弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人久保田昭夫の上告趣意第一点について。
 論旨は、本件起訴状に被告人に対する訴因として、偽造公文書行使の事実が記載
せられて居つたにも拘らず、第一審公判手続進行中、検察官が、その訴因を公文書
偽造の事実に変更する旨申請し、第一審がこれを容れて公文書偽造の事実につき有
罪の判決を言渡し、原審も亦この判決を維持したのは、判例に違反するものである
と主張する。
 しかし、論旨引用の判例は、全く異る事案につき示されたものであつて、本件に
適切でない。したがつて、原審に判例違反があるとするのは当らない。(それのみ
ならず、本件は、被告人が偽造公文書を行使したとの訴因を、被告人が他人と共謀
の上右と同一の公文書を偽造したとの訴因に変更した場合であり、被告人自ら同一
の公文書に対する公信力を害したとの点において、両者その基本的事実を同一にし、
しかも刑法一五八条も、偽造公文書行使の罪を犯した者は、公文書偽造の罪を犯し
た者と同一の刑に処する旨規定して居るのであつて、起訴状において訴因とされた
偽造公文書行使の事実と変更の許可を得て新しい訴因となつた同一公文書偽造の事
実とは、刑事訴訟法上、同一事実関係と解すべきである。されば、第一審が所論の
如く訴因変更を許可し、原審がこれを適法と判断したことに所論の違法がない。)
 同第二点について。
 論旨は単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条に当らない。
 (論旨は、検察官が、被告人に対する、偽造公文書行使の訴因を本件起訴状より
削除して、相被告人に対する、公文書偽造の訴因を被告人自身に対する訴因に変更
したのは、その間に主観的同一性がないと主張する。しかし、論旨は、所論起訴状
及び所論訴因並罰条変更申請書を正解せぬ所より出て居る。これ等の書面によれば、
検察官が相被告人に対する訴因を被告人に対する訴因に変更することを請求したも
のとは認められないのであつて、むしろ、被告人に対する偽造公文書行使の訴因を
被告人が相被告人と共謀の上同一公文書を偽造したとの訴因に変更する旨申請した
ものであることを認め得るのであつて、前後主観的同一性を失つて居るとは解せら
れない。第一審がかゝる申請を許可し、原審はこれを適法として維持したに外なら
ない。訴因の変更に主観的同一性を欠くとの見解を前提とする論旨は採用し得ない。)
 同第三点について。
 論旨は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 (所論訴因変更の違法でないことは、既に説明した所により諒解すべきである。
而して、第一審が変更後の新しい訴因につき判決し、原審がこれを維持して居るこ
とは、記録上疑を容れない。第一審及び原審に、所論の違法がない。)
 また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で
主文のとおり決定する。
  昭和三五年七月一九日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔

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