弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1別紙3取消処分目録記載の各処分部分をいずれも取り消す。
2原告P1,原告P2,原告P3,原告P4,原告P5,原告P6及
び原告P7のその余の請求をいずれも棄却する。
3訴訟費用は,①原告P6と被告との間においては,原告P6に生
じた費用の5分の1を被告の,その余は各自の負担とし,②その余
の原告らと被告との間においては,全部被告の負担とする。
事実及び理由
本判決中の表記等については,別紙4(凡例)によるものとする。
第1請求
別紙5請求目録記載のとおり
第2事案の概要
①原告らは,それぞれ外国信託銀行である本件各受託銀行との間で本件各
受託銀行を受託者とする本件各信託契約を締結したところ,②本件各受託銀
行は,自らがリミテッド・パートナー(LP)となり,本件各ジェネラル・パ
ートナー(GP)等との間で,州LPS法(米国デラウェア州改正統一リミテ
ッド・パートナーシップ法)に準拠して本件各リミテッド・パートナーシップ
(LPS)を組成する旨の本件各LPS契約を締結するとともに,本件各LP
Sに対し,本件各信託契約に基づいて拠出された原告らの現金資産を出資し,
③本件各LPSにおいて,米国所在の中古集合住宅である本件各建物の購
入・賃貸等の管理運営を内容とする海外不動産投資事業を行った。
本件は,原告らが,本件各建物の貸付けに係る所得が所得税法26条1項所
定の不動産所得に当たり,その賃貸料等を収入金額とし,減価償却費等を必要
経費として,不動産所得の金額を計算すると損失の金額が生ずると主張して,<
ア>その減価償却費等による損益通算をして所得税の確定申告書若しくは修
正申告書を提出し,又は<イ>当該損益通算をせずに確定申告書若しくは修正
申告書を提出した後,上記損益通算をすべきであったとして更正の請求をした
ところ,処分行政庁から,本件各建物の貸付けに係る所得が不動産所得に該当
しないとして,<ア>所得税の各更正処分(本件各更正処分)及び各過少申告
加算税賦課決定処分(本件各賦課決定処分)又は<イ>各更正の請求に対する
更正をすべき理由がない旨の各通知処分(本件各通知処分)等を受けたことか
ら,これらの処分がいずれも違法であるとして,それらの取消しを求めている
事案である。
1関係法令の定め
別紙6(関係法令の定め)のとおり
2前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨
により容易に認められる事実)
(1)パートナーシップに係る統一法及びデラウェア州の制定法
ア米国の統一州法委員会全国会議(NCCUSL)は,米国各州から選任
された法律家により構成される専門家団体であり,米国に多数ある州の州
法につき必要に応じて統一を図ることを目的として,統一法(ユニフォー
ム・アクト)の提案を行っている。
これに対し,米国各州は,統一州法委員会全国会議が提案した各統一法
につき,採択の適否を検討し,その一部につき必要に応じて修正を加える
などして,制定法を制定している。
イGPS(ジェネラル・パートナーシップ)について
(ア)統一州法委員会全国会議は,①1914年,GPS(ジェネラル・
パートナーシップ)に関して,1914年統一GPS法(UniformPart
nershipAct)を提案し,その後,②1994年,これを改訂した19
94年改訂統一GPS法(TheRevisedUniformPartnershipAct)を提
案した。
(イ)これに対し,デラウェア州は,①1947年,1914年統一GP
S法を基礎として一定の修正を施し,1999年改正前の州GPS法(D
elawareUniformPartnershipLaw)を制定し,その後,②1999年,
これを改正するため,1994年改訂統一GPS法を基礎として一定の
修正を施し,州GPS法(DelawareRevisedUniformPartnershipAct)
を制定した(1999年7月12日施行)。
ウLPS(リミテッド・パートナーシップ)について
(ア)統一州法委員会全国会議は,①1916年,LPS(リミテッド・
パートナーシップ)に関して,1916年統一LPS法(UniformLimi
tedPartnershipAct)を提案し,その後,②1976年,これを改訂
した1976年改訂統一LPS法(TheRevisedUniformLimitedPart
nershipAct)を提案し,1985年,1976年改訂統一LPS法の改
訂を行い(この改訂後の統一法が1985年改訂統一LPS法である。),
さらに,2001年,その改訂を行った(この改訂後の統一法が200
1年改訂統一LPS法である。)。
(イ)デラウェア州は,1983年,1976年改訂統一LPS法を基礎と
して一定の修正を施し,州LPS法(DelawareRevisedUniformLimit
edPartnershipAct)を制定し,その後,これについて複数回の改正を
行った。
(2)原告らが行った取引の概要等
なお,原告らが行った取引の関係者は,別紙4(凡例)の第1の3に掲げ
たとおりである。
アP8証券による海外不動産投資事業の企画
P8証券は,要旨下記内容の海外不動産投資事業を企画し,平成12年
11月以後,原告らに対し,その内容を説明した「"DOIT"DualOwnersh
ipInvestmentTactics海外不動産投資事業プログラムのご案内(基本コ
ンセプト)」(乙14),「"DOIT"DualOwnershipInvestmentTactic
s海外不動産投資事業プログラムのご案内(ハイライト)」(乙15)及
び「CityHeightsApartments‐予想投資損益の概略‐」(乙16)を配布
するなどして,当該海外不動産投資事業への参加を勧誘した。

この事業に参加する投資家は,外国信託銀行との間で当該銀行を受託者
とする信託契約を締結し,当該銀行において,第三者と共に,州LPS法
に準拠し,第三者をジェネラル・パートナー,当該銀行をリミテッド・パ
ートナーとするリミテッド・パートナーシップ(LPS)を組成し,当該
LPSにおいて,米国所在の中古集合住宅である本件建物(C)(通称P
9。)又は本件建物(P)(通称P10。)を購入して第三者に賃貸する
などの管理運営を行い,その収益の分配を当該銀行を通じて受ける。
イ本件建物(C)に係る各契約の締結等
なお,本件建物(C)に係る各契約の当事者,内容等を図式化すると,
別紙7-1のとおりである。
(ア)原告P11らは,P8証券との間で,P8証券を海外不動産投資に関
するファイナンシャル・アドバイザーとするファイナンシャル・アドバ
イザリー契約(別紙7-1の契約①。乙1)を締結するとともに,P8
証券に対し,本件建物(C)を対象とし,投資金額を1口20万ドルと
する上記アの海外不動産投資事業への参加を申し込んだ。
(イ)原告P11らは,上記海外不動産投資事業に投資するため,P12銀
行との間で,要旨下記内容の本件基本信託契約(Cー1)(別紙7-1
の契約②。乙3)を締結し,これに基づいてP12銀行に開設された口
座に現金資産を拠出した。

①原告P11らを委託者兼受益者とし,P12銀行を受託者とする。
②P12銀行は,受託者として,デラウェア州法に基づいて組成され
たリミテッド・ライアビリティ・カンパニー(LLC)との間で,当
該LLCをジェネラル・パートナーとし,P12銀行をリミテッド・
パートナーとするリミテッド・パートナーシップ契約(LPS契約)
を締結して,リミテッド・パートナーシップ(LPS)を組成した上,
当該LPSにおいて,本件建物(C)の取得,管理,売却等を行う。
③投資家(委託者兼受益者)である原告P11らは,本件建物(C)
の取得,管理等のため,P12銀行が開設した口座に現金資産を拠出
する。
④P12銀行は,受託者として,当該LPSからパートナーシップ持
分の発行を受けるのと引換えに当該現金資産を当該LPSに拠出する
とともに,パートナーシップ持分及びこれから発生する全ての所得に
つき,投資家である原告P11らのために受託者としての資格におい
て信託財産として保有する。
(ウ)P12銀行は,本件基本信託契約(Cー1)に従い,デラウェア州法
に基づいて組成されたLLCである本件GP(C)(P13)及びP1
4との間で,2000年(平成12年)12月19日,要旨下記内容の
本件LPS契約(C)(別紙7-1の契約③。乙4)を締結し,本件L
PS(C)(P15)に対し,上記(イ)の現金資産の一部を出資した。

①州LPS法に基づき,リミテッド・パートナーシップとして,本件
LPS(C)を組成する(form)。
②本件GP(C)をジェネラル・パートナーとし,P12銀行及びP
14をリミテッド・パートナーとする。
③本件建物(C)の購入,取得,開発,保有,賃貸,管理,売却その
他の処分(本件建物(C)の敷地である本件土地(C)の賃貸借等を
含む。)のみを目的とする。
(エ)本件建物(C)の購入等
a本件LPS(C)は,P16との間で,2000年(平成12年)
12月22日,本件建物(C)を3863万8400ドルで購入する
旨の本件売買契約(C)(別紙7-1の契約④。乙5)及び本件土地
(C)を賃料年額109万1580ドル(初年度)で賃借する旨の本
件土地賃貸借契約(C)(別紙7-1の契約⑤。乙6)を締結した。
なお,本件建物(C)については,譲渡証書に基づき,その所在地
を管轄する米国カリフォルニア州ロサンゼルス郡の登録所にその譲渡
が登録されており,米国の不動産登録情報確認システムにおいても,
同月15日にP16から本件LPS(C)に売却され,同月26日に,
譲渡証書により登録所に登録され,所有者は本件LPS(C)とされ
ていることが確認できる。
(乙54,55)
b本件LPS(C)は,P17との間で,2000年(平成12年)
12月22日,本件不動産(C)の賃貸業務に係る管理,運営等をP
17に委託する旨の本件管理契約(C)(別紙7-1の契約⑥。乙8)
を締結し,本件建物(C)につき,修理等を行った上,第三者に対し
て賃貸した(本件不動産賃貸事業(C))。
なお,本件LPS(C)は,本件不動産賃貸事業(C)に関して,
前記(ウ)の出資金のほか,P18からの借入金(241万4900ドル。
乙21)及びP19からの借入金(3285万ドル。乙22)を事業
資金に充てた。
(オ)原告P20らは,P8証券との間で,P8証券を海外不動産投資に関
するファイナンシャル・アドバイザーとするファイナンシャル・アドバ
イザリー契約(別紙7-1の契約①。乙1)を締結するとともに,P8
証券に対し,上記アの海外不動産投資事業への参加を申し込んだ。
(カ)原告P20らは,上記アの海外不動産投資事業に投資するため,P1
2銀行との間で,要旨下記内容(その余の点は,前記(イ)と同じ。)の本
件基本信託契約(Cー2)(別紙7-1の契約②。乙3)を締結し,こ
れに基づいてP12銀行に開設された口座に現金資産を拠出した。

①原告P20らを委託者兼受益者とし,P12銀行を受託者とする。
②P12銀行は,受託者として,P14との間で,P14の保有する
本件LPS(C)に係るパートナーシップ持分の一部を購入した上,
本件建物(C)の管理,売却等を行う本件LPS(C)のリミテッド・
パートナーとなる。
③投資家(受託者兼受益者)である原告P20らは,P14の保有す
る上記パートナーシップ持分の一部の購入等に充てるため,P12銀
行が開設した口座に現金資産を拠出する。
④P12銀行は,P14から購入した上記パートナーシップ持分及び
これから発生する全ての所得につき,これらを投資家のために受託者
としての資格において信託財産として保有する。
(キ)P12銀行は,原告P20らの受託者として,P14との間で,その
保有する本件LPS(C)に係るパートナーシップ持分の一部を譲り受
ける旨の売買契約を締結し,P14に対し,上記(カ)の現金資産の一部を
上記売買代金として支払い,本件GP(C)の同意を得て,本件LPS
(C)につき,P14に代わり,上記パートナーシップ持分に相当する
出資割合を有するリミテッド・パートナーとなった。
(ク)ファイナンシャル・アドバイザリー業務の譲渡等
aP8証券は,平成15年5月頃,経営合理化の一環として,スペシ
ャル・プロダクト部(旧金融商品開発部)における営業を終了するこ
とを決め,同年9月頃,P21(株式会社P21)に対し,前記(ア)
及び(オ)のファイナンシャル・アドバイザリー契約に係る役務提供を含
む資産コンサルティング部門の営業を譲渡した。
(乙10,18~20,23,24)
b原告P11ら及び原告P20らは,P12銀行に対し,平成15年
9月頃,本件基本信託契約(C-1)及び本件基本信託契約(C-2)
に基づき,受託者を解任する旨の通知(乙9)をした。
c原告P11ら及び原告P20らは,P21との間で,平成15年1
0月頃,P21を海外不動産投資事業に関するファイナンシャル・ア
ドバイザーとするファイナンシャル・アドバイザリー契約(別紙7-
1の契約⑦。乙11)を締結するとともに,P22銀行との間で,要
旨下記内容の本件新信託契約(C)(別紙7-1の契約⑧。乙12)
を締結した。

①原告P11ら及び原告P20ら各人を委託者兼受益者とし,P2
2銀行を受託者とする。
②委託者は,P22銀行に対し,P12銀行が保有していた本件L
PS(C)に係るパートナーシップ持分を移転し,P22銀行は,
当該パートナーシップ持分につき,委託者のために受託者としての
資格において信託財産として保有する。
(乙11,12,20)
dP22銀行は,P12銀行との間で,2003年(平成15年)1
1月28日,P12銀行が原告P11ら及び原告P20らのために受
託者として保有していた本件LPS(C)に係るパートナーシップ持
分をP22銀行に対して譲渡する旨の契約(別紙7-1の契約⑨。乙
13)を締結し,P22銀行は,本件GP(C)の同意を得て,P1
2銀行に代わり,上記パートナーシップ持分に相当する出資割合を有
するリミテッド・パートナーとなった。
ウ本件建物(P)に係る各契約の締結等
なお,本件建物(P)に係る各契約の当事者,内容等を図式化すると,
別紙7-2のとおりである。
(ア)原告P23らは,P8証券との間で,P8証券を海外不動産投資に関
するファイナンシャル・アドバイザーとするファイナンシャル・アドバ
イザリー契約(別紙7-2の契約①。乙33)を締結するとともに,P
8証券に対し,本件建物(P)を対象とし,投資金額を1口20万ドル
とする前記アの海外不動産投資事業への参加を申し込んだ。
(イ)原告P23らは,前記アの海外不動産投資事業に投資するため,P1
2銀行との間で,要旨下記内容の本件基本信託契約(P)(別紙7-2
の契約②。乙35)を締結し,これに基づいてP12銀行に開設された
口座に現金資産を拠出した。

①原告P23らを委託者兼受益者とし,P12銀行を受託者とする。
②P12銀行は,受託者として,デラウェア州法に基づいて組成され
たLLCとの間で,当該LLCをジェネラル・パートナーとし,P1
2銀行をリミテッド・パートナーとするLPS契約を締結して,LP
Sを組成した上,当該LPSにおいて,本件建物(P)の取得,管理,
売却等を行う。
③投資家(委託者兼受益者)である原告P23らは,本件建物(P)
の取得,管理等のため,P12銀行が開設した口座に現金資産を拠出
する。
④P12銀行は,受託者として,当該LPSからパートナーシップ持
分の発行を受けるのと引換えに当該現金資産を当該LPSに拠出する
とともに,パートナーシップ持分及びこれから発生する全ての所得に
つき,投資家である原告P23らのために受託者としての資格におい
て信託財産として保有する。
(ウ)P12銀行は,本件基本信託契約(P)に従い,デラウェア州法に基
づいて組成されたLLCである本件GP(P)(P24)との間で,2
002年(平成14年)3月28日,要旨下記内容の本件LPS契約(P)
(別紙7-2の契約③。乙36)を締結し,本件LPS(P)(P25)
に対し,上記(イ)の現金資産の一部を出資した。

①州LPS法に基づき,リミテッド・パートナーシップとして,本件
LPS(P)を組成する(form)。
②本件GP(P)をジェネラル・パートナーとし,P12銀行をリミ
テッド・パートナーとする。
③本件建物(P)の購入,取得,開発,保有,賃貸,管理,売却その
他の処分(本件建物(P)の敷地である本件土地(P)の賃貸借等を
含む。)のみを目的とする。
(エ)本件建物(P)の購入等
a本件LPS(P)は,P26との間で,2002年(平成14年)
3月28日,本件建物(P)を636万6500ドルで購入する旨の
本件売買契約(P)(別紙7-2の契約④。乙37)及び本件土地(P)
を賃料年額17万9048ドル(初年度)で賃借する旨の本件土地賃
貸借契約(P)(別紙7-2の契約⑤。乙38)を締結した。
なお,本件建物(P)については,特定的担保責任譲渡証書(SPEC
IALWARRANTYDEED)に基づき,その所在地を管轄する米国フロリダ州
デュバル郡の登録所にその譲渡が登録されており,米国の不動産登録
情報確認システムにおいても,同日にP26から本件LPS(P)に
売却され,同年4月5日に,譲渡証書により登録所に登録され,所有
者は本件LPS(P)とされていることが確認できる。
(乙56,57)
b本件LPS(P)は,P27との間で,2002年(平成14年)
3月28日,本件不動産(P)の賃貸業務に係る管理,運営等をP2
7に委託する旨の本件管理契約(P)(別紙7-2の契約⑥。乙40)
を締結し,本件建物(P)につき,修理等を行った上,第三者に対し
て賃貸した(本件不動産賃貸事業(P))。
なお,本件LPS(P)は,本件不動産賃貸事業(P)に関して,
上記(ウ)の出資金のほか,P28からの借入金(537万ドル)を事業
資金に充てた。
(オ)ファイナンシャル・アドバイザリー業務の譲渡等
aP8証券は,前記イ(ク)aのとおり,平成15年9月頃,P21に対
し,前記(ア)のファイナンシャル・アドバイザリー契約に係る役務提供
を含む資産コンサルティング部門の営業を譲渡した。
b原告P23らは,P12銀行に対し,平成15年9月頃,本件基本
信託契約(P)に基づき,受託者を解任する旨の通知(乙41)をし
た。
c原告P23らは,P21との間で,平成15年10月頃,P21を
米国不動産投資事業に関するファイナンシャル・アドバイザーとする
ファイナンシャル・アドバイザリー契約(別紙7-2の契約⑦。乙4
3)を締結するとともに,P22銀行との間で,要旨下記内容の本件
新信託契約(P)(別紙7-2の契約⑧。乙44)を締結した。

①原告P23らを委託者兼受益者とし,P22銀行を受託者とする。
②委託者は,P22銀行に対し,P12銀行が保有していた本件L
PS(P)に係るパートナーシップ持分を移転し,P22銀行は,
当該パートナーシップ持分につき,委託者のために受託者としての
資格において信託財産として保有する。
dP22銀行は,P12銀行との間で,2003年(平成15年)1
1月28日,P12銀行が原告P23らのために受託者として保有し
ていた本件LPS(P)に係るパートナーシップ持分をP22銀行に
対して譲渡する旨の契約(別紙7-2の契約⑨。乙45)を締結し,
P22銀行は,本件GP(P)の同意を得て,P12銀行に代わり,
上記パートナーシップ持分に相当する出資割合を有するリミテッド・
パートナーとなった。
(3)本件各処分の経緯
別紙8(本件各処分の経緯)のとおりである。
なお,第2事件に係る各処分後の原告P20の住所の異動に伴い,世田
谷税務署長が処分行政庁として目黒税務署長の権限を承継し,第5事件,
第15事件及び第23事件に係る各処分後の原告P1の住所の異動に伴い,
京橋税務署長が処分行政庁として麻布税務署長の権限を承継し,第6事件
に係る各処分後の原告P29の住所の異動に伴い,目黒税務署長が処分行
政庁として北沢税務署長の権限を承継している(行政事件訴訟法11条1
項柱書き括弧内参照)。
(4)本件各LPSの米国租税法上の取扱い
アチェック・ザ・ボックス規則(Check-the-boxregulation)
米国では,1997年に財務省規則(米国のTreasuryregulations.)
において,チェック・ザ・ボックス規則と称される規定が定められ,あ
る一定の事業体は,連邦課税上,コーポレーション(corporation)とし
て事業体課税を受けるか,又はパートナーシップ(partnership)として
構成員課税を受けるかを選択できるものとされている。
すなわち,財務省規則は,信託(トラスト)に区分されるもの又は内
国歳入法(InternalRevenueCode)において別段特別の取扱いがされる
もの以外の事業体を「ビジネス・エンティティ(businessentity)」と
した上(財務省規則301.7701-2(a)),このうち,①適格事業体(eli
gibleentity。具体的には,連邦又は州等の制定法によりインコーポレ
イティド(incorporated),コーポレーション(corporation),ボディ・
コーポレイト(bodycorporate)又は政治団体(bodypolitic)と規定
されている事業体や保険会社など一定のコーポレーション(財務省規則
301.7701-2(b)(1)及び(3)~(8)において「corporation」として規定され
ている事業体)に区分されるもの以外のビジネス・エンティティをいう。)
であり,かつ,②2人以上の構成員を有するものは,連邦課税上,コ
ーポレーションとしての課税又はパートナーシップとしての課税のいず
れかを選択することができるとしている(財務省規則301.7701-3(a))。
なお,2人以上の構成員を有する米国の適格事業体において上記の選
択がない場合には,デフォルト・ルール(権利不行使による原則形態へ
のみなし原則)として,パートナーシップとしての課税を選択したもの
とみなされる(財務省規則301.7701-3(b)(1)(i))。
適格事業体がパートナーシップとしての課税を選択した場合又は上記
デフォルト・ルールによりパートナーシップとしての課税を選択したも
のとみなされる場合には,当該事業体は納税義務者とならず(内国歳入
法701条),当該事業体の構成員が納税義務者となる。
(甲31,92~94)
イ本件各LPSは,州LPS法に基づくLPSであり,信託(トラスト)
に区分されるもの又は米国法の定めに従って特別の取扱いがされるもの
以外のビジネス・エンティティである。また,本件各LPSは,①財務
省規則301.7701-2(b)(1)及び(3)~(8)において「corporation」として
規定されている事業体にも該当せず,②2人以上の構成員を有するため,
連邦課税上,コーポレーションとしての課税又はパートナーシップとし
ての課税のいずれかを選択することができる適格事業体である。そして,
本件各LPSにおいては特に明示的な選択が行われていないことから,
デフォルト・ルールにより,本件各LPSは,連邦課税上,パートナー
シップとしての課税を選択したものとみなされている。
本件各LPSにおいては,フォーム1065(連邦パートナーシップ
情報申告書。甲95,115)及びその別表であるスケジュールK1(本
件各LPSのパートナーである本件各受託銀行を通じて不動産賃貸事業
を営む各原告ごとのパートナー持分に関するもの。甲78,116)が
作成されている。
以上のとおり,本件各LPSは,連邦課税上,パートナーシップとし
ての課税を選択したものとみなされていることから,米国租税法上の納
税義務者となっておらず,原告ら各構成員が納税義務者となった。
(甲78,81,95,115,116)
3税額等に関する当事者の主張
被告が本件訴訟において主張する原告らの総所得金額,納付すべき税額及び
過少申告加算税の額等は,別紙9(本件各処分の根拠及び計算)記載のとおり
であり,本件の争点(後記4(2))に関する部分を除き,計算の基礎となる金額
及び計算方法に争いはない。
なお,被告は,本件の争点(後記4(2))に関して被告の主張が認められず,
本件各LPSに係る本件各不動産賃貸事業から生じた損益(本件各建物の貸付
けに係る損益)を各原告の各年分の所得税に関して損益通算することとなった
場合,本件各建物に係る収入金額及び必要経費として計上することのできる数
額が原告らの主張額(確定申告,修正申告又は更正の請求の額。別表9-1~
52の各①欄参照)であることを争っていない。
4争点
本件の争点は,以下のとおりである。
(1)本案前の争点(第22事件)
第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年分賦課決
定処分の取消しを求める訴えの適法性(これらの訴えが通則法115条1項
(不服申立前置)に違反するか)
(2)本案の争点(全事件)
本件各処分の適法性に関して,被告は,本件各LPSから本件各受託銀行
を介して原告らに割り当てられた本件各不動産賃貸事業から生じた損益(本
件各建物の貸付けに係る損益)について,<ア>外国の事業体である本件各
LPSが我が国の租税法上の「法人」又は「人格のない社団」に該当するな
らば,当該損益は本件各LPSに帰属するものであって原告らに直接帰属す
るものではなく,<イ>仮に,本件各LPSが我が国の租税法上の「法人」
又は「人格のない社団」に該当しないとしても,当該損益は原告らの不動産
所得(所得税法26条1項)には該当しないことを理由として,本件各不動
産賃貸事業から生じた損失が本件各LPSから本件各受託銀行を通じて原告
らに割り当てられたとしても,当該損失は,原告らの「不動産所得の金額」
の「計算上生じた損失の金額」(所得税法69条1項)に当たらず,これを
もって損益通算をすることはできないというべきであり,結局,本件各LP
Sのパートナーシップ持分の評価額を観念的に減少させる計算上の数値にす
ぎず,各種所得の金額を軽減させる要素である必要経費や損失等にも該当し
ないから,課税上考慮する必要のないものであるから本件各更正処分及び本
件各通知処分は適法であるし,○ウ原告らに通則法65条4項の「正当な理
由」があるとも認められないから本件各賦課決定処分も適法である旨主張す
る。
これに対し,原告らは,<ア>本件各LPSが我が国の租税法上の「法人」
及び「人格のない社団」には該当しないから,当該損益は,原告らに直接帰
属しており,しかも,<イ>本件各不動産賃貸事業から生じた損失のうち本
件各LPSから本件各受託銀行を介して原告らに割り当てられた部分は,原
告らの不動産所得に該当するから,これをもって損益通算をすることができ
るから本件各更正処分及び本件各通知処分は違法であり,<ウ>仮に以上の
点が認められなかったとしても,原告らには通則法65条4項の「正当な理
由」があるから本件各賦課決定処分は違法である旨主張する。
そこで,具体的には,次のア~エの4点が原告らに共通する争点となる。
ア本件各LPSの租税法上の法人該当性
イ本件各LPSの租税法上の人格のない社団該当性
ウ本件各不動産賃貸事業から生じた損益の不動産所得該当性
エ通則法65条4項の「正当な理由」の有無
5争点に関する当事者の主張の要旨
争点に関する当事者の主張の要旨は,別紙10(争点に関する当事者の主張
の要旨)のとおりであるが,その骨子は,次のとおりである。
(1)争点(1)(第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年
分賦課決定処分の取消しを求める訴えの適法性)について
(被告の主張の骨子)
第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年分賦課決
定処分(以下,(1)において「増額更正処分等」という。)の取消しを求める
訴えは,増額更正処分等について不服申立手続を経ていないところ,①上
記訴えに先行して提起された取消訴訟の対象である第22事件・平成17年
分通知処分は,通則法115条1項2号の「更正決定等」に該当せず(通則
法58条1項1号イ,90条1項参照),②これと増額更正処分等は別個
独立の処分であり(通則法90条,104条参照),その処分理由も異なる
から,増額更正処分等について不服申立手続を経ないことに正当な理由(通
則法115条1項3号)があるとはいえない。
したがって,上記訴えは不適法である(同項本文)。
(原告P20の主張の骨子)
①増額更正処分等(第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・
平成17年分賦課決定処分)は,同じ年度の同一国税に係る第22事件・平
成17年分通知処分について異議決定及び審査請求を経て提起したその取消
訴訟の係属中にされたものであり,原告の不服内容も同一であるから,増額
更正処分等の取消しを求める上記訴えには通則法115条1項2号の適用が
ある。また,②第22事件・平成17年分通知処分の「本件LPS(C)
が外国法人に該当し,これを通じて取得した米国不動産事業の損失が原告P
20の不動産所得(損失)に該当しない」との処分理由は,その不服申立手
続で示された処分行政庁の判断や原告P20の平成13年分から平成16年
分までの所得税について示された国税不服審判所長の判断と同一であって,
これらの判断が今後も変更される余地がないと合理的に見込まれる状況にあ
るから,増額更正処分等についての司法審査に先立ち不服申立手続を経由さ
せる合理的理由がなく,不服申立手続を経ないことに正当な理由がある(同
項3号)。
したがって,増額更正処分等の取消しの訴えは,増額更正処分等について
不服申立手続を経ていなくても,適法である。
(2)争点(2)ア(本件各LPSの租税法上の法人該当性)について
(被告の主張の骨子)
ア我が国の租税法上,損益の帰属主体となり得る「法人」(所得税法2条
1項6号,7号,24条1項等参照)は,我が国の私法上の「法人」と同
義であり,自然人以外のもので権利義務の帰属主体となるものをいうと解
される。
そこで,外国の法令によって設立された事業体が我が国の租税法上の「法
人」に該当するか否かは,具体的には,当該事業体の設立準拠法の内容の
みならず,実際の活動実態,財産や権利義務の帰属状況等を考慮した上,
個別具体的に,我が国の私法において法人に認められる権利能力と同等の
能力を有するか否か,すなわち,当該事業体が,①その構成員の個人財
産とは区別された独自の財産を有するか否か(被告基準①),②その名
において契約を締結し,その名において権利を取得し義務を負うなど独立
した権利義務の帰属主体となり得るか否か(被告基準②),③その権利
義務のためにその名において訴訟当事者となり得るか否か(被告基準③)
に基づいて判断すべきである。
イ(ア)本件各LPSの準拠法,本件各LPS契約の内容,実際の活動内容,
財産や権利義務の帰属状態等をみると,特に次の事実を指摘することが
できる。
すなわち,本件各LPSは,①,権利の主体となり当事者能力を有す
る独立した法主体を意味する「separatelegalentity」である(州LP
S法201条(b))。しかも,本件各LPSは,②構成員である各パー
トナーの個人財産とは区別された独自の財産を所有し,自ら独立して負
債等を負担するなど,その事業,目的に必要なあらゆる行為をすること
ができる能力を有する事業体であり(州LPS法106条(b),303条
(a),本件各LPS契約1.3条,1.5条,2.7条),③現に本件
各建物について,本件各LPS名義で本件各売買契約等を締結してその
所有権を取得し,本件各LPS名義で米国の登録所に登録しているほか,
④本件各LPSの名義において自ら法的手続を行う権限・能力も有す
る(州LPS法105条(a),本件各LPS契約1.3条)。他方,⑤
本件各LPSの各パートナーは,本件各LPSの個別(特定)の財産に
対して何らの持分を有しない(州LPS法701条,本件LPS契約1
0.15条)。
なお,⑥本件各LPS契約4.5条は,州LPS法201条(b)及び
701条の適用を排除・変更するものではなく,⑦州LPS法503
条並びに本件各LPS契約4.7条及び4.8条によっても,本件各L
PSに生じたグロスの損益(収益の総額と損失の総額)がその構成員で
ある本件各受託銀行を介して原告らに直接帰属することはない。
(イ)以上の事実等に照らすと,本件各LPSは,その構成員とは明確に区
別された独自の財産を有し(被告基準①),その名において契約を締結
し,権利義務の帰属主体となり(被告基準②),その権利義務のために
その名において訴訟当事者となり得るもの(被告基準③)といえる。
(ウ)なお,NYLLC判決は,米国ニューヨーク州法に基づいて設立され
たLLCが我が国の私法(租税法)上の法人に該当すると判断している
ところ,本件各LPSの準拠法である州LPS法には,自身の名義で訴
訟手続を行うことができる旨の規定や同法に準拠して設立された事業体
は独立した法的主体(separatelegalentity)になる旨の規定を始め,
上記LLCの準拠法であるニューヨーク州LLC法と同趣旨又は類似の
規定があり,そのことも,本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該
当することを裏付けている。
ウしたがって,本件各LPSは,我が国の租税法上の「法人」である。
(原告らの主張の骨子)
ア被告主張の解釈((被告の主張の骨子)ア参照)は,①法人とされた
ことから生じた効果を述べるにすぎず,内国の事業体の場合における形式
的一義的な判断とは異なる実質判断を行う点で我が国の私法上の法人概念
と相いれず,論理が破たんしており,しかも私法上の損益の帰属主体であ
るか否かを一切考慮していないから,その理論的な根拠を欠き,合理性を
有しないこと,②被告基準①~③は我が国の租税法上の組合とされる事
業体にも当てはまるもので,法人と組合とを区別する基準になっていない
こと,③我が国においてもデラウェア州のLPSが我が国の租税法上の
法人と同等の事業体ではないとの理解が一般的であること及び本件各LP
Sについての米国での税務上の取扱いや米国のコーポレーション(corpor
ation)との違い(損益の帰属,組成手続等)からすれば,本件各LPSが
我が国の租税法上の法人に該当するとの解釈は社会通念等に反すること,
④実質的には,本件各不動産賃貸事業には適用できなかった本件措置法
特例を遡及適用したものにほかならないことから,失当である。
イ仮に被告主張の上記解釈によって本件各LPSの法人該当性を判断した
としても,次の諸点に照らすと,被告主張の判断基準(被告基準①~③)
を充足するとはいえない。
すなわち,①本件各LPSが「separatelegalentity」であること(州
LPS法201条(b))は,我が国の民法上の組合と同じ取扱いを受けられ
るという程度の意味を有するにすぎず,法人格が与えられたことを意味す
るものではない。また,②本件各LPSのパートナーは,パートナーシ
ップの財産についてそのパートナーシップ割合に等しい不可分の持分を有
し(本件各LPS契約4.5条),本件各LPSの財産はパートナー間の
内部関係において特定の共有持分のない共有状態にあるから,州LPS法
701条をもって,本件各LPSが構成員の財産とは区別された独自の財
産を有するといえず,③州LPS法503条並びに本件各LPS契約4.
7条及び4.8条によれば,ある会計年度において本件各LPSに生じた
損益は,パートナーシップ出資割合に従ってその各パートナーに配分され
るため,本件各LPSには当該損益が帰属せず,我が国の民法上の組合と
同様に,グロスの当該損益(収益の総額と損失の総額)が各パートナーに
(LPSにおける配当決議による配当を待たずに)直接帰属することとな
るから,本件各LPSが独立した権利義務の帰属主体となり得るともいえ
ない。④本件各LPSが訴訟当事者となる資格を有するのは,特に法律
で定められて初めてその資格を付与されたからであり(連邦民事訴訟法第
17条(b)(2),同(3)(A)),コーポレーション(corporation)と同様の意
味において認められたものではない。さらに,⑤ニューヨーク州LLC
法上のLLCは,州LPS法上のLPSと比べ,よりコーポレーションに
近い事業体であるから,NYLLC判決をもって本件各LPSの我が国の
租税法上の法人該当性を肯定することもできない。
したがって,被告主張の上記解釈によっても本件各LPSが我が国の租
税法上の法人に該当するとはいえない。
ウ外国の事業体が我が国の租税法上の外国法人として取り扱われるために
は,外国法人(法人税法2条4号,所得税法2条1項7号)に該当する必
要があるところ,これに該当するというためには,民法36条1項に従い,
同項の外国法人であって,商事会社に該当するものとして,認許されるも
のでなければならないと解すべきであり,その判断方法としては,①当
該外国の事業体の根拠法において,その事業体がコーポレーション(corp
oration)又はこれに準ずる「bodycorporate」,「juristicperson」そ
の他のこれらと同等の概念(以下「コーポレーション等」という。)に該
当すると規定されているか否かという内国法人の法人法定主義と同様の専
ら形式的な基準により同項の外国法人該当性を判断した上,②商行為を
することを業とする目的をもって設立された社団(商事会社)に当たるか
否かを判断すべきである。
これを本件についてみると,①本件各LPSの根拠法である州LPS
法には,これに基づき組成されるLPSをコーポレーション等のように権
利能力及び行為能力を有するものとして設立されたものとする旨の規定は
なく(州LPS法201条(b)がこれに該当しないことは前記イ①のとおり
である。),②本件各LPSは後記(3)(原告の主張の骨子)のとおり社
団でもないから,我が国の租税法上の「外国法人」に区分けされることは
ない。
(3)争点(2)イ(本件各LPSの租税法上の人格のない社団該当性)について
(被告の主張の骨子)
ア所得税法所定の「人格のない社団」(同法2条1項8号)とは,原則と
して,[1]団体としての組織を備え(要件[1]),[2]多数決の原則が行われ
(要件[2]),[3]構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し(要
件[3]),[4]その組織によって代表の方法,総会の運営,財産の管理その
他団体としての主要な点が確定しているもの(要件[4])をいうと解される
が,必ずしも上記4要件の全てを独立して厳格に満たす必要はなく,むし
ろ社団性認定のための指標として,各要件相互の関係で柔軟に解釈され得
るものというべきである。
イ本件各LPSは,①これを組織する構成員が特定され,その管理及び
運営に関する独占的権限(本件各LPSの業務執行を代表して行う権限)
が本件各GPに,その解任権限がパートナーシップ持分の80%を超える
持分を有する者の賛成又は同意を条件として各リミテッド・パートナーに
付与されていること等から,団体としての組織を備え(要件[1]),多数決
の原則が行われている(要件[2])。また,②本件各LPS契約上,ジェ
ネラル・パートナーの解任,新規パートナーの承認,リミテッド・パート
ナーの脱退,パートナーシップ持分の譲渡が認められていること等から,
構成員の交代にもかかわらず団体が存続する(要件[3])。そして,③①
の点に加え,本件各LPSが構成員の財産とは区別された独自の財産を有
し,本件各LPS契約にはその管理の方法等や契約内容の多数決による変
更に関する定めがあること等から,団体としての主要な点も確定している
(要件[4])。
ウしたがって,本件各LPSは,仮に我が国の租税法上の「法人」に該当
しないとしても,人格のない社団(権利能力のない社団)に該当し,我が
国の租税法における独立した損益の帰属主体となる。
(原告の主張の骨子)
ア人格のない社団に該当するためには,被告主張に係る要件[1]~[4]の全て
を独立して満たす必要がある。
イ本件各LPSは,①ジェネラル・パートナー1名とリミテッド・パー
トナー1名又は2名間の契約関係が存在するにすぎず,意思決定のための
内部組織を備えておらず(要件[1]),本件各LPSの管理運営・業務執行
が原則的にジェネラル・パートナーのみにより行われることとされ(本件
各LPS契約2.1条),多数決は行われていない(要件[2])。また,②
本件各LPSは,構成員が1人になるとそのまま存続できないことから
(州LPS法101条(9),本件各LPS契約801条(3)及び(4)),構成
員の変更にもかかわらず団体が存続するとはいえない(要件[3])。そして,
③本件各LPSは,現在の代表から次の代表を決めるルールが設けられ
ておらず,総会の運営や財産の管理に関する規定もないから,正に当事者
間の契約にすぎないのであって,団体としての主要な点が確定していると
はいえない(要件[4])。
ウしたがって,本件各LPSは,人格のない社団(権利能力のない社団)
にも該当しない。
(4)争点(2)ウ(本件各不動産賃貸事業から生じた損益の不動産所得該当性)に
ついて
(被告の主張の骨子)
アある所得が不動産所得に該当するためには,一般的には,納税者が,<
ア>賃貸借契約の「貸主」となり得る何らかの権利・権原(所有権,占有
権等)を有していることを前提とした上で,<イ>不動産を「借主」に貸
し付け,これを収益させることによって得た対価としての性質を有するも
のであることを要すると解すべきである。
イ原告らは,<ア>,本件各LPSが各リミテッド・パートナー(本件各受
託銀行)の財産と区別された独立の財産として本件各建物を所有する以上,
本件各建物の「貸主」となり得る占有権等の権利・権原を有しておらず,<
イ>本件各建物を第三者に賃貸すること等も本件各LPSが行っている
から,その各リミテッド・パートナー(本件各受託銀行)において本件各
建物を第三者に貸し付け,これを収益させて対価を得ているとはいえない。
ウしたがって,原告らが本件各受託銀行を介して受ける本件各不動産賃貸
事業から得た利益又は損失は,不動産所得に該当しない。
(原告の主張の骨子)
ア①本件各LPSが本件各不動産賃貸事業から得た所得(損益)は,不
動産の貸付けによる所得(不動産所得)に該当し,②当該所得(損益)
が本件各LPSに直接帰属せず,(本件各受託銀行を介して)原告らに直
接帰属する以上,原告らに直接帰属した本件各不動産賃貸事業に係る損益
が不動産所得に該当することは明らかである。
イ不動産所得の意義(要件)に関する被告の主張は,明文なき要件を付加
して不動産所得の範囲を不当に狭く解釈するもので失当であるが,仮にこ
れによったとしても,①本件各LPSのリミテッド・パートナーである
本件各受託銀行が本件各不動産に固有の権利を有すること(本件各LPS
契約4.5条参照),②本件各受託銀行が本件各LPSの管理又は運営
等の権限を有しないことは不動産所得の特質(規模や業務への関与度合い
に関係なくその損失と他の所得との損益通算が可能とされていること)か
らその該当性判断に影響を与えないこと等に照らして,被告主張の事情か
ら不動産所得の該当性を否定することはできない。
(5)争点(2)エ(通則法65条4項の「正当な理由」の有無)について
(被告の主張の骨子)
原告ら主張の事情は,結局法令の解釈を誤っていたというに尽きるから,
これをもって,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があ
り,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課
することが不当又は酷になる場合に当たるということはできず,通則法65
条4項の「正当な理由」があるとは認められない。
(原告の主張の骨子)
平成12年7月政府税調中期答申(甲25)及び平成12年4月小委員会
討議用資料(甲26)等によれば,米国のLPSに法人格はないという租税
法立法当局等の理解が示されており,他方,平成18年1月に至るまで外国
のパートナーシップが法人に該当し得るとの公式の解釈は示されておらず,
国税不服審判所長も,同年に本件各LPSや州LPS法を準拠法として組成
されたLPSの法人該当性を否定する裁決をしていた。
以上の事情等に照らすと,原告らが本件各不動産賃貸事業から生じた損失
を(いわゆる本文信託を介して)原告らに直接帰属すると解し,かつ,これ
が不動産所得に当たるとして損益通算を行ったことには,真に原告らの責め
に帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照ら
してもなお原告らに過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になるとい
うべきであるから,通則法65条4項の「正当な理由」があると認められる。
第3当裁判所の判断
1争点(1)(第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年分
賦課決定処分の取消しを求める訴えの適法性)について
(1)通則法115条1項は,国税に関する法律に基づく処分で不服申立てをす
ることができるものの取消しを求める訴えは,審査請求をすることができる
処分にあっては審査請求についての裁決を経た後でなければ,同項各号の一
に該当する場合を除き,提起することができない旨を規定し(同項本文),
いわゆる不服申立前置の原則を採用し,例外的に不服申立前置を要しない場
合として,更正決定等の取消しを求める訴えを提起した者が,その訴訟の係
属している間に当該更正決定等に係る国税の課税標準等又は税額等について
された他の更正決定等の取消しを求めようとするとき(同項2号),異議申
立てについての決定又は審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著
しい損害を避けるため緊急の必要があるとき,その他その決定又は裁決を経
ないことにつき正当な理由があるとき(同項3号)等を規定している。
一般に,行政処分の取消訴訟を提起するに当たって不服申立前置が要求さ
れるのは,主として,行政処分に対する司法審査に先立ち,行政庁又はその
設置する第三者機関(以下「行政庁等」という。)に対し,当該行政処分の
適否につき見直しの機会を与えることにより,紛争の自主的解決を図ること
にあると解されるから,その不服申立ては,当該処分の適否を直接対象とす
るものでなければならないのは当然のことであって,複数の処分がある場合
には,仮に不服の理由が共通であっても,一つの処分についての不服申立て
が退けられたからといって,他の処分について行政庁等が再考する余地がな
いとはいえないから,原則として,他の処分についての不服申立てを不要と
することはできない。
しかしながら,上記のとおり不服申立前置が要求される趣旨に鑑みると,
行政庁等に対して当該行政処分の適否につき見直しの機会を与えることによ
り,紛争の自主的解決を図ることが期待できない場合,例えば,<ア>各処
分が処分の理由を共通にし,不服申立てにおいて攻撃する点も専ら共通の処
分理由に対するものであり,かつ,<イ>それに対する行政庁等の基本的な
判断が一つの処分に対する不服申立手続において既に示されていて変更の余
地がないような場合には,他の処分について不服申立手続を経ないで取消訴
訟を提起したとしても,そのことにつき通則法115条1項3号の「正当な
理由」があると解すべきである。
(2)これを本件についてみると,前記前提事実(3)(別紙8の(2)の認定事実)に
よれば,①第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17
年分賦課決定処分の処分理由は,本件LPS(C)を通じて行った本件建物
(C)の貸付けから生ずる損失が原告P20の不動産所得には該当しないと
いうものであり,これは,第22事件・平成17年分更正処分に先行してさ
れた第22事件・平成17年分通知処分の処分理由と共通しており,仮に,
原告P20が第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17
年分賦課決定処分について不服申立てをすれば,専ら上記処分理由を攻撃す
ることになったであろうこと,②第22事件・平成17年分通知処分に係
る異議申立てにおいては,正に上記の処分理由が原告P20の攻撃する点と
なっていたが,その異議決定においては,本件LPS(C)は我が国の税法
上の外国法人に該当し,本件LPS(C)を通じて行った本件建物(C)の
貸付けから生ずる損失(562万8487円)は本件LPS(C)自体に帰
属し,原告P20の不動産所得には該当しないとの異議審理庁としての世田
谷税務署長の判断が示されたこと,③原告P20は,平成13年分から平
成16年分までの各所得税に関して,目黒税務署長及び世田谷税務署長から,
上記①と同様の理由による所得税更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分
(平成16年分については更正をすべき理由がない旨の通知処分)を複数受
けており,それらに対して異議申立て及び審査請求をしたが,いずれも棄却
され,世田谷税務署長等の判断は,国税不服審判所長からも,「本件LPS
(C)は法人には該当しないものの,原告P20が不動産等を利用に供した
ことにより生じた所得であるとはいえない」として(理論構成こそ若干異な
るものの)一貫して支持されてきたこと,④上記②の世田谷税務署長の判
断は,原告P20が第22事件・平成17年分通知処分の取消訴訟を提起し
た後に審査請求を取り下げたため,これについての国税不服審判所長の判断
は示されていないものの,③の経緯からすると,仮に原告P20が審査請求
を取り下げなかったとしても,上記②の世田谷税務署長の判断は国税不服審
判所長から結論において支持されたであろうし,また,仮に原告P20が第
22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年分賦課決定処
分について不服申立てをしたとしても,異議審理庁や国税不服審判所長から
少なくとも結論において上記①の処分理由を維持する判断がされることが見
込まれ,これらの判断に変更の余地はなかったことが認められる。
したがって,原告P20が第22事件・平成17年分更正処分及び第22
事件・平成17年分賦課決定処分の取消しを求める訴えの交換的変更をする
に当たり,これらの処分に関して審査請求についての裁決を経ないことにつ
き通則法115条1項3号の「正当な理由」があるというべきである。
(3)以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告P20の被
告に対する訴えのうち,第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・
平成17年分賦課決定処分の取消しを求める訴えは,適法である。
2争点(2)ア(本件各LPSの税法上の法人該当性)について
(1)外国の法令によって設立された事業体が我が国の租税法上の「法人」に該
当するか否かの判断の枠組みについて
アある事業体の事業から生じた収益がその構成員に分配された場合の課税
関係に関して,我が国の租税法等は,概要後記(ア)~(エ)のとおり規定して
おり,また,我が国の法人法制に関して,我が国の私法の一般法である民
法は,概要後記(オ)のとおり規定している。
(ア)事業体が内国法人等に該当する場合における当該事業体に対する課税
関係
a①内国法人を国内に本店又は主たる事務所を有する法人とし(所
得税法2条1項6号,法人税法2条3号),外国法人を内国法人以外
の法人とした上(所得税法2条1項7号,法人税法2条4号),②内
国法人及び外国法人(ただし,外国法人は平成20年法律第23号に
よる改正前の法人税法4条2項所定の場合に限る。)は法人税法によ
り法人税を納める義務があるとして(法人税法4条1項,2項),内
国法人に対しては,原則として,各事業年度の所得について各事業年
度の所得に対する法人税を,清算所得について清算所得に対する法人
税を課し(平成22年法律第6号による改正前の法人税法5条),外
国法人に対しては,原則として,各事業年度の所得のうち法人税法1
41条各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に掲げる国内源泉
所得に係る所得について,各事業年度の所得に対する法人税を課する
(法人税法9条)とする。
なお,所得税法上も,内国法人は,国内において所得税法174条
各号に掲げる利子等,配当等,給付補てん金,利息,利益,差益,利
益の分配又は賞金の支払を受けるときは,所得税を納める義務がある
とされ(平成19年法律第6号による改正前の所得税法5条3項),
外国法人は,国内源泉所得のうち所得税法161条1号の2~7号又
は9号~12号に掲げるものの支払を受けるときは,所得税を納める
義務があるとされている(所得税法5条4項)。
bそして,内国法人に対する法人税の課税標準は,各事業年度の所得
の金額であり(法人税法21条),内国法人の各事業年度の所得の金
額は,原則として,当該事業年度の益金の額(資産の販売,有償又は
無償による資産の譲渡又は役務の提供,無償による資産の譲受けその
他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額)か
ら当該事業年度の損金の額(①当該事業年度の収益に係る売上原価,
完成工事原価その他これらに準ずる原価の額,②当該事業年度の販
売費,一般管理費その他の費用の額,③当該事業年度の損失の額で
資本等取引以外の取引に係るもの)を控除した額であり(法人税法2
2条1項~3項),これに対して所定の税率を乗じて計算した金額が
法人税額とされる(法人税法66条)。
c他方,外国法人に対する法人税の課税標準は,各事業年度の所得の
うち法人税法141条各号に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に
掲げる国内源泉所得に係る所得の金額であり(法人税法141条),
当該国内源泉所得に係る所得の金額は,当該国内源泉所得に係る所得
について,内国法人の場合に準じて計算した金額とされ(法人税法1
42条),これに対して所定の税率を乗じて計算した金額が法人税額
とされる(法人税法143条1項)。
なお,外国法人に対する所得税の課税標準は,原則として,その外
国法人が支払を受けるべき所得税法161条1号の2~7号又は9号
~12号に掲げる国内源泉所得の金額であり(所得税法178条),
その金額に所定の税率を乗じて計算した金額が所得税額とされる(所
得税法179条)。
d以上の点は,その事業体が人格のない社団等に該当する場合におい
ても,人格のない社団等は法人とみなして法人税法の規定が適用され
ることから(法人税法2条8号,3条,所得税法2条1項8号,4条),
同様である。
なお,人格のない社団等(所得税法2条1項8号,法人税法2条8
号)のうち人格のない社団は,民事実体法における権利能力のない社
団と同義と解され,具体的には,団体としての組織を備え,そこには
多数決の原則が行われ,構成員の変更にもかかわらず団体そのものが
存続し,その組織によって代表の方法,総会の運営,財産の管理その
他団体としての主要な点が確定しているものをいうとされており,こ
のような権利能力のない社団の資産は,構成員に総有的に帰属すると
されている(最高裁昭和35年(オ)第1029号同39年10月1
5日第一小法廷判決・民集18巻8号1671頁参照)。
(イ)事業体が内国法人等に該当する場合におけるその構成員に対する課税
関係
法人(法人税法2条6号に規定する公益法人等及び人格のない社団等
を除く。この項において同じ。)の構成員である個人については,配当
所得(法人から受ける利益の配当,剰余金の分配(出資に係るものに限
る。)など所得税法24条1項所定の「配当等」に係る所得)として所
得税が課され(所得税法7条1項1号),その年中の配当等の収入金額
を配当所得の収入金額とし(所得税法24条2項),これを基礎として
計算した総所得金額等(所得税法21条1項2号,22条2項1号)を
基礎として所得税の額が計算される(所得税法21条1項4号)。
(ウ)事業体が内国法人等に該当しない場合におけるその構成員に対する課
税関係
a以上に対し,その事業体が,法人に該当せず,かつ,人格のない社
団等にも該当しない場合,法人税法は,当該事業体の行う個々の事業
活動から生じた損益について,当該事業体自体に法人税を課す旨の規
定を設けていないから,これに対する法人税としての課税はされず(法
人税法4条1項参照),その構成員に対する所得税又は法人税として
の課税がされること(以下「構成員課税」という。)となる。
そこで,当該事業体の構成員が法人である場合には当該法人が,当
該損益に対する構成員課税として,法人税法により,法人税の納付義
務を負い(法人税法4条1項),当該構成員が法人ではなく個人であ
る場合には当該個人が,当該損益に対する構成員課税として,所得税
法により,所得税の納付義務を負うことになる(所得税法5条,2条
1項3号から5号まで)。
bそして,法人及び人格のない社団等に該当しない事業体の典型例で
ある民法667条の規定による組合(以下「任意組合」という。)の
事業に係る利益等の帰属時期やその額の計算については,所得税法及
び法人税法上の明文規定はないものの,平成17年12月26日付課
個2-39ほかによる一部改正前の所得税基本通達(昭和45年7月
1日付け直審(所)第30号)及び同日付課法2-14による一部改
正前の法人税基本通達(昭和44年5月1日付け直審(法)第25号)
においてそれぞれ要旨次のとおり定められ,そのような取扱いがされ
ていた(甲15)。
(a)所得税基本通達36・37共-19
任意組合(民法667条《組合契約》の規定による組合をいう。
以下,36・37共-20において同じ。)の組合員の当該組合の
事業に係る利益の額又は損失の額は,当該組合の計算期間を基とし
て計算し,当該計算期間の終了する日の属する年分の各種所得の金
額の計算上総収入金額又は必要経費に算入する。ただし,当該組合
が毎年1回以上一定の時期において組合事業の損益を計算しない場
合には,その年中における当該組合の事業に係る利益の額又は損失
の額を,その年分の各種所得の金額の計算上総収入金額又は必要経
費に算入する。
(b)所得税基本通達36・37共-20
36・37共-19により任意組合の組合員の各種所得の金額の
計算上総収入金額又は必要経費に算入する利益の額又は損失の額は,
次の①の方法により計算する。ただし,その者が継続して次の②又
は③の方法により計算している場合には,その計算を認めるものと
する。
①当該組合の収入金額,支出金額,資産,負債等を,組合契約又
は民法674条《損益分配の割合》の規定による損益分配の割合
(以下,この項において「分配割合」という。)に応じて各組合
員のこれらの金額として計算する方法(総額方式)
②当該組合の収入金額,その収入金額に係る原価の額及び費用の
額並びに損失の額をその分配割合に応じて各組合員のこれらの金
額として計算する方法
この方法による場合には,各組合員は,当該組合の取引等につ
いて非課税所得,配当控除,確定申告による源泉徴収税額の控除
等に関する規定の適用はあるが,引当金,準備金等に関する規定
の適用はない。
③当該組合について計算される利益の額又は損失の額をその分配
割合に応じて各組合員にあん分する方法(純額方式)
この方法による場合には,各組合員は,当該組合の取引等につ
いて,非課税所得,引当金,準備金,配当控除,確定申告による
源泉徴収税額の控除等に関する規定の適用はなく,各組合員にあ
ん分される利益の額又は損失の額は,当該組合事業の主たる事業
の内容に従い,不動産所得,事業所得,山林所得又は雑所得のい
ずれか一の所得に係る収入金額又は必要経費とする。
(c)法人税基本通達14-1-1
法人が組合員となっている組合の利益金額又は損失金額のうち組
合契約又は民法674条《損益分配の割合》の規定により利益の分
配を受けるべき金額又は損失の負担をすべき金額は,たとえ現実の
利益の分配を受け又は損失の負担をしていない場合であっても,当
該組合の計算期間の終了の日の属する当該法人の事業年度の益金の
額又は損金の額に算入する。ただし,組合が毎年1回以上一定の時
期において組合事業の損益を計算しない場合には,当該法人の各事
業年度の期間に対応する組合事業の損益を計算して当該法人の当該
事業年度の益金の額又は損失の額に算入する。
(d)法人税基本通達14-1-2
法人が,組合員となっている組合から分配を受けるべき利益の額
又は負担すべき損失の額を14-1-1により各事業年度の益金の
額又は損金の額に算入する場合において,次のいずれか一の方法に
より継続してその利益の額又は損失の額を計算しているときは,こ
れを認める。
①当該組合について計算される利益の額又は損失の額をその分配
割合に応じて各組合員に分配又は負担させることとする方法(純
額方式)
この方法による場合には,各組合員は,当該組合の取引等につ
いて,受取配当等の益金不算入,所得税額の控除,引当金の繰入
れ,準備金の積立て等の規定の適用はない。
②当該組合の収入金額,その収入金額に係る原価の額及び費用の
額並びに損失の額をその分配割合に応じて各組合員のこれらの金
額として計算する方法
この方法による場合には,各組合員は,当該組合の取引等につ
いて受取配当等の益金不算入,所得税額の控除等の規定の適用は
あるが,引当金の繰入れ,準備金の積立て等の規定の適用はない。
③当該組合の収入金額,支出金額,資産,負債等をその分配割合
に応じて各組合員のこれらの金額として計算する方法(総額方式)
(注)1①の方法による場合において,当該組合の支出金額のう
ち寄附金又は交際費の額があるときは,当該組合を資本又
は出資を有しない法人とみなして法人税法37条《寄付金
の損金不算入》又は措置法61条の4《交際費等の損金不
算入》の規定を適用するものとしたときに計算される利益
の額又は損失の額を基としてその分配又は負担させる金額
の計算を行うものとする。
2②又は③の方法による場合には,組合員に係るものとし
て計算される収入金額,支出金額,資産,負債等の額は,
組合員における固有のこれらの金額に含めないで別個に計
算することができる。
cなお,任意組合は,前記(ア)dで述べた人格のない社団等の要件を満
たさず,所得税法及び法人税法上の人格のない社団等には該当しない
ものと解される(所得税基本通達2-5,法人税基本通達1-1-1)
が,我が国の民法の規定に鑑みると,法人格は有しないものの,組合
財産が組合事業の経営という目的のために各組合員個人の他の財産と
は独立の存在であると認められている(民法668条,676条1項,
2項,677条参照)。
(エ)実質所得者課税の原則
所得の帰属に関しては,資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属す
るとみられる者が単なる名義人であって,その収益を享受せず,その者
以外の者(法人)がその収益を享受する場合には,その収益は,これを
享受する者(法人)に帰属するものとしている(所得税法12条,法人
税法11条)。
(オ)我が国の法人法制について
aそもそもどのような団体(これに準ずる社会的存在を含む。以下同
じ。)に法人格を付与するかは,国家がどのような団体に法人格を付
与するのを適当とするかという政策の問題に帰するところ,民法33
条(現在の民法33条1項)は,法人は民法その他の法律の規定によ
らなければ成立しない旨を定め,法人の成立(法人格の付与)は,法
律の定めによってのみ認められることを明らかにしている(法人法定
主義。なお,現在の民法33条2項は,公益を目的とする法人,営利
事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立,組織,運営及
び管理については,民法その他の法律の定めるところによる旨を規定
し,その趣旨を更に明確にしている。)。
これを受けて,個々の団体の成立の根拠となる準拠法は,当該団体
に法人格を付与する場合には,これを法人とする旨の明文の規定を設
けている(例えば,会社法3条「会社は,法人とする。」,消費生活
協同組合法4条「消費生活協同組合(中略)は,法人とする。」等)。
そして,民法43条(現在の民法34条)は,法人は,法令の規定
に従い,定款等によって定められた目的の範囲内において権利を有し,
義務を負う旨規定している。
bなお,民法36条(現在の民法35条)は,外国法人は,国,国の
行政区画,商事会社又は法律又は条約によって認許されたものを除き,
その成立を認許しない旨を規定し(1項),前項の規定によって認許
された外国法人は,外国人が享有することのできない権利及び法律又
は条約中に特別の定めがあるものを除き,日本において成立する同種
の法人と同一の私権を有する旨を規定している(2項)。これは,外
国の法令に準拠して法人として成立した(すなわち,外国の法令に準
拠して法人格を付与された)団体については,原則として上記の国,
国の行政区画及び商事会社等でなければ,我が国において法人として
活動し得る法人格の主体として認めないことを明らかにしたものと解
される。
イ以上のような我が国の租税法の規定等及び我が国の法人法制に関する我
が国の私法の規定を通観すれば,次の点を指摘することができる。
(ア)ある事業体の事業から生じた収益がその構成員に分配された場合にお
いて構成員課税がされるか否かは,第1次的には当該事業体が法人に該
当するか否かにより判断され,これに該当しない場合に人格のない社団
等に該当するか否かが問題となり,いずれも否定される場合に初めて構
成員課税がされることになる(前記ア(ウ)a参照)。
(イ)我が国の租税法は,法人の意義に関して,内国法人を国内に本店又は
主たる事務所を有する法人,外国法人を内国法人以外の法人と定義する
にとどまり(前記ア(ア)a①参照),法人自体の意義を定義した規定はな
い。
しかし,法人には,その事業(取引)に係る収益及び損失等,す
なわち当該法人の事業の損益により構成される所得が帰属することを前
提として,その所得に対する法人税が課され(前記ア(ア)b,c参照),
その構成員には,上記所得の帰属主体である法人(ただし,公益法
人等及び人格のない社団等を除く。)から受ける利益の配当や剰余金の
分配で出資に係るものによる所得に所得税が課せられており(前記ア(イ)
参照),
の点は人格のない社団等についても同様である(前記
ア(ア)d参照)。他方,法人及び人格のない社団等のいずれにも該
当しない事業体には,例えば任意組合のように実質的に所得が帰属する
とみられるものであっても,法人税が課せられず,当該事業体の事業の
損益により構成される所得が構成員に帰属することを前提として,その
構成員に所得税が課せられている(構成員課税。前記ア(ウ))。そして,
①法人と②人格のない社団等とは,いずれも法人税の納税義務者で
ありながら法人格の有無が決定的に異なるところ,②人格のない社団等
と③任意組合のような法人及び人格のない社団等のいずれにも該当しな
い事業体とは,いずれも実質的にはその構成員の財産とは別個独立の財
産を有すると解されるものでありながら,事業の損益により構成される
所得の帰属主体となり得る実体(前記ア(ア)dで述べた権利能力のない社
団の要件)の有無が異なるため(前記ア(ア)d,(ウ)c参照),法人税の
納税義務者になるか否かの結論を異にするものと解される(前記ア(ウ)
a参照)。さらに,所得税及び法人税が事業の損益により構成され
る所得の実質的な帰属主体に課されるべきものであり,このことは実質
所有者課税の原則(所得税法12条,法人税法11条)からも裏付けら
れるところ,この観点からの点をみると,ある事業体が法人税の納税
義務者になるか否か(逆にいえば構成員課税を行うか否か)の実質は,
当該事業体がその事業の損益により構成される所得の帰属主体となり得
る実体を有するか否かにあるということができる。
これらの点を総合すれば,我が国の租税法は,法人が,法律により,
法人格を付与されて構成員とは別個の(いわば自然人と同様の)権利義
務の主体とされ,損益の帰属すべき主体(逆にいえば,その構成員に直
接その損益が帰属することが予定されない主体)として設立が認められ
たものであることから,法人の事業から生じた収益により構成される所
得について,原則として,その帰属主体となり得る実体を有するものと
みて,当該法人をこれに対する法人税の納税義務者とし,当該法人の構
成員には当該所得に対する構成員課税を行わないこととしたものと解さ
れる。
(ウ)我が国の国内法に準拠して組成された事業体が法人である(法人格を
有する)というためには,その準拠法である民法その他の法律によって
法人とする(法人格を付与する)旨を規定されたものであることを要し
(民法33条。前記ア(オ)a),このように規定された事業体だけが我が
国の私法上の法人と認められるから,民法その他の法律によって法人と
する旨を規定されていない任意組合,人格のない社団等(権利能力のな
い社団)その他の事業体は,たとえそれらが民法その他の法律によって
法人とする旨を規定された事業体と類似した属性を有するとしても,我
が国の私法上の法人と認められる余地はないものといわざるを得ない。
この点,かつては,法人と任意組合や権利能力のない社団とを比較し
た場合に法人にのみ認められる属性を指摘する見解もあったが,社会の
実状を踏まえた実証的・多角的な分析・議論を経て,任意組合や権利能
力のない社団にも,実社会における現象面・機能面に照らすと,法人に
付与された属性に類似した属性を有すると見られる側面を多分に有する
ことが認識されており(例えば,江頭論文も「債務・責任の帰属関係,
訴訟当事者能力,強制執行関係,持分払戻の可否の関係等においては,
権利能力のない社団に対する法的取扱いについては,法人との差が見出
せないといってよい。また,積極財産の帰属関係にしても,登記・登録
実務上,権利能力のない社団には法人と同様の取扱いが認められてない
ものの,それによって実質的効果が大きく違うわけのものでもない。そ
うだとすると,法人にしか認められない属性はもはや存在しない,とい
っても過言ではなかろう」とし,星野論文も要旨「より実質的にみると,
「法人」の意義は,若干の法律効果がそこから発生することである(「法
人」とは,構成員の個人財産から区別され,個人に対する債権者の責任
財産ではなくなって,法人自体の債権者に対する排他的責任財産を作る
法技術であるとされ,その名において契約を締結し,その名において権
利を取得し,義務を負い,その権利義務のためにその名において訴訟当
事者となること等が指摘されている。)が,イギリスやフランスで「法
人格」承認の意義とされた点のほとんど全てが,我が国では法律によっ
て認められてしまっており(具体的には,その名において訴え又は訴え
られること,構成員に対する債権者は,構成員が団体財産に対して有す
る持分を差し押さえられないこと,組合の有する債権と組合員個人の有
する債権とを相殺できないこと等が指摘されている。),実は,我が国
では,民法33条の一般的立言にもかかわらず,既に実質的に法人とほ
ぼ同じ効果の認められた団体の存在を広く認めている」としている。),
今日では,準拠法である法律の明文の規定の有無以外に,法人と民法上
の組合(任意組合)や権利能力のない社団とを截然と区別する明確な一
般的基準は必ずしも見い出し難いものといわざるを得ない。
そして,民法36条1項の「外国法人」とは,外国の法令に準拠して
法人として成立した(すなわち,外国の法令に準拠して法人格を付与さ
れた)団体をいうと解されるから(前記ア(オ)b),我が国の私法上の「外
国法人」であるというためには,外国の法令の規定内容に照らして,外
国の法令に準拠して法人として成立した(外国の法令に準拠して法人格
を付与された)と認められることを要するというべきである。
ウ以上に加え,①租税法律主義(憲法84条)の下では,課税要件の定
めは明確でなければならないこと,②租税法が私法上の概念を特段の定
義なく用いている場合には,租税法律主義や法的安定性の確保の観点から,
原則として私法上の概念と同じ意義に解するのが相当であることをも併せ
考慮すれば,我が国の租税法上の法人は,法律により損益の帰属すべき主
体(その構成員に直接その損益が帰属することが予定されない主体)とし
て設立が認められたものであり,我が国の私法上の法人と同様,原則とし
て,その準拠法によって法人とする(法人格を付与する)旨を規定された
ものをいうと解すべきである。
そうであるとすれば,外国の法令に準拠して組成された事業体が我が国
の租税法上の法人に該当するか否かも,上記と同様に,原則として,当該
外国の法令の規定内容から,その準拠法である当該外国の法令によって法
人とする(法人格を付与する)旨を規定されていると認められるか否かに
よるべきであるが,諸外国の法制・法体系の多様性(特にいわゆる大陸法
系と英米法系との法制・法体系の本質的な相違),我が国の「法人」概念
に相当する概念が諸外国において形成されるに至った沿革,歴史的経緯,
背景事情等の多様性に鑑みると,当該外国の法令の規定内容をその文言に
従って形式的に見た場合に,当該外国の法令において当該事業体を法人と
する(当該事業体に法人格を付与する)旨を規定されているかどうかとい
う点に加えて,当該事業体を当該外国法の法令が規定するその設立,組織,
運営及び管理等の内容に着目して経済的,実質的に見れば,明らかに我が
国の法人と同様に損益の帰属すべき主体(その構成員に直接その損益が帰
属することが予定されない主体)として設立が認められたものといえるか
どうかを検討すべきであり,後者の点が肯定される場合に限り,我が国の
租税法上の法人に該当すると解すべきである(その結果,前者の基準を限
定する場合もあり得るが,前者の基準によった場合に我が国の法人に相当
するか否かの判定が微妙なときに,後者の基準が満たされることによりこ
れが肯定されることもあり得よう。)。
エ被告の主張について
(ア)これに対し,被告は,我が国の租税法上,損益の帰属主体となり得る
「法人」(所得税法2条1項6号,7号,24条1項等参照)は,我が
国の私法上の「法人」と同義であり,自然人以外のもので権利義務の帰
属主体となるものをいうと解されるから,外国の法令によって設立され
た事業体が我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かは,具体的に
は,当該事業体の設立準拠法の内容のみならず,実際の活動実態,財産
や権利義務の帰属状況等を考慮した上,個別具体的に,我が国の私法に
おいて法人に認められる権利能力と同等の能力を有するか否か,すなわ
ち,当該事業体が,①その構成員の個人財産とは区別された独自の財
産を有するか否か(被告基準①),②その名において契約を締結し,
その名において権利を取得し義務を負うなど独立した権利義務の帰属主
体となり得るか否か(被告基準②),③その権利義務のためにその名
において訴訟当事者となり得るか否か(被告基準③)に基づいて判断す
べきである旨主張する。
我が国の私法上の法人は我が国の租税法上損益の帰属主体となること
が予定されているといえるが,権利義務の主体として取引行為を行い,
財産及び債権債務の帰属主体となる存在が,必ずしも損益の帰属主体に
なるとは限らないことについては,匿名組合や問屋等の例を見ても明ら
かであるから,外国の法令に準拠して組成された事業体が,その外国法
制の下において,前者の要件を備えているとしても,当然に損益の帰属
主体となるとは限らない。このことをおくとしても,被告の上記主張に
ついては,次のようにいうことができる。
(イ)まず,被告の上記(ア)の主張は,我が国の私法の一般法である民法の解
釈において,法人とは被告基準①~③に該当するものをいうとされてい
ることを論拠とするものであり,星野論文等の文献中にはこれに沿う記
載部分もある。
しかしながら,星野論文中の上記主張に沿う記載部分は,前記イ(ウ)
で指摘した部分も併せてみれば,現在においても法人と法人でない団体
(事業体)とを被告基準①~③によって区別できるとの見解が私法の一
般法である民法の解釈として確立していることを指摘するものでないこ
とが明らかであり,かえって,江頭論文は,前記イ(ウ)のとおり「法人に
しか認められない属性はもはや存在しない」と指摘している。そして,
この点を実質的に検討してみても,民法は,前記ア(オ)aのとおり法人法
定主義を規定するにとどまり(民法33条),法律に法人である旨を規
定するに当たっての実質的な要件・属性等は民法その他の法令をみても
何ら規定していないのであるから,被告基準①~③が我が国の私法上の
法人を見渡したときに現行法上法人とされる団体(事業体)に共通して
みられる属性であったとしても,これは現行法上法人とされる団体(事
業体)の最小限度の属性であることを意味するにすぎず,被告基準①~
③の全てに該当する団体(事業体)は当然に法人であって,そこに現行
法上法人とされていない団体(事業体)が含まれないということは,何
ら論証されていない(江頭論文が「(1)の「その名において権利を取得し
義務を負う」という属性は,構成員が有限責任ではなく法人財産をもっ
て法人債務を完済できないかまたは会社財産に対する強制執行が効を奏
しないときに連帯責任を負うものがあることを否定しないという注釈付
きで,全法人について肯定される。(2)の「訴訟当事者能力」,(3)の「そ
の名義が債務名義によってしか強制執行をうけない」という属性も,全
法人につき肯定される。以上の三点が,現行法上法人とされているもの
の最小限度の属性といえよう。」と指摘する点は,正にこのような趣旨
であると解される。)。そうであるとすれば,被告基準①~③は,一般
的に法人といえるための必要条件である可能性は否定することができな
いものの,十分条件となるものとまでいうことはできず,この基準をも
って現行法上法人とされる団体(事業体)とそうでない団体(事業体)
とを区別する基準とすることはできないというほかない。
したがって,被告主張に係る上記論拠を採用することはできない。
(ウ)また,被告の上記主張は,被告基準①~③によって法人と法人ではな
い団体(事業体)とを明確に区別することができることを前提とするも
のである。
しかしながら,以下に述べるとおり,法人に該当しないことが明らか
な任意組合や権利能力のない社団も被告基準①~③に該当し得ることに
照らすと,被告基準①~③は,法人と法人ではない団体(事業体)とを
区別する基準として機能し得ないものであるといわざるを得ず,これを
採用することはできない。
a被告基準①について
(a)被告基準①は,「その構成員の個人財産とは区別された独自の財
産を有するか否か」というものである。
(b)この点,民法は,任意組合について,
組合員の出資その他の
組合財産は,総組合員の共有に属する旨(668条)と規定する一
方で,組合員は,組合財産についてその持分を処分したとして
も,その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗する
ことができず(676条1項),清算前に組合財産の分割を求
めることができないし(同条2項),さらに,組合の債務者は,
その債務と組合員に対する債権とを相殺することができない旨(6
77条)を規定している。そこで,このような民法676条及び6
77条等の趣旨に鑑みれば,組合財産は,特定の目的(組合の事業
経営)のために各組合員個人の他の財産(私有財産)と離れて別に
一団を成して存する特別財産(目的財産)であって,その結果,こ
の目的の範囲においては,ある程度の独立性を有し,組合員の私有
財産と混同されることはないと解される(大審院昭和9年(オ)第
3066号同11年2月25日判決・民集15巻4号281頁参照)。
以上のように解すべきことは,①任意組合の組合財産となる債
権(組合債権)は,任意組合の総組合員の共有に属し,総組合員に
よらなければこれを請求できないとされ(最高裁昭和40年(オ)第
1228号同41年11月25日第二小法廷判決・民集20巻9号
1946頁等参照),他方,②民法は,組合の債権者は,その発
生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは,各組合員
に対して等しい割合でその権利を行使することができる旨を規定し
ている(675条)が,任意組合が契約等に基づいて負担する債務
は,消極的な組合財産として,任意組合の総組合員の共有に属し,
組合財産がその引き当てにされる(他方,各組合員もその固有の財
産をもって弁済すべき義務を負うことは,民法675条等に照らし
てもちろんである。)と解されていること(前掲大審院昭和11年
2月25日判決,最高裁平成6年(オ)第2137号同10年4月
14日第三小法廷判決・民集52巻3号813頁等参照)からも裏
付けられているというべきである。
(c)また,人格のない社団(権利能力のない社団)も,その財産は構
成員に総有的に帰属すると解されており(前掲最高裁昭和39年1
0月15日第一小法廷判決),その各構成員は,当該人格のない社
団から脱退しても,人格のない社団の財産につき,当然には共有の
持分権又は分割請求権を有するものではないと解されている(最高
裁昭和27年(オ)第96号同32年11月14日第一小法廷判決・
民集11巻12号1943頁参照)。
(d)したがって,任意組合及び人格のない社団(権利能力のない社団)
は,民法の解釈上,いずれもその構成員の個人財産とは区別された
独自の財産を有すると解されているものというべきであるから,被
告基準①に該当するといわざるを得ない。
b被告基準②について
(a)被告基準②は,「その名において契約を締結し,その名において
権利を取得し義務を負うなど独立した権利義務の帰属主体となり得
る否か」というものである。
(b)この点,任意組合については,①民法は,組合の業務の執行は,
組合員の過半数で決し,組合契約で組合の業務の執行を委任した者
(業務執行者)が数人あるときは,その過半数で決するものとした
上,組合の常務は,その完了前に他の組合員又は業務執行者が異議
を述べたときを除き,各組合員又は各業務執行者が単独で行うこと
ができる旨を規定するにとどまっているが(670条),民法の解
釈上,第三者との関係においては,組合契約その他により業務執行
組合員が定められている場合は業務執行組合員が組合の業務に関し
て組合員全員を代表する権限を有し,そうでない場合は組合員の過
半数において組合を代理する権限を有するものと解されていること
(最高裁昭和31年(オ)第859号同35年12月9日第二小法
廷判決・民集14巻13号2994頁,最高裁昭和35年(オ)第
1461号同38年5月31日第二小法廷判決・民集17巻4号6
00頁,最高裁昭和41年(オ)第1429号同43年6月27日
第一小法廷判決・裁判集民事91号503頁等参照),②任意組
合の業務の執行により形成された組合財産は,上記aのとおり,積
極財産・消極財産を問わず,構成員の個人財産とは区別された任意
組合独自の財産となるところ,そうであるが故に,任意組合に権利
義務を生じさせる法律行為の名義として任意組合自体や任意組合代
表者名義を用いることが許容されており(特に,厳格な要式性を要
するとされている手形行為に関して,手形の受取人欄につき大審院
大正13年(オ)第1109号同14年5月12日判決・民集4巻
256頁,手形の振出人欄につき最高裁昭和32年(オ)第693
号同36年7月31日第二小法廷判決・民集15巻7号1982頁
等参照),取引の実情としても契約等を任意組合名義で行うことが
通例とされていることに照らすと,任意組合も,その名において契
約を締結し,その名において権利を取得し義務を負うと評価するこ
とが可能である。
(c)また,人格のない社団(権利能力のない社団)についても,①「権
利能力のない」社団でありながら,その代表者によってその社団の
名において構成員全体のために権利を取得し,義務を負担するとさ
れ,社団の名において行われるのは,一々全ての構成員の氏名を列
挙することの煩を避けるためにほかならない(したがって,登記の
場合,権利者自体の名を登記することを要し,権利能力なき社団に
おいては,その実質的権利者たる構成員全部の名を登記できない結
果として,その代表者名義をもって不動産登記簿に登記するよりほ
かに方法がないのである。)と解されており(前掲最高裁昭和39
年10月15日第一小法廷判決),②権利能力なき社団の代表者
が社団の名においてした取引上の債務は,その社団の構成員全員に,
一個の義務として総有的に帰属するとともに,社団の総有財産だけ
がその責任財産となり,構成員各自は,取引の相手方に対し,直接
には個人的債務ないし責任を負わないと解されていること(最高裁
昭和45年(オ)第1038号同48年10月9日第三小法廷判決・
民集27巻9号1129頁参照)に照らすと,人格のない社団も,
その名において契約を締結し,(形式的には総構成員の総有とされ
ながら)実質的にはその名において権利を取得し義務を負うものと
評価することが可能である(なお,星野論文283頁も参照。)。
(d)以上によれば,任意組合又は人格のない社団(権利能力のない社
団)のいずれであっても,被告基準②を満たすものということがで
きる(もっとも,被告基準①,②を,その名においてのみ,独自の
財産を所有し,権利を取得し義務を負うという基準とした場合には,
任意組合や人格のない社団とは区別されるが,(イ)で述べたように,
これによっても,一般的に法人といえるための十分条件となるもの
とはいえない可能性が残るし,後述((3)イ(エ)c)のように本件各
LPSがその基準を満たすものということもできない。)。
c被告基準③について
被告基準③は,「その権利義務のためにその名において訴訟当事者
となり得るか否か」というものである。
この点,民事訴訟法29条は,法人でない社団又は財団で代表者又
は管理人の定めがあるものは,その名において訴え,又は訴えられる
ことができる旨規定しているところ,判例上,任意組合であっても同
条により訴訟上の当事者能力を認めることができると解されている
(最高裁昭和34年(オ)第130号同37年12月18日第三小法
廷判決・民集16巻12号2422頁等参照)。
そうであるとすれば,任意組合又は人格のない社団(権利能力のな
い社団)であっても,その権利義務のためにその名において訴訟当事
者になり得るから,被告基準③に該当するものといわざるを得ない。
(エ)以上によれば,被告基準①~③は,法人と法人でない団体(事業体)
とを明確に区別する基準とすることはできず,被告の前記(ア)の主張を採
用することはできない。
オ原告らの主張について
(ア)他方,原告らは,外国の事業体が我が国の租税法上の外国法人として
取り扱われるためには,外国法人(法人税法2条4号,所得税法5条4
項)に該当する必要があり,これに該当するというためには,民法36
条1項に従い,同項の外国法人であって,商事会社に該当するものとし
て,認許されるものでなければならないと解すべきである旨主張する。
(イ)しかしながら,そもそも,本件で問題とされているのは,本件各LP
Sが事業から生じる損益により構成される所得の帰属主体となり得る団
体(事業体)としての,我が国の租税法上の「法人」に当たるか否かで
あって,外国法人を我が国において法人として活動し得る法人格の主体
として承認するかどうかという認許の問題は直接関係するものではない。
また,①我が国の租税法は,「外国法人」を内国法人(国内に本店又
は主たる事務所を有する法人)以外の法人と定義しているから(前記ア
(ア)a参照),理論的には日本法に準拠して設立された法人でありながら
本店及び主たる事務所を国内に有しないものも(これが実在するかはと
もかく)外国法人として取り扱うことを排除していないといえる。これ
に対し,前述のとおり,民法36条にいう「外国法人」とは,外国の法
令に準拠して法人として成立した(すなわち,外国の法令に準拠して法
人格を付与された)団体をいうものと解され(前記ア(オ)b参照),上記
の「外国法人」とは異なる概念である。さらに,②現に,外国法人に
課せられる所得税の対象となる国内源泉所得(前記ア(ア)a,c参照)に
は,例えば,外国法人が支払を受ける日本の国債等の利子(所得税法1
78条,161条4号イ)のように,日本国内において(私法上の権利
義務を生じる)事業や取引等を行うことを前提としないものも含まれて
いるのに対し,民法36条は,前記のとおり,外国の法令に準拠して法
人として成立した団体について我が国において法人として活動し得る法
人格の主体として認めるかどうかに関するものである(前記ア(オ)b参
照)。
これらの点を総合すれば,我が国の租税法上の外国法人が民法36条
1項により認許される外国法人に限定されると解することはできないと
いうべきである。
(ウ)したがって,原告らの前記主張は,独自の見解を前提とするものとい
わざるを得ないから,その余の点を検討するまでもなく,採用すること
ができない。
カ小括
そうすると,本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該当するか否か
については,被告基準及び原告らの主張する基準のいずれも採用すること
ができず,結局前記ウの観点からこれを検討せざるを得ない。そして,前
提事実及び証拠(乙4,36)によれば,本件各LPSは,州LPS法そ
の他のデラウェア州の法律に準拠する本件各LPS契約(特に後記(2)イ
(ネ)参照)に基づいて組成されたものであると認められるから,この点につ
いて主として州LPS法の規定内容に照らして検討すべきこととなる。
そこで,以下では,まず州LPS法及び本件各LPS契約の概要を明ら
かにした上(後記(2)),これに従って上記の点を検討すること(後記(3))
とする。
(2)州LPS法及び本件各LPS契約の概要
前記前提事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,州LPS法及
び本件各LPS契約の概要は,次のとおりであると認められる。
ア州LPS法の概要(甲84,111,乙25,90)
なお,訳語について当事者間に争いがあるものは,本文に原語及び被告
主張の邦訳を記載し,原告ら主張の邦訳を注記した。
(ア)定義
aジェネラル・パートナーとは,パートナーシップ契約に基づきLP
Sのジェネラル・パートナーとして認められ,かつ,LPS証明書又
は(必要とされる場合には)LPSの成立のよりどころになる類似の
法律文書で指名された者を意味する(101条(5))。
bリミテッド・パートナーとは,301条に基づき,LPSのリミテ
ッド・パートナーと認められた者を意味する(101条(8))。
cLPSとは,デラウェア州法の下で2人以上の者によって組織され,
かつ,1名以上のジェネラル・パートナーと1名以上のリミテッド・
パートナーで構成されたLPSを意味し,更にデラウェア州法の下で
は,リミテッド・ライアビリティ・リミテッド・パートナーシップを
含むものとする(101条(9))。
dパートナーとは,リミテッド・パートナー又はジェネラル・パート
ナーを意味する(101条(11))。
eパートナーシップ契約とは,LPSの業務及び営業に関するパート
ナー全員の書面又は口頭による合意を意味する(101条(12))。
fパートナーシップ持分(PartnershipInterest)とは,LPSの損
益に対して各パートナーが保有する持分及びLPSの資産(partners
hipassets)の分配を受ける権利をいう(101条(13))。
g者(Person)とは,自然人,(無限責任又は有限責任を問わない。)
パートナーシップ,LLC,信託,財団,社団(corporation),企業,
受託者,受取人又はその他の個人若しくはエンティティ(entity)で
あって本人又はその代理人の資格を有するものを意味する。(101
条(14))。
(イ)訴状・召喚状の送達
LPSに対する訴状・召喚状は,LPSの経営代理人,総代理人若し
くはジェネラル・パートナー等に対して直接写しを手渡すことにより,
又は,これらの者のデラウェア州内の住居等に送付することにより,送
達されたものとみなされる(105条(a))。
(ウ)認可事業の性格及び権限
aLPSは,デラウェア州法第8編コーポレーション法の126条に
規定されている保険担保権を発行する事業,保険リスクを引き受ける
事業及び銀行業を除き,営利目的か否かを問わず,いかなる合法的な
事業,目的又は活動をも実施することができる(106条(a))。
bLPSは,本章(デラウェア州法第6編第17章,すなわち州LP
S法。以下同じ。)若しくはその他の法律又は当該LPSのパートナ
ーシップ契約により付与された全ての権限及び特権並びにこれらに付
随するあらゆる権限(当該LPSの事業,目的,活動の実行,促進及
び達成のために必要又は好都合な権限や特権を含む。)を保有し,そ
れを行使することができる(106条(b))。
(エ)LPS証明書
aLPSを設立するためには,1名以上の者(persons)(ジェネラル・
パートナーの合計数を下回らない数とする。)がLPS証明書を履行
(作成・登録の意味と解される。)しなければならない。LPS証明
書には次の事項を記載し,州務長官登録局に登録するものとする(2
01条(a))。
(a)LPSの名称
(b)登録された事務所の所在地及び本編の104条によって記載が義
務付けられている訴状・召喚状の送達のための登録代理人の名称及
び住所
(c)各ジェネラル・パートナーの名称,事務所若しくは居住地の住所
又は郵送用の住所
(d)パートナー全員がLPS証明書に記載するものと決定したその他
の事項
bLPSは,最初のLPS証明書が州務長官登録局に登録された時点
又はLPS証明書に記載された(当該登録後の)日付にて設立される
(formed。注1)ものとし,いずれの場合においても,本項の要件を
完全に満たすものでなければならない。本章に基づき組織されたLP
Sは,独立した法的主体(separatelegalentity。注2)となり,そ
の独立した法的主体(separatelegalentity)としての地位は,当該
LPSのLPS証明書が解除されるまで継続する(201条(b))。
(注1)原告主張の邦訳は「組成される」である。
(注2)原告主張の邦訳は「セパレート・リーガル・エンティティ」で
ある。
cLPS証明書が州務長官登録局に登録されているという事実は,当
該パートナーシップがLPSであることを通告するものであるととも
に,本編の201条(a)(1)~(3)(上記a(a)~(c))及び202条(f)
においてLPS証明書への記載が義務付けられている全ての事実並び
に本編の218条(b)においてLPS証明書への記載が認められてい
る事実が記載されているということを通告するものである(208条)。
(オ)リミテッド・パートナーの資格付与
LPSの設立(theformation)に関連し,主体(person)は,次の事
象のうちいずれか遅い方が発生した時に,LPSのリミテッド・パート
ナーとしての資格を付与される(301条)。
aLPSの設立(theformation)。
bパートナーシップ契約に規定された日時。パートナーシップ契約に
規定されていない場合には,LPSの記録に当該者(person)への資
格付与が記載された時。
(カ)リミテッド・パートナーの第三者に対する責任
リミテッド・パートナーは,自己がジェネラル・パートナーでもある
場合又はリミテッド・パートナーとしての権利や権限の行使に加えて当
該事業の経営管理に関与している場合を除き,LPSの債務を弁済する
責任を負わない。ただし,リミテッド・パートナーが事業の経営管理に
関与する場合でも,リミテッド・パートナーの行為に基づきリミテッド・
パートナーがジェネラル・パートナーであるものと合理的に信じてLP
Sと取引をした者に対してのみ,責任を負う(303条(a))。
(キ)ジェネラル・パートナーの一般的な権限と責任
a本章又はパートナーシップ契約で規定されている場合を除き,LP
Sのジェネラル・パートナーが有する権利や権限には,1999年7
月11日時点で有効なデラウェア州統一パートナーシップ法(199
9年改正前の州GPS法)に規定されるパートナーシップのパートナ
ーに対する制限が適用される(403条(a))。
b本章で規定されている場合を除き,LPSのジェネラル・パートナ
ーは,1999年7月11日時点で有効なデラウェア州統一パートナ
ーシップ法(1999年改正前の州GPS法)に準拠するパートナー
シップにおけるパートナーとしての責任を当該パートナーシップ以外
又は他のパートナー以外の者ら(persons)に対して有する(403条
(b)前段)。
(ク)損益の分配
LPSの損益は,パートナーシップ契約の規定に従い,パートナー並
びにパートナーのクラス及びグループの間で割当てが行われる(shall
beallocated)。パートナーシップ契約にその定めがない場合,損益は,
各パートナーによって拠出された出資(LPSによって受領され,かつ
返還されていないものに限る。)に関して(当該LPSの記録上の)合
意された価額に基づき割当てが行われる(shallbeallocated)(50
3条)。
(ケ)ジェネラル・パートナーの脱退
ジェネラル・パートナーは,パートナーシップ契約で特定されている
事象の発生時に,パートナーシップ契約に基づきLPSから脱退するこ
とができる。パートナーシップ契約は,ジェネラル・パートナーがLP
Sのジェネラル・パートナーとしての地位から脱退する権利を有しない
と規定することもできる。しかしながら,パートナーシップ契約におい
てLPSのジェネラル・パートナーがその地位から脱退する権利を有し
ないと規定されている場合でも,ジェネラル・パートナーは,他のパー
トナーに書面による通知を行うことにより,いつでもLPSから脱退す
ることができる。ジェネラル・パートナーの脱退がパートナーシップ契
約の違反となる場合,準拠法の下で適用される救済策に加え,LPSは,
脱退するジェネラル・パートナーからパートナーシップ契約の違反に係
る損害賠償を受けることができ,当該損害賠償金によって脱退するジェ
ネラル・パートナーへの配当額を相殺することができる(602条)。
(コ)リミテッド・パートナーの脱退
リミテッド・パートナーは,パートナーシップ契約に特定された事象
の発生時にのみパートナーシップ契約に基づきLPSから脱退すること
ができる。準拠法の下で別段の定めがある場合においても,パートナー
シップ契約に別段の定めがある場合を除き,リミテッド・パートナーは,
LPSの解散や清算前にLPSから脱退してはならない。準拠法の下で
別段の定めがある場合においても,パートナーシップ契約は,パートナ
ーがLPSに対する自己の持分をLPSの解散や清算前に譲渡すること
を禁止することができる(603条)。
(サ)脱退時の配当
脱退するパートナーは,本節に規定されている場合を除き,パートナ
ーシップ契約に基づき受領資格のある配当を脱退時に受領することがで
き,当該パートナーは,パートナーシップ契約に別段の定めがある場合
を除き,脱退後の合理的な期間内において,当該パートナーのLPSに
対するパートナーシップ持分の脱退日における公正価額を,LPSから
の配当の分配を受ける権利に基づき,LPSから受領することができる
(604条)。
(シ)パートナーシップ持分の性質
パートナーシップ持分は,動産(personalproperty)である。パート
ナーは,特定のLPS財産(specificlimitedpartnershipproperty)
に対していかなる持分も所有しない(701条)。
(ス)パートナーシップ持分の譲渡
当該パートナーシップ契約に別段の定めがある場合を除き,①パー
トナーシップ持分は,その全部又は一部を譲渡することができ,②パ
ートナーシップ持分の譲渡は,LPSの解散や譲受人がパートナーとな
ったりパートナーの権利・権限を行使したりする資格を得るということ
を示すものではなく,③パートナーシップ持分の譲渡により,譲受人
はその損益に対する持分を有し,配当を受領し,収益,利益,損失,控
除,債権等に関して,譲受人による保有が認められているものについて
保有が認められている程度の割当てを受けることができる(702条
(a))。
(セ)譲受人がリミテッド・パートナーとなる権利
aパートナーシップ持分の譲受人(ジェネラル・パートナーの譲受人
を含む。)は,以下のいずれかの条件を満たした場合,リミテッド・
パートナーになることができる(704条(a))
(a)パートナーシップ契約にその旨規定されている場合
(b)全てのパートナーが同意した場合
bリミテッド・パートナーとなった譲受人は,譲渡された範囲におけ
る権利・権限を有し,パートナーシップ契約及び本章に規定されるリ
ミテッド・パートナーの責任・制限が適用される(704条(b))。
(ソ)裁判所の決定によらない解散
LPSは,以下のいずれかの事由等が発生した時点で解散し,その事
業は清算されるものとする(801条)。
aパートナーシップ契約に規定された日時。当該日時がパートナーシ
ップ契約で規定されていない場合,LPSは永続的な存在(aperpet
ualexistense。注)となる。(801条(1))
bパートナーシップ契約に別段の定めがある場合を除き,
LPSの
ジェネラル・パートナー全員及びLPSのリミテッド・パートナー
又はリミテッド・パートナーの複数のクラス若しくはグループが存在
する場合にはそのクラス別若しくはグループ別の賛成投票若しくは書
面による同意がある場合(801条(2))
cジェネラル・パートナーが脱退した場合(ただし,脱退の時点で別
のジェネラル・パートナーが少なくとも1名存在し,残存するジェネ
ラル・パートナーによって事業が続行されることがパートナーシップ
契約で認められ,当該パートナーがその続行を行う場合等を除く。)
(801条(3))
dリミテッド・パートナーが存在しなくなった場合(ただし,最後の
リミテッド・パートナーが脱退する原因となった事象の発生時より90
日以内又はパートナーシップ契約で定められた期間内に,最後のリミ
テッド・パートナーの代理人及び全てのジェネラル・パートナーが,
書面又は投票により,LPSの事業を継続することに同意し,最後の
リミテッド・パートナーが脱退する原因となった事象の発生日をもっ
て当該リミテッド・パートナーの代理人,被任命者又は被指名者を当
該LPSのリミテッド・パートナーとして迎え入れることに同意した
場合等の条件を満たした場合を除く。)(801条(4))
(注)原告の邦訳は「期限の定めのないもの」とする。
(タ)裁判所の決定による解散
パートナーシップによる申立て又はパートナーのための申立てに基づ
き,衡平裁判所は,パートナーシップ契約を遵守した形での事業継続が
合理的に不可能であると判断した場合,当該LPSを解散する旨の判決
をすることができる(802条)。
(チ)パートナーシップ契約の構築と適用
契約における自由原則及びパートナーシップ契約の執行可能性に最大
限の効果を与えるのが本章の狙いである(1101条(c))。
(ツ)州GPS法等の準用
本章に規定されていないいかなる事例も,1999年7月11日時点
で有効な(ineffect)デラウェア州統一パートナーシップ法(1999
年改正前の州GPS法),コモン・ロー及び衡平法(商事法を含む。)
に準ずるものとする(1105条)。
イ本件各LPS契約の概要(乙4,36)
なお,本件LPS契約(C)及び本件LPS契約(P)の内容はほぼ同
様であるので,本件各LPS契約をまとめて記載し,相違する部分のみ,
注記を付することとした。また,訳語について当事者間に争いがあるもの
は,本文に原語及び被告主張の邦訳を記載し,原告ら主張の邦訳を注記し
た。
(ア)前文
a本件LPS契約(C)
本件LPS契約(C)は,2000年12月19日に,本件GP(C)
をジェネラル・パートナーとし,本契約又は本契約の副本に署名する
各個人をリミテッド・パートナーとして,本件建物(C)に投資する
目的で,州LPS法に基づきLPSを設立するために締結された。以
下に定める事項及び相互の合意を約因とし,パートナーは,以下に定
める条件で,州LPS法その他適用の法律に従って運営されるパート
ナーシップを設立することに同意し,これを設立する。
b本件LPS契約(P)
本件LPS契約(P)は,2002年3月28日に,本件GP(P)
をジェネラル・パートナーとし,本契約又は本契約の副本に署名する
各個人をリミテッド・パートナーとして,本件建物(P)に投資する
目的で,州LPS法に基づきLPSを設立するために締結された。以
下に定める事項及び相互の合意を約因とし,パートナーは,以下に定
める条件で,州LPS法その他適用の法律に従って運営されるパート
ナーシップを設立することに同意し,これを設立する。
(イ)本件各LPSの設立(Formation。注)(1.1条)
本件各LPSは,LPS証明書(本件各GPに代わり,本件各GPが
正式に任命した代理人P30(KevinLutz)が作成。当該任命は本契約
により確認されている。)をデラウェア州事務局に提出することにより,
州LPS法に従い,デラウェア州のLPSとして設立された(formed。
注)。
(注)原告らの邦訳は「Formation」を「組成」,「formed」を「組成さ
れた」とする。
(ウ)本件各LPSの目的(1.3条)
本件各LPSは,本件各不動産の購入,取得,開発,保有,賃貸,管
理,売却その他の処分の目的のみのために設立され(organized。注),
当該目的を実施するために必要又は便宜的な範囲で次の権限を有する。
a本件各不動産の購入,取得,開発,保有,賃貸,管理,売却その他
の処分
b銀行口座の開設及び維持並びに支払のための小切手その他為替の振
出し
c必要又は望ましいと考えられる条件で,随時,金額又は支払方法及
び支払時期の制限なく金員を借り入れ,又は約束手形その他の流通性
のある証券若しくは流通性のない負債証書の発行,受領,裏書及び作
成をすること,本件各LPSの財産の全部又は一部を担保に供し,差
し入れ,委譲し,又は譲渡することによって上記借入れ等及びその利
息の支払を所有時か取得後かにかかわらず保証すること並びに本件各
LPSに関する当該証券及び負債証書を売却し,担保に供し,その他
処分すること。
d第三者に対する請求について訴訟を提起し,提起され,解決し又は
和解し,本件各LPSに対する請求について解決し又は和解し,それ
らに関連して必要又は望ましいと考えられる書類の作成,意思表示,
許可及び権利放棄を行うこと。
e独立した弁護士,会計士,その他上記の目的に関連して必要又は望
ましいと考えられる者の雇用。
fその他上記事項を達成するために必要,適切又は便宜的な活動及び
取引を行い,契約その他の約定を締結し,作成し,実施すること。
(注)原告らの邦訳は,「organized」を「組成され」とする。
(エ)本件各LPSの存続期間(1.4条)
a本件LPS契約(C)
本件LPS(C)は,①2035年12月31日又は②本件LPS
(C)の現金以外の資産の全ての売却その他の処分により得られた収
益の最終支払を本件LPS(C)が現金で受領した日のいずれか早い
方の時まで継続する。
b本件LPS契約(P)
本件LPS(P)は,①2037年12月31日又は②本件LPS
(P)の現金以外の資産の全ての売却その他の処分により得られた収
益の最終支払を本件LPS(P)が現金で受領した日のいずれか早い
方の時まで継続する。
(オ)パートナーの性質及び責任(1.5条)
契約,不法行為その他により生じたかを問わず,本件各LPSの負債,
債務及び義務は本件各LPSの単独の負債,債務及び義務であり,リミ
テッド・パートナーは,リミテッド・パートナーであるという理由のみ
で本件各LPSの負債,債務又は義務について個人的に責任を負わない。
(カ)一般的な管理(2.1条)
本件各LPSの管理及び運営は,本件各GPに独占的に権利を付与さ
れる。本件各GPは,これにより,本件各LPSに代わり又は本件各L
PSの名で,1.3条に定める本件各LPSの目的の全てを実施する権
限を有する。
リミテッド・パートナーは,本件各LPS契約に定める場合を除き,
本件各LPSの管理又は運営に参加してはならず,いかなる事項に関し
ても,本件各LPSに代わって又は本件各LPSの名で行為する権限又
は権利を有しない。
(キ)解任(2.6条)
本件各GPは,その時点でリミテッド・パートナー全員が有するパー
トナーシップ持分の80%を超える持分を有するリミテッド・パートナ
ーの賛成又は同意により,正当な理由によって解任される。
(ク)不動産投資及び資産等の登録(2.7条)
本件各LPSが行う全ての不動産投資その他所有する資産は,本件各
LPSの名又は本件各GPが随時決定できる名義人の名で登録される。
(ケ)本件各GPに対する管理報酬(3.3条)
本件各LPSは,本件各GPに対し,本件各LPSの管理・運営につ
いて(本件LPS(C)は毎月4025ドル,本件LPS(P)は月1
310ドル)の管理報酬を支払う。管理報酬は,本件各土地賃貸借契約
に従い,本件各土地賃貸借契約に定める優先順位で支払う。本件各LP
Sが当該管理報酬を支払う十分なキャッシュフローがない場合,未払の
報酬は,当該未払報酬を支払う十分な資金があると本件各GPが判断す
る時まで繰り越される。ただし,本件各LPSは,本件各LPSが解散
した時点で未払となっている繰延管理報酬については,本件各LPSが
当該繰延管理報酬全てを支払うための十分なキャッシュフローがない範
囲で,責任を負わず,支払う義務を負わない。3.3条に従って支払う
管理報酬は,内国歳入法707条に従った本件各LPSの費用として扱
われ,州LPS法607条の限度が適用される分配とすることを意図す
るものではない。
(コ)出資(4.2条~4.5条)
a本件各GPは,本件各LPSの資本に当初の出資をする必要はない。
リミテッド・パートナーはそれぞれ,本件各LPSの資本に対し,別
紙A(各パートナーごとに名称,資本出資,パートナーシップ出資割
合を順次記載したもの)のそれぞれの名の隣に記載された金額を「資
本出資」として出資する(4.2条)。
b4.2条の定めを除き,リミテッド・パートナーは,本件各LPS
への追加出資をする必要はない(4.3条)。
cパートナーが本件各LPSの資本に対して出資した全ての出資金の
合計及び本件各LPSの分配されない純利益は,本件各LPSの目的
を実施するために本件各LPSが利用できる(4.4条)。
dパートナーは,別紙Aのそれぞれの名の隣に記載されたパートナー
シップ出資割合を有する。各パートナーは,本件各LPSの資産に,
そのパートナーシップ出資割合に相当する不可分の持分(undivided
interest)を有する(4.5条)。
(サ)分配(4.6条)
a本件LPS契約(C)
(a)税金分配
本件LPS(C)は,本件GP(C)の単独で絶対的な裁量によ
り,各会計年度の3月30日までに各パートナーに対して次と同額
の分配を行うことができる。(i)本件LPS(C)の前会計年度に,
4.7条その他の条項に基づいて当該パートナーに対して割り当て
られた所得,利益その他の項目の正味金額に(ii)40%を掛けた
金額。
(b)裁量分配
本件LPS(C)は,本件GP(C)の単独で絶対的な裁量によ
り,パートナーに対し,随時,現金の分配を行うことができる。4.
6条(b)に従う現金分配は,パートナーのそれぞれのパートナーシッ
プ出資割合に応じて行われる。本契約に定めるものを除き,パート
ナーは,資本出資又は収益の分配を要求したり,受領する権利を有
しない。
b本件LPS契約(P)
(a)税金分配
本件LPS(P)は,本件GP(P)の単独で絶対的な裁量によ
り,各会計年度の3月30日までに各パートナーに対して次と同額
の分配を行うことができる。(i)本件LPS(P)の前会計年度に,
4.7条その他の条項に基づいて当該パートナーに対して割り当て
られた所得,利益その他の項目の正味金額に(ii)40%を掛けた
金額。
(b)裁量分配
本件LPS(P)は,本件GP(P)の単独で絶対的な裁量によ
りパートナーに対して随時,現金の分配を行うことができる。本件
LPS契約(P)に定めるものを除き,4.6条(b)による現金の出
資は,次の優先順位に従って分配されるものとする。
①第1に,本件LPS(P)に非強制の追加出資を行ったパート
ナー間で,該当するパートナー全員の未収の累積優先利益の総額
に対して各パートナーが負担する未収の累積優先利益と同じ割合
で,パートナーそれぞれが4.6条(b)(ⅰ)により当該分配を行
う直前での未収の累積優先利益に等しい金額を受け取るまで
②第2に,本件LPS(P)に非強制の追加出資を行ったパート
ナー間で,該当するパートナー全員の追加出資勘定の総額に対し
てパートナーそれぞれが負担する追加出資勘定の金額と同じ割合
で,各パートナーが4.6条(b)(ⅱ)によりパートナーそれぞれの
追加出資勘定における残高をゼロまで減少させるのに必要な金額
を受け取るまで
③第3に,パートナー間で,それぞれのパートナーシップ出資割
合に比例して分配する。
(シ)利益及び損失の割当て等(4.7条,4.8条,4.12条)
a本件LPS契約(C)
(a)会計年度の利益及び損失は,パートナーのそれぞれのパートナー
シップ出資割合に応じてパートナーに割り当てられる(4.7条,
4.8条)。
(b)本契約で別途定められていない限り,本パートナーシップの所得,
収益,損失及び控除の全ての項目のパートナーの分配持分は,利益
及び損失の分配持分と同じとする(4.12条(a))。
ゼネラル・パートナーは,内国歳入法706条及び規則で認めら
れた方法を使用して,期間に適切に割り当てられる利益,損失その
他項目を割り当てる(4.12条(b))。
b本件LPS契約(P)
(a)会計年度の利益及び損失は,パートナー間で以下のように割り当
てられるものとする(4.7条,4.8条。なお,①は,利益の割
合の規定を前提として損失の割当の規定では異なる点を括弧内に記
載している。)。
①第1に,各パートナーに対して,各パートナーの以前の損失割
合と同じ割合で順序は逆にして(各パートナーの以前の利益割合
に比例し順序は逆にして),当期及び以前の全期間に対して4.
7条(a)(4.8条(a))により割り当てられた累積利益(累積損
失)が,以前の全期間に対して4.8条(b)及び4.8条(c)(4.
7条(b)及び4.7条(c))により各パートナーに割り当てられた
累積損失(累積利益)に等しくなるまで。
②【利益の割合。4.7条(b)】
第2に,各パートナーに対して,4.7条(b)により該当するパ
ートナーに以前に割り当てられた累積利益の総額に対して当該パ
ートナーの未収の累積優先利益を超過した分に等しい(それによ
り少ない場合はそれに応じて按分比例した)金額
【損失の割当。4.8条(b)】
第2に,各パートナーに対して,当該パートナーの資本勘定の
プラス残高があればその超過分に等しい金額(マイナスの場合は
それに比例して按分する。)
③その後,パートナーに対して,それぞれのパートナーシップ出
資割合に比例して按分する。
(b)本契約で別途定められていない限り,本パートナーシップの所得,
収益,損失及び控除の全ての項目のパートナーの分配持分は,利益
及び損失の分配持分と同じとする(4.12条(a))。
ゼネラル・パートナーは,内国歳入法706条及び規則で認めら
れた方法を使用して,期間に適切に割り当てられる利益,損失その
他項目を割り当てる(4.12条(b))。
(ス)本件各GPによるその他の決定事項(4.9条)
本件各LPS契約を解釈する上で必要な範囲で,本件各GPは,全て
の目的のために,合理的な慣例を適用する完全かつ絶対的な裁量を有す
る。本件各GPによる当該決定は,最終的なもので,パートナーを拘束
する。
(セ)新規パートナー(5.2条)
GPは,7条に適合する代替リミテッド・パートナー以外の追加のリ
ミテッド・パートナーを承認する権限を有しない。
(ソ)本件各LPSからの脱退(6.1条,6.2条)
aリミテッド・パートナーは,本件各LPSから脱退する権利を有す
る。ただし,本件各GPの単独かつ絶対的な裁量による同意がある場
合に限られる。本件各GPがリミテッド・パートナーの脱退に同意し
た場合,当該リミテッド・パートナーは,脱退時に,パートナーシッ
プ持分を脱退した日時点での公正価格で受け取る権利を有する。
b本件各GPは,本件各LPSから脱退する権利を有しない。
(タ)パートナーシップ持分の譲渡(7.1条,7.2条)
a本件各GPは,本件各LPSの持分の全部又は一部を売却したり譲
渡してはならず,いかなる方法によっても処分したり授けてはならず,
又は授与を許してはならず,担保権を設定してはならない。
bリミテッド・パートナー(受益者ではないもの)は,本件各GPの
それぞれ単独で絶対的な裁量に基づく書面による同意がない限り,当
該リミテッド・パートナーのパートナーシップ持分の全部又は一部を
売却したり譲渡してはならず,いかなる方法によっても処分したり授
けてはならず,又は授与を許してはならず,担保権を設定してはなら
ない。
(チ)リミテッド・パートナーの代替(7.5条。ただし,本件LPS契約
(P)においては7.4条)
パートナーシップ持分のいかなる譲受人も,(ⅰ)譲受人が譲渡関連文
書に本件各LPS契約の条件に拘束される意図を表明し,かつ,(ⅱ)本
件各GPがその代替に同意しない限り,代替リミテッド・パートナーと
なる権利を有しない。
(ツ)入会金等(7.6条)
ジェネラル・パートナーが7.2条又は7.5条(ただし,本件LP
S契約(P)においては7.4条)のいずれかに従ってリミテッド・パ
ートナーのパートナーシップ持分の譲渡若しくは移転又は代替に同意し
た場合,
a当該リミテッド・パートナー(LP)のパートナーシップ持分(P
S持分)の譲渡人等は,当該譲渡又は代替を有効にするために生じた
弁護士費用その他の費用について本件各LPSに払い戻し,当該パー
トナーシップ持分(PS持分)の購入価格の3%に相当する仲介手数
料をジェネラル・パートナー(GP)に支払い,
b当該リミテッド・パートナー(LP)のパートナーシップ持分(P
S持分)の譲渡人又は譲受人は,P31銀行株式会社又はその関連会
社に手数料として当該パートナーシップ持分(PS持分)の買取価格
の10%に相当する額を支払う。
(テ)本件各LPSの終了(8.1条)
本件各LPSは,次のいずれかの事由が最初に発生した場合に終了す
る。
a本件各GPの解散((a))
b本件各GPによる本件各LPSを解散すべきとの決定((b))
c1.4条に定める本件各LPSの期間の終了((c))
d適用法令に基づいて本件各LPSの終了となる事由の発生((d))
(ト)清算(8.2条)
本件各LPSが終了したときは,本件各GPが(8.1条(a)に従って
本件各LPSが終了した場合には,リミテッド・パートナー(LP)の
パートナーシップ出資割合の過半数により選任された清算受託者が),
①本件各GP(又は清算受託者)が必要又は望ましいと考える本件各
LPSの現金以外の資産を現金化し(本件LPS契約(C)においては,
さらに,②4.1条に従ってパートナーの資産勘定を確定した上),
③次の方法及び順序で本件各LPSの資産から次の措置及び分配を行
う。
a本件各GP(又は清算受託者)が,パートナーではない本件各LP
Sの債権者の全ての請求に係る債務を支払い,消滅させ,本件各LP
Sの偶発債務又は予測不能な負債若しくは債務の補填に必要又は対応
可能と考える準備金を設定する。ただし,偶発債務がなくなり,現金
その他資産がある場合は特別準備金は8.2条(c)に定めるとおり分配
される((a))。
bパートナーである本件各LPSの債権者全ての請求に係る債務を按
分して支払い,消滅させる((b))。
c4.6条(b)に従い,資産の残りをパートナーに支払い,分配する
((c))。
(ナ)分配の方法(8.3条)
8.2条(a)及び(b)に従って行われる分配は,現金のみで行われる。
8.2条(c)に従って行われる分配は,本件各GP(又は本清算受託者)
が決定するとおり,現金若しくはその他資産又はその両方で行うことが
できる。
(ニ)決定事項の拘束力(9.8条)
本件各GPが会計事項に関連して行う決定は,最終的なものであり,
リミテッド・パートナー及びそのそれぞれの法定代理人を拘束する。
(ヌ)修正(10.2条)
本件各LPS契約は,ジェネラル・パートナー及びリミテッド・パー
トナーの持分の過半数によって署名した書面でされない限り,修正する
ことはできない。
(ネ)準拠法(10.7条)
本契約は,デラウェア州の法律(thelawsofthestatesofDelawa
re)に準拠し,それに従って解釈される。
(ノ)分割に対する権利の放棄(10.15条)
各パートナーは,当該パートナーが本件各LPSの資産に関連する分
割の訴訟を維持するために有する権利を本件各LPS期間中に取消不能
の条件で放棄するとともに,パートナーシップ会計のための訴状を提出
するなど他のパートナーや本件各LPSに対してそれに反するいかなる
方法の手続もしないことに同意する。
(3)本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該当するか否かの検討
ア前記(2)で認定した州LPS法の規定内容によれば,州LPS法上,州L
PS法に準拠して組成されたLPSが法人である(法人格を有する)旨を
明示的に定めた規定はないものの,①州LPS法に基づき組織されたL
PSは,独立した法的主体(separatelegalentity)となる旨の規定(2
01条(b))があり,これが当該LPSが法人である(法人格を有する)旨
の規定であるとする見解に沿う規定として,②LPSは,州LPS法若
しくはその他の法律又は当該LPSのパートナーシップ契約により付与さ
れた全ての権限及び特権並びにこれらに付随するあらゆる権限(当該LP
Sの事業,目的,活動の実行,促進及び達成のために必要又は好都合な権
限や特権を含む。)を保有し,それを行使することができ(106条(b)),
③パートナーは,特定のLPS財産(specificlimitedpartnershipp
roperty)に対していかなる持分も所有しない(701条)旨の規定等もあ
ることから,州LPS法201条(b)の規定をもって州LPS法に準拠して
組成されたLPSが我が国の租税法上の法人である(法人格を有する)旨
を定めたものといえるか否かを検討する。
イ州LPS法201条(b)の規定等が当該LPSを我が国の租税法上の法
人とする(法人格を有する)旨を定めたものであるか否かについて
(ア)州LPS法201条(b)の規定が州LPS法に準拠して組成されたL
PSが我が国の租税法上の法人である(法人格を有する)旨を定めたも
のというためには,前記(1)ウで述べたとおり,この規定が定める「sep
aratelegalentity」が我が国の租税法(私法)上の法人を意味する概
念であることが必要である。
(イ)そこで検討するに,日米租税条約の文言等に鑑みると,米国において,
我が国の租税法(私法)上の法人に相当する概念は「company」や「cor
poration」であり,我が国の租税法(私法)上の法人格を有するという
概念は「corporate」であると解することができる。
すなわち,①日米租税条約は後記のとおり「法人」に関する規定を
設けているが,同条約は,日本国政府と米国政府との間で,所得に対す
る租税に関し,二重課税を回避し,脱税を防止することを目的として締
結された条約であって,日本国については所得税及び法人税に適用され
るものであり(2条1項),我が国の所得税法及び法人税法を中心とす
る租税法の一環をなす法規範であるから,日米租税条約で用いられた法
概念は,その意義が我が国の所得税法や法人税法と異なることが留保さ
れているなどの特段の事情がない限り,所得税法及び法人税法上の概念
と同義であると解することができる。
そして,②一般に,租税法は第1次的には私法により規律される各
種の経済活動や経済現象を前提に課税要件等を定めるものであるから,
租税法が私法上の概念を特段の定義なく用いる概念は,租税法律主義(憲
法84条)や法的安定性の観点から,私法上の概念と同義に解すること
ができ,この点は租税法の一環をなす租税条約であっても同様であると
解されるところ,③殊に,租税条約は,各締結国の租税法規やその前
提となる私法上の法制度の異なることを考慮しつつ,各締結国の課税権
を調整し,国際的二重課税の回避等をしようとするものであって,各締
結国の公用語によりそれぞれ正文が作成されるものであるから,租税条
約の正文で同一概念を指すものとして用いられた各締結国の公用語によ
る概念は,特段の事情がない限り,同義であると解すべきである。
そこで,法人等の意義について日米租税条約の規定内容をみると,日
米租税条約3条1項(e)及び(f)並びに日米租税条約の議定書2項が下記
のとおり規定していること(なお,下線部が該当部分である。)に照ら
すと,①我が国の租税法(私法)上の「法人」という概念に該当する
米国の概念は「company」であり,②我が国の租税法(私法)上の「法
人格を有する」という概念に該当する米国の概念は「corporate」である
のに対し,③米国の「entity」という概念は我が国における租税法(私
法)上の「団体」という概念に相当し,④米国の「partnership」とい
う概念は,我が国における租税法(私法)上の「法人」に含まれないこ
とを認めることができる。

日米租税条約
第3条
1この条約の適用上,文脈によ
り別に解釈すべき場合を除く
ほか,
(e)「者」には,個人,法人
及び法人以外の団体を含む。
(f)「法人」とは,法人格を
有する団体又は租税に関し
法人格を有する団体として
取り扱われる団体をいう。
ARTICLE3
1ForthepurposesofthisConve
ntion,unlessthecontextotherwis
erequires:
(e)theterm"person"includesa
nindividual,acompanyandanyot
herbodyofpersons;
(f)theterm"company"meansany
bodycorporateoranyentitythat
istreatedasabodycorporatedf
ortaxpurposes;
日米租税条約の議定書
2条約第3条1(e)に関し,「
法人以外の団体」には,遺産,
信託財産及び組合を含む。
2Withreferencetosubparagraph
(e)ofparagraph1ofarticle3o
ftheConvention,theterm"anyot
herbodyofpersons"includesane
state,trust,andpartnership
(ウ)我が国の租税法(私法)上の法人と同義である米国の概念等を上記(イ)
のように解すべきことは,次の諸点に鑑みても,その相当性を肯定する
ことができるというべきである。
a前提事実によれば,米国の財務省規則においても,連邦税の課税上,
ビジネス・エンティティ(businessentity)について,コーポレーシ
ョン(corporation)とパートナーシップ(partnership)に区分した
取扱い(前者については事業体課税,後者については構成員課税)を
定めており,コーポレーションとされるものとして,連邦又は州の制
定法に基づき組織されたビジネス・エンティティで,その法律がその
事業体をインコーポレイティド(incorporated)として,又はコーポ
レーション,ボディ・コーポレート(bodycorporate)として記述し,
言及するもの(財務省規則301.7701-2(a),(b))が定められており,
それ以外のビジネス・エンティティで2人以上の構成員を有するもの
は,コーポレーションとしての課税を選択しない限り,パートナーシ
ップとして構成員課税(当該事業体は納税義務者とならない。)がさ
れるものとされている。
また,証拠(甲65)によれば,米国の連邦民事訴訟法においても,
団体が訴え又は訴えられる能力について,①コーポレーション(corp
oration)と②パートナーシップ(partnership)その他の法人格なき
団体(otherunincorporatedassociation)とで分けて規律している。
このように,米国の他の法令においても,①法人をコーポレーシ
ョン(corporation),インコーポレイティド(incorporated)やボデ
ィ・コーポレート(bodycorporate)とし,②法人格のない団体の
典型としてパートナーシップ(partnership)を掲げている。
b我が国の英米法に関する文献においても,米国の州法に基づくLP
Sが「法人」ではない旨の記述がされているものが多く(①英米法辞
典(甲38[202頁]),②林良平・前田達明編「新版注釈民法(2)」
[木南敦執筆部分](甲4[64頁]),③江頭憲治郎「株式会社第
2版」(甲9),④上柳克郎・鴻常夫・竹内昭夫編「新版注釈会社法(1)」
[竹内昭夫執筆部分](甲14)),特に上記①は「corporation」,
「bodycorporate」を法人としており,他方,税務当局の実務家又は
その経験者の税務関係の著作にも,米国の州法に基づくLPSが「法
人」ではない旨の記述がされているものがある(⑤遠藤克博(執筆当
時・税務大学校研究部教育官)「企業の海外投資をめぐる会計監査と
税務調査の接点」-外国パートナーシップに係る組合型所得計算方式
の問題点を中心に-(甲27[141頁]),⑥長谷部啓(執筆当時・
前税務大学校研究部教授)「パス・スルー課税のあり方」(甲75[資
料3]))。
c証拠(甲16,25,26,乙92~96)によれば,①平成1
2年4月28日開催の第6回政府税制調査会法人課税小委員会におい
て,大蔵省(現財務省)主税局提出の平成12年4月小委員会討議用
資料(甲26)に「日米における事業体に係る課税上の取扱い」とし
てGPSやLPSが法人格のないもの代表例として分類・明記される
とともに,パートナーシップが非法人の事業組織体(unincorporated
organization)であると明記され,これを踏まえて議論された結果,
②同年7月14日に政府税制調査会から内閣総理大臣に提出された
平成12年7月政府税調中期答申(甲25)において,主として,G
PSやLPSについて,「わが国の税制では,外国の事業体がその外
国において私法上「法人」とされているかどうかにより,法人課税の
対象とするかどうかを判断していますが,外国の多様な事業体の中に
は,その本国において私法上「法人」とはされないものの,自己の名
前で取引をしているなど,その実態を見れば法人税の課税対象とする
ことがふさわしいものもあると考えられます。」とした上で,これら
が我が国の租税法上「法人」に当たらないことから生起する課税上の
諸問題を解消するためのルール作りを行うことが提言されたこと,③
本件措置法特例は,平成17年に,任意組合の事業から生ずる損失
を利用した租税回避行為を防止するために制定されたが,任意組合を
利用して航空機リース事業を行うような租税回避行為に対応するため
であれば必要がないはずの
外国における民法第667条1項に規
定する組合契約又は投資事業有限責任組合契約に関する法律3条1項
に規定する投資事業有限責任組合契約に類する契約,外国における
有限責任事業組合契約(有限責任事業組合契約に関する法律第3条1
項に規定する有限責任事業組合契約をいう。)に類する契約までその
適用対象としており,財務省主税局の本件措置法特例の立案担当者が
執筆した解説(甲16)においても,上記
及びの代表例として,
米国におけるGPSやLPSが掲げられていること(ただし,パート
ナーシップ契約の中にも,その事業体の個々の実態等により外国法人
と認定されるケースもあるとの記述もされている。)が認められる。
これらの事実に照らすと,課税当局は,GPS及びLPSが原則と
して我が国の租税法上の法人に該当しないとの認識の下に,本件措置
法特例の制定に至ったものと推認することができる(以上の認定に反
する被告の主張は,上記説示に説示した事実に照らして理由がなく,
採用することができない。)。
d前提事実によれば,原告らに対する本件各処分に係る審査請求に係
る国税不服審判所長の裁決も,本件各LPSが法人には該当しない旨
の判断を示していた。
eなお,①平成16年法律第34号による改正前の中小企業等投資
事業有限責任組合契約に関する法律(平成10年法律第90号。平成
16年法律第34号による一部改正により題名が「投資事業有限責任
組合契約に関する法律」に改正された。)は,米国の有限責任組合制
度を参考にした制度とされるが(甲10の1・2参照),同法に基づ
いて成立する組合は,「法人」とされておらず,また,②平成17
年には,共同で営利を目的とする事業を営むための組合契約であって,
組合員の責任の限度を出資の価額とするものに関する制度を確立する
ことにより,個人又は法人が共同して行う事業の健全な発展を図り,
もって,我が国の経済活力の向上に資することを目的とする有限責任
事業組合契約に関する法律(平成17年法律第40号)が制定され,
同法は,英米法におけるリミテッド・ライアビリティ・パートナーシ
ップ(LLP)をモデルにしているとの指摘がされている(甲12参
照)が,同法3条1項の有限責任事業組合契約によって成立した組合
(有限責任事業組合)も,「法人」とはされていない。
(エ)他方,州LPS法201条(b)の「separatelegalentity」という概
念については,次の諸点に照らすと,少なくとも我が国の租税法(私法)
上の法人という概念とは同一の概念であると認めることはできないとい
うべきである。
a「separatelegalentity」又は「entity」の用語等の州LPS法等
での使用状況
掲記の証拠によれば,州LPS法等において,「separatelegale
ntity」又は「entity」の用語等が次のとおり規定されていると認めら
れるが,本件全証拠によっても,これらの法律に「separatelegale
ntity」又は「entity」とされたものが「company」,「corporation」,
「bodycorporate」と同様に取り扱われる旨の規定等は認められない。
(a)州LPS法
1987年に開始した統一州法委員会全国会議(NCCUSL)
での1914年統一GPS法の修正の検討状況等を踏まえ,199
0年,州LPS法の改正が行われたが,同年改正後の州LPS法2
01条(b)は,「本章に基づき組成されたLPSは,「separatel
egalentity」となり,その「separatelegalentity」としての地
位はLPS証明書のLPSによる解除まで継続する」旨を規定して
いる。
(甲90,乙25)
(b)1994年改訂統一GPS法
1994年改訂統一GPS法201条(a)は「Apartnershipis
anentitydistinctfromitspartners.(パートナーシップは,そ
のパートナーとは別個の事業体(entity)である。)」旨を規定し
ている。
(甲42,90,乙82)
(c)州GPS法
1999年改正後の州GPS法(1999年7月12日施行)2
01条(a)は,「Apartnershipisaseparatelegalentitywhi
chisanentitydistinctfromitspartnersunlessotherwise
providedinastatementofpartnershipexistenceandinapa
rtnershipagreement.(パートナーシップは,パートナーシップ存
続証明書又はパートナーシップ契約で別途規定されない限り,パー
トナーとは別個の独立した「separatelegalentity」である。)」
を規定している。
(乙75,76)
(d)2001年改訂統一LPS法
2001年改訂統一LPS法104条(a)は,「Alimitedpart
nershipisanentitydistinctfromitspartners.(LPSは,
そのパートナーとは別個の事業体(entity)である。)」旨を規定
している。
(乙87)
(e)統一法人格なき非営利団体法(theUniformUnincorporatedNon
profitAssociationAct)
統一法人格なき非営利団体法では,①非営利団体(anonprofi
tassociation)は,その構成員から別個の「legalentity」である
と定められ,また,②法人格のない協同組合(acooperativeth
atisnotincorporated)は,不動産及び動産の取得,保有,担保
提供,及び移転の目的において,その構成員とは別個の「legalen
tity」であり,不動産又は動産の財産権又は持分を自らの名義によ
り取得,保有,担保提供,又は移転することができるとされている。
(甲67[393頁],68[287頁])
(f)デラウェア州法(DelawareCode)3801条(g)(2)
デラウェア州法(DelawareCode)3801条(g)(2)は,制定法上
の信託(Statutorytrust)とは,本節の3810条に従い信託証書
の届出がなされた法人格なき団体を意味する。かかる法人格なき団
体は組織前又は組織後において制定法上の信託であり,かつ「sepa
ratelegalentity」でなければならない旨を規定している。
(甲70)
b州LPS法の制定経緯等
掲記の証拠によれば,パートナーシップの概念や州LPS法の制定
経緯等に関して,次の点を指摘することができる。
(a)パートナーシップ,特にその原形であるGPSは,複数の者が,
営利の目的で金銭,労力等を出資して事業を行う契約関係として,
(当事者間の合意のみによっては成立しないコーポレーション(co
rporation)とは異なり,法律が適用された結果として成立するわけ
ではなく,)当事者間の合意のみによって成立し,当事者相互間の
契約に関するコモンロー上の権利にのみ依拠するものであり,本質
的に契約関係である。
そこで,GPSは,英米法のコモン・ローの下では,パートナー
から別個独立の事業体(entity)ではなく(別個の法律上の存在を
有さず),複数の人(者)からなるグループ内の契約そのものであ
って,単なるパートナーの集合体にすぎないとされ(集合体理論(a
ggregatetheory)),伝統的に,エイジェンシー(agency(代理))
の延長として,どの組合員も他の組合員の代理人であるという形で
把握されており,構成員から独立した法人格を有しないものとされ
てきた。
(英米法辞典(甲38),ハリー・G・ヘン=ジョン・R・アレ
キサンダー「コーポレーション及び他の事業体に関する諸法」(甲
54),アメリカ法大全第18巻(甲57),アメリカ法学全書第
2版第59A巻(甲60),アメリカ法大全第68巻(甲62),
ブラックの法律辞書第8版(甲61,乙101),アレン教授意見
書(甲90))
(b)これに対し,LPSは,元来,英米法(コモン・ロー)には存在
せず,大陸法に倣って,1907年に英国で,1916年に米国で
立法によって導入された制定法の産物とされている(英米法辞典(甲
38),アメリカ法学全書第2版第59A巻(乙86)参照)。
しかしながら,LPSに関する統一法である1916年統一LP
S法は,当初から,GPSに関する1914年統一GPS法と連結
され,1914年統一GPS法の適用を前提とするものとして提案
されたことから,LPSをもって,1916年統一GPS法及びリ
ミテッド・パートナーシップ契約で修正される点を除き,1914
年統一GPS法に基づくパートナーシップであって,そこに新たな
地位(リミテッド・パートナー)が導入されただけのものであると
規定している。このことからも明らかなように,LPSは,GPS
との連続性・同質性を有するものであり,無限責任を負うジェネラ
ル・パートナーに加えて有限責任のリミテッド・パートナーを導入
する点に主眼があるにすぎないといわれている(アレン教授意見書
参照)。
そして,以上の点は,州LPS法についても同様である。すなわ
ち,州LPS法は,①GPSに関するデラウェア州法である州G
PS法(1999年改正前のもの)と同一法典内の別章として定め
られ,当該州GPS法の多数の条文が準用されており(例えば,ジ
ェネラル・パートナーのパートナーシップ債務に関する連帯責任等
の権限及び責任に関する準用規定である州LPS法403条(a),
(b),一般的な準用規定である州LPS法1105条等),②州L
PS法1101条(c)において,州LPS法の方針が契約自由の原則
とパートナーシップ契約の執行可能性を最大限に尊重することであ
ることを明示的に規定されており(同条に関しては,同法の立法者
は,LPSの本質はパートナー間の契約・合意であるから,パート
ナーシップ契約をその条項に従い執行することが州LPS法の根本
的な方針であるべきものと結論付けていたとの解説(州LPS解説
書(甲41)参照)もある。),③LPSに係る事項及び事業の
運営に関するパートナー間の合意がリミテッド・パートナーシップ
契約(Partnarshipagreement)とされ(州LPS法101条(12)),
ジェネラル・パートナーの脱退が原則的な解散事由とされる(州L
PS法801条(3))など,LPSが本質的に契約であることを前提
とした条項が規定されていることなどに照らし,そのように解する
ことができる(州LPS解説書,アレン教授意見書参照)。
(甲38,41,90,乙86)
(c)前記(a)及び(b)によれば,州LPS法に基づいて組成されたLP
Sは,州GPS法に基づいて組成されたGPSがパートナーシップ
であるのと同じ意味においてパートナーシップである(すなわち,
本質的にその性質上パートナー間の契約関係である)から,コーポ
レーション(corporation)と同一の機能を有し,また,同義である
と解することはできないというべきである(なお,アレン教授意見
書,ラムザイヤー教授意見書参照)。
(d)さらに,前記aで掲げた州LPS法201条(b)の規定等に関して
は,米国の法学者の見解として,次のような指摘がされている。
①GPS及びLPSに関する統一法及び各州法には,パートナー
間の契約関係であるというパートナーシップの本質を前提としつ
つ,
法的安定性を求めて組成されたパートナーシップの存在
に理論的な裏付けを付与し,ビジネスの世界においてパート
ナーシップが事業体(entities)のように取り扱われる程度を反映
し,分析を簡潔にするため,事業体モデル(entitymodel)
に基づく規定が置かれるようになったが,集合体アプローチ(ag
gregateapproach)も,例えばパートナーの個人責任等の一定の
目的との関係ではなお存続している(1994年改訂統一GPS
法解説書)。
②パートナーシップは,財産の譲渡を容易にし,責任財産の順位
を決め,個々のパートナーが関与する直接的影響に対して事業運
営を保護する等の一定の目的との関係ではlegalentityとして,
また,ある目的においては人の集合体(anaggregateofperson
s)としてみなされる混合型の組織(ahybridorganization)で
ある(アメリカ法大全第68巻(甲62))。
③州LPS法201条(b)の「separatelegalentity」との文言
は,LPSがジェネラル・パートナーとは区別されたものである
ことを意味するが,この中の「separate」という語には,何ら法
的な重要性はなく,1976年改訂統一LPS法及び2001年
改訂統一LPS法のような「パートナーとは異なる事業体(enti
tydistinctfromitspartners)」との文言や,「リーガル・エ
ンティティ(legalentity)」又は「エンティティ(entity)」
との文言が使用されていたとしても,全く同じで意味あったと考
えられる(アレン教授意見書)。
c州LPS法701条について
(a)州LPS法701条は,前記(2)ア(シ)のとおり,パートナーは,
特定のLPS財産(specificlimitedpartnershipproperty)に対
していかなる持分も所有しない旨を規定している。
しかし,証拠(乙75,76)によれば,①州LPS法110
5条により州LPS法に準用され得る1999年改正前の州GPS
法1525条(a)は,パートナーは,パートナーシップの所有者とし
て有する特定のパートナーシップ財産につき,他のパートナーとの
共同所有者である旨規定しているところ,②同改正後の州GPS
法203条は,パートナーシップが取得した資産はパートナーシッ
プの資産であり,パートナーの個人資産ではない旨を規定しており,
③州LPS法には,上記②と同様の規定やLPSが所有権の帰属
主体となり得る旨の明文規定が存在せず,上記701条のとおり特
定のLPS財産に対するパートナーの持分のみが否定されているこ
とが認められる。
これらの規定を総合すれば,州LPS法701条は,特定のLP
S財産(ここでいう「LPS財産」とは,任意組合における「組合
財産」(日本の民法668条)と同様に,LPSの事業遂行の用に
供される財産をいうものと解される。)について,パートナーが合
有的な共同所有者となることを承認しつつ(州LPS法1105条,
1999年改正前の州GPS法1525条),パートナーが特定の
LPS財産に対する持分の処分や分割請求等を行うことを禁止する
趣旨(日本の民法676条は,任意組合の目的達成のために利用さ
れ,又は組合債権者のための責任財産となるべき組合財産について,
一部の組合員による組合財産に対する持分の処分により組合員以外
の者の持分が生じたり,これが分割されたりすれば,組合財産とし
ての意義が失われ,組合事業の遂行に支障をきたすため,組合財産
についてその持分の処分や分割請求を禁止・制限しているところ,
以上の趣旨は,LPS財産についても同様に当てはまるといえる。)
から,パートナーは特定のLPS財産に対して持分を有しない旨を
定めたものと解する余地がある(なお,被告は,本件各LPSが米
国の登録所に本件各建物の所有者として登録されていることをもっ
て,本件各LPSが所有権の帰属主体となり得ることは明らかであ
る旨主張するが,不動産譲渡に関する米国の登録制度が,我が国と
同様,所有権の主体となる者(自然人,法人)のみを所有者として
登録する制度であること(不動産譲渡に関する登記・登録制度とし
ては,我が国とは異なり,例えば,真実の権利関係や真実所有者た
り得る者であるか否かを問わず,不動産の譲渡行為そのものを公示
の対象とする制度や取引上の便宜等から事業体としての取扱いを認
められる団体にその名義による登録を許容する制度も想定される。)
を認めるに足りる証拠はないから,上記事実のみをもって本件各L
PSが本件各建物の所有権の帰属主体であるということはできない。
また,本件各LPS契約には,本件各LPSの所有する資産の登録
を,本件各LPSの名のみならず,本件各GPが随時決定できる名
義人の名ですることができる旨の条項(2.7条)も存在しており,
我が国における法人による資産所有とは異なる扱いを予定してい
る。)。
(b)また,上記(a)の点をおくとしても,モリス回答書によれば,デラ
ウェア州の裁判所が,州LPS法201条(b)及び701条の規定に
かかわらず,LPSのパートナーらの間で有益であるとみなされる
状況があるときは,第三者に影響を及ぼさない範囲で,パートナー
間の合意に基づき特定のパートナーがLPSの財産につき特定の持
分を所有することを許容する余地を否定できないというのである。
そうであるとすれば,我が国の私法上の法人に関しては,法人の
所有する特定の財産について,その構成員間の合意により特定の構
成員が持分を有するとの法律効果を生じさせることは,その構成員
の間で利益になるとしても,およそ法律上予定されていないから,
仮に,州LPS法に準拠して組成されたLPSが州LPS法201
条(b)及び701条の規定により権利の帰属主体になり得ることを
意味するとしても,上記のような例外が許容される余地がある以上,
これをもって我が国の私法(租税法)の「法人」と同義であるとい
うことはできない。
(c)以上によれば,①州LPS法が,州LPS法に準拠して組成し
たLPSを「separatelegalentity」になると規定する一方で(2
01条(b)),前記(a)のとおり当該LPSの特有財産について,パ
ートナーが共同所有者となり得るとする余地を残しており(110
5条,1999年改正前の州GPS法1525条),②LPSの
パートナー間の合意により州LPS法201条(b)及び701条の
規定の適用を排除してこれと異なる法律効果を生じさせることを許
容する余地があるというのであるから,「separatelegalentity」
は,我が国の租税法(私法)上の法人であることと異なる法律効果
を許容するものであるといわざるを得ない。
d以上に説示したとおり,①「separatelegalentity」又は「leg
alentity」という概念は,州LPS法以外の米国内の法律において,
法人格のない協同組合(acooperativethatisnotincorporated)
や制定法上の信託(Statutorytrust)といったものにまで用いられて
おり(前記a(e),(f)),②パートナーシップに関しても,州GP
S法では州LPS法と同様「separatelegalentity」と規定され,1
994年改訂統一GPS法や2001年改訂統一LPS法では「ane
ntitydistinctfromitspartners」と規定されているが,これらは
そもそも集合体理論を基礎としていたパートナーシップに事業体理論
が一部取り入れられたこと(混合型の組織(ahybridorganization)
であること)を反映するものにすぎないとされ(前記b(d)),③む
しろ,州LPS法に準拠して組成されたLPSは,州GPS法に準拠
して組成されたGPSと同様,その本質はパートナー間の契約関係で
あり,コーポレーションとは別個の機能を有するものとされており(前
記b(c)),④「separatelegalentity」であっても,我が国の租
税法(私法)上の法人であることとと異なる法律効果を許容されてい
る(前記c)というのであり,⑤日米租税条約では「entity」が我
が国の租税法(私法上)の「団体」と同一概念とされていること(前
記(イ)参照)をも併せ考慮すれば,州LPS法201条(b)の「separa
telegalentity」は,LPSがその構成員とは別個の「団体」である
ことを示す概念(すなわち,その団体が,法人ではないにもかかわら
ず,事業体理論に基づき,対外関係等の一定の範囲内で構成員とは別
個に権利を取得したり義務を負担したりするような法的取扱いが認め
られるという概念であり,我が国では存在しない法概念)であるとい
わざるを得ない。
(オ)以上によれば,州LPS法201条(b)の規定が定める「separatele
galentity」は,我が国の租税法(私法)上の法人を意味する概念であ
るということはできず,他に,州LPS法に準拠して組成したLPSが
法人である(法人格を有する)と認めることができる州LPS法その他
の法令の規定はないというほかない。
ウ(ア)次に,州LPS法に準拠して組成されたLPSについて,州LPS法
が規定するその設立,組織,運営及び管理等の内容に着目して経済的,
実質的に見たときに,明らかに我が国の法人と同様に損益の帰属すべき
主体として設立が認められたものといえるか否かを検討するに,前記前
提事実,前記(2)の州LPS法及び本件各LPS契約の概要並びに掲記の
証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の点を指摘することができる。
①州LPS法に準拠して組成されるLPSは,1名以上のジェネラ
ル・パートナー及び1名以上のリミテッド・パートナーにより構成さ
れ(101条(9)),州LPS法若しくはその他の法律又は当該LPS
のパートナーシップ契約により付与された全ての権限及び特権並びに
これらに付随するあらゆる権限(ただし,その権限の具体的内容に関
し,州LPS法には,ニューヨーク州LLC法にある後記オ③
~<
c>のような規定は存在しない。)を保有し,これを行使できるとされ
ているところ(106条(b)。なお,この規定は,本件各LPS契約中
の「本件各LPSが行う全ての不動産投資その他所有する資産の登録
について,本件各LPSの名のみならず,本件各GPが随時決定でき
る名義人の名ですることができる」との条項(2.7条)をも,適法
として許容する趣旨と解される。),ジェネラル・パートナーの権限
や責任等は1999年改正前の州GPS法に準拠したパートナーシッ
プのパートナーと同様(すなわち,事業の運営・遂行に関与する平等
の権利があり,パートナーシップの債務についての連帯責任を負う。)
とされる一方で(403条(a),(b)),リミテッド・パートナーは,
原則として,LPSの事業の経営管理に関与せず,LPSの債務を弁
済する責任も負わないとされている(303条(a))。
②州LPS法の狙いは契約における自由の原則及びパートナーシップ
契約の執行可能性に最大限の効果を与えることとされ(1101条
(c)),1999年改正前の州GPS法が広く準用されている(110
5条)。
③LPSの損益に対して各パートナーが保有する持分をパートナーシ
ップ持分(PartnershipInterest)として認め(101条(13)),④
LPSの損益は,パートナーシップ契約の規定に従い,パートナー
並びにパートナーのクラス及びグループの間で割当てが行われる(sh
allbeallocated)とされている(503条)。
この点,<ア>州LPS法解説書(甲41)によれば,州LPS法
のLPSのパートナーは,LPSの損益をパートナーに帰属させる方
法について完全な契約上の自由を有するとされ,州LPS法503条
を引用した上,パートナーシップ契約がそのように定める限り,LP
Sの損益はそのパートナーシップ契約の定めに従い帰属する(なお,
パートナーシップ契約が何も言及しない場合を除き,州LPS法は損
益の帰属方法を特定しないともされている。)との指摘がされている
ところ,<イ>本件各LPS契約は,いずれも,会計年度の利益及び
損失は所定の割合で各パートナーに割り当てられるものとし,「本契
約で別途定められていない限り,本パートナーシップの所得,収益,
損失及び控除の全ての項目のパートナーシップ持分割合は,利益及び
損失の分配持分と同じとする。」としている(4.12条(a))。また,
ライムザイヤー意見書(甲123)によれば,LPSの損益は,州L
PS法503条に基づき,パートナーシップ契約書に定められた方法
によりパートナー間で配分されるが,<ウ>パートナーシップ内の損
益配分(profitandlossallocation)は,パートナーシップ契約書
に従って自動的に行われるものであり,また,資金の移転を伴うもの
ではないとされ,さらに,<エ>米国の租税法上,現在のチェック・
ザ・ボックス制度が導入される以前から,パートナーシップの事業活
動により発生した損益が各パートナーの損益になるという私法上の原
則に従って,パートナーシップ(又はLPS)が納税主体とされてい
なかったとの指摘がされているところ,前記前提事実(4)によれば,<
オ>チェック・ザ・ボックス規則により,連邦課税上,一定のビジネ
ス・エンティティとされるパートナーシップがコーポレーションとし
ての課税を選択した場合には,パートナーシップの事業から生じた損
益がパートナーシップ自体に帰属することを選択したものと見ること
も可能であるが,このような選択がない場合には,デフォルト・ルー
ルとして,パートナーシップとしての課税(すなわち,パートナーシ
ップの事業から生じた損益がパートナーに帰属することを前提とする
課税)を選択したものとみなされており,本件各LPSも,連邦課税
上,パートナーシップとしての課税(パートナーシップの事業から生
じた損益がパートナーに帰属することを前提とする課税)を選択した
ものとみなされている。
そこで,これらの点をも併せ考慮すれば,本件各LPSの損益は,
州LPS法に基づく本件各LPS契約上,総額(グロス)ベースでパ
ートナーに直接帰属することが予定されているものといわざるを得な
い(本件各LPSの損益が本件各LPS自体に帰属することを明確に
認めるに足りる法令の定めないし証拠はない(仮に本件各LPSが取
引の主体となり,財産及び権利義務(債権債務)の帰属主体となると
しても,デラウェア州法上,当然に損益の帰属主体となると断ずるこ
とはできない。)。)。
(甲41,123)
(イ)以上に指摘した点のほか,前記イ(エ)cで説示した点(州LPS法7
01条について)をも併せ考慮すれば,州LPS法に準拠して組成さ
れたLPSは,経済的,実質的にみても,パートナー間の契約関係を
本質として,その事業の損益をパートナーに直接帰属させることを目
的とするものであるといわざるを得ないから,州LPS法の規定する
その設立,組織,運営及び管理等の内容に着目して経済的,実質的に
見ても,明らかに我が国の法人と同様に損益の帰属すべき主体(その
構成員に直接その損益が帰属することが予定されない主体)として設
立が認められたものということはできない。
エしたがって,本件各LPSは,我が国の租税法上の法人に該当するとは
認められないというべきである。
オ以上に対し,被告は,本件各LPSの準拠法である州LPS法には,(N
YLLC判決が我が国の私法(租税法)上の法人に該当すると判断した)
LLCの準拠法であるニューヨーク州LLC法と同趣旨又は類似の規定が
あることから,本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該当するといえ
る旨を主張する。
しかしながら,NYLLC判決は,前記(1)ウと異なる見解に基づいてニ
ューヨーク州LLC法に準拠して設立されたLLCが我が国の私法(租税
法)上の法人に該当すると判断したものであって,その判断の対象となる
準拠法も異なる以上,NYLLC判決の認定内容・結果を前提として本件
各LPSの該当性を判断することは相当ではない。また,証拠(乙98)
によれば,ニューヨーク州LLC法は,LLCが「separatelegalentit
y」である旨(203条)を定めているものの,一方,①LLCは,文脈
上他の意味に解釈すべき場合を除いて,ニューヨーク州LLC法及びこの
州の法律に基づいて設立され存続する,パートナーシップ又は信託以外の,
当該事業の契約上の義務又はその他の債務に対して有限責任を持っている
1名又は複数名からなる非会社組織(unincorporatedorganazation)であ
るとし(101条(m)),②設立発起人(設立するLLCの構成員である
必要はない。)による基本定款の作成・提出を成立要件とし(203条,
207条,209条),③LLCの損益が,構成員の間で,また構成員
の階級(もしあれば)間でオペレーティング契約に従って配分され,オペ
レーション契約にそのような規定がない場合には,損益は各構成員の出資
金が当該LLCによって受け取られ,当該LLCに対して約束され,いか
なるそのような構成員にも返却されない範囲内で,各構成員の出資金から
拠出義務不履行分を除いた価額に基づいて配分するものとする旨(503
条)を規定し,④基本定款に特段の定めがない限り,かつ,ニューヨー
ク州LLC法に制限がある場合にはそのような制限とニューヨーク州の他
の法律に従うことを条件として,LLCは,
その名義で,告訴したり,
告訴されたり,いかなる訴訟をも提起したり,不動産や動産又は不動
産や動産における権利を買い受け,占取し,受け取り,賃貸し,あるいは
それ以外の形で取得し,所有するなどし又はそれ以外の形で取引をしたり,
保証契約等の契約を結び,負債を負い,当該LLCが決定するような
金利で資金を借り入れ,自身の手形,債券,その他の債務を発行すること
などが認められており(202条),⑤構成員は,当該LLCの個別財
産には一切権利を持たず(601条),当該LLCのいかなる負債又は債
務に対しても責任がない(609条(a))とし,⑥LLCの現金又はその
他の資産の分配金は,構成員の間でまた構成員の階級(もしあれば)間で
オペレーティング契約に従って配分するものとした上(504条),LL
Cは,当該分配の時点で,構成員持分を理由とする構成員に対する負債及
び債権者の償還請求が当該LLCの特定財産に制限されている負債を除き,
当該分配実施後の当該LLCの全負債が当該LLCの資産の公正市場価額
を超える範囲では,構成員に分配を行ってはならないとし(508条(a)),
⑦構成員又はマネージャーによるLLCの運営や構成員会等の組織(4
01条~420条)に関し,基本定款に特別の定めがない限り,当該LL
Cを運営する権限はその構成員に与えられ(401条(a)),当該LLCの
業務の運営等に関する投票に際しては,オペーレーティング契約に定めが
ある場合を除き,構成員の持分に比例して投票するものとし(402条(a)),
オペレーティング契約に特段の定めがある場合を除いて,LLCは年1回
構成員会を開くものとし(403条),また,基本定款に運営権を1名又
は複数名のマネージャーに与えると規定されている場合には,構成員が年
に1度当該LLCの1名又は複数名のマネージャーを任命又は選任するた
めの投票をするものとし(413条(a)),そのマネージャーがLLCの代
理人となり(412条(b)(2)),基本定款に運営権を1名又は複数名のマ
ネージャーに与えると規定していない場合には,各構成員がLLCの事業
上LLCの代理人になる(412条(a))旨規定していることが認められる。
これらの規定に加え,ニューヨーク州LLC法に準拠して設立されたL
LCが,上記①のとおり非会社組織(unincorporatedorganazation)とさ
れつつも,「pertnership」といった句等を含まず,「LimitedLiability
Company」又はその省略形の「L.L.C.」若しくは「LLC」という文言を含む
名称を使用することを許され(204条(a),(e)),外形的には「compan
y」に類するものとされていることも併せ考慮すれば,前記(1)ウの基準に
従って検討しても,当該LLCは,ニューヨーク州LLC法の規定内容を
その文言に従って形式的にみた場合に,ニューヨーク州LLC法において
これが法人である(法人格を付与する)旨を規定しているとは認められな
いが,当該LLCを上記のニューヨーク州LLC法が規定するその設立,
組織,運営及び管理等に着目して経済的,実質的にみれば,一定の組織を
備えていて権利・義務が直接帰属するとされ(したがって,LLC自体に
訴訟の当事者能力も明示的に認められている。),その損益も全てが構成
員に直ちに帰属せず,当該LLCの財産を前提に一定の範囲を超えた部分
のみが構成員に対する分配の対象になることを予定していることから,明
らかに我が国の法人と同様に損益の帰属すべき主体として設立が認められ
たものということも可能というべきである。
他方,州LPS法は,ニューヨーク州LLC法にある上記③~⑥の規定
と同様の規定が存在しないなどその定めを異にするのであるから(なお,
本件各LPSの設立,組織,運営及び管理等の特徴は,前記ウで指摘した
とおりである。),ニューヨーク州LLC法に準拠して設立されたLLC
と州LPS法に準拠して組成されたLPSとで我が国の租税法(私法)上
の法人に該当するか否かの結論を異にしたとしても何ら不自然,不合理で
はないというべきであり,被告の上記主張を採用することはできない。
(4)以上のとおり,本件各LPSは,我が国の租税法(私法)上の法人に該当
しないというべきであり,これに反する被告の主張を採用することはできな
い。
3争点(2)イ(本件各LPSの租税法上の人格のない社団該当性)について
(1)租税法上の人格のない社団については,前記2(1)ア(ア)dのとおり,民事
実体法における権利能力のない社団(法人でない社団)と同義であると解さ
れるから,ある団体(事業体)が租税法上の人格のない社団に該当するとい
うためには,①団体としての組織を備え(要件①),②多数決の原則が
行われ(要件②),③構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し
(要件③),④その組織によって代表の方法,総会の運営,財産の管理そ
の他団体としての主要な点が確定しているもの(要件④)でなければならな
いと解される(前掲最高裁昭和39年10月15日第一小法廷判決参照)。
他方,民法は,各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約すること
によってその効力を生じる組合契約(667条1項)に基づき,前記2(1)
エ(ウ)a(b)のとおり総組合員の共有に属するものとしてある程度の独立性を
有する各組合員の出資その他の組合財産を形成し(668条,676条,6
77条),組合の業務の執行を組合員の過半数又は組合契約でこれを委任し
た者(業務執行者。これが複数ある場合にはその過半数による。)により行
い(670条),組合員の脱退(678条,679条)等により組合員が変
動したとしても,組合の目的である事業の成功又はその成功の不能という組
合の解散事由(682条)が生じるまでは組合がその同一性を欠くことなく
存続するものとして,組合に一定の団体性を有する組織形成や運営等がされ
ることを予定し,このような組合をいわゆる社団である法人とは別類型の団
体でありながら契約関係として形成することを認めていると解されることに
鑑みると,民事実体法上,上記のような一定の団体性を有する民法上の組合
(任意組合)をもって民事実体法における権利能力のない社団(法人でない
社団)とすることは,原則として予定されていないというべきである。
そうであるとすれば,組合契約その他の契約に基づいて組成された団体が
上記の租税法上の人格のない社団の要件(要件①~④)に該当するか否かを
検討する場合においては,当該団体が,上記のような任意組合その他の契約
関係により認められる団体性を超えて民法所定の法人の組織,運営及び管理
(民法37条~39条,51条~66条,68条,69条,72条等参照。
なお,以上の規定は,平成18年法律第50号により削除されているが,一
般社団法人及び一般財団法人に関する法律第2章に以上の規定と同様の趣旨
に基づく詳細な規定が置かれている。)に関する規定が予定するところと類
似した団体性を有するか否かという観点から検討すべきであると解される。
(2)これを本件各LPSについてみるに,前提事実及び前記2(2)で認定した州
LPS法及び本件各LPS契約の内容等によれば,本件各LPSは,①本
件各GPをジェネラル・パートナー,本件各受託銀行等をリミテッド・パー
トナーとして,本件各LPS契約に基づき組成されたLPSであるところ(本
件各LPS契約の前文及び1.1条),②本件各LPSの管理及び運営に
関する独占的権限は,ジェネラル・パートナー各1名(本件各GP)に付与
され(同契約2.1条),各ジェネラル・パートナー(本件各GP)には,
本件各LPSとしての業務執行及び組織運営に係る意思決定を行い,本件各
LPSを代表して本件各売買契約を含む取引等を行う権限が与えられ,本件
各LPS契約上,リミテッド・パートナーが本件各LPSの管理又は運営に
参加し,その他の本件各LPSの意思決定につき関与することは予定されて
おらず(本件各LPS契約2.1条参照。なお,同条で留保された例外的に
リミテッド・パートナーが本件各LPSの管理運営に参加できる場合等の定
めは本件各LPS契約ではされていない。),本件各LPS契約中の本件各
GPの解任(2.6条)及び本件各LPS契約の変更(10.2条)に関す
る規定も,ジェネラル・パートナーの解任及び契約の変更という極めて限定
的かつ特別な場合に一定の割合のパートナー又はリミテッド・パートナーに
よる意思決定を認めているにすぎないというのである。
そうであるとすれば,本件各LPSは,上記(1)で説示したような民法上の
組合(任意組合)に類似した組織形成,運営等がされることを予定したもの
にすぎず,少なくとも,民法所定の法人の組織,運営及び管理にみられるよ
うな,団体としての意思決定機関,業務執行機関又は代表機関が置かれるな
どの団体としての組織を備え(要件①),意思決定が構成員の多数決によっ
て行われるなどの多数決の原則が行われている(要件②)ということはでき
ず,上記のような団体としての組織を備えていない以上,本件各LPS契約
の定めをもって,その組織によって代表の方法,総会の運営,財産の管理そ
の他団体としての主要な点が確定している(要件④)ということもできない。
したがって,本件各LPSは,その管理及び運営に関する独占的権限を有
する本件各GPと,その解任権限を一定の条件の下に与えられた各リミテッ
ド・パートナーで構成され,構成員の財産とは区別された独自の財産を有し,
本件各LPS契約にはその管理の方法等や契約内容の多数決による変更に関
する定めがあり,本件各LPS契約が定める限定された要件の下でパートナ
ーの交代にもかかわらず存続する(州LPS法704条,本件各LPS契約
6.1条,6.2条,7.2条。本件LPS契約(P)7.4条,本件LP
S契約(C)7.5条)としても,このことのみをもって本件各LPSが租
税法上の人格のない社団(民事実体法における権利能力のない社団)に該当
するということはできない(以上の説示に反する被告の主張を採用すること
はできない。)。
(3)以上によれば,本件各LPSが租税法上の人格のない社団(権利能力のな
い社団)であると認めることはできない。
4争点(2)ウ(本件各不動産賃貸業から生じた損益の不動産所得該当性)につい

(1)ア我が国の租税法においては,前記2(1)ア(ウ)のとおり,①ある事業体
が,法人に該当せず,かつ,人格のない社団等にも該当しない場合には,
当該事業体の行う個々の事業活動から生じた損益について,構成員課税が
行われる(その構成員に対する所得税又は法人税としての課税がされる)
が,②その事業に係る利益等の帰属時期やその額の計算については,所
得税法又は法人税法上の明文規定はなく,③法人及び人格のない社団等
に該当しない事業体の典型例である任意組合に関しては,平成17年12
月26日付課個2-39ほかによる一部改正前の所得税基本通達において,
当該組合の収入金額,支出金額,資産,負債等を,組合契約又は民法
674条《損益分配の割合》の規定による損益分配の割合に応じて各組合
員のこれらの金額として計算する方法(総額方式)や当該組合につい
て計算される利益の額又は損失の額をその分配割合に応じて各組合員にあ
ん分する方法(純額方式。この方法による場合には,各組合員は,当該組
合事業に係る取引等について,非課税所得,引当金,準備金,配当控除,
確定申告による源泉徴収税額の控除等に関する規定の適用はなく,各組合
員にあん分される利益の額又は損失の額は,当該組合事業の主たる事業の
内容に従い,不動産所得,事業所得,山林所得又は雑所得のいずれか一の
所得に係る収入金額又は必要経費とされる。)等が認められており,同日
付課法2-14による一部改正前の法人税基本通達においてもこれとほぼ
同様の取扱い(なお,法人税については,その性質上,上記のような純額
方式による場合の所得の区分の制限はされていない。)が認められている。
そうであるとすれば,外国の法令に準拠して組成された事業体が我が国
の租税法上の法人及び人格なき社団等のいずれにも該当しない場合におい
て,その構成員が我が国の租税法上の納税義務者であるときは,当該事業
体の行う個々の事業活動から生じた損益について構成員課税が行われるこ
ととなり,その構成員にあん分される当該損益に係る所得の区分も,当該
事業体の事業の内容・性質に直接対応するもの又は上記各通達が許容する
範囲内で対応するものにすべきものと解されるから,たとえその構成員が
我が国の租税法上の納税義務者でなかったとしても,その構成員にあん分
される当該損益に係る所得の区分は,当該事業体の事業の内容・性質に直
接対応するもの又は上記通達が許容する範囲内で対応するものにすべきと
解するのが相当である。
イそして,所得税法26条は,不動産所得とは,不動産,不動産の上に存
する権利,船舶又は航空機(不動産等)の貸付け(地上権又は永小作権の
設定その他他人の不動産等を使用させることを含む。)による所得(事業
所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)という旨規定しているところ,
任意組合の行う不動産賃貸事業から生じた損益であって不動産所得に区分
されるものについて構成員課税が行われる場合においては,業務執行組合
員ではなく当該不動産賃貸事業から生じた損益がその構成員に直接帰属す
ると解されることから,当該不動産賃貸事業に直接関与していない構成員
の当該損益に係る所得についても,上記アで指摘した各通達に沿う計算方
法による限り,不動産所得と区分するとの課税上の取扱いが認められてい
る。
(2)以上の解釈及び取扱いを踏まえ,本件についてみると,前記2及び3で説
示したところに加え,前提事実及び前記2(2)で認定した州LPS法及び本
件各LPS契約の内容によれば,本件各LPSが行った本件各不動産賃貸事
業により生じた損益は,本件各LPSが我が国の租税法上の法人及び人格の
ない社団のいずれにも該当しないことから,本件各LPS契約で定める損益
分配割合に応じて(州LPS法503条,本件各LPS契約4.7条及び4.
8条),本件各受託銀行を介して原告らに直接帰属するものと認められ,そ
の損益が本件各建物を第三者に賃貸することによって生じたものであり,本
件全証拠によっても,上記損益に係る所得が事業所得(所得税法施行令63
条所定の事業から生ずる所得であり,不動産の貸付業は当該事業から除かれ
ている。)又は譲渡所得に該当するとは認めるに足りないことに照らすと,
原告らの当該損益に係る所得は,いずれも不動産所得に該当するものと認め
られる。
これに対し,被告は,ある所得が不動産所得に該当するためには,一般的
には,納税者が,<ア>賃貸借契約の「貸主」となり得る何らかの権利・権
原(所有権,占有権等)を有していることを前提とした上で,<イ>不動産
を「借主」に貸し付け,これを収益させることによって得た対価としての性
質を有するものであることを要するから,本件各建物の所有権等の権原を有
しておらず,自らが本件各建物を貸し付けているともいえない原告らの受け
る損益は不動産所得に該当しない旨主張する。
しかし,被告の上記主張は,所得税法26条の規定の文言を離れて独自の
要件を付加するものである上,その主張に係る権原の範囲も明確ではなく,
採用し難いところである。また,被告の主張するような解釈は,上記(1)イで
説示した課税上の取扱いを否定するものになると考えられる。課税実務にお
いて,そもそも不動産所得に関して被告主張のような解釈が採用されていな
かったことは,本件措置法特例の立法事実として,組合を通じた不動産貸付
けに関し,貸付けの規模や業務への関与度合いに関係なくその損失の他の所
得との損益通算が可能とされている不動産所得の特質を利用した節税を図る
動きの顕在化への対応の必要性が指摘されていたこと(甲83)等に照らし
て明らかである。したがって,被告の上記主張を採用することはできない。
(3)以上によれば,本件各不動産賃貸事業から生じた損益は,原告らの不動産
所得に該当するというべきである。
5本件各処分の適法性について
以上によれば,本件各不動産賃貸事業から生じた損益(本件各建物の貸付け
に係る損益)は,原告らの不動産所得に該当するから,本件各建物の賃貸料等
を収入金額とし,その減価償却費等を必要経費として不動産所得の金額を計算
し,その不動産所得の金額に計算上生じた損失の金額があるときは,所得税法
69条1項所定の損益通算をした上,総合所得金額及び納付すべき税額を算定
すべきことになる。
そして,前記第2の3のとおり,被告主張に係る計算の基礎となる金額及び
計算方法は,本件の争点に関する部分を除き,当事者間に争いはないところ,
被告は,以上の場合において,本件各建物の賃貸料等の収入金額及び減価償却
費等の必要経費として計上することのできる数額が原告らの主張額(確定申告,
修正申告又は更正の請求の額。別表9-1~52の各①欄参照。なお,本件各
建物以外の不動産に係る不動産所得が存する者については,同欄の上段(網掛
け部分)の数額である。)であることを争っていない。
これらのことを踏まえて,原告らの総所得金額及び納付すべき税額を算定し,
本件各処分の適法性を検討すれば,次のとおりとなる(なお,各原告の請求(別
紙5)と本件各処分の取り消すべき部分(別紙3)の関係は,別紙12(請求・
取消部分対照表)のとおりである。)。
(1)原告P23関係
ア第1事件・平成14年分
(ア)原告P23の平成14年分の不動産所得の金額について,
本件建
物(P)に係る収入金額及び必要経費が別表9-1の①欄の網掛け部分
記載のとおりであり,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額
及び必要経費が別表9-1の②欄の網掛けのされていない部分記載のと
おりであることは,当事者間に争いがないから,以上を踏まえて原告P
23の総所得金額及び納付すべき税額を算定すると,別紙11(原告ら
の総所得金額及び納付すべき税額についての補足説明)の1(1)記載のと
おりとなる。
(イ)以上によれば,原告P23の平成14年分所得税に係る総所得金額は
4469万0276円であり,納付すべき税額はマイナス(還付金の額
に相当する税額)757万0286円となるところ,これらの金額は原
告P23の第1事件平成14年分修正申告書の申告額である総所得金額
4506万8739円及び納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当
する税額)743万0426円を下回るものであり,原告P23も,第
1事件・平成14年分更正処分について上記修正申告に係る総所得金額
及び納付すべき税額(還付金の額に相当する税額)を超える部分の取消
しを求めるにとどまっている(別紙5の1,別表8-1参照)。
これらの点に鑑みると,第1事件・平成14年分更正処分については,
このうち上記請求の限度,すなわち総所得金額4506万8739円及
び納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)743万04
26円を超える部分が,第1事件・平成14年分賦課決定処分について
は,その全部が,それぞれ違法であるといえるから,これらをいずれも
取り消すべきである。
したがって,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第1の1(1)
のとおりとなる。
イ第1事件・平成15年分
(ア)原告P23の平成15年分の不動産所得の金額について,
本件建
物(P)に係る収入金額及び必要経費が別表9-2の①欄の網掛け部分
記載のとおりであり,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額
及び必要経費が別表9-2の②欄の網掛けのされていない部分記載のと
おりであることは,当事者間に争いがないから,以上を踏まえて原告P
23の総所得金額及び納付すべき税額を算定すると,別紙11の1(2)
記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,原告P23の平成15年分所得税に係る総所得金額は
3761万1053円であり,納付すべき税額はマイナス(還付金の額
に相当する税額)916万7176円となるところ,これらの金額は原
告P23の第1事件・平成15年分確定申告書の申告額である総所得金
額3800万9614円及び納付すべき税額マイナス(還付金の額に相
当する税額)901万9546円を下回るものであり,原告P23も,
第1事件・平成15年分更正処分について上記確定申告に係る総所得金
額及び納付すべき税額(還付金の額に相当する税額)を超える部分の取
消しを求めるにとどまっている(別紙5の2,別表8-2参照)。
これらの点に鑑みると,第1事件・平成15年分更正処分については,
このうち上記請求の限度内で,すなわち総所得金額3800万9614
円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)901万9
546円を超える部分が,第1事件・平成15年分賦課決定処分につい
ては,その全部が,それぞれ違法であるから,これらをいずれも取り消
すべきである。
したがって,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第1の1(2)
のとおりとなる。
ウ第17事件・平成16年分
原告P23の平成16年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-3の更正の請求欄記載のとおりであり,第17事件・平成16年分通知
処分の全部が違法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第1
の2参照)
(2)原告P20関係
ア第2事件・平成13年分
原告P20の平成13年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-4の確定申告欄記載のとおりであり,第2事件・平成13年分更正処分
のうち第2事件・平成13年分確定申告書の申告額を超える部分及び第2
事件・平成13年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,これ
らをいずれも取り消すべきである(別紙3の第2の1(1)参照)。
イ第2事件・平成14年分
(ア)原告P20の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額について
は,損益の通算前の総所得金額が別表8-5-1の修正申告欄記載のと
おりとなるところ,これと同欄記載の分離長期譲渡所得の金額及び退職
所得の金額とを別表8-5-2記載の方法で損益の通算をすると,総所
得金額が0円,退職所得が2億3235万6100円となるから,納付
すべき税額は別表8-5-1の修正申告欄記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第2事件・平成14年分更正処分のうち第2事件・平
成14年分修正申告書の申告額を超える部分及び第2事件・平成14年
分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,これらをいずれも取
り消すべきである(別紙3の第2の1(2)参照)。
ウ第2事件・平成15年分
原告P20の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-6の確定申告欄記載のとおりであり,第2事件・平成15年分更正処分
のうち第2事件・平成15年分確定申告書の申告額を超える部分及び第2
事件・平成15年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,これ
らをいずれも取り消すべきである(別紙3の第2の1(3)参照)。
エ第21事件・平成16年分
原告P20の平成16年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-7の更正の請求欄記載のとおりであり,第21事件・平成16年分通知
処分の全部が違法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第2
の2参照)。
オ第22事件・平成17年分
原告P20の平成17年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-8の修正申告欄記載のとおりであり,第22事件・平成17年分更正処
分のうち第22事件・平成17年分修正申告書の申告額を超える部分及び
第22事件・平成17年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,
これらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第2の3参照)。
(3)原告P11関係
ア第3事件・平成13年分
原告P11の平成13年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-9の修正申告欄記載のとおりであり,第3事件・平成13年分更正処分
のうち第3事件・平成13年分修正申告書の申告額を超える部分及び第3
事件・平成13年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,これ
らをいずれも取り消すべきである(別紙3の第3の1(1)参照)。
イ第3事件・平成14年分
原告P11の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-10の確定申告欄記載のとおりであり,第3事件・平成14年分更正処
分のうち第3事件・平成14年分確定申告書の申告額を超える部分が,第
3事件・平成14年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,こ
れらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第3の1(2)参照)。
ウ第3事件・平成15年分
原告P11の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-11の確定申告欄記載のとおりであり,第3事件・平成15年分更正処
分のうち第3事件・平成15年分確定申告書の申告額を超える部分及び第
3事件・平成15年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,こ
れらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第3の1(3)参照)。
エ第18事件・平成16年分
原告P11の平成16年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-12の更正の請求欄記載のとおりであり,第18事件・平成16年分通
知処分の全部が違法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第
3の2(1)参照)。
オ第18事件・平成17年分
原告P11の平成17年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-13の更正の請求欄記載のとおりであり,第18事件・平成17年分更
正処分のうち平成18年6月9日付け更正の請求の金額を超える部分及び
第18事件・平成17年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,
これらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第3の2(2)参照)。
(4)原告P32関係
ア第4事件・平成13年分
原告P32の平成13年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-14の確定申告欄記載のとおりであり,第4事件・平成13年分更正処
分のうち第4事件・平成13年分確定申告書の申告額を超える部分及び第
4事件・平成13年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,こ
れらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第4の1参照)。
イ第4事件・平成14年分
原告P32の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-15の確定申告欄記載のとおりであり,第4事件・平成14年分更正処
分のうち第4事件・平成14年分確定申告書の申告額を超える部分及び第
4事件・平成14年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,こ
れらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第4の2参照)。
ウ第4事件・平成15年分
原告P32の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-16の確定申告欄記載のとおりであり,第4事件・平成15年分更正処
分のうち第4事件・平成15年分確定申告書の申告額を超える部分及び第
4事件・平成15年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,こ
れらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第4の3参照)。
(5)原告P1関係
ア第5事件・平成13年分
原告P1の平成13年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
17の確定申告欄記載のとおりであり,第5事件・平成13年分更正処分
のうち第5事件・平成13年分確定申告書の申告額を超える部分及び第5
事件・平成13年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,これ
らをいずれも取り消すべきである(別紙3の第5の1(1)参照)。
イ第5事件・平成14年分
(ア)原告P1の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申
告では零とされた雑所得の金額が別表8-18の更正処分等欄記載のと
おりであることにつき当事者間に争いがないことを踏まえて算定すると,
別紙11の2(1)記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第5事件・平成14年分更正処分は,別紙11の2(1)
で認定した総所得金額3502万0038円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)664万3732円を超える部分が違法
となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第5事件・平成14年分更正処分のうち適法な部分によ
り原告P1が新たに納付すべきこととなった税額は6290円(△664
万3732円-△665万0022円(別表8-18の「確定申告」欄参照)。)
となるが,これは1万円未満の金額であって,通則法118条3項の規
定により,その全額が切り捨てられるから,原告P1の平成14年分の
所得税に係る過少申告加算税の額は零円となる。
したがって,第5事件・平成14年分賦課決定処分も,その全部が違
法であるから,これを取り消すべきである。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第5の1(2)
のとおりとなる。
ウ第5事件・平成15年分
(ア)原告P1の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申
告では零とされた雑所得の金額が別表8-19の更正処分等欄記載のと
おりであることにつき当事者間に争いがないことを踏まえて算定すると,
別紙11の2(2)記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第5事件・平成15年分更正処分は,別紙11の2(2)
で認定した総所得金額3840万1738円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)485万8346円を超える部分が違法
となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第5事件・平成15年更正分のうち適法な部分により原
告P1新たに納付すべきこととなった税額は8510円(△485万8346
円-△486万6856円(別表8-19の「確定申告」欄参照)。)となる
が,これは1万円未満の金額であって,通則法118条3項の規定によ
り,その全額が切り捨てられるから,原告P1の平成15年分の所得税
に係る過少申告加算税の額は零円となる。
したがって,第5事件・平成15年分賦課決定処分も,その全部が違
法であるから,これを取り消すべきである。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第5の1(3)
のとおりとなる。
エ第15事件・平成16年分
原告P1の平成16年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
20の更正の請求欄記載のとおりであり,第15事件・平成16年分通知
処分の全部が違法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第5
の2参照)。
オ第23事件・平成17年分
原告P1の平成年17分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
21の更正の請求欄記載のとおりであり,第23事件・平成17年分通知
処分の全部が違法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第5
の3参照)。
(6)原告P29関係
ア第6事件・平成13年分
原告P29の平成13年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-22の修正申告欄記載のとおりであり,第6事件・平成13年分更正処
分のうち第6事件・平成13年分修正申告書の申告額を超える部分及び第
6事件・平成13年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,こ
れらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第6の1参照)。
イ第6事件・平成14年分
原告P29の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-23の平成16年2月26日付け更正処分欄記載のとおりであり,第6
事件・平成14年分更正処分のうち平成16年2月26日付け更正処分に
よる減額更正後の金額を超える部分及び第6事件・平成14年分賦課決定
処分の全部がそれぞれ違法であるから,これらをいずれも取り消すべきで
ある(別紙3の第6の2参照)。
ウ第6事件・平成15年分
原告P29の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-24の確定申告欄記載のとおりであり,第6事件・平成15年分更正処
分のうち第6事件・平成15年分確定申告書の申告額を超える部分及び第
6事件・平成15年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,こ
れらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第6の3参照)。
(7)原告P2関係
ア第7事件・平成13年分
(ア)原告P2の平成年13分の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申
告では4295万円とされた給与所得の金額が被告主張の4304万5
000円(別紙9の第7の1(1)ア(イ)参照)であることにつき当事者間
に争いがないことを踏まえて算定すると,別紙11の3記載のとおりと
なる。
(イ)以上によれば,第7事件・平成13年分更正処分は,別紙11の3で
認定した総所得金額2225万6769円,納付すべき税額マイナス(還
付金の額に相当する税額)739万3300円を超える部分が違法とな
り,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第7事件・平成13年分更正処分のうち適法な部分によ
り原告P2が新たに納付すべきこととなった税額である3万円(△739
万3300円-△742万8450円(別表8-25の「確定申告」欄参照)。
ただし,通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数を切り捨
てた後のもの)を基礎として,これに通則法65条1項の規定に基づき
100分の10の割合を乗じて算出した過少申告加算税の額は,300
0円となるが,5000円未満の金額であるため,通則法119条4項
の規定によりその全額が切り捨てられ,零円となる。
したがって,第7事件・平成13年分賦課決定処分も,その全部が違
法であるから,これを取り消すべきである。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第7の1のと
おりとなる。
イ第7事件・平成14年分
原告P2の平成年14分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
26の確定申告欄記載のとおりであり,第7事件・平成14年分更正処分
のうち第7事件・平成14年分確定申告書の申告額を超える部分及び第7
事件・平成14年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,これ
をいずれも取り消すべきである(別紙3の第7の2参照)。
ウ第7事件・平成15年分
原告P2の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
27の平成17年6月14日付け更正処分等欄記載のとおりであり,第7
事件・平成15年分更正処分のうち平成17年6月14日付け更正処分等
による減額更正後の金額を超える部分及び第7事件・平成15年分賦課決
定処分の全部がそれぞれ違法であるから,これらをいずれも取り消すべき
である(別紙3の第7の3参照)。
(8)原告P3関係
ア第8事件・平成13年分
(ア)原告P3の平成13年分の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申
告では30万8888円とされた雑所得の金額が別表8-28の更正処
分等欄記載のとおり31万1988円であることにつき当事者間に争い
がないことを踏まえて算定すると,別紙11の4(1)記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第8事件・平成13年分更正処分は,別紙11の4(1)
で認定した総所得金額1847万6939円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)773万8732円を超える部分が違法
となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第8事件・平成13年分更正処分のうち適法な部分によ
り原告P3が新たに納付すべきこととなった税額は900円(△773万8
732円-△773万9632円(別表8-28の「確定申告」欄参照))とな
るところ,これは1万円未満の金額であるため,通則法118条3項の
規定により,その全額が切り捨てられるから,原告P3の平成13年分
の所得税に係る過少申告加算税の額は零円となる。
したがって,第8事件・平成13年分賦課決定処分も,その全部が違
法であるから,これを取り消すべきである。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第8の1(1)
のとおりとなる。
イ第8事件・平成14年分
(ア)原告P3の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申
告では75万9554円とされた雑所得の金額が別表8-29の更正処
分等欄記載のとおり79万5954円であることにつき当事者間に争い
がないことを踏まえて算定すると,別紙11の4(2)記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第8事件・平成14年分更正処分は,別紙11の4(2)
で認定した総所得金額1764万3518円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)842万8887円を超える部分が違法
となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第8事件・平成14年分更正処分のうち適法な部分によ
り原告P3が新たに納付すべきこととなった税額である1万円(△842
万8887円-△843万9687円(別表8-29の「確定申告」欄参照)。
ただし,通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数を切り捨
てた後のもの)を基礎として,これに通則法65条1項の規定に基づき
100分の10の割合を乗じて算出した過少申告加算税の額は1000
円となるが,5000円未満の金額であるため,通則法119条4項の
規定によりその全額が切り捨てられ,零円となる。
したがって,第8事件・平成14年分賦課決定処分も,その全部が違
法であるから,これを取り消すべきである。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第8の1(2)
のとおりとなる。
ウ第8事件・平成15年分
(ア)原告P3の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申
告では93万2860円とされた雑所得の金額が別表8-30の更正処
分等欄記載のとおり96万9760円であることにつき当事者間に争い
がないことを踏まえて算定すると,別紙11の4(3)記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第8事件・平成15年分更正処分は,別紙11の4(3)
で認定した総所得金額1814万6510円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)775万6595円を超える部分が違法
となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第8事件・平成15年分更正処分のうち適法な部分によ
り原告P3が新たに納付すべきこととなった税額である1万円(△775
万6595円-△776万7695円(別表8-30の「確定申告」欄参照)。
ただし,通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数を切り捨
てた後のもの)を基礎として,これに通則法65条1項の規定に基づき
100分の10の割合を乗じて算出した過少申告加算税の額は1000
円となるが,5000円未満の金額であるため,通則法119条4項の
規定によりその全額が切り捨てられ,零円となる。
したがって,第8事件・平成15年分賦課決定処分も,その全部が違
法であるから,これを取り消すべきである。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第8の1(3)
のとおりとなる。
エ第16事件・平成16年分
原告P3の平成16年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
31の更正の請求欄記載のとおりであり,第16事件・平成16年分通知
処分の全部が違法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第8
の2参照)。
オ第24事件・平成17年分
原告P3の平成17年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
32の更正の請求欄記載のとおりであり,第24事件・平成17年分通知
処分の全部が違法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第8
の3参照)。
(9)原告P4関係
ア第9事件・平成13年分
(ア)原告P4の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申告では零とされ
た雑所得の金額が別表8-33の更正処分等欄記載のとおりであること
につき当事者間に争いがないことを踏まえて算定すると,別紙11の5
(1)記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第9事件・平成13年分更正処分は,別紙11の5(1)
で認定した総所得金額1686万0663円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)784万5520円を超える部分が違法
となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第9事件・平成13年分更正処分のうち適法な部分によ
り原告P4が新たに納付すべきこととなった税額は900円(△784万5
520円-△784万6420円(別表8-33の「確定申告」欄参照))とな
るが,1万円未満の金額であるため,通則法118条3項の規定により
その全額が切り捨てられるから,原告P4の平成13年分の所得税に係
る過少申告加算税の額は零円となる。
したがって,第9事件・平成13年分賦課決定処分は,その全部が違
法であるから,これを取り消すべきである。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第9の1(1)
のとおりとなる。
イ第9事件・平成14年分
(ア)原告P4の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申
告では零とされた雑所得の金額が別表8-34の更正処分等欄記載のと
おりであることにつき当事者間に争いがないことを踏まえて算定すると,
別紙11の5(2)記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,原告P4の平成14年分所得税に係る総所得金額は1
187万4812円であり,納付すべき税額はマイナス(還付金の額に
相当する税額)911万1320円を超える部分が違法となり,これを
取り消すべきこととなる
そうすると,第9事件・平成14年分更正処分のうち適法な部分によ
り原告P4が新たに納付すべきこととなった税額は,4320円(△91
1万1320円-△911万5640円(別表8-34の「確定申告」欄参照))
となるが,1万円未満の金額であるため,通則法118条3項の規定に
よりその全額が切り捨てられるから,原告P4の平成14年分の所得税
に係る過少申告加算税の額は零円となる。
したがって,第9事件・平成14年分賦課決定処分は,その全部が違
法であるから,これを取り消すべきである。
したがって,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第9の1(2)
のとおりとなる。
ウ第9事件・平成15年分
(ア)原告P4の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申
告では零とされた雑所得の金額が別表8-35の更正処分等欄記載のと
おりであることにつき当事者間に争いがないことを踏まえて算定すると,
別紙11の5(3)記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第9事件・平成15年分更正処分は,別紙11の5(3)
で認定した総所得金額1226万3743円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)902万9241円を超える部分が違法
となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第9事件・平成15年分更正処分のうち適法な部分によ
り原告P4が新たに納付すべきこととなった税額は7200円(△902
万9241円-△903万6441円(別表8-35の「確定申告」欄参照)。)
となるが,1万円未満の金額であるため,通則法118条3項の規定に
よりその全額が切り捨てられるから,原告P4の平成14年分の所得税
に係る過少申告加算税の額は零円となる。
したがって,第9事件・平成15年分賦課決定処分は,その全部が違
法であるから,これを取り消すべきである。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第9の1(3)
のとおりとなる。
エ第25事件・平成17年分
原告P4の平成17年分の不動産所得の金額について,弁論の全趣旨に
よれば,原告P4がした平成19年3月15日付け更正の請求中の「不動
産所得の金額(平成16年分)」2266万8206円(別表8-36の
「更正の請求」欄順号④参照)は,原告P4が世田谷税務署長に提出した
平成17年3月15日付け平成16年分の所得税の確定申告書添付の同年
分所得税青色申告決算書(不動産所得用)に記載した金額と同額であり,
同年分の不動産所得であると認められるから,これを踏まえて原告P4の
平成17年分の総所得金額及び納付すべき税額を算定すると,別紙11の
5(4)記載のとおりとなる。
そうすると,第25事件・平成17年分通知処分のうち,別紙11の5(4)
で認定した総所得金額899万2125円,納付すべき税額マイナス(還
付金の額に相当する税額)313万1830円を超える部分が違法である
から,これを取り消すべきである(別紙3の第9の2参照)。
(10)原告P33関係
ア第10事件・平成13年分
原告P33の平成13年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-37の確定申告欄記載のとおりであり,第10事件・平成13年分更正
処分のうち第10事件・平成13年分確定申告書の申告額を超える部分及
び第10事件・平成13年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるか
ら,これらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第10の1(1)参照)。
イ第10事件・平成14年分
原告P33の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-38の確定申告欄記載のとおりであり,第10事件・平成14年分更正
処分のうち第10事件・平成14年分確定申告書の申告額を超える部分及
び第10事件・平成14年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるか
ら,これらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第10の1(2)参照)。
ウ第10事件・平成15年分
原告P33の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-39の確定申告欄記載のとおりであり,第10事件・平成15年分更正
処分のうち第10事件・平成15年分確定申告書の申告額を超える部分及
び第10事件・平成15年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるか
ら,これらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第10の1(3)参照)。
エ第26事件・平成17年分
原告P33の平成17年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8
-40の更正の請求欄記載のとおりであり,第26事件・平成17年分通
知処分の全部が違法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第
10の2参照)。
(11)原告P5関係
ア第11事件・平成13年分
(ア)原告P5の平成13年分の総所得金額及び納付すべき税額は,確定申
告では零とされた雑所得の金額が別表8-41の更正処分等欄記載のと
おりであることにつき当事者間に争いがないことを踏まえて算定すると,
別紙11の6記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第11事件・平成13年分更正処分は,別紙11の6
で認定した総所得金額1286万9853円及び納付すべき税額マイナ
ス(還付金の額に相当する税額)642万5200円を超える部分が違
法となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第11事件・平成13年分更正処分のうち適法な部分に
より原告P5が新たに納付すべきこととなった税額は600円(△642
万5200円-△642万5800円(別表8-41の「確定申告」欄参照))
となるが,1万円未満の金額であるため,通則法118条3項の規定に
よりその全額が切り捨てられるから,原告P5の平成13年分の所得税
に係る過少申告加算税の額は零円となる。
したがって,第11事件・平成13年分賦課決定処分は,その全部が
違法であるから,これを取り消すべきである。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第11の1(1)
のとおりとなる。
イ第11事件・平成14年分
原告P5の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
42の確定申告欄記載のとおりであり,第11事件・平成14年分更正処
分のうち第11事件・平成14年分確定申告書の申告額を超える部分及び
第11事件・平成14年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,
これらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第11の1(2)参照)。
ウ第11事件・平成15年分
原告P5の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
43の確定申告欄記載のとおりであり,第11事件・平成15年分更正処
分のうち第11事件・平成15年分確定申告書の申告額を超える部分及び
第11事件・平成15年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,
これらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第11の1(3)参照)。
エ第14事件・平成16年分更正処分
原告P5の平成16年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
44の更正の請求欄記載のとおりであり,第14事件・平成16年分更正
処分のうち第14事件・平成16年分更正の請求の金額を超える部分が違
法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第11の2参照)。
(12)原告P6関係
ア第12事件・平成14年分
(ア)原告P6の平成14年分の不動産所得の金額に関し,
本件建物
(P)に係る収入金額及び必要経費が別表9-45の①欄の網掛け部分
記載のとおりであり,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額
及び必要経費が別表9-45の②欄の網掛けのされていない部分記載の
とおりであること,確定申告では零とされた雑所得の金額が別表8-4
5の更正処分等欄記載のとおりであることについては,いずれも当事者
間に争いがないから,これらを踏まえて原告P6の平成14年分の総所
得金額及び納付すべき税額を算定すると,別紙11の7(1)記載のとおり
となる。
(イ)以上によれば,第12事件・平成14年分更正処分は,別紙11の7(1)
で認定した総所得金額1億0501万7314円,納付すべき税額マイ
ナス(還付金の額に相当する税額)608万2815円を超える部分が
違法となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第12事件・平成14年分更正処分のうち適法な部分に
より原告P6が新たに納付すべきこととなった税額である794万円
(△608万2815円-△1402万7937円(別表8-45の「確定申告」欄
参照)。ただし,通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数
を切り捨てた後のもの)を基礎として,これに通則法65条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した原告P6の平成14年
分の所得税に係る過少申告加算税の額は79万4000円となる。
したがって,第12事件・平成14年分賦課決定処分のうち,過少申
告加算税79万4000円を超える部分が違法となる。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第12の1(1)
のとおりとなる。
イ第12事件・平成15年分
(ア)原告P6の平成15年分の不動産所得の金額に関し,
本件建物
(P)に係る収入金額及び必要経費が別表9-46の①欄の網掛け部分
記載のとおりであり,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額
及び必要経費が別表9-46の②欄の網掛けのされていない部分記載の
とおりであることについては,当事者間に争いがないから,これらを踏
まえて原告P6の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額を算定
すると,別紙11の7(2)記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第12事件・平成15年分更正処分は,別紙11の7(2)
で認定した総所得金額9740万6160円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)260万7625円を超える部分が違法
となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第12事件・平成15年分更正処分のうち適法な部分に
より原告P6が新たに納付すべきこととなった税額である849万円
(△260万7625円-△1110万6106円(別表8-46の「確定申告」欄
参照)。ただし,通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数
を切り捨てた後のもの)を基礎として,これに通則法65条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した原告P6の平成15年
分の所得税に係る過少申告加算税の額は84万9000円となる。
したがって,第12事件・平成15年分賦課決定処分のうち,過少申
告加算税84万9000円を超える部分が違法となる。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第12の1(2)
のとおりとなる。
ウ第20事件・平成16年分
(ア)原告P6の平成16年分の不動産所得の金額に関し,
本件建物
(P)に係る収入金額及び必要経費が別表9-47の①欄の網掛け部分
記載のとおりであり,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額
及び必要経費が別表9-47の②欄の網掛けのされていない部分記載の
とおりであることについては,当事者間に争いがないから,これらを踏
まえて原告P6の平成16年分の総所得金額及び納付すべき税額を算定
すると,別紙11の7(3)記載のとおりとなる。
(イ)そうすると,第20事件・平成16年分通知処分は,別紙11の7(3)
で認定した総所得金額8473万6315円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)208万4890円を超える部分が違法
となり,これを取り消すべきである(別紙第3の12の2参照)。
エ第27事件・平成17年分
(ア)原告P6の平成17年分の不動産所得の金額に関し,
本件建物
(P)に係る収入金額及び必要経費が別表9-48の①欄の網掛け部分
記載のとおりであり,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額
及び必要経費が別表9-48の②欄の網掛けのされていない部分記載の
とおりであることについては,当事者間に争いがないから,これらを踏
まえて原告P6の平成17年分の総所得金額及び納付すべき税額を算定
すると,別紙11の7(4)のとおりとなる。
(イ)そうすると,別紙11の7(4)で認定した納付すべき税額90万990
0円は,原告P6が第27事件・平成17年分修正申告書に記載した納
付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する金額)7万0900円を
上回るから,第27事件・平成17年分通知処分は適法である。
(13)原告P7関係
ア第13事件・平成13年分
原告P7の平成13年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
49の修正申告欄記載のとおりであり,第13事件・平成13年分更正処
分のうち第13事件・平成13年分修正申告書の申告額を超える部分及び
第13事件・平成13年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,
これらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第13の1(1)参照)。
イ第13事件・平成14年分
原告P7の平成14年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
50の修正申告欄記載のとおりであり,第13事件・平成14年分更正処
分のうち第13事件・平成14年分修正申告書の申告額を超える部分及び
第13事件・平成14年分賦課決定処分の全部がそれぞれ違法であるから,
これらをいずれも取り消すべきである(別紙3の第13の1(2)参照)。
ウ第13事件・平成15年分
(ア)原告P7の平成15年分の総所得金額及び納付すべき税額は,給与所
得の金額が被告主張のとおり6310万1082円であること(別紙9
の第13の3(1)ア(ウ)参照)につき当事者間に争いがないことを踏まえ
て算定すると,別紙11の8記載のとおりとなる。
(イ)以上によれば,第13事件・平成15年分更正処分は,別紙11の8
で認定した総所得金額2816万5993円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)1415万1235円を超える部分が違
法となり,これを取り消すべきこととなる。
そうすると,第13事件・平成15年分更正処分のうち適法な部分に
より原告P7が新たに納付すべきこととなった税額である76万円(△1
415万1235円-△1491万5405円(別表8-51の「確定申告」欄参照。
ただし,通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数を切り捨
てた後のもの)を基礎として,これに通則法65条1項の規定に基づき
100分の10の割合を乗じて算出した原告P7の平成15年分の所得
税に係る過少申告加算税の額は7万6000円となる。
したがって,第13事件・平成15年分賦課決定処分のうち,過少申
告加算税7万6000円を超える部分が違法となる。
以上から,上記各処分の取り消すべき範囲は,別紙3の第13の1(3)
のとおりとなる。
エ第19事件・平成16年分
原告P7の平成16年分の総所得金額及び納付すべき税額は,別表8-
52の更正の請求欄記載のとおりであり,第19事件・平成16年分通知
処分の全部が違法であるから,これを取り消すべきである(別紙3の第13
の2参照)。
第4結論
よって,①原告P23,原告P20,原告P11,原告P32,原告P2
9及び原告P33の請求は,いずれも理由があるから認容し,②原告P1,
原告P2,原告P3,原告P4,原告P5,原告P6及び原告P7の請求は,
それぞれ第3の5で説示した限度において理由があるからこれらを認容し,そ
の余は理由がないからいずれも棄却し,訴訟費用の負担について,行政事件訴
訟法7条,民訴法61条(ただし,原告P1,原告P2,原告P3,原告P4,
原告P5及び原告P7の各請求に関しては61条,64条ただし書,原告P6
の請求に関しては61条,64条本文)を適用して,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第2部
裁判長裁判官川神裕
裁判官林史高
裁判官牛尾可南
(別紙1)
事件目録
1平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第1事件」
という。)
2平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第2事件」
という。)
3平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第3事件」
という。)
4平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第4事件」
という。)
5平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第5事件」
という。)
6平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第6事件」
という。)
7平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第7事件」
という。)
8平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第8事件」
という。)
9平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第9事件」
という。)
10平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第10事件」
という。)
11平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第11事件」
という。)
12平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第12事件」
という。)
13平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第13事件」
という。)
14平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第14事件」
という。)
15平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第15事件」という。)
16平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第16事件」という。)
17平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第17事件」という。)
18平成○年(行ウ)第○号所得税更正処分取消等請求事件(以下「第18事件」
という。)
19平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第19事件」という。)
20平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第20事件」という。)
21平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第21事件」という。)
22平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第22事件」という。)
23平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第23事件」という。)
24平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第24事件」という。)
25平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第25事件」という。)
26平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第26事件」という。)
27平成○年(行ウ)第○号更正すべき理由がない旨の通知処分取消請求事件(以
下「第27事件」という。)
(別紙3)
取消処分目録
別紙請求目録記載の各処分のうち取り消すべき部分は,次のとおりである。
第1原告P23関係
1第1事件
(1)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした
①原告P23の平成14年分の所得税の更正処分のうち総所得金額450
6万8739円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
743万0426円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(2)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした
①原告P23の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額38
00万9614円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
901万9546円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
2第17事件
目黒税務署長が平成18年6月16日付けでした原告P23の平成16年分
の所得税に係る平成18年3月9日付け更正の請求に対する更正をすべき理由
がない旨の通知処分の全部
第2原告P20関係
1第2事件
(1)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした
①原告P20の平成13年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額27
84万9016円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
1913万6876円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(2)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした
①原告P20の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額0円,
退職所得の金額2億3235万6100円,納付すべき税額マイナス(還
付金の額に相当する税額)2026万6140円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(3)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした
①原告P20の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額78
7万7418円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
631万0157円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
2第21事件
世田谷税務署長が平成18年10月6日付けでした原告P20の平成16年
分の所得税に係る平成18年3月14日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分の全部
3第22事件
世田谷税務署長が平成21年3月6日付けでした
①原告P20の平成17年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額421
2万0576円,納付すべき税額13万7200円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
第3原告P11関係
1第3事件
(1)渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでした
①原告P11の平成13年分の所得税の更正処分(平成17年11月29
日付け更正処分により一部取り消された後のもの)のうち,総所得金額7
億0479万4011円,納付すべき税額9294万6000円を超える
部分
②過少申告加算税の賦課決定処分(平成17年11月29日付け変更決定
処分により一部取り消された後のもの)の全部
(2)渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでした
①原告P11の平成14年分の所得税の更正処分(平成17年11月29
日付け更正処分により一部取り消された後のもの)のうち,総所得金額6
億1560万5251円,納付すべき税額4794万8100円を超える
部分
②過少申告加算税の賦課決定処分(平成17年11月29日付け変更決定
処分により一部取り消された後のもの)の全部
(3)渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでした
①原告P11の平成15年分の所得税の更正処分(平成17年11月29
日付け更正処分により一部取り消された後のもの)のうち,総所得金額2
億0784万2374円,納付すべき税額7219万9800円を超える
部分
②過少申告加算税の賦課決定処分(平成17年11月29日付け変更決定
処分により一部取り消された後のもの)の全部
2第18事件
(1)渋谷税務署長が平成18年6月30日付けでした原告P11の平成16年
分の所得税に係る平成18年2月2日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分の全部
(2)渋谷税務署長が平成18年10月2日付けでした
①原告P11の平成17年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額3億
1761万6907円,納付すべき税額4351万5100円を超える部

②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
第4原告P32関係(第4事件)
1日野税務署長が平成17年2月23日付けでした
①原告P32の平成13年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額264
3万3649円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)8
64万1705円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
2日野税務署長が平成17年2月23日付けでした
①原告P32の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額206
2万3243円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)1
095万1965円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
3日野税務署長が平成17年2月23日付けでした
①原告P32の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額179
3万1949円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)1
139万9845円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
第5原告P1関係
1第5事件
(1)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
①原告P1の平成13年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額382
1万5996円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
390万4080円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(2)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
①原告P1の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額350
2万0038円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
664万3732円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(3)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
①原告P1の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額384
0万1738円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
485万8346円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
2第15事件
麻布税務署長が平成18年7月31日付けでした原告P1の平成16年分の
所得税に係る平成18年3月15日付け更正の請求に対する更正をすべき理由
がない旨の通知処分の全部
3第23事件
麻布税務署長が平成19年7月31日付けでした原告P1の平成17年分の
所得税に係る平成19年3月15日付け更正の請求に対する更正をすべき理由
がない旨の通知処分の全部
第6原告P29関係(第6事件)
1北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした
①原告P29の平成13年分の所得税の更正処分(平成17年7月20日付
け異議決定により一部取り消された後のもの)のうち,総所得金額2678
万0119円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)22
12万5909円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分(平成17年7月20日付け異議決定によ
り一部取り消された後のもの)の全部
2北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした
①原告P29の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額256
8万4792円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)2
525万0981円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分(平成17年7月20日付け異議決定によ
り一部取り消された後のもの)の全部
3北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした
①原告P29の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額230
7万4884円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)5
26万9447円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
第7原告P2関係(第7事件)
1荻窪税務署長が平成17年2月28日付けでした
①原告P2の平成13年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額2225
万6769円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)73
9万3300円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
2荻窪税務署長が平成17年2月28日付けでした
①原告P2の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額2340
万0529円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)80
7万7910円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
3荻窪税務署長が平成17年6月15日付けでした原告P2の平成15年分の
所得税の更正処分のうち,総所得金額2667万0695円,納付すべき税額
マイナス(還付金の額に相当する税額)812万6110円を超える部分
第8原告P3関係
1第8事件
(1)玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした
①原告P3の平成13年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額184
7万6939円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
773万8732円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(2)玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした
①原告P3の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額176
4万3518円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
842万8887円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(3)玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした
①原告P3の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額181
4万6510円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
775万6595円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
2第16事件
玉川税務署長が平成18年2月28日付けでした原告P3の平成16年分の
所得税に係る平成18年1月5日付け更正の請求に対する更正をすべき理由が
ない旨の通知処分の全部
3第24事件
玉川税務署長が平成19年5月29日付けでした原告P3の平成17年分の
所得税に係る平成19年3月14日付け更正の請求に対する更正をすべき理由
がない旨の通知処分の全部
第9原告P4関係
1第9事件
(1)世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでした
①原告P4の平成13年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額168
6万0663円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
784万5520円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(2)世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでした
①原告P4の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額118
7万4812円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
911万1320円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(3)世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでした
①原告P4の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額122
6万3743円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
902万9241円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
2第25事件
世田谷税務署長が原告P4に対し平成19年7月9日付けでした,原告P4
の平成17年分の所得税に係る平成19年3月15日付け更正の請求に対する
更正をすべき理由がない旨の通知処分のうち,総所得金額899万2125円,
納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)313万1830円を
超える部分
第10原告P33関係
1第10事件
(1)玉川税務署長が平成17年3月10日付けでした
①原告P33の平成13年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額32
90万0183円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
873万5890円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(2)玉川税務署長が平成17年3月10日付けでした
①原告P33の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額31
84万4832円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
940万8180円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(3)玉川税務署長が平成17年3月10日付けでした
①原告P33の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額25
13万7521円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
902万4970円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
2第26事件
玉川税務署長が平成19年5月29日付けでした原告P33の平成17年分
の所得税に係る平成19年3月13日付け更正の請求に対する更正をすべき理
由がない旨の通知処分の全部
第11原告P5関係
1第11事件
(1)渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでした
①原告P5の平成13年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額128
6万9853円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
642万5200円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(2)渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでした
①原告P5の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額121
3万8816円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
666万5500円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(3)渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでした
①原告P5の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額128
1万6465円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
640万0900円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
2第14事件
渋谷税務署長が平成17年11月28日付けでした原告P5の平成16年分
の所得税の更正処分のうち,総所得金額1432万9318円,納付すべき税
額マイナス(還付金の額に相当する税額)711万8200円を超える部分
第12原告P6関係
1第12事件
(1)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
①原告P6の平成14年分の所得税の更正処分(平成17年11月30日
付け及び平成18年1月23日付け各更正処分により一部取り消された後
のもの)のうち,総所得金額1億0501万7314円,納付すべき税額
マイナス(還付金の額に相当する税額)608万2815円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分(平成17年11月30日付け及び平成
18年1月23日付け各変更決定処分により一部取り消された後のもの)
のうち,過少申告加算税79万4000円を超える部分
(2)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
①原告P6の平成15年分の所得税の更正処分(平成17年7月27日付
け異議決定並びに同年11月30日付け及び平成18年1月23日付け各
更正処分により一部取り消された後のもの)のうち,総所得金額9740
万6160円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)2
60万7625円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分(平成17年7月27日付け異議決定並
びに同年11月30日付け及び平成18年1月23日付け各変更決定処分
により一部取り消された後のもの)のうち,過少申告加算税84万900
0円を超える部分
2第20事件
麻布税務署長が平成18年6月30日付けでした原告P6の平成16年分の
所得税に係る平成18年3月10日付け更正の請求に対する更正をすべき理由
がない旨の通知処分(同年10月2日付け異議決定により一部取り消された後
のもの)のうち,総所得金額8473万6315円,納付すべき税額マイナス
(還付金の額に相当する税額)208万4890円を超える部分
第13原告P7関係
1第13事件
(1)麻布税務署長が平成17年3月14日付けでした
①原告P7の平成13年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額312
6万8905円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
267万7500円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分(賦課決定処分については平成17年7
月27日付け異議決定により一部取り消された後のもの)の全部
(2)麻布税務署長が平成17年3月14日付けでした
①原告P7の平成14年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額578
8万8635円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
411万1017円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分の全部
(3)麻布税務署長が平成17年3月14日付けでした
①原告P7の平成15年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額281
6万5993円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)
1415万1235円を超える部分
②過少申告加算税の賦課決定処分のうち,過少申告加算税7万6000円
を超える部分
2第19事件
麻布税務署長が平成19年1月31日付けでした原告P7の平成16年分の
所得税に係る平成18年3月15日付け更正の請求に対する更正をすべき理由
がない旨の通知処分の全部
(別紙4)
凡例
第1略語について
本判決で使用する略語の一部は以下のとおりであり,ここに一括して掲記す
る。
1租税関係法令
略称用語
通則法国税通則法
措置法租税特別措置法
負担軽減措置法経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及
び法人税の負担軽減措置に関する法律(平成11年法律
第8号)
日米租税条約所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の
防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の
条約(平成16年3月30日条約第2号)
租税法所得税法及び法人税法その他の租税に関する法律
※なお,以下に掲げる法令の規定は,特に断りのない限り,次のものとする。
①民法平成18年法律第50号による改正前のもの
②所得税法13条1項平成19年法律第6号による改正前のもの
2パートナーシップに係る統一法及び米国デラウェア州の制定法関係
略称用語
統一州法委員
会全国会議
米国のNationalConferenceofCommissioners
ofUniformStateLaws(NCCUSL)
1914年統
一GPS法
統一州法委員会全国会議が,ジェネラル・パー
トナーシップ(GPS)に関して,1914年に
提案した統一パートナーシップ法(UniformPart
nershipAct)
1994年改
訂統一GPS法
統一州法委員会全国会議が,1994年に19
14年統一GPS法を改訂した改訂統一パートナ
ーシップ法(TheRevisedUniformPartnership
Act)
1916年統
一LPS法
統一州法委員会全国会議が,リミテッド・パー
トナーシップ(LPS)に関して,1916年に
提案した統一リミテッド・パートナーシップ法(U
niformLimitedPartnershipAct)
1976年改
訂統一LPS法
統一州法委員会全国会議が,1976年に19
16年統一LPS法を改訂した改訂統一リミテッ
ド・パートナーシップ法(TheRevisedUniform
LimitedPartnershipAct)
1985年改
訂統一LPS法
統一州法委員会全国会議が,1985年に19
76年改訂統一LPS法を改訂した後の改訂統一
リミテッド・パートナーシップ法
2001年改
訂統一LPS法
統一州法委員会全国会議が,2001年に19
85年改訂統一LPS法を改訂した後の改訂統一
リミテッド・パートナーシップ法
1999年改
正前の州GPS

デラウェア州が,GPSに関して,1947年
に1914年統一GPS法を基礎として一定の修
正を施して制定したデラウェア州統一パートナー
シップ法(DelawareUniformPartnershipLaw。
「Chapter15.Partnership,Title6oftheDe
lawareCode」を指す。)
州GPS法デラウェア州が,1999年,1994年改訂
統一GPS法を基礎として一定の修正を施し,1
999年改正前の州GPS法を改正して制定した
デラウェア州改正統一パートナーシップ法(Dela
wareRevisedUniformPartnershipAct。「Chap
ter15.DelawareRevisedUniformPartnership
Act,Title6oftheDelawareCode」を指す。
1999年7月12日施行)
州LPS法
(※)
デラウェア州が,LPSに関して,1983年
,1976年改訂統一LPS法を基礎として一定
の修正を施して制定したデラウェア州改正統一リ
ミテッド・パートナーシップ法(DelawareRevis
edUniformLimitedPartnershipAct。「Chapte
r17LimitedPartnerships,Title6oftheDe
lawareCode」を指す。)
デラウェア州

デラウェア州の制定法
※なお,州LPS法の規定を表記する際には,例えば§17-201を「2
01条」というように,第17章(Chapter17)中の条文であることを示
す「§17-」を省略する。
3関係者等
略称用語
原告P23ら原告P23及び原告P6
原告P20ら原告P20,原告P32,原告P1,原告P4,
原告P33及び原告P7
原告P11ら原告P11,原告P29,原告P2,原告P3及
び原告P5
P8証券ドイツ所在のP31銀行を親会社として日本にお
けるP31銀行グループの証券業務の中核を担うも
のとして昭和61年に設立された会社であるP8
P12銀行ルクセンブルクの法律に基づいて設立されたルク
センブルク所在の法人であるP12.(現在の名称は
,P34)
P14英国領ケイマン諸島の法令に基づいて設立された
同島所在の法人であるP14.
本件GP(C)デラウェア州法に基づいて組成されたLLCであ
るP13
P16米国カルフォルニア州所在のリミテッド・パート
ナーシップであるP16.
P18米国カルフォルニア州所在のリミテッド・パート
ナーシップであるP18.
P19米国デラウェア州所在の法人であるP19.
P17米国カルフォルニア州所在の法人であるP17
P21P14の子会社であって平成15年7月17日に
設立された株式会社P21
P22銀行米国の法律に基づいて設立された米国所在の大手
信託銀行であるP22.
本件GP(P)デラウェア州法に基づいて組成されたLLCであ
るP24
P26米国デラウェア州所在のリミテッド・パートナー
シップであるP26.
P28米国デラウェア州所在の法人であるP28.
P27米国コロンビア特別区所在の法人であるP27
本件各受託銀行P12銀行及びP22銀行
本件各GP本件GP(C)及び本件GP(P)
4本件各LPS関係
略語用語
パートナーシップ米国各州の立法で認められている2名以上の者
により組成される事業活動を営むための組織形態
としてのパートナーシップ(Partnership。PSと
も略称される。)
ジェネラル・パートナ

パートナーシップにおいて,第三者が無限責任
を負い当該事業活動を代理する権利を有するジェ
ネラル・パートナー(GeneralPartner。GPとも
略称される。)
リミテッド・パートナ

パートナーシップにおいて,出資額を限度とす
る有限責任を負い当該事業活動に対する経営参加
権を有しないリミテッド・パートナー(Limited
Partner。LPとも略称される。)
GPS2名以上のジェネラル・パートナーのみによっ
て構成されるジェネラル・パートナーシップ(Ge
neralPartnership)
LPS1名以上のジェネラル・パートナーと1名以上
のリミテッド・パートナーによって構成されるリ
ミテッド・パートナーシップ(LimitedPartners
hip)。特に断らない限り,デラウェア州法所定の
ものとする。
LLCリミテッド・ライアビリティ・カンパニー(Li
mitedLiabilityCompany)。特に断らない限り,
デラウェア州法所定のものとする。
LPS証明書州LPS法201条(a)及び(b)所定の「リミテ
ッド・パートナーシップ証明書」
本件基本信託契約(C
-1)
委託者兼受益者である原告P11らと受託者で
あるP12銀行との間で締結された基本信託契約
である「MASTERFIDUCIARYCONTRACT」
本件基本信託契約(C
-2)
委託者兼受益者である原告P20らと受託者で
あるP12銀行との間で締結された基本信託契約
である「MASTERFIDUCIARYCONTRACT」
本件LPS契約(C)P12銀行,P14及び本件GP(C)との間
で締結された本件GP(C)をジェネラル・パー
トナーとし,P12銀行及びP14をリミテッド
・パートナーとするパートナーシップ契約である
「PARTNERSHIPAGREEMENTOFP15」
本件LPS(C)米国のリミテッドパートナーシップであるP1

本件売買契約(C)本件建物(C)の本件LPS(C)への売却等に関
し,2000年(平成12年)12月22日付け
で,本件土地(C)の地主であるP16及び借地人
である本件LPS(C)の間で締結された契約
本件土地賃貸借契約(
C)
本件土地(C)の本件LPS(C)への賃貸借に関
し,2000年(平成12年)12月22日付け
で,本件土地(C)の地主であるP16及び借地人
である本件LPS(C)の間で締結された契約
本件管理契約(C)本件不動産(C)の賃貸に係る管理・運営業務に
関し,2000年(平成12年)12月22日付
けで,本件建物(C)の所有者である本件LPS(
C)及び本件不動産(C)の賃貸に係る管理者であ
るP17の間で締結された契約
本件不動産賃貸事業(
C)
本件LPS(C)において本件建物(C)を第
三者に対して賃貸する事業
本件新信託契約(C)委託者兼受益者である原告P20ら及び受託者
であるP22銀行の間で締結された信託契約
本件建物(C)米国所在の中古集合住宅である「P9」(通称
P9)
本件土地(C)本件建物(C)の敷地
本件不動産(C)本件建物(C)及び本件土地(C)
本件基本信託契約(P)委託者兼受益者である原告P23らと受託者で
あるP12銀行との間で締結された基本信託契約
である「MASTERFIDUCIARYCONTRACT」
本件LPS契約(P)P12銀行及び本件GP(P)との間で200
2年(平成14年)3月28日付けで締結された
本件GP(P)をジェネラル・パートナーとし,
P12銀行をリミテッド・パートナーとするパー
トナーシップ契約である「PARTNERSHIPAGREEMEN
TOFP25」
本件LPS(P)米国のリミテッドパートナーシップである「P
25
本件売買契約(P)本件建物(P)の本件LPS(P)への売却等
に関し,本件土地(P)の地主であるP26及び
本件LPS(P)との間で2002年(平成14
年)3月28日付けで締結された契約
本件土地賃貸借契約(
P)
本件土地(P)の本件LPS(P)への賃貸借
に関し,本件土地(P)の地主であるP26及び
借地人である本件LPS(P)との間で2002
年(平成14年)3月28日付けで締結された契

本件管理契約(P)本件不動産(P)の賃貸に係る管理・運営業務に
関し,平成14年3月28日付けで,本件建物(
P)の所有者である本件LPS(P)及び本件不動
産(P)の賃貸に係る管理者であるP27の間で締
結された契約
本件不動産賃貸事業(
P)
本件LPS(P)において本件建物(P)を第
三者に対して賃貸する事業
本件新信託契約(P)委託者兼受益者である原告P23ら及び受託者
であるP22銀行との間で締結された信託契約
本件建物(P)米国所在の中古集合住宅である「P10」(通
称P10)
本件建物(P)本件建物(P)の敷地
本件不動産(P)本件建物(P)及び本件土地(P)
本件各信託契約本件基本信託契約(C),本件基本信託契約(
P),本件新信託契約(C)及び本件新信託契約
(P)
本件各LPS契約本件LPS契約(C)及び本件LPS契約(P

本件各LPS本件LPS(C)及び本件LPS(P)
本件各売買契約本件売買契約(C)及び本件売買契約(P)
本件各土地賃貸借契約本件土地賃貸借契約(C)及び本件土地賃貸借
契約(P)
本件各管理契約本件管理契約(C)及び本件管理契約(P)
本件各不動産賃貸事業本件不動産賃貸事業(C)及び本件不動産賃貸
事業(P)
本件各建物本件建物(C)及び本件建物(P)
本件各土地本件土地(C)及び本件土地(P)
本件各不動産本件不動産(C)及び本件不動産(P)
5本件各処分関係
略語用語
総論
本件各処分原告らが本件訴えで取消しを求めている別紙5
(請求目録)記載の各所得税の更正処分,過少申
告加算税の賦課決定処分及び更正の請求に対する
更正をすべき理由がない旨の通知処分の総称
本件各更正処分本件各処分のうち,原告らが本件訴えで取消し
を求めている別紙5(請求目録)記載の各所得税
の更正処分の総称
本件各賦課決定処分本件各処分のうち,原告らが本件訴えで取消し
を求めている別紙5(請求目録)記載の過少申告
加算税の賦課決定処分の総称
本件通知処分本件各処分のうち,原告らが本件訴えで取消し
を求めている別紙5(請求目録)記載の更正の請
求に対する更正をすべき理由がない旨の通知処分
の総称
原告P23関係
第1事件・平成14年
分修正申告書
原告P23が平成15年5月15日に目黒税務
署長に提出した平成14年分の所得税の修正申告

第1事件・平成14年
分更正処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P23の平成14年分の所得税の更正処分
第1事件・平成14年
分賦課決定処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P23の平成14年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分
第1事件・平成15年
分確定申告書
原告P23が平成16年3月9日に目黒税務署
長に提出した平成14年分の所得税の確定申告書
第1事件・平成15年
分更正処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P23の平成15年分の所得税の更正処分
第1事件・平成15年
分賦課決定処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P23の平成15年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分
第17事件・平成16
年分申告書
原告P23が平成17年3月10日に目黒税務
署長に提出した平成16年分の所得税の確定申告

第17事件・平成16
年分通知処分
目黒税務署長が平成18年6月16日付けでし
た原告P23の平成16年分の所得税に係る平成
18年3月9日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
原告P20関係
第2事件・平成13年
分確定申告書
原告P20が平成14年3月15日に目黒税務
署長に提出した平成13年分の所得税の確定申告

第2事件・平成13年
分更正処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P20の平成13年分の所得税の更正処分
第2事件・平成13年
分賦課決定処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P20の平成13年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分
第2事件・平成14年
分修正申告書
原告P20が平成15年8月11日に目黒税務
署長に提出した平成14年分の所得税の修正申告

第2事件・平成14年
分更正処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P20の平成14年分の所得税の更正処分
第2事件・平成14年
分賦課決定処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P20の平成14年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分
第2事件・平成15年
分確定申告書
原告P20が平成16年3月12日に目黒税務
署長に提出した平成15年分の所得税の確定申告

第2事件・平成15年
分更正処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P20の平成15年分の所得税の更正処分
第2事件・平成15年
分賦課決定処分
目黒税務署長が平成17年2月24日付けでし
た原告P20の平成15年分の所得税の過少申告
加算税の賦課決定処分
第21事件・平成16
年分確定申告書
原告P20が平成17年3月15日に目黒税務
署長に提出した平成16年分の所得税の確定申告

第21事件・平成16
年分通知処分
世田谷税務署長が平成18年10月6日付けで
原告P20の平成16年分の所得税に係る平成1
8年3月14日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
第22事件・平成17
年分通知処分
世田谷税務署長が平成19年7月9日付けで原
告P20の平成17年分の所得税に係る平成19
年3月14日付け更正の請求につき更正をすべき
理由がない旨の通知処分
第22事件・平成17
年分修正申告書
原告P20が平成21年3月3日に世田谷税務
署長に提出した平成17年分の所得税の修正申告

第22事件・平成17
年分更正処分
世田谷税務署長が平成21年3月6日付けでし
た原告P20の平成17年分の所得税の更正処分
第22事件・平成17
年分賦課決定処分
世田谷税務署長が平成21年3月6日付けでし
た原告P20の平成17年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分
原告P11関係
第3事件・平成13年
分修正申告書
原告P11が平成15年6月27日に世田谷税
務署長に提出した平成13年分の所得税の修正申
告書
第3事件・平成13年
分更正処分
渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでし
た原告P11の平成13年分の所得税の更正処分
(ただし,平成17年11月29日付け再更正処
分により一部取り消された後のもの)
第3事件・平成13年
分賦課決定処分
渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでし
た原告P11の平成13年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成17年
11月29日付け変更決定処分により一部取り消
された後のもの)
第3事件・平成14年
分確定申告書
原告P11が平成15年3月14日に世田谷税
務署長に提出した平成14年分の所得税の修正申
告書
第3事件・平成14年
分更正処分
渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでし
た原告P11の平成14年分の所得税に係る更正
処分(ただし,平成17年11月29日付け再更
正処分により一部取り消された後のもの)
第3事件・平成14年
分賦課決定処分
渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでし
た原告P11の平成14年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成17年
11月29日付け変更決定処分により一部取り消
された後のもの)
第3事件・平成15年
分確定申告書
原告P11が平成16年3月11日に渋谷税務
署長に提出した平成15年分の所得税の確定申告

第3事件・平成15年
分更正処分
渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでし
た原告P11の平成15年分の所得税の更正処分
(ただし,平成17年11月29日付け再更正処
分により一部取り消された後のもの)
第3事件・平成15年
分賦課決定処分
渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでし
た原告P11の平成15年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成17年
11月29日付け変更決定処分により一部取り消
された後のもの)
第18事件・平成16
年分確定申告書
原告P11が平成17年3月14日に渋谷税務
署長に提出した平成16年分の所得税の確定申告

第18事件・平成16
年分通知処分
渋谷税務署長が平成18年6月30日付けでし
た原告P11の平成16年分の所得税に係る平成
18年2月2日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
第18事件・平成17
年分確定申告書
原告P11が平成18年3月15日に渋谷税務
署長に提出した平成17年分の所得税の確定申告

第18事件・平成17
年分更正処分
渋谷税務署長が平成18年10月2日付けでし
た原告P11の平成17年分の所得税の更正処分
第18事件・平成17
年分賦課決定処分
渋谷税務署長が平成18年10月2日付けでし
た原告P11の平成17年分の所得税の過少申告
加算税の賦課決定処分
原告P32関係
第4事件・平成13年
分確定申告書
原告P32が平成14年3月15日に日野税務
署長に提出した平成13年分の所得税の確定申告

第4事件・平成13年
分更正処分
日野税務署長が平成17年2月23日付けでし
た原告P32の平成13年分の所得税の更正処分
第4事件・平成13年
分賦課決定処分
日野税務署長が平成17年2月23日付けでし
た原告P32の平成13年分の所得税の過少申告
加算税の賦課決定処分
第4事件・平成14年
分確定申告書
原告P32が平成15年3月14日に日野税務
署長に提出した平成14年分の所得税の確定申告

第4事件・平成14年
分更正処分
日野税務署長が平成17年2月23日付けでし
た原告P32の平成14年分の所得税の更正処分
第4事件・平成14年
分賦課決定処分
日野税務署長が平成17年2月23日付けでし
た原告P32の平成14年分の所得税の過少申告
加算税の賦課決定処分
第4事件・平成15年
分確定申告書
原告P32が平成16年3月12日に日野税務
署長に提出した平成15年分の所得税の確定申告

第4事件・平成15年
分更正処分
日野税務署長が平成17年2月23日付けでし
た原告P32の平成15年分の所得税の更正処分
第4事件・平成15年
分賦課決定処分
日野税務署長が平成17年2月23日付けでし
た原告P32の平成15年分の所得税の過少申告
加算税の賦課決定処分
原告P1関係
第5事件・平成13年
分確定申告書
原告P1が平成14年3月15日に渋谷税務署
長に提出した平成13年分の所得税の確定申告書
第5事件・平成13年
分更正処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P1の平成13年分の所得税の更正処分
第5事件・平成13年
分賦課決定処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P1の平成13年分の所得税の過少申告加算
税の賦課決定処分
第5事件・平成14年
分確定申告書
原告P1が平成15年3月17日に渋谷税務署
長に提出した平成14年分の所得税の確定申告書
第5事件・平成14年
分更正処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P1の平成14年分の所得税の更正処分
第5事件・平成14年
分賦課決定処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P1の平成14年分の所得税の過少申告加算
税の賦課決定処分
第5事件・平成15年
分確定申告書
原告P1が平成16年3月15日に渋谷税務署
長に提出した平成15年分の所得税の確定申告書
第5事件・平成15年
分更正処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P1の平成15年分の所得税の更正処分
第5事件・平成15年
分賦課決定処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P1の平成15年分の所得税の過少申告加算
税の賦課決定処分
第15事件・平成16
年分確定申告書
原告P1が平成17年3月15日に麻布税務署
長に提出した平成16年分の所得税の確定申告書
第15事件・平成16
年分通知処分
麻布税務署長が平成18年7月31日付けでし
た原告P1の平成16年分の所得税に係る平成1
8年3月15日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
第23事件・平成17
年分確定申告書
原告P1が平成18年3月15日に麻布税務署
長に提出した平成17年分の所得税の確定申告書
第23事件・平成17
年分通知処分
麻布税務署長が平成19年7月31日付けでし
た原告P1の平成17年分の所得税に係る平成1
9年3月15日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
原告P29関係
第6事件・平成13年
分修正申告書
原告P29が平成15年2月27日に渋谷税務
署長に提出した平成13年分の所得税の修正申告

第6事件・平成13年
分更正処分
北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P29の平成13年分の所得税の更正処分(
ただし,平成17年7月20日付け異議決定によ
り一部取り消された後のもの)
第6事件・平成13年
分賦課決定処分
北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P29の平成13年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分(ただし,平成17年7
月20日付け変更決定処分により一部取り消され
た後のもの)
第6事件・平成14年
分確定申告書
原告P29が平成15年3月10日に渋谷税務
署長に提出した平成14年分の所得税の確定申告

第6事件・平成14年
分減額更正処分
北沢税務署長が平成16年2月26日付けでし
た原告P29の平成14年分の所得税の更正処分
第6事件・平成14年
分更正処分
北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P29の平成14年分の所得税の更正処分
第6事件・平成14年
分賦課決定処分
北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P29の平成14年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分(ただし,平成17年7
月20日付け異議決定により一部取り消された後
のもの)
第6事件・平成15年
分確定申告書
原告P29が平成16年3月4日に北沢税務署
長に提出した平成15年分の所得税の確定申告書
第6事件・平成15年
分更正処分
北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P29の平成15年分の所得税の更正処分
第6事件・平成15年
分賦課決定処分
北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P29の平成15年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
原告P2関係
第7事件・平成13年
分確定申告書
原告P2が平成14年3月15日に荻窪税務署
長に提出した平成13年分の所得税の確定申告書
第7事件・平成13年
分更正処分
荻窪税務署長が平成17年2月28日付けでし
た原告P2の平成13年分の所得税の更正処分
第7事件・平成13年
分賦課決定処分
荻窪税務署長が平成17年2月28日付けでし
た原告P2の平成13年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第7事件・平成14年
分確定申告書
原告P2が平成15年3月14日に荻窪税務署
長に提出した平成14年分の所得税の確定申告書
第7事件・平成14年
分更正処分
荻窪税務署長が平成17年2月28日付けでし
た原告P2の平成14年分の所得税の更正処分
第7事件・平成14年
分賦課決定処分
荻窪税務署長が平成17年2月28日付けでし
た原告P2の平成14年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第7事件・平成15年
分修正申告書
原告P2が平成17年5月24日に税務署長に
提出した平成15年分の所得税の修正申告書
第7事件・平成15年
分更正処分
荻窪税務署長が平成17年6月15日付けでし
た原告P2の平成15年分の所得税の更正処分
原告P3関係
第8事件・平成13年
分確定申告書
原告P3が平成14年3月14日に玉川税務署
長に提出した平成13年分の所得税の確定申告書
第8事件・平成13年
分更正処分
玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした
原告P3の平成13年分の所得税の更正処分
第8事件・平成13年
分賦課決定処分
玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした
原告P3の平成13年分の所得税に係る過少申告
加算税の賦課決定処分
第8事件・平成14年
分確定申告書
原告P3が平成15年3月14日に玉川税務署
長に提出した平成14年分の所得税の確定申告書
第8事件・平成14年
分更正処分
玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした
原告P3の平成14年分の所得税の更正処分
第8事件・平成14年
分賦課決定処分
玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした
原告P3の平成14年分の所得税に係る過少申告
加算税の賦課決定処分
第8事件・平成15年
分確定申告書
原告P3が平成16年3月15日に玉川税務署
長に提出した平成15年分の所得税の確定申告書
第8事件・平成15年
分更正処分
玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした
原告P3の平成15年分の所得税の更正処分
第8事件・平成15年
分賦課決定処分
玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした
原告P3の平成15年分の所得税に係る過少申告
加算税の賦課決定処分
第16事件・平成16
年分確定申告書
原告P3が平成17年3月15日に玉川税務署
長に提出した平成16年分の所得税の確定申告書
第16事件・平成16
年分通知処分
玉川税務署長が平成18年2月28日付けでし
た原告P3の平成16年分の所得税に係る平成1
8年1月5日付け更正の請求につき更正をすべき
理由がない旨の通知処分
第24事件・平成17
年分確定申告書
原告P3が平成18年3月14日に玉川税務署
長に提出した平成17年分の所得税の確定申告書
第24事件・平成17
年分更正請求
原告P3が玉川税務署長に対して平成19年3
月14日付けでした平成17年分の所得税に係る
更正の請求
第24事件・平成17
年分通知処分
玉川税務署長が平成19年5月29日付けでし
た原告P3の平成17年分の所得税に係る平成1
9年3月14日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
原告P4関係
第9事件・平成13年
分確定申告書
原告P4が平成14年3月14日に世田谷税務
署長に提出した平成13年分の所得税の確定申告

第9事件・平成13年
分更正処分
世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでし
た原告P4の平成13年分の所得税の更正処分
第9事件・平成13年
分賦課決定処分
世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでし
た原告P4の平成13年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第9事件・平成14年
分確定申告書
原告P4が平成15年3月13日に世田谷税務
署長に提出した平成14年分の所得税の確定申告

第9事件・平成14年
分更正処分
世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでし
た原告P4の平成14年分の所得税の更正処分
第9事件・平成14年
分賦課決定処分
世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでし
た原告P4の平成14年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第9事件・平成15年
分確定申告書
原告P4が平成16年3月10日に世田谷税務
署長に提出した平成15年分の所得税の確定申告

第9事件・平成15年
分更正処分
世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでし
た原告P4の平成15年分の所得税の更正処分
第9事件・平成15年
分賦課決定処分
世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでし
た原告P4の平成15年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第25事件・平成17
年分確定申告書
原告P4が平成18年3月15日に世田谷税務
署長に提出した平成17年分の所得税の確定申告

第25事件・平成17
年分通知処分
世田谷税務署長が平成19年7月9日付けでし
た原告P4の平成17年分の所得税に係る平成1
9年3月15日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
原告P33関係
第10事件・平成13
年分確定申告書
原告P33が平成14年3月12日に玉川税務
署長に提出した平成13年分の所得税の確定申告

第10事件・平成13
年分更正処分
玉川税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P33の平成13年分の所得税の更正処分
第10事件・平成13
年分賦課決定処分
玉川税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P33の平成13年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分
第10事件・平成14
年分確定申告書
原告P33が平成15年3月12日に玉川税務
署長に提出した平成14年分の所得税の確定申告

第10事件・平成14
年分更正処分
玉川税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P33の平成14年分の所得税の更正処分
第10事件・平成14
年分賦課決定処分
玉川税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P33の平成14年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分
第10事件・平成15
年分確定申告書
原告P33が平成16年3月15日に玉川税務
署長に提出した平成15年分の所得税の確定申告

第10事件・平成15
年分更正処分
玉川税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P33の平成15年分の所得税の更正処分
第10事件・平成15
年分賦課決定処分
玉川税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P33の平成15年分の所得税に係る過少
申告加算税の賦課決定処分
第26事件・平成17
年分確定申告書
原告P33が平成18年3月14日に玉川税務
署長に提出した平成17年分の所得税の確定申告

第26事件・平成17
年分通知処分
玉川税務署長が平成19年5月29日付けでし
た原告P33の平成17年分の所得税に係る平成
19年3月13日付け更正の請求につき更正をす
べき理由がない旨の通知処分
原告P5関係
第11事件・平成13
年分確定申告書
原告P5が平成14年3月15日に渋谷税務署
長に提出した平成13年分の所得税の確定申告書
第11事件・平成13
年分更正処分
渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P5の平成13年分の所得税の更正処分
第11事件・平成13
年分賦課決定処分
渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P5の平成13年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第11事件・平成14
年分確定申告書
原告P5が平成15年3月17日に渋谷税務署
長に提出した平成14年分の所得税の確定申告書
第11事件・平成14
年分更正処分
渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P5の平成14年分の所得税の更正処分
第11事件・平成14
年分賦課決定処分
渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P5の平成14年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第11事件・平成15
年分確定申告書
原告P5が平成16年3月15日に渋谷税務署
長に提出した平成15年分の所得税の確定申告書
第11事件・平成15
年分更正処分
渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P5の平成15年分の所得税の更正処分
第11事件・平成15
年分賦課決定処分
渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでし
た原告P5の平成15年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第14事件・平成16
年分確定申告書
原告P5が平成17年3月14日に渋谷税務署
長に提出した平成16年分の所得税の確定申告書
第14事件・平成16
年分更正請求書
原告P5が渋谷税務署長に対して平成17年3
月16日付けでした平成16年分の所得税に係る
更正の請求に関する更正請求書
第14事件・平成16
年分更正処分
渋谷税務署長が平成17年11月28日付けで
した原告P5の平成16年分の所得税の更正処分
原告P6関係
第12事件・平成14
年分確定申告書
原告P6が平成15年3月16日に麻布税務署
長に提出した平成14年分の所得税の確定申告書
第12事件・平成14
年分更正処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P6の平成14年分の所得税の更正処分(た
だし,平成17年11月30日付け及び平成18
年1月23日付け各更正処分により一部取り消さ
れた後のもの)
第12事件・平成14
年分賦課決定処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P6の平成14年分の所得税に係る過少申告
加算税の賦課決定処分(ただし,平成17年11
月30日付け及び平成18年1月23日付け各変
更決定処分により一部取り消された後もの)
第12事件・平成15
年分確定申告書
原告P6が平成16年3月15日に麻布税務署
長に提出した平成15年分の所得税の確定申告書
第12事件・平成15
年分更正処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P6の平成15年分の所得税の更正処分(た
だし,平成17年7月27日付け異議決定並びに
同年11月30日付け及び平成18年1月23日
付け各更正処分により一部取り消された後のもの

第12事件・平成15
年分賦課決定処分
麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした
原告P6の平成15年分の所得税に係る過少申告
加算税の賦課決定処分(ただし,平成17年7月
27日付け異議決定並びに同年11月30日付け
及び平成18年1月23日付け各変更決定処分に
より一部取り消された後のもの)
第20事件・平成16
年分確定申告書
原告P6が平成17年3月14日に麻布税務署
長に提出した平成16年分の所得税の確定申告書
第20事件・平成16
年分通知処分
麻布税務署長が平成18年6月30日付けでし
た原告P6の平成16年分の所得税に係る平成1
8年3月10日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
第27事件・平成17
年分確定申告書
原告P6が平成18年3月14日に麻布税務署
長に提出した平成17年分の所得税の確定申告書
第27事件・平成17
年分修正申告書
原告P6が平成18年5月15日に麻布税務署
長に提出した平成17年分の所得税の修正申告書
第27事件・平成17
年分通知処分
麻布税務署長が平成19年5月29日付けでし
た原告P6の平成17年分の所得税に係る平成1
9年3月13日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
原告P7関係
第13事件・平成13
年分確定申告書
原告P7が平成14年3月14日に麻布税務署
長に提出した平成13年分の所得税の確定申告書
第13事件・平成13
年分修正申告書
原告P7が平成17年3月8日に麻布税務署長
に提出した平成13年分の所得税の修正申告書
第13事件・平成13
年分更正処分
麻布税務署長が平成17年3月14日付けでし
た原告P7の平成13年分の所得税の更正処分
第13事件・平成13
年分賦課決定処分
麻布税務署長が平成17年3月14日付けでし
た原告P7の平成13年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分(ただし,平成17年7
月27日付け異議決定により一部取り消された後
のもの)
第13事件・平成14
年分確定申告書
原告P7が平成15年3月14日に麻布税務署
長に提出した平成14年分の所得税の確定申告書
第13事件・平成14
年分修正申告書
原告P7が平成17年3月8日に麻布税務署長
に提出した平成14年分の所得税の修正申告書
第13事件・平成14
年分更正処分
麻布税務署長が平成17年3月14日付けでし
た原告P7の平成14年分の所得税の更正処分
第13事件・平成14
年分賦課決定処分
麻布税務署長が平成17年3月14日付けでし
た原告P7の平成14年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第13事件・平成15
年分確定申告書
原告P7が平成16年3月15日に麻布税務署
長に提出した平成15年分の所得税の確定申告書
第13事件・平成15
年分更正処分
麻布税務署長が平成17年3月14日付けでし
た原告P7の平成15年分の所得税の更正処分
第13事件・平成15
年分賦課決定処分
麻布税務署長が平成17年3月14日付けでし
た原告P7の平成15年分の所得税に係る過少申
告加算税の賦課決定処分
第19事件・平成16
年分確定申告書
原告P7が平成17年3月15日に麻布税務署
長に提出した平成16年分の所得税の確定申告書
第19事件・平成16
年分通知処分
麻布税務署長が平成19年1月31日付けでし
た原告P7の平成16年分の所得税に係る平成1
8年3月15日付け更正の請求につき更正をすべ
き理由がない旨の通知処分
6書証関係
略語用語
平成12年7月政府税
調中期答申
政府税制調査会作成の平成12年7月14日付
け「わが国税制の現状と課題-21世紀に向けた
国民の参加と選択-」答申(甲25)
平成12年4月小委員
会討議用資料
大蔵省(当時)主税局が作成し政府税制調査会
法人課税小委員会の討議用資料として提出した平
成12年4月28日付け「法人税制関係資料-法
人税の現状と課題-」(甲26)
江頭論文江頭憲治郎「企業の法人格」(甲29)
英米法辞典(甲38)田中英夫編「英米法辞典」(甲38)
州LPS法解説書ルバロフとアルトマンによるデラウェアのリミ
テッド・パートナーシップ(LUBAROFF&ALTMAN
ONDELAWARELIMITEDPARTNERSHIPS)(甲41,乙
74)
ポッター意見書PotterAnderson&CorroonLLP作成の200
0年12月22日付け意見書(甲73)
アレン教授意見書ニューヨーク大学ロースクールのWilliamT.A
llen教授(アレン教授)の意見書(甲90)
星野論文星野英一「いわゆる「権利能力なき社団」につ
いて」(甲98)
ラムザイヤー教授意見

ハーバード・ロースクールのJ.MarkRamseyer
教授(ラムザイヤー教授)の意見書(甲123)
NYLLC判決さいたま地裁平成○年(行ウ)第○号同19年
5月16日判決(乙52)及びその控訴審判決で
ある東京高裁平成○年(行コ)第○号同年10月
10日判決(乙61)
モリス回答書米国弁護士事務所(MORRIS,NICHOLS,ARSHT&TUN
NELLLLP)からの調査報告書(乙79)
1994年改訂統一G
PS法解説書
「THEREVISEDUNIFORMPARTNERSHIPACT2008-
2007EDITION」(甲42)及び「THEREVISEDUN
IFORMPARTNERSHIPACT2008-2009EDITION」(乙
82)
7その他
略語用語
米国アメリカ合衆国
ルクセンブルクルクセンブルク大公国
ドル米国ドル
集合体理論theaggregatetheory
事業体理論theentitytheory
内国歳入法米国のInternalRevenueCode
財務省規則米国財務省規則(Treasuryregulations)
フォーム1065連邦パートナーシップ情報申告書(U.S.Retu
rnofPartnershipIncome)
スケジュールK1フォーム1065の別表Kとして作成されるパ
ートナー持分に関する情報報告書(Partner’sS
hareofIncome,Deduction,Credits,etc.)
フォーム1040NR連邦非居住外国人所得税確定申告書(U.S.Non
residentAlienIncomeTaxReturn.,いわゆるF
orm1040NR.)
ビジネス・エンティテ

米国財務省規則301.7701-2所定のbusinesse
ntity
適格事業体米国財務省規則301.7701-3所定の「eligible
entity」
本件措置法特例措置法41条の4の2の規定(平成17年法律
第21号(平成18年1月1日施行)により新設
され,平成19年法律第6号による改正前のもの
)による損益通算等の特例
第2税額計算について
1適用法令
本件の税額計算において適用すべき次の各項に掲げる法令等は,特に断りが
ない限り,当該各項に定めるものとする。
(1)通則法関係
平成18年法律第10号による改正前のものとする。
(2)所得税法関係
ア所得税法89条1項
平成18年法律第10号による改正前のものとする。
なお,「所得税法89条1項の税率」は,負担軽減措置法4条の特例を
適用したものとする。
イ所得税法92条1項
平成15年分以前の所得税については,平成16年法律第14号による
改正前のものとする。
ウ所得税法95条1項
平成21年法律第13号による改正前のものとする。
(2)措置法関係
ア措置法31条1項,5項,32条4項,37条の11第1項及び第2項
いずれも平成16年法律第14号による改正前のものとする。
イ措置法37条の10第1項
平成16年法律第14号による改正前のものとする。
ウ措置法37条の12の2第1項及び2項
平成15年法律第8号による改正前のものをいう。
エ措置法41条
平成11年法律第76号による改正前のものとする。
(3)負担軽減措置法
平成17年法律第21号による改正前のものをいう。
2金額の前の△の意味
別紙9(本件各処分の根拠及び計算)及び別紙10(原告らの総所得金額及
び納付すべき税額についての補足説明)において,次の各項に掲げる欄におけ
る金額の前の△は,当該各項に定めるところによる。
(1)「総所得金額」欄,「分離長期譲渡所得の金額」欄,「分離短期譲渡所得
の金額」欄,「株式等に係る譲渡所得等の金額」欄
いずれも当該金額が損失であることを表す。
(2)「納付すべき税額」欄
当該金額が還付金の額に相当する税額であることを表す。
3金額に係る端数の処理
別紙9(本件各処分の根拠及び計算)及び別紙10(原告らの総所得金額及
び納付すべき税額についての補足説明)において,次の各項に掲げる金額に係
る端数の処理は,当該各項に定めるところによる。
(1)課税総所得金額,課税される株式等に係る譲渡所得等の金額
通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後の
ものとする。
(2)納付すべき税額
通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のも
のとする。
(3)還付金の額に相当する税額
通則法120条1項の規定により,1円未満の端数を切り捨てた後の金額
とする。
(4)通則法65条1項の規定に基づく金額
上記金額の計算に当たり,新たに納付すべきこととなった税額は,通則法
118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後のものとする。
(別紙5)
請求目録
1第1事件
(1)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした原告P23の平成14年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額4506万8739円,納付すべき税額マイナス(還付金
の額に相当する税額)743万0426円を超える部分,賦課決定について
は全部を取り消す。
(2)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした原告P23の平成15年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額3800万9614円,納付すべき税額マイナス(還付金
の額に相当する税額)901万9546円を超える部分,賦課決定について
は全部を取り消す。
2第2事件
(1)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした原告P20の平成13年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額2784万9016円,納付すべき税額マイナス(還付金
の額に相当する税額)1913万6876円を超える部分,賦課決定につい
ては全部を取り消す。
(2)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした原告P20の平成14年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては,総所得金額0円,退職所得の金額2億3235万6100円,納付
すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)2026万6140円を
超える部分,賦課決定については全部を取り消す。
(3)目黒税務署長が平成17年2月24日付けでした原告P20の平成15年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額787万7418円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)631万0157円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
3第3事件
(1)渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでした原告P11の平成13年
分の所得税の更正処分(平成17年11月29日付け更正処分により一部取
り消された後のもの)及び過少申告加算税の賦課決定処分(同日付け変更決
定処分により一部取り消された後のもの)のうち,更正については総所得金
額7億0479万4011円,納付すべき税額9294万6000円を超え
る部分,賦課決定については全部を取り消す。
(2)渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでした原告P11の平成14年
分の所得税の更正処分(平成17年11月29日付け更正処分により一部取
り消された後のもの)及び過少申告加算税の賦課決定処分(同日付け変更決
定処分により一部取り消された後のもの)のうち,更正については総所得金
額6億1560万5251円,納付すべき税額4794万8100円を超え
る部分,賦課決定については全部を取り消す。
(3)渋谷税務署長が平成17年2月22日付けでした原告P11の平成15年
分の所得税の更正処分(平成17年11月29日付け更正処分により一部取
り消された後のもの)及び過少申告加算税の賦課決定処分(同日付け変更決
定処分により一部取り消された後のもの)のうち,更正については総所得金
額2億0784万2374円,納付すべき税額7219万9800円を超え
る部分,賦課決定については全部を取り消す。
4第4事件
(1)日野税務署長が平成17年2月23日付けでした原告P32の平成13年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額2643万3649円,納付すべき税額マイナス(還付金
の額に相当する税額)864万1705円を超える部分,賦課決定について
は全部を取り消す。
(2)日野税務署長が平成17年2月23日付けでした原告P32の平成14年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額2062万3243円,納付すべき税額マイナス(還付金
の額に相当する税額)1095万1965円を超える部分,賦課決定につい
ては全部を取り消す。
(3)日野税務署長が平成17年2月23日付けでした原告P32の平成15年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額1793万1949円,納付すべき税額マイナス(還付金
の額に相当する税額)1139万9845円を超える部分,賦課決定につい
ては全部を取り消す。
5第5事件
(1)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした原告P1の平成13年分の
所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正について
は総所得金額3821万5996円,納付すべき税額マイナス(還付金の額
に相当する税額)390万4080円を超える部分,賦課決定については全
部を取り消す。
(2)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした原告P1の平成14年分の
所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正について
は総所得金額3500万2138円,納付すべき税額マイナス(還付金の額
に相当する税額)665万0022円を超える部分,賦課決定については全
部を取り消す。
(3)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした原告P1の平成15年分の
所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正について
は総所得金額3837万8638円,納付すべき税額マイナス(還付金の額
に相当する税額)486万6856円を超える部分,賦課決定については全
部を取り消す。
6第6事件
(1)北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした原告P29の平成13年分
の所得税の更正処分(平成17年7月20日付け異議決定により一部取り消
された後のもの)及び過少申告加算税の賦課決定処分(同日付け異議決定に
より一部取り消された後のもの)のうち,更正については総所得金額267
8万0119円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)2
212万5909円を超える部分,賦課決定については全部を取り消す。
(2)北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした原告P29の平成14年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(賦課決定処分につ
いては平成17年7月20日付け異議決定により一部取り消された後のも
の)のうち,更正については総所得金額2568万4792円,納付すべき
税額マイナス(還付金の額に相当する税額)2525万0981円を超える
部分,賦課決定については全部を取り消す。
(3)北沢税務署長が平成17年3月4日付けでした原告P29の平成15年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額2307万4884円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)526万9447円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
7第7事件
(1)荻窪税務署長が平成17年2月28日付けでした原告P2の平成13年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額2216万1769円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)742万8450円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
(2)荻窪税務署長が平成17年2月28日付けでした原告P2の平成14年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額2340万0529円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)807万7910円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
(3)荻窪税務署長が平成17年6月15日付けでした原告P2の平成15年分
の所得税の更正処分のうち,総所得金額2667万0695円,納付すべき
税額マイナス(還付金の額に相当する税額)812万6110円を超える部
分を取り消す。
8第8事件
(1)玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした原告P3の平成13年分の
所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正について
は総所得金額1847万3839円,納付すべき税額マイナス(還付金の額
に相当する税額)773万9632円を超える部分,賦課決定については全
部を取り消す。
(2)玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした原告P3の平成14年分の
所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正について
は総所得金額1760万7118円,納付すべき税額マイナス(還付金の額
に相当する税額)843万9687円を超える部分,賦課決定については全
部を取り消す。
(3)玉川税務署長が平成17年3月7日付けでした原告P3の平成15年分の
所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正について
は総所得金額1810万9610円,納付すべき税額マイナス(還付金の額
に相当する税額)776万7695円を超える部分,賦課決定については全
部を取り消す。
9第9事件
(1)世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでした原告P4の平成13年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額1685万7363円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)784万6420円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
(2)世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでした原告P4の平成14年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額1184万7512円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)911万5640円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
(3)世田谷税務署長が平成17年3月8日付けでした原告P4の平成15年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額1224万0243円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)903万6441円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
10第10事件
(1)玉川税務署長が平成17年3月10日付けでした原告P33の平成13年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額3290万0183円,納付すべき税額マイナス(還付金
の額に相当する税額)873万5890円を超える部分,賦課決定について
は全部を取り消す。
(2)玉川税務署長が平成17年3月10日付けでした原告P33の平成14年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額3184万4832円,納付すべき税額マイナス(還付金
の額に相当する税額)940万8180円を超える部分,賦課決定について
は全部を取り消す。
(3)玉川税務署長が平成17年3月10日付けでした原告P33の平成15年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額2513万7521円,納付すべき税額マイナス(還付金
の額に相当する税額)902万4970円を超える部分,賦課決定について
は全部を取り消す。
11第11事件
(1)渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでした原告P5の平成13年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額1286万8053円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)642万5800円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
(2)渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでした原告P5の平成14年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額1213万8816円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)666万5500円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
(3)渋谷税務署長が平成17年3月10日付けでした原告P5の平成15年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額1281万6465円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)640万0900円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
12第12事件
(1)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした原告P6の平成14年分の
所得税の更正処分(平成17年11月30日付け及び平成18年1月23日
付け各更正処分により一部取り消された後のもの)及び過少申告加算税の賦
課決定処分(平成17年11月30日付け及び平成18年1月23日付け各
変更決定処分により一部取り消された後のもの)のうち,更正については総
所得金額1億0212万0445円,納付すべき税額マイナス(還付金の額
に相当する税額)1402万7937円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
(2)麻布税務署長が平成17年3月4日付けでした原告P6の平成15年分の
所得税の更正処分(平成17年7月27日付け異議決定並びに同年11月3
0日付け及び平成18年1月23日付け各更正処分により一部取り消された
後のもの)及び過少申告加算税の賦課決定処分(平成17年7月27日付け
異議決定並びに同年11月30日付け及び平成18年1月23日付け各変更
決定処分により一部取り消された後のもの)のうち,更正については総所得
金額9289万8888円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当す
る税額)1110万6106円を超える部分,賦課決定については全部を取
り消す。
13第13事件
(1)麻布税務署長が平成17年3月14日付けでした原告P7の平成13年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(賦課決定処分につ
いては平成17年7月27日付け異議決定により一部取り消された後のも
の)のうち,更正については総所得金額3126万8905円,納付すべき
税額マイナス(還付金の額に相当する税額)267万7500円を超える部
分,賦課決定については全部を取り消す。
(2)麻布税務署長が平成17年3月14日付けでした原告P7の平成14年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額5788万8635円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)411万1017円を超える部分,賦課決定については
全部を取り消す。
(3)麻布税務署長が平成17年3月14日付けでした原告P7の平成15年分
の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につい
ては総所得金額2359万4911円,納付すべき税額マイナス(還付金の
額に相当する税額)1491万5405円を超える部分,賦課決定について
は全部を取り消す。
14第14事件
渋谷税務署長が平成17年11月28日付けでした原告P5の平成16年
分の所得税の更正処分のうち,総所得金額1432万9318円,納付すべ
き税額マイナス(還付金の額に相当する税額)711万8200円を超える
部分を取り消す。
15第15事件
麻布税務署長が平成18年7月31日付けでした原告P1の平成16年分
の所得税に係る平成18年3月15日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分を取り消す。
16第16事件
玉川税務署長が平成18年2月28日付けでした原告P3の平成16年分
の所得税に係る平成18年1月5日付け更正の請求に対する更正をすべき理
由がない旨の通知処分を取り消す。
17第17事件
目黒税務署長が平成18年6月16日付けでした原告P23の平成16年
分の所得税に係る平成18年3月9日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分を取り消す。
18第18事件
(1)渋谷税務署長が平成18年6月30日付けでした原告P11の平成16年
分の所得税に係る平成18年2月2日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分を取り消す。
(2)渋谷税務署長が平成18年10月2日付けでした原告P11の平成17年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額3億1761万6907円,納付すべき税額4351万5
100円を超える部分,賦課決定については全部を取り消す。
19第19事件
麻布税務署長が平成19年1月31日付けでした原告P7の平成16年分
の所得税に係る平成18年3月15日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分を取り消す。
20第20事件
麻布税務署長が平成18年6月30日付けでした原告P6の平成16年分
の所得税に係る平成18年3月10日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分(同年10月2日付け異議決定により一部取り消さ
れた後のもの)を取り消す。
21第21事件
世田谷税務署長が平成18年10月6日付けでした原告P20の平成16
年分の所得税に係る平成18年3月14日付け更正の請求に対する更正をす
べき理由がない旨の通知処分を取り消す。
22第22事件
世田谷税務署長が平成21年3月6日付けでした原告P20の平成17年
分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分のうち,更正につ
いては総所得金額4212万0576円,納付すべき税額13万7200円
を超える部分,賦課決定については全部を取り消す。
23第23事件
麻布税務署長が平成19年7月31日付けでした原告P1の平成17年分
の所得税に係る平成19年3月15日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分を取り消す。
24第24事件
玉川税務署長が平成19年5月29日付けでした原告P3の平成17年分
の所得税に係る平成19年3月14日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分を取り消す。
25第25事件
世田谷税務署長が平成19年7月9日付けでした原告P4の平成17年分
の所得税に係る平成19年3月15日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分を取り消す。
26第26事件
玉川税務署長が平成19年5月29日付けでした原告P33の平成17年
分の所得税に係る平成19年3月13日付け更正の請求に対する更正をすべ
き理由がない旨の通知処分を取り消す。
27第27事件
麻布税務署長が平成19年5月29日付けでした原告P6の平成17年分
の所得税に係る平成19年3月13日付け更正の請求に対する更正をすべき
理由がない旨の通知処分を取り消す。
(別紙6)
関係法令の定め
本件に関係する法令の定めの概要は,次のとおりである。
(1)不服申立ての前置等(通則法115条1項)
国税に関する法律に基づく処分(通則法80条2項(行政不服審査法との
関係)に規定する処分を除く。)で不服申立てをすることができるものの取
消しを求める訴えは,異議申立てをすることができる処分(審査請求をする
こともできるもの(異議申立てについての決定を経た後審査請求をすること
ができるものを含む。)を除く。)にあっては異議申立てについての決定を,
審査請求をすることができる処分にあっては審査請求についての裁決をそれ
ぞれ経た後でなければ,提起することができない。ただし,次の各号のいず
れかに該当するときは,この限りでない。
ア更正決定等の取消しを求める訴えを提起した者が,その訴訟の係属して
いる間に当該更正決定等に係る国税の課税標準等又は税額等についてされ
た他の更正決定等の取消しを求めようとするとき(2号)。
イ異議申立てについての決定又は審査請求についての裁決を経ることによ
り生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき,その他その決定
又は裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき(3号)。
(2)信託財産に係る収入及び支出の帰属(所得税法13条1項本文)
信託財産に帰せられる収益及び費用については,受益者が特定している場
合にはその受益者がその信託財産を有するものとみなして,所得税法の規定
を適用する。
(3)法人等に関する規定
ア民法における法人及び外国法人に関する規定
(ア)法人の成立(民法33条1項)
法人は,民法その他の法律の規定によらなければ,成立しない。
(イ)外国法人(民法36条)
a外国法人は,国,国の行政区画及び商事会社を除き,その成立を認
許しない。ただし,法律又は条約の規定により認許された外国法人は,
この限りでない。(1項)
b上記aにより認許された外国法人は,日本において成立する同種の
法人と同一の私権を有する。ただし,外国人が享有することのできな
い権利及び法律又は条約中に特別の規定がある権利については,この
限りでない。(2項)
イ租税法における内国法人及び外国法人の定義等
(ア)所得税法
a定義(所得税法2条1項)
所得税法において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定
めるところによる。
①国内所得税法の施行地をいう(1号)。
②国外所得税法の施行地外の地域をいう(2号)。
③内国法人国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう(6
号)。
④外国法人内国法人以外の法人をいう(7号)。
⑤人格のない社団等法人でない社団又は財団で代表者又は管理人
の定めがあるものをいう(8号)。
b人格のない社団等に対する所得税法の適用(所得税法4条)
人格のない社団等は,法人とみなして,所得税法(別表第一を除く。)
の規定を適用する。
(イ)法人税法
a定義(法人税法2条)
法人税法において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定
めるところによる。
①国内法人税法の施行地をいう(1号)。
②国外法人税法の施行地外の地域をいう(2号)。
③内国法人国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう(3
号)。
④外国法人内国法人以外の法人をいう(4号)。
⑤人格のない社団等法人でない社団又は財団で代表者又は管理人
の定めがあるものをいう(8号)。
b人格のない社団等に対する法人税法の適用(法人税法3条)
人格のない社団等は,法人とみなして,法人税法(別表第二を除く。)
の規定を適用する。
c内国法人の納税義務(法人税法4条1項本文)
内国法人は,法人税法により,法人税を納める義務がある。
d外国法人の納税義務(法人税法4条2項)
外国法人は,法人税法138条(国内源泉所得)に規定する国内源
泉所得を有するとき(外国法人である公益法人等又は人格のない社団
等にあっては,当該国内源泉所得で収益事業から生ずるものを有する
ときに限る。)は,法人税法により,法人税を納める義務がある。
(4)不動産所得(所得税法26条)
ア不動産所得とは,不動産,不動産の上に存する権利,船舶又は航空機(以
下この項において「不動産等」という。)の貸付け(地上権又は永小作権
の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む。)による所得(事
業所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう(1項)。
イ不動産所得の金額は,その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要
経費を控除した金額とする(2項)。
(5)損益通算(所得税法69条1項)
総所得金額,退職所得金額又は山林所得金額を計算する場合において,不
動産所得の金額,事業所得の金額,山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計
算上生じた損失の金額があるときは,政令で定める順序により,これを他の
各種所得の金額から控除する。
(6)特定組合員の不動産所得に係る損益通算等の特例
ア措置法41条の4の2(平成17年法律第21号(平成18年1月1日
施行)による新設規定。平成19年法律第6号による改正(特定受益者の
追加)前のもの。)
(ア)特定組合員(組合契約を締結している組合員(これに類する者で政
令で定めるものを含む。以下同じ。)のうち,組合事業に係る重要な財
産の処分若しくは譲受け又は組合事業に係る多額の借財に関する業務の
執行の決定に関与し,かつ,当該業務のうち契約を締結するための交渉
その他の重要な部分を自ら執行する組合員以外のものをいう。)に該当
する個人が,平成18年以後の各年において,組合事業から生ずる不動
産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上当該
組合事業による不動産所得の損失の金額として政令で定める金額がある
ときは,当該損失の金額に相当する金額は,所得税法26条2項及び6
9条1項の規定その他の所得税に関する法令の規定の適用については,
生じなかったものとみなす(1項)。
(イ)この条において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定め
るところによる(2項)。
a組合契約民法667条1項に規定する組合契約及び投資事業有限
責任組合契約に関する法律3条1項に規定する投資事業有限責任組合
契約並びに外国におけるこれらに類する契約(政令で定めるものを含
む。)をいう(1号)。
b組合事業各組合契約に基づいて営まれる事業をいう(2号)。
イ措置法施行令26条の6の2
(ア)措置法41条の4の2第1項に規定する組合員に類する者で政令で
定めるものは,同条2項1号に規定する組合契約のうち同号に規定する
外国におけるこれらに類する契約を締結している者とする(1項)。
(イ)措置法41条の4の2第2項1号に規定する政令で定める契約は,
外国における有限責任事業組合契約(有限責任事業組合契約に関する法
律3条1項に規定する有限責任事業組合契約をいう。)に類する契約と
する(5項)。
(別紙8)
本件各処分の経緯
原告らに係る本件各処分の経緯は,別表8-1~52の「本件各処分の経緯」
記載のとおりであり,具体的には次のとおりである。
(1)原告P23関係
ア第1事件
(ア)原告P23が,目黒税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別
表8-1の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月6日に確定申告
書を,同表の「修正申告」欄記載のとおり,同年5月15日に修正申告書
(第1事件・平成14年分修正申告書)をそれぞれ提出したところ,目黒
税務署長は,不動産所得の金額等に誤りがあるとして,同表の「更正処分
等」欄記載のとおり,平成17年2月24日付けで,原告P23の平成1
4年分の所得税につき更正処分(第1事件・平成14年分更正処分)及び
過少申告加算税賦課決定処分(第1事件・平成14年分賦課決定処分)を
した。
(甲A1の1)
(イ)原告P23が,目黒税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別
表8-2の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月9日に確定申告
書(第1事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,目黒税務署
長は,不動産所得の金額等に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」欄
記載のとおり,平成17年2月24日付けで,原告P23の平成15年分
の所得税につき更正処分(第1事件・平成15年分更正処分)及び過少申
告加算税賦課決定処分(第1事件・平成15年分賦課決定処分)をした。
(甲A1の2)
(ウ)これに対し,原告P23は,平成17年4月19日に上記(ア)及び(イ)の
各処分を不服として目黒税務署長に対して異議申立てをしたところ,目黒
税務署長から,同年7月19日付けで,異議申立てをいずれも棄却する旨
の異議決定を受け,さらに,同年8月18日に国税不服審判所長に対して
審査請求をしたものの,国税不服審判所長から,平成18年8月14日付
けで,審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本件
LPS(P)が所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)を
受けたため,平成19年2月14日,第1事件の訴えを提起した。
(甲A2,3,顕著な事実)
イ第17事件
(ア)原告P23が,目黒税務署長に対し,平成16年分の所得税につき,別
表8-3の「確定申告」欄記載のとおり,平成17年3月10日に確定申
告書(第17事件・平成16年分確定申告書)を提出したが,本件建物(P)
の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通
算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成
18年3月9日に更正の請求(第17事件・平成16年分更正請求)をし
たところ,目黒税務署長は,同年6月16日付けで,原告P23に対し,
更正をすべき理由がない旨の通知処分(第17事件・平成16年分通知処
分)をした。
(甲A4)
(イ)これに対し,原告P23は,平成18年8月8日に上記(ア)の処分を不服
として国税不服審判所長に対して審査請求をしたところ,国税不服審判所
長から,平成19年3月29日付けで,審査請求を棄却する旨の裁決(な
お,その理由中には本件LPS(P)が所得税法上の「法人」に該当しな
い旨の指摘がある。)を受けたため,同年9月27日,第17事件の訴え
を提起した。
(甲A5,顕著な事実)
(2)原告P20関係
ア第2事件
(ア)原告P20が,目黒税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,別
表8-4の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月15日に確定申
告書(第2事件・平成13年分確定申告書)を提出したところ,目黒税務
署長は,不動産所得の金額等に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年2月24日付けで,原告P20の平成13年
分の所得税につき更正処分(第2事件・平成13年分更正処分)及び過少
申告加算税賦課決定処分(第2事件・平成13年分賦課決定処分)をした。
なお,第2事件・平成13年更正処分及び第2事件・平成13年分賦課
決定処分の理由は,本件LPS(C)は,我が国の税法上の外国法人に該
当するため,本件LPS(C)が行う事業から生ずる損益は本件LPS(C)
自体に帰属するとして,原告P20の主張する不動産所得の金額の計算上
生じた損失の金額を計上することはできないというものであり,後記(イ)
の第2事件・平成14年分更正処分及び第2事件・平成14年分賦課決定
処分並びに後記(ウ)の第2事件・平成15年分更正処分及び第2事件・平成
15年分賦課決定処分の理由も同様であった。
(甲B1の1)
(イ)原告P20が,目黒税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別
表8-5-1の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月17日に確
定申告書を,同表の「修正申告」欄記載のとおり,同年8月11日に修正
申告書(第2事件・平成14年分修正申告書)をそれぞれ提出したところ,
目黒税務署長は,不動産所得の金額等に誤りがあるとして,同表の「更正
処分等」欄記載のとおり,平成17年2月24日付けで,原告P20の平
成14年分の所得税につき更正処分(第2事件・平成14年分更正処分)
及び過少申告加算税賦課決定処分(第2事件・平成14年分賦課決定処分)
をした。
(甲B1の2)
(ウ)原告P20が,目黒税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別
表8-6の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月12日に確定申
告書(第2事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,目黒税務
署長は,不動産所得の金額等に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年2月24日付けで,原告P20の平成15年
分の所得税につき更正処分(第2事件・平成15年分更正処分)及び過少
申告加算税賦課決定処分(第2事件・平成15年分賦課決定処分)をした。
(甲B1の3)
(エ)これに対し,原告P20は,平成17年4月22日に上記(ア)~(ウ)の各
処分を不服として目黒税務署長に対して異議申立てをしたところ,目黒税
務署長から,同年7月19日付けで,異議申立てをいずれも棄却する旨の
異議決定を受け,さらに,同年8月18日に国税不服審判所長に対して審
査請求をしたものの,国税不服審判所長から,平成18年8月14日付け
で,審査請求をいずれも棄却する旨の裁決を受けたため,平成19年2月
14日,第2事件の訴えを提起した。
なお,①上記異議決定の理由は,本件LPS(C)は外国法人に該当
し,本件LPS(C)を通じて行った本件建物(C)の貸付けから生ずる
損失は本件LPS(C)自体に帰属し,原告P20の不動産所得には該当
しないとするものであり,②上記裁決の理由は,本件LPS(C)は法
人には該当しないものの,原告P20が不動産等を利用に供したことによ
り生じた所得であるとはいえないとするものであった。
(甲B2,3,顕著な事実)
イ第21事件
(ア)原告P20が,目黒税務署長に対し,平成16年分の所得税につき,別
表8-7の「確定申告」欄記載のとおり,平成17年3月15日に確定申
告書(第21事件・平成16年分確定申告書)を提出したが,本件建物(C)
の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通
算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成
18年3月14日に更正の請求(第21事件・平成16年分更正請求)を
した(なお,原告P20は,上記確定申告書において,不動産所得の金額
の計算上,2133万7204円の損失(上記更正の請求に係る更正請求
書に記載された不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額と同額)が生
じた旨の記載をしているものの,これを各種所得の金額から控除すること
はしていない。)ところ,世田谷税務署長は,同年10月6日付けで,原
告P20に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処分(第21事件・平
成16年分通知処分)をした。
(甲B4)
(イ)これに対し,原告P20は,平成18年12月4日に上記(ア)の処分を不
服として世田谷税務署長に対して異議申立てをしたところ,世田谷税務署
長から,平成19年2月2日付けで,異議申立てを棄却する旨の異議決定
を受け,さらに,同年3月1日に国税不服審判所長に対して審査請求をし
たものの,国税不服審判所長から,同年6月22日付けで,審査請求を棄
却する旨の裁決を受けたため,同年11月7日,第21事件の訴えを提起
した。
なお,①上記異議決定の理由は,本件LPS(C)は外国法人に該当
し,本件LPS(C)を通じて行った本件建物(C)の貸付けから生ずる
損失は本件LPS(C)自体に帰属し,原告P20の不動産所得には該当
しないとするものであり,②上記裁決の理由は,本件LPS(C)は法
人には該当しないものの,原告P20が不動産等を利用に供したことによ
り生じた所得であるとはいえないとするものであった。
(甲B5,6,顕著な事実)
ウ第22事件
(ア)原告P20が,世田谷税務署長に対し,平成17年分の所得税につき,
別表8-8の「確定申告」欄記載のとおり,平成18年3月14日に確定
申告書を提出したが,本件建物(C)の貸付けに係る不動産所得の金額の
計算上生じた損失の金額(562万8487円)につき損益通算をすべき
であったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成19年3月
14日に更正の請求をした(なお,原告P20は,上記確定申告書におい
て,不動産所得の金額の計算上,562万8487円の損失(上記更正の
請求に係る更正請求書に記載された不動産所得の金額の計算上生じた損失
の金額と同額)が生じた旨の記載をしているものの,これを各種所得の金
額から控除することはしていない。)ところ,世田谷税務署長は,同年7
月9日付けで,原告P20に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処分
(第22事件・平成17年分通知処分)をした。
(甲B7,8)
(イ)これに対し,原告P20は,平成19年9月5日に上記(ア)の処分を不服
として世田谷税務署長に対して異議申立てをしたところ,世田谷税務署長
から,同年12月4日付けで,異議申立てを棄却する旨の異議決定(なお,
その理由は,本件LPS(C)は我が国の税法上の外国法人に該当し,本
件LPS(C)を通じて行った本件建物(C)の貸付けから生ずる損失(5
62万8487円)は本件LPS(C)自体に帰属し,原告P20の不動
産所得には該当しないとしている。)を受け,さらに,同月13日に国税
不服審判所長に対して審査請求をしたものの,審査請求がされた日の翌日
から起算して3月を経過しても裁決がされなかったため,平成20年4月
10日,第22事件・平成17年分通知処分の取消しを求めて,第22事
件の訴えを提起した(なお,原告P20は,その後の平成20年6月13
日,上記審査請求を取り下げた。)。
(甲B9,10,顕著な事実)
(ウ)その後,原告P20は,世田谷税務署長に対し,平成17年分の所得税
につき,別表8-8の「修正申告」欄記載のとおり,平成21年3月3日
に,本件建物(C)の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失
の金額(562万8487円)を計上したほか,利子所得,給与所得及び
雑所得の金額につき修正を行った修正申告書(第22事件・平成17年分
修正申告書)を提出したところ,世田谷税務署長から,平成21年3月5
日付けで,同申告書に係る過少申告加算税賦課決定処分を受けたほか,不
動産所得の金額(全額)に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」欄記
載のとおり,同月6日付けで,原告P20の平成17年分の所得税につき
更正処分(第22事件・平成17年分更正処分)及び過少申告加算税賦課
決定処分(第22事件・平成17年分賦課決定処分)を受けたため,平成
21年7月16日の本件第9回口頭弁論期日において,訴えを交換的に変
更し(以下,この交換的変更により提起された訴えを「本件変更後の訴え」
という。),第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成1
7年分賦課決定処分の取消しを求めるに至った。
なお,第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年
分賦課決定処分は,本件LPS(C)は,我が国の税法上の外国法人に該
当するため,本件LPS(C)が行う事業から生ずる損益は本件LPS(C)
自体に帰属することを理由とするものであり,原告P20は,同日までの
間に,第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年分
賦課決定処分に対する不服申立てを行っていない。
(甲B11,12,顕著な事実)
(3)原告P11関係
ア第3事件
(ア)原告P11が,世田谷税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,
別表8-9の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月14日に確定
申告書を,同表の「修正申告」欄記載のとおり,平成15年6月27日に
修正申告書(第3事件・平成13年分修正申告書)をそれぞれ提出したと
ころ,渋谷税務署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の
「更正処分等」欄記載のとおり,平成17年2月22日付けで,原告P1
1の平成13年分の所得税につき更正処分及び過少申告加算税賦課決定処
分をした。
(甲C1の1)
(イ)原告P11が,世田谷税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,
別表8-10の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月14日に確
定申告書(第3事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,渋谷
税務署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分
等」欄記載のとおり,平成17年2月22日付けで,原告P11の平成1
4年分の所得税につき更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。
(甲C1の2)
(ウ)原告P11が,渋谷税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別
表8-11の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月11日に確定
申告書(第3事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,渋谷税
務署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年2月22日付けで,原告P11の平成15年
分の所得税につき更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。
(甲C1の3)
(エ)これに対し,原告P11は,平成17年4月20日に上記(ア)~(ウ)の各
処分を不服として東京国税局長に対して異議申立てをしたところ,東京国
税局長から,同年9月14日付けで,異議申立てをいずれも棄却する旨の
異議決定を受けたが,さらに,同年10月12日に国税不服審判所長に対
して審査請求をしたところ,渋谷税務署長から,別表8-9~11の各「再
更正処分等」欄記載のとおり,同年11月29日付けで,上記(ア)~(ウ)の
各処分の一部を取り消す旨の更正処分及び変更決定処分を受けたものの,
国税不服審判所長から,平成18年8月14日付けで,審査請求をいずれ
も棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本件LPS(C)が我が国の
所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)を受けたため,平
成19年2月14日,第3事件の訴えを提起した。
(甲C2,3,4の1~3,顕著な事実)
イ第18事件
(ア)原告P11が,渋谷税務署長に対し,平成16年分の所得税につき,別
表8-12の「確定申告」欄記載のとおり,平成17年3月14日に確定
申告書(第18事件・平成16年分確定申告書)を提出したが,本件建物
(C)の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき
損益通算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,
平成18年2月2日に更正の請求をしたところ,渋谷税務署長は,同年6
月30日付けで,原告P11に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処
分(第18事件・平成16年分通知処分)をした。
(甲C5の1)
(イ)原告P11が,渋谷税務署長に対し,平成17年分の所得税につき,別
表8-13の「確定申告」欄記載のとおり,平成18年3月15日に確定
申告書(第18事件・平成17年分確定申告書)を提出したが,本件建物
(C)の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき
損益通算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,
平成18年6月9日に更正の請求をしたところ,渋谷税務署長は,同年6
月30日付けで,原告P11に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処
分をした。
(甲C5の2)
(ウ)aこれに対し,原告P11は,平成18年8月8日に上記(ア)及び(イ)の
各処分を不服として国税不服審判所長に対して審査請求をした。
bその後,原告P11は,渋谷税務署長から,別表8-13の「E更
正・賦課決定処分」欄記載のとおり,同年10月2日付けで,原告P1
1の平成17年分の所得税につき更正処分(第18事件・平成17年分
更正処分)及び過少申告加算税賦課決定処分(第18事件・平成17年
分賦課決定処分)を受けたため,平成18年11月13日にこの更正処
分及び賦課決定処分を不服として渋谷税務署長に対して異議申立てをし
た。
c上記bの異議申立てに係る異議申立書等の送付を受けた国税不服審判
所長は,通則法90条3項により審査請求がされたものとみなされた上
記bの異議申立てと上記aの審査請求とを併合審理した。
d原告P11は,国税不服審判所長から,平成19年3月29日付けで,
審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本件LP
S(C)が我が国の所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)
をしたため,同年9月27日,第18事件の訴えを提起した。
((ウ)につき,甲C5の3,6,顕著な事実)
(4)原告P32関係(第4事件)
(ア)原告P32が,日野税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,別
表8-14の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月15日に確定
申告書(第4事件・平成13年分確定申告書)を提出したところ,日野税
務署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年2月23日付けで,原告P32の平成13年
分の所得税につき更正処分(第4事件・平成13年分更正処分)及び過少
申告加算税賦課決定処分(第4事件・平成13年分賦課決定処分)をした。
(甲D1の1)
(イ)原告P32が,日野税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別
表8-15の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月14日に確定
申告書(第4事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,日野税
務署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年2月23日付けで,原告P32の平成14年
分の所得税につき更正処分(第4事件・平成14年分更正処分)及び過少
申告加算税賦課決定処分(第4事件・平成14年分賦課決定処分)をした。
(甲D1の2)
(ウ)原告P32が,日野税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別
表8-16の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月12日に確定
申告書(第4事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,日野税
務署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年2月23日付けで,原告P32の平成15年
分の所得税につき更正処分(第4事件・平成15年分更正処分)及び過少
申告加算税賦課決定処分(第4事件・平成15年分賦課決定処分)をした。
(甲D1の3)
(エ)これに対し,原告P32は,平成17年4月20日に上記(ア)~(ウ)の各
処分を不服として日野税務署長に対して異議申立てをしたところ,日野税
務署長から,同年7月20日付けで,異議申立てをいずれも棄却する旨の
異議決定を受け,さらに,同年8月18日に国税不服審判所長に対して審
査請求をしたものの,国税不服審判所長から,平成18年8月14日付け
で,審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本件L
PS(C)が我が国の所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)
を受けたため,平成19年2月14日,第4事件の訴えを提起した。
(甲D2,3,顕著な事実)
(5)原告P1関係
ア第5事件
(ア)原告P1が,渋谷税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,別表
8-17の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月15日に確定申
告書(第5事件・平成13年分確定申告書)を提出したところ,麻布税務
署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」欄
記載のとおり,平成17年3月4日付けで,原告P1の平成13年分の所
得税につき更正処分(第5事件・平成13年分更正処分)及び過少申告加
算税賦課決定処分(第5事件・平成13年分賦課決定処分)をした。
(甲E1の1)
(イ)原告P1が,渋谷税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別表
8-18の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月17日に確定申
告書(第5事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,麻布税務
署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月4日付けで,原告P1の平成14年分の
所得税につき更正処分(第5事件・平成14年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第5事件・平成14年分賦課決定処分)をした。
(甲E1の2)
(ウ)原告P1が,渋谷税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別表
8-19の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月15日に確定申
告書(第5事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,麻布税務
署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月4日付けで,原告P1の平成15年分の
所得税につき更正処分(第5事件・平成15年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第5事件・平成15年分賦課決定処分)をした。
(甲E1の3)
(エ)これに対し,原告P1は,平成17年4月19日に上記(ア)~(ウ)の各処
分を不服として麻布税務署長に対して異議申立てをしたところ,麻布税務
署長から,同年7月27日付けで,異議申立てをいずれも棄却する旨の異
議決定を受け,さらに,同年8月18日に国税不服審判所長に対して審査
請求をしたものの,国税不服審判所長から,平成18年8月14日付けで,
審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本件LPS
(C)が我が国の所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)
を受けたため,平成19年2月14日,第5事件の訴えを提起した。
(甲E2,3,顕著な事実)
イ第15事件
(ア)原告P1が,麻布税務署長に対し,平成16年分の所得税につき,別表
8-20の「確定申告」欄記載のとおり,平成17年3月15日に確定申
告書(第15事件・平成16年分確定申告書)を提出したが,本件建物(C)
の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通
算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成
18年3月15日に更正の請求をしたところ,麻布税務署長は,同年7月
31日付けで,原告P1に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処分(第
15事件・平成16年分通知処分)をした。
(甲E4)
(イ)これに対し,原告P1は,平成18年9月8日に上記(ア)の処分を不服と
して国税不服審判所長に対して審査請求をしたところ,国税不服審判所長
から,平成19年3月29日付けで,審査請求を棄却する旨の裁決を受け
たため,同年9月27日,第15事件の訴えを提起した。
(甲E5,顕著な事実)
ウ第23事件
(ア)原告P1が,麻布税務署長に対し,平成17年分の所得税につき,別表
8-21の「確定申告」欄記載のとおり,平成18年3月15日に確定申
告書(第23事件・平成17年分確定申告書)を提出したが,本件建物(C)
の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通
算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成
19年3月15日に更正の請求をしたところ,麻布税務署長は,同年7月
31日付けで,原告P1に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処分(第
23事件・平成17年分通知処分)をした。
(甲E6,7)
(イ)これに対し,原告P1は,平成19年9月25日に上記(ア)の処分を不服
として国税不服審判所長に対して審査請求をしたものの,審査請求がされ
た日の翌日から起算して3月を経過しても裁決がされなかったため,平成
20年4月10日,第23事件の訴えを提起した(なお,原告P1は,そ
の後の同年4月24日,上記審査請求を取り下げた。)。
(甲E8,顕著な事実)
(6)原告P29関係(第6事件)
(ア)原告P29が,渋谷税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,別
表8-22の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月8日に確定申
告書を,同表の「修正申告」欄記載のとおり,平成15年2月27日に修
正申告書(第6事件・平成13年分修正申告書)をそれぞれ提出したとこ
ろ,北沢税務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更
正処分等」欄記載のとおり,平成17年3月4日付けで,原告P29の平
成13年分の所得税につき更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をし
た。
(甲F1の1)
(イ)原告P29が,渋谷税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別
表8-23の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月10日に確定
申告書(第6事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,北沢税
務署長は,事業所得の金額等に誤りがあるとして,同表の「更正処分」欄
記載のとおり,平成16年2月26日付けで,原告P29の平成14年分
の所得税につき更正処分(第6事件・平成14年分減額更正処分)をする
とともに,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月4日付けで,原告P29の平成14年分
の所得税につき更正処分(第6事件・平成14年分更正処分)及び過少申
告加算税賦課決定処分をした。
(甲F1の2)
(ウ)原告P29が,北沢税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別
表8-24の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月4日に確定申
告書(第6事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,北沢税務
署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」欄
記載のとおり,平成17年3月4日付けで,原告P29の平成15年分の
所得税につき更正処分(第6事件・平成15年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第6事件・平成15年分賦課決定処分)をした。
(甲F1の3)
(エ)これに対し,原告P29は,平成17年4月21日に上記(ア)~(ウ)の同
年3月4日付け各処分を不服として北沢税務署長に対して異議申立てをし
たところ,北沢税務署長から,別表8-22~24の各「異議決定」欄記
載のとおり,同年7月20日付けで,上記(ア)の同年3月4日付け更正処分
及び過少申告加算税賦課決定処分並びに上記(イ)の同日付け過少申告加算
税賦課決定処分の一部を取り消し,上記(イ)の平成17年3月4日付け更正
処分及び上記(ウ)の各処分に対する異議申立てをいずれも棄却する旨の異
議決定を受け,さらに,平成17年8月18日に国税不服審判所長に対し
て審査請求をしたものの,国税不服審判所長から,平成18年8月14日
付けで,審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本
件LPS(C)が我が国の所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘が
ある。)を受けたため,平成19年2月14日,第6事件の訴えを提起し
た。
(甲F2,3,顕著な事実)
(7)原告P2関係(第7事件)
(ア)原告P2が,荻窪税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,別表
8-25の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月15日に確定申
告書(第7事件・平成13年分確定申告書)を提出したところ,荻窪税務
署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」欄
記載のとおり,平成17年2月28日付けで,原告P2の平成13年分の
所得税につき更正処分(第7事件・平成13年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第7事件・平成13年分賦課決定処分)をした。
(甲H1の1)
(イ)原告P2が,荻窪税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別表
8-26の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月14日に確定申
告書(第7事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,荻窪税務
署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」欄
記載のとおり,平成17年2月28日付けで,原告P2の平成14年分の
所得税につき更正処分(第7事件・平成14年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第7事件・平成14年分賦課決定処分)をした。
(甲H1の2)
(ウ)原告P2が,荻窪税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別表
8-27の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月8日に確定申告
書を提出したところ,荻窪税務署長は,不動産所得の金額に誤りがあると
して,平成17年2月28日付けで,原告P2の平成15年分の所得税に
つき更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。
(エ)aこれに対し,原告P2は,平成17年4月21日,上記(ア)~(ウ)の各
処分を不服として荻窪税務署長に対して異議申立てをした。
b原告P2は,荻窪税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別
表8-27の「修正申告」欄記載のとおり,平成17年5月24日に修
正申告書(第7事件・平成15年分修正申告書)を提出したところ,荻
窪税務署長から,平成17年6月14日付けで,上記(ウ)の更正処分の一
部を取り消す旨の更正処分(これは,総所得金額及び還付金の額に相当
する税額につき,上記(ウ)の確定申告と同額とする内容のものである。)
及び上記(ウ)の過少申告加算税賦課決定処分の全部を取り消す旨の変更
決定処分を受けたが,別表8-27の同月15日付け「更正処分等」欄
記載のとおり,同日付けで,原告P2の平成15年分の所得税につき更
正処分(第7事件・平成15年分更正処分)を受けた。
cそこで,原告P2は,平成17年7月15日に第7事件・平成15年
分更正処分を不服として荻窪税務署長に対して異議申立てをした。
d原告P2は,荻窪税務署長から,平成17年7月21日付けで,上記(ウ)
の各処分に対する異議申立てを却下し,上記(ア)及び(イ)の各処分並びに
第7事件・平成15年分更正処分に対する異議申立てを棄却する旨の異
議決定を受け,さらに,平成17年8月18日に国税不服審判所長に対
して審査請求をしたものの,国税不服審判所長から,平成18年8月1
4日付けで,審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(なお,その理由中
には本件LPS(C)が我が国の所得税法上の「法人」に該当しない旨
の指摘がある。)を受けたため,平成19年2月14日,第7事件の訴
えを提起した。
((エ)につき,甲H1の3,同2,3,顕著な事実)
(8)原告P3関係
ア第8事件
(ア)原告P3が,玉川税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,別表
8-28の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月14日に確定申
告書(第8事件・平成13年分確定申告書)を提出したところ,玉川税務
署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月7日付けで,原告P3の平成13年分の
所得税につき更正処分(第8事件・平成13年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第8事件・平成13年分賦課決定処分)をした。
(甲I1の1)
(イ)原告P3が,玉川税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別表
8-29の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月14日に確定申
告書(第8事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,玉川税務
署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月7日付けで,原告P3の平成14年分の
所得税につき更正処分(第8事件・平成14年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第8事件・平成14年分賦課決定処分)をした。
(甲I1の2)
(ウ)原告P3が,玉川税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別表
8-30の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月15日に確定申
告書(第8事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,玉川税務
署長は,不動産所得等の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月7日付けで,原告P3の平成15年分の
所得税につき更正処分(第8事件・平成15年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第8事件・平成15年分賦課決定処分)をした。
(甲I1の3)
(エ)これに対し,原告P3は,平成17年4月28日に上記(ア)~(ウ)の各処
分を不服として玉川税務署長に対して異議申立てをしたところ,玉川税務
署長から,同年7月19日付けで,異議申立てをいずれも棄却する旨の異
議決定を受け,さらに,同年8月18日に国税不服審判所長に対して審査
請求をしたものの,国税不服審判所長から,平成18年8月14日付けで,
審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本件LPS
(C)が我が国の所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)
を受けたため,平成19年2月14日,第8事件の訴えを提起した。
(甲I2,3,顕著な事実)
イ第16事件
(ア)原告P3が,玉川税務署長に対し,平成16年分の所得税につき,別表
8-31の「確定申告」欄記載のとおり,平成17年3月15日に確定申
告書(第16事件・平成16年分確定申告書)を提出したが,本件建物(C)
の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通
算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成
18年1月5日に更正の請求をしたところ,玉川税務署長は,同年2月2
8日付けで,原告P3に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処分(第
16事件・平成16年分通知処分)をした。
(甲I4)
(イ)これに対し,原告P3は,平成18年4月26日に上記(ア)の処分を不服
として玉川税務署長に対して異議申立てをしたところ,玉川税務署長から,
同年7月26日付けで,異議申立てを棄却する旨の異議決定を受け,さら
に,同年8月8日に国税不服審判所長に対して審査請求をしたものの,国
税不服審判所長から,平成19年3月29日付けで,審査請求を棄却する
旨の裁決(なお,その理由中には本件LPS(C)が我が国の所得税法上
の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)を受けたため,同年9月27
日,第16事件の訴えを提起した。
(甲I5,6,顕著な事実)
ウ第24事件
(ア)原告P3が,玉川税務署長に対し,平成17年分の所得税につき,別表
8-32の「確定申告」欄記載のとおり,平成18年3月14日に確定申
告書(第24事件・平成17年分確定申告書)を提出したが,本件建物(C)
の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通
算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成
19年3月14日に更正の請求をしたところ,玉川税務署長は,同年5月
29日付けで,原告P3に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処分(第
24事件・平成17年分通知処分)をした。
(甲I7,8)
(イ)これに対し,原告P3は,平成19年7月27日に上記(ア)の処分を不服
として玉川税務署長に対して異議申立てをしたところ,玉川税務署長から,
同年10月26日付けで,異議申立てを棄却する旨の異議決定を受け,さ
らに,同年11月16日に国税不服審判所長に対して審査請求をしたもの
の,審査請求がされた日の翌日から起算して3月を経過しても裁決がされ
なかったため,平成20年4月10日,第24事件の訴えを提起した(な
お,原告P3は,その後の同月24日,上記審査請求を取り下げた。)。
(甲I9,10,顕著な事実)
(9)原告P4関係
ア第9事件
(ア)原告P4が,世田谷税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,別
表8-33の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月14日に確定
申告書(第9事件・平成13年分確定申告書)を提出したところ,世田谷
税務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月8日付けで,原告P4の平成13年分の
所得税につき更正処分(第9事件・平成13年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第9事件・平成13年分賦課決定処分)をした。
(甲J1の1)
(イ)原告P4が,世田谷税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別
表8-34の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月13日に確定
申告書(第9事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,世田谷
税務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月8日付けで,原告P4の平成14年分の
所得税につき更正処分(第9事件・平成14年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第9事件・平成14年分賦課決定処分)をした。
(甲J1の2)
(ウ)原告P4が,世田谷税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別
表8-35の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月10日に確定
申告書(第9事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,世田谷
税務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月8日付けで,原告P4の平成15年分の
所得税につき更正処分(第9事件・平成15年分更正処分)及び過少申告
加算税賦課決定処分(第9事件・平成15年分賦課決定処分)をした。
(甲J1の3)
(エ)これに対し,原告P4は,平成17年4月19日に上記(ア)~(ウ)の各処
分を不服として世田谷税務署長に対して異議申立てをしたところ,世田谷
税務署長から,同年7月19日付けで,異議申立てをいずれも棄却する旨
の異議決定を受け,さらに,同年8月18日に国税不服審判所長に対して
審査請求をしたものの,国税不服審判所長から,平成18年8月14日付
けで,審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本件
LPS(C)が我が国の所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘があ
る。)を受けたため,平成19年2月14日,第9事件の訴えを提起した。
(甲J2,3,顕著な事実)
イ第25事件
(ア)原告P4が,世田谷税務署長に対し,平成17年分の所得税につき,別
表8-36の「確定申告」欄記載のとおり,平成18年3月15日に確定
申告書(第25事件・平成17年分確定申告書)を提出したが,本件建物
(C)の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき
損益通算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,
平成19年3月15日に更正の請求をしたところ,世田谷税務署長は,平
成19年7月9日付けで,原告P4に対し,更正をすべき理由がない旨の
通知処分(第25事件・平成17年分通知処分)をした。
(甲J4,5)
(イ)これに対し,原告P4は,平成19年9月7日に上記(ア)の処分を不服と
して国税不服審判所長に対して審査請求をしたものの,審査請求がされた
日の翌日から起算して3月を経過しても裁決がされなかったため,平成2
0年4月10日,第25事件の訴えを提起した(なお,原告P4は,その
後の平成20年4月24日,上記審査請求を取り下げた。)。
(甲J6,顕著な事実)
(10)原告P33関係
ア第10事件
(ア)原告P33が,玉川税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,別
表8-37の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月12日に確定
申告書(第10事件・平成13年分確定申告書)を提出したところ,玉川
税務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月10日付けで,原告P33の平成13年
分の所得税につき更正処分(第10事件・平成13年分更正処分)及び過
少申告加算税賦課決定処分(第10事件・平成13年分賦課決定処分)を
した。
(甲K1の1)
(イ)原告P33が,玉川税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別
表8-38の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月12日に確定
申告書(第10事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,玉川
税務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月10日付けで,原告P33の平成14年
分の所得税につき更正処分(第10事件・平成14年分更正処分)及び過
少申告加算税賦課決定処分(第10事件・平成14年分賦課決定処分)を
した。
(甲K1の2)
(ウ)原告P33が,玉川税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別
表8-39の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月15日に確定
申告書(第10事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,玉川
税務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月10日付けで,原告P33の平成15年
分の所得税につき更正処分(第10事件・平成15年分更正処分)及び過
少申告加算税賦課決定処分(第10事件・平成15年分賦課決定処分)を
した。
(甲K1の3)
(エ)これに対し,原告P33は,平成17年4月20日に上記(ア)~(ウ)の各
処分を不服として玉川税務署長に対して異議申立てをしたところ,玉川税
務署長から,同年7月19日付けで,異議申立てを棄却する旨の異議決定
を受け,さらに,同年8月18日に国税不服審判所長に対して審査請求を
したものの,国税不服審判所長から,平成18年8月14日付けで,審査
請求を棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本件LPS(C)が我が
国の所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)を受けたため,
平成19年2月14日,第10事件の訴えを提起した。
(甲K2,3,顕著な事実)
イ第26事件
(ア)原告P33が,玉川税務署長に対し,平成17年分の所得税につき,別
表8-40の「確定申告」欄記載のとおり,平成18年3月14日に確定
申告書(第26事件・平成17年分確定申告書)を提出したが,本件建物
(C)の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき
損益通算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,
平成19年3月13日に更正の請求をした(なお,原告P33は,上記確
定申告書において,不動産所得の金額の計算上,356万9550円の損
失(上記更正の請求に係る更正請求書に記載された不動産所得の金額の計
算上生じた損失の金額と同額)が生じた旨の記載をしているものの,これ
を各種所得の金額から控除することはしていない。)ところ,玉川税務署
長は,同年5月29日付けで,原告P33に対し,更正をすべき理由がな
い旨の通知処分(第26事件・平成17年分通知処分)をした。
(甲K4,5)
(イ)これに対し,原告P33は,平成19年7月24日に上記(ア)の処分を不
服として玉川税務署長に対して異議申立てをしたところ,玉川税務署長か
ら,同年10月24日付けで,異議申立てを棄却する旨の異議決定を受け,
さらに,同年11月16日に国税不服審判所長に対して審査請求をしたも
のの,審査請求がされた日の翌日から起算して3月を経過しても裁決がさ
れなかったため,平成20年4月10日,第26事件の訴えを提起した(な
お,原告P33は,その後の同月24日,上記審査請求を取り下げた。)。
(甲K6,7,顕著な事実)
(11)原告P5関係
ア第11事件
(ア)原告P5が,渋谷税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,別表
8-41の「確定申告」欄記載のとおり,平成14年3月15日に確定申
告書(第11事件・平成13年分確定申告書)を提出したところ,渋谷税
務署長は,不動産所得の金額に誤りがある等として,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月10日付けで,原告P5の平成13年分
の所得税につき更正処分(第11事件・平成13年分更正処分)及び過少
申告加算税賦課決定処分(第11事件・平成13年分賦課決定処分)をし
た。
(甲L1の1)
(イ)原告P5が,渋谷税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別表
8-42の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月17日に確定申
告書(第11事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,渋谷税
務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月10日付けで,原告P5の平成14年分
の所得税につき更正処分(第11事件・平成14年分更正処分)及び過少
申告加算税賦課決定処分(第11事件・平成14年分賦課決定処分)をし
た。
(甲L1の2)
(ウ)原告P5が,渋谷税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別表
8-43の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月15日に確定申
告書(第11事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,渋谷税
務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月10日付けで,原告P5の平成15年分
の所得税につき更正処分(第11事件・平成15年分更正処分)及び過少
申告加算税賦課決定処分(第11事件・平成15年分賦課決定処分)をし
た。
(甲L1の3)
(エ)これに対し,原告P5は,平成17年4月21日に上記(ア)~(ウ)の各処
分を不服として渋谷税務署長に対して異議申立てをしたところ,渋谷税務
署長から,同年7月21日付けで,異議申立てをいずれも棄却する旨の異
議決定を受け,さらに,同年8月18日に国税不服審判所長に対して審査
請求をしたものの,国税不服審判所長から,平成18年8月14日付けで,
審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(なお,その理由中には本件LPS
(C)が我が国の所得税法上の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)
を受けたため,平成19年2月14日,第11事件の訴えを提起した。
(甲L2,3,顕著な事実)
イ第14事件
(ア)原告P5が,渋谷税務署長に対し,平成16年分の所得税につき,別表
8-44の「確定申告」欄記載のとおり,平成17年3月14日に確定申
告書(第14事件・平成16年分確定申告書)を提出したが,本件建物(C)
の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通
算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成
17年3月16日に更正の請求をしたところ,渋谷税務署長は,本件不動
産(C)に係る収入金額及び必要経費につき不動産所得とすることはでき
ないとする一方,その他の不動産に係る上記更正の請求の一部につき理由
があるものと認め,同表の「更正処分」欄記載のとおり,平成17年11
月28日付けで,原告P5の平成16年分の所得税につき更正処分(第1
4事件・平成16年分更正処分)をした。
(甲L4)
(イ)これに対し,原告P5は,平成18年1月27日に上記(ア)の処分を不服
として渋谷税務署長に対して異議申立てをしたところ,渋谷税務署長から,
同年4月27日付けで,異議申立てを棄却する旨の異議決定を受け,さら
に,同年5月17日に国税不服審判所長に対して審査請求をしたものの,
国税不服審判所長から,平成19年2月20日付けで,審査請求を棄却す
る旨の裁決(なお,その理由中には本件LPS(C)が我が国の所得税法
上の「法人」に該当しない旨の指摘がある。)を受けたため,同年8月1
6日,第14事件の訴えを提起した。
(甲L5,6,顕著な事実)
(12)原告P6関係
ア第12事件
(ア)原告P6が,麻布税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別表
8-45の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月16日に確定申
告書(第12事件・平成14年分確定申告書)を提出したところ,麻布税
務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月4日付けで,原告P6の平成14年分の
所得税につき更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。
(甲M1の1)
(イ)原告P6が,麻布税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別表
8-46の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月15日に確定申
告書(第12事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,麻布税
務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月4日付けで,原告P6の平成15年分の
所得税につき更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。
(甲M1の2)
(ウ)aこれに対し,原告P6は,平成17年4月27日に上記(ア)及び(イ)の
各処分を不服として麻布税務署長に対して異議申立てをしたところ,麻
布税務署長から,同年7月27日付けで,上記(ア)の各処分に対する異議
申立てをいずれも棄却し,別表8-46の「異議決定」欄記載のとおり,
上記(イ)の各処分の一部を取り消す旨の異議決定を受けた。
bさらに,原告P6は,平成17年8月23日に国税不服審判所長に対
して審査請求をしたところ,麻布税務署長から,別表8-45及び46
の各「再更正処分等」欄記載のとおり,同年11月30日付けで,上記(ア)
及び(イ)の各処分の一部を取り消す旨の更正処分及び変更決定処分を受
け,別表8-45及び46の各「再々更正処分等」欄記載のとおり,平
成18年1月23日付けで,上記(ア)及び(イ)の各処分の一部を取り消す
旨の更正処分及び変更決定処分を受けたものの,国税不服審判所長から,
平成18年8月14日付けで,審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(な
お,その理由中には本件LPS(P)が我が国の所得税法上の「法人」
に該当しない旨の指摘がある。)を受けたため,平成19年2月14日,
第12事件の訴えを提起した。
((ウ)につき,甲M2,3,4の1・2,顕著な事実)
イ第20事件
(ア)原告P6が,麻布税務署長に対し,平成16年分の所得税につき,別表
8-47の「確定申告」欄記載のとおり,平成17年3月14日に確定申
告書(第20事件・平成16年分確定申告書)を提出したが,本件建物(P)
の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通
算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成
18年3月10日に更正の請求をしたところ,麻布税務署長は,同年6月
30日付けで,原告P6に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処分(平
成18年10月2日付け異議決定による一部取消し前の第20事件・平成
16年分通知処分)をした。
(甲M5)
(イ)これに対し,原告P6は,平成18年7月11日に上記(ア)の処分を不服
として異議申立てをしたところ,麻布税務署長から,同年10月2日付け
で,別表8-47の「異議決定」欄記載のとおり,上記(ア)の処分の一部を
取り消す旨の異議決定を受け,さらに,平成18年10月27日に国税不
服審判所長に対して審査請求をしたところ,国税不服審判所長から,平成
19年5月11日付けで,審査請求を棄却する旨の裁決(なお,その理由
中には本件LPS(P)が我が国の所得税法上の「法人」に該当しない旨
の指摘がある。)を受けたため,同年11月7日,第20事件の訴えを提
起した。
(甲M6,7,顕著な事実)
ウ第27事件
(ア)原告P6が,麻布税務署長に対し,平成17年分の所得税につき,別表
8-48の「確定申告」欄記載のとおり,平成18年3月14日に確定申
告書(第27事件・平成17年分確定申告書)を,同表の「修正申告」欄
記載のとおり,平成18年5月15日に修正申告書(第27事件・平成1
7年分修正申告書)をそれぞれ提出したが,本件建物(P)の貸付けに係
る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通算をすべきで
あったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成19年3月1
3日に更正の請求をしたところ,麻布税務署長は,同年5月29日付けで,
原告P6に対し,更正をすべき理由がない旨の通知処分(第27事件・平
成17年分通知処分)をした。
(甲M8,9)
(イ)これに対し,原告P6は,平成19年7月24日に上記(ア)の処分を不服
として麻布税務署長に対して異議申立てをしたところ,麻布税務署長から,
同年10月24日付けで,異議申立てを棄却する旨の異議決定を受け,さ
らに,同年11月16日に国税不服審判所長に対して審査請求をしたもの
の,審査請求がされた日の翌日から起算して3月を経過しても裁決がされ
なかったため,平成20年4月10日,第27事件の訴えを提起した(な
お,原告P6は,その後の同月24日,上記審査請求を取り下げた。)。
(甲M10,11顕著な事実)
(13)原告P7関係
ア第13事件
(ア)a原告P7が,麻布税務署長に対し,平成13年分の所得税につき,平
成14年3月14日に確定申告書(第13事件・平成13年分確定申告
書)を提出したが,麻布税務署長による平成14年6月26日付け及び
平成15年5月30日付け更正処分並びに同年3月14日に行った更正
の請求を経て,別表8-49の「修正申告」欄記載のとおり,平成17
年3月8日に修正申告書(第13事件・平成13年分修正申告書)を提
出した。
b麻布税務署長は,平成17年3月14日付けで,平成13事件・平成
13年分修正申告書に係る過少申告加算税賦課決定処分をしたほか,不
動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」欄記載のと
おり,同日付けで,原告P7の平成13年分の所得税につき更正処分(第
13事件・平成13年分更正処分)及び過少申告加算税賦課決定処分を
した。
(甲N1の1)
(イ)原告P7が,麻布税務署長に対し,平成14年分の所得税につき,別表
8-50の「確定申告」欄記載のとおり,平成15年3月14日に確定申
告書(第13事件・平成14年分確定申告書)を,同表の「修正申告」欄
記載のとおり,平成17年3月8日に修正申告書(第13事件・平成14
年分修正申告書)をそれぞれ提出したところ,麻布税務署長は,平成17
年3月14日付けで,第13事件・平成14年分修正申告書に係る過少申
告加算税賦課決定処分をしたほか,不動産所得の金額に誤りがあるとして,
同表の同日付け「更正処分等」欄記載のとおり,同日付けで,原告P7の
平成14年分の所得税につき更正処分(第13事件・平成14年分更正処
分)及び過少申告加算税賦課決定処分(第13事件・平成14年分賦課決
定処分)をした。
(甲N1の2)
(ウ)原告P7が,麻布税務署長に対し,平成15年分の所得税につき,別表
8-51の「確定申告」欄記載のとおり,平成16年3月15日に確定申
告書(第13事件・平成15年分確定申告書)を提出したところ,麻布税
務署長は,不動産所得の金額に誤りがあるとして,同表の「更正処分等」
欄記載のとおり,平成17年3月14日付けで,原告P7の平成15年分
の所得税につき更正処分(第13事件・平成15年分更正処分)及び過少
申告加算税賦課決定処分(第13事件・平成15年分賦課決定処分)をし
た。
(甲N1の3)
(エ)これに対し,原告P7は,平成17年5月11日に上記(ア)b,(イ)及び(ウ)
の各処分を不服として麻布税務署長に対して異議申立てをしたところ,麻
布税務署長から,別表8-49~51のとおり,平成17年7月27日付
けで,平成13年分所得税に係る平成17年3月14日付け過少申告加算
税賦課決定処分の一部を取り消し,その余の処分に対する異議申立てをい
ずれも棄却する旨の異議決定を受け,さらに,平成17年8月18日に国
税不服審判所長に対して審査請求をしたものの,国税不服審判所長から,
平成18年8月14日付けで,審査請求をいずれも棄却する旨の裁決(な
お,その理由中には本件LPS(C)が我が国の所得税法上の「法人」に
該当しない旨の指摘がある。)を受けたため,平成19年2月14日,第
13事件の訴えを提起した。
(甲N2,3,顕著な事実)
イ第19事件
(ア)原告P7が,麻布税務署長に対し,平成16年分の所得税につき,別表
8-52の「確定申告」欄記載のとおり,平成17年3月15日に確定申
告書(第19事件・平成16年分確定申告書)を提出したが,本件建物(C)
の貸付けに係る不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額につき損益通
算をすべきであったとして,同表の「更正の請求」欄記載のとおり,平成
18年3月15日に更正の請求をした(なお,原告P7は,上記確定申告
書において,不動産所得の金額の計算上,4536万7184円の損失(上
記更正の請求に係る更正請求書に記載された不動産所得の金額の計算上生
じた損失の金額と同額)が生じた旨の記載をしているものの,これを各種
所得の金額から控除することはしていない。)ところ,麻布税務署長は,
平成19年1月31日付けで,原告P7に対し,更正をすべき理由がない
旨の通知処分(第19事件・平成16年分通知処分)をした。
(甲N4)
(イ)これに対し,原告P7は,平成19年3月28日に上記(ア)の処分を不服
として国税不服審判所長に対して審査請求をしたところ,国税不服審判所
長から,同年6月22日付けで,審査請求を棄却する旨の裁決(なお,そ
の理由中には本件LPS(C)が我が国の所得税法上の「法人」に該当し
ない旨の指摘がある。)を受けたため,同年11月7日,第19事件の訴
えを提起した。
(甲N5,顕著な事実)
(別紙9)
本件各処分の根拠及び計算
【目次】
第1原告P23関係267
1第1事件・平成14年分267
2第1事件・平成15年分268
3第17事件・平成16年分通知処分の根拠270
第2原告P20関係271
1第2事件・平成13年分271
2第2事件・平成14年分272
3第2事件・平成15年分274
4第21事件・平成16年分通知処分の根拠276
5第22事件・平成17年分278
第3原告P11関係279
1第3事件・平成13年分279
2第3事件・平成14年分281
3第3事件・平成15年分283
4第18事件・平成16年分通知処分の根拠285
5第18事件・平成17年分288
第4原告P32関係291
1第4事件・平成13年分291
2第4事件・平成14年分294
3第4事件・平成15年分295
第5原告P1関係298
1第5事件・平成13年分298
2第5事件・平成14年分299
3第5事件・平成15年分301
4第15事件・平成16年分通知処分の根拠303
5第23事件・平成17年分通知処分の根拠304
第6原告P29関係305
1第6事件・平成13年分305
2第6事件・平成14年分307
3第6事件・平成15年分310
第7原告P2関係312
1第7事件・平成13年分312
2第7事件・平成14年分314
3第7事件・平成15年分更正処分の根拠315
第8原告P3関係317
1第8事件・平成13年分317
2第8事件・平成14年分319
3第8事件・平成15年分321
4第16事件・平成16年分通知処分の根拠323
5第24事件・平成17年分通知処分の根拠324
第9原告P4関係326
1第9事件・平成13年分326
2第9事件・平成14年分328
3第9事件・平成15年分330
4第25事件・平成17年分通知処分の根拠332
第10原告P33関係333
1第10事件・平成13年分333
2第10事件・平成14年分335
3第10事件・平成15年分336
4第26事件・平成17年分通知処分の根拠338
第11原告P5関係339
1第11事件・平成13年分339
2第11事件・平成14年分340
3第11事件・平成15年分342
4第14事件・平成16年分更正処分の根拠343
第12原告P6関係346
1第12事件・平成14年分346
2第12事件・平成15年分349
3第20事件・平成16年分通知処分の根拠353
4第27事件・平成17年分通知処分の根拠356
第13原告P7関係359
1第13事件・平成13年分359
2第13事件・平成14年分361
3第13事件・平成15年分363
4第19事件・平成16年分通知処分の根拠367
第1原告P23関係
1第1事件・平成14年分
(1)第1事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額6494万4556円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-1の②欄の順号20)
109万1756円
上記金額は,別表9-1の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額6385万円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成14年分修正申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額2800円
上記金額は,原告P23が平成14年中に支払を受けた還付加算金の
額である。
イ所得控除の額の合計額367万5244円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成14年分修正申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額6126万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額6494万4556円から前記イの所
得控除の額の合計額367万5244円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△7万6300円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額2017万9530円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額6126万9000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額2000万5836円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成14年分修正申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第1事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額73万5000円
上記金額は,第1事件・平成14年分更正処分により原告P23が新たに
納付すべきこととなった税額735万円を基礎として,これに同項の規定に
基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
2第1事件・平成15年分
(1)第1事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額6162万3527円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-2の②欄の順号20)
31万1837円
上記金額は,別表9-2の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額6100万円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成15年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額31万1690円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額である。
a還付加算金の額1万5000円
上記金額は,原告P23が平成15年中に支払を受けた還付加算金
の額である。
ba以外の雑所得の金額29万6690円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成15年分確定申告書に記
載した雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額350万0234円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成15年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額5812万3000円
上記金額は,前記アの総所得金額6162万3527円から前記イの所
得控除の額の合計額350万0234円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△28万2366円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1901万5510円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額5812万3000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1904万7876円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成15年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第1事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額87万3000円
上記金額は,第1事件・平成15年分更正処分により原告P23が新たに
納付すべきこととなった税額873万円を基礎として,これに同項の規定に
基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
3第17事件・平成16年分通知処分の根拠
(1)総所得金額6093万4145円
上記金額は,次のア~ウの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-3の②欄の順号21)
140万4185円
上記金額は,別表9-3の②欄において算出した金額である。
イ給与所得の金額5530万円
上記金額は,原告P23が第17事件・平成16年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
ウ雑所得の金額422万9960円
上記金額は,原告P23が第17事件・平成16年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額372万9091円
上記金額は,原告P23が第17事件・平成16年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額5720万5000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額6093万4145円から前記(2)の所
得控除の額の合計額372万9091円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額133万0600円
上記金額は,次のアの金額からイ及びウの各金額を差し引いた後の金額で
ある。
ア課税総所得金額に対する税額1867万5850円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額5720万5000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
ウ源泉徴収税額1709万5191円
上記金額は,原告P23が第17事件・平成16年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
第2原告P20関係
1第2事件・平成13年分
(1)第2事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額4806万3160円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-4の②欄の順号18)0円
上記金額は,別表9-4の②欄において算出した金額である。
(イ)利子所得の金額0円
(ウ)給与所得の金額4806万3160円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成13年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額328万2632円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成13年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額4478万円
上記金額は,前記アの総所得金額4806万3160円から前記イの所
得控除の額の合計額328万2632円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△1165万7700円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1407万8600円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額4478万円に所得税法89条
1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1303万2296円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成13年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(エ)予定納税額1245万4000円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成13年分確定申告書に記載
した予定納税額(第1期及び第2期の合計額)と同額である。
(2)第2事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額74万7000円
上記金額は,第2事件・平成13年分更正処分により原告P20が新たに
納付すべきこととなった税額747万円を基礎として,これに同項の規定に
基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
2第2事件・平成14年分
(1)第2事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額832万0626円
上記金額は,次の(ア)~(カ)の各金額(なお,所得税法69条1項及び
措置法31条5項の規定による損益通算前の金額であり,以下「ウ退職
所得の金額」まで同じ。)の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-5の②欄の順号16)
25万1989円
上記金額は,別表9-5の②欄において算出した金額である。
(イ)利子所得の金額0円
(ウ)配当所得の金額16万円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成14年分修正申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(エ)給与所得の金額761万4037円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成14年分修正申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(オ)雑所得の金額29万4600円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成14年分修正申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
(カ)一時所得の金額0円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成14年分修正申告書に記載
した一時所得の金額と同額である。
イ分離長期譲渡所得の金額△3498万7681円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成14年分修正申告書に添付し
た損益の通算の計算書に記載した分離長期譲渡所得の金額と同額である。
ウ退職所得の金額2億8202万4316円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成14年分修正申告書に記載し
た退職所得の金額と同額である。
エ所得控除の額の合計額280万7385円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成14年分修正申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
オ課税退職所得金額2億5254万9000円
上記金額は,別表8-5-2の⑫欄に記載した,所得税法69条1項及
び措置法31条5項の規定による損益通算後の退職所得の金額2億553
5万7261円から,前記エの所得控除の額の合計額280万7385円
を控除した後の金額である。
カ納付すべき税額△1175万5770円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税退職所得金額に対する税額9095万3130円
上記金額は,前記オの課税退職所得金額2億5254万9000円に
所得税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額1万6000円
上記金額は,前記ア(ウ)の配当所得の金額16万円に所得税法92条
1項の規定により100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1億0244万2900円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成14年分修正申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第2事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額85万1000円
上記金額は,第2事件・平成14年分更正処分により原告P20が新たに
納付すべきこととなった税額851万円を基礎として,これに同項の規定に
基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
3第2事件・平成15年分
(1)第2事件・平成15年分更正処分
ア総所得金額3012万1655円
上記金額は,次の(ア)~(オ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-6の②欄の順号17)
0円
別表9-6の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要経
費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)利子所得の金額0円
(ウ)配当所得の金額124万円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成15年分確定申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(エ)給与所得の金額2879万2455円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成15年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(オ)雑所得の金額8万9200円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成15年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額285万8912円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成15年分確定申告書に記載し
た医療費控除の額15万0613円,社会保険料控除の額112万329
9円,生命保険料控除の額5万円,損害保険料控除の額1万5000円,
配偶者控除の額38万円,扶養控除の額76万円及び基礎控除の額38万
円の合計額と同額である。
なお,原告P20の平成15年分の合計所得金額(原告P20の場合は
前記アの総所得金額3012万1655円)が1000万円を超えること
から,配偶者特別控除の適用はない(所得税法83条の2第2項)。
ウ課税総所得金額2726万2000円
上記金額は,前記アの総所得金額3012万1655円から前記イの所
得控除の額の合計額285万8912円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額59万5900円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額759万6940円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額2726万2000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額6万2000円
上記金額は,前記ア(ウ)の配当所得の金額124万円に所得税法92
条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額668万9037円
上記金額は,原告P20が第2事件・平成15年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第2事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額101万円
上記金額は,第2事件・平成15年分更正処分により原告P20が新たに
納付すべきこととなった税額690万円を基礎として,これに同条1項の規
定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額69万円と,同条2
項の規定に基づき50万円を超える部分に相当する税額640万円に100
分の5の割合を乗じて算出した金額32万円との合計額である。
4第21事件・平成16年分通知処分の根拠
(1)総所得金額3727万6352円
上記金額は,次のア~エの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-7の②欄の順号17)
0円
別表9-7の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要経費
がないため,不動産所得は零円となる。
イ利子所得の金額0円
原告P20が,第21事件・平成16年分更正請求において利子所得と
して算出した金額は,原告P20が訴状において,米国所在の不動産を取
得してその貸付けを行っていたと主張する不動産賃貸事業に係る(計算上
の)利益として位置づけられるものであって,当該不動産賃貸事業に係る
所得の中で計算されるべきものであり,独立して所得税法23条に規定す
る利子所得に該当するものではないから,利子所得の金額は零円となる。
ウ給与所得の金額3726万0052円
上記金額は,原告P20が第21事件・平成16年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
エ雑所得の金額1万6300円
上記金額は,原告P20が第21事件・平成16年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額310万7897円
上記金額は,原告P20が第21事件・平成16年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額3416万8000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額3727万6352円から前記(2)の所
得控除の額の合計額310万7897円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額△14万4053円
上記金額は,次のアの金額からイ及びウの各金額を差し引いた後の金額で
ある。
ア課税総所得金額に対する税額1015万2160円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額3416万8000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
ウ源泉徴収税額1004万6213円
上記金額は,原告P20が第21事件・平成16年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
5第22事件・平成17年分
(1)第22事件・平成17年分更正処分の根拠
ア総所得金額4774万9063円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-8の②欄の順号17)
0円
別表9-8の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要経
費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)利子所得の金額1万4097円
上記金額は,原告P20が第22事件・平成17年分修正申告書に記
載した利子所得の金額と同額である。
(ウ)給与所得の金額4548万8366円
上記金額は,原告P20が第22事件・平成17年分修正申告書に記
載した給与所得の金額と同額である。
(エ)雑所得の金額224万6600円
上記金額は,原告P20が第22事件・平成17年分修正申告書に記
載した雑所得の金額と同額である。
イ株式等に係る譲渡所得等の金額0円
上記金額は,原告P20が第22事件・平成17年分修正申告書に記載
した株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
ウ所得控除の額の合計額328万0340円
上記金額は,原告P20が第22事件・平成17年分修正申告書に記載
した所得控除の額の合計額と同額である。
エ課税総所得金額4446万8000円
上記金額は,前記アの総所得金額4774万9063円から前記ウの所
得控除の額の合計額328万0340円を控除した後の金額である。
オ納付すべき金額221万9600円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1396万3160円
上記金額は,前記エの課税総所得金額4446万8000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1149万3527円
上記金額は,原告P20が第22事件・平成17年分修正申告書に記
載した源泉徴収税額と同額である。
(2)第22事件・平成17年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額20万8000円
上記金額は,第22事件・平成17年分更正処分により原告P20が新た
に納付すべきこととなった税額208万円を基礎として,これに同項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
第3原告P11関係
1第3事件・平成13年分
(1)第3事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額10億4272万3589円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)事業所得の金額10億8834万1995円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成13年分修正申告書に記載
した事業所得の金額と同額である。
(イ)不動産所得の金額(別表9-9の②欄の順号19)
△6470万2606円
上記金額は,別表9-9の②欄において算出した金額である。
(ウ)配当所得の金額365万円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成13年分修正申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(エ)給与所得の金額1543万4200円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成13年分修正申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額290万5829円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成13年分修正申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額10億3981万7000円
上記金額は,前記アの総所得金額10億4272万3589円から前記
イの所得控除の額の合計額290万5829円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額2億1797万9700円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(オ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額3億8224万2290円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額10億3981万7000円に
所得税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額18万2500円
上記金額は,前記ア(ウ)の配当所得の金額365万円に所得税法92
条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額664万8850円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成13年分修正申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(オ)予定納税額1億5718万1200円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成13年分修正申告書に記載
した予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。
(2)第3事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額1250万3000円
上記金額は,第3事件・平成13年分更正処分により原告P11が新たに
納付すべきこととなった税額1億2503万円を基礎として,これに同項の
規定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
2第3事件・平成14年分
(1)第3事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額9億5153万5966円
上記金額は,次の(ア)~(オ)の各金額の合計額である。
(ア)事業所得の金額9億4316万9150円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成14年分確定申告書に記載
した事業所得の金額と同額である。
(イ)不動産所得の金額(別表9-10の②欄の順号20)
△1915万1239円
上記金額は,別表9-10の②欄において算出した金額である。
(ウ)配当所得の金額850万円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成14年分確定申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(エ)給与所得の金額1896万2500円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成14年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(オ)雑所得の金額5万5555円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成14年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額312万0560円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成14年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額9億4841万5000円
上記金額は,前記アの総所得金額9億5153万5966円から前記イ
の所得控除の額の合計額312万0560円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額1億7224万2600円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(オ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額3億4842万3550円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額9億4841万5000円に所
得税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額42万5000円
上記金額は,前記ア(ウ)の配当所得の金額850万円に所得税法92
条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額877万4533円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成14年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(オ)予定納税額1億6673万1400円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成14年分確定申告書に記載
した予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。
(2)第3事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額1242万9000円
上記金額は,第3事件・平成14年分更正処分により原告P11が新たに
納付すべきこととなった税額1億2429万円を基礎として,これに同項の
規定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
3第3事件・平成15年分
(1)第3事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額5億3260万6046円
上記金額は,次の(ア)~(カ)の各金額の合計額である。
(ア)事業所得の金額4億9245万0949円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成15年分確定申告書に記載
した事業所得の金額と同額である。
(イ)不動産所得の金額(別表9-11の②欄の順号20)
△996万3061円
上記金額は,別表9-11の②欄において算出した金額である。
(ウ)利子所得の金額12万0347円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成15年分確定申告書に記載
した利子所得の金額と同額である。
(エ)配当所得の金額1700万円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成15年分確定申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(オ)給与所得の金額3297万5000円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成15年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(カ)雑所得の金額2万2811円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成15年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ株式等に係る譲渡所得等の金額22億6765万7170円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成15年分確定申告書に記載し
た株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
ウ所得控除の額の合計額302万8044円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成15年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
エ課税総所得金額5億2957万8000円
上記金額は,前記アの総所得金額5億3260万6046円から前記ウ
の所得控除の額の合計額302万8044円を控除した後の金額である。
オ課税される株式等に係る譲渡所得等の金額
22億6765万7000円
上記金額は,前記イの株式等に係る譲渡所得等の金額である。
カ納付すべき税額1億9236万2500円
上記金額は,次の(ア)及び(イ)の金額の合計額から(ウ)~(カ)の各金額
を差し引いた後の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1億9345万3860円
上記金額は,前記エの課税総所得金額5億2957万8000円に所
得税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)課税される株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税額
1億5873万5990円
上記金額は,前記オの株式等に係る課税譲渡所得等の金額22億67
65万7000円に,措置法37条の11第1項及び第2項の税率を乗
じて算出した金額であり,原告P11が第3事件・平成15年分確定申
告書に記載した課税される株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税額
と同額である。
(ウ)配当控除の額85万円
上記金額は,前記ア(エ)の配当所得の金額1700万円に所得税法9
2条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(エ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(オ)源泉徴収税額1561万7548円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成15年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(カ)予定納税額1億4310万9800円
上記金額は,原告P11が第3事件・平成15年分確定申告書に記載
した予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。
(2)第3事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額1201万6000円
上記金額は,第3事件・平成15年分更正処分により原告P11が新たに
納付すべきこととなった税額1億2016万円を基礎として,これに同項の
規定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
4第18事件・平成16年分通知処分の根拠
(1)総所得金額2億8523万3459円
上記金額は,次のア~カの各金額の合計額である。
ア事業所得の金額1億8061万3951円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載
した事業所得の金額と同額である。
イ不動産所得の金額(別表9-12の②欄の順号20)
620万5545円
上記金額は,別表9-12の②欄において算出した金額である。
ウ利子所得の金額584万8363円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載
した利子所得の金額と同額である。
エ配当所得の金額4265万2500円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
オ給与所得の金額4988万5000円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
カ雑所得の金額2万8100円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
(2)株式等に係る譲渡所得等の金額48億1941万2897円
上記金額は,次のア及びイの各金額の合計額である。
ア上場株式等に係る譲渡所得等の金額47億9941万2897円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載
した上場株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
イ上場株式等以外の株式等に係る譲渡所得等の金額2000万円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載
した上場株式等以外の株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
(3)所得控除の額の合計額298万8970円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
(4)課税総所得金額2億8224万4000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額2億8523万3459円から上記(3)
の所得控除の額の合計額298万8970円を控除した後の金額である。
(5)課税される株式等に係る譲渡所得等の金額
48億1941万2000円
上記金額は,上記(2)の株式等に係る譲渡所得等の金額である。
(6)納付すべき税額3億7369万5000円
上記金額は,次のア及びイの各金額の合計額からウ~カの各金額を差し引
いた後の金額である。
ア課税総所得金額に対する税額1億0194万0280円
上記金額は,上記(4)の課税総所得金額2億8224万4000円に所得
税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ課税される株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税額
3億3895万8840円
上記金額は,次の(ア)及び(イ)の各金額の合計額である。
(ア)前記(5)の課税される株式等に係る譲渡所得等の金額48億194
1万2000円のうち,上場株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税

3億3595万8840円
上記金額は,前記(5)の課税される株式等に係る譲渡所得等の金額48
億1941万2000円のうち,上場株式等に係る譲渡所得等の金額4
7億9941万2000円に,措置法37条の11第1項の税率を乗じ
て算出した金額である。
(イ)前記(5)の課税される株式等に係る譲渡所得等の金額48億194
1万2000円のうち,上場株式等以外の株式等に係る譲渡所得等の金
額に対する税額300万円
上記金額は,前記(5)の課税される株式等に係る譲渡所得等の金額48
億1941万2000円のうち,上場株式等以外の株式等に係る譲渡所
得等の金額2000万円に,措置法37条の10第1項の税率を乗じて
算出した金額である。
ウ配当控除の額213万2625円
上記金額は,前記(1)エの配当所得の金額4265万2500円に所得税
法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額であ
る。
エ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
オ源泉徴収税額2710万9797円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
カ予定納税額3771万1600円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成16年分確定申告書に記載
した予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。
5第18事件・平成17年分
(1)第18事件・平成17年分更正処分の根拠
ア総所得金額3億6421万4438円
上記金額は,次の(ア)~(カ)の各金額の合計額である。
(ア)事業所得の金額1億4135万2928円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成17年分確定申告書に記
載した事業所得の金額と同額である。
(イ)不動産所得の金額(別表9-13の②欄の順号20)
4984万5213円
上記金額は,別表9-13の②欄において算出した金額である。
(ウ)利子所得の金額701万5364円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成17年分確定申告書に記
載した利子所得の金額と同額である。
(エ)配当所得の金額1億0883万6000円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成17年分確定申告書に記
載した配当所得の金額と同額である。
(オ)給与所得の金額5536万3840円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成17年分確定申告書に記
載した給与所得の金額と同額である。
(カ)雑所得の金額180万1093円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成17年分確定申告書に記
載した雑所得の金額と同額である。
イ本年分で差し引く繰越損失額0円
原告P11には,平成17年の前年以前3年以内の各年において純損失
の金額(所得税法2条25号)及び雑損失の金額(同条26号)が生じた
事実はないから,純損失の繰越控除(同法70条)及び雑損失の繰越控除
(同法71条)の適用はなく,原告P11の平成17年分の総所得金額か
ら差し引く繰越損失額は零円となる。
ウ株式等に係る譲渡所得等の金額3億6654万2411円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成17年分確定申告書に記載
した株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
エ所得控除の額の合計額298万1244円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成17年分確定申告書に記載
した所得控除の額の合計額と同額である。
オ課税総所得金額3億6123万3000円
上記金額は,前記アの総所得金額3億6421万4438円から前記エ
の所得控除の額の合計額298万1244円を控除した後の金額である。
カ課税される株式等に係る譲渡所得等の金額
3億6654万2000円
上記金額は,前記ウの株式等に係る譲渡所得等の金額である。
キ納付すべき税額6075万6400円
上記金額は,次の(ア)及び(イ)の各金額の合計額から(ウ)~(カ)の各金
額を差し引いた後の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1億3116万6210円
上記金額は,前記オの課税総所得金額3億6123万3000円に所
得税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)課税される株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税額
2565万7940円
上記金額は,前記カの課税される株式等に係る譲渡所得等の金額3億
6654万2000円に,措置法(平成18年法律第10号による改正
前のもの)37条の11第1項の税率を乗じて算出した金額である。
(ウ)配当控除の額544万1800円
上記金額は,前記ア(エ)の配当所得の金額1億0883万6000円
に所得税法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出し
た金額である。
(エ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(オ)源泉徴収税額4208万4333円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成17年分確定申告書に記
載した源泉徴収税額と同額である。
(カ)予定納税額4829万1600円
上記金額は,原告P11が第18事件・平成17年分確定申告書に記
載した予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。
(2)第18事件・平成17年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額86万1000円
上記金額は,第18事件・平成17年分更正処分により原告P11が新た
に納付すべきこととなった税額861万円を基礎として,これに同項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
第4原告P32関係
1第4事件・平成13年分
(1)第4事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額4904万6107円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-14の②欄の順号16)
△78万3768円
上記金額は,別表9-14の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額4960万円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成13年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額22万9875円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額である。
a還付加算金の額2万7900円
上記金額は,原告P32が平成13年中に支払を受けた還付加算金
の額である。
ba以外の雑所得の金額20万1975円
上記金額は,次の(a)及び(b)の各金額の合計額から(c)の金額を
控除した後の金額である。
(a)株式会社P35からの報酬の収入金額
22万2220円
上記金額は,原告P32が株式会社P35から平成13年中に支
払を受けた報酬の収入金額であり,原告P32が第4事件・平成1
3年分確定申告書の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの報酬の
「収入金額」として記載した金額と同額である。
(b)医療法人社団P36からの講師料の収入金額6万6315円
上記金額は,原告P32が医療法人社団P36から平成13年中
に支払を受けた講師料の収入金額であり,原告P32が第4事件・
平成13年分確定申告書の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの
講師料の「収入金額」として記載した金額と同額である。
(c)上記(a)及び(b)の収入金額に係る必要経費等の額
8万6560円
上記金額は,上記(a)及び(b)の収入金額に係る必要経費等の額で
あり,原告P32が第4事件・平成13年分確定申告書の第二表の「配
当所得・雑所得(公的年金等以外)・総合課税の譲渡所得・一時所得
に関する事項」欄に上記(a)及び(b)の収入金額に係る「必要経費等」
の額として記載した金額と同額である。
イ分離長期譲渡所得の金額0円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成13年分確定申告書に記載し
た分離長期譲渡所得の金額と同額である。
ウ所得控除の額の合計額352万6525円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成13年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
エ課税総所得金額4551万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額4904万6107円から前記ウの所
得控除の額の合計額352万6525円を控除した後の金額である。
オ課税分離長期譲渡所得の金額0円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成13年分確定申告書に記載し
た金額と同額である。
カ納付すべき税額△27万5265円
上記金額は,次の(ア)及び(イ)の合計額から(ウ)及び(エ)の各金額を差
し引いた後の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1435万2030円
上記金額は,前記エの課税総所得金額4551万9000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)課税分離長期譲渡所得の金額に対する税額0円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成13年分確定申告書に記載
した金額と同額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1437万7295円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成13年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第4事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額96万7000円
上記金額は,第4事件・平成13年分更正処分により原告P32が新たに
納付すべきこととなった税額836万円を基礎として,これに同条1項の規
定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額83万6000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額573万5590円
を超える部分に相当する税額262万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額13万1000円との合計額である。
2第4事件・平成14年分
(1)第4事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額4406万7801円
上記金額は,次の(ア)~(オ)の各金額の合計額である。
(ア)事業所得の金額△579万2544円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成14年分確定申告書に記載
した事業所得の金額と同額である。
(イ)不動産所得の金額(別表9-15の②欄の順号14)
△28万6387円
上記金額は,別表9-15の②欄において算出した金額である。
(ウ)給与所得の金額4971万1340円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成14年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(エ)雑所得の金額3万9700円
上記金額は,原告P32が平成14年中に支払を受けた還付加算金の
額と同額である。
(オ)一時所得の金額39万5692円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成14年分確定申告書に記載
した一時所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額345万7594円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成14年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額4061万円
上記金額は,前記アの総所得金額4406万7801円から前記イの所
得控除の額の合計額345万7594円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△233万5765円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1253万5700円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額4061万円に所得税法89条
1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1462万1465円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成14年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第4事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額110万8000円
上記金額は,第4事件・平成14年分更正処分により原告P32が新たに
納付すべきこととなった税額861万円を基礎として,これに同条1項の規
定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額86万1000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額366万9500円
を超える部分に相当する税額494万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額24万7000円との合計額である。
3第4事件・平成15年分
(1)第4事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額4099万5498円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)事業所得の金額△427万8267円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成15年分確定申告書に記載
した事業所得の金額と同額である。
(イ)不動産所得の金額(別表9-16の②欄の順号16)
△467万6234円
上記金額は,別表9-16の②欄において算出した金額である。
(ウ)給与所得の金額4974万6205円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成15年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(エ)雑所得の金額20万3794円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額である。
a還付加算金の額4万7900円
上記金額は,原告P32が平成15年中に支払を受けた還付加算金
の額である。
ba以外の雑所得の金額15万5894円
上記金額は,次の(a)~(c)の各金額の合計額から(d)の金額を控
除した後の金額である。
(a)株式会社P35からの報酬の収入金額
22万2222円
上記金額は,原告P32が株式会社P35から平成15年中に支
払を受けた報酬の収入金額であり,原告P32が第4事件・平成1
5年分確定申告書に添付した所得の内訳書に同社からの報酬の「収
入金額」として記載した金額と同額である。
(b)町田市長からの報酬の収入金額3万5187円
上記金額は,原告P32が町田市長から平成15年中に支払を受
けた報酬の収入金額であり,原告P32が第4事件・平成15年分
確定申告書に添付した所得の内訳書に同市長からの報酬の「収入金
額」として記載した金額と同額である。
(c)備品使用料20万円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成15年分確定申告書に
添付した所得の内訳書に備品使用料として記載した金額と同額であ
る。
(d)上記(a)~(c)の収入金額に係る必要経費等の額
30万1515円
上記金額は,上記(a)~(c)の収入金額に係る必要経費等の額で
あり,原告P32が第4事件・平成15年分確定申告書に記載した
雑所得の収入金額52万4009円から原告P32が第4事件・平
成15年分確定申告書に記載した雑所得の金額22万2494円を
控除した後の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額340万8719円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成15年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3758万6000円
上記金額は,前記アの総所得金額4099万5498円から前記イの所
得控除の額の合計額340万8719円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△310万9925円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1141万6820円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3758万6000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1427万6745円
上記金額は,原告P32が第4事件・平成15年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第4事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額109万8000円
上記金額は,第4事件・平成15年分更正処分により原告P32が新たに
納付すべきこととなった税額828万円を基礎として,これに同条1項の規
定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額82万8000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額287万6900円
を超える部分に相当する税額540万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額27万円との合計額である。
第5原告P1関係
1第5事件・平成13年分
(1)第5事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額5774万8633円
上記金額は,次の(ア)及び(イ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-17の②欄の順号19)
729万3633円
上記金額は,別表9-17の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額5045万5000円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成13年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額295万4294円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成13年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額5479万4000円
上記金額は,前記アの総所得金額5774万8633円から前記イの所
得控除の額の合計額295万4294円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額332万3100円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1778万3780円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額5479万4000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1421万0650円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成13年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第5事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額72万2000円
上記金額は,第5事件・平成13年分更正処分により原告P1が新たに納
付すべきこととなった税額722万円を基礎として,これに同項の規定に基
づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
2第5事件・平成14年分
(1)第5事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額5998万4089円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-18の②欄の順号19)
603万4189円
上記金額は,別表9-18の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額5393万2000円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成14年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額1万7900円
上記金額は,原告P1が平成14年中に支払を受けた還付加算金の額
である。
イ所得控除の額の合計額314万4095円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成14年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額5683万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額5998万4089円から前記イの所
得控除の額の合計額314万4095円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額259万2900円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1854万0430円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額5683万9000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1569万7482円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成14年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第5事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額93万3500円
上記金額は,第5事件・平成14年分更正処分により原告P1が新たに納
付すべきこととなった税額924万円を基礎として,これに同条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額92万4000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額904万7460円
を超える部分に相当する税額19万円に100分の5の割合を乗じて算出し
た金額9500円との合計額である。
3第5事件・平成15年分
(1)第5事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額6291万0165円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-19の②欄の順号19)
758万7065円
上記金額は,別表9-19の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額5530万円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額2万3100円
上記金額は,原告P1が平成15年中に支払を受けた還付加算金の額
である。
イ株式等に係る譲渡所得等の金額658万4477円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載した
株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
ウ所得控除の額の合計額228万5824円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
エ課税総所得金額6062万4000円
上記金額は,前記アの総所得金額6291万0165円から前記ウの所
得控除の額の合計額228万5824円を控除した後の金額である。
オ課税される株式等に係る譲渡所得等の金額658万4000円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載した
課税される株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
カ納付すべき税額420万9900円
上記金額は,次の(ア)及び(イ)の各金額の合計額から(ウ)及び(エ)の各
金額を差し引いた後の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1994万0880円
上記金額は,前記エの課税総所得金額6062万4000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)課税される株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税額
131万6800円
上記金額は,前記オの課税される株式等に係る譲渡所得等の金額65
8万4000円に措置法37条の10第1項の税率を乗じて算出した金
額であり,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載した課
税される株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税額と同額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1679万7696円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第5事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額90万7000円
上記金額は,第5事件・平成15年分更正処分により原告P1が新たに納
付すべきこととなった税額907万円を基礎として,これに同項の規定に基
づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
4第15事件・平成16年分通知処分の根拠
(1)総所得金額6277万2320円
上記金額は,次のア及びイの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-20の②欄の順号20)
747万2320円
上記金額は,別表9-20の②欄において算出した金額である。
イ給与所得の金額5530万円
上記金額は,原告P1が第15事件・平成16年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額219万1564円
上記金額は,原告P1が第15事件・平成16年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額6058万円
上記金額は,前記(1)の総所得金額6277万2320円から前記(2)の所
得控除の額の合計額219万1564円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額286万1400円
上記金額は,次のアの金額からイ及びウの各金額を差し引いた後の金額で
ある。
ア課税総所得金額に対する税額1992万4600円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額6058万円に所得税法89条1
項の税率を乗じて算出した金額である。
イ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
ウ源泉徴収税額1681万3191円
上記金額は,原告P1が第15事件・平成16年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
5第23事件・平成17年分通知処分の根拠
(1)総所得金額6135万0818円
上記金額は,次のア及びイの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-21の②欄の順号21)
510万0818円
上記金額は,別表9-21の②欄において算出した金額である。
イ給与所得の金額5625万円
上記金額は,原告P1が第23事件・平成17年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額217万7588円
上記金額は,原告P1が第23事件・平成17年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額5917万3000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額6135万0818円から前記(2)の所
得控除の額の合計額217万7588円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額9万1500円
上記金額は,次のアの金額からイ~エの各金額を差し引いた後の金額であ
る。
ア課税総所得金額に対する税額1940万4010円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額5917万3000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
ウ源泉徴収税額1715万4845円
上記金額は,原告P1が第23事件・平成17年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
エ予定納税額190万7600円
上記金額は,原告P1が第23事件・平成17年分確定申告書に記載し
た予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。
第6原告P29関係
1第6事件・平成13年分
(1)第6事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額4737万5308円
上記金額は,次の(ア)~(オ)の各金額の合計額である。
(ア)事業所得の金額1923万8551円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成13年分修正申告書に記載
した事業所得の金額と同額である。
(イ)不動産所得の金額(別表9-22の②欄の順号18)
△96万9603円
上記金額は,別表9-22の②欄において算出した金額である。
(ウ)配当所得の金額59万5500円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成13年分修正申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(エ)給与所得の金額2797万8000円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成13年分修正申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(オ)雑所得の金額53万2860円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成13年分修正申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額169万7835円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成13年分修正申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額4567万7000円
上記金額は,前記アの総所得金額4737万5308円から前記イの所
得控除の額の合計額169万7835円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△1450万5759円
上記金額は,次の(ア)から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額で
ある。
(ア)課税総所得金額に対する税額1441万0490円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額4567万7000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除の額2万9775円
上記金額は,前記ア(ウ)の配当所得の金額59万5500円に,所得
税法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額
である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額2863万6474円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成13年分修正申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第6事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額82万円
上記金額は,第6事件・平成13年分更正処分により原告P29が新たに
納付すべきこととなった税額762万円を基礎として,これに同条1項の規
定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額76万2000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額648万1880円
を超える部分に相当する税額116万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額5万8000円との合計額である。
2第6事件・平成14年分
(1)第6事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額4702万4657円
上記金額は,次の(ア)~(オ)の各金額の合計額である。
(ア)事業所得の金額2223万3893円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額であり,第6事件・平成
14年分減額更正処分の通知書に記載した事業所得の金額と同額である。
a申告額2041万4565円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成14年分確定申告書に記
載した事業所得の金額と同額である。
b調査による増加額181万9328円
上記金額は,渋谷税務署長が平成15年11月から実施した原告P
29の所得税の調査に基づき増加した事業所得の金額である。
(イ)不動産所得の金額(別表9-23の②欄の順号18)
△30万4852円
上記金額は,別表9-23の②欄において算出した金額である。
(ウ)配当所得の金額33万8000円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額であり,渋谷税務署長が
第6事件・平成14年分減額更正処分の通知書に記載した配当所得の金
額と同額である。
a申告額23万4000円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成14年分確定申告書に記
載した配当所得の金額と同額である。
b調査による増加額10万4000円
上記金額は,渋谷税務署長が平成15年11月から実施した原告P
29の所得税の調査に基づき増加した配当所得の金額である。
(エ)給与所得の金額2417万8000円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成14年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(オ)雑所得の金額57万9616円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成14年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額303万6910円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成14年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額4398万7000円
上記金額は,前記アの総所得金額4702万4657円から前記イの所
得控除の額の合計額303万6910円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△1735万5181円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1378万5190円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額4398万7000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除の額1万6900円
上記金額は,前記ア(ウ)の配当所得の金額33万8000円に,所得
税法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額
である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額3087万3471円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額であり,渋谷税務署長が
第6事件・平成14年分減額更正処分の通知書に記載した源泉徴収税額
と同額である。
a申告額2897万4441円
上記金額は,原告P29が平成14年分の所得税の確定申告書に記
載した源泉徴収税額と同額である。
b調査による増加額189万9030円
上記金額は,次の(a)及び(b)の各金額の合計額である。
(a)事業所得に係るもの187万8230円
上記金額は,渋谷税務署長が平成15年11月から実施した原告
P29の所得税の調査に基づき増加した事業所得に係る源泉徴収税
額である。
(b)配当所得に係るもの2万0800円
上記金額は,渋谷税務署長が平成15年11月から実施した原告
P29の所得税の調査に基づき増加した配当所得に係る源泉徴収税
額である。
(2)第6事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額67万円
上記金額は,第6事件・平成14年分更正処分により原告P29が新たに
納付すべきこととなった税額789万5800円のうち,第6事件・平成1
4年分減額更正処分により減少した119万2720円に相当する部分の金
額は,同条4項の「正当な理由があると認められる事実に基づく税額」に該
当することから,上記789万5800円から119万2720円を控除し
た後の670万円を基礎として,これに同条1項の規定に基づき100分の
10の割合を乗じて算出した金額である。
3第6事件・平成15年分
(1)第6事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額4388万4872円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-24の②欄の順号18)
60万6244円
上記金額は,別表9-24の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額4266万5000円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成15年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額61万3628円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成15年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ分離長期譲渡所得の金額0円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成15年分確定申告書に記載し
た分離長期譲渡所得の金額と同額である。
ウ株式等に係る譲渡所得等の金額△389万4634円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成15年分確定申告書に記載し
た株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。なお,原告P29の平成
15年分の株式等に係る譲渡損失の金額は,措置法37条の12の2第1
項及び2項の規定により,翌年以後に繰り越されることとなる。
エ所得控除の額の合計額287万4790円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成15年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
オ課税総所得金額4101万円
上記金額は,前記アの総所得金額4388万4872円から前記エの所
得控除の額の合計額287万4790円を控除した後の金額である。
カ納付すべき税額243万0200円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1268万3700円
上記金額は,前記オの課税総所得金額4101万円に所得税法89条
1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1000万3447円
上記金額は,原告P29が第6事件・平成15年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第6事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額91万7000円
上記金額は,第6事件・平成15年分更正処分により原告P29が新たに
納付すべきこととなった税額769万円を基礎として,これに同条1項の規
定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額76万9000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額473万4000円
を超える部分に相当する税額296万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額14万8000円との合計額である。
第7原告P2関係
1第7事件・平成13年分
(1)第7事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額4305万8000円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-25の②欄の順号16)
0円
別表9-25の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)給与所得の金額4304万5000円
上記金額は,次のa,b及びcの各給与収入金額の合計額4710万
円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同条2項の規定
に基づいて控除した後の金額である。
aP37株式会社からの給与収入金額2400万円
上記金額は,原告P2がP37株式会社から平成13年中に支払を
受けた給与等の収入金額であり,原告P2が第7事件・平成13年分
確定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄
に記載された金額と同額である。
b株式会社P38からの給与収入金額1710万円
上記金額は,原告P2が株式会社P38から平成13年中に支払を
受けた給与等の収入金額であり,原告P2が第7事件・平成13年分
確定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄
に記載された金額と同額である。
c株式会社P39からの給与収入金額600万円
上記金額は,原告P2が株式会社P39から平成13年中に支払を
受けた給与等の収入金額であり,原告P2が第7事件・平成13年分
確定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄
に記載された金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額1万3000円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成13年分確定申告書に記載し
た雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額225万8123円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成13年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額4079万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額4305万8000円から前記イの所
得控除の額の合計額225万8123円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額30万3000円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1260万5630円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額4079万9000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1205万2560円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成13年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第7事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額92万2500円
上記金額は,第7事件・平成13年分更正処分により原告P2が新たに納
付すべきこととなった税額769万円を基礎として,これに同条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額76万9000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額462万4110円
を超える部分に相当する税額307万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額15万3500円との合計額である。
2第7事件・平成14年分
(1)第7事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額4535万5035円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-26の②欄の順号18)
0円
別表9-26の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)給与所得の金額4485万円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成14年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額3万4100円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成14年分確定申告書に記載し
た雑所得の金額と同額である。
(エ)一時所得の金額47万0935円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成14年分確定申告書に記載し
た一時所得の金額と同額であり,所得税法22条2項2号の規定による
2分の1にした後の金額である。
イ所得控除の額の合計額345万4750円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成14年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額4190万円
上記金額は,前記アの総所得金額4535万5035円から前記イの所
得控除の額の合計額345万4750円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額4万5400円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1301万3000円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額4190万円に所得税法89条
1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1271万7560円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成14年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第7事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額98万6000円
上記金額は,第7事件・平成14年分更正処分により原告P2が新たに納
付すべきこととなった税額812万円を基礎として,これに同条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額81万2000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額463万9650円
を超える部分に相当する税額348万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額17万4000円との合計額である。
3第7事件・平成15年分更正処分の根拠
(1)総所得金額4808万9150円
上記金額は,次のア~エの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-27の②欄の順号18)
0円
別表9-27の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要経
費がないため,不動産所得は零円となる。
イ給与所得の金額4803万2500円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成15年分修正申告書に記載した
給与所得の金額と同額である。
ウ雑所得の金額3万8000円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成15年分修正申告書に記載した
雑所得の金額と同額である。
エ一時所得の金額1万8650円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成15年分修正申告書に記載した
一時所得の金額と同額であり,所得税法22条2項2号の規定による2分
の1にした後の金額である。
(2)所得控除の額の合計額187万5290円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成15年分修正申告書に記載した所
得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額4621万3000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額4808万9150円から前記(2)の所
得控除の額の合計額187万5290円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額△20万1400円
上記金額は,次のアの金額からイ及びウの各金額を差し引いた後の金額で
ある。
ア課税総所得金額に対する税額1460万8810円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額4621万3000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
ウ源泉徴収税額1456万0260円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成15年分修正申告書に記載した
源泉徴収税額と同額である。
第8原告P3関係
1第8事件・平成13年分
(1)第8事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額3985万4488円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-28の②欄の順号18)
0円
上記金額は,別表9-28の②欄において算出した金額である。
(イ)配当所得の金額120万円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成13年分確定申告書に記載し
た配当所得の金額と同額である。
(ウ)給与所得の金額3834万2500円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成13年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(エ)雑所得の金額31万1988円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額である。
a申告額30万8888円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成13年分確定申告書に記載し
た雑所得の金額と同額である。
b還付加算金の額3100円
上記金額は,原告P3が平成13年中に支払を受けた還付加算金の
額である。
イ所得控除の額の合計額239万6626円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成13年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3745万7000円
上記金額は,前記アの総所得金額3985万4488円から前記イの所
得控除の額の合計額239万6626円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額3万6300円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1136万9090円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3745万7000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額6万円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額120万円に所得税法92
条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1102万2732円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成13年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第8事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額100万1500円
上記金額は,第8事件・平成13年分更正処分により原告P3が新たに納
付すべきこととなった税額777万円を基礎として,これに同条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額77万7000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額328万3100円
を超える部分に相当する税額449万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額22万4500円との合計額である。
2第8事件・平成14年分
(1)第8事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額4029万0954円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-29の②欄の順号18)
0円
別表9-29の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)配当所得の金額120万円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成14年分確定申告書に記載し
た配当所得の金額と同額である。
(ウ)給与所得の金額3829万5000円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成14年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(エ)雑所得の金額79万5954円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額である。
a申告額75万9554円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成14年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
b還付加算金の額3万6400円
上記金額は,原告P3が平成14年中に支払を受けた還付加算金の
額である。
イ所得控除の額の合計額367万5689円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成14年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3661万5000円
上記金額は,前記アの総所得金額4029万0954円から前記イの所
得控除の額の合計額367万5689円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△33万1437円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1105万7550円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3661万5000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額6万円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額120万円に所得税法92
条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1107万8987円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成14年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第8事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額108万3000円
上記金額は,第8事件・平成14年分更正処分により原告P3が新たに納
付すべきこととなった税額810万円を基礎として,これに同条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額81万円と,同条2項
の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額263万9300円を超える
部分に相当する税額546万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額
27万3000円との合計額である。
3第8事件・平成15年分
(1)第8事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額4046万4760円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-30の②欄の順号18)
0円
別表9-30の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)配当所得の金額120万円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成15年分確定申告書に記載し
た配当所得の金額と同額である。
(ウ)給与所得の金額3829万5000円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成15年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(エ)雑所得の金額96万9760円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額である。
a申告額93万2860円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成15年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
b還付加算金の額3万6900円
上記金額は,原告P3が平成15年中に支払を受けた還付加算金の
額である。
イ所得控除の額の合計額177万0712円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成15年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3869万4000円
上記金額は,前記アの総所得金額4046万4760円から前記イの所
得控除の額の合計額177万0712円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額38万7600円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1182万6780円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3869万4000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額6万円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額120万円に所得税法92
条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1112万9095円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成15年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第8事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額105万4500円
上記金額は,第8事件・平成15年分更正処分により原告P3が新たに納
付すべきこととなった税額815万円を基礎として,これに同条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額81万5000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額336万1400円
を超える部分に相当する税額479万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額23万9500円との合計額である。
4第16事件・平成16年分通知処分の根拠
(1)総所得金額4014万9822円
上記金額は,次のア~エの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-31の②欄の順号18)
0円
別表9-31の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要経
費がないため,不動産所得は零円となる。
イ配当所得の金額120万円
上記金額は,原告P3が第16事件・平成16年分確定申告書に記載し
た配当所得の金額と同額である。
ウ給与所得の金額3848万5000円
上記金額は,原告P3が第16事件・平成16年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
エ雑所得の金額46万4822円
上記金額は,原告P3が第16事件・平成16年分確定申告書に記載し
た雑所得の金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額226万1498円
上記金額は,原告P3が第16事件・平成16年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額3788万8000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額4014万9822円から前記(2)の所
得控除の額の合計額226万1498円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額13万6700円
上記金額は,次のアの金額からイ~エの各金額を差し引いた後の金額であ
る。
ア課税総所得金額に対する税額1152万8560円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額3788万8000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ配当控除額6万円
上記金額は,前記(1)イの配当所得の金額120万円に所得税法92条1
項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
ウ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
エ源泉徴収税額1108万1834円
上記金額は,原告P3が第16事件・平成16年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
5第24事件・平成17年分通知処分の根拠
(1)総所得金額3946万4833円
上記金額は,次のア~エの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-32の②欄の順号20)
0円
別表9-32の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要経
費がないため,不動産所得は零円となる。
イ配当所得の金額120万円
上記金額は,原告P3が第24事件・平成17年分確定申告書に記載し
た配当所得の金額と同額である。
ウ給与所得の金額3820万円
上記金額は,原告P3が第24事件・平成17年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
エ雑所得の金額6万4833円
上記金額は,原告P3が第24事件・平成17年分確定申告書に記載し
た雑所得の金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額246万0029円
上記金額は,原告P3が第24事件・平成17年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額3700万4000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額3946万4833円から前記(2)の所
得控除の額の合計額246万0029円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額△13万2241円
上記金額は,次のアの金額からイ~エの各金額を差し引いた後の金額であ
る。
ア課税総所得金額に対する税額1120万1480円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額3700万4000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ配当控除額6万円
上記金額は,前記(1)イの配当所得の金額120万円に所得税法92条1
項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
ウ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
エ源泉徴収税額1102万3721円
上記金額は,原告P3が第24事件・平成17年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
第9原告P4関係
1第9事件・平成13年分
(1)第9事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額3649万3300円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-33の②欄の順号18)
0円
別表9-33の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)給与所得の金額3649万円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成13年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額3300円
上記金額は,原告P4が平成13年中に支払を受けた還付加算金の額
である。
イ所得控除の額の合計額314万2907円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成13年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3335万円
上記金額は,前記アの総所得金額3649万3300円から前記イの所
得控除の額の合計額314万2907円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△46万3220円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額984万9500円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3335万円に所得税法89条
1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)住宅借入金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)
0円
原告P4が第9事件・平成13年分確定申告書に記載した「住宅借入
金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)」41万79
00円については,同申告書の第二表の「特例適用条文等」欄に「平成
11年5月1日居住開始」と記載されていることから,措置法41条の
規定が適用されることになるが,同条1項によれば合計所得金額が30
00万円を超える年については,その年分の所得税から住宅借入金(取
得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)を控除することがで
きないところ,原告P4の平成13年分の合計所得金額(原告P4の場
合は,総所得金額と同額である。平成14年分及び同15年分について
も同じ。)は前記アのとおり3649万3300円であるから,平成1
3年分について同条を適用することはできない。
したがって,原告P4の平成13年分の住宅借入金(取得)等特別控
除額(住宅借入金等特別税額控除額)は零円となる。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1006万2720円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成13年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第9事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額99万6000円
上記金額は,第9事件・平成13年分更正処分により原告P4が新たに納
付すべきこととなった税額738万円を基礎として,これに同法65条1項
の規定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額73万8000
円と,同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額221万63
00円を超える部分に相当する税額516万円に100分の5の割合を乗じ
て算出した金額25万8000円との合計額である。
2第9事件・平成14年分
(1)第9事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額3651万7300円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-34の②欄の順号19)
0円
別表9-34の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)給与所得の金額3649万円
上記金額は,原告P4が平成14年分の所得税の確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額2万7300円
上記金額は,原告P4が平成14年中に支払を受けた還付加算金の額
である。
イ所得控除の額の合計額314万8052円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成14年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3336万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額3651万7300円から前記イの所
得控除の額の合計額314万8052円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△45万4390円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額985万6530円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3336万9000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)住宅借入金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)
0円
原告P4が第9事件・平成14年分確定申告書に記載した「住宅借入
金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)」22万82
00円については,同申告書の第二表の「特例適用条文等」欄に「平成
11年5月1日居住開始」と記載されていることから,措置法41条の
規定が適用されることになるが,同条1項によれば合計所得金額が30
00万円を超える年については,その年分の所得税から住宅借入金(取
得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)を控除することがで
きないところ,原告P4の平成14年分の合計所得金額は前記アのとお
り3651万7300円であるから,同年分について同条を適用するこ
とはできない。
したがって,原告P4の平成14年分の住宅借入金(取得)等特別控
除額(住宅借入金等特別税額控除額)は零円となる。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1006万0920円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成14年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第9事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額125万1500円
上記金額は,第9事件・平成14年分更正処分により原告P4が新たに納
付すべきこととなった税額866万円を基礎として,これに同条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額86万6000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額94万5280円を
超える部分に相当する税額771万円に100分の5の割合を乗じて算出し
た金額38万5500円との合計額である。
3第9事件・平成15年分
(1)第9事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額3651万3500円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-35の②欄の順号18)0円
別表9-35の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)給与所得の金額3649万円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成15年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額2万3500円
上記金額は,原告P4が平成15年中に支払を受けた還付加算金の額
である。
イ所得控除の額の合計額303万4270円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成15年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3347万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額3651万3500円から前記イの所
得控除の額の合計額303万4270円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△45万3511円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額989万7230円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3347万9000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)住宅借入金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)
0円
原告P4が第9事件・平成15年分確定申告書に記載した「住宅借入
金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)」21万72
00円については,同申告書の第二表の「特例適用条文等」欄に「平成
11年5月1日居住開始」と記載されていることから,措置法41条の
規定が適用されることになるが,同条1項によれば合計所得金額が30
00万円を超える年については,その年分の所得税から住宅借入金(取
得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)を控除することがで
きないところ,原告P4の平成15年分の合計所得金額は前記アのとお
り3651万3500円であるから,同年分について同条を適用するこ
とはできない。
したがって,原告P4の平成15年分の住宅借入金(取得)等特別控
除額(住宅借入金等特別税額控除額)は零円となる。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1010万0741円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成15年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(2)第9事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額123万3500円
上記金額は,第9事件・平成15年分更正処分により原告P4が新たに納
付すべきこととなった税額858万円を基礎として,これに同条1項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額85万8000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額106万4300円
を超える部分に相当する税額751万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額37万5500円との合計額である。
4第25事件・平成17年分通知処分の根拠
(1)総所得金額1676万4721円
上記金額は,次のア~ウの各金額の合計額である。
ア事業所得の金額801万4721円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載し
た事業所得の金額と同額である。
イ不動産所得の金額(別表9-36の②欄の順号19)
0円
別表9-36の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要経
費がないため,不動産所得は零円となる。
ウ給与所得の金額875万円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額297万8996円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額1378万5000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額1676万4721円から前記(2)の所得
控除の額の合計額297万8996円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額△120万3600円
上記金額は,次のアの金額からイ~エの各金額を差し引いた後の金額(た
だし,通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた
後のもの)から更にオの金額を差し引いた後の金額である。
ア課税総所得金額に対する税額290万5500円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額1378万5000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ住宅借入金等特別控除額14万5700円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載し
た住宅借入金等特別控除額と同額である。
ウ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
エ源泉徴収税額235万1750円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
オ予定納税額136万1600円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載し
た予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。
第10原告P33関係
1第10事件・平成13年分
(1)第10事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額5530万円
上記金額は,次の(ア)及び(イ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-37の②欄の順号17)
0円
別表9-37の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)給与所得の金額5530万円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成13年分確定申告書に記
載した給与所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額174万4220円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成13年分確定申告書に記載
した所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額5355万5000円
上記金額は,前記アの総所得金額5530万円から前記イの所得控除の
額の合計額174万4220円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△44万7890円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1732万5350円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額5355万5000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1752万3240円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成13年分確定申告書に記
載した源泉徴収税額と同額である。
(2)第10事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額82万8000円
上記金額は,第10事件・平成13年分更正処分により原告P33が新た
に納付すべきこととなった税額828万円を基礎として,これに同項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
2第10事件・平成14年分
(1)第10事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額5534万1100円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-38の②欄の順号18)
0円
別表9-38の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)給与所得の金額5530万円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成14年分確定申告書に記
載した給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額4万1100円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成14年分確定申告書に記
載した雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額250万6659円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成14年分確定申告書に記載
した所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額5283万4000円
上記金額は,前記アの総所得金額5534万1100円から,前記イの
所得控除の額の合計額250万6659円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△71万4660円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1705万8580円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額5283万4000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1752万3240円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成14年分確定申告書に記
載した源泉徴収税額と同額である。
(2)第10事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額89万7500円
上記金額は,第10事件・平成14年分更正処分により原告P33が新た
に納付すべきこととなった税額869万円を基礎として,同条1項の規定に
基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額86万9000円と,同
条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額811万5060円を
超える部分に相当する税額57万円に100分の5の割合を乗じて算出した
金額2万8500円との合計額である。
3第10事件・平成15年分
(1)第10事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額4821万6100円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-39の②欄の順号19)
0円
別表9-39の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)給与所得の金額4817万5000円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成15年分確定申告書に記
載した給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額4万1100円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成15年分確定申告書に記
載した雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額216万6368円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成15年分確定申告書に記載
した所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額4604万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額4821万6100円から前記イの所
得控除の額の合計額216万6368円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△48万6110円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1454万8130円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額4604万9000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1478万4240円
上記金額は,原告P33が第10事件・平成15年分確定申告書に記
載した源泉徴収税額と同額である。
(2)第10事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額99万1500円
上記金額は,第10事件・平成15年分更正処分により原告P33が新た
に納付すべきこととなった税額853万円を基礎として,同条1項の規定に
基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額85万3000円と,同
条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額575万9270円を
超える部分に相当する税額277万円に100分の5の割合を乗じて算出し
た金額13万8500円との合計額である。
4第26事件・平成17年分通知処分の根拠
(1)総所得金額1113万2500円
上記金額は,次のア~ウの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-40の②欄の順号19)
0円
別表9-40の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要経
費がないため,不動産所得は零円となる。
イ給与所得の金額1112万5000円
上記金額は,原告P33が第26事件・平成17年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
ウ雑所得の金額7500円
上記金額は,原告P33が第26事件・平成17年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額218万9100円
上記金額は,原告P33が第26事件・平成17年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額894万3000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額1113万2500円から前記(2)の所
得控除の額の合計額218万9100円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額△42万4540円
上記金額は,次のアの金額からイ及びウの各金額を差し引いた後の金額で
ある。
ア課税総所得金額に対する税額145万8600円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額894万3000円に所得税法8
9条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
ウ源泉徴収税額163万3140円
上記金額は,原告P33が第26事件・平成17年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
第11原告P5関係
1第11事件・平成13年分
(1)第11事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額3414万7402円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-41の②欄の順号12)
620万5602円
上記金額は,別表9-41の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額2794万円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成13年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額1800円
上記金額は,原告P5が平成13年中に支払を受けた還付加算金の額
である。
イ所得控除の額の合計額171万7656円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成13年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3242万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額3414万7402円から前記イの所
得控除の額の合計額171万7656円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額96万7900円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額950万8730円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3242万9000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額829万0800円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成13年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第11事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額101万5000円
上記金額は,第11事件・平成13年分更正処分により原告P5が新たに
納付すべきこととなった税額739万円を基礎として,これに同条1項の規
定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額73万9000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額186万5000円
を超える部分に相当する税額552万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額27万6000円との合計額である。
2第11事件・平成14年分
(1)第11事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額3433万5744円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-42の②欄の順号11)
636万6244円
上記金額は,別表9-42の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額2794万円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成14年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額2万9500円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成14年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額178万7332円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成14年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3254万8000円
上記金額は,前記アの総所得金額3433万5744円から前記イの所
得控除の額の合計額178万7332円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額101万1900円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額955万2760円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3254万8000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額829万0800円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成14年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第11事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額106万9500円
上記金額は,第11事件・平成14年分更正処分により原告P5が新たに
納付すべきこととなった税額767万円を基礎として,これに同条1項の規
定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額76万7000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額162万5000円
を超える部分に相当する税額605万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額30万2500円との合計額である。
3第11事件・平成15年分
(1)第11事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額3470万4374円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-43の②欄の順号11)
674万1274円
上記金額は,別表9-43の②欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額2794万円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成15年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(ウ)雑所得の金額2万3100円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成15年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ所得控除の額の合計額158万2785円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成15年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額3312万1000円
上記金額は,前記アの総所得金額3470万4374円から前記イの所
得控除の額の合計額158万2785円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額122万3900円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後
の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額976万4770円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3312万1000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額829万0800円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成15年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第11事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額104万8500円
上記金額は,第11事件・平成15年分更正処分により原告P5が新たに
納付すべきこととなった税額762万円を基礎として,これに同条1項の規
定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額76万2000円と,
同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額188万9000円
を超える部分に相当する税額573万円に100分の5の割合を乗じて算出
した金額28万6500円との合計額である。
4第14事件・平成16年分更正処分の根拠
(1)総所得金額3472万9438円
上記金額は,次のア~ウの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-44の②欄の順号11)
517万0438円
上記金額は,別表9-44の②欄において算出した金額である。
イ給与所得の金額2953万6000円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各給与収入金額の合計額3288万円か
ら所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同条2項の規定に基づ
いて控除した後の金額であり,原告P5が提出した第14事件・平成16
年分更正請求書に記載した給与所得の金額と同額である。
(ア)株式会社P40(以下「P40」という。)からの給与等の収入金
額2040万円
上記金額は,原告P5がP40から平成16年中に支払を受けた給与
等の収入金額であり,原告P5が提出した第14事件・平成16年分確
定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄に記
載された金額と同額である。
(イ)P41株式会社(以下「P41」という。)からの給与等の収入金
額720万円
上記金額は,原告P5がP41から平成16年中に支払を受けた給与
等の収入金額であり,原告P5が第14事件・平成16年分確定申告書
に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄に記載された
金額と同額である。
(ウ)株式会社P42(以下「P42」という。)からの給与等の収入金
額528万円
上記金額は,原告P5がP42から平成16年中に支払を受けた給与
等の収入金額であり,原告P5が第14事件・平成16年分更正請求書
に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄に記載された
金額と同額である。
ウ雑所得の金額2万3000円
上記金額は,原告P5が平成16年中に支払を受けた還付加算金の額で
ある。
(2)所得控除の額の合計額148万6739円
上記金額は,原告P5が第14事件・平成16年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額3324万2000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額3472万9438円から前記(2)の所
得控除の額の合計額148万6739円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額6万8700円
上記金額は,次のアの金額からイ及びウの各金額を差し引いた後の金額で
ある。
ア課税総所得金額に対する税額980万9540円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額3324万2000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
ウ源泉徴収税額949万0800円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)P40からの給与等に係る源泉徴収税額
540万円
上記金額は,原告P5がP40から平成16年中に支払を受けた給与
等に係る源泉徴収税額であり,原告P5が第14事件・平成16年分確
定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄
に記載された金額と同額である。
(イ)P41からの給与等に係る源泉徴収税額
344万6400円
上記金額は,原告P5がP41から平成16年中に支払を受けた給与
等に係る源泉徴収税額であり,原告P5が第14事件・平成16年分確
定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄
に記載された金額と同額である。
(ウ)P42からの給与等に係る源泉徴収税額
64万4400円
上記金額は,原告P5がP42から平成16年中に支払を受けた給与
等に係る源泉徴収税額であり,原告P5が第14事件・平成16年分更
正請求書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄
に記載された金額と同額である。
第12原告P6関係
1第12事件・平成14年分
(1)第12事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額1億2537万1594円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-45の②欄の順号9)
△1754万1909円
上記金額は,別表9-45の②欄において算出した金額である。
(イ)配当所得の金額682万9303円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成14年分確定申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(ウ)給与所得の金額1億3601万7700円
上記金額は,次のa及びbの各給与収入金額の合計額1億4496万
6000円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同条2
項の規定に基づいて控除した後の金額であり,原告P6が第12事件・
平成14年分確定申告書に記載した給与所得の金額と同額である。
a株式会社P43(以下「P43」という。)からの給与等の収入金
額1億2000万円
上記金額は,原告P6がP43から平成14年中に支払を受けた給
与等の収入金額であり,原告P6が第12事件・平成14年分確定申
告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄に記載
された金額と同額である。
bP44corp(以下「P44」という。)からの給与等の収入金額
2496万6000円
上記金額は,原告P6がP44から平成14年中に支払を受けた給
与等の収入金額であり,原告P6が第12事件・平成14年分確定申
告書の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの「収入金額」として記
載した金額と同額である。
(エ)雑所得の金額6万6500円
上記金額は,原告P6が平成14年中に支払を受けた還付加算金の額
である。
イ所得控除の額の合計額254万6980円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成14年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
ウ課税総所得金額1億2282万4000円
上記金額は,前記アの総所得金額1億2537万1594円から前記イ
の所得控除の額の合計額254万6980円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△548万8104円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(オ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額4295万4880円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1億2282万4000円に所
得税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額34万1466円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額682万9303円に所得
税法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額
である。
(ウ)外国税額控除額796万2060円
上記金額は,次のとおり,所得税法95条1項及び所得税法施行令2
22条1項により算出した金額(下記dとeとのいずれか少ない方の金
額)である。
a差引所得税額4261万3414円
上記金額は,前記(ア)の課税総所得金額に対する税額4295万4
880円から前記(イ)の配当控除額34万1466円を控除した後の
金額である。
b所得総額1億2537万1594円
上記金額は,前記アの総所得金額1億2537万1594円である。
c国外所得総額2342万4927円
上記金額は,前記ア(ウ)の給与所得の金額1億3601万7700
円に,前記ア(ウ)a及びbの各金額の合計額1億4496万6000
円のうちに同bの金額2496万6000円(その源泉が国外にある
もの)の占める割合を乗じて算出した金額である。なお,源泉が国外
にある不動産所得は存在しない(別表9-45の②欄の順号8上段)。
d控除限度額796万2060円
上記金額は,上記aの金額4261万3414円に,上記bの金額
1億2537万1594円のうちに上記cの金額2342万4927
円の占める割合を乗じて算出した金額である。
e外国所得税額902万2920円
上記金額は,上記cの金額について納税者が納付することとなる外
国所得税の額であり,原告P6が第12事件・平成14年分確定申告
書に添付した2002W-2andEARNINGSSUMMARYのFed.IncomeTaxWit
hholdBox2ofW-2欄に記載された7万2281.67ドルを原告P
6が邦貨に換算した金額と同額である。
(エ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(オ)源泉徴収税額3988万9458円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成14年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第12事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額85万1000円
上記金額は,第12事件・平成14年分更正処分により原告P6が新たに
納付すべきこととなった税額851万円を基礎として,これに同項の規定に
基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
2第12事件・平成15年分
(1)第12事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額1億2152万9057円
上記金額は,次の(ア)~(オ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-46の②欄の順号9)
△654万4978円
上記金額は,別表9-46の②欄において算出した金額である。
(イ)配当所得の金額327万3588円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告書に記載
した配当所得の金額と同額である
(ウ)給与所得の金額1億2366万3951円
上記金額は,次のa,b及びcの各給与収入金額の合計額1億319
6万2054円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同
条2項の規定に基づいて控除した後の金額であり,原告P6が第12事
件・平成15年分確定申告書に記載した給与所得の金額と同額である。
aP43からの給与等の収入金額1億0400万円
上記金額は,原告P6がP43から平成15年中に支払を受けた給
与等の収入金額であり,原告P6が第12事件・平成15年分確定申
告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄に記載
された金額と同額である。
bP44からの給与等の収入金額1392万2054円
上記金額は,原告P6がP44から平成15年中に支払を受けた給
与等の収入金額であり,原告P6が第12事件・平成15年分確定申
告書の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの「収入金額」として記
載した金額と同額である。
cP45からの給与等の収入金額1404万円
上記金額は,原告P6がP45から平成15年中に支払を受けた給
与等の収入金額であり,原告P6が第12事件・平成15年分確定申
告書の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの「収入金額」として記
載した金額と同額である。
(エ)雑所得の金額14万3300円
上記金額は,原告P6が平成15年中に支払を受けた還付加算金の額
である。
(オ)総合課税の長期譲渡所得の金額99万3196円
上記金額は,措置法31条1項及び所得税法33条3項の規定に基づ
き,次のaの金額からb及びcの各金額を控除し,当該金額を同法22
条2項2号の規定により2分の1にした後の金額である。
a総合課税の長期譲渡所得の金額(土地又は建物(以下「土地等」と
いう。)以外)4664万0015円
上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を控除した後の金額で
ある。
(a)長期譲渡の総収入金額(土地等以外)7470万3154円
上記金額は,航空機貸付け事業に係る航空機を譲渡したことによ
る収入金額である。
(b)取得費及び譲渡費用の額(土地等以外)2806万3139円
上記金額は,航空機貸付け事業に係る航空機の取得費及び譲渡費
用の額である。
b分離課税の長期譲渡所得の金額(土地等)
4415万3622円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告書第三
表の「分離課税の短期・長期譲渡所得に関する事項」の「差引金額」
欄に記載した金額と同額である。
c特別控除額50万円
上記金額は,所得税法33条4項に規定する譲渡所得の特別控除額
である。
イ分離課税の長期譲渡所得の金額0円
上記金額は,措置法31条1項及び所得税法33条3項括弧書きの規定
に基づき算出した後の金額である。
ウ所得控除の額の合計額304万7114円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
エ課税総所得金額1億1848万1000円
上記金額は,前記アの総所得金額1億2152万9057円から前記ウ
の所得控除の額の合計額304万7114円を控除した後の金額である。
オ納付すべき税額△55万3007円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(オ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額4134万7970円
上記金額は,前記エの課税総所得金額1億1848万1000円に所
得税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額16万3680円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額327万3588円に所得
税法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額
である。
(ウ)外国税額控除額755万9657円
上記金額は,次のとおり,所得税法95条1項及び所得税法施行令2
22条1項により算出した金額(下記dとeとのいずれか少ない方の金
額)である。
a差引所得税額4118万4290円
上記金額は,前記(ア)の課税総所得金額に対する税額4134万7
970円から前記(イ)の配当控除額16万3680円を控除した後の
金額である。
b所得総額1億2152万9057円
上記金額は,前記アの総所得金額1億2152万9057円である。
c国外所得総額2620万3731円
上記金額は,前記ア(ウ)の給与所得の金額1億2366万3951
円に,前記ア(ウ)a~cの各金額の合計額1億3196万2054円
のうちに同b及び同cの各金額の合計額2796万2054円(その
源泉が国外にあるもの)の占める割合を乗じて算出した金額である。
なお,源泉が国外にある不動産所得は存在しない(別表9-46の②
欄の順号8上段)。
d控除限度額888万0034円
上記金額は,上記aの金額4118万4290円に,上記bの金額
1億2152万9057円のうちに上記cの金額2620万3731
円の占める割合を乗じて算出した金額である。
e外国所得税額755万9657円
上記金額は,上記cの金額について納税者が納付することとなる外
国所得税の額であり,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告
書に添付した外国税額控除に関する明細書の「左に係る外国所得税額」
(相手国での課税標準に係る外国所得税額を指す。)の「計」欄に記
載した金額と同額である。
(エ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(オ)源泉徴収税額3392万7640円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第12事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項の規定に基づく金額105万円
上記金額は,第12事件・平成15年分更正処分により原告P6が新たに
納付すべきこととなった税額1050万円を基礎として,これに同項の規定
に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額である。
3第20事件・平成16年分通知処分の根拠
(1)総所得金額1億0887万2617円
上記金額は,次のア及びイの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-47の②欄の順号9)
△145万5183円
上記金額は,別表9-47の②欄において算出した金額である。
イ給与所得の金額1億1032万7800円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各給与収入金額の合計額1億1792万
4000円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同条2項
の規定に基づいて控除した後の金額であり,原告P6が第20事件・平成
16年分確定申告書に記載した給与所得の金額と同額である。
(ア)P43からの給与等の収入金額9600万円
上記金額は,原告P6がP43から平成16年中に支払を受けた給与
等の収入金額であり,原告P6が第20事件・平成16年分確定申告書
の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの「収入金額」として記載した
金額と同額である。
(イ)P44からの給与等の収入金額324万7200円
上記金額は,原告P6がP44から平成16年中に支払を受けた給与
等の収入金額であり,原告P6が第20事件・平成16年分確定申告書
の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの「収入金額」として記載した
金額と同額である。
(ウ)P46有限公司(以下「P46」という。)からの給与等の収入金
額1867万6800円
上記金額は,原告P6がP46から平成16年中に支払を受けた給与
等の収入金額であり,原告P6が第20事件・平成16年分確定申告書
の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの「収入金額」として記載した
金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額294万3880円
上記金額は,原告P6が第20事件・平成16年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額1億0592万8000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額1億0887万2617円から前記(2)
の所得控除の額の合計額294万3880円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額85万2200円
上記金額は,次のアの金額からイ~エの各金額を差し引いた後の金額であ
る。
ア課税総所得金額に対する税額3670万3360円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額1億0592万8000円に所得
税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ外国税額控除額599万3139円
上記金額は,次のとおり,所得税法95条1項及び所得税法施行令22
2条1項により算出した金額(下記(エ)と(オ)とのいずれか少ない方の金
額)である。
(ア)差引所得税額3670万3360円
上記金額は,上記アの課税総所得金額に対する税額3670万336
0円である。
(イ)所得総額1億0887万2617円
上記金額は,上記(1)の総所得金額1億0887万2617円である。
(ウ)国外所得総額2051万1742円
上記金額は,前記(1)イの給与所得の金額1億1032万7800円に,
前記(1)イ(ア)~(ウ)の各金額の合計額1億1792万4000円のう
ちに同(イ)及び同(ウ)の各金額の合計額2192万4000円(その源
泉が国外にあるもの)の占める割合を乗じて算出した金額である。なお,
源泉が国外にある不動産所得は存在しない(別表9-47の②欄の順号
8上段)。
(エ)控除限度額691万4960円
上記金額は,上記アの課税総所得金額に対する税額3670万336
0円に,前記(1)の総所得金額1億0887万2617円のうちに上記
(ウ)の国外所得総額2051万1742円の占める割合を乗じて算出し
た金額である。
(オ)外国所得税額599万3139円
上記金額は,上記(ア)の金額について納税者が納付することとなる外
国所得税の額であり,原告P6が第20事件・平成16年分確定申告書
に添付した外国税額控除に関する明細書の「⑤外国所得税額」欄に記
載した金額と同額である。
ウ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
エ源泉徴収税額2960万7930円
上記金額は,原告P6が第20事件・平成16年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
4第27事件・平成17年分通知処分の根拠
(1)総所得金額1億8789万8485円
上記金額は,次のア~ウの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-48の②欄の順号8)
△16万6166円
上記金額は,別表9-48の②欄において算出した金額である。
イ配当所得の金額6388万8321円
上記金額は,原告P6がP46から平成17年中に支払を受けた配当等
の収入金額であり,原告P6が第27事件・平成17年分確定申告書の第
二表の「所得の内訳」欄に同社からの配当の「収入金額」として記載した
金額と同額である。
ウ給与所得の金額1億2417万6330円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各給与収入金額の合計額1億3250万
1400円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同条2項
の規定に基づいて控除した後の金額であり,原告P6が第27事件・平成
17年分修正申告書に記載した給与所得の金額と同額である。
(ア)P43からの給与等の収入金額9600万円
上記金額は,原告P6がP43から平成17年中に支払を受けた給与
等の収入金額であり,原告P6が第27事件・平成17年分確定申告書
の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの「収入金額」として記載した
金額と同額である。
(イ)P44からの給与等の収入金額548万9500円
上記金額は,原告P6がP44から平成17年中に支払を受けた給与
等の収入金額であり,原告P6が第27事件・平成17年分確定申告書
の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの「収入金額」として記載した
金額と同額である。
(ウ)P46からの給与等の収入金額3101万1900円
上記金額は,原告P6がP46から平成17年中に支払を受けた給与
等の収入金額であり,原告P6が第27事件・平成17年分確定申告書
の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの給与の「収入金額」として記
載した金額と同額である。
(2)所得控除の額の合計額238万7914円
上記金額は,原告P6が平成17年分修正申告書に記載した所得控除の額
の合計額と同額である。
(3)課税総所得金額1億8551万円
上記金額は,前記(1)の総所得金額1億8789万8485円から前記(2)
の所得控除の額の合計額238万7914円を控除した後の金額である。
(4)納付すべき税額113万4400円
上記金額は,次のアの金額からイ~エの各金額を差し引いた後の金額(た
だし,通則法199条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後
のもの。)から更にオの金額を差し引いた後の金額である。
ア課税総所得金額に対する税額6614万8700円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額1億8551万円に所得税法89
条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ外国税額控除額3453万4313円
上記金額は,次のとおり,所得税法95条1項及び所得税法施行令22
2条1項により算出した金額(下記(エ)と(オ)とのいずれか少ない方の金
額)である。
(ア)差引所得税額6614万8700円
上記金額は,上記アの課税総所得金額に対する税額6614万870
0円である。
(イ)所得総額1億8789万8485円
上記金額は,上記(1)の総所得金額1億8789万8485円である。
(ウ)国外所得総額9809万6336円
上記金額は,次のa及びbの各金額の合計額である。なお,源泉が国
外にある不動産所得は存在しない(別表9-48の②欄の順号7上段)。
a源泉が国外にある給与所得の金額
3420万8015円
上記金額は,前記(1)ウの給与所得の金額1億2417万6330円
に,前記(1)ウ(ア)~(ウ)の各金額の合計額1億3250万1400円
のうちに同(イ)及び同(ウ)の各金額の合計額3650万1400円
(その源泉が国外にあるもの)の占める割合を乗じて算出した金額で
ある。
b源泉が国外にある配当所得の金額
6388万8321円
上記金額は,前記(1)イの配当所得の金額と同額である。
(エ)控除限度額3453万4313円
上記金額は,上記アの課税総所得金額に対する税額6614万870
0円に,前記(1)の総所得金額1億8789万8485円のうちに上記
(ウ)の国外所得総額9809万6336円の占める割合を乗じて算出し
た金額である。
(オ)外国所得税額3841万0186円
上記金額は,上記(ウ)の金額について納税者が納付することとなる外
国所得税の額であり,原告P6が第27事件・平成17年分確定申告書
に添付した外国税額控除に関する明細書の「⑤外国所得税額」欄に記
載した金額と同額である。
ウ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
エ源泉徴収税額2960万2380円
上記金額は,原告P6が第27事件・平成17年分修正申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
オ予定納税額62万7600円
上記金額は,原告P6が第27事件・平成17年分修正申告書に記載し
た予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。
第13原告P7関係
1第13事件・平成13年分
(1)第13事件・平成13年分更正処分の根拠
ア総所得金額7056万0052円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-49の②欄の順号18)
0円
別表9-49の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)配当所得の金額2260万8000円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成13年分修正申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(ウ)給与所得の金額2110万円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成13年分修正申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(エ)雑所得の金額2685万2052円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成13年分修正申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ株式等に係る譲渡所得等の金額0円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成13年分確定申告書に記載し
た株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
ウ所得控除の額の合計額297万8176円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成13年分修正申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
エ課税総所得金額6758万1000円
上記金額は,前記アの総所得金額7056万0052円から前記ウの所
得控除の額の合計額297万8176円を控除した後の金額である。
オ納付すべき税額1207万6000円
上記金額は,次の(ア)から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額で
ある。
(ア)課税総所得金額に対する税額2251万4970円
上記金額は,前記エの課税総所得金額6758万1000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除の額113万0400円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額2260万8000円に所
得税法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金
額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額905万8500円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成13年分修正申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第13事件・平成13年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額185万0500円
上記金額は,第13事件・平成13年分更正処分により原告P7が新たに
納付すべきこととなった税額1475万円を基礎として,これに同条1項の
規定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額147万5000
円と,同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額681万12
40円を超える部分に相当する税額751万円に100分の5の割合を乗じ
て算出した金額37万5500円との合計額である。
2第13事件・平成14年分
(1)第13事件・平成14年分更正処分の根拠
ア総所得金額1億1590万9012円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額(なお,所得税法69条1項並び
に措置法32条4項及び31条5項の規定による損益通算前の金額であり,
以下「イ分離短期譲渡所得の金額」まで同じ。)の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-50の②欄の順号18)
0円
別表9-50の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)配当所得の金額1161万3750円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成14年分修正申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(ウ)給与所得の金額5919万5639円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成14年分修正申告書に記載
した給与所得の金額と同額である。
(エ)雑所得の金額4509万9623円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成14年分確定申告書に記載
した雑所得の金額と同額である。
イ分離短期譲渡所得の金額△891万3977円
上記金額は,第13事件・平成14年分確定申告書に記載した分離短期
譲渡所得の金額と同額である。
ウ所得控除の額の合計額498万1557円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成14年分修正申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
エ課税総所得金額1億0201万3000円
上記金額は,所得税法69条1項並びに措置法32条4項及び31条5
項の規定により,前記アの総所得金額1億1590万9012円から前記
イの分離短期譲渡所得の金額△891万3977円を控除(損益通算)し
た後の金額1億0699万5035円から,前記ウの所得控除の額の合計
額498万1557円を控除した後の金額である。
オ納付すべき税額1405万8200円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額3525万4810円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1億0201万3000円に所
得税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除の額58万0688円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額1161万3750円に,
所得税法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した
金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額2036万5920円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成14年分修正申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(2)第13事件・平成14年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額192万5000円
上記金額は,第13事件・平成14年分更正処分により原告P7が新たに
納付すべきこととなった税額1816万円を基礎として,これに同条1項の
規定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額181万6000
円と,同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額1611万8
875円を超える部分に相当する税額218万円に100分の5の割合を乗
じて算出した金額10万9000円との合計額である。
3第13事件・平成15年分
(1)第13事件・平成15年分更正処分の根拠
ア総所得金額7245万8582円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-51の②欄の順号18)0円
別表9-51の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金額及び必要
経費がないため,不動産所得は零円となる。
(イ)配当所得の金額935万7500円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成15年分確定申告書に記載
した配当所得の金額と同額である。
(ウ)給与所得の金額6310万1082円
上記金額は,次のa~dの各給与収入金額の合計額6821万166
6円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同条2項の規
定に基づいて控除した後の金額である。
aP47株式会社からの給与等の収入金額
2340万円
上記金額は,原告P7がP47株式会社から平成15年中に支払を
受けた給与等の収入金額であり,原告P7が第13事件・平成15年
分確定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」
欄に記載された金額と同額である。
bP48株式会社からの給与等の収入金額
3600万円
上記金額は,原告P7がP48株式会社から平成15年中に支払を
受けた給与等の収入金額であり,原告P7が第13事件・平成15年
分確定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「支払金額」
欄に記載された金額と同額である。
cP49株式会社からの給与等の収入金額360万円
上記金額は,原告P7がP49株式会社から平成15年中に支払を
受けた給与等の収入金額であり(乙N1),原告P7が第13事件・
平成15年分確定申告書の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの「収
入金額」として記載した金額と同額である。
d株式会社P50からの給与等の収入金額521万1666円
上記金額は,原告P7が株式会社P50から平成15年中に支払を
受けた給与等の収入金額である(乙N2)。
イ株式等に係る譲渡所得等の金額0円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成15年分確定申告書に記載し
た株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
ウ所得控除の額の合計額285万2634円
上記金額は,原告P7が第13事件・平成15年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額である。
エ課税総所得金額6960万5000円
上記金額は,前記アの総所得金額7245万8582円から前記ウの所
得控除の額の合計額285万2634円を控除した後の金額である。
オ納付すべき税額223万6800円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の
金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額2326万3850円
上記金額は,前記エの課税総所得金額6960万5000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除の額46万7875円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額935万7500円に,所
得税法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金
額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額2030万9170円
上記金額は,次のa~eの各金額の合計額である。
aP47株式会社からの給与等に係る源泉徴収税額
438万0870円
上記金額は,原告P7がP47株式会社から平成15年中に支払を
受けた給与等に係る源泉徴収税額であり,原告P7が第13事件・平
成15年分確定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「源
泉徴収税額」欄に記載された金額と同額である。
bP48株式会社からの給与等に係る源泉徴収税額1256万760
0円
上記金額は,原告P7がP48株式会社から平成15年中に支払を
受けた給与等に係る源泉徴収税額であり,原告P7が第13事件・平
成15年分確定申告書に添付した同社の給与所得の源泉徴収票の「源
泉徴収税額」欄に記載された金額と同額である。
cP49株式会社からの給与等に係る源泉徴収税額
49万6800円
上記金額は,原告P7がP49株式会社から平成15年中に支払を
受けた給与等に係る源泉徴収税額であり(乙N1),原告P7が第1
3事件・平成15年分確定申告書の第二表の「所得の内訳」欄に同社
からの給与等に係る「源泉徴収税額」として記載した金額と同額であ
る。
d株式会社P50からの給与等に係る源泉徴収税額
99万2400円
上記金額は,原告P7が株式会社P50から平成15年中に支払を
受けた給与等に係る源泉徴収税額である(乙N2)。
eP47株式会社からの配当に係る源泉徴収税額
187万1500円
上記金額は,原告P7の平成15年分のP47株式会社からの配当
に係る源泉徴収税額であり,原告P7が第13事件・平成15年分確
定申告書の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの配当に係る「源泉
徴収税額」として記載した金額と同額である。
(2)第13事件・平成15年分賦課決定処分の根拠
通則法65条1項及び2項の規定に基づく金額223万4000円
上記金額は,第13事件・平成15年分更正処分により原告P7が新たに
納付すべきこととなった税額1638万円を基礎として,これに同条1項の
規定に基づき100分の10の割合を乗じて算出した金額163万8000
円と,同条2項の規定に基づき期限内申告税額に相当する金額446万66
65円を超える部分に相当する税額1192万円に100分の5の割合を乗
じて算出した金額59万6000円との合計額である。
4第19事件・平成16年分通知処分の根拠
(1)総所得金額5872万円
上記金額は,次のア及びイの各金額の合計額である。
ア不動産所得の金額(別表9-52の②欄の順号19)
0円
上記金額は,別表9-52の②欄のとおり,不動産所得に係る総収入金
額及び必要経費がないため,不動産所得は零円となる。
イ給与所得の金額5872万円
上記金額は,原告P7が第19事件・平成16年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額である。
(2)株式等に係る譲渡所得等の金額0円
上記金額は,原告P7が第19事件・平成16年分確定申告書に記載した
株式等に係る譲渡所得等の金額と同額である。
(3)所得控除の額の合計額127万4666円
上記金額は,原告P7が第19事件・平成16年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額である。
(4)課税総所得金額5744万5000円
上記金額は,前記(1)の総所得金額5872万円から前記(3)の所得控除の
額の合計額127万4666円を控除した後の金額である。
(5)納付すべき税額83万8300円
上記金額は,次のアの金額からイ及びウの各金額を差し引いた後の金額で
ある。
ア課税総所得金額に対する税額1876万4650円
上記金額は,前記(4)の課税総所得金額5744万5000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
イ定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税額
である。
ウ源泉徴収税額1767万6300円
上記金額は,原告P7が第19事件・平成16年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額である。
(別紙10)
争点に関する当事者の主張の要旨
【目次】
(1)争点(1)(第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年
分賦課決定処分の取消しを求める訴えの適法性)について425
(被告の主張の要旨)425
(原告P20の主張の要旨)427
(2)争点(2)ア(本件各LPSの租税法上の法人該当性)について429
(被告の主張の要旨)429
ア本件各LPSの租税法上の法人該当性の判断基準429
イ上記判断基準(被告基準①~③)へのあてはめ430
(ア)本件各LPSが「separatelegalentity」であること430
(イ)被告基準①(構成員の個人財産とは区別された独自の財産を有するこ
と)について434
(ウ)被告基準②(独立した権利義務の帰属主体として存在していること)
について435
(エ)被告基準③(自己の名において訴訟当事者となることができること)
について437
(オ)小括437
ウNYLLC判決及び米国ニューヨーク州LLC法上のLLCとの関係
エその余の原告らの主張について440
(ア)被告主張に係る被告基準①~③に根拠がないなどとする点(後記(原
告らの主張の要旨)ア(ア)a及び(イ))について440
(イ)本件各LPSの租税法上の法人該当性を原告主張の判断基準により形
式的一義的に判断することができるとの点(後記(原告らの主
張の要旨)ア(ア)b)について441
(ウ)被告基準①~③が私法上の損益の帰属すべき主体とされているか否か
を一切考慮していないとの点(後記(原告らの主張の要旨)ア
(ア)c)について442
(エ)被告主張に係る結論となる解釈が社会通念等に反するとの点(後記(原
告らの主張の要旨)ア(ウ))について443
(オ)被告の主張が本件措置法特例を遡及適用したものにほかならないとす
る点について(後記(原告らの主張の要旨)ア(エ))444
(カ)原告ら主張の本件各LPSの租税法上の法人該当性の判断基準(後記
(原告らの主張の要旨)エ)について445
(原告らの主張の要旨)446
ア被告主張の本件各LPSの租税法上の法人該当性の判断基準(被告基準
①~③)について446
(ア)理論的な根拠を欠くこと等446
(イ)被告基準①~③が法人と組合とを区別する基準として機能しないこと
(ウ)被告主張に係る結論となる解釈が社会通念等に反すること449
(エ)被告の主張が本件措置法特例を遡及適用したものにほかならないこと
イ被告主張に係る上記判断基準(被告基準①~③)へのあてはめについて
(ア)本件各LPSが「separatelegalentity」であることについて452
(イ)被告基準①(構成員の個人財産とは区別された独自の財産を有するこ
と)について456
(ウ)被告基準②(独立した権利義務の帰属主体として存在していること)
について458
(エ)被告基準③(自己の名において訴訟当事者となることができること)
について459
ウNYLLC判決及びニューヨーク州LLC法上のLLCとの関係につい
て460
エ原告ら主張に係る本件各LPSの租税法上の法人該当性の判断基準4
(ア)判断基準について460
(イ)上記判断基準へのあてはめ462
(3)争点(2)イ(本件各LPSの租税法上の人格のない社団該当性)について
(被告の主張の要旨)463
ア人格のない社団の要件463
イ上記4要件へのあてはめ463
(ア)要件[1]について463
(イ)要件[2]について464
(ウ)要件[3]について464
(エ)要件[4]について464
ウ結論465
(原告らの主張の要旨)465
ア人格のない社団等の要件について465
イ要件[1]~[4]への当てはめについて465
(ア)要件[1]について465
(イ)要件[2]について466
(ウ)要件[3]について466
(エ)要件[4]について467
ウ結論468
(4)争点(2)ウ(本件各不動産賃貸事業から生じた損益の不動産所得該当性)に
ついて468
(被告の主張の要旨)468
ア原告らに帰属する損益が不動産所得に区分されないこと468
(ア)不動産所得の要件468
(イ)上記要件への当てはめ468
(ウ)本件各LPSから原告らに帰属する損益の特殊性469
(エ)結論470
イ原告らの主張に対する反論470
(原告らの主張の要旨)470
ア原告らに帰属する損益が不動産所得に区分されること470
イ被告の主張に対する反論471
(ア)不動産所得の要件について471
(イ)本件へのあてはめについて471
(5)争点(2)エ(通則法65条4項の「正当な理由」の有無)について472
(被告の主張の要旨)472
ア通則法65条4項の解釈472
イ本件について472
ウ結論473
(原告の主張の要旨)473
ア通則法65条4項の「正当な理由」を基礎付ける事情473
イまとめ474
(1)争点(1)(第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年
分賦課決定処分の取消しを求める訴えの適法性)について
(被告の主張の要旨)
ア更正処分は,課税庁が課税要件事実を全体的に見直し,申告に係る部分
も含めて全体としての税額を総額的に確定する処分であり,通知処分は,
新たに税額を確定する効果はないが,納税者の更正の請求に対し減額更正
を拒否し,直前において確定している申告税額等についてその減額を認め
ないことを確認する効果を有する処分であるから,あくまでも別個独立の
処分である。一個の納税義務について通知処分の後に増額更正処分がされ,
その双方について不服申立手続を経て取消訴訟が提起された場合には,審
判の矛盾・抵触を避けるため,訴訟上は,通知処分が増額更正処分に吸収
されると解されるが,取消訴訟の提起に至る前の段階においては,通知処
分と増額更正処分が併存することは明らかであるから,処分の確定を妨げ
るためには,それぞれ不服申立てを行った上,出訴期間内に取消訴訟を提
起する必要があるというべきである。
そして,通則法115条1項2号は,先行する更正決定等の取消訴訟の
係属中に当該更正決定等に係る課税標準等についてされた他の更正決定等
の取消しを求めようとする場合につき,不服申立前置を要しないとしたも
のであり,ここでいう「更正決定等」に通知処分が含まれないことは文理
上明らかである(通則法58条1項1号イ,90条1項参照)し,通則法
115条1項2号については,通則法104条4項のように更正決定等に
関する規定を通知処分について準用する規定が設けられていないから,第
22事件・平成17年分通知処分に係る取消訴訟の係属中に,第22事件・
平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年分賦課決定処分がされ
た本件において,通則法115条1項2号の適用の余地はないし,同号の
趣旨を根拠として本件で不服申立前置を要しないと解することもできない
というべきである。
イまた,通則法115条1項3号所定の「正当な理由」があるか否かを判
断するに当たっては,当該処分について不服申立てを不要とすることに合
理的な理由が認められるか否かを,それぞれの処分の目的・性質・効果等
の関連において判断する必要があり,各処分が実質的に同一であると認め
られる場合や,一つの処分について不服申立てをした以上,他の処分につ
いて不服申立てをすることが無意味と見られることが明らかである場合な
どが,同号所定の「正当な理由」があるときに当たると解される。
上記アのとおり,通知処分と増額更正は,あくまで別個独立の処分であ
り,処分の理由も異なるのであるから,実体法上当然に一方が他方に吸収
されるものではなく,通則法115条1項2号の文理上,通知処分の後に
増額更正処分が行われた場合において増額更正処分の取消しを求める訴訟
を提起するためには,改めて増額更正処分に対する不服申立てを経る必要
があるものと解される。そうすると,原告P20が当初の訴えにおいて取
消しを求めた第22事件・平成17年分通知処分における争点と,本件変
更後の訴えにおいて取消しを求める第22事件・平成17年分更正処分及
び第22事件・平成17年分賦課決定処分における争点が同じ内容である
としても,二つの処分は,その目的・性質・効果等を異にするものであり,
実質的に同一の処分であるということはできず,本件において,通知処分
について適法な不服申立てを経て取消訴訟が提起されているとしても,そ
の後の増額更正処分についてその取消しを求める訴訟を提起するためには,
改めて増額更正処分に対する不服申立てを経る必要があり,単に争点が同
じ内容であるからといって通則法115条1項3号に規定する「正当な理
由」があるということはできない。
ウしたがって,第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成
17年分賦課決定処分の取消しを求める訴えは,不適法であり,却下され
るべきである。
(原告P20の主張の要旨)
ア通則法第115条1項2号は,「更正決定等の取消しを求める訴えを提
起した者が,その訴訟の係属している間に当該更正決定等に係る国税の課
税標準等又は税額等についてされた他の更正決定等の取消しを求めようと
するとき」には,不服申立手続を経ないで取消訴訟を提起できると規定し
ているが,その趣旨は,同一国税についてされた更正決定等が既に裁判所
において審理されている場合には,他の更正決定等についても裁判所の審
理の対象とすることが,紛争を矛盾なく,しかも,迅速に解決する上に有
益であり,必要でもあるという観点から,同一裁判所で同時に事件を審理
することができるよう措置されたものであると考えられる。
本件は,原告P20が,原告P20の平成17年分所得税の更正の請求
に対してその更正をすべき理由がない旨の通知処分(第22事件・平成1
7年分通知処分)について異議決定を経て,その取消しを求める訴えを提
起し(当該訴えの提起後審査請求を取り下げた。),その後その訴訟の係
属中に同年分の所得税についてされた第22事件・平成17年分更正処分
及び第22事件・平成17年分賦課決定処分を争うために,その訴えを提
起したものであり,平成17年分の所得税という同一の国税に係る訴訟で
ある(しかも,いずれの処分に対する原告の不服の内容も実質的に同一で
ある。)。そうすると,第22事件・平成17年分更正処分及び第22事
件・平成17年分賦課決定処分についても,第22事件・平成17年分通
知処分の取消訴訟と同一の裁判所の審理の対象とすることが,紛争を矛盾
なくかつ迅速に解決する上に有益であり,必要でもあるから,上記の趣旨
が正に妥当する場合である。
したがって,第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成
17年分賦課決定処分の取消しを求める訴えは,不服申立てを経なくても,
通則法115条1項2号の要件を満たして適法である。
イ仮に,第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成17年
分賦課決定処分につき不服申立てを経ないでその取消訴訟を提起すること
が,通則法115条1項2号の要件を満たさないとしても,同項3号にい
う「その決定又は裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき」に該当
するというべきである。
すなわち,通則法115条1項3号にいう「その決定又は裁決を経ない
ことにつき正当な理由があるとき」に該当するためには,司法審査に先立
ち,不服申立手続を経由させることに合理的な理由がない場合,例えば,
一つの処分について不服申立てをした以上他の処分について不服申立てを
しても,もはや行政庁等の対応が変わる余地がなく,紛争の自主的解決を
期待し得ないような場合であることが必要であり,より具体的には,各処
分が処分の理由を共通にし,不服申立てにおいて攻撃する点も専ら共通の
処分理由に対するものであり,かつ,それに対する行政庁等の基本的な判
断が一つの処分に対する不服申立手続において既に示されていて変更の余
地がないような場合であることが必要である。
これを本件についてみると,原告P20は,第22事件・平成17年分
更正処分及び第22事件・平成17年分賦課決定処分と争点が同一である
第22事件・平成17年分通知処分について不服申立手続を経ており,か
かる不服申立手続において示された世田谷税務署長の判断やこの争点に関
して平成13年分から平成16年分までの所得税につき国税不服審判所長
が既に示していた判断は,今後も変更される余地がないと合理的に見込ま
れる状況にあった。
そうすると,第22事件・平成17年分更正処分及び第22事件・平成
17年分賦課決定処分の適否についての司法審査に先立ち,不服申立手続
を経由させることに合理的な理由がないことは明らかであり,その取消し
を求める訴えを提起するに当たり不服申立手続を経ないことについて「正
当な理由」がある。
ウしたがって,原告P20の被告に対する訴えのうち,第22事件・平成
17年分更正処分及び第22事件・平成17年分賦課決定処分の取消しを
求める訴えは,適法である。
(2)争点(2)ア(本件各LPSの租税法上の法人該当性)について
(被告の主張の要旨)
ア本件各LPSの租税法上の法人該当性の判断基準
我が国の租税法上,損益の帰属主体となり得る「法人」(所得税法2条
1項6号の内国「法人」,同項7号の外国「法人」,同法24条1項の「法
人」等と同義である。)については,これを定義付ける規定が存在しない
ことから,我が国の私法上の「法人」と同義として,自然人以外のもので
権利義務の帰属主体となるものをいうと解すべきであるが,どのような団
体に法人格を付与するか,また,法人格を付与することによって法人にど
のような権利能力を認めるかについては,それぞれの国家の価値判断に基
づいて行われるものであり,立法政策の問題に帰するが,それぞれの国に
おける法人制度が異なっていることを前提とした上で,どのような性質を
有する外国の事業体が我が国の私法に照らして法人格を有する団体である
といえるかについては,我が国の私法上の法人に付与されている権利能力
の内容と,当該外国の事業体が有する権利能力の内容とを比較し,当該外
国の事業体が我が国の法人に付与されるのと同じ内容の権利能力を有して
いるか否かにより判断すべきである。
したがって,外国の法令によって設立された事業体が我が国の租税法上
の「法人」に該当するか否かは,具体的には,当該事業体の設立準拠法の
内容のみならず,実際の活動実態,財産や権利義務の帰属状況等を考慮し
た上,個別具体的に,我が国の私法において法人に認められる権利能力と
同等の能力を有するか否か,すなわち,当該事業体が,①その構成員の
個人財産とは区別された独自の財産を有するか否か(以下「被告基準①」
という。),②その名において契約を締結し,その名において権利を取
得し義務を負うなど独立した権利義務の帰属主体となり得るか否か(以下
「被告基準②」という。),③その権利義務のためにその名において訴
訟当事者となり得るか否か(以下「被告基準③」という。)に基づいて判
断すべきである(このように,外国の事業体が我が国の租税法上どの組織
に該当するかという基準については我が国の国内法によるべきであり,そ
の基準に当てはまるかどうかという性質決定は現地の準拠法等に基づいて
判断すべきであるとする,いわゆる「dualprocess」の考え方が学説及び
裁判例において支持されている。)。
イ上記判断基準(被告基準①~③)へのあてはめ
これを本件についてみると,本件各LPSの準拠法,LPS契約の内容,
実際の活動内容,財産や権利義務の帰属状況等によれば,次のとおり認め
られる。
(ア)本件各LPSが「separatelegalentity」であること
a「separatelegalentity」は,権利の主体となり当事者能力を有す
る「独立した法主体」を意味すること
本件各LPSは,州LPS法に準拠して組成されたLPSであると
ころ,州LPS法201条(b)は,同法に基づき組成されたLPSをも
って「separatelegalentity(独立した法的主体)」であると規定し
ている。
一般に,「entity」は「法主体」と訳され,訴訟当事者たる能力を
持つものという意味に用いられるのが通常であり,法分野によってそ
の意味を異にすることがあるとされているのに対し,「legalentity」
は「法的実在;法的主体;法的人格」と訳され,Corporation(法人)
のように,法的に機能し,権利の主体となり,当事者能力を有する自
然人以外の主体であるとされていること(乙66参照),ここでいう
「separate(独立して)」とは,関係者すなわち構成員からの独立(分
離)を意味すると解するのが自然かつ合理的な解釈といえることから
すると,結局,「separatelegalentity」とは,権利の主体となり当
事者能力を有する「独立した法主体」を意味するものと解される(乙
62参照)。
もっとも,本件各LPSが以上のような意味を有する「separatel
egalentity」(州LPS法201条(b))であることのみをもって直
ちに制度が異なる我が国の租税法(私法上)の「法人」に該当すると
言えない可能性があるから,この規定を踏まえた上で,被告基準①~
③をも検討し,同法により組成された本件各LPSにつき,法的主体
として具体的にどのような権利・義務が付与されているのかを判断す
べきである。
b「partnership」の本質が集合体理論により説明されるとはいえない
こと
(a)1994年改訂統一GPS法201条(a)は,GPS(ジェネラ
ル・パートナーシップ)について事業体理論が支配的となっている
ことを背景として(乙82参照),パートナーシップがそのパート
ナーとは別個の「entity」であることを明記しており,過去の歴史
的な経緯においてはともかく,少なくとも1994年改訂統一GP
S法の影響を受けていることが認められる現代のGPSにおいては,
一般的に,その本質が集合体理論により説明されるとは解されない。
また,原告らが指摘する文献のうち,①甲62及び63の引用
部分は,1994年改訂統一GPS法作成前の1914年統一GP
S法に係る部分であり,②甲64の引用部分は,多くの税法やビ
ジネスに関する規定において「unincorporatedbusinessorganiza
tion」が構成員の集合体であるとの考え方を採っているというにす
ぎず(甲64),かえって上記引用部分以外では,現在の非コーポ
レーション事業組織(unincorporatedbusinessorganization)の
本質が集合体理論により説明されるのではなく,その基本的特徴は,
構成員とは別個の独立した「entity」であると説明されることを指
摘していること(乙83)から,いずれも原告らの主張の根拠とな
るものではない。
(b)むしろ,LPSについては,1916年統一LPS法において,
既に,リミテッド・パートナーにコーポレーションにおける株主に
地位に類似する有限責任の地位が,LPSに財産の所有権,パート
ナーの変更に影響されない継続性及び訴訟手続等の点でパートナー
とは別個の存在としての性格が与えられ,さらに,1976年改訂
統一LPS法では,有限責任を始めとする上記の性格がより大きく
され,2001年改訂統一LPS法に至り,LPSがパートナーと
は別個の存在であり,その存在に永続性が認められる旨の明文規定
(104条(a)及び(c))が置かれた(乙87)。
そして,LPSは,上記のような存在であるため,GPSとは異
なり,当事者間の合意のみにより成立するものではなく,制定法に
基づきその要求事項を満たした場合にのみ設立が認められるのであ
り(乙86参照),州LPS法においても,存在の永続性について
の規定(801条)やリミテッド・パートナーの有限責任の規定(3
03条(a))が設けられたほか,特に,LPSが州LPS法の要件を
満たした場合に「separatelegalentity」(独立した法主体)とな
ると明確に規定されている(201条(b))といえる。
cアレン教授意見書(甲90)指摘の「separatelegalentity」の意
義について
アレン教授意見書が指摘するGPSの「survivability(存続性)」
に関しては,1994年改訂統一GPS法解説書(乙82)において
も,1994年改訂統一GPS法201条(a)にパートナーシップのエ
ンティティ性について明文の規定が置かれたことの意義として例示さ
れている一方,例えば,GPSが訴訟当事者能力を有する旨の199
4年改訂統一GPS法307条(a)の規定は,GPSのエンティティ性
に係る1994年改訂統一GPS法201条(a)の規定を具体化した
ものであると説明されているから,同条の規定は,多くの条項がエン
ティティ・モデルに基づいている事実を反映して加えられたものであ
り,GPSの組成に関する法律においてエンティティ理論が優勢とな
っている事実を明示するものにほかならないから,アレン教授意見書
指摘の上記の点は,「separatelegalentity」の規定が法人格を付与
する規定ではないとの結論に結び付くものではない。
むしろ,①アレン教授意見書が指摘するパートナーシップの「su
rvivability(存続可能性)」についてエンティティ理論を採用した沿
革の点や州LPS法201条(b)に「separatelegalentity」の規定
が置かれたのはパートナーシップに関する制定法の進化と「事業体(e
ntity)」という概念の使用によるものであるとする点は,被告の主張
に沿うものであり,②結局アレン教授意見書は,州LPS法上のL
PSの本質が契約関係であると指摘するものにすぎず,パートナーシ
ップが集合体理論(甲61参照)と事業体理論(乙101参照)のど
ちらの理論によって説明されるのかという問題と,パートナーシップ
の本質が契約関係か否かという問題は,そもそも別個の問題であるか
ら,州LPS法に基づくLPSの本質が集合体理論により説明される
ことの根拠にはならないというべきである。
(イ)被告基準①(構成員の個人財産とは区別された独自の財産を有するこ
と)について
a本件各LPSは,①構成員である各パートナーとは別個の独立し
た法的主体(separatelegalentity)であり(州LPS法201条(b)),
②その事業,目的のために必要ないかなる権利をも保有しそれを行
使することができ,本件各不動産を購入するなど自らの名義で資産を
取得・保有することができる(州LPS法106条(b),本件各LPS
契約1.3条,2.7条)。また,③本件各LPS契約4.5条は,
各パートナーは,本件各LPSの資産に,その出資割合に相当する分
配されない持分を有すると規定するものの,ここでいう持分とは,パ
ートナーシップの資産全体(Partnership'sproperty)に対する持分
を意味し,パートナーシップの有する個別(特定)の資産(州LPS
法701条が規定する「specificlimitedpartnershipproperty」。
例えば,本件各建物)に対する直接の持分を意味するものではなく,
また,各パートナーは,本件各LPSの資産に関する分割の訴訟を行
うために有する権利を放棄する旨規定されていることから,各パート
ナーは,本件各LPSの資産に対して何らの持分も実質的には有して
いないものといえる(州LPS法701条,本件各LPS契約4.5
条,10.15条)。さらに,④本件各LPSが所有する資産は,
本件各LPSの名義で登録することができるところ,本件各建物の譲
渡については,いずれも本件各LPSの名義で米国の登録所に登録さ
れている(本件各LPS契約2.7条)。
以上のことからすれば,本件各LPSは,独立した法的主体として,
構成員である各パートナーの個人財産とは明確に区別された独自の財
産を有しているといえる。
b州LPS法201条(b)及び701条と本件各LPS契約4.5条の
関係について
なお,本件各LPS契約4.5条をもって,(州LPS法201条(b)
及び701条が修正され,)本件各LPSが独自の財産を有しないと
いえないことは,次のとおりである。
すなわち,モリス回答書(乙79)によれば,州LPS法(201
条(b)及び701条)は,①州GPS法201条(a)及び203条と
異なり,パートナーシップ証明書及びパートナーシップ契約に別途定
めることにより当該条項の適用を回避できるとは特に規定しておらず,
②パートナーシップ財産の所有権に関して集合体理論の適用を選択
するパートナーの意向を第三者が知り得るための公示等の対処を行っ
ていない上,③強制的ではない規定を意味する「may」又はこれに類
似する単語が使用されず,むしろ州LPS法201条(b)においては,
一般に法的拘束力の程度が高く強制的な規定に用いられる「shall」と
いう単語が使用されていることからすると,パートナーシップ契約に
よる修正を認めない強制的な規定であると解されること等を根拠とし
て,単に「不可分の持分(theundividedinterest)条項」をLPS
契約の中に入れるだけで,州LPS法の規定を変更し,各パートナー
が特定のパートナーシップ財産に持分を持つとすることはできないと
されている。むしろ,モリス回答書の記載内容を素直に理解すれば,
本件各LPS契約4.5条における「不可分の持分条項」は,州LP
S法201条(b)及び701条を排除・変更するものではなく,極めて
限定された状況においてこれらの各規定と抵触しない範囲でその適用
が認められる内容のものと解するのが相当である。
したがって,本件各LPS契約4.5条の存在をもって本件各LP
Sが独自の財産を有しないとはいえない。
(ウ)被告基準②(独立した権利義務の帰属主体として存在していること)
について
a本件各LPSは,①構成員である各パートナーとは別個の独立し
た法的主体(separatelegalentity)として,本件各不動産賃貸事業
の遂行のために必要な契約の締結や権利行使等あらゆる行為を行うこ
とができ(州LPS法106条(a),(b),201条(b),本件各LPS
契約1.3条),②自ら独立して負債,債務及び責任を負担するが,
その個別の債務等について,本件各受託銀行のようなリミテッド・パ
ートナーが債務の弁済等の個人的な義務及び責任を負うことはない
(州LPS法303条(a),本件各LPS契約1.5条)。他方,③
本件各GPは,本件各LPSを代理して,本件各LPSの名義におい
て本件各不動産賃貸事業の遂行に必要なあらゆる行為を行うことがで
き,本件各LPSは,買主として本件各売買契約を締結して本件各建
物の所有権を取得し,本件各土地賃貸借契約を締結して本件各土地を
賃借し,本件各不動産賃貸事業のために多額の資金を借り入れ,本件
各管理契約を締結して本件各不動産の管理を委託するなど,自ら契約
当事者として契約を締結し,権利を取得するとともに義務を負ってい
る(本件各LPS契約2.1条)。
以上のことからすれば,本件各LPSは,独立した権利義務の帰属
主体として存在し,活動を行っているといえる。
b本件各LPSに生じた損益の帰属先について
なお,州LPS法503条並びに本件各LPS契約4.7条及び4.
8条によっても,本件各LPSに生じたグロスの損益(収益の総額と
損失の総額)がその構成員である本件各受託銀行を介して原告らに直
接帰属しないことは,次のとおりである。
①州LPS法503条は,各パートナーへの損益の直接の帰属を
定めるものではなく,②本件各LPS契約の4.7条(又は4.8
条)は,本件各LPS契約4.1条所定の会計年度(FiscalYear),
利益(Profits)(又は損失(Losses))の定義に鑑みると,本件各L
PSの連邦所得税の課税年度の課税対象利益(又は損失)に相当する
額は,パートナーのそれぞれの出資割合に応じてパートナーに割り当
てられるというもの(乙14)と解すべきであるから,本件各LPS
のパートナーがそれぞれの出資割合に応じて割り当てられるのは,本
件各LPSの連邦所得税の課税年度の課税対象利益(又は損失)に相
当する額,すなわち収入及び支出について差引計算した後の純額であ
り,原告ら主張のようにグロスの損益(収益の総額と損失の総額)が
直接に各パートナーに帰属するものではない。
また,本件各LPSが権利義務の帰属主体となり得る事業体として
自ら本件各不動産賃貸事業を営んでいる以上,当該事業から生じた
個々の権利義務,すなわち不動産賃貸収入や当該事業に係る費用が本
件各LPS自身に帰属することになることは明らかであり,仮に,本
件各LPSの構成員であるパートナーに何らかの損益が帰属するとし
ても,その損益とは,本件各不動産賃貸事業から生ずる個々の不動産
賃貸収入や当該事業に係る費用そのものではなく,本件各LPSにお
いてそれらを集計した後に割り当てられたものにすぎない。
(エ)被告基準③(自己の名において訴訟当事者となることができること)
について
本件各LPSは,その名義において,訴訟を提起し,訴訟を提起され
るなどの自ら法的手続を行う権限・能力を有している(州LPS法10
5条(a),本件各LPS契約1.3条)から,自己の名において訴訟当事
者となることができるといえる。
(オ)小括
したがって,本件各LPSは,被告基準①~③を満たしていることか
ら,我が国の租税法上の「法人」に該当する。
ウNYLLC判決及び米国ニューヨーク州LLC法上のLLCとの関係
(ア)なお,米国ニューヨーク州LLC法に基づき設立された事業体である
LLC(リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)が我が国の租税法
上の「法人」に該当するか否かなどが争われた事案において,NYLL
C判決(乙52,61)は,被告基準①~③と同様の要素を判断基準と
して,当該LLCが米国ニューヨーク州LLC法上法人格を有する団体
であり,我が国の私法上(租税法上)の「法人」に該当すると解するの
が相当である旨判示していることからも,被告の上記ア・イの主張が正
当であることが裏付けられている。
(イ)そして,NYLLC判決がニューヨーク州LLC法に準拠して設立さ
れたLLCが我が国の私法上(租税法上)の法人に該当すると解した根
拠として,<A>LLC自身の名義で訴訟手続を行うことができる旨規
定したニューヨーク州LLC法202条(a),<B>法律及び基本定款の
定めに従うことを条件として,LLCに広範な権限を認めた同法202
条(b)~(e),<C>同法に準拠して設立された事業体は独立した法的主
体(separatelegalentity)になる旨規定した同法203条(d)及び<
D>当該LLCにおける構成員持分は動産であり,構成員は当該LLC
の個別財産には一切権利を持たない旨規定した同法601条を根拠とし
て掲げていることからも,これらと同趣旨の規定(<A>105条(a),<
B>106条(a),(b),<C>201条(b)及び<D>701条)を有する州
LPS法に準拠して設立された本件各LPSは,我が国の租税法上の法
人に該当するというべきである。
(ウ)さらに,ニューヨーク州LLC法には,次のとおり,州LPS法と類
似の規定があることからも,州LPS法を準拠法とする本件各LPSが
我が国の租税法上の法人に該当することが裏付けられる。
a州LPS法は,LPSの組成のためにはLPS証明書(リミテッド・
パートナーシップ証明書)を州務長官登録局に登録する必要があり(2
01条(a)及び(b)),LPS証明書の上記登録が公示の機能を有する
(208条)旨を規定しているところ,ニューヨーク州LLC法も,
LLCの設立に当たっては,オペレーティング契約の締結だけではな
く,適切に署名された基本定款(articles)の作成及び州務省への提
出が必要とされ,その内容を新聞に公告することを求めており(20
3条(a),(d),206条及び209条),公示という制度面で,州L
PS法は,ニューヨーク州LLC法と類似する。
b州LPS法は,LPSの解散時期及び解散事由を基本的にパートナ
ーシップ契約すなわちパートナーの合意に委ねているところ(801
条),ニューヨーク州LLC法は,LLCの解散時期及び解散事由を
基本的に基本定款又はオペレーティング契約に委ねる旨規定している
(701条)。
c州LPS法は,パートナーシップの損益の割当て及び現金その他の
資産の分配に関しては,パートナーシップ契約の規定に従って割当て
が行われるが,パートナーシップ契約に規定がない場合には,出資の
合意価額に基づいて分配される旨を規定しているところ(503条及
び504条),ニューヨーク州LLC法も同様の規定を置いている(5
03条及び504条)。
d州LPS法は,パートナーシップ持分について,パートナーシップ
契約に別段の定めがある場合を除き,その全部又は一部を譲渡するこ
とができると規定しているところ(702条(a)(1)),ニューヨーク
州LLC法も同様の規定を置いている(603条(a)(1))。
e州LPS法は,LPSの個別の債務について構成員であるリミテッ
ド・パートナーは個人として弁済する義務を負わない旨を規定してい
るところ(303条(a)),ニューヨーク州LLC法も,LLCの構成
員が当該LLCの債務について個人的に責任を負わない旨を規定して
いる(609条(a))。
エその余の原告らの主張について
(ア)被告主張に係る被告基準①~③に根拠がないなどとする点(後記(原
告らの主張の要旨)ア(ア)a及び(イ))について
我が国においては,民法33条1項が法人法定主義を採り,各事業体
を法人とする旨の法律の規定を置くことによって法人格を付与して権利
能力を認める制度を選択しているが,我が国と法制度や法人制度の異な
る外国においては,我が国の法人法定主義とは異なる手段・方法で権利
能力を認めることもあり得るし,法令用語の概念も異なり得ることを前
提とすれば,当該外国の事業体に外国の法人制度に基づいて与えられる
法人格(権利能力)の内容が我が国の法人に与えられているそれと異な
る可能性があるから,外国の事業体が我が国の私法上の法人に該当する
か否かを判断するに当たっては,我が国の法人制度において法人に与え
られる法人格(権利能力)と同等の内容か否かを確認する必要があると
いうべきである。
また,民法33条1項は,法人法定主義を宣言するにとどまり,外国
において当該外国の法令に基づいて成立した事業体が我が国の私法上又
は租税法上の法人として取り扱われるか否かの問題を規律する規定では
ないから,我が国の租税法上の法人は,我が国の国内法(私法)一般に
いう「法人」,すなわち自然人以外のもので,権利義務の主体となるこ
とができるもののことであり,民法その他の我が国の国内法に基づく手
続を経た「法人」,すなわち同項の「法人」のことではない。
そして,私法の一般法である我が国の民法の解釈において,「法人」
とは「自然人以外のもので,権利義務の主体となることのできるもの」
をいい,被告基準①~③を満たすものとされていることは,明らかであ
り,被告基準①~③が法人であれば最小限度備えている属性とされてい
ること(甲29)等に照らすと,原告らの反論は当たらない。
(イ)本件各LPSの租税法上の法人該当性を原告主張の判断基準により形
式的一義的に判断することができるとの点(後記(原告らの主張の要旨)
ア(ア)b)について
原告らが我が国の法人と同等のものと理解されるという「corporatio
n」(コーポレーション)に加えて,「bodycorporate」と「juristic
person」の二つを特に列挙する根拠が不明である(特に,日米租税条約
3条1項fの「法人格を有する団体」について英語の正本で「bodycor
porate」と訳されているとしても,同項fは,日米租税条約上の法人を
「法人格を有する団体」だけではなく「租税に関し法人格を有する団体
として取り扱われる団体」をも含めて規定していることからすると,外
国の事業体が「bodycorporate」でないことから,直ちに我が国の租税
法上の「法人」に該当しないとはいえない。)。
また,上記以外にどのような用語が「これらと同等の概念」に該当す
るかは,米国における法人制度において法人格を付与する規定の仕方に
(使用される用語も含め)様々な方法があり得ることを前提とすれば,
対象となる事業体の性質を規定する用語の実質的な内容・概念を確認し
た上で判断するほかないから,これを「専ら形式的な基準」により判断
することはできない。
そして,学説上,米国の法人税においてはコーポレーション(corpor
ation)の範囲が不明確であるし,過去においては,課税上,法人との区
別を行うためにキントナー規則と呼ばれる6つの基準に基づき個々の事
業体ごとに判断するという取扱いが行われていたが,その認定が極めて
煩雑かつ複雑であったため,現在は企業の申告における選択にゆだねる
チェック・ザ・ボックス制度が採用されるに至っていると指摘されてい
ること(甲31)によれば,米国内においてさえ,租税法上,コーポレ
ーション(corporation)の概念に該当するか否かを「専ら形式的な基準」
により判断することは困難であることが分かる。
したがって,外国の事業体が我が国の法人に該当するか否かを判断す
るに当たっては,外国と我が国との間で法人制度や法令用語の概念等が
異なることを前提とせざるを得ないのであり,その前提に立てば,外国
におけるある特定の概念に該当するか否かという形式的な基準による判
断で合理的な結論を導き出すことはおよそ不可能である。
なお,被告主張の判断基準によっても,まず当該事業体がその設立準
拠法等により我が国の私法上の法人と同等の権利能力を与えられている
か否かによって法人該当性を判断し,これに該当しないことを前提とし
て,次に外国の人格のない社団等の該当性を判断することになるから,
外国の法人と人格のない社団等とは,内国の事業体と同様に,明確に区
分けすることができる。
(ウ)被告基準①~③が私法上の損益の帰属すべき主体とされているか否か
を一切考慮していないとの点(後記(原告らの主張の要旨)ア(ア)c)に
ついて
本件各LPSは,その設立準拠法において権利義務の帰属主体となり
得る事業体として自ら本件各不動産賃貸事業を営んでいる以上,当該事
業から生じた個々の権利義務,すなわち不動産賃貸収入や当該事業に係
る費用が本件各LPS自身に帰属することになるのは明らかであるから
(仮に本件各LPSの構成員であるパートナーに何らかの損益が帰属す
るとしても,その損益とは,本件各不動産賃貸事業から生じる個々の不
動産賃貸収入や当該事業に係る費用そのものではなく,本件各LPSに
おいてそれらを集計した後に割り当てられたものにすぎない。),原告
らの主張はその前提を欠くし,以上のような被告の主張は,「法人は,
法律により,損益の帰属すべき主体として設立が認められるものであり,
その事業として行われた活動に係る損益は,特殊な事情がない限り,法
律上その法人に帰属するものと認めるべきもの」であるとの見解と基本
的に一致しているといえる。
(エ)被告主張に係る結論となる解釈が社会通念等に反するとの点(後記(原
告らの主張の要旨)ア(ウ))について
a米国のLPSが我が国の租税法上の「法人」に含まれない旨の社会
通念が形成されていたとの点
①平成12年4月小委員会討議用資料は,政府税制調査会法人課
税小委員会の討議用資料として,日米それぞれにおける様々な事業体
に関する法制度の違いなどを一般的に説明するため,問題点等をでき
るだけ簡素化・単純化して表現したものにすぎず,その記載から,米
国のLPSはすべからくその準拠法上法人格を付与されていないこと
を公に表明したものとはいえない(なお,「パートナーシップと
は,・・・非法人の事業組織体(unincorporatedorganization)であ
る」との記載も,単に英語の原文に日本語訳を併記したものにすぎな
い。)。②平成12年7月政府税調中期答申は,米国のLPSが我
が国の租税法上の法人に含まれないことを明言するものではないし,
外国の多様な事業体について法人課税上どのように取り扱うべきかと
いう問題点の検討の必要性を指摘したものというべきであって立法論
上の提言とまではいえない。そうすると,平成12年4月小委員会討
議用資料や平成12年7月政府税調中期答申の記載を根拠として,米
国のLPS(リミテッド・パートナーシップ)に準拠法上法人格が付
与されておらず,これが我が国の租税法上の法人に含まれないことを
公に表明したということはできない。
また,国会における審議や立法資料からも明らかなとおり,本件措
置法特例(措置法41条の4の2の規定による損益通算等の特例)は,
あくまでも,任意組合(民法上の組合)を利用して航空機リース事業
を行うような租税回避行為に対応することを目的とするものであって,
多様な外国の事業体の課税の在り方を解決するために立法されたもの
ではなく,原告らが主張するような問題意識を前提として立法された
ものではない(本件措置法特例に関する解説書(甲16)においても,
米国のLPS(リミテッド・パートナーシップ)であっても,個々の
実態等により法人と取り扱われることを明らかにされている)。
したがって,本件各LPSが個別具体的に我が国の法人に該当しな
い旨の社会通念が形成されているとはいえず,被告の上記主張が社会
通念に反するということはできない。
bその他の点について
その他上記a以外の事情から被告主張に係る結論となる解釈が社会
通念等に反するという点についても,①州LPS法201条(a)及び
(b)によれば,デラウェア州においてLPSを設立するためには,LP
S契約の締結に加えて,州LPS法に基づき州務長官登録局にLPS
証明書を提出して登録することが要件とされていることは明らかであ
り(州LPS法解説書,乙86参照),LPS証明書の登録をもって
LPSの設立が認められるものと解されることのほか,②前記イで
述べた本件各LPSの準拠法,LPS契約の内容,実際の活動内容,
財産や権利義務の帰属状況等に鑑みれば,原告らの主張はいずれも失
当である。
(オ)被告の主張が本件措置法特例を遡及適用したものにほかならないとす
る点について(後記(原告らの主張の要旨)ア(エ))
①本件各LPSによる本件各不動産賃貸事業を中心とするスキーム
は,本件各建物の賃貸により利益を得ることを目的とするものではなく,
本件各建物の売却代金が購入価額よりはるかに高額とならない限り,減
価償却費等の必要経費算入による租税負担の軽減のみを目的とするもの
であること,②本件措置法特例が,あくまで任意組合を利用して航空
機リース事業を行うような租税回避行為に対応することを目的とするも
のであり(甲16,乙92~96参照),少なくとも多様な外国の事業
体の課税の在り方を解決するために立法されたものであること等に照ら
し,原告らの上記主張は,その前提において失当である。
(カ)原告ら主張の本件各LPSの租税法上の法人該当性の判断基準(後記
(原告らの主張の要旨)エ)について
本件においては,本件各LPS自体の法人税の課税関係が問題となる
わけでない上,所得税法24条が内国法人であるか外国法人であるかを
区別せずに我が国の租税法上損益の帰属主体としての「法人」から受け
るものであることを前提にしていること等に照らして,外国の事業体を
通じて得られた所得の帰属の判断枠組みとして「外国法人」(法人税法
2条4号)該当性を基準とする必要はないし,民法36条1項は,外国
の事業体が我が国において法人として活動することを認める際の要件に
ついての規定であり,本件各LPSのように我が国において活動してい
ない外国の事業体には適用される余地がないこと等に照らすと,民法3
6条1項を根拠に我が国の外国法人の意義又は判断基準を導くことはで
きない。
また,前記(ウ)で述べたことのほか,①原告ら主張のコーポレーショ
ン等が民法36条1項の「外国法人」であって商事会社に該当するか否
かという判断基準の関係は判然とせず,整合性に疑問があること,②外
国の根拠法で法人格が与えられていることと社団・商事会社であること
とは別の問題であること,③民法33条及び36条から,我が国の法
人が社団的な合同行為によって設立される必要があることを読み取れな
いこと等に照らし,原告ら主張の判断基準によることはできない。
(原告らの主張の要旨)
ア被告主張の本件各LPSの租税法上の法人該当性の判断基準(被告基準
①~③)について
(ア)理論的な根拠を欠くこと等
外国の法令によって設立された事業体が我が国の租税法上の「法人」
に該当するか否かの判断基準について,被告主張に係る被告基準①~③
は,次の諸点に鑑みると,我が国の租税法の解釈として失当である。
a被告がその根拠として示した文献等は,いずれも法人とされたこと
から生ずる効果について論じたものであり,法人該当性の判断基準を
論じたものではない。
また,ある事業体が「法人」であること(つまり法人格を付与され
ていること)と,ある事業体が「法人」とされたことから生ずる「効
果」のうちの特定のものと同じ効果を法律により認められていること
とは同義ではない。このことは,例えば,「訴え,又は訴えられるこ
と」に明示的に言及する規定がどこにもないにもかかわらず,農業協
同組合や農業協同組合連合会,すなわち「法人」とされた事業体が訴
え,又は訴えられることができるのは,その事業体が「法人」とされ,
新たに権利義務の帰属主体とされたことから当然に生ずる「効果」で
ある。これに対して,「法人」ではない事業体が,民事訴訟法29条
により,訴え,又は訴えられる資格が認められ,いわば法人「化」さ
れたからといって,当該事業体が我が国の私法上の「法人」とされた
わけではないことからも明らかである。
したがって,被告主張に係る被告基準①~③を満たせば法人と認め
られることの説得的な根拠が他に示されていないことからも,被告主
張に係る被告基準に何らの根拠もなく合理性がないことは明らかであ
る。
b我が国の租税法上,外国の事業体が,<a>外国法人,<b>外国の人
格のない社団等及び<c>外国の組合(複数の個人である構成員の集合
体)のとおりに区分けされることは,内国の事業体が<A>内国の法人,
<B>内国の人格のない社団等及び<C>内国の組合(複数の個人である
構成員の集合体)と区分けされることと同様であるから,その区分け
のあり方も,外国の事業体の場合と内国の事業体の場合とで原則とし
て同様であるべきである。
そして,内国の事業体が<A>の内国の法人に該当するか否かについ
ては法人法定主義(民法33条)により形式的一義的に決定され,事
業体の性質に関する実質的な内容は判断されない一方,<B>の内国の
「人格のない社団等」は「<A>に該当せずかつ権利能力なき社団の4
要件に当てはまるもの」,<C>の内国の組合は「<A>に該当せず権利
能力なき社団の4要件も充足しないもの」として,事業体の実質に着
目した判断がされる。ある事業体が<A>,<B>及び<C>の要件を同時
に満たすことは論理的には生じず,また,<A>と<B>又は<C>は形式
的一義的に区分される。
そうだとすれば,外国の事業体についても,内国法人の場合の法人
法定主義と同様に,専ら形式的な基準により<a>外国法人該当性を判
断すべきであり,その形式的な基準による判断から漏れた外国の事業
体のうち権利能力なき社団の4要件という実質的な基準の充足という
実質的判断をクリアできた事業体のみを<b>外国の「人格のない社団
等」に該当するものとして外国法人とみなして扱うことを予定してい
ると解すべきである。
これに対し,被告主張のように,外国の事業体についてだけ,その
準拠法上の法人格の有無という形式的な基準(つまり内国の事業体と
同様の基準)ではなく,被告基準①~③の基準を用いて個別具体的な
実質判断を行うとすると,内国の事業体の場合の判断と著しく相違す
るのみならず,実質的にも,本来<b>外国の人格のない社団等や<c>
の外国の組合に該当すべき外国の事業体までも不可避的に<a>外国法
人に区分けしてしまう誤りを内包し,現に,<b>外国の人格のない社
団等は,権利能力なき社団の4要件を満たすと同時に被告基準①~③
も満たすことになり,すべて「法人」となってしまうので,租税法の
明文で外国の事業体が<a>外国法人及び<b>外国の「人格のない社団
等」に区分けされていること等にも反するから(この点で,被告の上
記主張は,これによると,内国の事業体についても,我が国の制定法
上「法人」とされているもの以外の事業体が租税法上は「法人」たり
得ることを認める結論になるから,我が国の私法が採用する内国法人
についての法人法定主義と完全に矛盾し,我が国の租税法上の「法人」
を我が国の私法上の「法人」と同義とする見解(借用概念論のうちの
統一説)と相いれないものであり,論理が破たんしているといわざる
を得ない。),失当である。
c法人とは,法律により損益の帰属すべき主体として設立が認められ
るものであるが,被告主張に係る被告基準①~③は,私法上損益の帰
属すべき主体とされているか否かを一切考慮することなく,法人該当
性の判断がされるべきとしている点でも,不当である。
(イ)被告基準①~③が法人と組合とを区別する基準として機能しないこと
被告主張に係る被告基準①~③は,次のとおり,我が国の租税法上の
組合とされる事業体にも当てはまるものであって,法人と組合とを区別
する基準として機能しない。
a被告基準①については,構成員の個人財産から区別され,個人に対
する債権者の責任財産ではなくなって,法人自体の債権者に対する排
他的責任財産を作る法技術は,我が国では,例えば任意組合等の法人
以外についても認められているから,我が国の私法上の「法人」の判
断基準とするのは不合理であり,外国の事業体についての「法人」の
判断基準とする合理性もない。
b被告基準②については,自己の名前で取引をしていたとしても私法
上「法人」とはされていない外国の事業体が存在することは,平成1
2年7月政府税調中期答申(甲25)においても認識されており,自
己の名前で取引することは必ずしも法人格を付与されていることを意
味しないから,これをもって私法上の「法人」の判断基準とするのは
誤りである。
c被告基準③についても,我が国では,民事訴訟法29条の解釈論と
して,代表者の定めがあれば組合の場合にも訴訟当事者となることが
認められるのであるから,この判断基準は私法上の「法人」に特有な
ものではないことは明らかであり,外国の事業体についての「法人」
の判断基準とする合理性もない。
d外国の法令によって設立された事業体が我が国の租税法上の「法人」
に該当するか否かについて,当該事業体の設立準拠法や設立契約の内
容,実際の活動実態,財産や権利義務の帰属状況等を考慮して,個別
具体的に判断すべきとの点も,当該事業体が設立準拠法上有する権利
能力の内容が,設立契約の内容,実際の活動実態,財産や権利義務の
帰属状況等といった一義的に確定できない要素により,事後的に左右
されることを許容する解釈は,我が国の「法人」の理解とは余りにも
かけ離れており,我が国の私法及び租税法の解釈として失当である。
(ウ)被告主張に係る結論となる解釈が社会通念等に反すること
次の点に照らし,納税者にとっての予測可能性・法的安定性を確保す
るため,「法人」の意義の解釈適用は社会通念又は「その語の通常持つ
意味」に沿って行われるべきであるという観点からも,本件各LPSが
我が国の租税法上の「法人」に該当するとの解釈は認められるべきでは
ない。
a米国のLPSが我が国の租税法上の法人に含まれないとの見解は,
平成12年7月政府税調中期答申及び平成12年4月小委員会討議用
資料中において政府税制調査会及び大蔵省(現財務省)主税局として
のものが公に表明されており,税務当局関係者の論稿(甲27,75)
等に照らしても,本件各LPSの組成当時の日本における租税実務で
は,デラウェア州のLPSが我が国の租税法上の法人と同等の事業体
ではないとの理解が広く共有されていた(その点で,本件措置法特例
は,上記見解等に表れた問題意識,すなわち,LPSは我が国の租税
法上の法人には当たらず,LPSを通じた不動産投資により不動産所
得を得て損益通算することが可能であることを前提として,創設的に
立法されたといえる。)。
また,我が国の商法学者も,州LPS法上のLPSに法人格はない
との見解を示しており(甲7,14),原告らに係る国税不服審判所
の裁決も,本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該当しないとの
判断を示していた。
b州LPS法に基づくLPS(リミテッド・パートナーシップ)は,
米国の税務上,チェック・ザ・ボックス規則の既定のルール(defaul
trules)としてパートナーシップ(partnership)を選択したものと
みなされていること(その趣旨はそのような取扱いとすることが正に
納税者の期待に沿うというものである。)に鑑みると,州LPS法上
のLPSをコーポレーション(corporation)になぞらえて解釈するこ
とは不自然,不合理である。
c本件各LPSを含む州LPS法上のLPSは,損益の帰属主体とさ
れている我が国の「法人」とは異なり,その事業活動により生じた損
益が構成員である各パートナーに直接帰属することとされている(5
03条)。
そして,デラウェア州のコーポレーション(corporation)が,①
正に法律によって創設的にその存在が創られたもので,②設立証明
書を提出する行為が設立行為そのものであるのに対し,州LPS法上
のLPSは,①LPS契約の締結によって組成されるもので,②L
PS証明書の提出は単にこれを通知する意味しかなく,実際にも,本
件各LPSは,本件各LPS契約の前文において,前文と以後に規定
される相互の約定を約因として,パートナーらは,州LPS法及びそ
の他の適用ある法律に従い以後に規定される条項に基づいてパートナ
ーシップを組成することに合意し,ここにパートナーシップを組成す
る旨定めており,パートナーシップ契約によりLPSが組成されてい
ることを明言している。
したがって,本件各LPSを含む州LPS法上のLPSは,コーポ
レーションとは著しく異なるものである。
(エ)被告の主張が本件措置法特例を遡及適用したものにほかならないこと
①本件各不動産賃貸事業は,米国に所在する中古木造集合住宅であ
る本件各建物に投資し,維持・管理,補修・改装等を十分に行うことで
そのヴァリューアップを図り,物件売却による売却益(キャピタル・ゲ
イン)の獲得を目的とした通常の不動産投資であり,原告らは,不動産
の値下がりリスクを負いつつ,不動産の売却益(キャピタル・ゲイン)
の獲得を目的とし,不動産投資を行う投資家又は合理的経済人たる納税
者として,その投資判断に当たり,(不動産投資を行った場合に等しく
適用される我が国の租税法の規定を適用した結果にすぎない)租税上の
効果を勘案しただけであるから,不動産投資として極めて合理的なもの
である。そして,②本件措置法特例が新設される以前において,組合
型の事業体(本件各LPS)を通じて不動産投資を行った場合にその事
業体の構成員(パートナー)がその損失を不動産所得の損失として損益
通算をすることは禁止されていなかった。
それにもかかわらず,被告が前記のとおり本件各LPSが我が国の租
税法上の「法人」に当たる旨主張するのは,実質的には,本件各不動産
賃貸事業について,損益通算による租税負担の軽減という税効果が認め
られることをもって,純経済的にみて極めて不合理な租税回避行為に当
たるものとして,本件措置法特例を遡及適用したものにほかならないと
いうべきである。
イ被告主張に係る上記判断基準(被告基準①~③)へのあてはめについて
仮に,被告主張に係る上記判断基準(被告基準①~③)に基づき「法人」
該当性を検討したとしても,次のとおり,本件各LPSは被告基準①~③
を満たすとはいえない。
(ア)本件各LPSが「separatelegalentity」であることについて
a「entity」及び「legalentity」の意義
コーポレーション(corporation)及びパートナーシップ(partner
ship)の歴史的沿革にかんがみると,コーポレーションは,「entity」
の特性である有限責任性を獲得するために設立され,「entity」は,
その代表的手法であるコーポレーションによって特徴付けられた結果,
産業革命後の近代において,コモンローの世界ではコーポレーション
は,「entity」とほぼ同一視されるに至ったということができる。そ
して,コーポレーションは,その後の近代史上常に例外なく「entity」
として取り扱われ,事業体理論と密接に結び付いてきた。これに対し
て,構成員の合意のみで成立するパートナーシップは,その本質は集
合体理論により説明され,事業体理論は単なる財産関係や権利義務関
係を説明するため,あるいは取引の相手方の保護等の便宜のために,
後発的かつ部分的に用いられるものにすぎず,そのような限定的な場
面に限って,その目的に必要な範囲において「entity」の特性を部分
的に有すると説明されるにすぎない。このように,コーポレーション
とパートナーシップのいずれも「entity」と説明されるといっても,
その歴史的経緯及び法的な意味付けは,全く異なる(以上につき,特
に甲54,57,59,61~64参照)。
そして,近時は,これまで述べた「entity」を表現する単語として
は,「entity」より「legalentity」が多用されるようになったが,
「legalentity」という概念は,事業体そのものの法的性質,その事
業体が事業体理論を本質とするものか,集合体理論を本質とするもの
かを問わず,一定の目的のために一つの事業体として取り扱われるこ
とを説明する概念であるにすぎず,我が国における「法人格」の概念
とは明らかに次元が異なり,「legalentity」に該当する場合であっ
ても,必ずしも「法人」に該当するとはいえない(我が国において,
ある事業体が,ある場面では法人格を有し,別の場面では法人格を持
たない,ということはおよそあり得ないのであり,法人格を有する事
業体は,常に例外なく構成員とは別個の事業体とされる。)。特に,
「legalentity」がこのような一つの事業体として取り扱われること
の説明上の概念であることから,米国では,コーポレーションやパー
トナーシップのほか,「unincorporatedassociation(法人格なき団
体)」,「incorporatedcooperativeassociation(法人格ある協同
組合団体)」,「jointventure(ジョイント・ベンチャー)」及び「j
ointstockcompany(ジョイント・ストック・カンパニー)」,さら
には「statutorytrust(制定法上の信託)」や「automobileclub(自
動車クラブ)」まで,様々な事業体が「legalentity」であると説明
されている(甲66~71参照)。
b「separatelegalentity」の意義
アレン教授意見書(甲90。なお,アレン教授は,デラウェア州に
おいてパートナーシップに関する法のみならず会社法その他の事業体
組織に関する様々な州法上の訴訟について専属管轄権を有する裁判所
であるデラウェア州衡平裁判所(CourtofChanceryoftheStateo
fDelaware)の主席裁判官(Chancellor)を12年間務め,現在はデ
ラウェア州とニューヨーク州の法曹資格を有し,コーポレーションの
法とガバナンスに関する著作を多数発表している。)によれば,「se
paratelegalentity」という文言は,GPS又はLPSのいずれにお
いても,当事者であるジェネラル・パートナー(GP)の死亡又は脱
退後も同一性を持った事業体(entity)として存続し得るという効果,
すなわち「survivability」(サバイバビリティ。ジェネラル・パート
ナーの死亡・脱退後のパートナーシップの存続性)を明確化するにす
ぎず,州LPS法201条(b)における「separatelegalentity」と
は,ジェネラル・パートナー(GP)とは区別されたという意味であ
るが,この中の「セパレート(separate)」という語には,何ら法的
な重要性はないといえる。
また,アレン教授意見書によれば,州LPS法は,州GPS法との
連結性を維持している点は重要であり,州LPS法に基づいて組成さ
れたLPSは,州GPS法に基づいて組成されたGPSがパートナー
シップであるのと同じ意味において,パートナーシップであるから,
この2種類のパートナーシップは,デラウェア州法の下では依然とし
て本質的にその性質上契約関係であって,コーポレーションと機能的
にも異なる(すなわち,州LPS法上のLPSは,「separatelegal
entity」であるとともに,その本質が「契約関係」であることを認め,
その双方の法的性質が相互に条件付けられることなく併存するもので
ある。)とされている。このことは,デラウェア州法上のパートナー
シップがそのような意味で「separatelegalentity」であると規定さ
れていること(「legalentity」又は「entity」と規定されていたと
しても同義である。)は,州LPS法上のLPSの本質が契約関係で
あることを排斥する関係にあるわけではないことを明確に表している。
以上のようなアレン教授意見書により明らかにされた州LPS法2
01条(b)の制定の経緯及び「separatelegalentity」の意義を勘案
すれば,州LPS法上のLPSが「separatelegalentity」であるこ
とは,せいぜい我が国の民法において,組合員の死亡又は脱退が組合
の解散事由とはされていないこと,代表者の定めのある組合であれば,
民事訴訟法上訴訟当事者になることができること,また,組合財産を
組合員の固有財産とは区別されることなどと同じ取扱いを受けられる
という程度の意味を有するにすぎないと解するのが正しい。
cそうすると,本件各LPSは,州LPS法上「separatelegalent
ity」とされているものの,以上のような「legalentity」という概念
の歴史的沿革,意義等に鑑みれば,「separatelegalentity」を被告
主張のように「独立した法的主体」と解釈する(訳出する)ことは誤
りであって(その意味で「セパレート・リーガル・エンティティー」
と訳出するよりほかない。),「separatelegalentity」とされるこ
とは,コーポレーション等とされることとは全く異質な概念であり,
本件各LPSに法人格が与えられることを意味するものではないから,
そのことをもって本件各LPSが「外国法人」に該当するか否かのメ
ルクマールになるなどということはあり得ない(本件各LPSが「se
paratelegalentity」であることをもって我が国の租税法上の法人と
して扱うとすれば,内国民待遇を定めた日米友好通商航海条約11条
1項に違反するというべきである。)。
(イ)被告基準①(構成員の個人財産とは区別された独自の財産を有するこ
と)について
a本件各LPS自らの名義で本件各建物の登録がされている点につい
ても,取引の便宜を考慮して実際上1個の事業体として取り扱われて
いるにすぎず,我が国の「法人」と同じ意味において構成員の財産と
は区別された独自の財産を有することを意味しない。法人格はないも
のの組合契約により一定の団体性を有する我が国の投資事業有限責任
組合に関しても,利便性等の観点から,商業登記制度を利用した組合
契約の登記が認められているところであって,「法人」ではない事業
体に関して,取引の便宜等の観点から,法人に関して用いられている
制度が利用されたからといって,我が国の「法人」と同じ意味におい
て構成員の財産とは区別された独自の財産を有することにはならない。
また,我が国の投資事業有限責任組合が構成員の財産とは区別された
独自の財産を有することは被告も争っていない。
b州LPS法は,パートナーはLPS(リミテッド・パートナーシッ
プ)の特定の財産について持分を有しない旨を定めている(701条)
が,他方,契約自由の原則とパートナーシップ契約の執行可能性を最
大限に尊重する旨を定め(1101条),LPS契約によりそのほと
んどの条項を修正することができるとされているところ,本件各LP
Sについては,「各パートナーは,パートナーシップの財産について
そのパートナーシップ割合に等しい不可分の持分を有するものとす
る」と定めた本件各LPS契約4.5条(この条項は,集合体理論に
より導かれる帰結である。)により,州LPS法701条の適用が排
除され,本件各LPSのパートナーがパートナーシップの財産につい
て不可分の固有の権利を有する(すなわち,本件各LPSの財産がパ
ートナー間の内部関係において特定の共有持分のない共有状態(任意
組合(我が国の民法上の組合)における組合財産に係る法律関係と同
様の合有)となる。)ものと解されるから,州LPS法701条をも
って,本件各LPSが構成員の財産とは区別された独自の財産を有す
るということはできない。
なお,上記の点に関して,①ポッター意見書(甲73。これは,
本件LPS契約(C)に係る取引の実行(クロージング)に先立ち,
デラウェア州の法律事務所によって作成された法律意見書(クロージ
ング・オピニオン)である。)によれば,本件LPS契約(C)4.
5条は,デラウェア州法上適法かつ有効で法的拘束力があり執行可能
であるとされており,②モリス回答書(乙79)も,不可分権利条
項(theundividedinterest)が州LPS法701条及び201条(b)
に違反して無効であるなどとしておらず(モリス回答書は,本件各L
PS契約4.5条を含む本件各LPS契約の条項自体を検討していな
いと明言しており,単に,「パートナーシップの財産に対する不可分
の権利(undividedinterestinthepartnership’sproperty)」と
いう文言が,その文言がなければデラウェア州のLPSやその他の事
業体の財産であるはずの財産に対するパートナー固有の所有権を規定
することを意図するものであるというのは,モリス回答書作成者らの
一般的な理解とは異なるとするにすぎない。),逆に,デラウェア裁
判所としては,第三者との関係についてではなくパートナー間におい
ては,パートナーがパートナーシップの財産についてそれぞれ固有の
権利を有することに意味があるような状況であれば,そのような合意
はLPS法701条及び201条(b)を修正する効力があると判断で
きるとの解釈を示すこともあるだろうとしている。
(ウ)被告基準②(独立した権利義務の帰属主体として存在していること)
について
a我が国において権利義務の主体となる事業体は,単に形式上自己の
名前で取引を行っているだけではなく,それに伴う損益もその事業体
自体に帰属するなど,実質的に権利義務の主体となることが前提とさ
れており,権利の行使又は義務の履行に係る損益がその事業体に帰属
するということを例外なく内包しているから,被告基準②にいう当該
事業体が独立した「権利義務の帰属主体」となり得るものに該当する
には,当該損益が当該事業体に実質的に帰属していることが必要であ
る。
bこれを本件各LPSについてみると,州LPS法503条並びに本
件各LPS契約4.7条及び4.8条によれば,ある会計年度におい
て本件各LPSに生じた損益は,パートナーシップ出資割合に従って
その各パートナーに配分されることから,本件各LPSには当該損益
が帰属せず,任意組合(我が国の民法上の組合)と同様に,グロスの
当該損益(収益の総額と損失の総額)が各パートナーに(LPSにお
ける配当決議による配当を待たずに)直接帰属することは明らかであ
る(なお,本件各LPS契約は,4.12条(a)がパートナーシップの
収益,利益,損失及び控除の「すべての項目」の配分割合について定
めるものであるから,各項目が総額(グロス)ベースで本件各LPS
のパートナーである本件各受託銀行を通じて不動産賃貸事業を営む原
告らに対して配分されるべきことを明確に示している。)。
このことは,実際にも,<a>本件各LPSが,各会計年度におけ
る情報申告書であるフォーム1065(連邦パートナーシップ情報申
告書。なお,これは,税務申告書ではなく,単に情報提供目的で税務
当局への提出が義務付けられているものである。)を作成し,その別
表として,本件各LPSのパートナーである本件各受託銀行を通じて
不動産賃貸事業を営む原告らごとのパートナー持分に関する情報申告
書(スケジュールK1)を作成して,原告らに各会計年度のパートナ
ーシップの損益が直接帰属していることを示していること,<b>本
件各LPSのパートナーシップ持分に係る「組合外支出調整後損益計
算書」においては,当該者の損益が総額(グロス)ベースで報告され
ているほか,原告らに関して,各会計年度において,上記スケジュー
ルK1に基づいて作成されるフォーム1040NR(連邦非居住外国
人所得税確定申告書)においても,不動産賃貸損益(RentalRealEst
ate)が他の課税所得(taxableinterest等)とは別に計算され,本件
各LPSから純額(ネット)の損益のみが配分されるのではなく,個
別の所得の性質ごとに,本件各パートナーである本件各受託銀行を通
じて不動産賃貸事業を営む原告らのパートナーシップ持分に従って,
本件各LPSの所得(又は損失)が原告らに配分されていることが示さ
れていることから明らかである。
したがって,本件各LPSは,被告基準②にいう独立した権利義務
の帰属主体とはいえない。
なお,平成12年7月政府税調中期答申(甲25)も,外国の多様
な事業体の中にはその本国において私法上「法人」とはされないもの
の自己の名前で取引をしている事業体が存在することを指摘しており,
本件各LPSは,まさにそのような事業体といえる。
(エ)被告基準③(自己の名において訴訟当事者となることができること)
について
デラウェア州法上のLPSが訴訟当事者となる資格を有することは,
法人であることにつき争いがないコーポレーション(corporation)と同
様の意味において認められたものではない。すなわち,コーポレーショ
ンはコーポレーションであることのみをもってその名において訴え又は
訴えられる資格が認められるのに対して,パートナーシップの場合には,
我が国の組合と同様,訴え又は訴えられる資格につき,特に法律で定め
られて初めてその資格を付与されるのであり(連邦民事訴訟法第17条
(b)(2),同(3)(A)),本件各LPSが訴訟当事者となる資格を有すると
いうのは後者の意味である(甲62,65参照)。
ウNYLLC判決及びニューヨーク州LLC法上のLLCとの関係につい

被告指摘に係るNYLLC判決は,ニューヨーク州LLC法に基づき設
立されたLLCが我が国の租税法上の法人に該当するとしているが,その
要件が導かれる根拠が明らかではなく,ニューヨーク州LLC法上のLL
Cは,州LPS法上のLPSと比べ,<A>有限責任性が貫かれているこ
と,<B>定款の作成が必要であること,<C>多数決原理が導入されて
いること,<D>組織の継続性が強く指向されていること,<E>所有と
経営とを分離することが可能な組織体となっていること等の点でよりコー
ポレーション(corporation)に近い事業体といえることを考慮すると,N
YLLC判決をもって被告の主張を根拠付けるものとすることはできない
し,ニューヨーク州LLC法上のLLCと州LPS法上のLPSとを実質
的に同様の事業体として取扱って本件各LPSが我が国の租税法上の「法
人」に該当すると解することもできない。
エ原告ら主張に係る本件各LPSの租税法上の法人該当性の判断基準
(ア)判断基準について
a外国の事業体が我が国の租税法上の外国法人として取り扱われるた
めには,「外国法人」(法人税法2条4号,所得税法5条4項)に該
当する必要があり,これに該当するというためには,民法36条1項
に従い,同項の「外国法人」であって,商事会社に該当するものとし
て,認許されるものでなければならないと解される。
まず,外国の事業体が民法36条1項の「外国法人」に該当するか
否かの判断基準としては,内国法人の法人法定主義と同様の専ら形式
的な基準による判断として,当該外国の事業体の根拠法においてその
事業体に法人格が与えられているか否か(その事業体が外国における
「法人」に該当するか否か),すなわち,当該外国の事業体の根拠法
において,その事業体がコーポレーション(corporation)又はこれに
準ずる「bodycorporate」「juristicperson」その他のこれらと同等
の概念(以下「コーポレーション等」という。)に該当すると規定さ
れているか否かによると解すべきである。
次に,外国の事業体が上記判断基準により民法36条1項の「外国
法人」に該当する場合において,当該外国の事業体が構成員により構
成され営利を目的とする事業体であれば,「外国法人」(同項)に該
当する以上,商行為をすることを業とする目的をもって設立された社
団であるという要件も満たして商事会社に該当するため,同項に基づ
き我が国の租税法(私法)上の外国法人として認許されることになる。
bこのような外国の事業体の根拠法においてその事業体に法人格が与
えられているかどうかという事業体の区分けの在り方は,裁判例上も
明示的に採用されている(甲34)のみならず,平成12年7月政府
税調中期答申(甲25)及び平成12年4月小委員会討議用資料(甲
26)という租税法立案当局が作成した公的な文書及び課税執行当局
者の論稿においても一貫して前提とされている考え方でもあり,社会
通念上又は租税実務上も広く認知されかつ浸透しているとともに,実
務上もその判断の形式性,ひいては法的安定性ゆえに十分に機能し得
る基準である。
また,コーポレーション等と我が国の租税法上の「法人」が同等の
概念であることについては,①日本の比較法研究者の研究等におい
て,デラウェア州法上その事業体がコーポレーションに該当する場合
は,社会通念上,形式的一義的に日本法を設立準拠法とする「法人」
と同等の事業体として「法人」に該当するといえるとされていること,
②日本法と同じ大陸法系に属するドイツ法上の「法人」(juristic
person)という概念が,まさに米国法の下ではコーポレーションに相
当すると考えられていること(甲53~55参照),③日米租税条
約においても,我が国における「権利義務の主体となる」事業体であ
る「法人格を有する団体」について,コーポレーションと同義である
「bodycorporate」という用語が用いられているのに対して,「法人
以外の団体」については,英文では,「anestate,trust,andpart
nership」を含むものとされており,パートナーシップは法人以外の団
体とされていること,④米国法上のコーポレーションと日本法を設
立準拠法とする「法人」は,成立要件,永続的存在,所有者及び運営
者の変更,民事・刑事上の責任主体といった様々な観点から比較して
みても,同じ法的性質をすべて等しく有しており(甲56~58参照),
同等の概念であることを疑う余地がないことから,明らかである。
(イ)上記判断基準へのあてはめ
本件を上記(ア)aの判断基準に基づいて検討すると,本件各LPSの根
拠法である州LPS法には,これに基づき組成されるLPSをコーポレ
ーション等のように権利能力及び行為能力を有するものとして設立され
たものとする旨の規定,つまり法人格が与えられたことを意味する法令
の規定はない(本件各LPSが「separatelegalentity」であること(州
LPS法201条(b))が法人格を有するという意味を持たないことは,
前記のとおりである。)。
したがって,本件各LPSは,その根拠法上法人格を与えられている
ものではないから(なお,本件各LPSは,後記(3)(原告らの主張の要
旨)のとおり「社団」ではないから,商事会社(商行為をなすことを目
的として設立した社団)にも該当しない。),我が国の租税法上の「外
国法人」に区分けされることはない。
(3)争点(2)イ(本件各LPSの租税法上の人格のない社団該当性)について
(被告の主張の要旨)
ア人格のない社団の要件
人格のない社団(権利能力のない社団)といい得るためには,[1]団体と
しての組織を備え(以下「要件[1]」という。),[2]多数決の原則が行われ
(以下「要件[2]」という。),[3]構成員の変更にもかかわらず団体そのも
のが存続し(以下「要件[3]」という。),[4]その組織によって代表の方法,
総会の運営,財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているもの
(以下「要件[4]」という。)でなければならないと解されている。
なお,上記4要件は,それらすべてが独立して厳格に満たされていなけ
れば人格のない社団とは認められないというものではなく,むしろ社団性
認定のための指標として,各要件相互の関係で柔軟に解釈され得るものと
いうべきである。
イ上記4要件へのあてはめ
(ア)要件[1]について
本件各LPSは,本件各GPをジェネラル・パートナー,本件各LP
をリミテッド・パートナーとして,州LPS法に基づき設立されたLP
Sであるから(本件各LPS契約の前文及び1.1条),これを組織す
る構成員は特定されている。また,本件各LPSの管理及び運営に関す
る独占的権限は本件各GPに付与され(同契約2.1条),本件各リミ
テッド・パートナーには,一定の条件の下に本件各GPを解任する権限
が認められている(同契約2.6条)。そして,本件各LPSとしての
意思決定や本件各売買契約の締結等の行為を,上記のとおり付与された
独占的権限に基づいて本件各GPが本件各LPSを代表して行っている
のであるから,本件各LPSは,団体としての組織を備えている。
(イ)要件[2]について
本件各LPSの経営判断は,原則的に本件各GPにより行われること
とされているが,これは,各リミテッド・パートナーが本件各LPS契
約により同意したことに基づくものであるし,本件各GPは,パートナ
ーシップ持分の80%を超える持分を有するリミテッド・パートナーの
賛成又は同意により解任されるから(本件各LPS契約2.6条),本
件各LPSは,多数決の原則が一定の程度行われている。
(ウ)要件[3]について
本件各LPS契約には,ジェネラル・パートナーの解任(同契約2.
6条),新規パートナーの承認(同契約5.2条及び7.6条),リミ
テッド・パートナーの脱退(同契約6.1条),パートナーシップ持分
(PS持分)の譲渡可能性(同契約7.2条)等の規定があり,現に,
所有していたパートナーシップ持分を本件GP(C)に譲渡した原告が
おり,当該譲渡後においても本件LPS(C)は存続していると認めら
れるから,本件各LPSは,構成員の変更にもかかわらず団体が存続す
るものである。
(エ)要件[4]について
上記(ア)及び(イ)のとおり,本件各LPSにおいては,本件各LPの同
意により本件各GPが業務執行を行う代表と定められており,その解任
についての規定も存在する。また,本件各LPSは,構成員の財産とは
区別された独自の財産を有しており,当該財産の管理は,その権限を付
与された本件各GPが行っている。さらに,本件各LPS契約には,本
件各LPSに生ずる費用の支払(3.1条~3.4条),資本の利用(4.
4条),損益の割当て及び分配(4.6条~4.8条),パートナーシ
ップの終了及び清算(8条),会計及びパートナーへの報告(9条)に
関する規定も存在する。そして,これらの規定を含む本件各LPS契約
の内容は,ジェネラル・パートナー(GP)及びリミテッド・パートナ
ー(LP)の持分の過半数によって署名した書面で修正することができ
る(同契約10.2条)旨の規定もあること等からすれば,本件各LP
Sは,代表の方法や団体の独立した財産の管理方法等,団体としての主
要な点が確定しているということができる。
ウ結論
以上によれば,本件各LPSは,要件[1]ないし[4]の要件をいずれも満た
しているということができるから,人格のない社団に該当し,我が国の租
税法において独立した損益の帰属主体となる。
(原告らの主張の要旨)
ア人格のない社団等の要件について
人格のない社団等に該当するためには,被告主張に係る要件[1]~[4]の全
てを独立して満たす必要があるというべきである。
イ要件[1]~[4]への当てはめについて
(ア)要件[1]について
要件[1]の団体としての組織を備えているとは,意思決定のための構成
員による総会や幹事会等の組織を備えていることを意味すると考えられ
る。なぜなら,このような団体の内部組織が存在して初めて,個々の構
成員を超えた団体としての実体を認めることができるからである。しか
しながら,本件各LPSは,ジェネラル・パートナー1名とリミテッド・
パートナー1名(ただし,本件LPS(C)のリミテッド・パートナー
は2名)により構成されている極めて単純なLPSであり,上記2名又
は3名間にはLPS契約という契約関係及びその契約において合意され
た損益分配等の約束が存在するにすぎず,上記のような内部組織を全く
備えていない。
したがって,本件各LPSは,団体としての組織を備えていない。
(イ)要件[2]について
要件[2]の多数決の原則が行われているとは,団体としての意思決定を
する際に,会員の多数決により決定するといった規則が設けられている
ことを意味すると考えられる。なぜなら,このような多数決のルールが
定められて初めて個々の構成員全員の合意がなくても団体としての意思
決定ができることになり,個々の構成員を超えた団体としての実体を認
めることができるからである。しかしながら,本件各LPSについては,
本件各LPS契約2.1条によれば,本件各LPSの管理運営・業務執
行は原則的にジェネラル・パートナーのみにより行われることとされ,
多数決は行われていない。
したがって,多数決の原則が行われているとはいえない。
(ウ)要件[3]について
要件[3]の構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続するとは,
構成員の加入又は脱退があったとしても,また,仮に構成員が1人にな
ったとしても,団体そのものがそれまでと同様に存続することを意味す
ると考えられる。なぜなら,このような構成員の加入や脱退があった場
合や,構成員が1人になることにより外形上構成員と団体とを区別する
ことができなくなった場合でもそれまでと同様に団体が存続して初めて
個々の構成員を超えた団体としての実体が認められるからである。しか
しながら,州LPS法は,LPSとは,2人以上の者により組成される
パートナーシップであり,1人以上のジェネラル・パートナーと1人以
上のリミテッド・パートナーにより構成される旨を定める(101条(9))
とともに,LPSは,ジェネラル・パートナー又はリミテッド・パート
ナーが0人になった場合は,新たにジェネラル・パートナー又はリミテ
ッド・パートナーが補充されない限り,解散する旨を定めている(80
1条(3)及び(4))のであって,LPS法に基づくLPSは,構成員が1
人では組成できないし,また,構成員が1人となった場合には,そのま
までは存続もできない。
したがって,本件各LPSについては,構成員の変更にもかかわらず
団体そのものが存続するとはいえない。
(エ)要件[4]について
要件[4]のその組織によって代表の方法,総会の運営,財産の管理その
他団体としての主要な点が確定しているとは,問題となっている事業体
が,個々の構成員間における単なる約束を超えて,団体そのものとして
の実体を備えていることを確かめるための要件と考えられる。
しかしながら,本件各LPSは,本件各LPSの管理及び運営は本件
各GPに委ねられており,本件各GPが一般に本件各LPSのためにそ
の名において行為するものとされており(本件各LPS契約2.1条),
本件各LPSの代表は定められているということができるものの,現在
の代表が定められているだけで次の代表を決めるルールは設けられてい
ないため,代表の方法は定められていないといわざるを得ず,このこと
は,本件各LPSが当事者間における契約にすぎず,構成員を超えた団
体としての実体はないことを如実に示すものといえる。次に,本件各L
PS契約においてはそもそも構成員の総会自体が予定されていないので,
総会の運営については何らの規定も存在しない。さらに,財産の管理に
ついては,本件各LPS契約では,具体的にどのように財産を管理する
かという点に関しては,何らの規定も設けられていない。
したがって,本件各LPSは,その組織によって代表の方法,総会の
運営,財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているとはいえ
ない。
ウ結論
以上によれば,本件各LPSは,要件[1]~[4]のいずれも欠くから,人格
のない社団には当たらない。
(4)争点(2)ウ(本件各不動産賃貸事業から生じた損益の不動産所得該当性)に
ついて
(被告の主張の要旨)
ア原告らに帰属する損益が不動産所得に区分されないこと
(ア)不動産所得の要件
不動産所得に関する所得税法の規定(所得税法26条1項)の文言及
び「貸付けによる所得」の性質(借主から貸主に移転される経済的利益
のうち,目的物を使用収益する対価としての性質を有する。)等に鑑み
れば,ある所得が不動産所得に該当するためには,一般的には,納税者
が,<ア>賃貸借契約の「貸主」となり得る何らかの権利・権原(所有
権,占有権等)を有していることを前提とした上で,<イ>不動産を「借
主」に貸し付け,これを収益させることによって得た対価としての性質
を有するものであることを要すると解すべきである。
(イ)上記要件への当てはめ
a<ア>について
原告らは,リミテッド・パートナーとなった本件各受託銀行を介し
て本件各LPSのパートナーシップ持分(これは,本件各LPSが保
有する特定財産に対する直接の持分と観念されるものではない。)を
取得しているにすぎず,本件各建物は本件各LPSが構成員である各
パートナーの個人財産とは区別された独自の財産として所有するもの
であるから,本件各建物の「貸主」となり得る占有権等の権利・権原
を有していない。
b<イ>について
本件各LPSは,買主として本件各売買契約を締結して本件各建物
の所有権を取得し,本件各土地賃貸借契約を締結して本件各土地を賃
借し,本件各不動産の管理契約を自ら契約当事者として締結して管理
を委託し,自らが契約当事者(貸主)として第三者との間で賃貸借契
約を締結しているから,本件各不動産賃貸事業の対象となる本件各建
物を「借主」に使用収益させ,これによって対価を得ているといえる。
これに対し,本件各受託銀行は,本件各LPSのリミテッド・パー
トナーとして,その管理又は運営に参加してはならず,いかなる事項
に関しても,本件各LPSの名前で行為する権限又は権利を有しない
から,本件各建物を貸し付けているとはいえず,上記<イ>の要件に該
当しない。
c小括
そうすると,仮に,本件各LPSが我が国の租税法上の法人又は人
格のない社団のいずれにも該当しないとしても,本件各受託銀行(ひ
いては原告ら)は,本件各建物の所有権や占有権など賃貸借契約の貸
主となり得る何らかの権利・権原を有しておらず,本件各建物を貸し
付けているともいえないから,本件各LPSのリミテッド・パートナ
ーである本件各受託銀行を介して原告らが受ける利益又は損失は,賃
貸借契約の目的物を使用収益させることによって得た対価としての性
質を有するものとはいえず,不動産所得に該当しない。
(ウ)本件各LPSから原告らに帰属する損益の特殊性
また,本件各不動産賃貸事業に係る損益は,本件各LPSに帰属し,
本件各LPSにおいて収益や費用,損失等が精算された上で本件各受託
銀行に割り当てられる(本件各LPS契約4.7条,4.8条)。
したがって,本件各不動産賃貸事業から生じた損失のうち本件各受託
銀行が本件各LPSから割り当てられたものは,これが帰属した本件各
LPSにおいて精算した後の純額としての「損失」であって,本件各L
PSに対するパートナーシップ持分を取得するために行った出資に基づ
いて本件各LPSにより営まれた本件各不動産賃貸事業の結果を表す計
算上の数値にすぎず,所得税法上の収入金額を構成することはなく,必
要経費や損失等に該当することもない。
(エ)結論
以上を総合すれば,本件各不動産賃貸事業から生じた損失のうち原告
らに割り当てられたとする部分は,原告らの「不動産所得の金額」の「計
算上生じた損失」に当たらない。
イ原告らの主張に対する反論
本件各LPSは,我が国では設立され得ない事業体であり,仮に我が国
の租税法上の法人又は人格のない社団等のいずれにも当たらず,独立の納
税義務者に該当しないとしても,そのことから直ちに財産の帰属関係につ
いて我が国の任意組合や投資事業有限責任組合と同様に取り扱われること
にはならない(したがって,所得の帰属の問題と所得区分の問題を混同し
ているという批判は当たらない。)。
また,所得税法12条及び所得税基本通達12-1に従えば,資産から
生ずる収益を享受する者は,収益の基因となる資産の権利者が誰であるか
により判断すべきであるから,上記ア(イ)のような本件各不動産の所有関係
や本件各不動産賃貸事業に係る契約関係からして,本件各不動産賃貸事業
に係る所得は,本件各LPSに帰属するものといわざるを得ない。
(原告らの主張の要旨)
ア原告らに帰属する損益が不動産所得に区分されること
本件各LPSが我が国の租税法上「外国法人」又は外国の「人格のない
社団等」のいずれにも該当しないのであれば,本件各不動産賃貸事業に係
る所得は本件各LPS自体に直接帰属することはなく,本件各LPSの構
成員である本件各LPSのリミテッド・パートナーである本件各受託銀行
を介して原告らに直接帰属すると解するほかない。
そうであるとすれば,本件各LPSが本件各不動産賃貸事業から得た当
該損益は不動産所得に該当する以上,本件各LPSから本件各受託銀行を
介して原告らに直接帰属する損益が不動産所得として区分されるものであ
ることは明らかである。
イ被告の主張に対する反論
(ア)不動産所得の要件について
所得税法26条1項は単に「不動産所得とは,不動産(中略)の貸付
け(中略)による所得」と規定しているのみであり,同条の文理上,不
動産を貸し付けた主体が納税者本人であるか,納税者本人が貸し付けた
不動産を所有等しているかは要件とはされていないから,被告の主張は,
明文なき要件を付加して不動産所得の範囲を不当に狭く解するもので,
失当である(被告の主張は,上記アで述べたところに鑑みると,①本
件各LPSの事業に係る所得が本件各LPS自体に直接帰属するのかそ
れともその構成員である原告らに直接帰属するのかという所得の帰属の
問題と②その所得が原告らに帰属するとして,その所得が不動産所得
に区分されるか否かという所得区分の問題を混同しているにすぎない。)。
(イ)本件へのあてはめについて
a被告は,本件各LPSのリミテッド・パートナーが本件各建物を所
有していないなどと主張するが,本件各LPSのリミテッド・パート
ナーは,本件各LPS契約の4.5条に基づき,パートナー間の内部
関係において,本件各LPSの財産すなわち本件各不動産に固有の権
利を有することが明らかであり,また,本件各LPSが我が国の租税
法(私法)上の法人や人格なき社団等に該当しない以上,本件各LP
Sの構成員が本件各建物を所有しているものと解するほかないから,
被告の上記主張は失当である。
b被告は,本件各LPSのリミテッド・パートナーが本件各LPSの
管理又は運営等の権限を有しないことをもって,本件各建物を貸し付
けているとはいえないことの根拠として主張しているが,その規模や
業務への関与度合いが薄ければ所得区分が雑所得となり損益通算が否
定される事業所得とは異なり,不動産所得は,不動産の貸付け(所得
税法26条1項)の規模や業務への関与度合いに関係なくその損失の
他の所得との損益通算が可能とされるという特質を有し,その特質ゆ
えに本件措置法特例が創設されたことに照らしても,上記の点は不動
産所得の該当性判断に影響を与えないというべきである。
(5)争点(2)エ(通則法65条4項の「正当な理由」の有無)について
(被告の主張の要旨)
ア通則法65条4項の解釈
通則法65条4項の「正当な理由があると認められる」場合とは,真に
納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算
税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当
又は酷になる場合をいうものと解される。
イ本件について
①平成12年7月政府税調中期答申等が米国のLPSが我が国の租税
法上の法人に含まれないことを明言するものではなく,政府の公の見解を
表明するものではないことは,前記のとおりであり,②その他の原告主
張の事情は,結局のところ原告ら独自の見解又は期待に基づき本件各LP
Sが法人に該当しないと信じたというものにすぎず,法令の解釈を誤って
いたというに尽きる。また,③原告らは,損益通算による租税負担の減
少を目的としたスキームに参加し,本件各不動産賃貸事業から生じた損失
を原告らの不動産所得の金額の計算上生じた損失として所得税の確定申告
等をしたことが強く推認される上,米国のLLCが外国法人に該当する旨
の国税庁のQ&Aが平成13年6月に発出されていることを併せ考慮すれ
ば,原告らは,本件各LPSが我が国の租税法上の法人に当たり,本件各
不動産賃貸事業から生じた損失を原告らの不動産所得の計算上生じた損失
として損益通算ができない可能性があり得ることを認識し,又は認識し得
たにもかかわらず,上記スキームによる利益をあずかるため,法令を正し
く解釈することになる所得税の確定申告等をするに至ったといえる。
ウ結論
したがって,原告らが本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該当し
ないと考えるなどしていたとしても,これをもって通則法65条4項の「正
当な理由」があるということはできない。
(原告の主張の要旨)
ア通則法65条4項の「正当な理由」を基礎付ける事情
本件においては,次のような事情が存在した。
(ア)パートナーシップの我が国の租税法上の取扱いについては,平成12
年7月政府税調中期答申(甲25)において,「法人格を持たない事業
体を法人課税上どのように取り扱うかという問題は法人税制全般に関わ
るものです・・・」,「・・・実質的な基準により税法上の認識ルールを作る
ことや・・・」などと記述され,この問題はどのような法人税制上の制度を
作るかという立法論の問題であると理解・整理されていた。
(イ)平成12年7月政府税調中期答申(甲25)の内容が議論された平成
12年4月小委員会討議用資料(甲26)においては,米国のLPSが
法人格のない事業体の欄に分類されており,租税法立案当局も米国のL
PSには法人格はないという理解であったことが示されていた。
(ウ)他方で,およそ外国のパートナーシップが「法人」に該当し得るとの
解釈は,平成17年度税制改正の解説として平成17年8月頃に示され
(甲16),更に同年税制改正に伴う法令解釈通達の整備に関連して,
国税庁個人課税課が発遣した平成18年1月27日付け「平成17年度
税制改正及び有限責任事業組合契約に関する法律の施行に伴う任意組合
等の組合事業に係る利益等の課税の取扱いについて(情報)」において
最初に公式に明らかにされた(なお,平成13年6月に発出された米国
のLLCが「外国法人」に該当する旨の国税庁のQ&Aは,LPSに関
するものでないから,これをもって原告らにおいて本件各LPSが「法
人」に該当すると解すべきであったなどとはいえない。)。
なお,本件各LPSを含むデラウェア州のLPSの「人格のない社団
等」該当性に関しては,課税庁の公式な見解は今日に至るまで示されて
いない。
(エ)本件各LPSが我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かについ
ては,本件に係る国税不服審判所平成18年8月14日裁決がこれを否
定し,また,他の類似事案においても本件各LPSと同様,州LPS法
を準拠法として組成されたLPSの「法人」該当性が否定されている(国
税不服審判所平成18年2月2日裁決・裁決事例集71号118頁)。
イまとめ
仮に本件各LPSが我が国の租税法上の法人又は人格のない社団等に該
当するとしても,以上の事情によれば,本件各係争年分の所得税の納税義
務の成立時点においては,原告らは,米国のLPSには法人格はないとい
う理解,よって我が国の租税法上の「法人」には該当しないという理解し
か導くことができなかったのであるから,少なくとも,課税庁は,本件各
係争年分の所得税の納税義務の成立時点より前広に,法令解釈通達等によ
り課税庁の公式解釈を示すことにより,デラウェア州のLPSを「法人」
と解する取扱いを納税者に周知させ,これが定着するよう必要な措置を講
ずべきであったが,平成18年1月に至るまでの間,そのような公式解釈
を示す措置を講じなかった。
したがって,少なくともそれまでの間は,原告らにおいて,本件各不動
産投資事業により生じた損失が(いわゆる本文信託を介して)原告らに直
接帰属すると解し,かつ,これが不動産所得に当たるとして損益通算を行
ったことには,真に原告らの責めに帰することのできない客観的な事情が
あり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお原告らに過少申告加算税を
賦課することが不当又は酷になるというべきであるから,通則法65条4
項の「正当な理由」があると認められる。
(別紙11)
原告らの総所得金額及び納付すべき税額についての補足説明
1原告P23関係
(1)第1事件・平成14年分
ア総所得金額4469万0276円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-1の④欄の順号20)
△1916万2524円
上記金額は,別表9-1の④欄において算出した金額であり,本件建
物(P)に係る収入金額及び必要経費である①欄の網掛け部分記載の金
額と,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額及び必要経費である
②欄の網掛けのされていない部分記載の金額とを併せて算出した額であ
る。
(イ)給与所得の金額6385万円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成14年分修正申告書に記載
した給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)雑所得の金額2800円
上記金額は,原告P23が平成14年中に支払を受けた還付加算金の
額であって,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額367万5244円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成14年分修正申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものであ
る。
ウ課税総所得金額4101万5000円
上記金額は,前記アの総所得金額4469万0276円から前記イの所
得控除の額の合計額367万5244円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△757万0286円
次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後の金額は,△75
7万0286円となる。
(ア)課税総所得金額に対する税額1268万5550円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額4101万5000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額2000万5836円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成14年分修正申告書に記載
した源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(2)第1事件・平成15年分
ア総所得金額3761万1053円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-2の④欄の順号20)
△2370万0637円
上記金額は,別表9-2の④欄において算出した金額であり,本件建
物(P)に係る収入金額及び必要経費である①欄の網掛け部分記載の金
額と,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額及び必要経費である
②欄の網掛けのされていない部分記載の金額とを併せて算出した額であ
る。
(イ)給与所得の金額6100万円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成15年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)雑所得の金額31万1690円
上記金額は,原告P23が平成15年中に支払を受けた還付加算金の
額であって,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額350万0234円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成15年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものであ
る。
ウ課税総所得金額3411万0000円
上記金額は,前記アの総所得金額3761万1053円から前記イの所
得控除の額の合計額350万0234円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△916万7176円
次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後の金額は,△91
6万7176円となる。
(ア)課税総所得金額に対する税額1013万0700円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3411万0000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1904万7876円
上記金額は,原告P23が第1事件・平成15年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
2原告P1関係
(1)第5事件・平成14年分
ア総所得金額3502万0038円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-18の①欄の順号19)
△1892万9862円
上記金額は,別表9-18の①欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額5393万2000円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成14年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)雑所得の金額1万7900円
上記金額は,原告P1が平成14年中に支払を受けた還付加算金の額
であって,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額314万4095円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成14年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ課税総所得金額3187万5000円
上記金額は,前記アの総所得金額3502万0038円から前記イの所
得控除の額の合計額314万4095円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△664万3732円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後の金
額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額930万3750円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額3187万5000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1569万7482円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成14年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(2)第5事件・平成15年分
ア総所得金額3840万1738円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-19の①欄の順号19)
△1692万1362円
上記金額は,別表9-19の①欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額5530万円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)雑所得の金額2万3100円
上記金額は,原告P1が平成15年中に支払を受けた還付加算金の額
であって,当事者間に争いがないものである。
イ株式等に係る譲渡所得等の金額658万4477円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載した
株式等に係る譲渡所得等の金額と同額であって,当事者間に争いがないも
のである。
ウ所得控除の額の合計額228万5824円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
エ課税総所得金額3611万5000円
上記金額は,前記アの総所得金額3840万1738円から前記ウの所
得控除の額の合計額228万5824円を控除した後の金額である。
オ課税される株式等に係る譲渡所得等の金額658万4000円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載した
課税される株式等に係る譲渡所得等の金額と同額であって,当事者間に争
いがないものである。
カ納付すべき税額△485万8346円
上記金額は,次の(ア)及び(イ)の各金額の合計額から(ウ)及び(エ)の各金額
を差し引いた後の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額1087万2550円
上記金額は,前記エの課税総所得金額3611万5000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)課税される株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税額
131万6800円
上記金額は,前記オの課税される株式等に係る譲渡所得等の金額65
8万4000円に措置法37条の10第1項の税率を乗じて算出した金
額であり,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載した課
税される株式等に係る譲渡所得等の金額に対する税額と同額であって,
当事者間に争いがないものである。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1679万7696円
上記金額は,原告P1が第5事件・平成15年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
3原告P2の第7事件・平成13年分
ア総所得金額2225万6769円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-25の①欄の順号16)
△2080万1231円
上記金額は,別表9-25の①欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額4304万5000円
上記金額は,被告主張の金額(別紙9の第7の1(1)ア(イ)参照)であ
り,当事者間に争いがないものである。
(ウ)雑所得の金額1万3000円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成13年分確定申告書に記載し
た雑所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額225万8123円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成13年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ課税総所得金額1999万8000円
上記金額は,前記アの総所得金額2225万6769円から前記イの所
得控除の額の合計額225万8123円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△739万3300円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後の金
額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額490万9260円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1999万8000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額1205万2560円
上記金額は,原告P2が第7事件・平成13年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものであって,
当事者間に争いがないものである。
4原告P3関係
(1)第8事件・平成13年分更正処分の適法性
ア総所得金額1847万6939円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-28の①欄の順号18)
△2137万7549円
上記金額は,別表9-28の①欄において算出した金額である。
(イ)配当所得の金額120万円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成13年分確定申告書に記載し
た配当所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)給与所得の金額3834万2500円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成13年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(エ)雑所得の金額31万1988円
上記金額は,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額239万6626円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成13年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ課税総所得金額1608万0000円
上記金額は,前記アの総所得金額1847万6939円から前記イの所
得控除の額の合計額239万6626円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△773万8732円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額359万4000円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1608万0000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額6万円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額120万円に所得税法92条
1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1102万2732円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成13年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(2)第8事件・平成14年分
ア総所得金額1764万3518円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-29の①欄の順号18)
△2264万7436円
上記金額は,別表9-29の①欄において算出した金額である。
(イ)配当所得の金額120万円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成14年分確定申告書に記載し
た配当所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)給与所得の金額3829万5000円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成14年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(エ)雑所得の金額79万5954円
上記金額は,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額367万5689円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成14年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ課税総所得金額1396万7000円
上記金額は,前記アの総所得金額1764万3518円から前記イの所
得控除の額の合計額367万5689円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△842万8887円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額296万0100円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1396万7000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額6万円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額120万円に所得税法92条
1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1107万8987円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成14年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(3)第8事件・平成15年分
ア総所得金額1814万6510円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-30の①欄の順号18)
△2231万8250円
上記金額は,別表9-30の①欄において算出した金額である。
(イ)配当所得の金額120万円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成15年分確定申告書に記載し
た配当所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)給与所得の金額3829万5000円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成15年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(エ)雑所得の金額96万9760円
上記金額は,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額177万0712円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成15年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ課税総所得金額1637万5000円
上記金額は,前記アの総所得金額1814万6510円から前記イの所
得控除の額の合計額177万0712円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△775万6595円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額368万2500円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1637万5000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額6万円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額120万円に所得税法92条
1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1112万9095円
上記金額は,原告P3が第8事件・平成15年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
5原告P4関係
(1)第9事件・平成13年分
ア総所得金額1686万0663円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-33の①欄の順号18)
△1963万2637円
上記金額は,別表9-33の①欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額3649万円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成13年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)雑所得の金額3300円
上記金額は,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額314万2907円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成13年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ課税総所得金額1371万7000円
上記金額は,前記アの総所得金額1686万0663円から前記イの所
得控除の額の合計額314万2907円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△784万5520円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額288万5100円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1371万7000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)住宅借入金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)
41万7900円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成13年分確定申告書に記載し
た「住宅借入金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)」
と同額であり,第9事件・平成13年分確定申告書の第二表の「特例適
用条文等」欄に「平成11年5月1日居住開始」と記載されており,平
成13年分の合計所得金額(原告P4の場合,当該年度の総所得金額と
同額である。後記(2)エ(イ),(3)エ(イ)において同じ。)が1686万0
663円(前記ア参照)であることから,措置法41条の規定を適用し
たものである。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1006万2720円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成13年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである
(2)第9事件・平成14年分
ア総所得金額1187万4812円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-34の①欄の順号19)
△2464万2488円
上記金額は,別表9-34の①欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額3649万円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成14年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)雑所得の金額2万7300円
上記金額は,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額314万8052円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成14年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ課税総所得金額872万6000円
上記金額は,前記アの総所得金額1187万4812円から前記イの所
得控除の額の合計額314万8052円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△911万1320円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額141万5200円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額872万6000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)住宅借入金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)
22万8200円
原告P4が第9事件・平成14年分確定申告書に記載した「住宅借入
金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)」と同額であ
り,第9事件・平成14年分確定申告書の第二表の「特例適用条文等」
欄に「平成11年5月1日居住開始」と記載されており,原告P4の平
成14年分の合計所得金額は1187万4812円(前記ア参照)であ
ることから,措置法41条の規定を適用したものである。
(ウ)定率減税額23万7400円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1006万0920円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成14年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(3)第9事件・平成15年分
ア総所得金額1226万3743円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-35の①欄の順号18)
△2424万9757円
上記金額は,別表9-35の①欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額3649万円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成15年分確定申告書に記載し
た給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)雑所得の金額2万3500円
上記金額は,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額303万4270円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成15年分確定申告書に記載した
所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ課税総所得金額922万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額1226万3743円から前記イの所
得控除の額の合計額303万4270円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△902万9241円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額153万8700円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額922万9000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)住宅借入金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)
21万7200円
原告P4が第9事件・平成15年分確定申告書に記載した「住宅借入
金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)」と同額であ
り,第9事件・平成15年分確定申告書の第二表の「特例適用条文等」
欄に「平成11年5月1日居住開始」と記載されており,原告P4の平
成15年分の合計所得金額が1226万3743円(前記ア参照)であ
ることから,措置法41条の規定を適用したものである。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額1010万0741円
上記金額は,原告P4が第9事件・平成15年分確定申告書に記載し
た源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(4)第25事件・平成17年分
ア総所得金額899万2125円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)事業所得の金額801万4721円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載
した事業所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(イ)不動産所得の金額(別表9-36の「更正の請求の額」・「平成17
年分」欄の順号19)
△777万2596円
上記金額は,別表9-36の「更正の請求の額」・「平成17年分」
欄において算出した金額である。
(ウ)給与所得の金額875万円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額297万8996円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものであ
る。
ウ課税総所得金額601万3000円
上記金額は,前記アの総所得金額899万2125円から前記イの所得
控除の額の合計額297万8996円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△313万1830円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
から更に(オ)の金額を差し引いた後の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額87万2600円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額601万3000円に所得税法
89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)住宅借入金(取得)等特別控除額(住宅借入金等特別税額控除額)
14万5700円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載
した住宅借入金等特別控除額と同額であって,当事者間に争いがないも
のである。
(ウ)定率減税額14万5380円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により計算した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額235万1750円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(オ)予定納税額136万1600円
上記金額は,原告P4が第25事件・平成17年分確定申告書に記載
した予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額であって,当
事者間に争いがないものである。
6原告P5の第11事件・平成13年分
ア総所得金額1286万9853円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-41の①欄の順号12)
△1507万1947円
上記金額は,別表9-41の①欄において算出した金額である。
(イ)給与所得の金額2794万円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成13年分確定申告書に記載
した給与所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)雑所得の金額1800円
上記金額は,原告P5が平成13年中に支払を受けた還付加算金の額
であって,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額171万7656円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成13年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものであ
る。
ウ課税総所得金額1115万2000円
上記金額は,前記アの総所得金額1286万9853円から前記イの所
得控除の額の合計額171万7656円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△642万5200円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)及び(ウ)の各金額を差し引いた後の金
額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額211万5600円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1115万2000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により計算した定率減税
額である。
(ウ)源泉徴収税額829万0800円
上記金額は,原告P5が第11事件・平成13年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
7原告P6関係
(1)第12事件・平成14年分
ア総所得金額1億0501万7314円
上記金額は,次の(ア)~(エ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-45の④欄の順号9)
△3789万6189円
上記金額は,別表9-45の④欄において算出した金額であり,本件
建物(P)に係る収入金額及び必要経費である①欄の網掛け部分記載の
金額と,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額及び必要経費であ
る②欄の網掛けのされていない部分記載の金額とを併せて算出した額で
ある。
(イ)配当所得の金額682万9303円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成14年分確定申告書に記載
した配当所得の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)給与所得の金額1億3601万7700円
上記金額は,次のa及びbの各給与収入金額の合計額1億4496万
6000円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同条2
項の規定に基づいて控除した後の金額であり,原告P6が第12事件・
平成14年分確定申告書に記載した給与所得の金額と同額であって,当
事者間に争いがないものである。
aP43からの給与等の収入金額1億2000万円
bP44からの給与等の収入金額2496万6000円
(エ)雑所得の金額6万6500円
上記金額は,原告P6が平成14年中に支払を受けた還付加算金の額
であって,当事者間に争いがないものである。
イ所得控除の額の合計額254万6980円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成14年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものであ
る。
ウ課税総所得金額1億0247万円
上記金額は,前記アの総所得金額1億0501万7314円から前記イ
の所得控除の額の合計額254万6980円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△608万2815円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(オ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額3542万3900円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1億0247万円に所得税法8
9条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額34万1466円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額682万9303円に所得税
法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額で
ある。
(ウ)外国税額控除額102万5791円
上記金額は,別表11-1のとおり,所得税法95条1項及び所得税
法施行令222条1項により計算した金額(下記dとeとのいずれか少
ない方の金額)である。なお,別表11-1の①~⑤の金額の内容は,
次のとおりである。
a①の金額(差引所得税額)3508万2434円
上記金額は,上記(ア)の課税総所得金額に対する税額3542万39
00円から上記(イ)の配当控除額34万1466円を控除した後の金
額である。
b②の金額(所得総額)1億0501万7314円
上記金額は,前記アの総所得金額である。
c③の金額(国外所得総額)307万0647円
上記金額は,次の(a)及び(b)の各金額の合計額である。
(a)源泉が国外にある給与所得の金額(別表11-1<ア>)
2342万4927円
上記金額は,前記ア(ウ)(別表11-1<C>)の給与所得の金額1
億3601万7700円に,前記ア(ウ)a(同表<A>)及び同b(同
表<B>)の各金額の合計額1億4496万6000円のうちに同b
(同表<B>)の金額2496万6000円(その源泉が国外にある
もの)の占める割合を乗じて計算した金額である。
(b)源泉が国外にある不動産所得の金額(別表11-1<イ>,別表9
-45の④欄の順号8上段)△2035万4280円
上記金額は,別表9-45の④欄において算出した金額である。
d④の金額(控除限度額)102万5791円
上記金額は,上記①の金額3508万2434円に,上記②の金額
1億0501万7314円のうちに上記③の金額307万0647円
の占める割合を乗じて計算した金額である。
e⑤の金額(外国所得税額)902万2920円
上記金額は,上記③の金額について納税者が納付することとなる外
国所得税の額であり,原告P6が第12事件・平成14年分確定申告
書に添付した2002W-2andEARNINGSSUMMARYのFed.IncomeTaxWit
hholdBox2ofW-2欄に記載された7万2281.67ドルを原告P
6が邦貨に換算した金額と同額であって,当事者間に争いがないもの
である。
(エ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(オ)源泉徴収税額3988万9458円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成14年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(2)第12事件・平成15年分
ア総所得金額9740万6160円
上記金額は,次の(ア)~(オ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-46の④欄の順号9)
△3066万7875円
上記金額は,別表9-46の④欄において算出した金額であり,本件
建物(P)に係る収入金額及び必要経費である①欄の網掛け部分記載の
金額と,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額及び必要経費であ
る②欄の網掛けのされていない部分記載の金額とを併せて算出した額で
ある。
(イ)配当所得の金額327万3588円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告書に記載
した配当所得の金額と同額である
(ウ)給与所得の金額1億2366万3951円
上記金額は,次のa,b及びcの各給与収入金額の合計額1億319
6万2054円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同
条2項の規定に基づいて控除した後の金額であり,原告P6が第12事
件・平成15年分確定申告書に記載した給与所得の金額と同額であって,
当事者間に争いがないものである。
aP43からの給与等の収入金額1億0400万円
bP44からの給与等の収入金額1392万2054円
cP45からの給与等の収入金額1404万円
(エ)雑所得の金額14万3300円
上記金額は,当事者間に争いがないものである。
(オ)総合課税の長期譲渡所得の金額99万3196円
上記金額は,措置法31条1項及び所得税法33条3項の規定に基づ
き,次のaの金額からb及びcの金額を控除し,当該金額を同法22条
2項2号の規定により2分の1にした後の金額であって,当事者間に争
いがないものである。
a総合課税の長期譲渡所得の金額(土地等以外)
4664万0015円
上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を控除した後の金額であ
る。
(a)長期譲渡の総収入金額(土地等以外)7470万3154円
上記金額は,航空機貸付け事業に係る航空機を譲渡したことによる
収入金額であって,当事者間に争いがないものである。
(b)取得費及び譲渡費用の額(土地等以外)2806万3139円
上記金額は,航空機貸付け事業に係る航空機の取得費及び譲渡費用
の額であって,当事者間に争いがないものである。
b分離課税の長期譲渡所得の金額(土地等)
△4415万3622円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告書第三
表の「分離課税の短期・長期譲渡所得に関する事項」の「差引金額」
欄に記載した金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
c特別控除額50万円
上記金額は,所得税法33条4項に規定する譲渡所得の特別控除額
である。
イ分離課税の長期譲渡所得の金額0円
上記金額は,措置法31条1項及び所得税法33条3項括弧書きの規定
に基づき計算した後の金額である。
ウ所得控除の額の合計額304万7114円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものであ
る。
エ課税総所得金額9435万9000円
上記金額は,前記アの総所得金額9740万6160円から前記ウの所
得控除の額の合計額304万7114円を控除した後の金額である。
オ納付すべき税額△260万7625円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(オ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額3242万2830円
上記金額は,前記エの課税総所得金額9435万9000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除額16万3680円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額327万3588円に所得税
法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額で
ある。
(ウ)外国税額控除額68万9135円
上記金額は,別表11-2のとおり,所得税法95条1項及び所得税
法施行令222条1項により計算した金額(下記dとeとのいずれか少
ない方の金額)である。なお,別表11-2の①~⑤の金額の内容は,
次のとおりである。
a①の金額(差引所得税額)3225万9150円
上記金額は,上記(ア)の課税総所得金額に対する税額3242万28
30円から上記(イ)の配当控除額16万3680円を控除した後の金
額である。
b②の金額(所得総額)9740万6160円
上記金額は,前記アの総所得金額である。
c③の金額(国外所得総額)208万0833円
上記金額は,次の(a)及び(b)の各金額の合計額である。
(a)源泉が国外にある給与所得の金額(別表11-2<ア>)
2620万3730円
上記金額は,前記ア(ウ)(別表11-2<D>)の給与所得の金額1
億2366万3951円に,前記ア(ウ)a~c(同表<A>~<C>)の
各金額の合計額1億3196万2054円のうちに同b(同表<B>)
及び同c(同表<C>)の各金額の合計額2796万2054円(そ
の源泉が国外にあるもの)の占める割合を乗じて計算した金額であ
る。
(b)源泉が国外にある不動産所得の金額(表11-2<イ>,別表9-
46の④欄の順号8上段)△2412万2897円
上記金額は,別表9-46の④欄において算出した金額である。
d④の金額(控除限度額)68万9135円
上記金額は,上記①の金額3225万9150円に,上記②の金額
9740万6160円のうちに上記③の金額208万0833円の占
める割合を乗じて計算した金額である。
e⑤の金額(外国所得税額)755万9657円
上記金額は,上記③の金額について納税者が納付することとなる外
国所得税の額であり,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告
書に添付した外国税額控除に関する明細書の「左に係る外国所得税額」
(相手国での課税標準に係る外国所得税額を指す。)の「計」欄に記
載した金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(エ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(オ)源泉徴収税額3392万7640円
上記金額は,原告P6が第12事件・平成15年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額である。
(3)第20事件・平成16年分
ア総所得金額8473万6315円
上記金額は,次の(ア)及び(イ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-47の④欄の順号9)
△2559万1485円
上記金額は,別表9-47の④欄において算出した金額であり,本件
建物(P)に係る収入金額及び必要経費である①欄の網掛け部分記載の
金額と,本件建物(P)以外の不動産に係る収入金額及び必要経費であ
る②欄の網掛けのされていない部分記載の金額とを併せて算出した額で
ある。
(イ)給与所得の金額1億1032万7800円
上記金額は,次のa~cの各給与収入金額の合計額1億1792万4
000円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同条2項
の規定に基づいて控除した後の金額であり,原告P6が第20事件・平
成16年分確定申告書に記載した給与所得の金額と同額であって,当事
者間に争いがないものである。
aP43からの給与等の収入金額9600万円
bP44からの給与等の収入金額324万7200円
cP46からの給与等の収入金額1867万6800円
イ所得控除の額の合計額294万3880円
上記金額は,原告P6が第20事件・平成16年分確定申告書に記載し
た所得控除の額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものであ
る。
ウ課税総所得金額8179万2000円
上記金額は,前記アの総所得金額8473万6315円から前記イの所
得控除の額の合計額294万3880円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額△208万4890円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額2777万3040円
上記金額は,前記(3)の課税総所得金額8179万2000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)外国税額控除額0円
上記金額は,別表11-3のとおり,所得税法95条1項及び所得税
法施行令222条1項により計算した金額(下記dとeとのいずれか少
ない方の金額)であって,下記のとおり,eの金額が計数上マイナスと
なることから,零円となる。なお,別表11-3の①~⑤の金額の内容
は,次のとおりである。
a①の金額(差引所得税額)2777万3040円
上記金額は,上記(ア)の課税総所得金額に対する税額である。
b②の金額(所得総額)8473万6315円
上記金額は,上記アの総所得金額である。
c③の金額(国外所得総額)△362万4560円
上記金額は,次の(a)及び(b)の各金額の合計額である。
(a)源泉が国外にある給与所得の金額(別表11-3<ア>)
2051万1742円
上記金額は,前記ア(イ)(別表11-3<D>)の給与所得の金額1
億1032万7800円に,前記ア(イ)a~c(同表<A>~<C>)の
各金額の合計額1億1792万4000円のうちに同b(同表<B>)
及びc(同表<C>)の各金額の合計額2192万4000円(その
源泉が国外にあるもの)の占める割合を乗じて計算した金額である。
(b)源泉が国外にある不動産所得の金額(表11-3<イ>,別表9-
47の④欄の順号8上段)△2413万6302円
上記金額は,別表9-47の④欄において算出した金額である。
d④の金額(控除限度額)0円
上記①の金額に,上記②の金額8473万6315円のうちに上記
③の金額△362万4560円の占める割合を乗じて計算した金額は,
△118万7980円となることから,控除限度額は,零円となる。
e⑤の金額(外国所得税額)599万3139円
上記金額は,上記cの金額について納税者が納付することとなる外
国所得税の額であり,原告P6が第20事件・平成16年分確定申告
書に添付した外国税額控除に関する明細書の「⑤外国所得税額」欄
に記載した金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により計算した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額2960万7930円
上記金額は,原告P6が第20事件・平成16年分確定申告書に記載
した源泉徴収税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(4)第27事件・平成17年分
ア総所得金額1億6494万4880円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-48の④欄の順号8)
△2311万9771円
上記金額は,別表9-48の④欄において算出した金額である。
(イ)配当所得の金額6388万8321円
上記金額は,原告P6がP46から平成17年中に支払を受けた配当
等の収入金額であり,原告P6が第27事件・平成17年分確定申告書
の第二表の「所得の内訳」欄に同社からの配当の「収入金額」として記
載した金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)給与所得の金額1億2417万6330円
上記金額は,次のa~cの各給与収入金額の合計額1億3250万1
400円から所得税法28条3項に規定する給与所得控除額を同条2項
の規定に基づいて控除した後の金額であり,原告P6が第27事件・平
成17年分修正申告書に記載した給与所得の金額と同額であって,当事
者間に争いがないものである。
aP43からの給与等の収入金額9600万円
bP44からの給与等の収入金額548万9500円
cP46からの給与等の収入金額3101万1900円
イ所得控除の額の合計額238万7914円
上記金額は,原告P6が平成17年分修正申告書に記載した所得控除の
額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ課税総所得金額1億6255万6000円
上記金額は,前記アの総所得金額1億6494万4880円から前記イ
の所得控除の額の合計額238万7914円を控除した後の金額である。
エ納付すべき税額90万9900円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
から更にオの金額を差し引いた後の金額である。
(ア)課税総所得金額に対する税額5765万5720円
上記金額は,前記ウの課税総所得金額1億6255万6000円に所
得税法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)外国税額控除額2626万5794円
上記金額は,別表11-4のとおり,所得税法95条1項及び所得税
法施行令222条1項により計算した金額(下記dとeとのいずれか少
ない方の金額)である。なお,別表11-4の①~⑤の金額の内容は,
次のとおりである。
a①の金額(差引所得税額)5765万5720円
上記金額は,上記(ア)の課税総所得金額に対する税額である。
b②の金額(所得総額)1億6494万4880円
上記金額は,上記アの総所得金額である。
c③の金額(国外所得総額)7514万2731円
上記金額は,次の(a)~(c)の各金額の合計額である。
(a)源泉が国外にある給与所得の金額(別表11-4<ア>)
3420万8015円
上記金額は,前記ア(ウ)(別表11-4<D>)の給与所得の金額1
億2417万6330円に,前記ア(ウ)a~c(同表<A>~<C>)の
各金額の合計額1億3250万1400円のうちに同b(同表<B>)
及びc(同表<C>)の各金額の合計額3650万1400円(その
源泉が国外にあるもの)の占める割合を乗じて計算した金額である。
(b)源泉が国外にある不動産所得の金額(別表9-48の①欄の順号
7上段)△2295万3605円
上記金額は,別表9-48の④欄において算出した金額である。
(c)源泉が国外にある配当所得の金額(別表11-4<ウ>)
6388万8321円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額と同額である。
d④の金額(控除限度額)2626万5794円
上記金額は,上記①の金額5765万5720円に,上記②金額1
億6494万4880円のうちに上記③の金額7514万2731円
の占める割合を乗じて計算した金額である。
e⑤の金額(外国所得税額)3841万0186円
上記金額は,上記cの金額について納税者が納付することとなる外
国所得税の額であり,原告P6が第27事件・平成17年分確定申告
書に添付した外国税額控除に関する明細書の「⑤外国所得税額」欄
に記載した金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により計算した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額2960万2380円
上記金額は,原告P6が平成17年分修正申告書に記載した源泉徴収
税額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(オ)予定納税額62万7600円
上記金額は,原告P6が平成17年分修正申告書に記載した予定納税
額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額であって,当事者間に争い
がないものである。
8原告P7の第13事件・平成15年分
ア総所得金額2816万5993円
上記金額は,次の(ア)~(ウ)の各金額の合計額である。
(ア)不動産所得の金額(別表9-51の①欄の順号18)
△4429万2589円
上記金額は,別表9-51の①欄において算出した金額である。
(イ)配当所得の金額935万7500円
上記金額は,原告P7が平成15年分確定申告書に記載した配当所得
の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
(ウ)給与所得の金額6310万1082円
上記金額は,被告主張の計算方法により算出した給与所得の金額であ
って(別紙9の第13の3(1)ア(ウ)参照),当事者間に争いがないもの
である。
イ株式等に係る譲渡所得等の金額0円
上記金額は,原告P7が平成15年分確定申告書に記載した株式等に係
る譲渡所得等の金額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
ウ所得控除の額の合計額285万2634円
上記金額は,原告P7が平成15年分確定申告書に記載した所得控除の
額の合計額と同額であって,当事者間に争いがないものである。
エ課税総所得金額2531万3000円
上記金額は,前記アの総所得金額2816万5993円から前記ウの所
得控除の額の合計額285万2634円を控除した後の金額である。
オ納付すべき税額△1415万1235円
上記金額は,次の(ア)の金額から(イ)~(エ)の各金額を差し引いた後の金額
である。
(ア)課税総所得金額に対する税額687万5810円
上記金額は,前記エの課税総所得金額2531万3000円に所得税
法89条1項の税率を乗じて算出した金額である。
(イ)配当控除の額46万7875円
上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額935万7500円に,所得
税法92条1項の規定により100分の5の割合を乗じて算出した金額
である。
(ウ)定率減税額25万円
上記金額は,負担軽減措置法6条2項の規定により算出した定率減税
額である。
(エ)源泉徴収税額2030万9170円
上記金額は,被告主張の各源泉徴収額の合計であって(別紙9の第1
3の3(1)オ(エ)参照),当事者間に争いがないものである。




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