弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人武田蔵之助、同横田長次郎各名義、同後藤三郎の上告理由第一点につ
いて。
 所論は、Fは、上告会社を代表する権限を裁判所に対し対抗できないから、本訴
は訴訟要件を欠くもので不適法である旨主張する。
 しかし、Fを上告会社の代表者である清算人に選任した本件乙総会の決議は、右
決議の取消しを求める被上告人の本訴を認容する判決が確定するまでは有効に存在
するのであり、右決議が有効に存在するかぎり、Fは、上告会社の清算人の地位、
資格を有するものと解すべきである。そして、商法四三〇条一項、一二三条は、株
式会社の清算人の氏名および住所を登記事項とし、同法一二条は、右登記事項は登
記の後でなければ善意の第三者に対抗できない旨規定しているが、これらは、会社
と実体法上の取引関係に立つ第三者を保護するため、株式会社の清算人が誰である
かについて、登記をもつて対抗要件としているものであり、それ自体実体法上の取
引行為でない民事訴訟において、誰が当事者である会社を代表する権限を有する者
であるかを定めるに当つては、右商法一二条の適用はないと解するのが相当である
(昭和四〇年(オ)第八六〇号、同四一年九月三〇日第二小法廷判決、民集二〇巻
七号一五二三頁参照)。したがつて、Fの清算人の選任登記が経由されていないこ
と、他に選任登記を経た清算人が存在することは、Fを上告会社の清算人であると
認めることを妨げるものではないというべきである。所論は、独自の見解に立つて、
原判決を非難するものであつて、採用できない。
 同第二点について。
 原審が適法に確定したところによれば、上告会社は、その設立以来株券を発行し
たことはないというのであるから、所論上告人の主張は、株券の発行を停止条件と
する株式の譲渡の効力いかんを論ずるまでもなく、理由がない。論旨は採ることが
できない。
 同第三点について。
 所論は、議決権行使の代理人を株主にかぎる旨の定款の規定は、商法二三九条三
項に違反して無効である旨主張する。
 しかし、同条項は、議決権を行使する代理人の資格を制限すべき合理的な理由が
ある場合に、定款の規定により、相当と認められる程度の制限を加えることまでも
禁止したものとは解されず、右代理人は株主にかぎる旨の所論上告会社の定款の規
定は、株主総会が、株主以外の第三者によつて攪乱されることを防止し、会社の利
益を保護する趣旨にでたものと認められ、合理的な理由による相当程度の制限とい
うことができるから、右商法二三九条三項に反することなく、有効であると解する
のが相当である。論旨は、右と異なる見解に立つて、原審の判断を攻撃するもので
あつて、採用できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外
            裁判官    色   川   幸 太 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛