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裁判例


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       主   文
一 控訴人らと被控訴人との間において、平成六年二月三日現在の別紙選定者目録
記載の選定者らの年次有給休暇保有日数が別紙選定者別年次有給休暇保有日数一覧
表(7)欄記載のとおりであることを確認する。
二 控訴人らのその余の確認請求を棄却する。
三 控訴人Aの賃金請求に係る控訴を棄却する。
四 当審における控訴人らの新請求及び控訴人Aの賃金請求に係る控訴に関する訴
訟費用は控訴人らの負担とする。
       事実及び理由
第一 当事者の求めた裁判
一 控訴人ら
1 控訴人らと被控訴人との間において、平成六年二月三日現在の別紙選定者目録
記載の選定者らの年次有給休暇保有日数が別紙選定者別年次有給休暇保有日数一覧
表(2)欄記載のとおりであることを確認する(当審において交換的に変更された
新請求)。
2 原判決中控訴人Aの賃金請求に係る部分を取り消す。
3 被控訴人は、控訴人Aに対し、金一万一五一七円及びこれに対する平成元年一
二月二九日から支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 被控訴人
1 控訴人らの新請求をいずれも棄却する。
2 主文第三、四項同旨
第二 事案の概要
 当事者双方の主張は、控訴人らの確認請求について、原審では平成三年一二月二
四日現在における本件選定者らの年次有給休暇保有日数が別紙選定者別年次有給休
暇保有日数一覧表(1)欄記載のとおりであることの確認を求めるものであったの
に対し、当審では平成六年二月三日現在における同日数が同一覧表(2)欄記載の
とおりであることの確認を求めるものに交換的に変更されたことに伴い、本件選定
者らの年次有給休暇保有日数が右(2)欄記載のとおり改められたほかは、原判決
の「第二 事案の概要」欄記載(二枚目表末行目から七枚目裏一〇行目まで)のと
おりであるから、これを引用する。ただし、二枚目裏末行目から三枚目表二行目に
かけて「昭和五九年以来、夏季における一〇日程度の連続休暇を実施する一貫とし
て、有給休暇(昭和六一年からは二日)の一斉取得の措置をとってきたが」とある
のを「昭和五九年以来、夏季における連続休暇を実施する一貫として、有給休暇
(昭和五九年、六〇年は一日、昭和六一年からは二日)の一斉取得の措置をとって
きたが」と改める。
第三 当裁判所の判断
 当裁判所も、平成六年二月三日現在における本件選定者らの年次有給休暇保有日
数が前記一覧表(2)欄記載のとおりであることの確認を求める控訴人らの請求
は、同一覧表(7)欄記載の保有日数の限度で理由があるが、これを超える部分は
失当であり、控訴人Aの賃金の支払を求める請求は、失当であると認定、判断する
が、その理由は、次のとおり付加するほかは、原判決の「第三 争点に対する判
断」における理由説示(七枚目裏一二行目から二〇枚目裏六行目まで)のとおりで
あるから、これを引用する。ただし、二〇枚目表五行目の「労基法二九条五項」を
「労基法三九条五項」と改める。
一 乙第五六ないし第六〇号証、第六一号証の一、二、第六三号証、第六五号証の
一、二、第六六ないし第六八号証、第六九ないし第七一号証の各一、二、第七二号
証の一ないし三、第七三、第七四号証、第七五号証の一によると、被控訴人は、平
成四年の計画年休についても、従前と同じ手続きを経て、平成三年一一月二七日、
重工労組との間で、平成四年七月二九日及び三〇日を計画年休とする旨の書面によ
る協定を締結し、平成五年の計画年休についても、同様の手続きを経て、平成四年
一二月二六日、重工労組との間で、計画的付与日数を二日から四日に改め、平成五
年七月二七日、二八日、八月一三日及び一六日を計画年休とする旨の書面による協
定を締結したこと、平成六年二月三日現在における本件選定者らの年次有給休暇保
有日数は、右四日の計画的付与による取得分を含め、前記一覧表(7)欄記載のと
おりであることが認められる。
二 控訴人らは、当審において、平成六年二月三日付け第三準備書面に基づき、本
件争点一について詳細な主張を展開しているが、その骨子は、原判決に対する批判
を除き、原審における主張と同一である。
 これに対する当裁判所の判断は、既に述べたとおりであるが、これを要するに、
被控訴会社長崎造船所における本件計画年休は、労基法三九条五項の規定により年
次有給休暇の計画的付与制度が新設されたことに伴い、その趣旨に則り、年次有給
休暇の取得を促進するため、平成元年から、全体の約九八パーセントの従業員によ
って構成される重工労組との間の書面による協定に基づいて実施されたものである
ところ、本件協定の締結に当たっては、昭和六三年一〇月以降、三つの労働組合と
の団体交渉を通じて、右制度導入の提案、趣旨説明、意見聴取等適正な手続きを経
由したことが認められる。そして、本件計画年休は、その内容においても、事業所
全体の休業による一斉付与方式を採用し、計画的付与の対象日数を二日(平成五年
からは、四日)に絞るとともに、これを夏季に集中することによって大多数の労働
者が希望する一〇日程度の夏季連続休暇の実現を図るという法の趣旨に則ったもの
であり、現時点において年休取得率の向上に寄与する結果が得られていると否とを
問わず、本件選定者ら(長船労組組合員)について適用を除外すべき特別の事情が
あるとは認められない以上、これに反対の本件選定者ら(長船労組組合員)に対し
ても、その効力を有するものというべきである。
第四 結論
 よって、当審において交換的に変更された、平成六年二月三日現在における本件
選定者らの年次有給休暇保有日数の確認を求める控訴人らの新請求は、前記一覧表
(7)欄記載の保有日数の限度で正当であるから、これを認容し、その余は、失当
であるから、これを棄却し、控訴人Aの賃金の支払を求める請求を棄却した原判決
は、正当であって、右請求に係る控訴は、理由がないから、これを棄却することと
し、当審における控訴人らの新請求及び控訴人Aの賃金請求に係る控訴に関すする
訴訟費用の負担について民訴法九五条、八九条、九三条、九二条を適用して、主文
のとおり判決する。
(裁判官 鍋山健 小長光馨一 西理)
 選定者目録
長崎市<以下略>
 選定者 B
同 <以下略>
 選定者 C
同 <以下略>
 選定者 D
同 <以下略>
 選定者 E
長崎県西彼杵郡<以下略>
 選定者 F
長崎市<以下略>
 選定者 G
同 <以下略>
 選定者 H
同 <以下略>
 選定者 I
同 <以下略>
 選定者 J
長崎県西彼杵郡<以下略>
 選定者 K
長崎市<以下略>
 選定者 L
同 <以下略>
 選定者 A
同 <以下略>
 選定者 M
同 <以下略>
 選定者 N
長崎県西彼杵郡<以下略>
 選定者 O
長崎市<以下略>
 選定者 P
同 <以下略>
 選定者 Q
長崎市<以下略>
 選定者 R
同 <以下略>
 選定者 S
同 <以下略>
 選定者 T
同 <以下略>
 選定者 U
 以上
別紙<27498-001>
選定者別年次有給休暇保有日数一覧表

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