弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人小関藤政の上告趣意第一点並びに被告人Bの弁護人向江璋悦、
同安西義明の上告趣意第三点について。
 所論はいずれも単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当
らない。(原審のこの点に関する判断は正当である。)
 被告人Aの弁護人小関藤政の上告趣意第二点について。
 所論は単なる訴訟法違反の主張であつて、同条の上告理由に当らない(所論摘示
の証拠物の押収手続に所論のような弁護人に立会の機会を与えなかつた違法があつ
たとしても、第一審公判廷において証拠調する際被告人および弁護人等より何等異
議の申立があることなく、適法に証拠調が施行されたものであること記録上明白で
あるから、第一審裁判所がこれを罪証に供したとしても違法ということはできない)。
 同第三点及び第四点について。
 所論はいずれも単なる訴訟法違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない(
記録によれば被告人Aの検察官に対する供述の際黙秘権のあることを告知されたこ
とを認めることができるし、その他同調書がその任意性を欠くものと認むべき資料
は存しないばかりでなく、第一審公判廷において、同被告人も弁護人もこれを証拠
とすることに同意していること記録上明らかであるから、右調書が証拠能力を有す
ることは言うまでもない。)。
 同第五点、第六点、第八点について。
 所論第五点、第八点は、単なる訴訟法違反、事実誤認の主張を出でないものであ
り、同第六点は、量刑不当の主張であつて、いずれも、適法な上告理由に当らない。
 同第七点について。
 所論は違憲をいうけれども、その実質は、単なる法令違反の主張であつて、適法
な上告理由に当らない(記録によれば、向江弁護士は、昭和三二年一二月一九日東
京家庭裁判所において、同人の名を菊松から璋悦に改めることにつき正式に許可を
受けているから原審の弁護人選任は、要するに弁護士の資格を有する向江弁護士を
選任したものに外ならない。次に、右選任書に被告人A外一名と記載されているが、
右の「外一名」とは、被告人Bを指すこと記録上疑を容れる余地がない。更に記録
によれば、向江弁護人は、右被告人両名の弁護人として選任され、両名のため控訴
趣意書を作成提出したが、その後被告人Aにおいて弁護人小関藤政を私選したため、
同被告人に対する関係において解任されたものであること、小関弁護人は自ら同被
告人のため控訴趣意書及び控訴趣意補充書を逐次作成提出し、原審においてこれに
基いて陳述し、原審の事実審理に関与し、弁論もなしたものであること、並びに向
江弁護人が前記控訴趣意書に、本件犯行は被告人Aの使嗾によるものである旨の字
句が記載されていること所論のとおりであるが、その字句は、被告人Bのため量刑
不当を主張すべく一情状として述べられたものであるにすぎないのであつて、その
字句があるからといつて、右控訴趣意書全体の趣旨において、被告人Aに不利な主
張がなされているとは認められない。)。
 被告人A本人の上告趣意(補充上告趣意を含む)について。
 所論は、単なる訴訟法違反、事実誤認、量刑不当の主張を出でないものであつて、
適法な上告理由に当らない(なお同被告人の検察官に対する所論供述調書の栂印が
強制によるものであることについては、これを認めるに足りる証拠がない。)。
 被告人Bの弁護人向江璋悦、同安西義明の上告趣意第一点について。
 所論は、量刑不当の主張を出でないものであつて、適法な上告理由に当らない。
 同第二点(補充上告趣意を含む)について。
 所論は原判決の処断した刑法死刑の規定は憲法三六条にいわゆる残虐な刑罰であ
つて、違憲であると主張する。しかし、現行の死刑制度が憲法に違反しないもので
あることは、当裁判所大法廷判決のしばしば判示したところであり(判例集二巻三
号一九一頁以下、同五巻五号九二三頁以下、同六巻一号一〇四頁以下参照)、また、
現在わが国の採用している方法による絞首刑が憲法三六条にいう「残虐な刑罰に当
らないことも当裁判所大法廷の判例(昭和二六年(れ)第二五一八号、同三〇年四
月六日大法廷判決、判例集九巻四号六六三頁以下参照)とするところであるから、
論旨は採るを得ない。
 被告人B本人の上告趣意(補充上告趣意を含む)について。
 所論は、違憲をいうが、その実質は、単なる訴訟法違反、事実誤認、量刑不当の
主張を出でないものであつて、適法な上告理由に当らない(なお、同被告人の司法
警察員に対する所論供述調書は、原判決において証拠とされていないし、また、同
被告人の検察官に対する所論供述調書が所論のように任意性を欠くものと認むべき
資料は存しないばかりでなく、第一審公判廷において、同被告人も弁護人もこれを
証拠とすることに同意していること記録上明らかであるから右供述調書の証拠能力
はこれを否定することはできない。)。
 そして、記録を調べても本件につき刑訴四一一条一号ないし三号を適用すべきも
のとは認められない。
 よつて同四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判
決する。
 検察官 柳川真文公判出席
  昭和三三年四月一七日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

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