTA」商標の顧客吸引力にただ乗りし不正に利益を得る目的でされたものと考
えるのが自然といえる(異議甲第5号証の9、異議甲第6号証の5、異議甲第7号
証の1ないし3)。
 よって、本件①商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものである。
 (2) 通知した取消理由
 「登録異議申立人の提出に係る異議甲各号証によれば、「zanotta」の文
字によりなる商標は、登録異議申立人が永年にわたってイタリア、日本で布製家具
に使用してきた結果、本件登録出願時には登録異議申立人の業務に係る商品の商標
として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認められるものである。
 一方、登録異議申立人の提出に係る異議甲第7号証1ないし3のインボイスによ
れば、商標の商標権者(原告)と登録異議申立人との間には、1999年に当事者
間の契約が解除されるまで、製造販売業者と輸入販売代理店として商品の取引があ
ったことがうかがえる。そうとすれば、登録異議申立人の業務に係る商品を表彰す
るものとして取引者・需要者間に周知著名な「zanotta」と同じ綴り字を有
する本件①商標を、商標権者(原告)が登録異議申立人に断りなくその指定商品に
使用することは、不正の目的をもって使用するものといわなければならない。
 したがって、本件①商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録された
ものである。」旨の取消理由を通知した。
 (3) 商標権者(原告)の意見
 本件①商標が商標法第4条第1項第19号に該当すると判断されるためには、ま
ず、本件①商標の出願時及び査定時において、本件①商標が「他人の業務に係る商
品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間で広く認識
されている商標と同一又は類似する商標」であることが必要である。しかしなが
ら、登録異議申立人が提出した異議甲第3号証の1ないし2、異議甲第4号証及び
異議甲第5号証の1ないし11、異議甲第6号証により、本件①商標の出願時及び
査定時において本件①商標が登録異議申立人によってイタリア国において布製家具
に使用されていることは立証されているものの、本件①商標の出願時及び査定時に
おいてイタリア国において本件①商標が布製家具について周知性を獲得しているこ
とまでは十分に立証されていない。すなわち、審査基準の解説によれば、商標の
「使用状況に関する事実の把握は、いわば量的に当該商標の使用の事実を認定し、
それによって間接的ではあるが当該商標の需要者への浸透度を量り(推定し)、そ
の大小ないしは広狭により当該商標の周知を認定」すべきであるから(異議乙第1
号証)、本件①商標の出願時及び査定時において、本件①商標が布製家具
についてイタリア国で周知であると立証するためには、イタリア国における布製家
具の全販売総数のうちのどの程度の割合を本件①商標を使用した布製家具が占めて
いるのか、あるいはイタリア国における本件①商標を使用した広告宣伝の頻度を示
すことにより需要者に対する浸透度がどれくらいであるのかということを少なくと
も示す必要がある。しかしながら、登録異議申立人からは異議甲第4号証により1
969年~1999年までの年次販売実績は示されているものの、その割合が全体
でどの程度を占めるものであるか示されていない。また、異議甲第5号証の1ない
し11により登録異議申立人の商品が掲載された雑誌広告等が示されているもの
の、そこに示されている程度の広告宣伝の頻度では需要者に対する浸透度はそれほ
ど高いものとはいえないし、またどのような種類の雑誌に広告が掲載されたのかが
分からないためどのような需要者に周知であるのかも不明である。
 したがって、本件①商標が登録異議申立人の業務に係る商品を表示するものとし
て、イタリア国において広く認識されていたものと認定した取消理由通知は、誤り
である。また、登録異議申立人は提出した異議甲第3号証の1ないし2により、本
件①商標が付された商品が住友海上火災ビル等に納品されていることを理由とし
て、本件①商標の出願時及び査定時において、本件①商標が登録異議申立人の業務
に係る商品を表示するものとして周知であったことを主張するが、異議乙第2号証
の1及び2に示すような住友海上火災ビル、TEPIAビル、CYRANOビル、
大手町ファーストスクエアビル、アーバンネット大手町ビル、阪神競馬場レストラ
ン、ホテル日航川崎、ランドマークプラザを始めとする各種の有名なビル、レスト
ラン、ホテル等へ納品や静岡県民プラザ、イノテック本社ビル内装工事等の各プロ
ジェクトへ納品したのは登録異議申立人ではなく本件①商標の商標権者である原告
である。その証拠として、本件①商標の商標権者(原告)が、本件①商標を付した
商品を各種ビルへ納品した際に発行した請求書、見積書、納品リストの写しの一部
を異議乙第3号証の1ないし3に示す。また、異議乙第5号証の1ない
し28に示すように、本件①商標の出願前に発行された雑誌に掲載されている多く
の「ザノッタ」商品の写真提供者は本件①商標の商標権者である原告であり、登録
異議申立人ではない。本件①商標の商標権者である原告は、登録異議申立人が異議
申立理由で述べているように現在までの約20年にわたり登録異議申立人の輸入販
売代理店として、登録異議申立人から商品の供給を継続的に受ける継続的供給契約
に基づき、当時は日本において全く無名であった「ザノッタ」商品の宣伝広告及び
販売を一手に引き受け、有名なビルへの「ザノッタ」商品の納品(異議乙第2号証
の1)、各プロジェクトへの「ザノッタ」商品の納品(異議乙第2号証の2)、日
本語版ザノッタ商品カタログ及びプライスリストの制作(異議乙第4号証の1ない
し3)、雑誌等への「ザノッタ」商品の広告掲載(異議乙第5号証1ないし28)
等、本件①商標の知名度アップのための様々な努力を行ってきた。すなわち、永
年、我が国において本件①商標を布製家具に対し使用をしてきたのは登録異議申立
人ではなく本件①商標の商標権者であり、本件①商標査定時に我が国において「ザ
ノッタ」商品を取り扱う業者といえば他の業者はおらず、本件①商標の
商標権者のみであった。そして、本件①商標の出願前から、本件①商標の商標権者
(原告)は異議乙第5号証の3に示すような「室内」等のインテリアの専門雑誌の
みならず、異議乙第5号証の6及び異議乙第5号証の25に示すような「MODE
RN LIVING」、「BRUTUS」等の一般的な雑誌にも「ザノッタ」商品
の広告を掲載しており、幅広い需要者に対して浸透度を図っているといえる。な
お、本件①商標を使用した雑誌広告は異議乙第5号証の1ないし28に示されたも
のに限らず、これら以外にも頻繁に掲載されている。したがって、本件出願時及び
査定時において、本件①商標は、本件①商標の商標権者(原告)の業務に係る商品
を表示するものとして日本国内において周知であったというべきであり、本件①商
標が登録異議申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本において広く知ら
れていたと認定した取消理由通知は、誤りである。
 次に、本件①商標が商標法第4条第1項第19号に該当すると判断されるために
は、本件①商標の出願時及び査定時において、本件①商標が「不正の目的(不正の
利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって
使用するもの」であることが必要である。登録異議申立人は、異議申立理由におい
て本件①商標の出願が登録異議申立人との間において結ばれていた商品の継続的供
給契約が解除された1999年春直後にされたものであると主張する。そして、そ
の証拠として異議甲第7号証の1ないし3のインボイスを提出し、異議甲第7号証
の3のインボイスの日付である1999年5月17日以降は登録異議申立人と本件
①商標の商標権者(原告)との間に一切商取引が存在しないかのごとく主張し、そ
れ以降のインボイスを提出していない。しかしながら、実際は、異議乙第6号証の
1ないし3のインボイスが示すように、1999年5月17日以降も登録異議申立
人と本件①商標の商標権者(原告)との間には商取引が存在し、本件①商標の商標
権者(原告)は、本件出願日(1999年6月16日)以降も登録異議申立人から
継続的に商品の供給を受けている。すなわち、本件出願日(1999
年6月16日)には、本件継続的供給契約は解除されていなかったのである。した
がって、本件出願時において登録異議申立人と本件①商標の商標権者(原告)との
間の継続的供給契約は解除されていたとの登録異議申立人の主張は、誤りである。
登録異議申立人の主張のとおり1999年の春に契約の解除がなされていたのなら
ば、異議乙第6号証の1ないし3のインボイスは存在しないはずである。また、本
件査定時においても、本件継続的供給契約は終了していない。すなわち、本件のよ
うな継続的供給契約関係の下では、仮に一方的解約を許容する約定がある場合で
も、信義則上著しい事情の変更や取引関係を継続し難いはなはだしい不信行為の存
在等やむを得ない事由がない限り、一方的解約・解除は許されない(東京地裁平成
5年9月27日判決(異議乙第7号証の1)及び東京高裁平成6年9月14日判決
(異議乙第7号証の2))。これは、供給契約が「継続的」であるがゆえに寄せら
れる両当事者の期待を一方的な意思表示により否定することを制限する趣旨に基づ
く契約理論である。本件においては、そもそも一方的解約・解除を許容する約定は
存在ず、また、上記のようなやむを得ない事由も認められない。登録異
議申立人は、本件継続的供給契約を解約・解除できるような立場になかったのであ
り、現在もその状態に変更はない。本件①商標の商標権者(原告)は、登録異議申
立人からの解約・解除の意思表示の存在そのものを否定するものであるが、上記の
ようなやむを得ない事情が存在しない以上、仮にその趣旨の意思表示が存在したと
しても、かかる意思表示はその法的効果を発生させるものではなく、本件継続的供
給契約は有効に存在しているのである。このように、本件継続的供給契約が終了し
ていることを示す事実が認められない一方で、前記のとおり、登録異議申立人から
本件①商標の商標権者(原告)に対しては継続的に商品の供給がなされており、さ
らに、異議乙第8号証に示すように、本件①商標の出願日以後も本件①商標の商標
権者(原告)は登録異議申立人から商品の取引に関するFAXを受領しており、異
議乙第5号証の27及び28に示すように、本件①商標の出願日以後も本件①商標
の商標権者(原告)は雑誌に「ザノッタ」商品の宣伝広告を行うべく写真提供を行
っている、というような継続的供給契約の存在を示す事実が認められるのである。
 したがって、本件①商標の出願時及び査定時において、登録異議申立人と本件①
商標の商標権者(原告)との間の継続的供給契約は終了しておらず、契約解除を行
ったとする登録異議申立人の主張は、誤りである。また、登録異議申立人は、登録
異議申立人の許諾を得ずして行われた本件①商標の出願及び登録は、登録異議申立
人が契約を解除したことに対する報復措置であるから、本件①商標の商標権者(原
告)の行為は、引用「ZANOTTA」商標の顧客吸引力にただ乗りし、不正に利
益を得る目的でされたものであると主張する。しかしながら、前記のとおり、登録
異議申立人と本件①商標の商標権者(原告)との間の契約は解除されておらず、契
約が解除されたとする主張がそもそも誤っている。しかも、本件①商標の商標権者
(原告)が本件①商標を出願し、登録した理由は報復措置などではなく、登録異議
申立人との継続的供給契約の下で、本件①商標の商標権者(原告)が日本において
「ザノッタ」商品を第三者の商標権を侵害することなく適法に販売するための当然
の措置である。すなわち、本件①商標の商標権者(原告)は、本件①商標の出願日
時(1999年6月16日)及び登録時(2000年2月4日)には、異議乙第9
号証に示すように「アウレリオザノッタ」の文字よりなる本件①商標と類似する登
録2220630号商標の登録を有していた。
 上記商標の「Aurelio Zanotta/アウレリオザノッタ」とは、異
議乙第10号証に示すように、登録異議申立人の社長の名前である。この商標登録
を有していたがゆえに、本件出願前から、本件①商標の商標権者(原告)は登録異
議申立人より供給された商品を第三者の商標権を侵害することなく適法に販売等す
ることが可能であった。しかしながら、実際に日本で使用している商標は「Aur
elio Zanotta/アウレリオザノッタ」ではなく、「ZANOTTA」
や「ザノッタ」であったため、本件①商標を改めて出願したものである。したがっ
て、本件出願時においては本件①商標と類似する上記の商標の登録を既に本件①商
標の商標権者(原告)が有していたものであり、本件出願によって初めてザノッタ
商標について権利を取得したものではない。なお、本件出願後には、本件①商標の
商標権者(原告)は自己が日本において宣伝や販売を行っているイタリア家具を第
三者の商標権を侵害することなく適法に販売等する目的のため、それらの家具のメ
ーカーの名前である「Tisettanta/ティッセタンタ」や「HALIFA
X」という商標を出願しており(異議乙第11号証)、上記のような
目的をもって出願を行ったのは、本件①商標に限られたものではない。したがっ
て、本件①商標の商標権者(原告)の出願が、契約を解除したことに対する報復措
置であるから引用「ZANOTTA」商標の顧客吸引力にただ乗りし、不正に利益
を得る目的でされたものであるとする登録異議申立人の主張は荒唐無稽であり、そ
のような主張に基づき本件①商標が不正の目的をもって使用するものであると認定
した取消理由通知は、誤りである。
 以上より、本件出願時及び査定時において、本件①商標は「不正の目的(不正の
利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって
使用するもの」ではないのは明らかである。そして、特筆すべきことは登録異議申
立人と本件①商標の商標権者(原告)との間の継続的供給契約が正式に解約又は解
除された時には、本件①商標の商標権者(原告)は、本件①商標の登録を登録異議
申立人に移転する意思を有していることである。このことから将来においても本件
①商標の商標権者(原告)が本件①商標の登録を盾に登録異議申立人に継続的供給
契約を強制的に継続することを要求するものではなく、本件①商標は「不正の目的
(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)
をもって使用するもの」には該当しない。
 (4) 決定の判断
 よって判断するに、登録異議申立人提出の異議甲第3号証の1ないし7号証によ
り、登録異議申立人の「ザノッタ ソシエタ ペル アチオニ」は、1954年に
イタリアにおいて「革製椅子、革製クッション」等、主に革製家具を製造・販売す
る会社として設立されたこと及び同社が永年にわたり「zanotta」の文字よ
りなる商標を「革製椅子、革製クッション」のみならず多くの家具に使用してきた
結果、本件①商標の登録出願・登録時に、該文字よりなる商標は、イタリアのみな
らず我が国の取引者、需要者間に、上記会社の業務に係る商品を表示するものとし
て、広く認識されていたことをうかがい知ることができる。
 ところで、我が国には、輸入総代理店である商標権者(原告)を通じて登録異議
申立人の「zanotta」の文字よりなる商標が付された商品が輸入され、NT
Tアーバンネットビル、住友海上火災ビル、TEP1Aビル、新潟日航ホテル、草
月会館(東京)等に納品されているが、商標権者(原告)が国内で「zanott
a」の商標が付されている商品を販売するに当たっては、その宣伝広告の雑誌に、
該商品が「ザノッタ社」(イタリア)製の商品であることを明記していることが認
められる(異議乙第5号証の4、5、10、11)。
 一方、イタリアの製造販売側の当事者である登録異議申立人は、本件①商標の商
標権者(原告)との日本における輸入販売代理店契約を解除した旨の主張をしてい
るものであるから、本件①商標登録出願は登録異議申立人の許諾を得ずして行われ
ているものと判断するのが相当である。
 そして、上記異議甲各号証、異議乙第5号証及び本件①商標の登録出願が、両者
の契約が解除された1999年5月17日直後の6月16日である等の事情を総合
勘案すれば、かつて輸入販売代理店の地位にあった商標権者(原告)がイタリアに
おいて登録異議申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名な登録異議申立
人の商標「zanotta」と類似する本件①商標を、登録異議申立人の承諾なし
に取得することは、不正に利益を得る目的をもって使用するものといい得るもので
ある。
 したがって、本件①商標は、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録
されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取
り消すべきものとする。
 3 登録第4358284号商標(本件②商標)に関する決定(異議2000-
90509号)の理由の要点
 (1) 登録異議申立人の異議理由
 (1)-1 商標法第4条第1項第15号について
 本件②商標は、欧文字の「SACCO」とこれに相応する仮名文字「サッコ」か
ら構成されたものであり、必然的に「サッコ」の称呼が生ずる。また、以下で述べ
る「SACCO」商標(引用「SACCO」商標)の著名性により、本件②商標か
らは著名商標「SACCO」及びその製品の観念が生ずる。したがって、本件②商
標は引用「SACCO」商標と「サッコ」の称呼及び観念を共通する類似の商標で
ある。登録異議申立人であるザノッタ ソシエタ ペル アチオニは、1954年
に革(布)製家具及びそれらの装飾品の製造・販売を主として設立された会社で、
アチル カスチジリオーニ、アレッサンドロ メンデイーニ、パオロデガネロ等の
家具分野における著名デザイナーを擁し、今日まで順調な事業を展開し1999年
度は450万米ドルの販売実績を誇る(異議甲第2号証及び同第6号証)。
 登録異議申立人の商標である「SACCO」の国内外における著名性は、194
8年イタリアで開催された家具類に関するトリエンナーレ展での金賞受賞を始めと
して1951年、1968年、1970年、1971年、1973年、1979
年、1981年の受賞実績や、1972年のニューヨークを皮切りに、1984年
の東京の草月会館、1985年スペインのマドリッド、カナダのモントリーオー
ル、1986年のニューヨーク、1988年のドイツのデュッセルドルフ、198
8年のデンマークのコペンハーゲン、1989年のブラジルのサンパウロ、同年名
古屋で開催された「1989年世界家具展」、1990年の東京・汐留駅、199
1年のスペインのバルセロナ、1992年の東京での「Fujita Vante
 Museum」、同じく「小田急グランドギャラリー」、「The museu
m of Modem Art」富山 Marugame Genichiro、
また、広島での「Inokuma Museum of Contemporar
y Art」等の事実でもって確認できる(異議甲第3号証)。 よって、「SA
CCO/サッコ」の文字からなる本件②商標が、その指定商品に使用(特
に、クッション類)された場合には、本件指定商品の分野の需要者が、登録異議申
立人の業務に係る商品と出所を混同するおそれがあることは明らかである。しかる
がゆえに、本件②商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
 (1)-2 商標法第4条第1項第19号について
 本件②商標は、登録異議申立人の商品を表示するものとして日本国内及び外国に
おいて需要者の間に広く認識されている引用「SACCO」商標と類似の商標であ
る。特筆すべき事実として、本件②商標の商標権者(原告)が20年近く登録異議
申立人の輸入販売代理店であったことであり、本件②商標の出願(1999年6月
16日)は登録異議申立人との間で結ばれていた契約が解除された1999年春直
後にされたもので、登録異議申立人の許諾を得ずして行われた出願・登録は、本件
②商標の商標権者(原告)の契約解除に対す報復措置とも取れる。なお、本件②商
標を使用した商品(クッション類)が登録異議申立人の商標であることを証するイ
ンボイスを添付する。
 このようなことから、本件②商標の商標権者(原告)の行為は、著名商標である
引用「SACCO」商標の顧客吸引力にただ乗りし不正に利益を得る目的でされた
ものと考えるのが自然といえる(異議甲第2号証ないし5号証)。
 よって、本件②商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものである。
 (2) 通知した取消理由
「登録異議申立人の提出に係る異議甲3号証等によれば、「SACCO」の文字に
よりなる商標は、登録異議申立人が永年にわたってイタリア、日本、アメリカ等で
商品「クッション」に使用してきた結果、本件登録出願時には登録異議申立人の業
務に係る商品の商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認め
られるものである。
 一方、登録異議申立人の提出に係る異議甲第5号証1ないし3のインボイスによ
れば、商標権者(原告)と登録異議申立人との間には、1999年に当事者間の契
約が解除されるまで、製造販売業者と輸入販売代理店として商品の取引があったこ
とがうかがえる。そうとすれば、登録異議申立人の業務に係る商品を表彰するもの
として取引者・需要者間に周知著名な「SACCO」と同じ綴り字を有する本件②
商標を、商標権者(原告)が登録異議申立人に断りなくその指定商品に使用するこ
とは、不正の目的をもって使用するものといわなければならない。したがって、本
件②商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。」旨
の取消理由を商標権者(原告)に通知した。
 (3) 商標権者(原告)の意見
 本件②商標が商標法第4条第1項第19号に該当すると判断されるためには、ま
ず、本件②商標の出願時及び査定時において、本件②商標が「他人の業務に係る商
品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識
されている商標と同一又は類似する商標」であることが必要である。しかしなが
ら、登録異議申立人が提出した異議甲第3号証及び異議甲第4号証により、本件②
商標の出願時及び査定時において本件②商標が登録異議申立人によってイタリア国
においてクッションに使用されていることは立証されているものの、本件②商標の
出願時及び査定時においてイタリア国において本件②商標がクッションについて周
知性を獲得していることまでは十分に立証されていない。すなわち、審査基準の解
説によれば、商標の「使用状況に関する事実の把握は、いわば量的に当該商標の使
用の事実を認定し、それによって間接的ではあるが当該商標の需要者への浸透度を
量り(推定し)、その大小ないしは広狭により当該商標の周知を認定」すべきであ
るから(異議乙第1号証)、本件②商標の出願時及び査定時において、本件②商標
がクッションについてイタリア国で周知であると立証するためには、イタリア国に
おけるクッションの全販売総数のうちのどの程度の割合を本件②商標を使用したク
ッションが占めているのか、あるいはイタリア国における本件②商標を使用した広
告宣伝の頻度を示すことにより需要者に対する浸透度がどれくらいであるのかとい
うことを少なくとも示す必要がある。しかしながら、登録異議申立人からは異議甲
第6号証により1969年、1999年までの年次販売実績は示されているもの
の、その割合が全体でどの程度を占めるものであるか示されていない。また、この
販売実績がイタリア国におけるクッションの前販売総数のうちのどの程度の割合を
占めるものであるか示されていない。さらに、登録異議申立人からは、異議甲第3
号証を示して本件②商標が国内のみならず外国においても著名性があることを主張
するが、異議甲第3号証の受賞実績のリストだけではカタログ記載のどの商品につ
いて受賞したのか全く不明である。また、異議甲第4号証により、登録異議申立人
の商品が記載されたイタリア国発行の雑誌に記載された広告が1つ示されているも
のの、この雑誌広告のみでは需要者に対する浸透度は全く高いものとはいえない
し、どのような種類の雑誌に広告が掲載されたのかが分からないためどのような需
要者に周知であるのかも不明である。したがって、本件②商標が登録異議申立人の
業務に係る商品を表示するものとしてイタリア国において広く認識されていたもの
と認定した取消理由通知は、誤りである。
 また、登録異議申立人は提出した異議甲第3号証により、本件②商標が国内にお
いて著名性の高いものであることを主張するが、異議乙第3号証の1ないし6に示
すように、本件②商標の出願前に発行された雑誌に掲載されている数多くの「サッ
コ」商品の写真提供者は本件②商標の商標権者(原告)である原告であり、登録異
議申立人ではない。本件②商標の商標権者(原告)である原告は、登録異議申立人
が異議申立理由で述べているように現在までの約20年にわたり登録異議申立人の
輸入販売代理店として登録異議申立人から商品の供給を継続的に受ける継続的供給
契約に基づき、当時は日本において全く無名であった「サッコ」商品の宣伝広告及
び販売を一手に引き受け、日本語版サッコ商品カタログ及びプライスリストの制作
(異議乙第2号証の1及び2)、雑誌等への「サッコ」商品の広告掲載(異議乙第
3号証1ないし6)等、本件②商標の知名度アップのための様々な努力を行ってき
た。すなわち、永年、我が国において本件②商標をクッションに対し使用をしてき
たのは登録異議申立人ではなく本件②商標の商標権者(原告)であり、本件②商標
の出願時及び査定時に我が国において「サッコ」商品を取り扱う業者
といえば他の業者はおらず、本件②商標の商標権者(原告)のみであった。そし
て、本件②商標の出願前から、本件②商標の商標権者(原告)は異議乙第3号証の
3に示すような「室内」等のインテリアの専門雑誌のみならず、異議乙第3号証の
6に示すような「BRUTUS」等の一般的な雑誌にも「サッコ」商品の広告を掲
載しており、幅広い需要者に対して浸透度を図っているといえる。なお、本件②商
標を使用した雑誌広告は異議乙第3号証1ないし6に示されたものに限らず、これ
ら以外にも頻繁に掲載されている。したがって、本件出願時及び査定時において、
本件②商標は、本件②商標の商標権者(原告)の業務に係る商品を表示するものと
して日本国内において周知であったというべきであり、本件②商標が登録異議申立
人の業務に係る商品を表示するものとして日本において広く知られていたと認定し
た取消理由通知は、誤りである。
 次に、本件②商標が商標法第4条第1項第19号に該当すると判断されるために
は、本件②商標の出願時及び査定時において、本件②商標が「不正の目的(不正の
利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって
使用するもの」であることが必要である。登録異議申立人は、異議申立理由におい
て本件②商標の出願が登録異議申立人との間において結ばれていた商品の継続的供
給契約が解除された1999年春直後にされたものであると主張する。そして、そ
の証拠として異議甲第5号証の1ないし3のインボイスを提出し、異議甲第5号証
の3のインボイスの日付である1999年5月17日以降は登録異議申立人と本件
②商標の商標権者(原告)との間に一切商取引が存在しないかのごとく主張し、そ
れ以降のインボイスを提出していない。しかしながら、実際は、異議乙第4号証の
1ないし3のインボイスが示すように、1999年5月17日以降も登録異議申立
人と本件②商標の商標権者(原告)との間には商取引が存在し、本件②商標の商標
権者(原告)は、本件出願日(1999年6月16日)以降も登録異議申立人から
継続的に商品の供給を受けている。すなわち、本件出願日(1999
年6月16日)には、本件継続的供給契約は解除されていなかったのである。した
がって、本件出願時において登録異議申立人と本件②商標の商標権者(原告)との
間の継続的供給契約は解除されていたとの登録異議申立人の主張は、誤りである。
 登録異議申立人の主張のとおり1999年の春に契約の解除がなされていたのな
らば、異議乙第4号証の1ないし3のインボイスは存在しないはずである。また、
本件査定時においても、本件継続的供給契約は終了していない。すなわち、本件の
ような継続的供給契約関係の下では、仮に一方的解約を許容する約定がある場合で
も、信義則上著しい事情の変更や取引関係を継続し難いはなはだしい不信行為の存
在等やむを得ない事由がない限り、一方的解約・解除は許されない(東京地裁平成
5年9月27日判決(異議乙第5号証の1)及び東京高裁平成6年9月14日判決
(異議乙第5号証の2)。これは、供給契約が「継続的」であるがゆえに寄せられ
る両当事者の期待を一方的な意思表示により否定することを制限する趣旨に基づく
契約理論である。本件においては、そもそも一方的解約・解除を許容する約定は存
在せず、また、上記のようなやむを得ない事由も認められない。登録異議申立人
は、本件継続的供給契約を解約・解除できるような立場になかったのでありその状
態に変更はない。本件②商標の商標権者(原告)は、登録異議申立人からの解約・
解除の意思表示の存在そのものを否定するものであるが、上記のような
やむを得ない事情が存在しない以上、仮にその趣旨の意思表示が存在したとして
も、かかる意思表示はその法的効果を発生させるものではなく、本件継続的供給契
約は有効に存在しているのである。このように、本件継続的供給契約が終了してい
ることを示す事実が認められない一方で、前記のとおり、登録異議申立人から本件
②商標の商標権者(原告)に対しては継続的に商品の供給がなされており、さら
に、異議乙第6号証に示すように、本件②商標の出願日以後も本件②商標の商標権
者(原告)は登録異議申立人から商品の取引に関するFAXを受領している、とい
うような継続的供給契約の存在を示す事実が認められるのである。したがって、本
件出願時及び査定時において、登録異議申立人と本件②商標の商標権者(原告)と
の間の継続的供給契約は終了しておらず、契約解除を行ったとする登録異議申立人
の主張は、誤りである。また、登録異議申立人は、登録異議申立人の許諾を得ずし
て行われた本件②商標の出願及び登録は、登録異議申立人が契約を解除したことに
対する報復措置であるから、本件②商標権者(原告)の行為は、引用「SACC
O」商標の顧客吸引力にただ乗りし、不正に利益を得る目的でなされたもの
であると主張している。しかしながら、前記のとおり、登録異議申立人と本件②商
標の商標権者(原告)との間の契約は解除されておらず、契約が解除されたとする
主張がそもそも誤っている。しかも、本件②商標の商標権者(原告)が本件②商標
を出願し、登録した理由は報復措置などではなく、登録異議申立人との継続的供給
契約の下で、本件②商標の商標権者(原告)が日本において「サッコ」商品を第三
者の商標権を侵害することなく適法に販売するための当然の措置である。
 なお、本件出願後には、本件②商標の商標権者(原告)は自己が日本において宣
伝や販売を行っているイタリア家具を第三者の商標権を侵害することなく適法に販
売等する目的のため、それらの家具のメーカーの名前である「Tisettant
a/ティッセタンタ」や「HALIFAX」という商標を出願しており(異議乙第
7号証)、上記のような目的をもって出願を行ったのは、本件②商標に限られたも
のではない。したがって、本件②商標の商標権者(原告)の出願が、契約を解除し
たことに対する報復措置であるから引用「SACCO」商標の顧客吸引力にただ乗
りし、不正に利益を得る目的でされたものであるとする登録異議申立人の主張は荒
唐無稽であり、そのような主張に基づき本件②商標が不正の目的をもって使用する
ものであると認定した取消理由通知は、誤りである。
 以上より、本件出願時及び査定時において、本件②商標は「不正の目的(不正の
利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって
使用するもの」ではないのは明らかである。そして、特筆すべきことは登録異議申
立人と本件②商標の商標権者(原告)との間の継続的供給契約が正式に解約又は解
除された時には、本件②商標の商標権者(原告)は、本件②商標の登録を登録異議
申立人に移転する意思を有していることである。このことから将来においても本件
②商標の商標権者(原告)が本件②商標の登録を盾に登録異議申立人に継続的供給
契約を強制的に継続することを要求するものではなく、本件②商標は「不正の目的
(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)
をもって使用するもの」には該当しない。
 (4) 決定の判断
 登録異議申立人提出の異議甲第3号証の1ないし7号証によれば、登録異議申立
人は、1954年にイタリアにおいて「革製椅子、革製クッション」等、主に革製
家具を製造・販売する会社として設立されたものであるが、近年、イタリア国内の
家具の展示会において金賞を受賞していることをうかがい知ることができる。ま
た、登録異議申立人の家具の年次別販売実績(異議甲第6号証)、商標権者(原
告)の提出しているインボイス(異議乙第5号証)等を見るに、登録異議申立人の
業務に係る商標「SACCO」は、本件②商標の出願・登録時に、上記会社の業務
に係る商品を表示するものとして、イタリアのみならず我が国の取引者、需要者間
にも広く認識されていたものであることが推認される。
 ところで、我が国には、輸入総代理店である商標権者(原告)を通じて登録異議
申立人の「SACCO」の商標が付された「クッション」が輸入されているが、商
標権者(原告)が「SACCO」なる商品を我が国で販売するに当たっては、雑誌
の宣伝広告に、該商品が「ザノッタ」(社)(イタリア)の商品である旨の記載を
しているところである(商標権者(原告)提出の異議乙第3号証の1ないし5号証
の雑誌の広告)。
 一方、イタリアの製造販売側の当事者である登録異議申立人が、本件②商標権者
(原告)との日本における輸入販売代理店契約を解除した旨を主張している以上、
本件②商標登録出願は、登録異議申立人の許諾を得ずして行われているものと判断
するのが相当である。そして、上記異議甲各号証、異議乙第5号証及び本件②商標
の登録出願が両者の代理店契約の解除された1999年5月17日直後の6月16
日であった等の事情を総合勘案すれば、かつて輸入販売代理店の地位にあった商標
権者(原告)が、イタリアにおいて登録異議申立人の業務に係る商品「クッショ
ン」を表示するものとして著名な登録異議申立人の商標「SACCO」と類似する
本件②商標を、本人(登録異議申立人)の承諾なしに取得することは、不正に利益
を得る目的をもって使用するものといい得るものである。
 したがって、本件②商標は、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録
されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取
り消すべきものとする。
第3 原告主張の決定取消事由(両事件共通)
 1 取消事由1(引用「ZANOTTA」商標及び「SACCO」商標の周知、
著名性の認定、判断の誤り)
 (1) 登録異議申立人が、本件①、②商標の出願時及び査定時において、引用「Z
ANOTTA」及び「SACCO」商標が登録異議申立人の業務に係る商品につい
てイタリアで周知であると認めるためには、登録異議申立人が提出した甲第5号証の
ように1969年~1999年までの年次販売実績の数字をただ単に羅列したのみでは不十
分であり、少なくとも各年度の販売実績の数字がその業界全体の何%を占めるもの
であるかが示されなければならない。
 1999年度のイタリアの寝室及び居室家具業界における現代家具の売上高全体では
8兆4千億リラであり、前記登録異議申立人の売上高はイタリア家具業界全体の売上
高のわずか0.2%にしかすぎない。しかも列挙された主要な企業32社のうちの第
20位という下位に位置する。一方、最もシェアの高いモルテーニ社とポリフォーム
社はそれぞれ942億リラと896億リラの売上高があり、登録異議申立人の売上高の約
6倍である。日本でもよく知られているカッシーナ社では495億リラの売上高であ
り、これは登録異議申立人の売上高の約3倍である。また、日本ではアルフレックス
ジャパンが販売代理店であるB&B社の売上高は574億リラで、これも登録異議申立人
の売上高の約3.7倍である。このように、イタリアにおける他の家具メーカーの売
上高と登録異議申立人の売上高を比較するといかに登録異議申立人の売上高が低い
かが分かる。
 (2) 決定においては、登録異議申立人の社史(甲第4号証の1)、登録異議申立人
の商品カタログ(甲第4号証の2)、登録異議申立人が頒布したチラシ(甲第6号証の
1)、登録異議申立人の商品が紹介された雑誌の一部抜粋(甲第6号証の2等)、登録
異議申立人の商品が掲載された新聞広告(甲第6号証の4等)、登録異議申立人の商
品が掲載された雑誌広告(甲第6号証の6等)、登録異議申立人の商品カタログ(甲
第7号証の1)等の登録異議申立人が提出した証拠に基づきイタリアにおける引用
「ZANOTTA」及び「SACCO」商標の周知・著名性が認定されたが、登録
異議申立人の社史、登録異議申立人の商品カタログ、登録異議申立人が頒布したチ
ラシ及び登録異議申立人の商品カタログからは登録異議申立人がこれらの商品を販
売している事実は看取されるものの、これらのチラシやカタログがいったいどのく
らいの取引者・需要者に頒布されたのか不明であり、引用「ZANOTTA」及び
「SACCO」商標の需要者への浸透度が分からない。例えば、これらのチラシや
カタログが、ほんの数百部数、頒布されたにすぎないのであれば、引用「ZANO
TTA」及び「SACCO」商標が周知であることを認定する証拠と
することはできないはずである。また、登録異議申立人の商品が紹介された雑誌の
一部抜粋、登録異議申立人の商品が掲載された新聞広告、登録異議申立人の商品が
掲載された雑誌広告もすべて合わせても10回分しか提出されておらず、これだけ
で、引用「ZANOTTA」及び「SACCO」商標がイタリアにおいて周知・著
名であるとは到底いえないはずである。したがって、登録異議申立人が提出した上
記証拠によりイタリアにおいて引用「ZANOTTA」及び「SACCO」商標が
登録異議申立人の業務に係る商品について周知・著名であると認定したのは、誤り
である。
 また、登録異議申立人及び原告が提出した証拠等により日本において引用「ZA
NOTTA」及び「SACCO」商標が登録異議申立人の業務に係る商品について
周知・著名であると認定することもできない。すなわち、甲第18号証の1~29に示す
ように、本件①、②商標の出願前に発行された雑誌に掲載されている数多くの「ザ
ノッタ」商品の写真提供者は原告であり、登録異議申立人ではない。原告は、現在
までの約20年にわたり登録異議申立人の輸入販売代理店として登録異議申立人から
商品の供給を継続的に受ける継続的供給契約に基づき、当時は日本において無名で
あった「ザノッタ」商品の宣伝広告及び販売を一手に引き受けた。そして、有名な
ビルへの「ザノッタ」商品の納品(甲第15号証の1)、各プロジェクトへの「ザノッ
タ」商品の納品(甲第15号証の2)、日本語版ザノッタ商品カタログ(甲第17号証の
1)及びプライスリストの制作(甲第17号証の2)、雑誌等への「ザノッタ」商品の
広告掲載(甲第18号証の1~29)等本件①、②商標の知名度アップのための様々な努
力を行い、広く知られるまでには至らないにしてもイタリア家具の取引者及び需要
者の間には、登録異議申立人の商品を取り扱う業者として原告の
名前は相当程度知られることとなっていた。すなわち、永年、我が国において本件
①、②商標を布製家具に対し使用をしてきたのは登録異議申立人ではなく原告であ
り、本件①、②商標の出願時及び査定時に我が国において「ザノッタ」商品を取り
扱う業者といえば他の業者はおらず、原告のみであった。そして、本件①、②商標
の出願前から、原告は甲第18号証の3に示すような「室内」等のインテリアの専門雑
誌のみならず、甲第18号証の7及び26に示すような「MODERNLIVING」、「BRUTUS」
等の一般的な雑誌にも「ザノッタ」商品の広告を掲載しており、「ザノッタ」商品
を輸入し、販売する原告として幅広い需要者に対して浸透度を図っているといえ
る。なお、本件①、②商標を使用した雑誌広告は甲第18号証1ないし29に示されたも
のに限らず、これら以外にも頻繁に掲載されている。
 さらに、甲第19号証の1ないし2は、原告が入手した株式会社矢野経済研究所が発
行する「家具産業白書2001~進む環境対応と変わる家具小売市場~」から抜粋した
日本の家具インテリア関連卸の売上高ランキング(上位100社)、税引後利益高ラン
キング(上位50社)、売上高税引後利益率ランキング(上位50社)、従業員1人当た
り利益高ランキング(上位50社)及び家具卸売業(年商20億円以上)のリストであ
るが、登録異議申立人の商品を取り扱っていた唯一の輸入販売代理店である原告が
ランキング入りをしていないことからも、登録異議申立人の商品は日本においてそ
れほど販売数は多くないということが看取される。
 2 取消事由2(商標法第4条第1項第19号における「不正の目的」の認定、判断
の誤り)
 (1) 決定は、イタリアの製造販売側の当事者である登録異議申立人が原告との日
本における輸入販売代理店契約を解除した旨を主張しているものであるから、本件
①、②商標登録出願は登録異議申立人の許諾を得ずして行われているものと判断す
るのが相当であるとし、本件①、②商標の登録出願が両者の契約が解除された
1999年5月17日直後の6月16日であると認定し、著名な引用「ZANOTTA」及び
「SACCO」商標と類似する本件①、②商標を登録異議申立人の承諾なしに取得
することは、不正に利益を得る目的をもって使用するものといい得るものであると
する。
 しかしながら、実際は、甲第20号証の1ないし3の登録異議申立人が発行したイン
ボイスが示すように、1999年5月17日以降である1999年6月7日(甲第20号証の
1)、1999年7月19日(甲第20号証の2)及び1999年9月27日(甲第20号証の3)におい
ても登録異議申立人と原告との間には商取引が存在し、原告は、本件出願日(1999
年6月16日)以降も登録異議申立人から継続的に商品の供給を受けていた。すなわ
ち、登録異議申立人が主張するような継続的供給契約の解除は存在せず、本件出願
日(1999年6月16日)においては、本件継続的供給契約は解除されていなかったので
ある。したがって、本件出願時において登録異議申立人と原告との間の継続的供給
契約は解除されていたとの登録異議申立人の主張は誤りである。登録異議申立人
は、自己のビジネスに都合の良いように原告との間において結ばれている商品の継
続的供給契約の解除が存在したかのごとく意図的に本件①、②商標の登録出願日で
ある1999年6月16日より前の19997年7月14日付のインボイス(甲第8号証の1)、1998
年11月23日(甲第8号証の2)及び1999年5月17日付のインボイス(甲第8号証の3)の
みを提出し、それ以降のインボイスの存在をことさら伏せてこの日以降は
登録異議申立人と原告との間には一切の商取引が存在しないかのごとく主張したも
のである。そこで、原告は登録異議申立人が主張するような継続的供給契約の解除
が存在しないことを異議申立手続において立証すべく、甲第20号証の1ないし3のイ
ンボイスの写しを異議意見書において提出したが、決定においては原告が提出した
甲第20号証の1ないし3のインボイスの写しについて考慮されず登録異議申立人の主
張のみを鵜呑みにして本件①、②商標の登録出願前に原告と登録異議申立人との間
では継続的供給契約は解除されていたと決めつけてしまったものである。しかも、
登録異議申立人からは本件継続的供給契約が解除されていたことを示す証拠は提出
されていない。
 (2) 本件査定時においても、本件継続的供給契約は終了していない。すなわち、
本件のような継続的供給契約関係の下では、仮に一方的解約を許容する約定がある
場合でも、信義則上著しい事情の変更や取引関係を継続し難いはなはだしい不信行
為の存在等やむを得ない事由がない限り、一方的解約・解除は許されない。これ
は、供給契約が「継続的」であるがゆえに寄せられる両当事者の期待を一方的な意
思表示により否定することを制限する趣旨に基づく契約理論である。本件において
は、そもそも一方的解約・解除を許容する約定は存在せず、また、上記のようなや
むを得ない事由も認められない。登録異議申立人は、本件継続的供給契約を解約・
解除できるような立場になかったのであり、現在もその状態に変更はない。原告
は、登録異議申立人からの解約・解除の意思表示の存在そのものを否定するもので
あるが、上記のようなやむを得ない事情が存在しない以上、仮にその趣旨の意思表
示が存在したとしても、かかる意思表示はその法的効果を発生させるものではな
く、本件継続的供給契約は有効に存在しているのである。本件においては、かかる
「やむを得ない事情」は存在しない。このように、本件継続的供給契約が終
了していることを示す事実が認められない一方で、前記のとおり、登録異議申立人
から原告に対しては継続的に商品の供給がなされており、さらに、甲第22号証に示
すように、本件①、②商標の出願日以後も原告は登録異議申立人から商品の取引に
関するFAXを受領しおり、甲第18号証の28及び29に示すように、本件①、②商標の出
願日以後も、原告は雑誌にザノッタ社商品の宣伝広告を行うべく写真提供を行って
いる、というような継続的供給契約の存在を示す事実が認められるのである。した
がって、本件出願時及び査定時において、登録異議申立人と原告との間の継続的供
給契約は終了しておらず、自己の一方的な都合のみにより契約の解除を行ったとす
る登録異議申立人の主張を鵜呑みにして契約の解除を認定したのは、誤りである。
 (3) 原告は、本件①、②商標の出願日時(平成11年(1999年)6月16日)及び登
録時(平成12年(2000年)2月4日)には、甲第23号証に示すように、本件①商標と
類似する下記の商標の登録を有していた。
   登録第2220630号
   商標:「AurelioZanotta/アウレリオザノッタ」
   区分:第20類
   指定商品:家具その他本類に属する商品
   出願日:昭和62年9月17日
   登録日:平成2年4月23日
 上記商標の「AurelioZanotta/アウレリオザノック」とは、甲第24号証に示すよ
うに、登録異議申立人の社長の名前である。この商標登録を有していたがゆえに、
原告は、本件①商標の出願前から第三者の商標権を侵害することなく、甲第18号証
の1から甲第18号証の29に示すように登録異議申立人の商品の宣伝広告を行い、登録
異議申立人より供給された商品を適法に販売等することが可能であった。しかしな
がら、実際に日本で使用している商標は「AurelioZanotta/アウレリオザノック」
ではなく、「ZANOTTA」や「ザノッタ」であったため、前記商標権の存続期間が満了
する2000年4月23日以前に本件①商標を改めて出願したものである。したがって、原
告は、本件①商標と類似する上記の商標の登録を、既に本件出願時において有して
いたものであり、本件出願によって初めて、「ZANOTTA」や「ザノッタ」商標につい
て権利を取得したものではない。
 (4) なお、商標法第4条第1項第19号は、「(前各号に掲げるものを除
く。)」と規定していて、仮に決定がしたように引用「ZANOTTA」商標及び
「SACCO」商標の周知・著名性を肯定するのならば、本件①、②商標は引用
「ZANOTTA」ないし「SACCO」商標に類似する商標であるから、同第1
0号の適用の可否をまず判断すべきである。決定は、この点について一切言及せず
同19号を適用しているが、これは誤りである。
第4 決定取消事由に対する被告の反論
 1 取消事由1(引用「ZANOTTA」商標及び「SACCO」商標の表示の
周知・著名性)に対して
 引用「ZANOTTA」及び「SACCO」商標が本件①、②商標の登録出願時
及び査定時において、登録異議申立人の業務に係る商品「家具」を表示するための
ものとして、イタリア国及び日本国内において周知・著名性を獲得していたもので
あることは、以下の事実より明らかである。
 (1) 登録異議申立人は、1954年にイタリア国ミラノに設立され、今日に至る
まで継続して家具の製造販売の事業を行ってきており、登録異議申立人の製品カタ
ログ等も少なくとも1992年から継続して発行されている。原告主張のように、
1999年度は、イタリア家具業界の主要企業32社のうち20位に位置するとし
ても、1987年ないし1991年にはその売上高が700万米ドルないしそれ以
上に達していた時期があった。甲第17号証の1(PrintedinItal
y・・1990)には、「世界的に有名なアッキーレ・カスティリオーニ、アレッサ
ンドロ・メンディーニ、・・・パオリーニ&テオドーロ(有名なサッコをデザイ
ン)・・・などがデザインした名作を生み出しています。・・・Zanottaの
製品はその優れたデザイン性により、ニューヨーク近代美術館、・・・ミュンヘン
工芸美術館などの永久保存品に選定されています。また、有名なイタリアのデザイ
ン賞であるコンパッソドーロ賞を、1968年にロバート・メギの“グーショ”、1
979年に・・・この他にもZanottaの製品は、世界的な賞を数々受賞して
います。」との記載があり、甲第17号証の1が原告作成の日本語版
であるならば、当然のこととして本国イタリア国のカタログが存在することが明ら
かであること、我が国においても、甲第17号証のカタログを始め、甲第18号証
における商品の宣伝広告に当たっては、「著名なデザイナーの家具を作り続けてい
るザノッタ社」(甲第18号証の1)、「ノバオーシマの中心的メーカーといえる
ザノッタ社」(甲第18号証の7)、「ザノッタ社製」、「イタリアのzanot
ta社製」(甲第18号証の11)、「イタリアのザノッタ社の新作家具が到着し
た。」(甲第18号証の12)等々、「イタリアのザノッタ社製(若しくはzan
otta社製)」等の表示を前面に出して紹介しているものが圧倒的に多いこと、
また、商品の取引に当たっても、その書類に「ザノッタ社」、「Zanotta社
(イタリア取寄)」、「zanotta社」(甲第16号証の1ないし4)等の記
載がある。
 (2) 昭和53年(1978年)には、デザインのおもしろさ等で椅子「SACC
O」がZANOTTA(ザノッタ)の取扱いに係る商品として紹介された(乙第3
号証及び乙第4号証)のを始め、甲第17号証のカタログや甲第18号証における
商品の宣伝広告に当たっても、「ポリスチロールの細粒子(ペレット)をスキンフ
レックスカバーに入れた椅子。座る力が加わると、・・・自在に形が決まる。」
(甲第18号証の4)、「・・・1968年に発表されると「ポップ時代最大の革
命的な傑作」と激賞された。アート界へもセンセーションを巻き起こした一脚で
す。」(甲第18号証の13)、「サッコ誕生30年記念の新作登場」(甲第18
号証の20)、「イタリア・ZANOTTA社の定番のイス・SACCOに新色が登
場」(甲第18号証の24)など紹介文とともに、ZANOTTA(ザノッタ)の
表示が使用されている。
 のみならず、上記甲第15号証の1ないし4、甲第16号証の1ないし3に示さ
れた登録異議申立人の家具が我が国において数多く取引された基礎となったともい
うべく、1976年(昭和51年)には既に、登録異議申立人の取扱いに係る商品
が我が国において紹介されている(乙第2号証ないし乙第4号証)。
 (3) ところで、商品「家具」は、そのデザイン、色調、価格等により、需要者の
商品の選択が大きく左右される性質のものであり、しかも、食料品や日用品などと
異なり、比較的高価な商品が多いといえるから、家具業者のカタログ、あるいは業
界雑誌、ファッション雑誌等の情報により、様々な取扱業者の商品を比較し、需要
者の好みや予算などにあった商品を選ぶ場合が一般的である。
 そして、需要者は、これらの情報により、デザインが優れた商品、高級感がある
商品、あるいは色彩やデザインが奇抜な商品など、実際に自己が購入を希望しない
ような商品でも、需要者の目を引く商品が存在し、その製品の製造会社や商標を記
憶する場合も少なくないことは、この種商品の取引の実際に照らし明らかである。
 また、家具の取引業者にあっては、国内製品にとどまらず、海外の製品について
注意を向けることは格別なこととは考えられず、むしろ伝統あるヨーロッパの家具
には高い関心が集まるであろうことは想像に難くないところである。
 (4) 上記家具の取引の実情を考慮すれば、実際の売上高が少ないことのみをもっ
て、引用「ZANOTTA」及び「SACCO」商標が、本件①、②商標の登録出
願時及び査定時において、登録異議申立人の取扱いに係る家具を表示するためのも
のとして、イタリア国及び日本国内において、周知・著名でなかったということは
できず、むしろ長年にわたる宣伝広告が行われていることや美術館の永久保存品に
選定されたこと、種々の賞を受賞したことが紹介されていること等を考えれば、
「ZANOTTA(若しくはzanotta)」の表示は、イタリア国及び日本国
内の家具の取引業者、需要者の間において、本件①、②商標の登録出願前より周
知・著名であったというべきである。
 (5) 原告は、「登録異議申立人製品を国内で宣伝広告したのは原告であり、イタ
リア家具の取引者、需要者の間には、登録異議申立人の商品を取り扱う業者として
原告の名前は相当程度知られることとなっていた。」旨主張する。
 しかしながら、登録異議申立人製品を我が国で紹介するに際しては、「ザノッタ
社製」、「イタリアのzanotta社製」などの記載があるところからすると、
原告の表示があったとしても、これらを見る取引者、需要者は、登録異議申立人が
製造した家具を原告が国内販売しているものと容易に理解するというべきである。
また、乙第5号証の1及び2によれば、一般の消費者が広く目にする新聞紙上にお
いて、「ザノッタ社」の表示のみで家具が紹介されている。
 2 取消事由2(不正の目的)に対して
 (1) 登録異議申立人は、原告をもって単に日本の顧客の一人にすぎないと考えて
いたため、登録異議申立人と原告との間で「代理店契約」という性格の文書を取り
交わしたことがなく、したがって、「契約解除」に関する文書も存在しないが、登
録異議申立人は、1999年1月6日にドイツのケルン市で開催された見本市にお
いて、原告に対し、商取引の中止を伝えたこと、登録異議申立人は、原告に対し、
1999年7月12日付の書面で今後の日本における新しい取引業者が独占的販売
権を要求した旨を通知したこと、右通知に対し、原告は、1999年7月13日付
の書面で「登録異議申立人の日本における新しい取引業者が、登録異議申立人の期
待どおりであればよい。」旨の回答及び今後における商品の注文についての質問を
登録異議申立人に送り、登録異議申立人は、「9月の初めに新しい取引業者と話し
合うが、(登録異議申立人との取引については)非常に難しい。」旨回答している
(乙第6号証の1ないし3)。
 原告と登録異議申立人との間に締結された輸入販売代理店契約は、文書が取り交
わされたものではないところからすると、これが原告のいう「継続的供給契約」で
あったとはにわかには首肯し難いところであり、また、原告は、右輸入販売代理店
契約が終了したことを了解していたことは明らかである。
 そして、1999年1月から同年7月にかけて、登録異議申立人と原告との間に
上記のような文書等のやりとりがあったということは、その時点において登録異議
申立人は、原告が本件①、②商標を登録出願したことについて知らなかったものと
推測されるのである。
 また、甲第20号証の1ないし3の取引が、代理店契約の終了前に登録異議申立
人が原告より注文を受けたものとの登録異議申立人の主張は、一方で、本件①、②
商標の出願及び登録の事実を知らずにした取引ということもできる。さらに、甲第
22号証は、取引書類ではなく、確認書にすぎない。
 (2) 以上のとおり、原告は、1999年1月から同年7月にかけての登録異議申
立人の口頭での申入れや文書のやりとりで、登録異議申立人との代理店契約が終了
することを理解していたことは明らかである。そして、本件において重要な点は、
登録異議申立人と原告との間の輸入販売代理店契約が終了しているにせよ、あるい
はいまだ継続しているにせよ、他人である登録異議申立人が使用権原を有する商標
を、輸入販売代理店である原告が、商標登録出願して登録することについて、登録
異議申立人に承諾を得ていないで、先回りして商標登録出願して登録した事実であ
り、この事実の存在により、登録異議申立人から本件①、②商標の登録異議の申立
てがなされたことである。原告のこのような行為が商取引上の信義則に反すること
はいうまでもなく、商標法第4条第1項第19号にいう「不正の目的」に該当する
ものであることは明らかである。
 (3) 原告は、「本件①、②商標は、商標法第4条第1項第10号の適否について
判断すべきところ、同第19号を適用したものであるから、決定は法適用の誤りが
ある。」旨主張する。
 しかしながら、引用「ZANOTTA」及び「SACCO」商標は、イタリア国
及び日本国内の家具の取引者、需要者に広く認識されている商標である。そして、
原告は、他人である登録異議申立人の周知、著名な引用「ZANOTTA」ないし
「SACCO」商標と極めて類似する本件①、②商標を、登録異議申立人の承諾を
得ず無断で登録したものであり、本件①、②商標の原告による登録は、取引上の信
義則に反する「不正の目的」があるというべきであるから、本件①、②商標は商標
法第4条第1項第19号に違反して登録された商標である。
第5 当裁判所の判断
 1 取消事由1(引用「ZANOTTA」商標及び「SACCO」商標の表示の
周知・著名性)について
 (1) 登録異議申立人は、1954年からイタリア国ミラノを拠点に営業を開始
し、今日に至るまで継続して家具の製造販売の事業を行い、ヨーロッパを中心に家
具のカタログを発行してきたが(甲第17号証の1、乙第1号証の1、2、第7号
証)、我が国においても、昭和53年(1978年)に大阪の国立国際美術館で開
催された「イスのかたち」展の際に発行されたカタログにも、異議申立人であるZ
ANOTTA(ザノッタ)社製造の椅子「SACCO」がデザインのおもしろさ、
独特のデザインのものとして紹介されていること(乙第3、第4号証)が認められ
る。また、平成5年(1993年)12月1日及び平成6年(1994年)3月30日の日
本経済新聞の夕刊(乙第5号証の1、2)には、「ザノッタ社」製の椅子が独特の
デザインを有するものとして紹介されていることが認められる。
 甲第17号証の1、2のカタログ(登録異議申立人製家具のカタログ)や甲第1
8号証の1~29(1995年から1999年にかけてザノッタ社の家具を紹介し
た「CASA」、「室内」、「家庭画報」などの各種雑誌記事)における商品の宣
伝広告に当たっても、「ポリスチロールの細粒子(ペレット)をスキンフレックス
カバーに入れた椅子。座る力が加わると、・・・自在に形が決まる。」(甲第18
号証の4)、「・・・1968年に発表されると「ポップ時代最大の革命的な傑
作」と激賞された。アート界へもセンセーションを巻き起こした一脚です。」「ザ
ノッタのメインはソファ、テーブル、イス。」(甲第18号証の13)、「サッコ
誕生30年記念の新作登場」(甲第18号証の20)、「イタリア・ZANOTT
A社の定番のイス・SACCOに新色が登場」「同じくZANOTTA社の円形のキ
ャスター付きワゴンは、小回りの利く小型、」(甲第18号証の24)など紹介文
とともに、「ZANOTTA」、「ザノッタ」あるいは「SACCO」、「サッ
コ」の表示が使用されていることが認められる。
 原告は、1999年度において、登録異議申立人はイタリア家具業界の主要企業
32社のうち売上高のわずか0.2%にすぎず20位に位置すると主張する。この事
実を的確に認めるべき証拠はないが、1987年ないし1991年には登録異議申
立人の売上高は700万米ドルないしそれ以上に達していた時期があり、その後も
1999年までの間、440万米ドルを下回ることはなかったこと(甲第5号
証)、また、甲第17号証の1は登録異議申立人が原告を通じて日本市場向けに作
成した会社案内を兼ねる商品カタログ(1990年にイタリアで印刷)であると認
められるが、そこには、「世界的に有名なアッキーレ・カスティリオーニ、アレッサ
ンドロ・メンディーニ、・・・パオリーニ&テオドーロ(有名なサッコをデザイ
ン)・・・などがデザインした名作を生み出しています。・・・Zanottaの
製品はその優れたデザイン性により、ニューヨーク近代美術館、・・・ミュンヘン
工芸美術館などの永久保存品に選定されています。また、有名なイタリアのデザイ
ン賞であるコンパッソドーロ賞を、1968年にロバート・メギの“グーショ”、1
979年に・・・この他にもZanottaの製品は、世界的な賞を数々受
賞しています。」との記載があり、原告も、登録異議申立人が世界的に注目されて
いる家具メーカーであることを自認していること、前記甲第18号証の1~29に
おいては、「著名なデザイナーの家具を作り続けているザノッタ社」、「ノバオー
シマの中心的メーカーといえるザノッタ社」、「ザノッタ社製」、「イタリアのz
anotta社製」、「イタリアのザノッタ社の新作家具が到着した。」などと記
載して、他の記事記載と合わせて「イタリアのザノッタ社製(若しくはzanot
ta社製)」の家具を特徴的なデザインのものとして紹介していることが認められ
る。
 (2) ところで、家具という商品は、比較的高価な商品であって、そのデザイン、
色調、価格等に大きな選択肢があり、とりわけ外国会社のデザインに係るものはこ
の傾向が顕著である。需要者は、家具業者や輸入業者のカタログ、あるいは業界雑
誌、ファッション雑誌等の幅広い情報源から、様々な取扱業者の商品を比較し、好
みや予算などに合致する商品を選ぶことが多いのは当裁判所に顕著な事実である。
需要者は、多くの情報から、デザイン、高級感などを総合して購入を決定し、その
中で、奇抜な色彩やデザインの商品にも目を配り、実際に購入を希望しないまでも
メーカーや製造国などを記憶にとどめる者も少なくないことは、家具の上記商品の
傾向からしておのずと明らかである。そして、上記選択肢の中には当然海外製品も
含まれ、卓抜なデザインのものがあると漠然とであっても知られているイタリア製
の家具にも関心が向けられるであろうことは推測に難くない。
 このような家具の取引の実情にかんがみれば、原告主張のように、登録異議申立
人の売上高がイタリア家具業界において主要な地位を占めるものでないとしても、
引用「ZANOTTA」及び「SACCO」商標が、本件①、②商標の登録出願時
及び査定時において、登録異議申立人が製造、販売する家具を表示するものとし
て、イタリア国及び日本国内において、周知・著名なものであったとすることの妨
げとなるものではない。前記認定のように、引用「ZANOTTA」及び「SAC
CO」商標が登録異議申立人の製造、販売商品を表すものとして宣伝広告が行われ
ていることや美術館の永久保存品に選定されたこと、種々の賞を受賞したことが紹
介されていることなどにもかんがみると、「ZANOTTA(若しくはzanot
ta)」及び「SACCO」の表示は、本件①、②商標の登録出願前から、イタリ
ア国において周知・著名であったものであり、日本国内の家具の取引業者、需要者
の間においても周知・著名であったというべきである。
 (3) 前記甲第18号証の1~29の雑誌記事などには、「ZANOTTA(若し
くはzanotta)」や「SACCO」商品は原告が取り扱っている旨の記載が
あるが、同時に、ほとんどの記事において「ザノッタ社製」、「イタリアのzan
otta社製」などの記載もあることが認められ、このことからすると、これらを
見る取引者、需要者は、登録異議申立人が製造した家具を原告が国内販売している
と理解するものと認めることができる。また、平成5年(1993年)12月1日及び
平成6年(1994年)3月30日の日本経済新聞の夕刊(乙第5号証の1、2)に
も、「ザノッタ社」製の椅子が独特のデザインを有するものとして紹介されている
ことは前認定のとおりであるが、それは、「ザノッタ社」の表示のみによる家具の
紹介記事である。
 したがって、遅くとも平成11年(1999年)より前には、「ZANOTTA(若
しくはzanotta)」及び「SACCO」の表示は、イタリア国の家具製造販
売会社である登録異議申立人の商品表示としてイタリア国ないし我が国の取引者、
需要者に知られていたというべきである。
 (4) 以上説示したところによれば、引用「ZANOTTA」及び「SACCO」
商標は、本件①、②商標の登録出願時及び査定時において、登録異議申立人の業務
に係る商品「家具」を表示するためのものとして、イタリア国及び日本国内におい
て周知・著名性を獲得していたものということができる。
 2 取消事由2(不正の目的)について
 (1) 原告は、登録異議申立人との間に継続的供給契約が存在しており、本件①、
②商標登録出願(1999年6月16日)当時、この継続的供給契約は解除されて
おらず、存続していたと主張する。なるほど、原告代表者の陳述書(甲第26号
証)には、原告代表者と登録異議申立人の副社長夫妻とが友人として付き合い始
め、1984年(昭和59年)から、原告が登録異議申立人の日本における独占的
な販売会社となったとの陳述記載部分があり、1985年から原告が登録異議申立
人の商品を取り扱ってきており、年間取扱額(購入額)は3000万円~5000
万円を推移してきた事実も甲第26号証から認めることができるが、取引期間の長
さないし取引額をもって、解除・解約が制限されるべき継続的供給契約が締結され
たものと認めることはできない。甲第35~第38号証は、原告が作成した登録異
議申立人の商品の価格リストであるが、これらも、その体裁から登録異議申立人の
商品を我が国で販売するために原告が作成したものと認められ、これをもってして
も、上記の意味における継続的供給契約が締結されたことを認めるに足りない。継
続的供給契約が締結されたことについての基本的な契約書は書証として提
出されていないことにもかんがみると、本件において、解除・解約が制限される程
度の継続的供給契約が原告と登録異議申立人との間に成立していたものと認めるこ
とはできない(甲第64号証は、登録異議申立人からAあての1984年3月1日
付レターヘッドであり、登録異議申立人は、Aを日本の総代理店として任命する旨
と、それに伴う諸条件が記載されている。しかし、これはAに対するものであり、
これをもって、直ちに原告と登録異議申立人との間に、解除・解約が制限されるべ
き継続的供給契約が成立したものと認めることはできない。)。
 (2) 登録異議申立人は、かねてより原告の販売実績の向上方を求めていたが改善
されなかったため、1999年1月6日にドイツのケルン市で開催された見本市に
おいて、原告に対し、商取引の中止を伝えたこと、登録異議申立人は、原告に対
し、1999年7月12日付の書面で今後の日本における新しい取引業者が独占的
販売権を要求した旨を通知したこと、右通知に対し、原告は、1999年7月13
日付の書面で「登録異議申立人の日本における新しい取引業者が、登録異議申立人
の期待どおりであればよい。」旨の回答及び今後における商品の注文についての質
問を登録異議申立人に送り、登録異議申立人は、「9月の初めに新しい取引業者と
話し合うが、(登録異議申立人との取引については)非常に難しい。」旨回答して
いることが認められる(乙第6号証の1ないし3)。
 上記説示のところに従えば、この登録異議申立人の原告に対する通知は、継続的
供給契約を解除するという意味を有するものではなく、原告との間で行われてきた
取引を将来的に取りやめるとの解約の意向を示したものということができるが、そ
もそも、登録異議申立人が日本などにおいて家具に使用してきた商標の文字を含む
本件①、②商標を、原告が日本において商標登録するについて、登録異議申立人か
ら承諾を得た事実は認められないのであり、上記のように、原告が、1999年1
月に登録異議申立人から取引を将来的に取りやめたいとの意向を受け、その約半年
後である平成11年(1999年)6月16日に本件①、②商標の登録出願を行ったと
いう経緯からすれば、原告は、登録出願時に既に、登録異議申立人から商品の供給
を受ける見込みがないものと理解し、これらの登録出願をするにつき登録異議申立
人の承諾を得られていないことを認識していたものと認めることができる。
 以上のような事実関係の下においては、本件①、②商標の登録出願行為は、商標
法第4条第1項第19号にいう「不正の目的」をもってするものというべきであ
る。これと同旨の審決の判断に誤りはない。
 (3) 原告は、本件については、本件①、②商標の商標法第4条第1項第10号の
該当性についてまず判断すべきところ、これについて決定は判断していない旨主張
する。しかし、引用「ZANOTTA」及び「SACCO」商標は、イタリア国に
おいて周知・著名性があることを基礎として、我が国においても周知・著名性を得
ていることは前記認定事実から明らかである。すなわち、同商標の日本における周
知・著名の程度が必ずしも高いものではないとしても、イタリア国において周知・
著名であり、家具という商品に関する前記(2)に示した性質にかんがみて、日本にお
いても周知・著名なものとなっているという関係にある。このような事実関係から
すると、本件①、②商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に該当するという
よりは、同19号に該当するものというべきであり、これを適用した審決の判断に
誤りはない。
 なお、原告は、昭和62年登録出願の登録第2220630号の「AurelioZanotta/ア
ウレリオザノッタ」商標を従前から有していたことをもって、本件①商標が商標法
第4条第1項第19号に該当しないことの裏付け事実として主張するが、前記(1)に
説示したところによれば、原告が上記の商標の登録を得ていたことをもってして
も、同条項第19号該当性に関する前記判断を覆すものではない。
第6 結論
 以上のとおりであって、原告主張の決定取消事由は、両事件ともについて理由が
ないので、原告の請求は棄却されるべきである。
(平成14年1月17日口頭弁論終結)
 東京高等裁判所第18民事部
         裁判長裁判官   永   井   紀   昭
            裁判官   塩   月   秀   平
            裁判官   古   城   春   実

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