弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人高島良一、同高井伸夫、同安西愈、同加茂善仁及び上告補助参加代理
人大室征男の各上告理由について
 ユニオン・ショップ協定のうち、同協定締結組合以外の他の労働組合に加入して
いる者及び右締結組合から脱退し又は除名されたが、他の労働組合に加入し又は新
たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、民法九〇条
の規定により無効と解すべきであり、したがって、使用者が、ユニオン・ショップ
協定に基づき、このような労働者に対してした解雇は、同協定に基づく解雇義務が
生じていないのにされたものであるから、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念
上相当なものとして是認することはできず、他に解雇の合理性を裏付ける特段の事
由がない限り、解雇権の濫用として無効というべきである(最高裁昭和六〇年(オ)
第三八六号平成元年一二月一四日第一小法廷判決参照)。
 原審の適法に確定したところによれば、(1) 上告会社は上告補助参加人組合(
以下「参加人組合」という。)との間において、同社は同組合から除名された従業
員を解雇する旨の本件ユニオン・ショップ協定を締結していた、(2) 参加人組合
の規約には、組合員が同組合を脱退するには所定の脱退届を提出して支部執行委員
会及び中央執行委員会の承認を得なければならない旨の規定がある、(3) 被上告
人らは上告会社に勤務する従業員であり、参加人組合の組合員であったが、同組合
の方針が自己の考えと相容れないとして、昭和五四年二月二八日、それぞれ総評D
組合及び同組合E分会(以下「訴外各組合」という。)に加入し、参加人組合の各
所属支部宛に同組合から脱退する旨の脱退届を内容証明郵便で送付して提出した、
(4) 参加人組合制裁委員会は同年三月六日、被上告人らにつき除名相当との裁定
を下し、同組合はこの裁定を受けて、同月一〇日の臨時組合大会において被上告人
らに対する除名処分を可決した、(5) 参加人組合は同月二七日付けで上告会社に
対し、本件ユニオン・ショップ協定に基づき被上告人らの解雇を申し入れ、上告会
社は同日被上告人らを解雇した、というのである。右事実関係の下において、被上
告人らが、脱退を制約する組合規約の規定にかかわらず、有効に参加人組合を脱退
したものというべきであるとした原審の判断は是認することができ、同組合を脱退
して訴外各組合に加入した被上告人らについては、本件ユニオン・ショップ協定に
基づく解雇義務が生ずるものでないことは、前記説示に照らして明らかというべき
である。そうすると、上告会社が、本件ユニオン・ショップ協定に基づき、被上告
人らに対してした本件各解雇は、同協定による上告会社の解雇義務が生じていない
ときにされたものというべきであり、また、本件において他に本件各解雇の合理性
を裏付ける特段の事由を認めることはできないから、結局、本件各解雇は、客観的
に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものとして是認することはできず、解雇
権の濫用として無効であるといわなければならない。
 以上と同旨の見解に立って、本件各解雇が解雇権の濫用であって無効であるとし
た原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。ま
た、所論憲法二八条違反の主張は、その実質において法令違背を主張するものにす
ぎず、原判決に法令違背のないことは右に述べたとおりである。論旨は、採用する
ことができない。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    佐   藤   哲   郎
            裁判官    角   田   禮 次 郎
            裁判官    大   内   恒   夫
            裁判官    四 ツ 谷       巖
            裁判官    大   堀   誠   一

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